JP6988383B2 - 補正値の算出方法、画像形成装置及びプログラム - Google Patents

補正値の算出方法、画像形成装置及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、補正値の算出方法、画像形成装置及びプログラムに関する。
従来、画像データの各画素の階調値に応じて変調された光ビームにより、帯電した感光体の表面を走査させて露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像することによって画像を形成する電子写真方式の画像形成装置がある。この画像形成装置では、複数の光ビームを並行して走査して、一回の走査で複数ライン分の露光を行うことで、より高速に画像を形成する技術がある(例えば、特許文献1)。このように並行して走査される複数の光ビームは、マルチビームとも呼ばれる。
マルチビームを用いる場合には、光ビームの間隔を一定に保つことが望ましいが、実際には、製造時の調整誤差や経時変化等により各光ビームの位置ずれ(照射位置のずれ)が生じる場合がある。光ビームに位置ずれがあると、例えば線画像の線幅の局所的な変動に繋がる。線画像の濃度は線幅に応じて増減するため、上記線幅の局所的な変動は、線画像に濃度むらを生じさせる。
また、マルチビームを用いた露光では、一繋がりの画像パターンの露光を2回以上の走査に分けて行うと、多重露光効果によってパターンの濃度が局所的に変動することがある。多重露光効果は、同じ位置に同じ量の光エネルギーを1回で与える場合と複数回に分けて与える場合とでは、複数回に分けた方の露光効率が向上(電子写真において多くの場合は向上するが、低下する場合もある)する現象であり、相反則不軌とも呼ばれている。多重露光効果は、走査の境界を跨ぐ画像パターンに応じて濃度への影響量が異なる。多重露光効果による濃度変化も、線画像等における濃度むらを生じさせる。
光ビームの位置ずれや多重露光効果により生じる濃度むらはわずかであるものの、画像のパターンによってはこのような濃度むらが周期的に生じ、濃度むらが生じた部分とそうでない部分との濃度差が規則的に現れてモアレとして視認されてしまう。
上記の濃度むらを補正するためには、濃度むらが生じている形成画像(例えば、所定の検査画像)の読取結果に基づいて、各光ビームの位置ずれ量に係る補正値(第1補正値)、及び画像パターンに応じた多重露光効果の影響量に係る補正値(第2補正値)を算出し、得られた補正値に基づいて画像データを補正したり光ビームの配置を調整したりする必要がある。このように、濃度むらの要因別に補正値(第1補正値及び第2補正値)を算出して補正することで、要因に応じた適切な補正を行うことができ、濃度むらの発生を効果的に抑制することができる。
特開2015−100920号公報
しかしながら、検査画像に実際に生じた濃度むらにおいて、光ビームの位置ずれ及び多重露光効果がそれぞれどの程度影響しているかを特定するのは容易でない。このため、検査画像の読取結果に基づいて、光ビームの位置ずれに係る第1補正値及び多重露光効果に係る第2補正値を各々独立に、かつ正確に算出するのが困難であるという課題がある。
この発明の目的は、濃度むらの補正に用いられる補正値をより容易に算出することができる補正値の算出方法、画像形成装置及びプログラムを提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の補正値の算出方法の発明は、
感光体の表面を副走査方向に移動させる動作と、複数の光ビームにより前記感光体の表面を主走査方向に走査させる動作とを繰り返して前記感光体を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写することで画像を形成する画像形成装置における濃度むらの補正に用いられる補正値の算出方法であって、
前記複数の光ビームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の個別検査画像が、それぞれ前記複数の光ビームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた検査画像を記録媒体に形成する検査画像形成工程、
前記検査画像の読取結果に基づいて、前記複数の光ビームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第1補正値からなる第1補正値群、及び連続する前記走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第2補正値からなる第2補正値群を算出する補正値算出工程、
を含み、
前記補正値算出工程では、
前記検査画像に含まれる前記個別検査画像の各々について、当該個別検査画像の前記種別及び前記位相関係に基づいて、前記第1補正値群のうち当該個別検査画像の濃度に影響を及ぼす前記光ビームの位置ずれに係る第1補正値と、前記第2補正値群のうち当該個別検査画像が対応する画像パターンに応じた前記多重露光効果の影響量に係る第2補正値との組合せを特定し、
前記読取結果から得られた前記個別検査画像の各々の濃度に係る濃度情報と、前記個別検査画像の各々に対応する前記第1補正値及び前記第2補正値の前記組合せとに基づいて、前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の補正値の算出方法において、
前記個別検査画像は、前記副走査方向について前記走査の空間的な周期と同一の周期で形成された単位パターンを含み、
前記種別が異なる前記個別検査画像の各々は、互いに異なる前記単位パターンを含むことを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の補正値の算出方法において、
前記異なる複数の位相関係の数は、前記複数の光ビームにおける光ビームの数と同一であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
前記検査画像形成工程では、前記異なる2以上の種別の個別検査画像が前記異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた画像ユニットが、前記主走査方向について異なる位置に複数配置された前記検査画像を形成し、
前記補正値算出工程では、
前記複数の画像ユニットの各々に基づいて前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出し、
算出された複数組の前記第2補正値群を平均して一組の前記第2補正値群を算出し、
前記一組の第2補正値群に基づいて、前記複数の画像ユニットの各々に対応する前記第1補正値群を再算出することを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項1から3のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
前記検査画像形成工程では、前記異なる2以上の種別の個別検査画像が前記異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた画像ユニットが、前記主走査方向について異なる位置に複数配置された前記検査画像を形成し、
前記補正値算出工程では、
前記複数の画像ユニットの各々に基づいて前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出し、
得られた複数組の前記第1補正値群及び複数組の前記第2補正値群のうち少なくとも一方について、各組の補正値群を対象として、対象の組の補正値群を含む二以上の組の補正値群の、当該二以上の組の各々に対応する画像ユニット同士の主走査方向の距離に応じた重み付け平均値を算出し、前記対象の組の補正値群を前記重み付け平均値に更新することを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
前記補正値算出工程では、前記複数の光ビームの各々に係る位置ずれ同士の間に所定の相関関係を仮定し、当該相関関係に基づいて前記第1補正値群を算出することを特徴としている。
請求項7に記載の発明は、請求項1から6のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
前記検査画像形成工程では、前記複数の位相関係の各々について、前記種別及び前記位相関係が同一である2以上の前記個別検査画像を含む前記検査画像を形成することを特徴としている。
請求項8に記載の発明は、請求項1から7のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
前記検査画像形成工程では、濃度及び前記副走査方向についての空間周波数が前記個別検査画像と同等であり、かつ前記複数の光ビームとの間で干渉パターンを有しない複数の参照画像を含む前記検査画像を形成し、
前記補正値算出工程では、前記参照画像の濃度に応じて補正された前記個別検査画像の濃度情報に基づいて前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴としている。
請求項9に記載の発明は、請求項1から8のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
読取手段により、所定の読取解像度、所定の空間フィルタ特性、及び画像領域の属性に応じた読取処理の設定に係る所定の領域判別設定で前記検査画像を読み取る読取工程を含み、
前記読取工程では、前記読取解像度、前記空間フィルタ特性及び前記領域判別設定のうち少なくとも一つを、前記個別検査画像との干渉が生じないように調整することを特徴としている。
請求項10に記載の発明は、請求項1から9のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
前記検査画像形成工程の前に、前記複数の光ビームの光量ばらつきを低減させる光量調整工程を含むことを特徴としている。
請求項11に記載の発明は、請求項1から10のいずれか一項に記載の補正値の算出方法において、
前記複数の光ビームの各々による照射位置及び光量の少なくとも一方の変動を検出し、検出された変動の量に応じて前記第1補正値群に含まれる前記複数の第1補正値の少なくとも一部を修正する補正値修正工程を含むことを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項12に記載の画像形成装置の発明は、
感光体と、
複数の光ビームを射出する光源と、
前記感光体の表面を副走査方向に移動させる動作と、前記複数の光ビームにより前記感光体の表面を主走査方向に走査させる動作とを繰り返して前記感光体を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写させることで画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段の動作を制御する画像形成制御手段と、
前記複数の光ビームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第1補正値からなる第1補正値群、及び連続する前記走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第2補正値からなる第2補正値群を算出する補正値算出手段と、
を備え、
前記画像形成制御手段は、前記画像形成手段により、前記複数の光ビームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の個別検査画像が、それぞれ前記複数の光ビームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた検査画像を記録媒体に形成させ、
前記補正値算出手段は、
前記検査画像に含まれる前記個別検査画像の各々について、当該個別検査画像の前記種別及び前記位相関係に基づいて、前記第1補正値群のうち当該個別検査画像の濃度に影響を及ぼす前記光ビームの位置ずれに係る第1補正値と、前記第2補正値群のうち当該個別検査画像が対応する画像パターンに応じた前記多重露光効果の影響量に係る第2補正値との組合せを特定し、
前記検査画像の読取結果から得られた前記個別検査画像の各々の濃度に係る濃度情報と、前記個別検査画像の各々に対応する前記第1補正値及び前記第2補正値の前記組合せとに基づいて、前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴としている。
請求項13に記載の発明は、請求項12に記載の画像形成装置において、
前記画像の形成に用いられる画像データにおける画素の階調値を、前記第1補正値群のうち補正対象の画素に対応する第1補正値、及び前記第2補正値群のうち前記補正対象の画素に対応する第2補正値の少なくとも一方に基づいて補正する補正手段を備えることを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、請求項14に記載のプログラムの発明は、
感光体と、複数の光ビームを射出する光源と、前記感光体の表面を副走査方向に移動させる動作と、前記複数の光ビームにより前記感光体の表面を主走査方向に走査させる動作とを繰り返して前記感光体を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写させることで画像を形成する画像形成手段と、を備える画像形成装置のコンピューターを、
前記画像形成手段の動作を制御する画像形成制御手段、
前記複数の光ビームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第1補正値からなる第1補正値群、及び連続する前記走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第2補正値からなる第2補正値群を算出する補正値算出手段、
として機能させ、
前記画像形成制御手段は、前記複数の光ビームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の個別検査画像が、それぞれ前記複数の光ビームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた検査画像を記録媒体に形成させ、
前記補正値算出手段は、
前記検査画像に含まれる前記個別検査画像の各々について、当該個別検査画像の前記種別及び前記位相関係に基づいて、前記第1補正値群のうち当該個別検査画像の濃度に影響を及ぼす前記光ビームの位置ずれに係る第1補正値と、前記第2補正値群のうち当該個別検査画像が対応する画像パターンに応じた前記多重露光効果の影響量に係る第2補正値との組合せを特定し、
前記検査画像の読取結果から得られた前記個別検査画像の各々の濃度に係る濃度情報と、前記個別検査画像の各々に対応する前記第1補正値及び前記第2補正値の前記組合せとに基づいて、前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴としている。
本発明に従うと、濃度むらの補正に用いられる補正値をより容易に算出することができるという効果がある。
画像形成装置の主要な機能構成を示すブロック図である。 マルチビームを照射する露光部の概略構成を示す図である。 レーザービームの位置ずれによる濃度変化を説明する図である。 マルチビームのビーム間隔のずれによって生じたモアレの一例を示す図である。 4つのレーザービームにより4画素幅の線画像を形成したときの各レーザービームの光量分布を示す図である。 多重露光効果を説明する図である。 多重露光効果による濃度変化を説明する図である。 ビーム補正部の機能構成を示すブロック図である。 第1補正部の入力単位である1×5画素を示す図である。 演算部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。 1×3画素のエッジパターンPe1及びPe2を示す図である。 階調値のパターンがエッジパターンPe1に該当する場合の補正例を示す図である。 修正対象のパターンPb1〜Pb4を示す図である。 第2補正部の入力単位である1×7画素を示す図である。 第2補正部の具体的な処理手順を示すフローチャートである。 第2補正部による補正に用いられるテンプレートの一例を示す図である。 テンプレートT13に一致した場合の補正例を示す図である。 テンプレートT13に代えて、テンプレートT24を選択した補正例を示す図である。 テンプレートT11に代えて、テンプレートT21を選択した補正例を示す図である。 テストチャートの構成を示す図である。 画像ユニットの内容例を示す図である。 4On−12Offの測定パッチ及びそのパッチパターンを説明する図である。 8On−8Offの測定パッチ及びそのパッチパターンを説明する図である。 画像ユニットにおける測定パッチの構成例を示す図である。 テクスチャーパターンパッチの配置例を示す図である。 テクスチャーパターンパッチによる濃度補正について説明する図である。 補正値Cbの算出過程を説明する図である。 補正値Cbの算出過程を説明する図である。 ビーム位置に対する補正値Cbの分布例を示す図である。 補正値L、Uの算出過程を説明する図である。 補正値L、Uの算出結果を示す図である。 補正設定処理の制御手順を示すフローチャートである。 補正値算出処理の制御手順を示すフローチャートである。
以下、本発明の補正値の算出方法、画像形成装置、プログラム及び検査画像に係る実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る実施形態の画像形成装置100の主要な機能構成を示すブロック図である。
画像形成装置100は、制御部11(画像形成制御手段、補正値算出手段、コンピューター)、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、画像生成部16、画像メモリー17、画像処理装置GA、画像形成部18及び画像読取部19(読取手段)を備えている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部12からプログラム12aを読み出して実行することにより、画像形成装置100の各部を制御する。
例えば、制御部11は、画像生成部16により生成され、画像メモリー17に保持された画像データを、画像処理装置GAにより画像処理させて、画像処理後の画像データに基づいて、画像形成部18により記録媒体上に画像を形成させる。
記憶部12は、制御部11により読み取り可能なプログラム12a、プログラム12aの実行時に用いられるファイル等を記憶している。記憶部12としては、ハードディスク等の大容量メモリーを用いることができる。
操作部13は、ユーザーの操作に応じた操作信号を生成し、制御部11に出力する。操作部13としては、キーパッド、表示部14と一体に構成されたタッチパネル等を用いることができる。
表示部14は、制御部11の指示に従って操作画面等を表示する。表示部14としては、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等を用いることができる。
通信部15は、ネットワーク上の外部装置、例えばユーザー端末、サーバー、他の画像形成装置等と通信する。
通信部15は、ネットワークを介してユーザー端末等から、画像を形成する指示内容がページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたデータ(以下、PDLデータという)を受信する。
画像生成部16は、通信部15により受信したPDLデータをラスタライズ処理し、ビットマップ形式の画像データを生成する。画像データは、各画素がC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の4色の階調値を有する。階調値は画像の濃淡を表すデータ値であり、例えば8ビット(bit)のデータ値は0〜255階調の濃淡を表す。
画像生成部16の処理内容は、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーにより画像生成用のプログラムを実行するソフトウェア処理により実現することができる。
画像生成部16は、画像データとともに、当該画像データの各画素の属性を示す属性データを生成することができる。
例えば、画像生成部16は、ラスタライズ処理時に、PDLデータ中の文字コードの記述にしたがって描画した、かな、アルファベット、数字等の画像の各画素の属性を文字(Text)と決定することができる。また、画像生成部16は、DXF、SVG、WMF等のベクター形式の記述にしたがって描画した多角形、円、罫線等の画像の各画素の属性を図形(Graphics)と決定し、JPEG形式のファイルにより描画した写真画像等の画像の属性を写真(Image又はPhotograph)と決定することができる。
画像メモリー17は、画像生成部16により生成した画像データを一時的に保持するバッファーメモリーである。画像メモリー17としては、DRAM(Dynamic RAM)等を用いることができる。
画像処理装置GAは、画像を形成するタイミングに合わせて、画像メモリー17から各ページの画像データを読み出し、画像処理を施す。
画像処理装置GAは、図1に示すように、γ補正部A1、疑似多階調処理部A2及びビーム補正部A3(補正手段)を備えている。
γ補正部A1は、画像形成部18により記録媒体上に形成した画像の濃度特性が目標とする濃度特性と一致するように、画像データの各画素の階調値を補正する。
疑似多階調処理部A2は、γ補正部A1により補正した画像データに疑似多階調処理を施す。疑似多階調処理は、例えば誤差拡散処理、ディザマトリクスを用いたスクリーン処理等である。
なお、文字、線等の画像が2値である場合、ビーム補正部A3による補正が特に有効であるが、これらの画像は、通常、疑似多階調処理の前後で変化が無い。よって、属性データを画像データとともに入力し、属性データが文字又は図形の属性を示す画素は、疑似多階調処理の対象外としてもよい。また、文字、線等の画像が多値である場合も同様にして疑似多階調処理の対象外としてもよい。
ビーム補正部A3は、疑似多階調処理部A2により処理した画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときに生じる、ビームの位置ずれや多重露光効果に起因する濃度むら(濃度差)が減るように補正する。
ビーム補正部A3の処理内容は、CPUやGPU等のプロセッサーにより、補正処理用のプログラムを読み出して実行するソフトウェア処理によって実現してもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate
Array)等のハードウェアによって実現してもよい。
画像形成部18は、画像処理装置GAにより画像処理した画像データの各画素のC、M、Y及びKの4色の階調値に応じて、4色からなる画像を記録媒体上に形成する。
具体的には、画像形成部18は、C、M、Y及びKの色ごとに露光部、感光体、現像部等を備えている。画像形成部18では、露光部により、画像データの各画素の階調値に応じて変調したレーザービームで帯電した感光体上を露光走査して、静電潜像を形成した後、現像部によりトナーを供給して静電潜像を現像する。このようにして、画像形成部18では、C、M、Y及びKの各色の画像をそれぞれの感光体上に順次形成し、各感光体から中間転写ベルト等の転写体上に重ねて1次転写する。得られたカラー画像を転写体から記録媒体上へ2次転写した後、記録媒体を加熱及び加圧して定着処理する。
画像形成部18は、露光時に複数のレーザービームの束であるマルチビームを照射する。
図2は、マルチビームを照射する露光部の概略構成を示す図である。
露光部は、図2に示すように、レーザー光源部20(光源)、コリメーターレンズ31、スリット32、シリンドリカルレンズ33、ポリゴンミラー34、fθレンズ35、シリンドリカルレンズ36、ミラー37及びセンサー38を備えて構成されている。
レーザー光源部20は、8つの発光素子21L〜28Lを備えている。レーザー光源部20は、各発光素子21L〜28Lを並行して発光させ、8つのレーザービーム(光ビーム)から構成されるマルチビームを照射する。このマルチビームを、コリメーターレンズ31において平行光束に変え、スリット32において所定のスポット径に整形した後、回転するポリゴンミラー34により、感光体40の表面を走査するように偏向させる。fθレンズ35において、偏向したマルチビームの感光体40上における走査速度を等速化した後、シリンドリカルレンズ36によりマルチビームを感光体40の表面上に結像する。
各発光素子21L〜28Lは、例えばレーザーダイオードである。各発光素子21L〜28Lは、副走査方向yに対して角度θで傾斜し、それぞれの間隔が均一となるように配置されている。副走査方向yは、感光体40上でレーザービームを走査する主走査方向xと直交する方向である。各発光素子21L〜28Lの傾斜角度θを調整することにより、各発光素子21L〜28Lにより照射されるレーザービームのビーム間隔(密度)を調整し、副走査方向yにおける画像の解像度を変更することができる。また、各発光素子21L〜28Lのうち使用する発光素子を選択することにより、マルチビームのレーザービーム数を選択することができる。
画像読取部19は、画像形成部18により画像が形成された記録媒体を読み取って、ビットマップ形式の読取画像データを生成する。
画像読取部19としては、例えばラインセンサー、エリアセンサー等を使用することができる。
〔レーザービームの位置ずれによる濃度変化〕
上記画像形成装置100により記録媒体上に画像を形成する際、マルチビームの各レーザービームに位置ずれが生じると、画像の濃度変化が生じることがある。
図3は、レーザービームの位置ずれによる濃度変化を説明する図である。
このうち図3(a)は、ビーム位置のずれがないときの斜線画像を示している。図3(a)に示すように、マルチビームMとマルチビームMのビーム間隔k1は一定であり、各レーザービームのビーム間隔k2も一定である場合、すなわちk1/(マルチビーム数)=k2となり、ビーム位置が常に等間隔となっている場合、一定濃度の斜線画像を形成することができる。
図3(b)は、ビーム位置がずれたときの斜線画像を示している。
図3(b)に示すように、マルチビームの位置がずれ、マルチビームMとマルチビームMのビーム間隔k1が広くなると、各マルチビームMの境界上に位置する画像部分の線幅が太くなり、濃度が上昇する。ビーム間隔k1が狭くなる場合は、逆に線幅が短くなり、濃度が低下する。
形成される斜線画像が1つであれば、このような局所的な濃度変化は目立たないが、複数の斜線画像を一定間隔で形成したとき、局所的な濃度変化が一定周期で生じ、モアレとして観察されることがある。
図4は、マルチビームのビーム間隔のずれによって生じたモアレの一例を示す図である。
図4に示すように、マルチビームのビーム間隔が狭くなって濃度が低下した部分が上下方向に連続して現れている。この濃度が低下した部分は、斜線画像中に周期的に現れ、モアレとして視認される。
線幅の変動には、特に文字や図形等の画像の輪郭画素を形成するレーザービームのビーム位置のずれが大きく影響する。
図5は、4つのレーザービームにより4画素幅の線画像を形成したときの各レーザービームの光量分布を示す図である。
上述のように、電子写真方式では、レーザービームで感光体40上を走査し、その表面電位を変化させてトナーを付着させており、トナーの付着量はレーザービームの光量に比例する。表面電位が変化しトナーが付着し始めるまで、一定量Th以上の光量が必要であり、光量が一定量Thを超える領域がトナーで形成される画像領域となる。図5中、Thに相当する光量を一点鎖線で表している。
図5に示すように、ビーム位置がずれたとき、ビーム位置のずれがなくビーム間隔が一定のときと比べて、光量が一定量Thを超える画像領域の幅が異なるため、線画像の線幅が変動する。図5に示す例では、線画像の輪郭を形成するレーザービームのビーム位置が線画像の外側へずれているため、線幅が太くなっているが、逆に線画像の内側へずれれば、線幅が細くなってしまう。なお、位置ずれにより線画像の内部において光量が一定量Thに達しない領域が生じるかもしれないが、このような領域は非常に狭小でトナー散り等によってトナーが付着するため、濃度変化としてほとんど現れない。このように、線画像の線幅は、線画像の内部におけるビーム位置のずれの影響は少なく、線画像の輪郭を形成するレーザービームのビーム位置に依存している。
〔多重露光効果による濃度変化〕
画像形成装置100では、上述したレーザービームの位置ずれによる濃度変化の他に、マルチビームを用いて記録媒体上に画像を形成する際の多重露光効果によっても濃度変化が生じ、当該濃度変化により画像に濃度むらが生じることがある。
多重露光効果は、露光によって感光体40に与える光エネルギーの総量が同じであっても、1回で与えるよりは複数回に分けて与えた方が、感光体40の表面電位の変化量が大きくなる現象であり、相反則不軌とも呼ばれている。
一般的に、負の極性に帯電させた感光体40の表面をレーザービームで露光すると、露光によって付与された光エネルギーにより、感光体40の内部の電荷発生層において、正の極性を持つホールと負の極性を持つ電子が発生する。このホールが、負の極性を有する感光体40の表面に引き寄せられて表面の電子と再結合して消滅し、静電潜像を形成する。しかしながら、すべてのホールが静電潜像を形成するわけではなく、なかには、表面へ移動する前に電荷発生層中で隣接する電子と再結合して消滅するホールもある。このような再結合は、同時に発生したホールと電子の数が多いほど生じやすく、露光効率を低下させる。同時に発生するホールと電子の数は、同時に与える光エネルギーの量が多いほど増える。同量の光エネルギーを1回で与えるよりは複数回に分けて与えた方が、同時発生するホールと電子の数が少なく、露光効率が高いため、トナーの付着量が増えて画像の濃度が上昇しやすい。
レーザービームの光量分布はガウス分布状であるため、マルチビームを構成する各レーザービームの配置が高密度であるか、光量分布の広がりが大きいと、マルチビーム内で各レーザービームのスポットが重複し、干渉し合う。マルチビームを用いて、1つの画像パターンの静電潜像を1回の露光走査で形成する場合、スポットが重なる各レーザービームからの光エネルギーを1回で付与することになるが、2回の露光走査で形成する場合、マルチビームと次のマルチビームの境界では同量の光エネルギーを2回に分けて異なる時間に付与することになる。多重露光効果によって、1回だけ露光走査したパターン部分よりも2回に分けて露光走査したパターン部分の方が、濃度が上昇する現象が生じる。
図6は、多重露光効果を説明する図である。このうち図6(a)は、各レーザービームの光量分布を示している。また、図6(b)は、マルチビームを1回走査して、4画素幅の線のパターンを形成するときの各レーザービームのスポット例を示している。また、図6(c)は、マルチビームを2回走査して、図6(a)と同じ線のパターンを形成するときの各レーザービームのスポット例を示している。
図6(a)に示すように、レーザービームは、1画素のサイズより大きく広がるガウス分布状の光量分布を有している。感光体40の表面電位が変化し、トナーが付着し始めるまで、一定量Thの光量が必要であり、この一定量Th以上の光量を有する領域が、画像形成に有効なスポット領域である。このようなレーザービームの束であるマルチビーム内では、図6(b)及び図6(c)に示すように、各レーザービームのスポット領域が重複している。
図6(b)に示すように、4画素幅の線のパターンを1回の露光走査によって形成した場合、パターン内では4つのレーザービームにより光エネルギーを与える時間がほぼ同時である。
2回の露光走査によって形成する場合も、4つのレーザービームにより同量の光エネルギーを与えるが、図6(c)に示すように、与える光エネルギーを2回に分けて時間をおいて与えるため、多重露光効果によって、先に走査したパターン部分と後に走査したパターン部分の境界において濃度上昇が生じてしまう。
図7は、多重露光効果による濃度変化を説明する図である。
図7(a)は、各レーザービームのスポットが目的とする1画素のサイズと同じである理想的なマルチビームで形成した斜線のパターン例を示している。この場合には、各レーザービームのスポットの重なりがないため、複数のレーザービームから同時に光エネルギーを付与する領域がない。このようなマルチビームMで露光走査しても多重露光効果は生じず、斜線のパターン内で濃度変化は生じない。
図7(b)は、各レーザービームの光量分布の広がりが大きいマルチビームで形成した斜線パターン例を示している。この場合には、各レーザービームのスポットが重なっているため、マルチビームMとマルチビームMの境界の位置では、マルチビームM内でスポットが重なる各レーザービームから同時に与える光エネルギーと同じ量の光エネルギーを2回に分けて与えることになる。多重露光効果によって境界位置の濃度が上昇するため、斜線のパターン内で濃度差が生じる。
実際の露光の場面では光の拡散が少なからず生じるため、図7(a)に示すようなマルチビームを使用することはほとんどなく、図7(b)に示すようなマルチビームを使用する場合が多い。
このような多重露光効果による濃度変化は局所的でわずかな変動かもしれないが、同じパターンを繰り返し形成する場合は局所的な濃度変化が一定周期で生じ、モアレとして視認されることがある。すなわち、多重露光効果によっても、図4に示したようなモアレが生じ得る。
図4に示すように、複数の斜線のパターンを一定周期で繰り返し配置したラダーパターンでは、マルチビームの境界において濃度上昇した部分が副走査方向yに連続して現れている。この濃度上昇部分は、主走査方向xにおいても周期的に現れ、モアレとして観察される。
本実施形態の画像形成装置100は、ビーム補正部A3により、上述したレーザービームの位置ずれによる濃度むら(濃度差)、及び多重露光効果による濃度むらが抑制されるように、記録対象の画像に係る画像データにおける各画素の階調値を補正する。
〔ビーム補正部A3の構成〕
図8は、ビーム補正部A3の機能構成を示すブロック図である。
図8に示すように、ビーム補正部A3は、変換部1、補正部2、逆変換部3、ノイズ付与部4及びビット調整部5を備えている。
ビーム補正部A3は、画像データJ1の各画素を補正して画像データJ2として出力する。画像データJ1及びJ2は、解像度が1200dpiであり、各画素が4ビットすなわち0〜15の階調値を有する。なお、上記解像度は一例であり、これに限定されない。例えば、主走査方向xに1200dpi、副走査方向yに2400dpi等、主走査方向xと副走査方向yとで解像度が異なる場合もある。
変換部1は、入力した各画素の4ビットの階調値を9ビットに変換する。また、変換部1は、後述する補正処理による画像データの階調値の変化と、記録媒体上に形成された画像の濃度の変化の関係が略リニアな関係となるような階調特性で、各画素の階調値を変換する。
補正部2は、レーザービームの位置ずれに起因する濃度むらを補正する第1補正部201、多重露光効果に起因する濃度むらを補正する第2補正部202、及び補正合成部203を備えている。補正部2は、第1補正部201及び第2補正部202による補正の結果を補正合成部203において合成し、補正後の画像データを逆変換部3に出力する。第1補正部201及び第2補正部202による具体的な補正の方法については、後に詳述する。
逆変換部3は、補正部2により補正した各画素の階調値を、変換部1により変換した階調特性と逆特性の階調特性となるように変換する。
ノイズ付与部4は、逆変換部3から出力された各画素の9ビットの階調値に、ディザマトリクスに基づく5ビットのノイズ値を加算して、ノイズを付与する。ノイズの付与により、補正後に階調値のビット数を減らす場合でも、補正による微小な階調値の変化を再現することができる。
ノイズ付与の方法は上記に限定されない。例えば、5ビットの擬似乱数を生成する各種既存の処理をディザマトリクスの代わりに用いても良い。
ビット調整部5は、ノイズ付与部4から出力された画像データの各画素の9ビットの階調値をビットシフトして、上位4ビットを抽出して出力する。
〔第1補正部201による補正〕
次に、第1補正部201による、レーザービームの位置ずれに起因する濃度むらの補正方法について説明する。
第1補正部201は、図8に示すように、3つの演算部21と、修正部22とを備えている。
3つの演算部21は、変換部1により変換した画像データを1×5画素単位で入力し、入力した1×5画素から、注目画素の前に(後述する図9において上方に)位置する隣接画素を中心とする1×3画素、注目画素を中心とする1×3画素、注目画素の後に(後述する図9において下方に)位置する隣接画素を中心する1×3画素をそれぞれ抽出し、各1×3画素の中心画素の補正後の階調値を算出する。
修正部22は、各演算部21により算出した、注目画素とその前後の隣接画素の補正後の階調値を用いて、注目画素の補正後の階調値を修正する。
図9は、第1補正部201の入力単位である1×5画素を示す図である。
図9に示すように、第1補正部201では、画像データJ1の始点の画素を含む1×5画素から終点の画素を含む1×5画素を入力するまで、1×5画素の観察窓の位置を主走査方向xに1画素ずつシフトし、主走査方向xの終端に至ると副走査方向yに1画素シフトして、入力を繰り返す。
各演算部21は、入力した1×5画素から、注目画素とその前後の隣接画素を中心とする1×3画素を抽出し、注目画素とその前後の隣接画素の補正後の階調値を算出する。修正部22は、各演算部21が算出した注目画素とその前後の隣接画素の補正後の階調値を入力して注目画素の補正後の階調値を修正する。修正後の注目画素は、図8に示す補正合成部203、逆変換部3、ノイズ付与部4及びビット調整部5における各処理を経て、補正後の画像データJ2として出力される。なお、1×5画素の中心に位置する画素が注目画素として補正の対象となるため、補正後の画像データJ2の副走査方向yの両端の2ラインは補正がされず元の画素がそのまま出力される。
図10は、演算部21の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
演算部21は、入力した1×3画素の各階調値を比較する(ステップS11)。
比較した各階調値が下記エッジパターンPe1及びPe2のいずれかに該当する場合(ステップS12:Y)、演算部21は、1×3画素の中心に位置する画素をオブジェクトの輪郭画素とするエッジを検出し、そのエッジ強度ΔLを算出する(ステップS13)。オブジェクトとは、文字や図形、写真等の前景のパターンをいう。
図11は、1×3画素のエッジパターンPe1及びPe2を示す図である。
図11に示すように、1×3画素の各画素A〜Cの階調値をD[A]〜D[C]と表すと、エッジパターンPe1は、D[A]<D[B]≦D[C]を満たすパターンであり、エッジパターンPe2は、D[C]<D[B]≦D[A]を満たすパターンである。エッジパターンPe1に該当する場合、画素Aと画素Bの間にエッジが位置し、エッジパターンPe2に該当する場合、画素Bと画素Cの間にエッジが位置している。いずれのパターンPe1及びPe2においても、画素Bがオブジェクトの輪郭画素である。
ビーム位置のずれは線幅が1画素の画像には影響せず、ビーム位置のずれによって濃度変化が発生する可能性があるのは線幅が2画素以上の画像である。エッジパターンPe1及びPe2は、オブジェクトの2画素とオブジェクトの背景の1画素の階調値のパターンであり、このエッジパターンPe1及びPe2に該当する場合のみ補正を行うことにより、線幅が1画素の画像を補正の対象外とすることができる。
エッジ強度ΔLは、オブジェクトの輪郭画素の階調値と当該輪郭画素に隣接するオブジェクトの背景の画素の階調値との差であるので、エッジパターンPe1の場合は下記式(1)により、エッジパターンPe2の場合は下記式(2)により、エッジ強度ΔLを算出することができる。
(1) ΔL=|D[B]−D[A]|
(2) ΔL=|D[B]−D[C]|
次に、演算部21は、1×3画素の中心に位置する画素Bを形成するレーザービームのビーム位置n(マルチビームにおけるレーザービームの配列番号を示す序数)を特定し、特定したビーム位置nのずれ量に対応する補正値Cb[n](第1補正値)をレジスタ等から取得する(ステップS14)。補正値Cb[n]の係数値の大きさは、各レーザービームのビーム位置nの基準位置からのずれ量に比例して決定されている。また、補正値Cb[n]は、正負の符号を有し、ビーム位置nがオブジェクトの内側へずれる場合は正の符号の補正値Cb[n]、背景側にずれる場合は負の符号の補正値Cb[n]が設定されている。補正値Cbの算出方法については、後に詳述する。
演算部21は、取得した補正値Cb[n]とエッジ強度ΔLとを用いて、1×3画素の中心に位置する画素Bの階調値の階調補正量Kjを算出する(ステップS15)。
演算部21は、下記式(3)により1×3画素の中心に位置する画素Bの階調値の階調補正量Kjを算出することができる。この階調補正量Kjを用いれば、下記式(4)に示すように、レーザービームの位置ずれに起因する補正ムラを補正した階調値D*[B]を算出することができる。
(3) Kj=w[n]×ΔL
(4) D*[B]=D[B]+Kj
図5に示すように、オブジェクトの線幅は、その輪郭画素におけるレーザービームのビーム位置に依存し、そのビーム位置が線のパターンの背景側へずれれば、線幅が太くなり、逆に線のパターンの内側へずれれば、線幅が短くなってしまう。エッジ強度ΔLが大きいほど、線幅の変動による濃度変化も大きくなるが、上記式(3)によれば、エッジ強度ΔLに応じて階調補正量Kjが大きくなるように、元の階調値D[B]に加算する補正値Cb[n]を調整することができる。
図12は、各画素A、B及びCの階調値のパターンがエッジパターンPe1に該当する場合の補正例を示す図である。
エッジパターンPe1に該当する場合、画素B及びCは、オブジェクトの画素であり、画素Aはオブジェクトの背景の画素であり、画素A及びB間にエッジが位置している。
図12に示すように、輪郭画素Bの階調値に応じて変調されるレーザービームのビーム位置1が基準位置からオブジェクトの内側へずれると、オブジェクトの線幅が細くなってしまう。
この場合、演算部21が取得するのは正の補正値Cb[1]であり、この正の補正値Cb[1]にエッジ強度ΔLを乗算して得られる正の階調補正量Kjが、元の階調値D[B]に加算されるため、補正によって画素Bの階調値を増加させることができる。これにより、画素Bにおけるレーザービームの光量が増え、本来の線幅を再現することができる。
逆に、輪郭画素Bのレーザービームのビーム位置1が基準位置から背景側へずれる場合、オブジェクトの線幅が太くなる。この場合、演算部21が取得するのは負の補正値Cb[1]であり、この負の補正値Cb[1]にエッジ強度ΔLを乗算して得られる負の階調補正量Kjが、元の階調値D[B]に加算されるため、補正によって画素Bの階調値を減少させることができる。これにより、画素Bにおけるレーザービームの光量が減り、本来の線幅を再現することができる。
一方、いずれのエッジパターンPe1及びPe2にも該当しない場合(ステップS12:N)、演算部21は補正処理を行わずに、1×3画素の中心に位置する画素の階調補正量KjをKj=0として出力する(ステップS16)。
修正部22は、注目画素の補正後の階調値が最大値を超える場合は超えた分を切り捨てて最大値とし、注目画素にエッジを介して隣接する隣接画素の補正後の階調値が最大値を超える場合は、超えた分の階調値を注目画素の階調値に加算する修正を行う。
具体的には、修正部22は、図9に示すように、第1補正部201に入力した1×5画素のうち、中央の3画素については階調補正量Kjを用いて上記式(4)に従って階調値を補正した3画素を配置して1×5画素を再構成する。再構成した1×5画素の両端の2画素は元の画素のままである。修正部22は、1×5画素の各階調値を比較し、各階調値のパターンが修正対象のパターンに該当するか否かを判断する。
図13は、修正対象のパターンPb1〜Pb4を示す図である。
図13に示すように、修正対象のパターンPb1〜Pb4は、注目画素の階調値か、注目画素とエッジを介して隣接する画素の階調値が、補正によって最大値を超えたパターンである。修正部22は、パターンPb1、Pb2、Pb3、Pb4の順に、該当するか否かを判断する。
修正対象のパターンPb1〜Pb4のいずれかに該当する場合、修正部22は注目画素の補正後の階調値を修正して出力する。図13に示すように、修正対象のパターンPb1又はPb4に該当する場合、注目画素の階調値が最大値を超えているので、修正部22は最大値を超えた分の階調値を切り捨てて、注目画素の階調値を最大値とする修正を行う。また、修正対象のパターンPb2又はPb3に該当する場合、注目画素とエッジを介して隣接する画素の階調値が最大値を超えているので、修正部22は最大値を超えた分の階調値を、注目画素の階調値に加算する修正を行う。
〔第2補正部202による補正〕
次に、第2補正部202による、多重露光効果に起因する濃度むらの補正方法について説明する。
第2補正部202は、1×7画素単位で入力した画像データJ1からマルチビームの境界が位置する画像パターンを検出し、検出した画像パターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を増減する補正を行う。第2補正部202は、その階調補正量を、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定する。
図14は、第2補正部202の入力単位である1×7画素を示す図である。
図14に示すように、第2補正部202では、画像データJ1の始点の画素を含む1×7画素から終点の画素を含む1×7画素を入力するまで、1×7画素の観察窓の位置を主走査方向xに1画素ずつシフトし、主走査方向xの終端に至ると副走査方向yに1画素シフトして、入力を繰り返す。
第2補正部202は、入力した1×7画素を、1×7画素の中心に位置する注目画素を補正対象画素として、マルチビームの境界を含む画像パターンを定めたテンプレートと照合することにより、上記マルチビームの境界が位置する画像パターンの検出及び補正対象画素の決定を行うことができる。第2補正部202は、決定した補正対象画素、すなわち注目画素を補正する。なお、1×7画素の中心に位置する画素が補正の対象となるため、補正後の画像データJ2の副走査方向yの両端の3ラインは補正がされず元の画素がそのまま出力される。
図15は、第2補正部202の具体的な処理手順を示すフローチャートである。
図15に示すように、第2補正部202は、入力した1×7画素の各階調値を取得する(ステップS21)。次に、第2補正部202は、照合に使用する複数のテンプレートを選択し(ステップS22)、入力した1×7画素を選択した各テンプレートと照合する。テンプレートは、レジスタや記憶部12等のメモリーに保持して、必要なテンプレートを取得すればよい。
図16は、第2補正部202による補正に用いられるテンプレートの一例を示す図である。
図16に示す各テンプレートでは、1×7画素のなかで、マルチビームの境界が位置する画像パターンの有階調画素と、画像パターンの背景の無階調画素とが定められている。また、1×7画素の中心に位置する画素が補正対象画素として定められている。有階調画素は階調値が最小値よりも大きい画素であり、無階調画素は階調値が最小値である画素である。入力した1×7画素と有階調画素及び無階調画素の位置が同じテンプレートがあれば、当該テンプレートと一致したと判断することができる。なお、テンプレート中の評価外の画素は、有階調画素か無階調画素かを問わない画素である。
図16に示すように、テンプレートT11〜T15は、補正対象画素がマルチビームの境界より下に位置するテンプレートである。そのうち、テンプレートT11及びT12は、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群が、1又は2画素幅(解像度1200dpi)の極細線である。いずれのテンプレートT11〜T15も、補正対象画素がマルチビームの境界よりも画像パターンの外郭側に位置している。
テンプレートT21〜T25は、それぞれテンプレートT11〜T14の代わりに選択できるテンプレートである。テンプレートT21及びT22では、補正対象画素が画像パターン外の隣接画素、すなわち背景の外郭に位置している。テンプレートT23〜T25では、各テンプレートT12〜T14と比べて、補正対象画素が画像パターンの外郭よりもマルチビームの境界側に位置している。
テンプレートT51〜T55は、補正対象画素がマルチビームの境界より上に位置するテンプレートである。テンプレートT51〜T55は、画像パターンの位置が上下逆転していること以外はテンプレートT11〜T15と同様のテンプレートである。テンプレートT61〜T65は、各テンプレートT51〜T54の代わりに選択できるテンプレートであり、同様に画像パターンの位置がテンプレートT21〜T25と上下逆転している。
テンプレートT11〜T15、T21〜T25の各々には、補正値L1〜L5のいずれかが対応付けられて設定され、テンプレートT51〜T55、T61〜T65の各々には、補正値U1〜U5のいずれかが対応付けられて設定されている。詳しくは、マルチビームの境界からの画像パターン内の画素数(有階調画素の数)が1であるテンプレートT11、T21、及びテンプレートT51、T61には、それぞれ補正値L1、U1が設定され、当該画素数が2であるテンプレートT12、T22、T23、及びテンプレートT52、T62、T63には、それぞれ補正値L2、U2が設定され、当該画素数が3であるテンプレートT13、T24、及びテンプレートT53、T64には、それぞれ補正値L3、U3が設定され、当該画素数が4であるテンプレートT14、T25、及びテンプレートT54、T65には、それぞれ補正値L4、U4が設定され、当該画素数が5以上であるテンプレートT15、及びテンプレートT55には、それぞれ補正値L5、U5が設定されている。
以下では、補正値L1〜L5を互いに区別しない場合には補正値Lと記し、補正値U1〜U5を互いに区別しない場合には補正値Uと記す。これらの補正値L、Uは、第2補正値に対応する。
第2補正部202は、各テンプレートのうち一致するテンプレートがある場合(ステップS23:Y)、テンプレート中の補正対象画素、すなわち注目画素の階調値を増減する補正処理を実施し、補正後の注目画素を出力する(ステップS24)。一方、いずれのテンプレートとも一致しない場合(ステップS23:N)、第2補正部202は、補正処理は実施せずに入力した注目画素をそのまま出力する(ステップS25)。
補正処理時、第2補正部202は、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和を算出し、一致したテンプレートに対応する補正値L又は補正値Uを取得する。第2補正部202は、算出した総和と補正値L又は補正値Uを用いて、下記式(5)により階調補正量を算出し、算出した階調補正量を用いて、下記式(6)により補正対象画素(注目画素)の補正後の階調値を算出する。
(5) Kh=ΣC×k
(6) CJ2=CJ1−Kh
〔上記式(5)及び(6)において、Khは階調補正量を表す。ΣCは、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和を表す。kは、正負の符号を有する補正値L又は補正値Uのいずれかを表す。CJ2は補正後の補正対象画素の階調値を表し、CJ1は補正前の補正対象画素の階調値を表す。〕
補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCは、マルチビームの走査により光エネルギーを付与した領域に、次のマルチビームの走査により時間をおいて重ねて付与する光エネルギー量を表している。重ねて付与する光エネルギー量が多いほど、多重露光効果によってマルチビームの境界で生じる濃度変化も大きいことから、上記式(5)に示すように、総和ΣCに応じて、階調補正量Kh、すなわち補正対象画素の階調値を増減する補正量を決定することにより、補正の精度を向上させることができる。
補正値L及び補正値Uは、符号と、補正量を調整する係数値とからなり、補正対象画素の階調値を減らす(濃度を低くする)場合は正の符号、増やす(濃度を高くする)場合は負の符号が設定されている。また、係数値は、各テンプレートの画像パターンの多重露光効果に起因する濃度変化量に応じて設定されている。補正値L及び補正値Uの算出方法については、後に詳述する。
図17は、図16に示すテンプレートT13に一致した場合の補正例を示す図である。
テンプレートT13では、補正対象画素(注目画素)と同じマルチビーム内に位置する画素群は、マルチビームの境界より下に位置する3つの有階調画素である。この3つの有階調画素の階調値の総和ΣCに、テンプレートT13に設定された補正値L3を乗算して階調補正量Khを得ることができる。補正値L3が正の符号を有する場合、図17に示すように、補正対象画素の階調値をΣC×kだけ減らすことができる。
上記補正において、第2補正部202は、検出した画像パターンの外郭からマルチビームの境界までの各画素の中で、補正対象画素を決定することができる。
例えば、第2補正部202は、図16に示すテンプレートT12〜T14かテンプレートT23〜T25を選択し、テンプレートT52〜T54かテンプレートT63〜T65を選択して照合に用いることにより、画像パターンの外郭からマルチビームの境界までの間で補正対象画素の位置を決定することができる。
補正対象画素が細線化処理等の他の画像処理の対象でもある場合、補正が他の画像処理の効果を減少させるかもしれないが、補正対象画素の位置が他の画像処理と異なるテンプレートを選択することにより、他の画像処理と補正を両立させることができる。
図18は、図16に示すテンプレートT13に代えて、テンプレートT24を選択した補正例を示す図である。
細線化処理を実施する場合、図18に示すように、細線化処理によって画像パターンの外郭の階調値が減らされる。テンプレートT13では、補正対象画素が細線化処理と同じ画像パターンの外郭に位置するため、補正を実施するとさらに階調値を減らすことになり、細線化処理で意図したよりも濃度が低下してしまう。また、細線化処理によって減った分だけ補正で減らせる階調値の幅も小さくなり、補正の効果も表れにくい。ここで、図18に示すように、テンプレートT13に代えてテンプレートT24を選択すれば、細線化処理とは異なる画素を補正対象画素とすることができ、細線化処理と補正の両方の効果が得られる。
また、第2補正部202は、画像パターン内の画素に代えて、画像パターン外の隣接画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正量を、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCに応じて決定することができる。
一般的には、多重露光効果によりマルチビームの境界の位置では濃度が上昇するため、補正値L、補正値Uの符号を正に設定して、補正対象画素の階調値を減らす補正を行う。しかし、多重露光効果によって濃度が低下する画像パターンの場合は補正値L、補正値Uの符号を負に設定して、補正対象画素の階調値を増やす補正が必要になる。階調値を増やす場合、元の階調値が最大値に近いと、補正によって増やすことができる階調値の幅が小さくなるが、照合に使用するテンプレートとして、画像パターン外の隣接画素を補正対象画素とするテンプレートを選択することにより、補正によって増やせる階調値の幅を十分に得ることができる。
例えば、第2補正部202は、図16に示すテンプレートT11及びT12の代わりにテンプレートT21及びT22を選択し、テンプレートT51及びT52の代わりにテンプレートT61及びT62を選択することにより、テンプレートによって検出した画像パターン内の画素ではなく、画像パターン外の隣接画素を補正対象画素として決定することができる。
図19は、図16に示すテンプレートT11に代えて、テンプレートT21を選択した補正例を示す図である。図19では、左側がテンプレートT11及びT21、中央と矢印を挟んだ右側が、それぞれ補正前後の1×7画素を示している。
テンプレートT11の補正値L1が負の符号を有する場合、補正対象画素の元の階調値が最大値であると、補正によって階調値を増やすことができない。この場合は、図19に示すように、テンプレートT11の代わりにテンプレートT21を選択して使用すれば、背景の外郭を補正対象画素として階調値を増やして、多重露光効果によって濃度が減る分だけ画像パターンの幅を太くすることができる。
なお、図16では、画像パターン外の隣接画素を補正対象画素とするテンプレートとして、マルチビームの境界からの画像パターン内の画素数が1であるテンプレートT21、T61、及び当該画素数が2であるテンプレートT22、T62が例示され、補正値L1、L2、U1、U2が負の符号を有する場合にこれらのテンプレートを使用することができるようになっているが、画像パターン外の隣接画素を補正対象画素とするテンプレートは、これに限られない。補正値L3〜L5、U3〜U5についても負の符号が設定され得る場合には、画像パターン外の隣接画素を補正対象画素とするテンプレートとして、マルチビームの境界からの画像パターン内の画素数が3以上であるテンプレートをさらに設けても良い。
上記補正において、第2補正部202は、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲を、多重露光効果が及ぶ範囲に応じて決定することが好ましい。
図16に示す各テンプレートT11〜T15、T21〜25、T51〜T55及びT61〜T65では、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲を、1〜5画素に設定しているので、第2補正部202は、多重露光効果が及ぶ範囲に応じた画素群の範囲が定められたテンプレートを選択すればよい。例えば、マルチビーム内で3つのレーザービームのスポットが重なり合い、マルチビームの境界から3、4画素まで多重露光効果が及ぶ場合、第2補正部202はテンプレートT11〜T14を選択して使用すればよい。また、マルチビーム内で5つのレーザービームのスポットが重なり合う場合、第2補正部202は、さらにテンプレートT15も選択すればよい。これにより、不要な演算を減らし、効率的な補正が可能になる。
また、第2補正部202は、検出する画像パターンを、マルチビームのレーザービーム数に応じて決定することが好ましい。
マルチビームのレーザービーム数が少なく、画像パターン内に複数のマルチビームの境界が位置すると、補正の効果が少ない。そのため、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の幅(画素数)がマルチビームのレーザービーム数以下であり、補正が効果的な画像パターンのみを検出することにより、補正の効率化を図ることができる。
図16に示す各テンプレートT11〜T15、T21〜T25、T51〜T55及びT61〜T65には、補正が有効なマルチビームのレーザービーム数が設定されている。第2補正部202は、マルチビームのレーザービーム数に対応するテンプレートを選択して照合に使用することにより、検出する画像パターンを、マルチビームのレーザービーム数に応じて決定することができる。なお、レーザービーム数が3未満の場合は、階調補正量Khを0として、補正を無効化することが好ましい。
また、第2補正部202は、マルチビームの境界の上に位置する画像パターン部分と、下に位置する画像パターン部分のそれぞれにおいて補正対象画素を決定し、その階調補正量を決定して補正を行うことが好ましい。
レーザービームの光量分布が略円形ではなく、楕円形等、偏りがある場合、マルチビームの走査により先に付与する光エネルギー量と、その後のマルチビームの走査により重ねて付与する光エネルギー量に偏りが生じる。そのため、補正対象画素がマルチビームの境界の上に位置する(先に走査するマルチビームにより補正対象画素の露光を行う)か、下に位置する(後に走査するマルチビームにより補正対象画素の露光を行う)かによって、多重露光効果に起因する画像パターンの濃度の変化量が異なってくる。
また、走査が境界の前後(上下)で2回にわたって行われた場合、2回目の走査で生成された電荷の挙動は、1回目の走査で生じた感光体中の電位の変化の影響を受けることから、1回目の走査による露光効果と2回目の走査による露光効果がまったく同じにはならない場合がある。
図16に示すテンプレートT11〜T15では、マルチビームの境界の下に位置する画像パターン部分において、テンプレートT51〜T55では、マルチビームの境界の上に位置にする画像パターン部分において、それぞれ補正対象画素が決定されており、それぞれの画像パターンの濃度変化量に応じた最適な補正値L又は補正値Uが個別に設定されている。第2補正部202は、テンプレートT11〜T15及びT51〜T55を使用してそれぞれに一致する画像パターンを検出し、一致したテンプレートT11〜T15及びT51〜T55に固有の補正値L、補正値Uを使用して階調補正量Khを決定し、補正することにより、レーザービームの光量分布の偏りが生じていたり、1回目の走査による露光効果と2回目の走査による露光効果に差異がある場合でも、精度良く補正することが可能である。
以上のようにして注目画素の補正後の階調値を算出すると、第2補正部202は注目画素の位置を1画素シフトして、上述した処理を繰り返す。
〔階調補正量の合成〕
補正合成部203は、第1補正部201において算出した階調補正量Kjと、第2補正部202において算出した階調補正量Khとを、注目画素の階調値に加算し、多重露光効果及びレーザービームの位置ずれのそれぞれに起因する濃度むらを補正した階調値を逆変換部3に出力する。
なお、多重露光効果に起因する濃度むらの補正と、レーザービームの位置ずれに起因する濃度むらの補正を並行して実施する例を説明したが、各補正を順番に行ってもよく、補正の順番もどちらが先でも構わない。
〔補正値Cb及び補正値L、Uの算出方法〕
次に、上述した第1補正部201による補正に用いられる補正値Cb、及び第2補正部202による補正に用いられる補正値L、Uの算出方法について説明する。
本実施形態の補正値の算出方法では、画像形成装置100により所定のテストチャートTC(検査画像)を記録媒体上に形成し、当該テストチャートTCの画像読取部19による読取結果を解析することで補正値Cb及び補正値L、Uを算出する。
以下では、図20〜図26を参照して、テストチャートTCの内容について説明する。ここでは、マルチビームを構成するレーザービームの数が16である場合を例に挙げて説明する。
図20は、テストチャートTCの構成を示す図である。
テストチャートTCは、記録媒体m上に形成された画像であり、主走査方向xに沿って配列された5つの画像ユニットIUを有している。各画像ユニットIUの内容は、それぞれ同一である。
図21は、画像ユニットIUの内容例を示す図である。
画像ユニットIUは、マトリクス状に配列された複数の略正方形の測定パッチP(個別検査画像)、及び測定パッチPの配置領域を検出するためのトンボTを有する。
画像ユニットIUには、レーザー光源部20から射出されるマルチビームとの干渉パターンが互いに異なる2つの種別の測定パッチPが含まれている。具体的には、画像ユニットIUには、副走査方向yについてのオン画像(トナーを付与する画素)及びオフ画素(トナーを付与しない空白画素)の配列数が互いに異なる「4On−12Off」の測定パッチP及び「8On−8Off」の測定パッチPが含まれている。また、画像ユニットIUでは、「4On−12Off」の測定パッチP及び「8On−8Off」の測定パッチPが、それぞれマルチビームに対して異なる16の位相関係を有するように(すなわち、マルチビームにおけるレーザービームの数と同一数の異なる位相関係を有するように)16パターン設けられている。この位相関係が異なる測定パッチPのパターンを、以下ではパッチパターンPPとも記す。図21の測定パッチP内に記された数字は、このパッチパターンPPの番号を表している。
図22は、4On−12Offの測定パッチP及びそのパッチパターンを説明する図である。
4On−12Offの測定パッチPでは、副走査方向yについて、オン画素が4画素に亘って連続する部分と、オフ画素が12画素に亘って連続する部分とが交互に繰り返し現れるようにオン画像及びオフ画素が配置されている。また、測定パッチPのうち、16本のレーザービームを有するマルチビームによる1回の走査で形成される部分が、単位パターンPAを構成する。したがって、単位パターンPAは、副走査方向yについてマルチビームによる走査の空間的な周期と同一の周期で形成されている。
図22では、1番〜16番までの各パッチパターンPPの測定パッチPがそれぞれ示されている。番号が隣り合うパッチパターンPPでは、測定パッチPの位相が副走査方向yに1画素単位でシフトするようになっている。すなわち、パッチパターンPPの番号が1ずつ増加するに従って、オン画素が配置される範囲が副走査方向yに1画素ずつずれるようになっている。
具体的には、1番のパッチパターンPPでは、マルチビームにおける1〜16のビーム位置のうち1〜4のビーム位置にオン画素が形成され、5〜16のビーム位置にオフ画素が形成される。また2番のパッチパターンPPでは、2〜5のビーム位置にオン画素が形成され、1、6〜16のビーム位置にオフ画素が形成される。このように、パッチパターンPPごとにオン画素の形成範囲がずれていき、13番のパッチパターンPPでは、13〜16のビーム位置にオン画素が形成される。また、14番のパッチパターンPPでは、14〜16のビーム位置と、1のビーム位置とにオン画素が形成され、15番のパッチパターンPPでは、15、16のビーム位置と、1、2のビーム位置とにオン画素が形成され、16番のパッチパターンPPでは、16のビーム位置と、1〜3のビーム位置とにオン画素が形成される。
このように各パッチパターンPPで測定パッチPを形成すると、14番〜16番のパッチパターンPPの測定パッチPでは、オン画素の形成範囲がマルチビームの境界を跨ぐこととなる。オン画素の形成範囲がマルチビームの境界を跨ぐ測定パッチPでは、一繋がりのオン画素の形成範囲が2回のマルチビームの走査により形成されるため、多重露光効果による濃度変化が生じ得る。
図23は、8On−8Offの測定パッチP及びそのパッチパターンを説明する図である。
8On−8Offの測定パッチPでは、副走査方向yについて、オン画素が8画素に亘って連続する部分と、オフ画素が8画素に亘って連続する部分とが交互に繰り返し現れるようにオン画素及びオフ画素が配置されている。
8On−8Offの測定パッチPでも、パッチパターンPPの番号が1ずつ増加するに従って、位相が副走査方向yに1画素単位でシフトするように、すなわちオン画素が配置される範囲が副走査方向yに1画素ずつずれるようになっている。
8On−8Offの測定パッチPでは、10番〜16番のパッチパターンPPにおいて、オン画素の形成範囲がマルチビームの境界を跨ぐこととなる。したがって、10番〜16番のパッチパターンPPの測定パッチPでは、一繋がりのオン画素の形成範囲が2回のマルチビームの走査により形成されるため、多重露光効果による濃度変化が生じ得る。
図24は、画像ユニットIUにおける測定パッチPの構成例を示す図である。
測定パッチPでは、図24(a)に示されるように、単位パターンPAが副走査方向yに複数繰り返し設けられている。副走査方向yについての単位パターンPAの幅は、画像形成部18による副走査方向yの記録解像度と、マルチビームにおけるレーザービームの数に応じて定まり、本実施形態では約0.16mmである。各測定パッチPに含ませる単位パターンPAの数は、特には限られないが、画像読取部19による測定範囲が確保でき、かつ画像読取部による測定において測定パッチPの平均濃度(輝度)が読み取れるような数とすることが望ましい。具体的には、各測定パッチPには、10乃至100程度の単位パターンPAを設けることが望ましい。単位パターンPAの数が少ない場合(例えば、10未満)には、読取範囲によって測定対象となるオン画素の数とオフ画素の数との比率がばらつく不具合を避けるために、副走査方向yについて単位パターンの整数倍の大きさを有する領域の読取結果を用いることが望ましい。
画像ユニットIUにおいて略正方形の測定パッチPをマトリクス状に並べる場合には、図24(b)のように、測定パッチPの外形はずらさず、中に含まれるパターンをずらして測定パッチPを形成すれば良い。
また、測定パッチPをマトリクス状に配列する必要がない場合には、図24(c)のように、同一の単位パターンPAを副走査方向yに1画素ずつずらして配置することで複数の測定パッチPを形成しても良い。
図21に示されるように、画像ユニットIUでは、パッチパターンPPの番号が同一である4On−12Offの測定パッチP及び8On−8Offの測定パッチPが、副走査方向yに対になって並ぶように配置されている。また、画像ユニットIUでは、同一の測定パッチP(種別及びパッチパターンPPの番号が等しい測定パッチP)が、複数分散されて配置されている。同一の測定パッチPの測定値を平均した値を用いることで、画像形成部18による画像形成濃度が位置によってばらつく場合であっても、補正値Cb及び補正値L、Uの算出において上記画像形成濃度のばらつきの影響を抑えることができる。
本実施形態では、同一の測定パッチPが4個ずつ配置されている。よって、画像ユニットIUには2つの種別(4On−12Off及び8On−8Off)について各々16パターンの測定パッチPが4つずつ設けられており、2×16×4=128個の測定パッチPが含まれている。また、4つの同一の測定パッチPの位置の重心や分布範囲が互いに可能な限り近くなるように各測定パッチPの位置が定められている。
また、画像ユニットIUでは、主走査方向xに8個の測定パッチPが配置され、副走査方向yに16個の測定パッチPが配置されている。この結果、画像ユニットIUは、副走査方向yに長い形状を有している。これは、テストチャートTCに基づいて算出される補正値Cb及び補正値L、Uは、マルチビームの主に副走査方向yの位置ずれや重なり(多重露光)に関連し、特にレーザービームの位置ずれに係る補正値Cbは主走査方向xの位置毎に異なる(ビームの走査方向が完全に平行ではない)可能性があるためである。すなわち、主走査方向xに長い構成とすると、算出される補正値のうち特に補正値Cbが、画像ユニットIU内での主走査方向xについての位置ごとのばらつきに影響されて不正確となる可能性があることが考慮されている。
また、画像ユニットIUには、当該画像ユニットIU内での、レーザービームの位置ずれ及び多重露光効果以外の要因による濃度むら(例えば、画像形成部18や記録媒体mの特性に起因する画像形成濃度のばらつき)を検出するためのテクスチャーパターンパッチTP(参照画像)が併せて形成されていても良い。
図25は、テクスチャーパターンパッチTPの配置例を示す図である。
テクスチャーパターンパッチTPは、マルチビームとの間で干渉パターンを有しない画像であり、濃度及び副走査方向yについての空間周波数が測定パッチPと略同等となるように、かつ測定パッチPと同一の形状を有するように形成されている。このように、テクスチャーパターンパッチTPの濃度や空間周波数を測定パッチPと同等にすることにより、レーザービームの位置ずれ及び多重露光効果以外の要因の濃度変化の傾向がテクスチャーパターンパッチTPと測定パッチPとで同様となるようにすることができる。換言すれば、テクスチャーパターンパッチTP及び測定パッチPの濃度や空間周波数が同等であるとは、当該濃度や空間周波数の差が、テクスチャーパターンパッチTPと測定パッチPとで上記濃度変化の傾向が同様となる範囲内であることをいう。
テクスチャーパターンパッチTPは、例えば、測定パッチPの平均階調と同一階調の中間調画像データに対してディザマトリクスや誤差拡散によるハーフトーン処理を行って得られた画像とすることができる。図25の例では、テクスチャーパターンパッチTPが主走査方向x及び副走査方向yについて1つおきに配置されている。テクスチャーパターンパッチTPの配置はこれに限られないが、少なくとも主走査方向xについては等間隔に配置されることが望ましい。
図26は、テクスチャーパターンパッチTPによる濃度補正について説明する図である。図26は、主走査方向xに沿って配列された測定パッチP及びテクスチャーパターンパッチTPの各々の測定値(ここでは、輝度)を表している。ここで、レーザービームの位置ずれ及び多重露光効果とは異なる要因による濃度むらがある場合には、当該濃度むらは、テクスチャーパターンパッチTPの測定値の分布に現れる。図26の例では、主走査方向xの各位置に対し、測定値が下に凸の曲線に沿って変動している。このようにテクスチャーパターンパッチTPの濃度が変動している場合には、上記曲線と各測定パッチPの測定値の差分を、各測定パッチPの濃度変化量とするように測定値を補正する(具体的には、各測定パッチPの測定値の平均値に、上記、各測定パッチPの測定値の差分を加算した値に置き換える)ことで、レーザービームの位置ずれ及び多重露光効果以外の要因による濃度むらの影響を除去した、より正確な測定パッチPの測定値を得ることができる。
次に、テストチャートTCの読取結果に基づいて補正値Cb及び補正値L、Uを算出する方法について、図27〜図31を参照して説明する。
ここでは、マルチビームにおける16本のレーザービームに対応する、レーザービームの位置ずれに係る補正値Cb01〜Cb16と、図16に示される多重露光効果に係る補正値L1〜L5及び補正値U1〜U5とを算出する。このうち、補正値Cb01〜Cb16からなる補正値の群が第1補正値群に相当し、補正値L1〜L5及び補正値U1〜U5からなる補正値の群が第2補正値群に相当する。
補正値Cb及び補正値L、Uの算出方法の概略は、以下のとおりである。すなわち、まず、テストチャートTCの画像ユニットIUに含まれる4On−12Offの各測定パッチPの測定濃度に基づいて、補正値Cb01〜Cb16の仮の値(以下、仮の補正値Cb01〜Cb16と記す)を算出し、同様に、8On−8Offの各測定パッチPの測定濃度に基づいて仮の補正値Cb01〜Cb16を算出する。次に、各レーザービームに対応してそれぞれ算出された2つの仮の補正値Cbを平均し、ビーム位置に対する当該平均値の分布曲線を導出し、各レーザービームに対応する補正値Cb01〜Cb16を、当該分布曲線上の値に確定させる。次に、得られた補正値Cb01〜Cb16により測定パッチPの濃度を補正する。この補正後の各測定パッチPのうち一部の濃度には、多重露光効果による濃度変化の影響が含まれているため、当該補正後の測定パッチPの一部の濃度に基づいて、補正値L1〜L5及び補正値U1〜U5を算出する。
以下、補正値Cb及び補正値L、Uの算出方法を具体的に説明する。
図27及び図28は、補正値Cbの算出過程を説明する図である。
補正値Cbの算出では、まず、図27の(a)列に示されるように、4On−12Off、8On−12Offの干渉パターンの各々に対し、1番〜16番のパッチパターンの各測定パッチPについての画像読取部19による読取結果である測定濃度(濃度に係る濃度情報)を取得する。ここでは、画像読取部19により、画像ユニットIUに含まれる各測定パッチPの中央付近を撮像し、反射光強度(輝度)を8bit階調で検出する。そして、種別及びパッチパターンPPの番号が等しい4つの測定パッチPの検出強度を平均したものを測定濃度としている。よって、図27、28における測定濃度は、数値が大きいほど濃度が低い(輝度が高い)ことを表している。
続いて、得られた測定濃度の平均値と、各測定パッチPの測定濃度との差分((b)列)を算出する。
図27の(c)列では、各パッチパターンにおけるレーザービームの位置ずれによる影響量(影響する補正値Cb)が示されている。上述のとおり、測定パッチPのような線画像では、線の輪郭を形成するレーザービームの位置ずれが線幅及び濃度に影響する。したがって、各測定パッチPにおいてオン画素の形成領域の上端及び下端に各々対応するレーザービームに係る補正値Cbが、当該測定パッチPの測定濃度に影響する。
例えば、4On−12Offの測定パッチPのうち1番のパッチパターンPPでは、1〜4のビーム位置にオン画素が配置されるため、レーザービームの位置ずれによる影響量は、1、4のビーム位置に各々対応する補正値Cbの差(補正値Cb01−Cb04)となる。また、8On−8Offの測定パッチPのうち1番のパッチパターンPPにおけるレーザービームの位置ずれによる影響量は、1、8のビーム位置に各々対応する補正値Cbの差(補正値Cb01−Cb08)となる。
また、図27の(d)列では、一繋がりのオン画素の画像パターンがマルチビームの境界を跨いでいるパッチパターンPP(すなわち、多重露光効果による濃度変化が生じ得るパッチパターンPP)が「○」により示されている。上述のとおり、4On−12Offの測定パッチPでは、14番〜16番のパッチパターンPPでオン画素の画像パターンがマルチビームの境界を跨いでおり、8On−8Offの測定パッチPでは、10番〜16番のパッチパターンPPでオン画素の画像パターンがマルチビームの境界を跨いでいる。
また、図27の(e)列では、(d)列で「○」が付された各パッチパターンPPについて、多重露光効果に係る補正値L1〜L5、U1〜U5のうち、当該パッチパターンPPの測定パッチPの測定濃度に影響する補正値L、U(すなわち、第2補正部202による補正に用いられる補正値L、U)が示されている。
例えば、4On−12Offの測定パッチPにおける14番のパッチパターンでは、図22に示されるように、マルチビームの境界の下側には1つのオン画素があり、当該下側の画像パターンに着目すると、図16におけるテンプレートT11又はT21に対応する。また、マルチビームの境界の上側には3つのオン画素があり、当該上側の画像パターンに着目すると、図16におけるテンプレートT53又はT64に対応する。したがって、当該14番のパッチパターンでは、テンプレートT11又はT21に対応する補正値L1、及びテンプレートT53又はT64に対応する補正値U3が測定濃度に影響する補正値となる。
次に、図27の(b)列の差分に基づいて、図28の(g)列に示される仮の補正値Cbを算出する。すなわち、図27の(b)列の差分と、(c)列の補正値Cbの値とが等しいとした場合の等式から、仮の補正値Cb01〜Cb16((g)列)を算出する。ここでは、(c)列における補正値Cbの組み合わせが有する規則性を利用して、(f)列に示されている算出順序で仮の補正値Cbを算出する。
具体的には、まず、4On−12Offの測定パッチPについての、仮の補正値Cb01を0とする。次に、図27における1番のパッチパターンPPに対する(b)列と(c)列との比較から、
1.218=Cb01−Cb04
=0−Cb04
との等式が成り立つため、仮の補正値Cb04が−1.218と算出される。次に、4番のパッチパターンに対する(b)列と(c)列との比較から、
0.335=Cb04−Cb07
=−1.218−Cb07
との等式が成り立つため、仮の補正値Cb07が−1.553と算出される。
このように、(f)列の算出順序に従うことで、(c)列における2つの補正値Cbのうち一方が確定したパッチパターンPPについて(b)列と(c)列とを比較することができ、仮の補正値Cb01〜Cb16を順次算出することができる。
また、4On−12Offの仮の補正値Cb01〜Cb16の算出と同様に、8On−8Offの仮の補正値Cb01〜Cb16を算出する。
なお、1番〜16番のパッチパターンPPに対応する16個の等式からなる連立方程式を解くことが可能な場合には、当該連立方程式から仮の補正値Cb01〜Cb16を直接算出しても良い。
次に、仮の補正値Cbの平均値が0となるように、仮の補正値Cbの各々から、(g)列の値の平均値を差し引いて、平均値調整後の仮の補正値Cbを算出する((h)列)。
図29(a)は、4On−12Off、8On−8Offの各測定パッチPについて、図28の(h)列における平均値調整後の仮の補正値Cbを、ビーム位置に対してプロットしたグラフである。各測定パッチPの測定濃度の差異(濃度むら)の要因がレーザービームの位置ずれのみであれば、図29(a)の4On−12Off、8On−8Offのグラフが一致するはずであるから、両グラフの差分は、別要因、すなわち多重露光効果によるものである。
図28の(j)列は、多重露光効果に係る補正値L1〜L5、U1〜U5のうち、仮の補正値Cbの値に影響しているものの組み合わせを示している。
例えば、4On−12Offの測定パッチPについての仮の補正値Cb03は、16番のパッチパターンPPに係る等式
−1.407=Cb16−Cb03
に基づいて算出されるが、当該等式の左辺の値には、図27の(e)列に示されるように、補正値U1、L3が影響している。したがって、この等式から導かれる補正値Cb03も、補正値U1、L3が影響していることとなり、図28の(j)列では、補正値Cb03の行に「U1、L3」が示されている。
図28の(j)列からわかるように、4On−12Offでは3つごと、8On−8Offでは7つごとに仮の補正値Cbに対する補正値L、Uの影響が変化しており、この周期性が図29(a)のグラフにも表れている。したがって、この周期性の成分を除外した残りが、求めるレーザービームの位置ずれに係る補正値Cbとなる。
本実施形態では、図29(a)の2本のグラフの値を平均して図29(b)のグラフを生成し、当該グラフの近似曲線AL上の値として補正値Cb01〜Cb16を確定させる。すなわち、マルチビームにおける16本のレーザービームの各々に係る位置ずれ同士の間に所定の相関関係(ここでは、同一の近似曲線AL上に乗る関係)を仮定し、当該相関関係に基づいて補正値Cb01〜Cb16を算出する。図29(b)の近似曲線ALは、
y=0.0016x^2−0.2115x+1.6447
であり、当該近似曲線ALのxにビーム位置(1〜16)を各々代入することで、補正値Cb01〜16が得られる(図28の(i)列)。
図30は、補正値L1〜L5、U1〜U5の算出過程を説明する図である。
各測定パッチPの測定濃度((a)列)から、図28の(i)列のように求められた補正値Cbの影響を取り除くことで、レーザービームの位置ずれについての補正がなされた測定濃度が得られる((l)列)。詳しくは、図28の(i)列の補正値Cbの値を用いて、図27の(c)列に示されたレーザービームの位置ずれによる影響量を算出し((k)列)、その値を測定パッチPの測定濃度((a)列)から差し引くことで、(l)列の補正後の測定濃度が得られる。この(l)列の測定濃度のうち、マルチビームの境界を跨ぐパッチパターンPP(すなわち、(d)列に「○」が示されているパッチパターンPP)に対応する測定濃度のみに、多重露光効果の影響が現れているため、これらの測定濃度の値から補正値L、Uを求めることができる。
具体的には、まず、マルチビームの境界を跨がないパッチパターンPPに対応する測定濃度((k)列において着色されているセルの値)を平均し、マルチビームの境界を跨ぐパッチパターンPPに対応する測定濃度((k)列において着色されていないセルの値)の各々から当該平均値を差し引いて偏差を算出する((n)列)。
得られた偏差の各々が、図27の(e)列に示された補正値L、Uに関連する。例えば、4On−12Offの14番のパッチパターンに対応する偏差(−0.151)は、補正値U3+補正値L1に等しく、15番のパッチパターンに対応する偏差(−0.651)は、補正値U2+補正値L2に等しく、16番のパッチパターンに対応する偏差(0.957)は、補正値U1+補正値L3に等しい。8On−8Offの10番〜16番のパッチパターンについても、同様に補正値L、Uについての等式が導ける。これらの10個の等式から、補正値L1〜L5、U1〜U5を算出する。
ただし、各々の測定パッチPに対応する2つの補正値L、Uの組み合わせは限られているため、この例では連立方程式を解いて各補正値L、Uを求めることができない。このため、ここでは、いくつかの前提条件を付けて算出する。
まず、補正値U4、L4に対し、得られる等式がU4+L4=0.123の1つであるため、補正値U4、L4を独立に求めることはできないから、U4=L4と仮定して各補正値を算出する(0.062)。
また、補正値U5、L5についても、得られる等式がU5+L5=0.948の1つであるため、U5=L5と仮定して各補正値を算出する(0.474)。補正値U5、L5が確定すると、8On−8OffのパッチパターンPPに対する各等式から、補正値U1〜U3、L1〜L3を算出することができる。
図31は、補正値L1〜L5、U1〜U5の算出結果を示す図である。
図31の例では、補正値L1、U1が負の符号を有している。よって、第2補正部202による補正では、マルチビームの境界からの画像パターン内の画素数が1である場合(例えば、画像パターンが図16のテンプレートT11、T21、T51、T61に一致する場合)には、上述の式(6)に従って画素の階調値を増大させることで濃度を高くする補正がなされる。
なお、上記の場合、補正値U1〜U5の5変数と、補正値L1〜L5の5変数の組み合わせが限定的なため、前提条件を付けないと各々の補正値L、Uの値を決定することができないが、これは、マルチビームにおけるレーザービームの数が偶数であることが一因であり、レーザービームの数を奇数とすることで、補正値L、Uを独立に確定できる可能性がある。多重露光効果に係る補正値L、Uは、原理的に各レーザービーム固有の影響は大きくないため、補正値L、Uを算出する場合のポリゴンミラー34の回転数を調節し、マルチビームのうち走査に用いるレーザービームの数を奇数とすれば、連立方程式を解くことで補正値L、Uを確定できる場合がある。
また、本実施形態の方法では、補正値Cbは、レーザービームの数が偶数でないと値を一意に特定することができないため、レーザービームの数を奇数とした場合に、連立方程式を解くことで補正値Cbと、補正値L、Uと一意に確定させることはできない。このため、レーザービームの数を偶数としてレーザービームの位置ずれに係る補正値Cbを算出した後で、レーザービームの数を奇数として多重露光効果に係る補正値L、Uを算出すれば良い。
このように、本実施形態の補正値の算出方法では、画像ユニットIUに含まれる測定パッチPの各々について、当該測定パッチPの種別やマルチビームとの位相関係に基づいて、当該測定パッチPの濃度に影響を及ぼす補正値Cb(図27の(c)列)と、当該測定パッチPが対応する画像パターンに応じた多重露光効果の影響量に係る補正値L、U(図27の(e)列)との組合せが特定され、各測定パッチPの測定濃度と、上記補正値の組合せとに基づいて、補正値Cb01〜16及び補正値L1〜L5、U1〜U5が算出される。
この結果、図20に示される5つの画像ユニットIUの各々について、補正値Cb01〜Cb16と、補正値L1〜L5、U1〜U5が算出される。
通常、多重露光効果による濃度変化の大きさは、主走査方向xについてのばらつきが小さいため、5つの画像ユニットIUについて求められた5組の補正値L1〜L5、U1〜U5を平均して最終的な補正値L1〜L5、U1〜U5とすることができる。
一方、レーザービームの位置ずれによる濃度変化の大きさは、主走査方向xの位置ごとにばらつく場合が多い。このため、5つの画像ユニットIUについて求められた5組の補正値Cb01〜Cb16を、各画像ユニットIUの主走査方向xについての位置範囲を対象とした補正値Cbとしてそのまま用いることで、レーザービームの位置ずれによる濃度変化をより正確に補正することができる。
あるいは、上述のように求められた最終的な補正値L1〜L5、U1〜U5に基づいて各測定パッチPの測定濃度を補正して、多重露光効果による影響が除去された測定濃度を算出し、この測定濃度を用いて各画像ユニットIUに係る補正値Cb01〜Cb16を再算出しても良い。具体的には、図27の(e)列に示されている補正値L、Uの値を測定パッチPの測定濃度((a)列)から差し引き、得られた補正濃度に基づいて仮の補正値Cb((h)列)を算出し、さらに図29(b)の近似曲線から最終的な補正値Cb((i)列)を算出すれば良い。あるいは、この場合における(h)列の仮の補正値Cbには、多重露光効果による濃度変化の影響が含まれていないため、(h)列の仮の補正値Cbをそのまま最終的な補正値Cbとして用いても良い。
また、5つの画像ユニットIUについて求められた5組の補正値Cbの各組を対象として、対象の組の補正値Cbを含む二以上の組の補正値Cbの、画像ユニットIU同士の主走査方向xの距離に応じた重み付け平均値を算出して、対象となる組の補正値Cbを重み付け平均値に更新しても良い。
なお、補正値Cbに代えて、又は補正値Cbに加えて、補正値L、Uに対して上記の重み付け平均を行っても良い。
レーザービームの位置ずれや多重露光効果による濃度変化は、経時的に変化し得るため、上記のように一旦補正値Cb、補正値U、Lを算出した後も、所定の補正値更新条件が満たされるごとに各補正値を算出して更新することが望ましい。ここで、補正値更新条件は、特には限られないが、例えば画像形成装置100の累積可動時間や、累積画像形成回数が所定値を超えたこととすることができる。
また、マルチビームにおける各レーザービームの照射位置や光量を直接測定することが可能な検出部を設けてレーザービームの照射位置や光量の変動量を検出し、検出された変動の量に応じて補正値Cb01〜Cb16の少なくとも一部を修正してもよい(補正値修正工程)。このような修正を、上述の方法による補正値Cb、補正値U、Lの算出頻度よりも高い頻度で行うことで、テストチャートTCの形成に起因する通常画像の形成の生産性低下を抑制しつつ、テストチャートTCの形成に用いられる記録媒体の消費量を低減させることができる。
次に、補正値Cbと、補正値L、Uとを算出して補正の設定を行う補正設定処理の、制御部11による制御手順について説明する。
図32は、補正設定処理の制御手順を示すフローチャートである。
補正設定処理は、例えばユーザーから操作部13に対して補正設定の実行を指示する入力操作がなされた場合に開始される。
補正設定処理が開始されると、マルチビームにおける各レーザービームの光量ばらつきを低減させる調整がなされる(ステップS101:光量調整工程)。このステップS101では、好ましくは、マルチビームにおける各レーザービームの光量が互いに揃うように光量を調整する。レーザービームの光量の具体的な調節方法は、特には限られないが、例えばフォトセンサーを用いて各レーザービームの光量を測定し、得られた光量に基づいてレーザーの出力を調整しても良いし、マルチビームのうち単一のレーザービームにより記録媒体上に所定の測定用パターンを形成し、測定用パターンの濃度に基づいて光量を調整しても良い。本ステップS101の処理は、全て制御部11による制御下で行われても良いし、一部が人の手により行われても良い。
次に、制御部11は、テストチャートTCの画像データと、当該テストチャートTCに含まれる測定パッチPの内容に係るパッチ属性情報とを取得する(ステップS102)。テストチャートTCの画像データ及びパッチ属性情報は、予め生成されて記憶部12に記憶されている。なお、補正設定処理の実行頻度は、露光部を中心とする画像形成部18の機械の安定性や必要とする調整精度に依存し、機械の安定性が低いほど、また必要とする調整精度が高いほど、頻繁に実行する必要がある。調整頻度が非常に低い場合は、例えば画像形成装置100を製造する際に一度だけ調整を行えば充分な場合もある。そのような場合は、テストチャートTCの画像データ及びパッチ属性情報を画像形成装置100の外部に設けられたサーバーや調整冶具等の調整装置内の記憶部に記憶させておき、調整時のみ読み出せるように構成しても良い。
次に、制御部11は、画像形成部18の各部を動作させて記録媒体m上にテストチャートTCを形成さる(ステップS103:検査画像形成工程)。本実施形態の補正値の測定では、測定パッチPの僅かな濃度差を読み取る必要があるため、形成画像濃度のむらや汚れといったノイズの影響を受けやすい。そこで、テストチャートTCを形成する前に、形成画像濃度のむらやノイズを軽減するための、各種調整を実施しても良い。
次に、制御部11は、画像読取部19によりテストチャートTCを読み取らせる(ステップS104:読取工程)。また、テストチャートTCにテクスチャーパターンパッチTPが含まれている場合には、テクスチャーパターンパッチTPも併せて読み取る。テクスチャーパターンパッチTPの測定値が位置により異なる場合には、レーザービームの位置ずれ及び多重露光効果以外の要因による濃度むらがあると判断できるから、この濃度むらの成分を、各測定パッチPの測定値から差し引いて測定値を補正する。
このステップS104では、画像読取部19により、所定の読取解像度、所定の空間フィルタ特性、及び画像領域の属性に応じた読取処理の設定に係る所定の領域判別設定でテストチャートTCを読み取る。また、当該読み取りでは、上記の読取解像度、空間フィルタ特性及び領域判別設定のうち少なくとも一つを、測定パッチPとの干渉が生じないように調整する。
画像読取部19の読取解像度やMTF(Modulated Transfer Function)特性によっては、読取解像度と単位パターンPAの繰り返し周期との間で干渉が生じ、読取結果に影響を及ぼす場合がある。このため、画像読取部19の読取解像度を単位パターンPAと干渉を起こしにくい設定(例えば単位パターンPAの空間的な繰り返し周期より充分高い解像度)とするか、単位パターンPAの繰り返し周期でMTFが充分低くなるよう空間フィルタを掛ける等の手当てをすることが好ましい。
また、画像読取部19が、画像領域の属性の判別(例えば、文字に係る文字領域であるか、写真等の多階調画像領域であるかの判別)を行って、当該判別の結果に応じた読取処理を行うものである場合、当該読取処理の設定に係る領域判別設定を、上記干渉が生じないように変更した上で読み取りを行うことが好ましい。例えば、文字領域においてエッジ強調処理を行うように設定されている場合には、測定パッチPが文字領域と判別されると正確な濃度の測定ができなくなるおそれがあるため、画像領域の属性の判別を行わないように設定することが望ましい。
次に、制御部11は、テストチャートTCの読取結果に基づいて、補正値Cbと、補正値L、Uとを算出する補正値算出処理を実行する(ステップS105:補正値算出工程)。
補正値算出処理が終了すると、制御部11は、算出された補正値Cb及び補正値L、Uを適用して補正の設定を行う(ステップS106)。すなわち、上述したように、第1補正部201により、補正値Cbを用いて画像データを補正し、第2補正部202により、補正値L、Uを用いて画像データを補正し、これらの補正結果を合成して補正後の画像データを生成する。
なお、補正値Cb及び補正値L、Uの適用方法はこれに限られない。例えば、レーザービームの位置ずれに係る補正値Cbに基づいて、図2におけるマルチビームの傾斜角度θや各種レンズの配置を調整することで、レーザービームの照射位置を調整してもよい。また、多重露光効果に係る補正値L、Uに基づいて、図2のスリット32やビーム光束の開口径を制限する図示しない絞り等を調節し、感光体40上でのビーム径を調整することで、多重露光効果による濃度の変動量を安定化させても良い。
図33は、補正値算出処理の制御手順を示すフローチャートである。
補正値算出処理が呼び出されると、制御部11は、各測定パッチPの測定濃度を取得する(ステップS201)。
次に、制御部11は、上述のアルゴリズムに従って仮の補正値Cb01〜Cb16を算出し(ステップS202)、仮の補正値Cb01〜Cb16の平均値の分布を表す近似曲線に基づいて補正値Cb01〜Cb16を算出して(ステップS203)、得られた補正値Cb01〜Cb16を記憶部12に記憶させる。
次に、制御部11は、各測定パッチPの測定濃度を補正値Cb01〜Cb16により補正した値に基づいて、補正値L、Uを算出し、得られた補正値L、Uを記憶部12に記憶させる(ステップS204)。
ステップS204の処理が終了すると、制御部11は、処理を補正設定処理に戻す。
以上のように、本実施形態に係る補正値の算出方法は、感光体40の表面を副走査方向yに移動させる動作と、複数のレーザービームにより感光体40の表面を主走査方向xに走査させる動作とを繰り返して感光体40を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写することで画像を形成する画像形成装置100における濃度むらの補正に用いられる補正値の算出方法であって、複数のレーザービームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の測定パッチPが、それぞれ複数のレーザービームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられたテストチャートTCを記録媒体に形成する検査画像形成工程、テストチャートTCの読取結果に基づいて、複数のレーザービームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる補正値Cb01〜Cb16からなる第1補正値群、及び連続する走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる補正値L1〜L5、U1〜U5からなる第2補正値群を算出する補正値算出工程、を含み、補正値算出工程では、テストチャートTCに含まれる測定パッチPの各々について、当該測定パッチPの種別及び位相関係に基づいて、第1補正値群のうち当該測定パッチPの濃度に影響を及ぼすレーザービームの位置ずれに係る補正値Cbと、第2補正値群のうち当該測定パッチPが対応する画像パターンに応じた多重露光効果の影響量に係る補正値L、Uとの組合せを特定し、読取結果から得られた測定パッチPの各々の濃度に係る濃度情報と、当該測定パッチPの各々に対応する補正値Cb及び補正値L、Uの組合せとに基づいて、第1補正値群及び第2補正値群を算出する。
このような方法によれば、通常、テストチャートTCの読取結果から独立に算出することが困難である、レーザービームの位置ずれに係る補正値Cbと多重露光補正に係る補正値L、Uとを、テストチャートTCの読取結果に基づいて容易に各々独立に算出することができる。
また、測定パッチPは、副走査方向yについて上記走査の空間的な周期と同一の周期で形成された単位パターンPAを含み、種別が異なる測定パッチPの各々は、互いに異なる単位パターンPAを含むので、複数のレーザービームと単位パターンPAとの位相関係を異ならせた複数の測定パッチPの濃度情報から、各レーザービームに対応する補正値Cb及び補正値L、Uを正確に算出することができる。
また、上記の異なる複数の位相関係の数を、複数のレーザービームにおけるレーザービームの数と同一とすることで、各レーザービームに対応する補正値Cb及び補正値L、Uをより正確に算出することができる。
また、検査画像形成工程では、異なる2以上の種別の測定パッチPが異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた画像ユニットIUが、主走査方向xについて異なる位置に複数配置されたテストチャートTCを形成し、補正値算出工程では、複数の画像ユニットIUの各々に基づいて第1補正値群及び第2補正値群を算出し、算出された複数組の第2補正値群を平均して一組の第2補正値群を算出し、当該一組の第2補正値群に基づいて、複数の画像ユニットIUの各々に対応する第1補正値群を再算出する。
通常、多重露光効果による濃度変化の大きさは、主走査方向xについてのばらつきが小さいため、複数の画像ユニットIUから求めた複数組の第2補正値群を平均することで、ノイズの影響を小さく抑えた補正値L、Uを得ることができる。また、このように求めた第2補正値群に基づいて第1補正値群(補正値Cb01〜Cb16)を再算出することで、異なる主走査方向xの位置におけるレーザービームの位置ずれに係る補正値Cbをより正確に求めることができる。
また、補正値算出工程では、複数の画像ユニットIUの各々に基づいて第1補正値群及び第2補正値群を算出し、得られた複数組の第1補正値群及び複数組の第2補正値群のうち少なくとも一方について、各組の補正値群を対象として、対象の組の補正値群を含む二以上の組の補正値群の、当該二以上の組の各々に対応する画像ユニットIU同士の主走査方向xの距離に応じた重み付け平均値を算出し、対象の組の補正値群を重み付け平均値に更新する。
これにより、位置関係の近い補正値が相互に平均化されるため、主走査方向xについての位置に対する補正値の変動傾向を反映させつつ、ノイズの影響の少ない補正値を算出することができる。
また、補正値算出工程では、複数のレーザービームの各々に係る位置ずれ同士の間に所定の相関関係を仮定し、当該相関関係に基づいて第1補正値群を算出する。例えばマルチビームにおける複数のレーザービームを射出する光学素子が1チップの素子として形成されているような場合には、通常、複数のレーザービームの各々の位置ずれには一定の相関関係が認められるため、この相関関係を利用することで、より簡易に、よりノイズの影響の少ない正確な補正値Cbを算出することができる。
また、検査画像形成工程では、上記複数の位相関係の各々について、種別及び位相関係が同一である2以上の測定パッチPを含むテストチャートTCを形成する。このような2以上の測定パッチPの測定濃度を平均した値を用いることで、画像形成部18による画像形成濃度が位置によってばらつく場合であっても、補正値Cb及び補正値L、Uの算出において上記画像形成濃度のばらつきの影響を抑えることができる。
また、検査画像形成工程では、濃度及び副走査方向yについての空間周波数が測定パッチPと同等であり、かつ複数のレーザービームとの間で干渉パターンを有しない複数のテクスチャーパターンパッチTPを含むテストチャートTCを形成し、補正値算出工程では、テクスチャーパターンパッチTPの濃度に応じて補正された測定パッチPの濃度情報に基づいて第1補正値群及び第2補正値群を算出する。
このような複数のテクスチャーパターンパッチTPの濃度分布から、主走査方向x及び副走査方向yについての画像形成濃度のばらつきを把握することができるので、テクスチャーパターンパッチTPの濃度に応じて測定パッチPの濃度情報を補正することで、上記画像形成濃度のばらつきの影響を抑えて正確な補正値Cb及び補正値L、Uを算出することができる。
また、上記実施形態の補正値の算出方法は、画像読取部19により、所定の読取解像度、空間フィルタ特性及び画像領域の属性に応じた読取処理の設定に係る領域判別設定でテストチャートTCを読み取る読取工程を含み、当該読取工程では、読取解像度、空間フィルタ特性及び領域判別設定のうち少なくとも一つを、測定パッチPとの干渉が生じないように調整する。これによれば、測定パッチPの濃度をより正確に測定することができるため、より正確な補正値Cb及び補正値L、Uを算出することができる。
また、上記実施形態の補正値の算出方法は、検査画像形成工程の前に、複数のレーザービームの光量ばらつきを低減させる光量調整工程を含む。補正値Cb及び補正値L、Uによる補正は、各レーザービームの光量が揃っているほど適切に機能するので、上記のように光量ばらつきを低減させることで、より正確に補正を行うことができる。
また、上記実施形態の補正値の算出方法は、複数のレーザービームの各々による照射位置及び光量の少なくとも一方の変動を検出し、検出された変動の量に応じて第1補正値群に含まれる補正値Cb01〜Cb16の少なくとも一部を修正する補正値修正工程を含む。これにより、補正値Cbを、レーザービームの特性の経時変化に合わせて追随性良く修正することができる。これにより、補正値Cbによる正確な補正を、レーザービームの特性の経時変化に追随させて維持することができる。また、このような修正を、補正値Cb、補正値U、Lを算出頻度よりも高い頻度で行うことで、テストチャートTCの形成に起因する通常画像の形成の生産性低下を抑制しつつ、テストチャートTCの形成に用いられる記録媒体の消費量を低減させることができる。
また、上記実施形態の画像形成装置100は、感光体40と、複数のレーザービームを射出するレーザー光源部20と、感光体40の表面を副走査方向yに移動させる動作と、複数のレーザービームにより感光体40の表面を主走査方向xに走査させる動作とを繰り返して感光体40を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写させることで画像を形成する画像形成部18と、制御部11と、を備え、制御部11は、画像形成部18の動作を制御し(画像形成制御手段)、複数のレーザービームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる補正値Cb01〜Cb16からなる第1補正値群、及び連続する走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる補正値L1〜L5、U1〜U5からなる第2補正値群を算出し(補正値算出手段)、画像形成部18により、複数のレーザービームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の測定パッチPが、それぞれ複数のレーザービームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられたテストチャートCを記録媒体に形成させ(画像形成制御手段)、テストチャートCに含まれる測定パッチPの各々について、当該測定パッチPの種別及び位相関係に基づいて、第1補正値群のうち当該測定パッチPの濃度に影響を及ぼすレーザービームの位置ずれに係る補正値Cbと、第2補正値群のうち当該測定パッチPが対応する画像パターンに応じた多重露光効果の影響量に係る補正値L、Uとの組合せを特定し、テストチャートCの読取結果から得られた測定パッチPの各々の濃度に係る濃度情報と、当該測定パッチPの各々に対応する補正値Cb及び補正値L、Uの組合せとに基づいて、第1補正値群及び第2補正値群を算出する(補正値算出手段)。
このような構成によれば、レーザービームの位置ずれに係る補正値Cbと多重露光補正に係る補正値L、Uとを、テストチャートCの読取結果に基づいて容易に各々独立に算出することができる。
また、制御部11は、画像の形成に用いられる画像データにおける画素の階調値を、第1補正値群のうち補正対象の画素に対応する補正値Cb、及び第2補正値群のうち補正対象の画素に対応する補正値U、Lの少なくとも一方に基づいて補正する(補正手段)。これにより、画像データの階調値を補正する容易な方法により、レーザービームの位置ずれ及び多重露光効果にそれぞれ起因する濃度むらを抑制することができる。
また、上記実施形態のプログラム12aは、画像形成装置100の制御部11を、上記の画像形成制御手段及び補正値算出手段として機能させるので、画像形成装置100により、レーザービームの位置ずれに係る補正値Cbと多重露光補正に係る補正値L、Uとを、テストチャートTCの読取結果に基づいて容易に各々独立に算出させることができる。
また、上記実施形態のテストチャートTCは、複数のレーザービームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の測定パッチPが、それぞれ複数のレーザービームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられている。このようなテストチャートTCを形成して読み取ることで、レーザービームの位置ずれに係る補正値Cbと多重露光補正に係る補正値L、Uとを容易に各々独立に算出することができる。
また、測定パッチPは、副走査方向yについて走査の空間的な周期と同一の周期で形成された単位パターンPAを含み、種別が異なる測定パッチPの各々は、互いに異なる単位パターンPAを含むので、複数のレーザービームと単位パターンPAとの位相関係とを異ならせた複数の測定パッチPの濃度情報から、各レーザービームに対応する補正値Cb及び補正値L、Uを正確に算出することができる。
また、上記異なる複数の位相関係の数は、複数のレーザービームにおけるレーザービームの数と同一とすることで、各レーザービームに対応する補正値Cb及び補正値L、Uをより正確に算出することができる。
また、テストチャートTCでは、異なる2以上の種別の測定パッチPが異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた画像ユニットIUが、主走査方向xについて異なる位置に複数配置されているので、異なる主走査方向xの位置におけるレーザービームの位置ずれや多重露光効果をより正確に補正できる補正値Cb及び補正値L、Uを算出することができる。
また、テストチャートTCは、上記の複数の位相関係の各々について、種別及び位相関係が同一である2以上の測定パッチPを含む。このような2以上の測定パッチPの測定濃度を平均した値を用いることで、画像形成部18による画像形成濃度が位置によってばらつく場合であっても、補正値Cb及び補正値L、Uの算出において上記画像形成濃度のばらつきの影響を抑えることができる。
また、濃度及び副走査方向yについての空間周波数が測定パッチPと同等であり、かつ複数のレーザービームとの間で干渉パターンを有しない複数のテクスチャーパターンパッチTPを含む。このような複数のテクスチャーパターンパッチTPの濃度分布から、主走査方向x及び副走査方向yについての画像形成濃度のばらつきを把握することができるので、テクスチャーパターンパッチTPの濃度に応じて測定パッチPの濃度情報を補正することで、上記画像形成濃度のばらつきの影響を抑えて正確な補正値Cb及び補正値L、Uを算出することができる。
なお、本発明は、上記実施形態及び変形例に限られるものではなく、様々な変更が可能である。
例えば、測定パッチPの種別は、図22及び図23に示した4On−12Off及び8On−8Offに限られず、マルチビームにおける複数のレーザービームとの干渉パターンが互いに異なる他の種別の測定パッチPを用いても良い。ただし、測定パッチPの濃度が、画像読取部19による測定感度の高い範囲内となるようなパターン(濃度が高すぎたり低すぎたりする範囲を除いた中庸の濃度範囲)であることが望ましい。
また、使用する測定パッチPの種別の数は2つに限られず、複数のレーザービームとの干渉パターンが互いに異なる3つ以上の種別の測定パッチPを用いても良い。測定パッチPの種別の数によっては、各測定パッチPにおいて用意する位相状態の数(パッチパターンPPの数)を、レーザービームの数よりも少なくすることができる。
また、画像ユニットIUにおける測定パッチPの配置は、図21に示したものに限定されない。各々の測定パッチPの位置がより分散するよう、ランダム性を高めた配置としたり、同一パッチ4個の分布範囲と位置重心ができるだけ揃うように測定パッチPのレイアウトをデザインしても良い。
また、上記実施形態では、テストチャートTCが複数の画像ユニットIUを有する例を用いて説明したが、これに限られず、単一の画像ユニットIUを有するテストチャートTCを用いて補正値Cb及び補正値L、Uを算出しても良い。
また、測定パッチPの濃度に係る濃度情報の一例として、画像読取部19による光の検出強度(輝度)を用いる例を挙げて説明したが、これに限られず、測定パッチPの濃度と対応関係を有する種々の測定値を測定パッチPの濃度情報として用いることができる。
また、テストチャートTCの読み取りは、必ずしも画像形成装置100の内部に設けられたインラインの画像読取部19で行わなくても良い。例えば、画像形成装置100の外部に設けられた濃度計や測色器といった読取装置を用いても良いし、画像形成装置100に設けられた、画像のコピーやスキャンのためのスキャナーを用いても良い。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
11 制御部(画像形成制御手段、補正値算出手段、コンピューター)
12 記憶部
12a プログラム
18 画像形成部(画像形成手段)
19 画像読取部(読取手段)
20 レーザー光源部(光源)
21 演算部
22 修正部
40 感光体
100 画像形成装置
201 第1補正部
202 第2補正部
A3 ビーム補正部(補正手段)
Cb01〜Cb16 補正値(第1補正値、第1補正値群)
IU 画像ユニット
L1〜L5、U1〜U5 補正値(第2補正値、第2補正値群)
M マルチビーム
m 記録媒体
P 測定パッチ(個別検査画像)
PA 単位パターン
PP パッチパターン
TC テストチャート
TP テクスチャーパターンパッチ(参照画像)

Claims (14)

  1. 感光体の表面を副走査方向に移動させる動作と、複数の光ビームにより前記感光体の表面を主走査方向に走査させる動作とを繰り返して前記感光体を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写することで画像を形成する画像形成装置における濃度むらの補正に用いられる補正値の算出方法であって、
    前記複数の光ビームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の個別検査画像が、それぞれ前記複数の光ビームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた検査画像を記録媒体に形成する検査画像形成工程、
    前記検査画像の読取結果に基づいて、前記複数の光ビームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第1補正値からなる第1補正値群、及び連続する前記走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第2補正値からなる第2補正値群を算出する補正値算出工程、
    を含み、
    前記補正値算出工程では、
    前記検査画像に含まれる前記個別検査画像の各々について、当該個別検査画像の前記種別及び前記位相関係に基づいて、前記第1補正値群のうち当該個別検査画像の濃度に影響を及ぼす前記光ビームの位置ずれに係る第1補正値と、前記第2補正値群のうち当該個別検査画像が対応する画像パターンに応じた前記多重露光効果の影響量に係る第2補正値との組合せを特定し、
    前記読取結果から得られた前記個別検査画像の各々の濃度に係る濃度情報と、前記個別検査画像の各々に対応する前記第1補正値及び前記第2補正値の前記組合せとに基づいて、前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴とする補正値の算出方法。
  2. 前記個別検査画像は、前記副走査方向について前記走査の空間的な周期と同一の周期で形成された単位パターンを含み、
    前記種別が異なる前記個別検査画像の各々は、互いに異なる前記単位パターンを含むことを特徴とする請求項1に記載の補正値の算出方法。
  3. 前記異なる複数の位相関係の数は、前記複数の光ビームにおける光ビームの数と同一であることを特徴とする請求項1又は2に記載の補正値の算出方法。
  4. 前記検査画像形成工程では、前記異なる2以上の種別の個別検査画像が前記異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた画像ユニットが、前記主走査方向について異なる位置に複数配置された前記検査画像を形成し、
    前記補正値算出工程では、
    前記複数の画像ユニットの各々に基づいて前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出し、
    算出された複数組の前記第2補正値群を平均して一組の前記第2補正値群を算出し、
    前記一組の第2補正値群に基づいて、前記複数の画像ユニットの各々に対応する前記第1補正値群を再算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  5. 前記検査画像形成工程では、前記異なる2以上の種別の個別検査画像が前記異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた画像ユニットが、前記主走査方向について異なる位置に複数配置された前記検査画像を形成し、
    前記補正値算出工程では、
    前記複数の画像ユニットの各々に基づいて前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出し、
    得られた複数組の前記第1補正値群及び複数組の前記第2補正値群のうち少なくとも一方について、各組の補正値群を対象として、対象の組の補正値群を含む二以上の組の補正値群の、当該二以上の組の各々に対応する画像ユニット同士の主走査方向の距離に応じた重み付け平均値を算出し、前記対象の組の補正値群を前記重み付け平均値に更新することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  6. 前記補正値算出工程では、前記複数の光ビームの各々に係る位置ずれ同士の間に所定の相関関係を仮定し、当該相関関係に基づいて前記第1補正値群を算出することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  7. 前記検査画像形成工程では、前記複数の位相関係の各々について、前記種別及び前記位相関係が同一である2以上の前記個別検査画像を含む前記検査画像を形成することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  8. 前記検査画像形成工程では、濃度及び前記副走査方向についての空間周波数が前記個別検査画像と同等であり、かつ前記複数の光ビームとの間で干渉パターンを有しない複数の参照画像を含む前記検査画像を形成し、
    前記補正値算出工程では、前記参照画像の濃度に応じて補正された前記個別検査画像の濃度情報に基づいて前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  9. 読取手段により、所定の読取解像度、所定の空間フィルタ特性、及び画像領域の属性に応じた読取処理の設定に係る所定の領域判別設定で前記検査画像を読み取る読取工程を含み、
    前記読取工程では、前記読取解像度、前記空間フィルタ特性及び前記領域判別設定のうち少なくとも一つを、前記個別検査画像との干渉が生じないように調整することを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  10. 前記検査画像形成工程の前に、前記複数の光ビームの光量ばらつきを低減させる光量調整工程を含むことを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  11. 前記複数の光ビームの各々による照射位置及び光量の少なくとも一方の変動を検出し、検出された変動の量に応じて前記第1補正値群に含まれる前記複数の第1補正値の少なくとも一部を修正する補正値修正工程を含むことを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の補正値の算出方法。
  12. 感光体と、
    複数の光ビームを射出する光源と、
    前記感光体の表面を副走査方向に移動させる動作と、前記複数の光ビームにより前記感光体の表面を主走査方向に走査させる動作とを繰り返して前記感光体を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写させることで画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段の動作を制御する画像形成制御手段と、
    前記複数の光ビームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第1補正値からなる第1補正値群、及び連続する前記走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第2補正値からなる第2補正値群を算出する補正値算出手段と、
    を備え、
    前記画像形成制御手段は、前記画像形成手段により、前記複数の光ビームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の個別検査画像が、それぞれ前記複数の光ビームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた検査画像を記録媒体に形成させ、
    前記補正値算出手段は、
    前記検査画像に含まれる前記個別検査画像の各々について、当該個別検査画像の前記種別及び前記位相関係に基づいて、前記第1補正値群のうち当該個別検査画像の濃度に影響を及ぼす前記光ビームの位置ずれに係る第1補正値と、前記第2補正値群のうち当該個別検査画像が対応する画像パターンに応じた前記多重露光効果の影響量に係る第2補正値との組合せを特定し、
    前記検査画像の読取結果から得られた前記個別検査画像の各々の濃度に係る濃度情報と、前記個別検査画像の各々に対応する前記第1補正値及び前記第2補正値の前記組合せとに基づいて、前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴とする画像形成装置。
  13. 前記画像の形成に用いられる画像データにおける画素の階調値を、前記第1補正値群のうち補正対象の画素に対応する第1補正値、及び前記第2補正値群のうち前記補正対象の画素に対応する第2補正値の少なくとも一方に基づいて補正する補正手段を備えることを特徴とする請求項12に記載の画像形成装置。
  14. 感光体と、複数の光ビームを射出する光源と、前記感光体の表面を副走査方向に移動させる動作と、前記複数の光ビームにより前記感光体の表面を主走査方向に走査させる動作とを繰り返して前記感光体を露光し、当該露光により形成された静電潜像を現像して記録媒体に転写させることで画像を形成する画像形成手段と、を備える画像形成装置のコンピューターを、
    前記画像形成手段の動作を制御する画像形成制御手段、
    前記複数の光ビームの各々の位置ずれに起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第1補正値からなる第1補正値群、及び連続する前記走査における多重露光効果に起因する濃度むらの補正に用いられる複数の第2補正値からなる第2補正値群を算出する補正値算出手段、
    として機能させ、
    前記画像形成制御手段は、前記複数の光ビームとの干渉パターンが互いに異なる2以上の種別の個別検査画像が、それぞれ前記複数の光ビームに対して異なる複数の位相関係を有するように複数設けられた検査画像を記録媒体に形成させ、
    前記補正値算出手段は、
    前記検査画像に含まれる前記個別検査画像の各々について、当該個別検査画像の前記種別及び前記位相関係に基づいて、前記第1補正値群のうち当該個別検査画像の濃度に影響を及ぼす前記光ビームの位置ずれに係る第1補正値と、前記第2補正値群のうち当該個別検査画像が対応する画像パターンに応じた前記多重露光効果の影響量に係る第2補正値との組合せを特定し、
    前記検査画像の読取結果から得られた前記個別検査画像の各々の濃度に係る濃度情報と、前記個別検査画像の各々に対応する前記第1補正値及び前記第2補正値の前記組合せとに基づいて、前記第1補正値群及び前記第2補正値群を算出することを特徴とするプログラム。
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