JP6986441B2 - 料金自動収受機、料金収受システム、料金自動収受機の制御方法及びプログラム - Google Patents

料金自動収受機、料金収受システム、料金自動収受機の制御方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、料金自動収受機、料金収受システム、料金自動収受機の制御方法及びプログラムに関する。
高速道路等の有料道路における料金所では、車両に搭乗する利用者は、当該料金所の車線路側に設置された料金収受設備を通じて料金を支払う。料金所の車線に設置される料金収受設備の一例としては、到来した利用者との間で料金の収受処理(金銭の受け渡し、カードによる支払等)を自動的に行う料金自動収受機がある(例えば、特許文献1参照)。
上述のような料金所において、料金自動収受機は、利用者に対し、料金収受処理に必要な複数の操作を求める。料金収受処理に必要な複数の操作とは、例えば、通行券(入口料金所で発行され、当該入口料金所を示す識別情報が記録された券)の挿入、通行券に基づいて決定された料金を支払うための紙幣、硬貨、クレジットカード又はETCカードの挿入(投入)及びその回収、釣銭の回収、領収書の回収などである(ETC:Electronic Toll Collection System(登録商標)、「自動料金収受システム」ともいう)。
特許第5173391号公報
料金自動収受機との間でのやり取りに際し、利用者は、上述のような複数の操作を要求されるため、慣れていない利用者は、次にどのような操作を行ったらよいか戸惑ってしまい、料金収受処理が停滞することが想定される。このような事象が頻発すると、サービスタイムが増大し、渋滞等を引き起こす要因となる。
なお、ある態様の料金自動収受機は、監視員による円滑なサポートを図る目的で、利用者に対する料金収受処理の滞留時間を計測するとともに、当該滞留時間が所定の時間閾値を超過した場合に、自動的に監視員に報知する機能を有する。しかしながら、上述したように、料金収受処理は、利用者に対し複数の操作を要求するものであるから、当該料金収受処理が滞留に至る要因は多種多様である。そのため、一律に規定された時間閾値に基づいて監視員に報知するものとした場合には、適切な報知判定を行うことが困難である。例えば、実際には監視員によるサポートが必要ないケースであったにもかかわらず、自動的に監視員に報知してしまい、監視員に無用な負担を強いることが想定される。
本発明の目的は、適切に監視員への報知を行うことができる料金自動収受機、料金収受システム、料金自動収受機の制御方法及びプログラムを提供することにある。
本発明の第1の態様によれば、料金自動収受機(10)は、利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサ(SE1〜SE6)と、前記複数の操作それぞれに関連する報知判定時間のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間(Th1〜Th8)を特定する報知判定時間特定部(1001)と、当該一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間(T1〜T8)が、特定された前記報知判定時間を経過した場合に、監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行う報知処理部(1002)と、を備える。
このような構成によれば、料金収受に必要な各操作が開始される度に、その操作の特徴に応じた適切な報知判定時間が設定される。そして、操作別に設定された報知判定時間を超過したことをもって報知を行うので、複数の操作の各々において、実際に戸惑っている利用者を正確に識別することができる。
以上より、適切に監視員への報知を行うことができる。
また、本発明の第2の態様によれば、上述の料金自動収受機は、所定の条件を満たした場合に、前記報知判定時間を延長する延長処理部(1003)を更に備える。
このような構成によれば、利用者の状況に合わせて、適切に報知判定時間を変更(延長)することができる。
また、本発明の第3の態様によれば、前記延長処理部は、前記複数の操作のうちの第1の操作が開始されてからの経過時間が、予め規定された延長判定時間(Te)を経過した場合に、前記第1の操作の後に行われる他の操作に関連する前記報知判定時間を延長する。
このような構成によれば、ある第1の操作を完了するまでに要した時間が所定の延長判定時間を上回った場合には、全体的に操作が遅めの利用者である可能性があると推測されるので、以降の各操作に関連する報知判定時間の時間を増加させる。これにより、以降の各操作において無用な報知処理がなされないようにすることができる。
また、本発明の第4の態様によれば、前記延長処理部は、前記第1の操作の後の第2の操作が開始されてからの経過時間が、当該第2の操作に関連する前記報知判定時間であって延長前の報知判定時間を経過する前に当該第2の操作が完了した場合には、前記第2の操作の後に行われる他の操作に関連する前記報知判定時間を、延長前の報知判定時間に戻す。
このような構成によれば、第1の操作に要した経過時間が長かったために、一旦は、以降の操作に関連する報知判定時間を延長したものの、その後に続くいくつかの各操作が手早く完了された場合には、報知判定時間が延長前の時間に戻される。これにより、単に、特定の一つの操作に手間取っていただけの利用者に対しても、以降の操作において、適切な報知判定時間を適用することができる。
また、本発明の第5の態様によれば、上述の料金自動収受機は、前記利用者による前記複数の操作を受け付ける料金収受用パネル(10A)と、前記利用者が搭乗する車両との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部(1004)を更に備え、前記延長処理部は、前記車両と前記料金収受用パネルとの距離が所定の距離判定閾値以上であった場合に、前記報知判定時間を延長する。
このような構成によれば、車両を料金収受用パネルから離れた位置に停車させた利用者は全体的に操作が遅めとなる可能性が高いと推測されるので、報知判定時間の時間を増加させることで、以降の各操作において無用な報知処理がなされないようにすることができる。
また、本発明の第6の態様によれば、前記報知処理部は、前記利用者から、前記監視員への通話を求める操作を受け付けた場合には、前記報知処理を行わない。
このような構成によれば、利用者の方から積極的に通話の申し出があった場合に、無用な報知処理の実行を防止することができる。
また、本発明の第7の態様によれば、料金収受システムは、上述の料金自動収受機と、料金所事務所に設置された監視盤(2)と、を備える。
また、本発明の第8の態様によれば、料金自動収受機の制御方法は、利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサを備える料金自動収受機の制御方法であって、前記複数の操作それぞれに関連する報知判定時間のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間を特定するステップと、当該一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間が、特定された前記報知判定時間を経過した場合に、監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行うステップと、を有する。
また、本発明の第9の態様によれば、プログラムは、利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサを備える料金自動収受機のコンピュータを、前記複数の操作それぞれに関連する報知判定時間のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間を特定する報知判定時間特定部、当該一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間が、特定された前記報知判定時間を経過した場合に、監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行う報知処理部、として機能させる。
上述の発明の各態様によれば、適切に監視員への報知を行うことができる。
第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る料金自動収受機の機能構成を示す図である。 第1の実施形態に係る監視盤の表示パネルに表示される画像の例を示す図である。 第1の実施形態に係る報知判定時間テーブルの例を示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る延長処理の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係る延長処理解除の処理フローを示す図である。 第1の実施形態に係るアラーム処理無効化の処理フローを示す図である。 第2の実施形態に係る料金自動収受機の機能構成を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る料金収受システムについて、図1〜図15を参照しながら説明する。
(料金収受システムの全体構成)
図1は、第1の実施形態に係る料金収受システムの全体構成を示す図である。
本実施形態に係る料金収受システム1は、高速道路等の有料道路の出口料金所に設置される。料金収受システム1は、到来する利用者から入口料金所で発行された通行券を受け付けて、当該利用者の走行距離に応じた利用料金を収受する。なお、他の実施形態においてはこの態様に限定されず、有料道路の料金体系によっては、料金収受システム1は、入口料金所に設置されてもよい。
図1に示すように、料金収受システム1は、車線L路側のアイランドIに設置された料金自動収受機10と、車種判別装置11と、退出側車両検知器12Aと、発進制御機12Bと、料金所事務所Rに設置された監視盤2と、を備えている。
料金自動収受機10は、後述する進入側車両検知器11Aよりも下流側(+X方向側)であって、かつ、退出側車両検知器12Aよりも上流側(−X方向側)におけるアイランドI上の所定位置に設置される。料金自動収受機10は、車線L上に停車した車両Aに搭乗する利用者との間で料金収受処理を行う。具体的には、料金自動収受機10は、料金収受処理に必要な通行券、紙幣、硬貨、及び、クレジットカード(又はETCカード)を専用の挿入口から受け付けて、車両Aの車種区分や有料道路の走行距離等に応じた料金の収受を行う。また、料金自動収受機10は、挿入されたクレジットカード(ETCカード)、釣銭としての紙幣及び硬貨、並びに、領収書を専用の排出口から排出する。
図1に示すように、料金自動収受機10は、車線L側(+Y方向)を向く面に、料金収受用パネル10Aを有している。料金収受用パネル10Aは、利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作を受け付けるための操作パネルである。即ち、車両Aに搭乗する利用者は、車線Lを走行しながら当該車両Aの運転席側面が料金収受用パネル10Aと対面する位置で車両Aを停車させ、料金収受用パネル10Aに対して料金収受処理に必要な各種操作を行う。
車種判別装置11は、料金自動収受機10よりも上流側(−X方向側)に設けられ、車線Lに進入した車両Aの車長、車高、車軸数等を検出する装置群である。車種判別装置11は、進入側車両検知器11Aの他、踏板、車高検知器、車長検知器、ナンバープレート認識装置等の装置群からなる。車種判別装置11は、これら装置群を通じて得られる種々の情報(車長、車高、車軸数、ナンバープレート情報等)に基づいて、車線Lに進入した車両Aの車種区分を一意に特定する。車種区分は、例えば、“軽自動車/二輪車”、“普通車”、“中型車”、“大型車”及び“特大車”の5分類とされる。車種判別装置11は、特定した車種区分を料金自動収受機10に送信する。これにより、料金自動収受機10は、車両Aの車種区分に応じた料金を収受することができる。
なお、本実施形態に係る車種判別装置11の具体的な構成及び動作については、詳細な説明を省略する。
進入側車両検知器11Aは、車線Lの最も上流側(−X方向側)に設置され、車両Aの、車線Lへの進入を検知する。
退出側車両検知器12Aは、車線Lの最も下流側(+X方向側)に設置され、車両Aの、車線Lからの退出を検知する。
本実施形態に係る進入側車両検知器11A及び退出側車両検知器12Aは、一般によく知られている透過式車両検知器とされるが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。即ち、他の実施形態に係る進入側車両検知器11Aは、反射式車両検知器であってもよい。
発進制御機12Bは、料金自動収受機10よりも車線Lの下流側(+X方向側)に設けられ、バーの昇降動作に基づく車線Lの開放及び閉塞を行う。発進制御機12Bは、例えば、退出側車両検知器12Aによって車両Aの退出が検知された場合に、次に進入した車両に備え、車線Lを閉塞するように制御される。また、発進制御機12Bは、料金自動収受機10を通じた料金収受処理が完了した場合に、車線Lを開放するように制御される。
監視盤2は、車線Lを遠隔で監視するための装置である。監視盤2は、車線Lの路側等に設置された監視カメラ(図示せず)を通じて、各車線L及び料金自動収受機10周辺の映像を表示する。料金所事務所R内には、監視員が待機し、監視盤2を通じて、遠隔で、料金所の車線Lを監視することができる。
また、料金自動収受機10の料金収受用パネル10Aには所定の通話ボタン(図示せず)が設けられている。利用者は、当該通話ボタンを押下することで、料金自動収受機10、監視盤2それぞれに設けられたマイク、スピーカを通じて、料金所事務所Rに待機する監視員と会話することができる。
監視盤2の表示パネル2Aは、監視カメラの映像等を表示するモニタである。監視員は、表示パネル2Aに表示されている映像を確認することで車線L及び料金自動収受機10周辺の状況を把握することができる。また、表示パネル2Aは、タッチセンサ式のディスプレイとされ、監視員によるタッチ操作を受け付けることも可能とされる。例えば、監視員は、車種判別装置11によって自動的に車種区分を判別できなかった車両に対し、表示パネル2Aに映される映像により車種区分を確認するとともに、表示パネル2Aへのタッチ操作を通じて車種区分を指定する。これにより、車種区分が自動で判別されなかった車両に対し収受すべき料金を決定することができる。
(料金自動収受機の機能構成)
図2は、第1の実施形態に係る料金自動収受機の機能構成を示す図である。
図2に示すように、料金自動収受機10は、CPU100と、料金収受用パネル10Aと、通信インタフェース107と、記録媒体108と、を備えている。
CPU100は、料金自動収受機10に具備される各種ハードウェアを制御しながら、料金収受処理に係る一連の処理を行うプロセッサである。
料金収受用パネル10Aは、利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作を受け付けるための複数の挿入口、排出口を有している。具体的には、料金収受用パネル10Aには、通行券挿入口101、カード挿入排出口102、紙幣挿入排出口103、硬貨投入口104、釣銭硬貨排出口105及び領収書発行口106が設けられている。
通行券挿入口101は、利用者から通行券の挿入を受け付ける挿入口である。通行券挿入口101には、利用者から通行券の挿入を受け付けたことを検知可能な検知センサSE1が設けられている。
カード挿入排出口102は、利用者からクレジットカード又はETCカード(以下、これらをまとめて、単に「カード」と表記する。)の挿入を受け付ける挿入口である。カード挿入排出口102に挿入されたカードは、支払いに係る読み出し/書き込み処理がなされた後、同じカード挿入排出口102から排出される。カード挿入排出口102には、利用者からカードの挿入を受け付けたこと、及び、排出されたカードが利用者によって回収された(抜き取られた)ことを検知可能な検知センサSE2が設けられている。
紙幣挿入排出口103は、利用者から紙幣の挿入を受け付ける挿入口である。また、釣銭に紙幣が含まれる場合、紙幣挿入排出口103から釣銭としての紙幣が排出される。紙幣挿入排出口103には、利用者から紙幣の挿入を受け付けたこと、及び、釣銭として排出された紙幣が利用者によって回収された(抜き取られた)ことを検知可能な検知センサSE3が設けられている。
硬貨投入口104は、利用者から硬貨の投入を受け付ける投入口である。硬貨投入口104には、利用者から硬貨の投入を受け付けたことを検知可能な検知センサSE4が設けられている。
釣銭硬貨排出口105は、釣銭に硬貨が含まれる場合に、釣銭としての硬貨が排出される排出口である。釣銭硬貨排出口105には、釣銭として排出された硬貨が利用者によって回収されたことを検知可能な検知センサSE5が設けられている。
領収書発行口106は、料金の収受に係る領収書が排出される排出口である。領収書は、利用者から領収書発行の要求(領収書発行ボタンの押下)を受け付けた場合に発行される。領収書発行口106には、排出された領収書が利用者によって回収されたことを検知可能な検知センサSE6が設けられている。
上述の検知センサSE1〜SE6に加え、進入側車両検知器11A及び退出側車両検知器12Aは、利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサとして機能する。
なお、検知センサSE1〜SE6の態様は、既知の検知センサを適用可能とされる。例えば、通行券挿入口101、カード挿入排出口102、紙幣挿入排出口103に設けられる検知センサSE1、SE2、SE3は、挿入媒体(通行券、カード、紙幣)によって検知光が遮光されたか否かを示す信号に応じて、各巣挿入媒体の挿入を検知可能とする光学式のセンサ等であってよい。また、釣銭硬貨排出口105に設けられる検知センサSE5は、例えば、排出された硬貨の重量を計測可能な重量計や、コイルの電磁誘導特性を利用したセンサ等であってよい。
通信インタフェース107は、料金収受システム1を構成する他の装置と通信するための接続インタフェースである。料金自動収受機10は、特に、通信インタフェース107を介して、進入側車両検知器11A及び退出側車両検知器12Aと接続される。また、料金自動収受機10は、通信インタフェース107を介して、図2には図示しない監視盤2や、車種判別装置11を構成する種々の装置、発進制御機12Bなどにも接続される。
記録媒体108は、料金収受処理に必要な種々の情報が記録される。特に、本実施形態においては、記録媒体108には、後述する「報知判定時間テーブル」が記録されている。
本実施形態に係るCPU100は、所定のプログラムに基づいて動作することで、料金収受処理部1000、報知判定時間特定部1001、報知処理部1002及び延長処理部1003としての機能を発揮する。
料金収受処理部1000は、到来した利用者に対する料金収受処理を行う。一例としては、料金収受処理部1000は、挿入された通行券に記録された情報の読み取り、通行券及び車種区分に基づく通行料金(その利用者から収受すべき料金の額)の決定、投入金額や釣銭の演算、領収書の発行処理、発進制御機12Bによる車線Lの開放、閉塞などを行う。
報知判定時間特定部1001は、料金収受処理として要求される複数の操作それぞれに関連する報知判定時間のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間を特定する。具体的には、上述の各種センサ(検知センサSE1〜SE6、進入側車両検知器11A及び退出側車両検知器12A)のいずれかによって開始が検知された一つの操作に関連付けられた報知判定時間を特定する。
報知処理部1002は、開始された一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間が、特定された報知判定時間を経過した場合に、料金所事務所Rに待機する監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行う。
延長処理部1003は、所定の条件を満たした場合に、複数の操作それぞれに関連する報知判定時間を延長する。「所定の条件」については後述する。
(表示パネルに表示される画像の例)
図3は、第1の実施形態に係る監視盤の表示パネルに表示される画像の例を示す図である。
図3に示すように、表示パネル2Aには、監視カメラの映像G0に加え、フェーズ画像G1、操作パネル画像G2及び料金表示画像G3が表示される。
フェーズ画像G1は、現時点における料金収受処理のフェーズを示す画像である。「フェーズ」については後述する。
操作パネル画像G2は、監視員からのタッチ操作を受け付けるための画像である。操作パネル画像G2には、例えば、車種区分を指定するための押下ボタン等が表示される。
料金表示画像G3には、通行券から読み取られた情報と車種区分とに基づいて決定された通行料金、及び、利用者からの実際の投入金額が表示される。
(報知判定時間テーブルの例)
図4は、第1の実施形態に係る報知判定時間テーブルの例を示す図である。
記録媒体108(図2)には、図4に示すような報知判定時間テーブルが予め記録されている。
まず、報知判定時間テーブルに規定されるフェーズの種類について説明する。以下に示すように、「フェーズ」は、料金収受処理に必要な複数の操作(具体的には、「通行券の挿入」、「カードの挿入」、「カードの回収」、「紙幣の挿入」、「硬貨の投入」、「釣銭の回収」、「領収書の回収」及び「車線からの退出」)のそれぞれに対応して規定される。
「初期状態」は、車線Lに車両が存在しておらず、料金収受処理が行われていない段階である。
「券挿入待ち」は、利用者による「通行券の挿入」を待ち受けている段階である。「券挿入待ち」のフェーズは、進入側車両検知器11Aによる車両の進入検知がなされた時点で開始され、検知センサSE1による通行券の挿入検知がなされた時点で完了する。
「収受中」は、「通行券の挿入」が完了した後、利用者による「紙幣の挿入」、「硬貨の投入」又は「カードの挿入」を待ち受けている段階である。「収受中」のフェーズは、検知センサSE1による通行券の挿入検知がなされた時点で開始され、検知センサSE2によるカードの挿入検知、検知センサSE3による紙幣の挿入検知、又は、検知センサSE4による硬貨の投入検知がなされた時点で完了する。
「紙幣受付中」は、「紙幣の挿入」を受け付けた後、利用者による更なる「紙幣の挿入」、又は、「硬貨の投入」を待ち受けている(投入金額が通行料金を満たしていない)段階である。「紙幣受付中」のフェーズは、検知センサSE3による紙幣の挿入検知がなされた時点で開始され、検知センサSE4による硬貨の投入検知がなされた時点、又は、投入金額の合計が通行料金以上となった時点で完了する。
「硬貨受付中」は、「硬貨の投入」を受け付けた後、利用者による更なる「硬貨の投入」、又は、「紙幣の挿入」を待ち受けている(投入金額が通行料金を満たしていない)段階である。このフェーズは、検知センサSE4による硬貨の投入検知がなされた時点で開始され、検知センサSE3による紙幣の挿入検知がなされた時点、又は、投入金額の合計が通行料金以上となった時点で完了する。
「カード受付中」は、「カードの挿入」を受け付けた後、利用者による「カードの回収」を待ち受けている段階である。「カード受付中」のフェーズは、検知センサSE2によるカードの挿入検知がなされた時点で開始され、同じく検知センサSE2によるカードの回収検知がなされた時点で完了する。
「釣銭払い出し中」は、利用者による「釣銭の回収」を待ち受けている段階である。「釣銭払い出し中」のフェーズは、投入金額の合計が通行料金以上となった時点で、釣銭の払い出しが必要な場合に開始され、検知センサSE3及び検知センサSE5による全ての釣銭(硬貨、紙幣)の回収検知がなされた時点で完了する。
「領収書発行中」は、利用者による「領収書の回収」を待ち受けている段階である。「領収書発行中」のフェーズは、利用者から領収書の発行が要求されている場合に、投入金額の合計が通行料金以上となった時点、検知センサSE2によるカードの回収検知がなされた時点、又は、検知センサSE3及び検知センサSE5による全ての釣銭の回収検知がなされた時点で開始され、検知センサSE6による領収書の回収検知がなされた時点で完了する。
「収受完了」は、利用者による「車線からの退出」を待ち受けている段階である。「収受完了」のフェーズは、投入金額の合計が通行料金以上となった時点、検知センサSE2によるカードの回収検知がなされた時点、検知センサSE3及び検知センサSE5による全ての釣銭(硬貨、紙幣)の回収検知がなされた時点、又は、検知センサSE6による領収書の回収検知がなされた時点で開始され、退出側車両検知器12Aによる車両の退出検知がなされた時点で完了する。
また、報知判定時間テーブルには、フェーズ別に、予め規定された報知判定時間(Th1〜Th8)が関連付けられている。また、各報知判定時間には、“初期値”と“延長後”の二種類がそれぞれ規定されている。“初期値”に規定される時間(Th1a〜Th8a[秒])は、各報知判定時間の初期値(後述する「延長処理」前の値)として適用される時間である。“延長後”に規定される時間(Th1b〜Th8b[秒])は、後述する「延長処理」の後において各報知判定時間に適用される時間である。
なお、“延長後”に規定される時間(Th1b〜Th8b[秒])は、“初期値”に規定される時間(Th1a〜Th8a[秒])のそれぞれよりも長い時間として規定される。“延長後”に規定される時間(Th1b〜Th8b[秒])は、“初期値”に規定される時間(Th1a〜Th8a[秒])のそれぞれとの時間差で規定されていてもよい(例えば、「Th2b=Th2a+5秒」、「Th3b=Th3a+10秒」等)。
(料金収受処理の処理フロー)
図5〜図12は、それぞれ、第1の実施形態に係る料金収受処理の処理フローを示す図である。
以下、図5〜図12を参照しながら、料金自動収受機10が行う料金収受処理の処理フローを説明する。
(「初期状態」〜「券挿入待ち」のフェーズ)
まず、図5において、CPU100の料金収受処理部1000は、進入側車両検知器11Aによる車両の進入検知がなされたか否かを判定する(ステップS01)。進入側車両検知器11Aによる車両の進入検知がなされていない間(ステップS01:NO)、料金収受処理部1000は、車両の進入検知を待ち受ける。なお、この時点における料金収受処理のフェーズは、「初期状態」である。
進入側車両検知器11Aによる車両の進入検知がなされた場合(ステップS01:YES)、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「初期状態」から「券挿入待ち」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「券挿入待ち」に関連付けられた報知判定時間Th1(=Th1a秒)を特定する(ステップS02)。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「券挿入待ち」を示すフェーズ画像G1(図3参照)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「券挿入待ち」に移行してからの経過時間T1の計測を開始する(ステップS03)。
次に、報知処理部1002は、ステップS03で計測を開始した経過時間T1がステップS02で特定された報知判定時間Th1を上回ったか否かを判定する(ステップS04)。
経過時間T1が報知判定時間Th1を上回っていない場合(ステップS04:NO)、料金収受処理部1000は、通行券挿入口101の検知センサSE1を通じて、通行券の挿入が検知されたか否かを判定する(ステップS05)。
通行券の挿入が検知されていない場合(ステップS05:NO)、ステップS04に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T1が報知判定時間Th1を上回ったか否かを判定する。
他方、通行券の挿入が検知された場合(ステップS05:YES)、CPU100は、図6のステップAに移行する。
経過時間T1が報知判定時間Th1を上回った場合(ステップS04:YES)、利用者が通行券の挿入に戸惑っていると推測される。そこで、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理(アラームの鳴動)を行う(ステップS06)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「券挿入待ち」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、所定の箇所(通行券挿入口101)に通行券を挿入すべきことを案内する。
ステップS06のアラーム処理の後、監視員による案内により通行券が挿入された場合、CPU100は、図6のステップAに移行する。
なお、通行券が挿入されると、料金収受処理部1000は、当該通行券に記録されている情報を読み出して、利用者が支払うべき通行料金を決定する。
(「収受中」のフェーズ)
図6のステップAにおいて、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「券挿入待ち」から「収受中」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「収受中」に関連付けられた報知判定時間Th2を特定する(ステップS11)。ここで、報知判定時間Th2について、Th2a[秒](“初期値”)が適用されるか、Th2b[秒](“延長後”)が適用されるか、を定める判定処理については後述する。以下のフェーズで用いられる報知判定時間Th3、Th4、・・についても同様とする。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「収受中」を示すフェーズ画像G1(図3)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「収受中」に移行してからの経過時間T2の計測を開始する(ステップS12)。
次に、報知処理部1002は、ステップS12で計測を開始した経過時間T2がステップS11で特定された報知判定時間Th2を上回ったか否かを判定する(ステップS13)。
経過時間T2が報知判定時間Th2を上回っていない場合(ステップS13:NO)、料金収受処理部1000は、カード挿入排出口102の検知センサSE2、紙幣挿入排出口103の検知センサSE3、及び、硬貨投入口104の検知センサSE4を通じて、カード、紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知されたか否かを判定する(ステップS14)。
カード、紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知されていない場合(ステップS14:NO)、ステップS13に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T2が報知判定時間Th2を上回ったか否かを判定する。
他方、カード、紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知された場合(ステップS14:YES)、挿入(投入)が検知されたものが、紙幣か、硬貨か、又は、カードかに応じてそれぞれ別の処理フローに移行する(ステップS15)。具体的には、紙幣の挿入が検知された場合(ステップS15:紙幣挿入受付)、図6のステップBに移行する。また、硬貨の投入が検知された場合(ステップS15:硬貨投入受付)、図7のステップCに移行する。また、カードの挿入が検知された場合(ステップS15:カード挿入受付)、図8のステップDに移行する。
経過時間T2が報知判定時間Th2を上回った場合(ステップS13:YES)、利用者が紙幣の挿入、硬貨の投入又はカードの挿入の何れかに戸惑っていると推測される。そこで、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理を行う(ステップS16)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「収受中」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、利用者の希望に基づき、所定の箇所(紙幣挿入排出口103、硬貨投入口104、又は、カード挿入排出口102)に紙幣、硬貨又はカードを挿入(投入)すべきことを案内する。
ステップS16のアラーム処理の後、監視員による案内により紙幣、硬貨、又は、カードが挿入(投入)された場合、CPU100は、それぞれ、図7のステップB、図8のステップC、又は、図9のステップDに移行する。
(「紙幣受付中」のフェーズ)
図7のステップBにおいて、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「収受中」(又は「硬貨受付中」)から「紙幣受付中」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「紙幣受付中」に関連付けられた報知判定時間Th3を特定する(ステップS21)。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「紙幣受付中」を示すフェーズ画像G1(図3)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「紙幣受付中」に移行してからの経過時間T3の計測を開始する(ステップS22)。
次に、報知処理部1002は、ステップS22で計測を開始した経過時間T3がステップS21で特定された報知判定時間Th3を上回ったか否かを判定する(ステップS23)。
経過時間T3が報知判定時間Th3を上回っていない場合(ステップS23:NO)、報知処理部1002は、通行料金が投入金額以上となったか否かを判定する(ステップS24)。
通行料金が投入金額以上となっていない場合(ステップS24:NO)、更に、報知処理部1002は、追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知された否かを判定する(ステップS25)。追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知されていない場合(ステップS25:NO)、ステップS23に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T3が報知判定時間Th3を上回ったか否かを判定する。
追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知された場合(ステップS25:YES)であって、かつ、紙幣が挿入された場合(ステップS27:紙幣)、ステップS24に戻り、報知処理部1002は、再び、通行料金が投入金額以上となったか否かを判定する。他方、追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知された場合(ステップS25:YES)であって、かつ、硬貨が投入された場合(ステップS27:硬貨)、CPU100は、図8のステップCに移行する。
通行料金が投入金額以上となった場合(ステップS24:YES)、料金収受処理部1000は、釣銭の払い出しが必要か否かを判定する(ステップS28)。釣銭の払い出しが必要であった場合(ステップS28:YES)、CPU100は、図10のステップEに移行する。
他方、釣銭の払い出しが必要なかった場合(ステップS28:NO)、料金収受処理部1000は、利用者が領収書の発行を要求しているか否か(即ち、領収書発行ボタンが押下されているか否か)を判定する(ステップS29)。
利用者が領収書の発行を要求している場合(ステップS29:YES)、CPU100は、図11のステップFに移行する。
また、利用者が領収書の発行を要求していない場合(ステップS29:NO)、CPU100は、図12のステップGに移行する。
経過時間T3が報知判定時間Th3を上回った場合(ステップS23:YES)、利用者が追加の紙幣の挿入又は硬貨の投入に戸惑っていると推測される。そこで、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理を行う(ステップS26)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「紙幣受付中」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、投入金額が足りないため紙幣挿入排出口103に追加の紙幣を挿入すべきこと、又は、硬貨投入口104に硬貨を投入すべきことを案内する。
ステップS26のアラーム処理の後、監視員による案内により紙幣又は硬貨が追加で挿入(投入)され、投入金額が通行料金以上となった場合には、CPU100は、ステップS28、S29の処理に基づき、図10のステップE、図11のステップF、又は、図12のステップGに移行する。
(「硬貨受付中」のフェーズ)
図8のステップCにおいて、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「収受中」(又は「紙幣受付中」)から「硬貨受付中」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「硬貨受付中」に関連付けられた報知判定時間Th4を特定する(ステップS31)。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「硬貨受付中」を示すフェーズ画像G1(図3)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「硬貨受付中」に移行してからの経過時間T4の計測を開始する(ステップS32)。
次に、報知処理部1002は、ステップS32で計測を開始した経過時間T4がステップS31で特定された報知判定時間Th4を上回ったか否かを判定する(ステップS33)。
経過時間T4が報知判定時間Th4を上回っていない場合(ステップS33:NO)、報知処理部1002は、通行料金が投入金額以上となったか否かを判定する(ステップS34)。
通行料金が投入金額以上となっていない場合(ステップS34:NO)、更に、報知処理部1002は、追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知された否かを判定する(ステップS35)。追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知されていない場合(ステップS35:NO)、ステップS33に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T4が報知判定時間Th4を上回ったか否かを判定する。
追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知された場合(ステップS35:YES)であって、かつ、硬貨が挿入された場合(ステップS37:硬貨)、ステップS34に戻り、報知処理部1002は、再び、通行料金が投入金額以上となったか否かを判定する。他方、追加の紙幣又は硬貨の挿入(投入)が検知された場合(ステップS35:YES)であって、かつ、紙幣が投入された場合(ステップS37:紙幣)、CPU100は、図7のステップBに移行する。
通行料金が投入金額以上となった場合(ステップS34:YES)、料金収受処理部1000は、釣銭の払い出しが必要か否かを判定する(ステップS38)。釣銭の払い出しが必要であった場合(ステップS38:YES)、CPU100は、図10のステップEに移行する。
他方、釣銭の払い出しが必要なかった場合(ステップS38:NO)、料金収受処理部1000は、利用者が領収書の発行を要求しているか否かを判定する(ステップS39)。
利用者が領収書の発行を要求している場合(ステップS39:YES)、CPU100は、図11のステップFに移行する。
また、利用者が領収書の発行を要求していない場合(ステップS39:NO)、CPU100は、図12のステップGに移行する。
経過時間T4が報知判定時間Th4を上回った場合(ステップS33:YES)、利用者が硬貨の投入又は紙幣の挿入に戸惑っていると推測される。そこで、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理を行う(ステップS36)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「硬貨受付中」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、投入金額が足りないため硬貨投入口104に追加の硬貨を挿入すべきこと、又は、紙幣挿入排出口103に紙幣を挿入すべきことを案内する。
ステップS26のアラーム処理の後、監視員による案内により紙幣又は硬貨が追加で挿入(投入)され、投入金額が通行料金以上となった場合には、CPU100は、ステップS28、S29の処理を経て、図10のステップE、図11のステップF、又は、図12のステップGに移行する。
(「カード受付中」のフェーズ)
図9のステップDにおいて、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「収受中」から「カード受付中」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「カード受付中」に関連付けられた報知判定時間Th5を特定する(ステップS41)。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「カード受付中」を示すフェーズ画像G1(図3)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「カード受付中」に移行してからの経過時間T5の計測を開始する(ステップS42)。
料金収受処理部1000は、挿入されたカードに対し、カードによる料金収受処理に係る各種情報の読み出し処理、及び、書き込み処理を行う。この読み出し、書き込み処理が完了すると、料金収受処理部1000は、カード挿入排出口102からカードを排出する(ステップS43)。
次に、報知処理部1002は、ステップS42で計測を開始した経過時間T5がステップS41で特定された報知判定時間Th5を上回ったか否かを判定する(ステップS44)。
経過時間T5が報知判定時間Th5を上回っていない場合(ステップS44:NO)、報知処理部1002は、カード挿入排出口102の検知センサSE2を通じて、排出されたカードの回収が検知されたか否かを判定する(ステップS45)。
カードの回収が検知されていない場合(ステップS45:NO)、ステップS44に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T5が報知判定時間Th5を上回ったか否かを判定する。
他方、カードの回収が検知された場合(ステップS45:YES)、料金収受処理部1000は、利用者が領収書の発行を要求しているか否かを判定する(ステップS47)。
利用者が領収書の発行を要求している場合(ステップS47:YES)、CPU100は、図11のステップFに移行する。
また、利用者が領収書の発行を要求していない場合(ステップS47:NO)、CPU100は、図12のステップGに移行する。
経過時間T5が報知判定時間Th5を上回った場合(ステップS44:YES)、利用者がカードの回収に戸惑っている(又は、カードの回収を失念している)と推測される。そこで、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理を行う(ステップS46)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「カード受付中」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、カード挿入排出口102から排出されているカードを回収すべきことを案内する。
ステップS46のアラーム処理の後、監視員による案内によりカードが回収された場合には、CPU100は、ステップS47の処理を経て、図11のステップF、又は、図12のステップGに移行する。
(「釣銭払い出し中」のフェーズ)
図10のステップEにおいて、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「紙幣受付中」又は「硬貨受付中」から「釣銭払い出し中」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「釣銭払い出し中」に関連付けられた報知判定時間Th6を特定する(ステップS51)。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「釣銭払い出し中」を示すフェーズ画像G1(図3)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「釣銭払い出し中」に移行してからの経過時間T6の計測を開始する(ステップS52)。
料金収受処理部1000は、投入金額から通行料金を差し引くことで釣銭の額を計算し、紙幣挿入排出口103、釣銭硬貨排出口105から釣銭を排出する処理を行う(ステップS53)。
次に、報知処理部1002は、ステップS52で計測を開始した経過時間T6がステップS51で特定された報知判定時間Th6を上回ったか否かを判定する(ステップS54)。
経過時間T6が報知判定時間Th6を上回っていない場合(ステップS54:NO)、料金収受処理部1000は、紙幣挿入排出口103の検知センサSE3、及び、釣銭硬貨排出口105の検知センサSE5を通じて、排出された釣銭の回収が検知されたか否かを判定する(ステップS55)。
釣銭の回収が検知されていない場合(ステップS55:NO)、ステップS54に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T6が報知判定時間Th6を上回ったか否かを判定する。
他方、釣銭の回収が検知された場合(ステップS55:YES)、料金収受処理部1000は、利用者が領収書の発行を要求しているか否かを判定する(ステップS57)。
利用者が領収書の発行を要求している場合(ステップS57:YES)、CPU100は、図11のステップFに移行する。
また、利用者が領収書の発行を要求していない場合(ステップS57:NO)、CPU100は、図12のステップGに移行する。
経過時間T6が報知判定時間Th6を上回った場合(ステップS54:YES)、利用者が釣銭の回収に戸惑っている(又は、釣銭の回収を失念している)と推測される。そこで、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理を行う(ステップS56)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「釣銭払い出し中」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、紙幣挿入排出口103、釣銭硬貨排出口105から排出されている釣銭を回収すべきことを案内する。
ステップS56のアラーム処理の後、監視員による案内により釣銭が回収された場合には、CPU100は、ステップS57の処理を経て、図11のステップF、又は、図12のステップGに移行する。
(「領収書発行中」のフェーズ)
図11のステップFにおいて、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「紙幣受付中」、「硬貨受付中」又は「釣銭払い出し中」から「領収書発行中」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「領収書発行中」に関連付けられた報知判定時間Th7を特定する(ステップS61)。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「領収書発行中」を示すフェーズ画像G1(図3)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「領収書発行中」に移行してからの経過時間T7の計測を開始する(ステップS62)。
料金収受処理部1000は、料金収受処理に係る利用明細を領収書用の用紙に印字するとともに、当該印字がされた領収書を領収書発行口106から排出する処理を行う(ステップS63)。
次に、報知処理部1002は、ステップS62で計測を開始した経過時間T7がステップS61で特定された報知判定時間Th7を上回ったか否かを判定する(ステップS64)。
経過時間T7が報知判定時間Th7を上回っていない場合(ステップS64:NO)、報知処理部1002は、領収書発行口106の検知センサSE6を通じて、排出された領収書の回収が検知されたか否かを判定する(ステップS65)。
領収書の回収が検知されていない場合(ステップS65:NO)、ステップS64に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T7が報知判定時間Th7を上回ったか否かを判定する。
他方、領収書の回収が検知された場合(ステップS65:YES)、CPU100は、図12のステップGに移行する。
経過時間T7が報知判定時間Th7を上回った場合(ステップS64:YES)、利用者が領収書の回収に戸惑っている(又は、領収書の回収を失念している)と推測されるので、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理を行う(ステップS66)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「領収書発行中」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、領収書発行口106から排出されている領収書を回収すべきことを案内する。
ステップS66のアラーム処理の後、監視員による案内により領収書が回収された場合には、CPU100は、図12のステップGに移行する。
(「収受完了」のフェーズ)
図12のステップGにおいて、料金収受処理部1000は、料金収受処理のフェーズを「紙幣受付中」、「硬貨受付中」、「釣銭払い出し中」又は「領収書発行中」から、「収受完了」に移行させる。
この時点で、CPU100の報知判定時間特定部1001は、報知判定時間テーブル(図4)を参照して、「収受完了」に関連付けられた報知判定時間Th7を特定する(ステップS71)。
なお、監視盤2の表示パネル2Aには、「収受完了」を示すフェーズ画像G1(図3)が表示される。
CPU100の報知処理部1002は、「収受完了」に移行してからの経過時間T8の計測を開始する(ステップS72)。
料金収受処理部1000は、発進制御機12B(図1)を制御して、車線Lを開放する処理を行う(ステップS73)。
次に、報知処理部1002は、ステップS72で計測を開始した経過時間T8がステップS71で特定された報知判定時間Th8を上回ったか否かを判定する(ステップS74)。
経過時間T8が報知判定時間Th8を上回っていない場合(ステップS74:NO)、報知処理部1002は、退出側車両検知器12Aを通じて、車両の退出が検知されたか否かを判定する(ステップS75)。
車両の退出が検知されていない場合(ステップS75:NO)、ステップS74に戻り、報知処理部1002は、引き続き、経過時間T8が報知判定時間Th8を上回ったか否かを判定する。
他方、車両の退出が検知された場合(ステップS75:YES)、CPU100は、利用者に対する一連の料金収受処理を完了する。この際、フェーズは、「初期状態」に戻される。
経過時間T8が報知判定時間Th8を上回った場合(ステップS74:YES)、利用者が車両の退出処理に戸惑っていると推測される。そこで、報知処理部1002は、監視盤2を通じて、監視員に対するアラーム処理を行う(ステップS76)。このアラーム処理、及び、表示パネル2Aに表示されるフェーズ画像G1により、監視員は、利用者が「収受完了」のフェーズで戸惑っていることを把握することができる。アラーム処理があった場合、監視員は、直ちに、利用者との通話を開始して、車両を発進させて車線Lから退出すべきことを案内する。
ステップS76のアラーム処理の後、監視員による案内により車両の退出が検知された場合には、CPU100は、利用者に対する一連の料金収受処理を完了する。
(延長処理の処理フロー)
図13は、第1の実施形態に係る延長処理の処理フローを示す図である。
次に、図13を参照しながら、CPU100の延長処理部1003が行う「延長処理」について説明する。
本実施形態において、図13に示す延長処理の処理フローは、図5に示す料金収受処理の処理フローと並列して実行される。
図13に示すステップS02、S03、S05については、図5に示す処理フローと同様のため、説明を省略する。
延長処理部1003は、ステップS03で計測を開始した経過時間T1が所定の延長判定時間Teを上回ったか否かを判定する(ステップS81)。ここで、延長判定時間Teは、「券挿入待ち」のフェーズに関連付けられた報知判定時間Th1(=Th1a[秒])よりも短い時間とされる。
経過時間T1が延長判定時間Teを上回っていない場合(ステップS81:NO)、料金収受処理部1000は、通行券挿入口101の検知センサSE1を通じて、通行券の挿入が検知されたか否かを判定する(ステップS05)。
通行券の挿入が検知されていない場合(ステップS05:NO)、ステップS81に戻り、延長処理部1003は、引き続き、経過時間T1が延長判定時間Teを上回ったか否かを判定する。
他方、通行券の挿入が検知された場合(ステップS05:YES)、延長処理部1003は、「延長処理」を行うことなく処理を終了する。
経過時間T1が延長判定時間Teを上回った場合(ステップS81:YES)、延長処理部1003は、報知判定時間Th2〜Th8の時間を延長する延長処理を行う(ステップS82)。ステップS82の延長処理がなされると、以降の料金収受処理(図6〜図12)で用いられる報知判定時間Th2〜Th8は、報知判定時間テーブルの“初期値”に規定される時間(Th2a[秒]〜Th8a[秒])ではなく、これらよりも長い、“延長後”に規定される時間(Th2b[秒]〜Th8b[秒])が適用される。
ここで、例えば、車両の停車位置が料金自動収受機10の料金収受用パネル10Aから車線幅方向(+Y方向)遠かった場合、その利用者は、身を乗り出して操作を行う必要があるため、料金収受処理に必要な操作の一つ一つが全体的に遅くなることが想定される。つまり、料金収受処理の最初の操作(通行券の挿入)を完了するまでに要した時間が所定の延長判定時間Teを上回った場合には、全体的な操作が遅めとなる利用者である可能性があると推測される。そこで、以降の各フェーズにおいて無用なアラーム処理がなされないように、報知判定時間Th2〜Th8の時間を増加させておく。
(延長処理解除の処理フロー)
図14は、第1の実施形態に係る延長処理解除の処理フローを示す図である。
次に、図14を参照しながら、CPU100の延長処理部1003が行う「延長処理解除」について説明する。
図14に示す延長処理解除の処理フローは、図13に示す処理フローの結果、延長処理部1003によって報知判定時間Th2〜Th8の延長処理(ステップS82)がなされた場合において、図6〜図9に示す料金収受処理の処理フローと並列して実行される。
延長処理部1003は、「券挿入待ち」の次のフェーズ(「収受中」)に移行してから図6のステップS14:YESの条件(利用者からカード、紙幣または硬貨を受け付けたこと)を満たすまでの経過時間T2が、延長処理前の報知判定時間Th2(即ち、Th2a[秒])以下であったか否かを判定する(ステップS91)。
「収受中」に移行してからステップS14:YESの条件を満たすまでの経過時間T2が、延長処理前の報知判定時間Th2以下でなかった場合(ステップS91:NO)、延長処理部1003は、延長処理解除を行うことなく処理を終了する。
「収受中」に移行してからステップS14:YESの条件を満たすまでの経過時間T2が、延長処理前の報知判定時間Th2以下であった場合(ステップS91:YES)、延長処理部1003は、次の判定処理に進む。
延長処理部1003は、更に次のフェーズ(最初に紙幣の挿入を受け付けた例として、「紙幣受付中」)に移行してからステップS24:YES、又は、ステップS27:硬貨の条件を満たすまでの経過時間T3が、延長処理前の報知判定時間Th3(即ち、Th3a[秒])以下であった否かを判定する(ステップS92)。
「紙幣受付中」に移行してからステップS24:YES、又は、ステップS27:硬貨の条件を満たすまでの経過時間T3が、延長処理前の報知判定時間Th3以下でなかった場合(ステップS92:NO)、延長処理部1003は、延長処理解除を行うことなく処理を終了する。
他方、「紙幣受付中」に移行してからステップS24:YES、又は、ステップS27:硬貨の条件を満たすまでの経過時間T3が、延長処理前の報知判定時間Th3以下であった場合(ステップS92:YES)、延長処理部1003は、延長処理解除を行う(ステップS93)。具体的には、延長処理部1003は、ステップS82の延長処理が適用された報知判定時間(Th4b[秒]〜Th8b[秒])を、延長される前の報知判定時間(Th4a[秒]〜Th8a[秒])に戻す処理を行う。
ここで、例えば、ある利用者が料金自動収受機10の前に車両を停車させた後、車内で通行券を探すのに手間取ってしまった場合は、「券挿入待ち」のフェーズの経過時間だけが長くなり、その後の操作に要する時間は短くて済むことが想定される。そこで、「券挿入待ち」のフェーズにおける経過時間T1が長かったために報知判定時間Th2〜Th8の延長処理を行ったものの、その後に続くいくつかのフェーズにおける各操作が手早く完了された場合には、単に、通行券を探すのに手間取ってしまっただけであると判断して、報知判定時間を延長処理前の時間に戻すこととする。
なお、図14に示す処理フローは、ステップS15(図6)で紙幣が挿入された場合の例であり、他の場合においては、この処理フローに限定されない。例えば、ステップS15(図6)で硬貨が挿入された場合、図14に示す処理フローのステップS92では、図8に示す処理フローとの関係で、延長処理解除(ステップS93)を行うか否かの判定がなされる。
また、図14に示す処理フローは、「延長処理」がなされた後、続く二つのフェーズで操作が手早く完了した場合に「延長処理解除」を行うものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、他の実施形態においては、「延長処理」がなされた後、続く三つのフェーズで操作が手早く完了した場合に「延長処理解除」を行ってもよいし、続く一つのフェーズのみで操作が手早く完了した場合に「延長処理解除」を行ってもよい。
(アラーム処理無効化の処理フロー)
図15は、第1の実施形態に係るアラーム処理無効化の処理フローを示す図である。
次に、図15を参照しながら、CPU100の報知処理部1002が行う「アラーム処理無効化」について説明する。
図15に示すアラーム処理無効化の処理フローは、図5〜図12に示す料金収受処理の処理フローと並列して実行される。
CPU100の報知処理部1002は、料金収受用パネル10Aに設けられた呼出ボタンの押下、又は、身障者レバーの押下が検知されたか否かを判定する(ステップSA1)。ここで、身障者レバーは、車両に身体障害者が搭乗する場合に、料金割引の適用を監視員へ申し出るための入力機器である。即ち、本実施形態において、呼出ボタン及び身障者レバーは、いずれも、利用者から料金所事務所Rに待機する監視員への通話を求める操作を受け付けるユーザインタフェースである。
料金収受用パネル10Aに設けられた呼出ボタンの押下、又は、身障者レバーの押下が検知されなかった場合(ステップSA1:NO)、報知処理部1002は、アラーム処理の無効化を行うことなく処理を終了する。
他方、料金収受用パネル10Aに設けられた呼出ボタンの押下、又は、身障者レバーの押下が検知された場合(ステップSA1:YES)、報知処理部1002は、アラーム処理の無効化を行う(ステップSA2)。アラーム処理の無効化がなされると、料金収受処理の処理フロー(図5〜図12)において、アラーム処理に至る条件が満たされたとしても、当該アラーム処理が行われなくなる。
即ち、利用者の方から積極的に通話の申し出があった場合には、報知判定時間に基づくアラームの鳴動を行う必要はない。即ち、「アラーム処理無効化」により、無用なアラーム処理の実行を防止することができる。
(作用、効果)
以上のとおり、第1の実施形態に係る料金自動収受機10は、利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサ(検知センサSE1〜SE6)を備えている。そして、料金自動収受機10は、複数の操作それぞれに関連する報知判定時間Th1〜Th8のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間を特定する報知判定時間特定部1001と、当該一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間(T1、T2、・・)が、特定された報知判定時間(Th1、Th2、・・)を経過した場合に、監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行う報知処理部1002と、を備えている。
このような構成により、料金収受に必要な各操作が開始される度に、その操作の特徴に応じた適切な報知判定時間が設定される。そして、操作別に設定された報知判定時間を超過したことをもって報知(アラーム処理)を行うので、複数の操作の各々において、実際に戸惑っている利用者を正確に識別することができる。
以上より、適切に監視員への報知を行うことができる。
また、第1の実施形態に係る料金自動収受機10は、所定の条件を満たした場合に、複数の操作それぞれに関連する報知判定時間Th1〜Th8を延長する延長処理部1003を更に備えている。
このような構成により、利用者の状況に合わせて、適切に報知判定時間Th1〜Th8を変更することができる。
また、第1の実施形態に係る延長処理部1003は、複数の操作のうちの第1の操作(例えば、「通行券の挿入」)が開始されてからの経過時間T1が、予め規定された延長判定時間Teを経過した場合に、第1の操作の後に行われる他の操作に関連する報知判定時間Th2〜Th8を延長する。
このような構成によれば、ある第1の操作(例えば、「通行券の挿入」)を完了するまでに要した時間が所定の延長判定時間Teを上回った場合には、全体的に操作が遅めの利用者である可能性があると推測されるので、以降の各操作に関連する報知判定時間Th2〜Th8の時間を増加させる(延長処理)。これにより、以降の各操作において無用なアラーム処理がなされないようにすることができる。
また、第1の実施形態に係る延長処理部1003は、上記第1の操作の後の第2の操作(例えば、「紙幣の挿入」等)が開始されてからの経過時間が、当該第2の操作に関連する報知判定時間Th3であって延長前の報知判定時間(Th3a[秒])を経過する前に当該第2の操作が完了した場合には、第2の操作の後に行われる他の操作に関連する報知判定時間(Th4b[秒]〜Th8b[秒])を、延長前の報知判定時間(Th4a[秒]〜Th8a[秒])に戻す。
このような構成によれば、第1の操作(「通行券の挿入」)に要した経過時間T1が長かったために、一旦は、以降の操作に関連する報知判定時間Th2〜Th8を延長したものの、その後に続くいくつかの各操作が手早く完了された場合には、報知判定時間が延長前の時間に戻される(延長処理解除)。これにより、単に、特定の一つの操作に手間取っていた(例えば、通行券を探すのに手間取っていた)だけの利用者に対しても、以降の操作において、適切な報知判定時間を適用することができる。
また、第1の実施形態に係る報知処理部1002は、利用者から、監視員への通話を求める操作(呼出ボタンの押下、身障者レバーの押下)を受け付けた場合には、報知処理(アラーム処理)を行わないようにする(アラーム処理無効化)。
このような構成によれば、利用者の方から積極的に通話の申し出があった場合に、無用な報知処理の実行を防止することができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態に係る料金収受システムについて、図16を参照しながら説明する。
(料金自動収受機の機能構成)
図16は、第2の実施形態に係る料金自動収受機の機能構成を示す図である。
図16に示すように、料金自動収受機10の料金収受用パネル10Aには、更に、測距センサSE7が設けられている。この測距センサSE7は、料金収受用パネル10Aと停車した車両側面との車線幅方向(図1の±Y方向)の距離を計測可能に構成される。
また、第2の実施形態に係る料金自動収受機10のCPU100は、第1の実施形態で説明した各種機能に加え、更に、距離情報取得部1004として機能する。
距離情報取得部1004は、料金収受用パネル10Aと、利用者が搭乗する車両A(図1)との距離を示す距離情報を取得する。具体的には、距離情報取得部1004は、料金収受用パネル10Aに設けられた測距センサSE7の計測結果を取得する。
第2の実施形態に係る延長処理部1003は、車両Aの車体側面と料金収受用パネル10Aとの距離が所定の距離判定閾値以上であった場合に、複数の操作それぞれに関連する報知判定時間Th1〜Th8を延長する。即ち、報知処理部1002は、報知判定時間Th1〜Th8として、図4の“延長後”に示す各時間を適用する。
(作用、効果)
以上のような構成によれば、車両Aが料金収受用パネル10Aから所定距離以上離れて停車した場合に、自動的に、報知判定時間Th1〜Th8に対し、“延長後”の時間が適用される。
上述したように、車両を料金収受用パネル10Aから離れた位置に停車させた利用者は、全体的に操作が遅めとなる可能性が高い。そこで、報知処理部1002は、報知判定時間Th1〜Th8の時間を増加させることで、以降の各操作において無用なアラーム処理がなされないようにすることができる。
以上、第1、第2の実施形態に係る料金収受システム1及び料金自動収受機10について詳細に説明したが、料金収受システム1及び料金自動収受機10の具体的な態様は、上述のものに限定されることはなく、要旨を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を加えることは可能である。
例えば、第2の実施形態において、料金自動収受機10(報知処理部1002)は、測距センサSE7に基づく車両と料金自動収受機10との間隔が所定の距離判定閾値以上であった場合に、報知判定時間Th1〜Th8を延長するものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。
例えば、料金収受用パネル10Aの各受付口の配置の仕方によっては、ある特定の車種区分(例えば「中型車」)に限り、当該受付口に手が届きにくくなることも想定される。このような場合には、車種判別装置11によって判別される車種区分が、当該特定の車種区分に当てはまる場合に、自動的に、報知判定時間Th1〜Th8を延長するものとしてもよい。
この場合において、CPU100における、車種判別装置11によって判別された車種区分の受信機能が、「料金収受用パネル10Aと、利用者が搭乗する車両との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部」に相当するものとする。
また、図4に示す報知判定時間Th1〜Th8について、具体的に適用される時間(Th1a[秒]〜Th8a[秒]、Th2b[秒]〜Th8b[秒])は、各フェーズにおける経過時間T1〜T8の統計値などに基づいて適宜決定され得る。
「収受受付中」のフェーズにおいて、利用者は、紙幣の挿入、硬貨の投入、及び、カードの挿入という3つの選択を迫られるため、利用者に猶予を与えるのが好ましいと考えられる。したがって、「収受中」に関連付けられる報知判定時間Th3は、他の報知判定時間よりも長めに規定しておくのが好ましい。
また、一般に、(紙幣の折れ曲がり等により、)「硬貨の投入」よりも「紙幣の挿入」に手間取ることの方が多いと考えられるため、「紙幣受付中」に関連付けられる報知判定時間Th3を、「硬貨受付中」に関連付けられる報知判定時間Th4よりも長めに規定しておくのが好ましい。
なお、上述の各実施形態においては、上述した料金自動収受機10の各種処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって上記各種処理が行われる。また、コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
上記プログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。更に、上述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
また、他の実施形態においては、第1、第2の実施形態で説明した料金自動収受機10のCPU100が有する各機能部(料金収受処理部1000、報知判定時間特定部1001、報知処理部1002及び延長処理部1003)の一部を、ネットワークで接続された他のコンピュータが具備する態様であってもよい。特に、第1、第2の実施形態で説明した料金自動収受機10のCPU100の各機能部の一部が監視盤2によって実行される態様であってもよい。
以上のとおり、本発明に係るいくつかの実施形態を説明したが、これら全ての実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態及びその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 料金収受システム
10 料金自動収受機
10A 料金収受用パネル
100 CPU
101 通行券挿入口
102 カード挿入排出口
103 紙幣挿入口
104 硬貨投入口
105 釣銭硬貨排出口
106 領収書発行口
107 通信インタフェース
108 記録媒体
1000 料金収受処理部
1001 報知判定時間特定部
1002 報知処理部
1003 延長処理部
1004 距離情報取得部
11 車種判別装置
11A 進入側車両検知器
12A 退出側車両検知器
12B 発進制御機
2 監視盤
2A 表示パネル
SE1、SE2、SE3、SE4、SE5、SE6 検知センサ
SE7 測距センサ
L 車線
I アイランド
R 料金所事務所
A 車両

Claims (8)

  1. 利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサと、
    前記複数の操作それぞれに関連する報知判定時間のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間を特定する報知判定時間特定部と、
    当該一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間が、特定された前記報知判定時間を経過した場合に、監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行う報知処理部と、
    所定の条件を満たした場合に、前記報知判定時間を延長する延長処理部と、
    を備える料金自動収受機。
  2. 前記延長処理部は、
    前記複数の操作のうちの第1の操作が開始されてからの経過時間が、予め規定された延長判定時間を経過した場合に、前記第1の操作の後に行われる他の操作に関連する前記報知判定時間を延長する
    請求項1に記載の料金自動収受機。
  3. 前記延長処理部は、
    前記第1の操作の後の第2の操作が開始されてからの経過時間が、当該第2の操作に関連する前記報知判定時間であって延長前の報知判定時間を経過する前に当該第2の操作が完了した場合には、前記第2の操作の後に行われる他の操作に関連する前記報知判定時間
    を、延長前の報知判定時間に戻す
    請求項2に記載の料金自動収受機。
  4. 前記利用者による前記複数の操作を受け付ける料金収受用パネルと、前記利用者が搭乗する車両との距離を示す距離情報を取得する距離情報取得部を更に備え、
    前記延長処理部は、
    前記車両と前記料金収受用パネルとの距離が所定の距離判定閾値以上であった場合に、前記報知判定時間を延長する
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の料金自動収受機。
  5. 前記報知処理部は、
    前記利用者から、前記監視員への通話を求める操作を受け付けた場合には、前記報知処理を行わない
    請求項1から請求項4の何れか一項に記載の料金自動収受機。
  6. 請求項1から請求項5の何れか一項に記載の料金自動収受機と、
    料金所事務所に設置された監視盤と、
    を備える料金収受システム。
  7. 利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサを備える料金自動収受機の制御方法であって、
    前記複数の操作それぞれに関連する報知判定時間のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間を特定するステップと、
    当該一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間が、特定された前記報知判定時間を経過した場合に、監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行うステップと、
    所定の条件を満たした場合に、前記報知判定時間を延長するステップと、
    を有する料金自動収受機の制御方法。
  8. 利用者による、料金収受処理に必要な複数の操作それぞれの開始及び完了を検知するセンサを備える料金自動収受機のコンピュータを、
    前記複数の操作それぞれに関連する報知判定時間のうち、開始された一つの操作に関連する報知判定時間を特定する報知判定時間特定部、
    当該一つの操作が完了する前に、当該一つの操作が開始されてからの経過時間が、特定された前記報知判定時間を経過した場合に、監視員に対し、当該一つの操作を示す報知処理を行う報知処理部、
    所定の条件を満たした場合に、前記報知判定時間を延長する延長処理部、
    として機能させるプログラム。
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