JP2018149776A - 画像処理装置、画像形成装置及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】パターンによらず、多重露光効果に起因する濃度ムラを減らす補正を行う。
【解決手段】画像処理装置は、画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正部(A3)を備え、前記ビーム補正部(A3)は、前記画像データから前記マルチビームの境界が位置するパターンを検出し、検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定する。
【選択図】図6

Description

本発明は、画像処理装置、画像形成装置及びプログラムに関する。
電子写真方式の画像形成装置は、画像データの各画素の階調値に応じた光量のレーザービームで感光体上を露光走査し、静電潜像を形成している。その後、トナーを供給して現像することにより、画像を形成することができる。
画像形成の高速化を図るため、複数のレーザービームを並行して走査し、1走査で複数ライン分の画像を形成する画像形成装置も知られている。このように並行して走査する複数のレーザービームは、マルチビームと呼ばれている。
マルチビームにより露光する場合、1つのパターンの露光を2回以上の走査に分けて行うと、多重露光効果によってパターンの濃度が局所的に変動することがある。多重露光効果は、同じ位置に同じ量の光エネルギーを1回で与える場合と複数回に分けて与える場合とでは、複数回に分けた方の露光効率が向上(電子写真において多くの場合は向上するが、低下する場合もある)する現象であり、相反則不軌とも呼ばれている。
一般的に、マルチビーム内の各レーザービームのスポットは重複しており、重複部分では複数のレーザービームからの光エネルギーを同時に付与することになる。同じマルチビーム内では、スポットが重複する各レーザービームからの光エネルギーを1回で付与するが、マルチビームと次に走査するマルチビームの境界では、同じ光エネルギーを2回に分けて異なる時間に付与することになる。このように光エネルギーを2回に分けて与えた領域では、与える光エネルギーの総量が1回で付与する場合と同じでも、感光体の表面電位の変化量が大きく、露光効率が向上する。露光効率が向上した部分ではトナーの付着量が増え、画像の濃度が上昇するため、その他の部分との濃度差が濃度ムラとして観察されることがあった。
このような濃度ムラの対策としては、孤立画像を形成する場合にレーザービームによる書き込み密度を増加させて、多重露光効果による濃度上昇を抑える方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−36992号公報
しかしながら、多重露光効果による濃度ムラが生じるのは、孤立画像のパターンだけではない。また、多重露光効果によって濃度が低下する場合もあり、書き込み密度の増加によっては濃度低下の現象に対応することができない。
本発明の課題は、パターンによらず、多重露光効果に起因する濃度ムラを減らす補正を行うことである。
請求項1に記載の発明によれば、
画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正部を備え、
前記ビーム補正部は、前記画像データから前記マルチビームの境界が位置するパターンを検出し、検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定することを特徴とする画像処理装置が提供される。
請求項2に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記検出したパターンの外郭から前記マルチビームの境界までの各画素のなかで、前記補正対象画素を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
請求項3に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記検出したパターン内の画素に代えて、前記検出したパターン外の隣接画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置が提供される。
請求項4に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲を、多重露光効果が及ぶ範囲に応じて決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項5に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、検出するパターンを、前記マルチビームのレーザービーム数に応じて決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項6に記載の発明によれば、
前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群は、有階調画素からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項7に記載の発明によれば、
前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群は、有階調画素と、前記画素群中の画素数の割合が一定値以下の無階調画素と、からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項8に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の幅に応じて、前記補正対象画素の階調値を増やすか減らすかを決定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項9に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記マルチビームの境界の上に位置するパターン部分と、下に位置するパターン部分のそれぞれにおいて前記補正対象画素を決定し、その補正値を決定して補正を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項10に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記検出したパターンと隣接するパターンの間隔に応じて、前記補正値を調整することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項11に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、さらに、前記画像データの各画素の階調値を、前記マルチビームの各レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラが減るように補正することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項12に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記画像データの各画素の補正後の階調値にノイズ値を加算するノイズ付与部を備え、
前記ノイズ付与部は、同じノイズ値を周期的に加算する場合、その周期を、前記マルチビームのレーザービーム数、ポリゴンミラーのミラー面数及び画像データをスクリーン処理するときのスクリーン線数の少なくとも1つに応じて決定することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項13に記載の発明によれば、
前記ビーム補正部は、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に、前記検出したパターンの多重露光効果による濃度変動量に応じて決定した補正係数を乗算することにより、前記補正値を算出し、
前記補正係数は、前記マルチビームを用いて用紙上に形成したテストパターンの濃度変動量に応じて決定されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像処理装置が提供される。
請求項14に記載の発明によれば、
画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正部と、
前記ビーム補正部により補正した各画素の階調値に応じた光量のマルチビームで感光体上を走査して、感光体を露光し静電潜像を形成した後、現像する画像形成部と、を備え、
前記ビーム補正部は、前記画像データから前記マルチビームの境界が位置するパターンを検出し、検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定することを特徴とする画像形成装置が提供される。
請求項15に記載の発明によれば、
コンピューターに、
画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正ステップであって、
前記画像データから前記マルチビームの境界が位置するパターンを検出するステップと、
前記検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定するステップと、
を含むビーム補正ステップを実行させるためのプログラムが提供される。
本発明によれば、パターンによらず、多重露光効果に起因する濃度ムラを減らす補正を行うことができる。
本発明の実施の形態の画像形成装置の主な構成を機能ごとに示すブロック図である。 マルチビームを走査する露光部の概略構成を示す斜視図である。 レーザービームの光量分布を示す図である。 マルチビームを1回走査して、線のパターンを形成するときの各レーザービームのスポット例を示す図である。 マルチビームを2回走査して、線のパターンを形成するときの各レーザービームのスポット例を示す図である。 各レーザービームのスポットの重なりがないマルチビームで形成した斜線のパターン例を示す図である。 各レーザービームのスポットの重なりがあるマルチビームで形成した斜線のパターン例を示す図である。 多重露光効果により生じたモアレの一例を示す図である。 ビーム補正部の構成を機能ごとに示すブロック図である。 画像データの変換に使用するルックアップテーブルの入力と出力の関係を示すグラフである。 補正後の階調値を算出するときに入力する1×7画素単位を示す図である。 補正時の具体的な処理手順を示すフローチャートである。 パターンの検出に使用するテンプレートの一例を示す図である。 補正係数の決定に使用できるテストパターン例を示す図である。 補正例を示す図である。 パターンの外郭より内側の画素を補正対象画素として決定し、補正する例を示す図である。 パターン外の隣接画素を補正対象画素として決定し、補正する例を示す図である。 有階調画素と無階調画素からなる画素群の一例を示している。 有階調画素と無階調画素からなる画素群の範囲を主走査方向に拡大した例を示している。 間隔が長い2つのパターンの例を示す図である。 間隔が短い2つのパターンの例を示す図である。 間隔が長い、段差を有する2つのパターンの例を示す図である。 間隔が短い、段差を有する2つのパターンの例を示す図である。 画像データの逆変換に使用するルックアップテーブルの入力と出力の関係を示すグラフである。 多重露光効果に起因する濃度ムラの補正と並行して、レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラを補正する場合のビーム補正部の構成例を示すブロック図である。 レーザービームのビーム位置のずれがないときとあるときの光量分布を示す図である。 レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラを補正するときに入力する1×5画素単位を示す図である。 レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラを補正するときの処理手順を示すフローチャートである。 エッジパターンを示す図である。 レーザービームの位置ずれ量に応じた補正係数と、当該補正係数を使用した補正例を示す図である。 補正後の階調値の修正対象のパターンを示す図である。 レーザービームの位置ずれにより線幅が拡大したときの、間隔が長い2つのパターンを示す図である。 レーザービームの位置ずれにより線幅が拡大したときの、間隔が短い2つのパターンを示す図である。
以下、本発明の画像処理装置、画像形成装置及びプログラムの実施の形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態の画像形成装置Gの構成を機能ごとに示している。
画像形成装置Gは、図1に示すように、制御部11、記憶部12、操作部13、表示部14、通信部15、画像生成部16、画像メモリー17、画像処理装置GA、画像形成部18及び画像読取部19を備えている。
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部12から各種プログラムを読み出して実行することにより、各部を制御する。
例えば、制御部11は、画像生成部16により生成され、画像メモリー17に保持された画像データを、画像処理装置GAにより画像処理させて、画像処理後の画像データに基づいて、画像形成部18により用紙上に画像を形成させる。
記憶部12は、制御部11により読み取り可能なプログラム、プログラムの実行時に用いられるファイル等を記憶している。記憶部12としては、ハードディスク等の大容量メモリーを用いることができる。
操作部13は、ユーザーの操作に応じた操作信号を生成し、制御部11に出力する。操作部13としては、キーパッド、表示部14と一体に構成されたタッチパネル等を用いることができる。
表示部14は、制御部11の指示にしたがって操作画面等を表示する。表示部14としては、LCD(Liquid Crystal Display)、OELD(Organic Electro Luminescence Display)等を用いることができる。
通信部15は、ネットワーク上の外部装置、例えばユーザー端末、サーバー、他の画像形成装置等と通信する。
通信部15は、ネットワークを介してユーザー端末等から、画像を形成する指示内容がページ記述言語(PDL:Page Description Language)で記述されたデータ(以下、PDLデータという)を受信する。
画像生成部16は、通信部15により受信したPDLデータをラスタライズ処理し、ビットマップ形式の画像データを生成する。画像データは、各画素がC(シアン)、M(マジェンタ)、Y(イエロー)及びK(黒)の4色の階調値を有する。階調値は画像の濃淡を表すデータ値であり、例えば8ビット(bit)のデータ値は0〜255階調の濃淡を表す。
画像生成部16の処理内容は、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサーにより画像生成用のプログラムを実行するソフトウェア処理により実現することができる。
画像生成部16は、画像データとともに、当該画像データの各画素の属性を示す属性データを生成することができる。
例えば、画像生成部16は、ラスタライズ処理時に、PDLデータ中の文字コードの記述にしたがって描画した、かな、アルファベット、数字等の画像の各画素の属性を文字(Text)と決定することができる。また、画像生成部16は、DXF、SVG、WMF等のベクター形式の記述にしたがって描画した多角形、円、罫線等の画像の各画素の属性を図形(Graphics)と決定し、JPEG形式のファイルにより描画した写真画像等の画像の属性を写真(Image又はPhotograph)と決定することができる。
画像メモリー17は、画像生成部16により生成した画像データを一時的に保持するバッファーメモリーである。画像メモリー17としては、DRAM(Dynamic RAM)等を用いることができる。
画像処理装置GAは、画像を形成するタイミングに合わせて、画像メモリー17から各ページの画像データを読み出し、画像処理を施す。
画像処理装置GAは、図1に示すように、γ補正部A1、疑似多階調処理部A2及びビーム補正部A3を備えている。
γ補正部A1は、画像形成部18により用紙上に形成した画像の濃度特性が目標とする濃度特性と一致するように、画像データの各画素の階調値を補正する。
疑似多階調処理部A2は、γ補正部A1により補正した画像データに疑似多階調処理を施す。疑似多階調処理は、例えば誤差拡散処理、ディザマトリクスを用いたスクリーン処理等である。
なお、文字、線等の画像が2値である場合、ビーム補正部A3による補正が特に有効であるが、これらの画像は、通常、疑似多階調処理の前後で変化が無い。よって、属性データを画像データとともに入力し、属性データが文字又は図形の属性を示す画素は、疑似多階調処理の対象外としてもよい。また、文字、線等の画像が多値である場合も同様にして疑似多階調処理の対象外としてもよい。
ビーム補正部A3は、疑似多階調処理部A2により処理した画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときに生じる、多重露光効果に起因する濃度ムラ(濃度差)が減るように補正する。
ビーム補正部A3の処理内容は、CPUやGPU等のプロセッサーにより、補正処理用のプログラムを読み出して実行するソフトウェア処理によって実現してもよいし、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等のハードウェアによって実現してもよい。
画像形成部18は、画像処理装置GAにより画像処理した画像データの各画素のC、M、Y及びKの4色の階調値に応じて、4色からなる画像を用紙上に形成する。
具体的には、画像形成部18は、C、M、Y及びKの色ごとに露光部、感光体、現像部等を備えている。画像形成部18では、露光部により、画像データの各画素の階調値に応じて変調したレーザービームで帯電した感光体上を露光走査して、静電潜像を形成した後、現像部によりトナーを供給して静電潜像を現像する。このようにして、画像形成部18では、C、M、Y及びKの各色の画像をそれぞれの感光体上に順次形成し、各感光体から中間転写ベルト等の転写体上に重ねて1次転写する。得られたカラー画像を転写体から用紙上へ2次転写した後、用紙を加熱及び加圧して定着処理する。
画像形成部18は、露光時に複数のレーザービームの束であるマルチビームを照射する。
図2は、マルチビームを照射する露光部の概略構成を示している。
露光部は、図2に示すように、レーザー光源部20、コリメーターレンズ31、スリット32、シリンドリカルレンズ33、ポリゴンミラー34、fθレンズ35、シリンドリカルレンズ36、ミラー37及びセンサー38を備えて構成されている。
レーザー光源部20は、8つの発光素子21L〜28Lを備えている。レーザー光源部20は、各発光素子21L〜28Lを並行して発光させ、8つのレーザービームから構成されるマルチビームを照射する。このマルチビームを、コリメーターレンズ31において平行光束に変え、スリット32において所定のスポット径に整形した後、回転するポリゴンミラー34により、感光体40の表面を走査するように偏向させる。fθレンズ35において、偏向したマルチビームの感光体40上における走査速度を等速化した後、シリンドリカルレンズ36によりマルチビームを感光体40の表面上に結像する。
各発光素子21L〜28Lは、例えばレーザーダイオードである。各発光素子21L〜28Lは、副走査方向yに対して角度θで傾斜し、それぞれの間隔が均一となるように配置されている。副走査方向yは、感光体40上でレーザービームを走査する主走査方向xと直交する方向である。各発光素子21L〜28Lの傾斜角度θを調整することにより、各発光素子21L〜28Lにより照射されるレーザービームのビーム間隔(密度)を調整し、副走査方向yにおける画像の解像度を変更することができる。また、各発光素子21L〜28Lのうち使用する発光素子を選択することにより、マルチビームのレーザービーム数を選択することができる。
画像読取部19は、画像形成部18により画像が形成された用紙面を読み取って、ビットマップ形式の読取画像データを生成する。
画像読取部19としては、例えばラインセンサー、エリアセンサー等を使用することができる。
〔多重露光効果〕
上記画像形成装置Gにおいては、マルチビームを用いて用紙上に画像を形成する際、多重露光効果が生じ、画像の濃度が変動することがある。
多重露光効果は、露光によって感光体40に与える光エネルギーの総量が同じであっても、1回で与えるよりは複数回に分けて与えた方が、感光体40の表面電位の変化量が大きくなる現象であり、相反則不軌とも呼ばれている。
一般的に、負の極性に帯電させた感光体40の表面をレーザービームで露光すると、露光によって付与された光エネルギーにより、感光体40の内部の電荷発生層において、正の極性を持つホールと負の極性を持つ電子が発生する。このホールが、負の極性を有する感光体40の表面に引き寄せられて表面の電子と再結合して消滅し、静電潜像を形成する。しかしながら、すべてのホールが静電潜像を形成するわけではなく、なかには、表面へ移動する前に電荷発生層中で隣接する電子と再結合して消滅するホールもある。このような再結合は、同時に発生したホールと電子の数が多いほど生じやすく、露光効率を低下させる。同時に発生するホールと電子の数は、同時に与える光エネルギーの量が多いほど増える。同量の光エネルギーを1回で与えるよりは複数回に分けて与えた方が、同時発生するホールと電子の数が少なく、露光効率が高いため、トナーの付着量が増えて画像の濃度が上昇しやすい。
レーザービームの光量分布はガウス分布状であるため、マルチビームを構成する各レーザービームの配置が高密度であるか、光量分布の広がりが大きいと、マルチビーム内で各レーザービームのスポットが重複し、干渉し合う。マルチビームを用いて、1つのパターンの静電潜像を1回の露光走査で形成する場合、スポットが重なる各レーザービームからの光エネルギーを1回で付与することになるが、2回の露光走査で形成する場合、マルチビームと次のマルチビームの境界では同量の光エネルギーを2回に分けて異なる時間に付与することになる。多重露光効果によって、1回だけ露光走査したパターン部分よりも2回に分けて露光走査したパターン部分の方が、濃度が上昇する現象が生じる。
図3Aは、各レーザービームの光量分布を示している。図3Bは、マルチビームを1回走査して、4画素幅の線のパターンを形成するときの各レーザービームのスポット例を示している。図3Cは、マルチビームを2回走査して、図3Aと同じ線のパターンを形成するときの各レーザービームのスポット例を示している。
図3Aに示すように、レーザービームは、1画素のサイズより大きく広がるガウス分布状の光量分布を有している。感光体40の表面電位が変化し、トナーが付着し始めるまで、一定値Thの光量が必要であり、この一定値Th以上の光量を有する領域が、画像形成に有効なスポット領域である。このようなレーザービームの束であるマルチビーム内では、図3B及び図3Cに示すように、各レーザービームのスポット領域が重複している。
図3Bに示すように、4画素幅の線のパターンを1回の露光走査によって形成した場合、パターン内では4つのレーザービームにより光エネルギーを与える時間がほぼ同時である。
2回の露光走査によって形成する場合も、4つのレーザービームにより同量の光エネルギーを与えるが、図3Cに示すように、与える光エネルギーを2回に分けて時間をおいて与えるため、多重露光効果によって、先に走査したパターン部分と後に走査したパターン部分の境界において濃度上昇が生じてしまう。
図4Aは、各レーザービームのスポットが目的とする1画素のサイズと同じである理想的なマルチビームで形成した斜線のパターン例を示している。
図4Aに示すように、各レーザービームのスポットの重なりがないため、複数のレーザービームから同時に光エネルギーを付与する領域がない。このようなマルチビームMで露光走査しても多重露光効果は生じず、斜線のパターン内で濃度変動は生じない。
図4Bは、各レーザービームの光量分布の広がりが大きいマルチビームで形成した斜線パターン例を示している。
図4Bに示すように、各レーザービームのスポットが重なっているため、マルチビームMとマルチビームMの境界の位置では、マルチビームM内でスポットが重なる各レーザービームから同時に与える光エネルギーと同じ量の光エネルギーを2回に分けて与えることになる。多重露光効果によって境界位置の濃度が上昇するため、斜線のパターン内で濃度差が生じる。
実際の露光の場面では光の拡散が少なからず生じるため、図4Aに示すようなマルチビームを使用することはほとんどなく、図4Bに示すようなマルチビームを使用する場合が多い。
このような多重露光効果による濃度変動は局所的でわずかな変動かもしれないが、同じパターンを繰り返し形成する場合は局所的な濃度変動が一定周期で生じ、モアレのような濃度ムラとして観察されることがある。
図5は、多重露光効果によって生じたモアレの一例を示している。
図5に示すように、複数の斜線のパターンを一定周期で繰り返し配置したラダーパターンでは、マルチビームの境界において濃度上昇した部分が副走査方向yに連続して現れている。この濃度上昇部分は、主走査方向xにおいても周期的に現れ、モアレとして観察される。
画像形成装置Gは、ビーム補正部A3により、多重露光効果による濃度ムラ(濃度差)が減るように、各画素の階調値を補正する。
〔ビーム補正〕
図6は、ビーム補正部A3の構成を機能ごとに示している。
図6に示すように、ビーム補正部A3は、変換部1、補正部2、逆変換部3、ノイズ付与部4及びビット調整部5を備えている。
図6に示すように、ビーム補正部A3は、画像データJ1の各画素を、各画素を中心とする1×7画素単位で入力してその中心に位置する画素を補正し、補正した各画素からなる画像データJ2を出力する。画像データJ1及びJ2は、解像度が1200dpiであり、各画素が4ビットすなわち0〜15の階調値を有する。画像データの入力単位は観察窓と呼ばれ、観察窓の中心に位置する画素を注目画素という。なお、上記解像度は一例であり、これに限定されない。例えば、主走査方向xに1200dpi、副走査方向yに2400dpi等、主走査方向xと副走査方向yとで解像度が異なる場合もある。
変換部1は、入力した各画素の4ビットの階調値を9ビットに変換する。ビットの拡張により、階調値を微調整することができ、補正の精度を高めることができる。
また、変換部1は、ビット拡張のための変換と並行して、後述する補正処理による画像データの階調値の変化と、用紙上に形成された画像の濃度の変化の関係が、略リニアな特性となるように、各画素の階調値を変換する。この階調変換によって、補正値の変化量と濃度ムラや線幅の変化量(すなわち、補正値と濃度差)との間に、1:1のリニアな関係を確保することができるようになり、好ましい補正値の算出が容易となる。変換には、ルックアップテーブル(LUT:Look Up Table)を使用することができる。
図7は、入力する4ビットの階調値に対し、LUTにより出力する9ビットの階調値の例を示している。
このようなLUTにより、入力した各画素の4ビットの階調値を9ビットに変換することができるとともに、補正値と、補正によって調整できる濃度差との関係が1:1で対応する階調特性となるように、階調値をリニアライズすることができる。
さらに、変換部1は、補正部2の補正により階調値が増えたときのオーバーフローを防ぐため、変換後の9ビットの階調値の最上位にもう1つビット位を加えて、10ビットの階調値を出力する。
補正部2は、1×7画素単位で入力した画像データJ1からマルチビームの境界が位置するパターンを検出し、検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を増減する補正を行う。補正部2は、その補正値を、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定する。
図8は、補正部2の入力単位である1×7画素を示している。
図8に示すように、補正部2では、画像データJ1の始点の画素を含む1×7画素から終点の画素を含む1×7画素を入力するまで、1×7画素の観察窓の位置を主走査方向xに1画素ずつシフトし、主走査方向xの終端に至ると副走査方向yに1画素シフトして、入力を繰り返す。
補正部2は、入力した1×7画素を、1×7画素の中心に位置する注目画素を補正対象画素として、マルチビームの境界を含むパターンを定めたテンプレートと照合することにより、上記マルチビームの境界が位置するパターンの検出及び補正対象画素の決定を行うことができる。補正部2は、決定した補正対象画素、すなわち注目画素を補正する。その後、注目画素は、図6に示す逆変換部3、ノイズ付与部4及びビット調整部5における各処理を経て、画像データJ2として出力される。なお、1×7画素の中心に位置する画素が補正の対象となるため、補正後の画像データJ2の副走査方向yの両端の3ラインは補正がされず元の画素がそのまま出力される。
図9は、補正部2の具体的な処理手順を示している。
図9に示すように、補正部2は、入力した1×7画素の各階調値を取得する(ステップS11)。次に、補正部2は、照合に使用する複数のテンプレートを選択し(ステップS12)、入力した1×7画素を選択した各テンプレートと照合する。テンプレートは、レジスタや記憶部12等のメモリーに保持して、必要なテンプレートを取得すればよい。
図10は、テンプレートの一例を示している。
図10に示す各テンプレートでは、1×7画素のなかで、マルチビームの境界が位置するパターンの有階調画素と、パターンの背景の無階調画素とが定められている。また、1×7画素の中心に位置する画素が補正対象画素として定められている。有階調画素は階調値が最小値よりも大きい画素であり、無階調画素は階調値が最小値である画素である。入力した1×7画素と有階調画素及び無階調画素の位置が同じテンプレートがあれば、当該テンプレートと一致したと判断することができる。なお、テンプレート中の評価外の画素は、有階調画素か無階調画素かを問わない画素である。
図10に示すように、テンプレートT11〜T15は、補正対象画素がマルチビームの境界より下に位置するテンプレートである。そのうち、テンプレートT11及びT12は、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群が、1又は2画素幅(解像度1200dpi)の極細線である。いずれのテンプレートT11〜T15も、補正対象画素がマルチビームの境界よりもパターンの外郭側に位置している。
テンプレートT21〜T25は、それぞれテンプレートT11〜T14の代わりに選択できるテンプレートである。テンプレートT21及びT22では、補正対象画素がパターン外の隣接画素、すなわち背景の外郭に位置している。テンプレートT23〜T25では、各テンプレートT12〜T14と比べて、補正対象画素がパターンの外郭よりもマルチビームの境界側に位置している。
テンプレートT51〜T55は、補正対象画素がマルチビームの境界より上に位置するテンプレートである。テンプレートT51〜T55は、パターンの位置が上下逆転していること以外はテンプレートT11〜T15と同様のテンプレートである。テンプレートT61〜T65は、各テンプレートT51〜T54の代わりに選択できるテンプレートであり、同様にパターンの位置がテンプレートT21〜T25と上下逆転している。
各テンプレートT11〜T15、T21〜T25、T51〜T55及びT61〜T65には、各テンプレートに固有の補正係数kが対応付けて設定されている。
補正部2は、各テンプレートのうち一致するテンプレートがある場合(ステップS13:Y)、テンプレート中の補正対象画素、すなわち注目画素の階調値を増減する補正処理を実施し、補正後の注目画素を出力する(ステップS14)。一方、いずれのテンプレートとも一致しない場合(ステップS13:N)、補正部2は、補正処理は実施せずに入力した注目画素をそのまま出力する(ステップS15)。
補正処理時、補正部2は、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和を算出し、一致したテンプレートに対応する補正係数kを取得する。補正部2は、算出した総和と補正係数kを用いて、下記式(1)により補正値を算出し、算出した補正値を用いて、下記式(2)により補正対象画素(注目画素)の補正後の階調値を算出する。
(1) Kh=ΣC×k
(2) CJ2=CJ1+Kh
〔上記式(1)及び(2)において、Khは補正値を表す。ΣCは、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和を表す。kは、正負の符号を有する補正係数を表す。CJ2は補正後の補正対象画素の階調値を表し、CJ1は補正前の補正対象画素の階調値を表す。〕
補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCは、マルチビームの走査により光エネルギーを付与した領域に、次のマルチビームの走査により時間をおいて重ねて付与する光エネルギー量を表している。重ねて付与する光エネルギー量が多いほど、多重露光効果によってマルチビームの境界で生じる濃度変動も大きいことから、上記式(1)に示すように、総和ΣCに応じて、補正値Kh、すなわち補正対象画素の階調値を増減する補正量を決定することにより、補正の精度を向上させることができる。
補正係数kは、符号と補正量を調整する係数値とからなり、補正対象画素の階調値を増やす場合は正の符号、減らす場合は負の符号が設定されている。また、係数値は、各テンプレートのパターンの多重露光効果に起因する濃度変動量に応じて設定されている。多重露光効果に起因する濃度変動量は、例えば線幅が異なる複数の斜線のラダーパターン等のテストパターンを画像形成部18により用紙上に形成し、マルチビームの境界が位置するパターン部分の濃度と、同じマルチビーム内に位置するパターン部分との濃度差に応じて決定することができる。
図11は、補正係数kの係数値の決定に使用できるテストパターンの一例として、3つのラダーパターンf1〜f3を示している。
ラダーパターンf1は、複数の斜線の線幅が4画素、各斜線の間隔がマルチビームのビーム数8と同じ8画素である。
ラダーパターンf2は、複数の斜線の線幅が6画素、各斜線の間隔がマルチビームのビーム数8と同じ8画素である。
ラダーパターンf3は、複数の斜線の線幅が8画素、各斜線の間隔がマルチビームのビーム数8の2倍の16画素である。
このように、各斜線の間隔をマルチビームのビーム数の整数倍に構成することで、図5に示したような周期的な濃度ムラが見やすいパターンとすることができる。
各ラダーパターンf1〜f3において、マルチビームの境界が位置するパターン部分と、同じマルチビーム内に位置するパターン部分との濃度差を求め、この濃度差が大きいほど係数値が大きくなるように、補正係数kの係数値を決定すればよい。また、この濃度差に応じて、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置するパターン部分の濃度を低下させる場合は、補正係数kの符号を負の符号に決定し、濃度を増加させる場合は正の符号に決定すればよい。
なお、例えばラダーパターンf1のみで濃度差が最小となる補正係数kを求めた場合、他のラダーパターンf2又はf3の濃度差が最小とならない場合がある。これは、補正係数kが複数のパターンについてそれぞれ求めなければならないのに対し、補正係数kを求めるためのラダーパターンの組み合わせが少なく、条件を満たす補正係数kが複数存在するためである。したがって、上で挙げたように、複数のラダーパターンを用いて(例えば、上記例示したラダーパターンf1〜f3に加えて、ラダーパターンf4・・・fnを用いてもよい)、それぞれの補正状況が最適となるような補正係数kの組を求める必要がある。もし、ラダーパターンf1のみ正しく画像形成できればよいような目的であれば、ラダーパターンf1のみを用いて補正係数kを求めてもよい。
図12は、図10に示すテンプレートT13に一致した場合の補正例を示している。
テンプレートT13では、補正対象画素(注目画素)と同じマルチビーム内に位置する画素群は、マルチビームの境界より下に位置する3つの有階調画素である。この3つの有階調画素の階調値の総和ΣCに、テンプレートT13に設定された補正係数k=k13を乗算して補正値Khを得ることができる。補正係数kが負の符号を有する場合、図12に示すように、補正対象画素の階調値をΣC×kだけ減らすことができる。
上記補正において、補正部2は、検出したパターンの外郭からマルチビームの境界までの各画素のなかで、補正対象画素を決定することができる。
例えば、補正部2は、図10に示すテンプレートT12〜T14かテンプレートT23〜T25を選択し、テンプレートT52〜T54かテンプレートT63〜T65を選択して照合に用いることにより、パターンの外郭からマルチビームの境界までの間で補正対象画素の位置を決定することができる。
補正対象画素が細線化処理等の他の画像処理の対象でもある場合、補正が他の画像処理の効果を減少させるかもしれないが、補正対象画素の位置が他の画像処理と異なるテンプレートを選択することにより、他の画像処理と補正を両立させることができる。
図13は、図10に示すテンプレートT13に代えて、テンプレートT24を選択した補正例を示している。
細線化処理を実施する場合、図13に示すように、細線化処理によってパターンの外郭の階調値が減らされる。テンプレートT13では、補正対象画素が細線化処理と同じパターンの外郭に位置するため、補正を実施するとさらに階調値を減らすことになり、細線化処理で意図したよりも濃度が低下してしまう。また、細線化処理によって減った分だけ補正で減らせる階調値の幅も小さくなり、補正の効果も表れにくい。ここで、図13に示すように、テンプレートT13に代えてテンプレートT24を選択すれば、細線化処理とは異なる画素を補正対象画素とすることができ、細線化処理と補正の両方の効果が得られる。
また、補正部2は、パターン内の画素に代えて、パターン外の隣接画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正量を、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCに応じて決定することができる。
一般的には、多重露光効果によりマルチビームの境界の位置では濃度が上昇するため、補正係数kの符号を負に設定して、補正対象画素の階調値を減らす補正を行う。しかし、多重露光効果によって濃度が低下するパターンの場合は補正係数kの符号を正に設定して、補正対象画素の階調値を増やす補正が必要になる。階調値を増やす場合、元の階調値が最大値に近いと、補正によって増やすことができる階調値の幅が小さくなるが、照合に使用するテンプレートとして、パターン外の隣接画素を補正対象画素とするテンプレートを選択することにより、補正によって増やせる階調値の幅を十分に得ることができる。
例えば、補正部2は、図10に示すテンプレートT11及びT12の代わりにテンプレートT21及びT22を選択し、テンプレートT51及びT52の代わりにテンプレートT61及びT62を選択することにより、テンプレートによって検出したパターン内の画素ではなく、パターン外の隣接画素を補正対象画素として決定することができる。
図14は、図10に示すテンプレートT11の代わりにテンプレートT21を選択した補正例を示している。図14では、左側がテンプレートT11及びT21、中央と矢印を挟んだ右側が、それぞれ補正前後の1×7画素を示している。
テンプレートT11の補正係数k=k11が正の符号を有する場合、補正対象画素の元の階調値が最大値であると、補正によって階調値を増やすことができない。この場合は、図14に示すように、テンプレートT11の代わりにテンプレートT21を選択して使用すれば、背景の外郭を補正対象画素として階調値を増やして、多重露光効果によって濃度が減る分だけパターンの幅を太くすることができる。
上記補正において、補正部2は、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲を、多重露光効果が及ぶ範囲に応じて決定することが好ましい。
図10に示す各テンプレートT11〜T15、T21〜25、T51〜T55及びT61〜T65では、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲を、1〜5画素に設定しているので、補正部2は、多重露光効果が及ぶ範囲に応じた画素群の範囲が定められたテンプレートを選択すればよい。例えば、マルチビーム内で3つのレーザービームのスポットが重なり合い、マルチビームの境界から3、4画素まで多重露光効果が及ぶ場合、補正部2はテンプレートT11〜T14を選択して使用すればよい。また、マルチビーム内で5つのレーザービームのスポットが重なり合う場合、補正部2は、さらにテンプレートT15も選択すればよい。これにより、不要な演算を減らし、効率的な補正が可能になる。
また、補正部2は、検出するパターンを、マルチビームのレーザービーム数に応じて決定することが好ましい。
マルチビームのレーザービーム数が少なく、パターン内に複数のマルチビームの境界が位置すると、補正の効果が少ない。そのため、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の幅(画素数)がマルチビームのレーザービーム数以下であり、補正が効果的なパターンのみを検出することにより、補正の効率化を図ることができる。
図10に示す各テンプレートT11〜T15、T21〜T25、T51〜T55及びT61〜T65には、補正が有効なマルチビームのレーザービーム数が設定されている。補正部2は、マルチビームのレーザービーム数に対応するテンプレートを選択して照合に使用することにより、検出するパターンを、マルチビームのレーザービーム数に応じて決定することができる。なお、レーザービーム数が3未満の場合は、補正値Khを0として、補正を無効化することが好ましい。
補正部2は、検出するパターンを、画像データJ1の解像度やレーザービームの特性に応じて決定することもできる。例えば、画像データJ1の解像度が比較的低く、レーザービームのスポット径も小さく絞られている場合、隣接するレーザービームのスポットの重なりは小さい。重なりが小さいと、テンプレートT14又はT15のパターン等は濃度変動が少なく、補正する必要性がないため、マルチビームのレーザービーム数が多くても使用するテンプレートから除外して検出対象としないことができる。
なお、図10に例示するテンプレートでは、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群は、すべて有階調画素からなる。
しかし、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群は、有階調画素と、画素群中の無階調画素の数の割合が一定値以下の無階調画素と、からなる画素群であってもよい。通常は複数のレーザービームのスポットが何重にも重なり合って多重露光効果を及ぼすため、画素群中に1、2画素程度の無階調画素があっても、実質的に1つのパターンとみなして、同じマルチビーム内に位置する画素群の総和ΣCを求めることができる。
図15Aは、有階調画素と無階調画素からなる画素群の例を示している。
図10に示すテンプレートT15では、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群は、マルチビームの境界より下の5画素である。この5画素中に無階調画素があってもその画素数の割合が20%以下であれば、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群として扱う場合、図15Aに示すように、有階調画素間に1つの無階調画素を含むパターンもテンプレートT15と一致したと判断することができる。この場合、4つの有階調画素と1つの無階調画素が、同じマルチビーム内に位置する画素群であるので、当該画素群の階調値の総和ΣCを求めて補正値Khを算出すればよい。
多重露光効果は、主走査方向xに隣接する画素の露光の影響も受けることから、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲を、主走査方向に拡張することもできる。この場合の画素群も、有階調画素と、画素群中の画素数の割合が一定値以下の無階調画素からなる画素群であってもよい。画素群の範囲が拡大するため総和ΣCが大きくなるが、大きくなる総和ΣCに合わせて各テンプレートの補正係数kを小さく設定すればよい。注目画素と次の注目画素とで画素群の範囲が一部重複するが、各注目画素の補正結果が総合的に濃度ムラを解消する。
図15Bは、主走査方向xに範囲を拡大した画素群の例を示している。
図15Bに示すように、観察窓内の1×7画素がテンプレートT11のパターンと同じであるが、テンプレートT11では、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲が補正対象画素を含む5×2画素に拡大されている。許容できる画素群中の無階調画素数の割合が30%以下である場合、画素群に該当する5×2画素は、無階調画素の数の割合が3/10で30%以下であるので、補正部2は、テンプレートT11と一致したと判断し、5×2画素の各階調値の総和ΣCを求めて補正値Khを演算できる。一方、許容できる無階調画素の割合が20%である場合、無階調画素の数が許容値を超えるので、補正部2はテンプレートT11と不一致と判断して、他にも合致するテンプレートが無ければ、補正処理を行わない。
なお、画素群の範囲は、図15Bに示すような矩形であってもよいし、パターンの輪郭の形状が分かっているのであれば、輪郭に沿った形状、例えば三角形状等であってもよい。
また、補正部2は、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の副走査方向yの幅に応じて、補正対象画素の階調値を増やすか減らすかを決定することができる。
例えば、多重露光効果は、通常は濃度上昇を引き起こすため、補正係数kの符号を負に設定して階調値を減らす補正を行えばよい。しかし、テンプレートT11、T12等のように、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の副走査方向yの幅が1、2画素幅(解像度1200dpi)の極細線の場合、当該マルチビームにより付与する光エネルギー量が少なく、感光体40の表面電位を変化させる一定値Thに満たずに、露光効率が低下して濃度も低下することがある。このような極細線のテンプレートT11、T12等に一致した場合は、補正係数kとして正の符号の補正係数k11、k12等を使用して、階調値を増やす補正を行い、3画素以上の幅のテンプレートT13〜T15等に一致した場合は、通常どおり、負の符号の補正係数kを使用して、階調値を減らす補正を行えばよい。
また、補正部2は、マルチビームの境界の上に位置するパターン部分と、下に位置するパターン部分のそれぞれにおいて補正対象画素を決定し、その補正値を決定して補正を行うことが好ましい。
レーザービームの光量分布が略円形ではなく、楕円形等、偏りがある場合、マルチビームの走査により先に付与する光エネルギー量と、その後のマルチビームの走査により重ねて付与する光エネルギー量に偏りが生じる。そのため、補正対象画素がマルチビームの境界の上に位置する(先に走査するマルチビームにより補正対象画素の露光を行う)か、下に位置する(後に走査するマルチビームにより補正対象画素の露光を行う)かによって、多重露光効果に起因するパターンの濃度の変化量が異なってくる。
また、走査が境界の前後(上下)で2回にわたって行われた場合、2回目の走査で生成された電荷の挙動は、1回目の走査で生じた感光体中の電位の変化の影響を受けることから、1回目の走査による露光効果と2回目の走査による露光効果がまったく同じにはならない場合がある。
図10に示すテンプレートT11〜T15では、マルチビームの境界の下に位置するパターン部分において、テンプレートT51〜T55では、マルチビームの境界の上に位置にするパターン部分において、それぞれ補正対象画素が決定されており、それぞれのパターンの濃度変動量に応じた最適な補正係数kが個別に設定されている。補正部2は、テンプレートT11〜T15及びT51〜T55を使用してそれぞれに一致するパターンを検出し、一致したテンプレートT11〜T15及びT51〜T55に固有の補正係数kを使用して補正値Khを決定し、補正することにより、レーザービームの光量分布の偏りが生じていたり、1回目の走査による露光効果と2回目の走査による露光効果に差異がある場合でも、精度良く補正することが可能である。
また、補正部2は、補正対象画素を含むパターンと副走査方向yに隣接するパターンとの間隔に応じて、補正値Khを決定することが好ましい。
これにより、隣接するパターンとの距離によって変動する、多重露光効果による露光効率に合わせて、補正量を調整することができ、より精度の高い補正を行うことができる。
図16A及び図16Bは、多重露光効果による露光効率が変動するパターンの一例を示している。
線のパターンを副走査方向yに繰り返し形成する場合、図16Aに示すように各パターンの間隔が長いと、パターン間でのレーザービームの重なりがないかあっても小さいため、パターン部分Pbではマルチビームの境界を介して隣接するパターン部分Paとの間の多重露光効果のみを考慮して補正値Khを決定すればよい。同じパターンでも、図16Bに示すように間隔が短い場合、パターン部分Pbではパターン部分Paだけでなくもう1つのパターンPcともレーザービームの重なりがあるため、パターンの間隔が長い場合に比べて露光効率が上昇する。パターン部分PaだけでなくパターンPcとの間の多重露光効果を考慮して補正値Khを決定する必要がある。
図17A及び図17Bは、多重露光効果による露光効率が変動するパターンの他の例を示している。
図17A及び図17Bに示すように、段差を有する斜線のパターンを副走査方向yに繰り返し形成する場合、段差部分で主走査方向xにパターンが分断されるため、露光効率が低下し、濃度が低下する。一方、図17Bに示すように、図17Aに示すパターンよりも斜線の幅が太く、副走査方向yに並ぶ各パターンの間隔が短いと、隣接するレーザービームの重なりが増え、段差部分の特に距離が近い凸部の露光効率が高まって濃度が上昇する。
このような露光効率の変動に対して、補正部2は、パターン間隔によって濃度の変動量が大きくなるほど補正量も大きくなるように、補正係数kを調整して補正値Khの算出に用いればよい。補正係数kは、例えばパターン間隔によって決定した調整係数を補正係数kに乗算する等して調整することができる。これにより、パターン間隔に応じて補正値Khを調整できる。
パターン間隔の求め方は特に限定されないが、例えば上述したステップS11において観察窓内の各画素の階調値を取得した時に、各注目画素が無階調画素か否かを判断し、主走査方向xの各画素の位置ごとに無階調画素である注目画素の数をカウントすることにより、求めることができる。カウントには、カウンターを使用することができ、注目画素が無階調画素であればカウント値をインクリメントし、有階調画素であればリセットすればよい。求めたパターン間隔は、注目画素より上に位置するパターンとのパターン間隔であるが、多重露光効果に起因する濃度ムラはもともと周期的なパターンにおいて顕著に現れるため、注目画素より下のパターンとの間隔も、注目画素より上のパターンとの間隔と同じとみなして補正値Khを調整すればよい。また、同様に、多重露光効果に起因する濃度ムラは、もともと主走査方向xにも大きく広がっている場合に視認されやすくなるから、上で求めるカウント値は、主走査方向xの各画素ではなく、例えば32画素間隔等、離散的に求め、周辺の画素に近い位置のカウント値を用いる方法でもよい。
パターンの間隔としては、副走査方向yだけでなく、斜め方向を含む複数の方向における各パターン間の距離を求めてもよい。各方向の距離のうちの最短距離や平均距離、重み付け平均距離等をパターンの間隔として、補正値Khを調整することもできる。
以上のようにして注目画素の補正後の階調値を算出すると、補正部2は注目画素の位置を1画素シフトして、上述した処理を繰り返す。
逆変換部3は、補正部2により補正した各画素の階調値を、変換部1により変換した階調特性と逆特性の階調特性となるように、LUTを使用して変換する。補正部2から出力される10ビットの階調値のうち、最上位の1ビットはオーバーフロー用のビット位であるため、逆変換部3は、10ビットのうち下位9ビットを抽出して変換する。なお、オーバーフローしている場合、逆変換部3は、オーバーフローした10ビットを9ビットの最大値に変換(クリップ)し、下位9ビットを抽出した後、変換する。
図18は、入力した9ビットの階調値に対し、LUTにより出力する9ビットの階調値の例を示している。
このようなLUTにより、入力した階調値と出力する階調値の対応関係を元に戻すことができる。
ノイズ付与部4は、逆変換部3から出力された各画素の9ビットの階調値に、5ビットのノイズ値を加算して、ノイズを付与する。
ノイズの付与により、補正後に階調値のビット数を減らす場合でも、補正値Khの加算による微小な階調値の変化を再現することができる。
ノイズ付与により階調値が9ビットからオーバーフローする可能性がある場合は、最上位のビット位を加えて10ビットの階調値としてからノイズ値を加算し、加算後に最上位ビットを削除して下位9ビットの階調値を出力すればよい。
ノイズ付与部4は、ディザマトリクスを用いてノイズ値を付与することができる。具体的には、ノイズ付与部4は、5ビットすなわち0〜31の閾値が各画素に設定された、少なくとも32画素のディザマトリクスを用意し、対応する位置にある画像データの各画素の画素値に閾値を合算する。ディザマトリクスを使用する場合、疑似的に多階調を再現することもでき、好ましい。
ノイズ付与部4は、ノイズ値として、乱数発生装置等により出力された異なる数値を取得して付与することもできる。
視認性の高いゆらぎを避け、粒状性の劣化を防止するためには、ノイズ値は、比較的高い空間周波数成分を中心としたブルーノイズのノイズ値であることが好ましい。
ノイズ付与部4は、ディザマトリクス等を用いて、同じノイズ値を周期的に加算する場合、その周期を、マルチビームのレーザービーム数、ポリゴンミラーのミラー面数及び画像データを疑似多階調処理部A2においてスクリーン処理するときのスクリーン線数の少なくとも1つに応じて決定することが好ましい。これにより、多重露光効果によるモアレと、周期的なノイズ値との干渉を避けることができる。
例えば、ノイズ付与にディザマトリクスを使用する場合は、多重露光効果によるモアレと、ディザマトリクスの周期性が干渉しないように、ディザマトリクスの形状、サイズ等を選択することができる。形状及びサイズが異なる複数のディザマトリクスを組み合わせたスーパーセルを使用してもよい。
ビット調整部5は、ノイズ付与部4から出力された画像データの各画素の9ビットの階調値をビットシフトして、上位4ビットを抽出して出力する。
以上のように、画像形成装置Gは、画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体40を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正部A3と、ビーム補正部A3により補正した各画素の階調値に応じた光量のマルチビームで感光体40上を走査し、静電潜像を形成した後、現像する画像形成部18と、を備え、ビーム補正部A3は、画像データからマルチビームの境界が位置するパターンを検出し、検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値Khを、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCに応じて決定する。
これにより、マルチビームの境界において多重露光効果により生じる濃度変動を、各マルチビームにより与える光エネルギー量に応じて補正することができる。パターンによらず、多重露光効果に起因する濃度ムラを減らす補正を精度良く行うことができる。
〔第2の実施の形態〕
マルチビームを用いた画像形成では、マルチビームを構成する各レーザービームの位置ずれによっても濃度変動が生じることがある。画像形成装置Gでは、上述した多重露光効果に起因する濃度ムラの補正だけでなく、さらにレーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラの補正を実施することもできる。
図19は、多重露光効果に起因する濃度ムラと並行して、レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラを補正する場合のビーム補正部A30の構成例を示している。
図19に示すように、第2の実施の形態のビーム補正部A30は、変換部1、第1補正部201、第2補正部202、補正合成部203、逆変換部3、ノイズ付与部4及びビット調整部5を備えている。第2の実施の形態のビーム補正部A30は、第1補正部201、第2補正部202及び補正合成部203を備えること以外は、第1の実施の形態のビーム補正部A3と同じ構成であるので、同じ構成部には同じ符号を付してその詳細な説明を省略する。
〔第1補正部〕
第1補正部201は、図6に示す補正部2と同様にして、多重露光効果に起因する濃度ムラを補正する補正値Khを算出する。
〔第2補正部〕
第2補正部202は、レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラを補正する補正値Kjを算出する。
線幅の変動には、特に文字や図形等の画像の輪郭画素を形成するレーザービームのビーム位置のずれが大きく影響する。
図20は、4つのレーザービームにより4画素幅の線のパターンを形成したときの各レーザービームの光量分布を示している。
上述のように、光量が一定値Th以上の領域が、画像形成が有効なスポット領域である。
図20に示すように、ビーム位置がずれたとき、ビーム位置のずれがなくビーム間隔が一定のときと比べて、光量が一定値Th以上のスポット領域の幅が異なるため、線のパターンの線幅が変動する。図20に示す例では、線のパターンの輪郭を形成するレーザービームのビーム位置が線のパターンの外側へずれているため、線幅が太くなっているが、逆に線のパターンの内側へずれれば、線幅が短くなってしまう。なお、位置ずれにより線のパターンの内部において光量が一定値Thに達しない領域が生じるかもしれないが、このような領域は非常に狭小でトナー散り等によってトナーが付着するため、濃度変化としてほとんど現れない。このように、線のパターンの線幅は、線のパターンの内部におけるビーム位置のずれの影響は少なく、線のパターンの輪郭を形成するレーザービームのビーム位置に依存している。
第2補正部202は、図19に示すように、3つの演算部21及び修正部22を備えている。
3つの演算部21は、変換部1により変換した画像データを1×5画素単位で入力し、入力した1×5画素から、注目画素の前に(後述する図21において上方に)位置する隣接画素を中心とする1×3画素、注目画素を中心とする1×3画素、注目画素の後に(後述する図21において下方に)位置する隣接画素を中心する1×3画素をそれぞれ抽出し、各1×3画素の中心画素の補正後の階調値を算出する。
修正部22は、各演算部21により算出した、注目画素とその前後の隣接画素の補正後の階調値を用いて、注目画素の補正後の階調値を修正する。
図21は、第2補正部202の入力単位である1×5画素を示している。
図21に示すように、第2補正部202では、画像データJ1の始点の画素を含む1×5画素から終点の画素を含む1×5画素を入力するまで、1×5画素の観察窓の位置を主走査方向xに1画素ずつシフトし、主走査方向xの終端に至ると副走査方向yに1画素シフトして、入力を繰り返す。
各演算部21は、入力した1×5画素から、注目画素とその前後の隣接画素を中心とする1×3画素を抽出し、注目画素とその前後の隣接画素の補正後の階調値を算出する。修正部22は、各演算部21が算出した注目画素とその前後の隣接画素の補正後の階調値を入力して注目画素の補正後の階調値を修正する。修正後の注目画素は、図19に示す補正合成部203、逆変換部3、ノイズ付与部4及びビット調整部5における各処理を経て、補正後の画像データJ2として出力される。なお、1×5画素の中心に位置する画素が注目画素として補正の対象となるため、補正後の画像データJ2の副走査方向yの両端の2ラインは補正がされず元の画素がそのまま出力される。
〔演算〕
図22は、演算部21の具体的な処理手順を示している。
図22に示すように、演算部21は、入力した1×3画素の各階調値を比較する(ステップS1)。
比較した各階調値が下記エッジパターンPe1及びPe2のいずれかに該当する場合(ステップS2:Y)、演算部21は、1×3画素の中心に位置する画素をオブジェクトの輪郭画素とするエッジを検出し、そのエッジ強度ΔLを算出する(ステップS3)。オブジェクトとは、文字や図形、写真等の前景のパターンをいう。
図23は、1×3画素のエッジパターンPe1及びPe2を示している。
図23に示すように、1×3画素の各画素A〜Cの階調値をD[A]〜D[C]と表すと、エッジパターンPe1は、D[A]<D[B]≦D[C]を満たすパターンであり、エッジパターンPe2は、D[C]<D[B]≦D[A]を満たすパターンである。エッジパターンPe1に該当する場合、画素Aと画素Bの間にエッジが位置し、エッジパターンPe2に該当する場合、画素Bと画素Cの間にエッジが位置している。いずれのパターンPe1及びPe2においても、画素Bがオブジェクトの輪郭画素である。
ビーム位置のずれは線幅が1画素の画像には影響せず、ビーム位置のずれによって濃度変化が発生する可能性があるのは線幅が2画素以上の画像である。エッジパターンPe1及びPe2は、オブジェクトの2画素とオブジェクトの背景の1画素の階調値のパターンであり、このエッジパターンPe1及びPe2に該当する場合のみ補正を行うことにより、線幅が1画素の画像を補正の対象外とすることができる。
エッジ強度ΔLは、オブジェクトの輪郭画素の階調値と当該輪郭画素に隣接するオブジェクトの背景の画素の階調値との差であるので、エッジパターンPe1の場合は下記式(11)により、エッジパターンPe2の場合は下記式(12)により、エッジ強度ΔLを算出することができる。
(11) ΔL=|D[B]−D[A]|
(12) ΔL=|D[B]−D[C]|
次に、演算部21は、1×3画素の中心に位置する画素Bを形成するレーザービームのビーム位置nを特定し、特定したビーム位置nのずれ量に対応する補正係数w[n]をレジスタ等から取得する(ステップS4)。補正係数w[n]の係数値の大きさは、各レーザービームのビーム位置nの基準位置からのずれ量に比例して決定されている。また、補正係数w[n]は、正負の符号を有し、ビーム位置nがオブジェクトの内側へずれる場合は正の符号の補正係数w[n]、背景側にずれる場合は負の符号の補正係数w[n]が設定されている。
演算部21は、取得した補正係数w[n]とエッジ強度ΔLとを用いて、1×3画素の中心に位置する画素Bの階調値の補正値Kjを算出する(ステップS5)。
演算部21は、下記式(13)により1×3画素の中心に位置する画素Bの階調値の補正値Kjを算出することができる。この補正値Kjを用いれば、下記式(14)に示すように、レーザービームの位置ずれに起因する補正ムラを補正した階調値D[B]を算出することができる。
(13) Kj=w[n]×ΔL
(14) D[B]=D[B]+Kj
図20に示すように、オブジェクトの線幅は、その輪郭画素におけるレーザービームのビーム位置に依存し、そのビーム位置が線のパターンの背景側へずれれば、線幅が太くなり、逆に線のパターンの内側へずれれば、線幅が短くなってしまう。エッジ強度ΔLが大きいほど、線幅の変動による濃度変動も大きくなるが、上記式(13)によれば、エッジ強度ΔLに応じて補正値Kjが大きくなるように、元の階調値D[B]に加算する補正係数w[n]を調整することができる。
図24は、各画素A、B及びCの階調値のパターンがエッジパターンPe1に該当する場合の補正例を示している。
エッジパターンPe1に該当する場合、画素B及びCは、オブジェクトの画素であり、画素Aはオブジェクトの背景の画素であり、画素A及びB間にエッジが位置している。
図24に示すように、輪郭画素Bの階調値に応じて変調されるレーザービームのビーム位置1が基準位置からオブジェクトの内側へずれると、オブジェクトの線幅が細くなってしまう。
この場合、演算部21が取得するのは正の補正係数w[1]であり、この正の補正係数w[1]にエッジ強度ΔLを乗算して得られる正の補正値Kjが、元の階調値D[B]に加算されるため、補正によって画素Bの階調値を増加させることができる。これにより、画素Bにおけるレーザービームの光量が増え、本来の線幅を再現することができる。
逆に、輪郭画素Bのレーザービームのビーム位置1が基準位置から背景側へずれる場合、オブジェクトの線幅が太くなる。この場合、演算部21が取得するのは負の補正係数w[1]であり、この負の補正係数w[1]にエッジ強度ΔLを乗算して得られる負の補正値Kjが、元の階調値D[B]に加算されるため、補正によって画素Bの階調値を減少させることができる。これにより、画素Bにおけるレーザービームの光量が減り、本来の線幅を再現することができる。
なお、上記ビーム位置nに応じた補正係数w[n]は、マルチビームのビーム数の整数倍で配置された複数の斜線のパターンを、画像形成部18により形成し、当該形成されたパターンにおいて測定された斜線の線幅に基づいて決定することができる。このようなパターンとしては、多重露光効果に起因する濃度ムラの補正係数kを決定するときと同様に、図11に例示したテストパターンを使用することができる。
図11に示す複数のラダーパターンf1〜f3のうち、いずれか1つのラダーパターンによって補正係数w[n]を決定することはできるが、複数のラダーパターンを組み合わせて決定することにより、ビーム位置のずれによる濃度変化をより精度よく、比較的容易に特定することができ、好ましい。
また、斜線の線幅は斜線の濃度に比例するため、線幅の代わりに斜線の濃度を測定してこの濃度に基づいて補正係数w[n]を決定してもよい。濃度を測定する場合、高い解像度で読み取ることなく補正係数w[n]を決定でき、好ましい。なお、濃度は、斜線を含む一定領域の濃度をその斜線の平均濃度として測定することができるが、これに限られず、斜線の全体的な濃度を測定する一般的な手法を用いることができる。
補正係数w[n]の決定時、補正を行わずにラダーパターンを画像形成部18により形成し、斜線の線幅(又は濃度)の変化の傾向を特定し、その傾向に合わせて各ビーム位置の補正係数w[n]及びkを決定する。決定した各補正係数w[n]及びkを用いて、それぞれ第1補正部201と第2補正部202においてパターンを補正した後、画像形成部18により形成して、斜線の線幅(又は濃度)の変化の傾向に合わせて各ビーム位置の補正係数w[n]又はkを修正する。この修正を、補正後の斜線の線幅(又は濃度)が本来の線幅(又は濃度)に一致するまで(または、周期ムラが見えにくくなるか、極小化するまで)繰り返せばよい。なお、補正係数w[n]及びkのいずれか一方を先に決定し、先に決定した方に合わせてもう一方を決定するようにしてもよい。
上記のように、補正係数w[n]又はkの修正を繰り返して最適化してもよいが、いくつかの補正係数w[n]及びkのセットで補正したパターンを形成して、補正後の斜線の線幅(又は濃度)が本来の線幅(又は濃度)に近い(または、周期ムラの見えにくい)補正係数w[n]及びkを選択するようにしてもよい。
一方、いずれのエッジパターンPe1及びPe2にも該当しない場合(ステップS2:N)、演算部21は補正処理を行わずに、1×3画素の中心に位置する画素の補正値KjをKj=0として出力する(ステップS6)。
演算部21は、画像データの各画素の属性に応じて、補正を行って補正後の階調値を出力するか、補正を行わずに元の階調値を出力するかを切り替えることができる。各画素の属性は、画像データとともに生成される属性データにより判別することができる。
例えば、演算部21は、属性が写真の画素を補正対象外とし、属性が文字又は図形の画素を補正対象として決定することができる。写真の画像領域は、ノイズ除去のためにローパスフィルター処理等が施されてオブジェクトと背景のコントラスト差が明瞭でなく、エッジとして検出しにくいことがある。また、オブジェクトの濃度が平坦な領域が少なく、ビーム位置のずれによる濃度変動がもともと目立ちにくく補正の効果が小さい反面、補正(例えば、中間調の写真画像は網掛け処理(スクリーン処理)で疑似多階調処理される場合が多いが、網掛け処理によって生じた、本来の画像とは関係の無い、局所的な階調差をエッジとして処理する補正)により意図しない濃度変動が生じることがあるため、写真の属性の画素を補正対象外とすることにより、新たな画質劣化を防止することができる。
〔修正〕
修正部22は、注目画素の補正後の階調値が最大値を超える場合は超えた分を切り捨てて最大値とし、注目画素にエッジを介して隣接する隣接画素の補正後の階調値が最大値を超える場合は、超えた分の階調値を注目画素の階調値に加算する修正を行う。
具体的には、修正部22は、図21に示すように、第2補正部202に入力した1×5画素のうち、中央の3画素については補正値Kjを用いて上記式(14)にしたがって階調値を補正した3画素を配置して1×5画素を再構成する。再構成した1×5画素の両端の2画素は元の画素のままである。修正部22は、1×5画素の各階調値を比較し、各階調値のパターンが修正対象のパターンに該当するか否かを判断する。
図25は、修正対象のパターンPb1〜Pb4を示している。
図25に示すように、修正対象のパターンPb1〜Pb4は、注目画素の階調値か、注目画素とエッジを介して隣接する画素の階調値が、補正によって最大値を超えたパターンである。修正部22は、パターンPb1、Pb2、Pb3、Pb4の順に、該当するか否かを判断する。
修正対象のパターンPb1〜Pb4のいずれかに該当する場合、修正部22は注目画素の補正後の階調値を修正して出力する。図25に示すように、修正対象のパターンPb1又はPb4に該当する場合、注目画素の階調値が最大値を超えているので、修正部22は最大値を超えた分の階調値を切り捨てて、注目画素の階調値を最大値とする修正を行う。また、修正対象のパターンPb2又はPb3に該当する場合、注目画素とエッジを介して隣接する画素の階調値が最大値を超えているので、修正部22は最大値を超えた分の階調値を、注目画素の階調値に加算する修正を行う。
修正部22による修正を行うか否かは、任意に設定できるようにしてもよい。
例えば、通常は修正を行う設定として、温度や湿度等の環境が大きく変化し、一時的に好ましい補正を実施できなくなった場合に、修正を行わない設定することができる。
レーザービームの位置ずれが生じる場合、隣接するパターンとの間隔が変化し、多重露光効果による露光効率が変動するため、第1補正部201は、注目画素を含むパターンと副走査方向yに隣接するパターンとの間隔に応じて、補正値Khを決定することが好ましい。
図26A及び図26Bは、多重露光効果による露光効率が変動するパターンの一例を示している。
線のパターンを副走査方向yに繰り返し形成するときに、レーザービームの位置ずれが生じて線幅が太くなる場合、図26Aに示すように、各パターンの間隔が長ければ、太線化によるパターン間でのレーザービームの重なりが小さいため、隣接するパターンとの間の多重露光効果を考慮する必要性は低い。同じパターンでも、図26Bに示すように、パターンの間隔が短い場合、隣接するパターンともレーザービームの重なりがあるため、パターンの間隔が長い場合に比べて露光効率が上昇する。隣接するパターンとの間の多重露光効果を考慮して補正値Khを決定する必要がある。
〔補正値の合成〕
補正合成部203は、第1補正部201において算出した補正値Khと、第2補正部202において算出した補正値Kjとを、注目画素の階調値に加算し、多重露光効果及びレーザービームの位置ずれのそれぞれに起因する濃度ムラを補正した階調値を出力する。
その後、補正合成部203より出力した画像データは、第1の実施の形態同様にして、逆変換部3からビット調整部5までの各構成部において処理された後、画像データJ2として出力される。
なお、多重露光効果に起因する濃度ムラの補正と、レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラの補正を並行して実施する例を説明したが、各補正を順番に行ってもよく、補正の順番もどちらが先でも構わない。
以上のように、第2の実施の形態のビーム補正部A30は、画像データの各画素の階調値を、多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正を行う第1補正部201と、マルチビームの各レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラが減るように補正する第2補正部202と、を備えている。
この第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、パターンによらず、多重露光効果に起因する濃度ムラを減らす補正を行うことができるだけでなく、レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラも補正することができる。
上記実施の形態は本発明の好適な一例であり、これに限定されない。本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCを、画素群中の有階調画素の位置に応じて各階調値を重み付け平均することにより求めてもよい。また、階調値を露光時の光エネルギーに変換した変換値の総和を補正値Khの算出に使用してもよい。
また、上記実施の形態では、補正部2において1×7画素とテンプレートを照合する前に、照合に使用するテンプレートを選択していたが、観察窓内の1×7画素の階調値に応じて使用するテンプレートを選択するようにしてもよい。
また、補正値Khの算出に補正係数kを使用していたが、補正係数kを使用せずに、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCに対応する補正値Khを出力するLUTを使用して補正値Khを算出してもよい。このLUTは、補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和ΣCが異なる、様々なラダーパターンの補正を、補正値Khを異ならせて行い、その濃度を測定して最も濃度差が少ないときの補正値Khを各総和ΣCに対応付けることで、作成することができる。
また、制御部11がプログラムを読み取ることにより、上記ビーム補正部A3の処理手順を制御部11により実行させることもできる。また、画像形成装置Gに限らず、汎用のPC等のコンピューターにより当該プログラムを読み取らせて、上記処理手順を実行させることもできる。
プログラムのコンピューター読み取り可能な媒体としては、ROM、フラッシュメモリー等の不揮発性メモリー、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。プログラムのデータを、通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
G 画像形成装置
GA 画像処理装置
A3 ビーム補正部(第1の実施の形態)
1 変換部
2 補正部
3 逆変換部
4 ノイズ付与部
5 ビット調整部
A30 ビーム補正部(第2の実施の形態)
201 第1補正部
202 第2補正部
21 演算部
22 修正部
203 補正合成部

Claims (15)

  1. 画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正部を備え、
    前記ビーム補正部は、前記画像データから前記マルチビームの境界が位置するパターンを検出し、検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記ビーム補正部は、前記検出したパターンの外郭から前記マルチビームの境界までの各画素のなかで、前記補正対象画素を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ビーム補正部は、前記検出したパターン内の画素に代えて、前記検出したパターン外の隣接画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記ビーム補正部は、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の範囲を、多重露光効果が及ぶ範囲に応じて決定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記ビーム補正部は、検出するパターンを、前記マルチビームのレーザービーム数に応じて決定することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群は、有階調画素からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群は、有階調画素と、前記画素群中の画素数の割合が一定値以下の無階調画素と、からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  8. 前記ビーム補正部は、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の幅に応じて、前記補正対象画素の階調値を増やすか減らすかを決定することを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記ビーム補正部は、前記マルチビームの境界の上に位置するパターン部分と、下に位置するパターン部分のそれぞれにおいて前記補正対象画素を決定し、その補正値を決定して補正を行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. 前記ビーム補正部は、前記検出したパターンと隣接するパターンの間隔に応じて、前記補正値を調整することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  11. 前記ビーム補正部は、さらに、前記画像データの各画素の階調値を、前記マルチビームの各レーザービームの位置ずれに起因する濃度ムラが減るように補正することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  12. 前記ビーム補正部は、前記画像データの各画素の補正後の階調値にノイズ値を加算するノイズ付与部を備え、
    前記ノイズ付与部は、同じノイズ値を周期的に加算する場合、その周期を、前記マルチビームのレーザービーム数、ポリゴンミラーのミラー面数及び画像データをスクリーン処理するときのスクリーン線数の少なくとも1つに応じて決定することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  13. 前記ビーム補正部は、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に、前記検出したパターンの多重露光効果による濃度変動量に応じて決定した補正係数を乗算することにより、前記補正値を算出し、
    前記補正係数は、前記マルチビームを用いて用紙上に形成したテストパターンの濃度変動量に応じて決定されていることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  14. 画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正部と、
    前記ビーム補正部により補正した各画素の階調値に応じた光量のマルチビームで感光体上を走査して、感光体を露光し静電潜像を形成した後、現像する画像形成部と、を備え、
    前記ビーム補正部は、前記画像データから前記マルチビームの境界が位置するパターンを検出し、検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定することを特徴とする画像形成装置。
  15. コンピューターに、
    画像データの各画素の階調値を、当該階調値に応じた光量のマルチビームを走査して感光体を露光したときの多重露光効果に起因する濃度ムラが減るように補正するビーム補正ステップであって、
    前記画像データから前記マルチビームの境界が位置するパターンを検出するステップと、
    前記検出したパターン内の画素を補正対象画素として決定して、当該補正対象画素の階調値を補正し、その補正値を、前記補正対象画素と同じマルチビーム内に位置する画素群の階調値の総和に応じて決定するステップと、
    を含むビーム補正ステップを実行させるためのプログラム。
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