JP6984176B2 - 回転監視回路 - Google Patents

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本発明は、転舵輪を転舵させる転舵装置を制御対象として前記転舵装置の操作対象機器を操作する制御部と、回転することによって前記転舵輪を転舵させる回転軸の回転を前記制御部の電源がオフ状態であるときに監視し、前記制御部の電源がオン状態に切り替わることを条件に、前記回転の監視結果を前記制御部に出力する回転監視回路と、を備える転舵制御装置に搭載される前記回転監視回路に関する。
たとえば、特許文献1には、車両のイグニッションスイッチがオフ状態である期間において、操舵角の回転量を検出する評価ユニットをASICにて構成した転舵制御装置が記載されている。ここで、評価ユニットは、操舵角の回転方向を特定する状態自動ユニット(SM1,SM2)、MRセンサの出力を状態自動ユニットに入力可能な信号とするアナログユニット(AFE1,AFE2)、および回転方向の特定結果をカウントするカウンタ(CNT1,CNT2)を2組備えた冗長設計がなされている。
欧州特許第2050658号明細書
ところで、上記装置の場合、上記2組の回路のうちの一方の回路にノイズが重畳する場合には、2組のカウンタのそれぞれが示す値が互いに異なり、その場合に、いずれか一方のカウンタの値を利用する場合には、信頼性の低い回転量が利用されるおそれがある。また、2組のカウンタが不一致である場合に検出結果を利用しない場合、回転量の算出結果を利用できなくなるおそれがある。
以下、上記課題を解決するための手段およびその作用効果について記載する。
1.転舵輪を転舵させる転舵装置を制御対象として前記転舵装置の操作対象機器を操作する制御部と、前記転舵輪を転舵させる回転軸の回転を該制御部の電源がオフ状態であるときに監視し、前記制御部の電源がオン状態に切り替わることを条件に、前記回転の監視結果を前記制御部に出力する回転監視回路と、を備える転舵制御装置に搭載される前記回転監視回路において、前記回転軸の回転角を感知する回転角センサの感知結果を電気信号として出力する回路であって、前記制御部の電源がオフ状態であるときに電力の供給および遮断が繰り返される検出用回路と、前記検出用回路への電力の供給がなされているときの前記検出用回路の出力信号に基づき、前記回転軸の回転量を算出し、前記制御部の電源がオン状態となることを条件に前記制御部に算出結果を出力する演算回路と、を備え、前記演算回路は、前記電源がオフ状態であるときにおける所定期間内の前記検出用回路の出力信号の時系列的に前後する複数のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記制御部への出力対象とする。
上記構成では、複数のサンプリング値の中に他と異なる回転量の算出結果を与える値が含まれる場合、算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく算出結果を制御部への出力対象とする。ここで、算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値は少ないサンプリング値と比較すると、信頼性が高い。このため、同一のものの数が多いサンプリング値に基づく算出結果を出力対象とすることにより、信頼性の高い回転量の算出結果を利用可能とすることができる。
2.上記1記載の回転監視回路において、前記演算回路による前記回転量の最小単位は、前記電源がオン状態であるときに前記制御部によって利用される前記回転軸の回転量の最小単位よりも大きい。
回転軸が回転する場合には、時系列的に前後する複数のサンプリング値の中に回転軸の回転に起因して他と異なる回転量の算出結果を与えるものが生じるおそれがある。しかし、上記構成では、演算回路による回転量の最小単位が、電源がオン状態であるときに制御部によって利用される回転軸の回転量の最小単位よりも大きいため、制御部による回転量と比較すると、演算回路による回転量には、微小な回転量の識別は要求されない。このため、微小な回転量の識別が要求される場合と比較すると、回転軸の回転によって時系列的に前後する複数のサンプリング値の中に他と異なる回転量の算出結果を与えるものが含まれにくくなり、ひいては時系列的に前後する複数のサンプリング値同士の比較によって回転量の算出結果の信頼性を評価する処理の有効性を高めることができる。
3.上記1または2記載の回転監視回路において、前記演算回路は、前記回転軸の回転量を算出する回路としての第1回転算出回路および第2回転算出回路と、前記第1回転算出回路による算出結果および前記第2回転算出回路による算出結果が一致することを条件に、一致した前記算出結果を前記制御部に出力する出力回路と、を備え、前記第1回転算出回路は、前記所定期間内において前記検出用回路の出力信号の複数のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記出力回路に出力し、前記第2回転算出回路は、前記所定期間内において前記検出用回路の出力信号の複数のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記出力回路に出力する。
上記実施形態では、第1回転算出回路による算出結果および第2回転算出回路による算出結果が一致することを条件に算出結果を制御部に出力するため、第1回転算出回路および第2回転算出回路が1つのサンプリング値に基づき回転量を算出する場合には、ノイズによって、制御部に算出結果を出力する条件が成立しない可能性が高まる。このため、回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく回転量の算出結果を採用する処理の利用価値が特に大きい。
4.上記1〜3のいずれか1項に記載の回転監視回路において、前記演算回路は、前記算出結果に基づき前記回転軸が回転していないと判定する場合、回転していると判定する場合と比較して、前記所定期間の長さを長くする。
上記構成によれば、回転していない場合に回転している場合よりも所定期間の長さを長くすることにより、両者を同一の長さとする場合と比較して、検出用回路の電源をオフ状態とすることができる時間を極力長くすることができる。
5.上記1〜4のいずれか1項に記載の回転監視回路において、第1所定数個を複数個とし、第2所定数個を1個以上とし、前記演算回路は、前記所定期間内において前記検出用回路の出力信号の前記第1所定数個のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、当該所定期間内において前記第2所定数個の前記サンプリング値を更に取得し、前記第1所定数個および前記第2所定数個の合計個のサンプリング値のうちの前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記制御部への出力対象とする。
第1所定数個のサンプリング値が互いに同一の回転量の算出結果を与える場合と比較すると、他と異なる算出結果を与えるものが含まれる場合には、それらサンプリング値に基づく算出結果の信頼性が低いと考えられる。そこで上記構成では、第1所定数個のサンプリング値の中に他と異なる算出結果を与えるものが含まれる場合、第2所定数個のサンプリング値を追加し、第1所定数個および第2所定数個の合計個のサンプリング値のうち回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく算出結果を制御部への出力対象とすることにより、制御部への出力対象の信頼性を高めることができる。
第1の実施形態にかかる転舵制御装置および転舵装置を示す図。 同実施形態にかかる電動機の制御量の制御に関する処理を示す図。 同実施形態にかかる回転監視回路の構成を示す図。 同実施形態にかかる象限算出処理を示すタイムチャート。 同実施形態にかかる回転量の算出処理の手順を示す流れ図。 (a)および(b)は、同実施形態にかかる回転量の算出処理を示すタイムチャート。 第2の実施形態にかかる検出側電源のオン・オフ周期の設定処理を示す流れ図。
<第1の実施形態>
以下、回転監視回路にかかる第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1に示すように、ステアリングホイール(ステアリング10)は、転舵装置20を介して転舵輪12に動力を伝達可能とされている。転舵装置20は、ステアリング10に接続されるステアリングシャフト22を備えている。なお、ステアリングシャフト22は、ステアリング10側から順にコラム軸22a、中間軸22b、およびピニオン軸22cを連結することにより構成されている。
ラック軸24とピニオン軸22cとは、所定の交叉角をもって配置されており、ラック軸24に形成されたラック歯とピニオン軸22cに形成されたピニオン歯とが噛合されることでラックアンドピニオン機構が構成されている。また、ラック軸24の両端には、タイロッドやナックルを介して転舵輪12が連結されている。したがって、ステアリング10の操作に伴うステアリングシャフト22の回転がラックアンドピニオン機構によりラック軸24の軸方向移動に変換され、この軸方向移動がタイロッドを介してナックルに伝達されることにより、転舵輪12の転舵角、すなわち車両の進行方向が変更される。
ステアリングシャフト22は、ウォームアンドホイール等の減速機構25を介して、電動機26の回転軸26aに接続されている。回転軸26aの付近には、2つの回転角度センサである第1基準センサ52および第2基準センサ54が設けられている。なお、本実施形態では、第1基準センサ52および第2基準センサ54として、MRセンサを例示する。
第1基準センサ52は、回転軸26aの回転角度を、第1の角度を基準として検出するものであり、第2基準センサ54は、回転軸26aの回転角度を、第1の角度とは異なる第2の角度を基準として検出するものである。ここで、本実施形態では、第1の角度と第2の角度とを「90°」ずれたものとしている。そして、第1基準センサ52の出力する第1基準信号sinを正弦波信号と見なし、第2基準センサ54の出力する第2基準信号cosを余弦波信号と見なす。
第1基準信号sinおよび第2基準信号cosは、回転監視回路32に取り込まれる。回転監視回路32は、バッテリ50を電源として動作するものである。なお、本実施形態では、回転監視回路32は、専用の集積回路(ASIC)にて構成されている。
マイコン34は、電動機26に接続されたインバータ28を操作することによって、電動機26の制御量(トルク)を制御する。この際、マイコン34は、回転監視回路32を介して第1基準センサ52および第2基準センサ54や、ステアリングシャフト22に設けられたトーションバーの捩れに基づきステアリングシャフト22に加わる操舵トルクTrqを検出するトルクセンサ56、車速Vを検出する車速センサ58の検出値を参照する。
マイコン34は、CPU36、ROM38および電気的に書き換え可能な不揮発性メモリ40を備えている。
図2に、ROM38に記憶されたプログラムをCPU36が実行することにより実現される処理の一部を示す。詳しくは、図2において一点鎖線にて囲った部分が、上記処理を示し、それ以外の部分は、説明の便宜からマイコン34の構成部品の一部を記載している。
ベース値設定処理部M10は、車速Vと操舵トルクTrqとに基づき、電動機26が生成するアシストトルクのベース値Ta1*を設定する。一方、A/D変換器42は、第1基準信号sinに応じた正弦波信号SINをデジタルデータに変換して出力し、A/D変換器44は、第2基準信号cosに応じた余弦波信号COSをデジタルデータに変換して出力する。転舵角算出処理部M12は、A/D変換器42,44の出力値に基づき、転舵輪12の転舵角θpを算出して出力する。
ここで、正弦波信号SINと余弦波信号COSとのいずれか一方のみからは、回転軸26aの1回転内の回転角度を一義的に定めることができない。すなわち、たとえば、正弦波信号SINは、0°と180°とを区別できない。これに対し、正弦波信号SINと余弦波信号COSとが互いに位相差を有した信号であるため、正弦波信号SINおよび余弦波信号COSによれば、回転軸26aの1回転内の回転角度を一義的に定めることができる。転舵角算出処理部M12では、正弦波信号SINおよび余弦波信号COSから回転軸26aの1回転内の回転角度を算出し、回転軸26aの回転履歴と併せて、転舵角θpを算出する。すなわち、回転軸26aの回転は、減速機構25やステアリングシャフト22を介してラック軸24を回転させ、ラック軸24の回転に伴って転舵輪12の転舵角θpが変化する。特に、転舵角θpの絶対値がゼロから最大回転角度まで変化するまでには、回転軸26aは複数回回転する。このため、回転軸26aの回転角度と転舵角θpとは1対1の対応関係になく、転舵角θpを定める上では、回転軸26aの回転履歴を用いる必要がある。
目標転舵角設定処理部M14は、トルクセンサ56によって検出された操舵トルクTrqとベース値Ta1*との和に基づき、目標転舵角θp*を設定する。ここでは、以下のモデルを用いて目標転舵角θp*を設定する。
Trq+Ta1*=K・θp*+C・θp*’+J・θp*’’
上記の式において、粘性係数Cは、ステアリングシャフト22やラック軸24等を備える転舵機構の摩擦等をモデル化したものであり、慣性係数Jは、転舵機構の慣性をモデル化したものである。一方、バネ係数Kは、車両の影響をモデル化したものであり、サスペンションやホールアラインメント等の仕様によって決定される。
フィードバック処理部M16は、転舵角θpを目標転舵角θp*にフィードバック制御するための操作量として、ベース値Ta1*の補正量を算出して出力する。補正処理部M18は、ベース値Ta1*にフィードバック処理部M16の補正量を加算することにより、ベース値Ta1*を補正して、これを電動機26のトルク指令値Ta*とする。操作処理部M20では、電動機26のトルクをトルク指令値Ta*に制御するためにインバータ28を操作する。
図1に示したように、回転監視回路32には、イグニッションスイッチがオン状態となることで走行許可信号(IG信号)が入力される。マイコン34は、回転監視回路32を介してIG信号がオン状態からオフ状態に切り替わる場合にこれを検知する。そして、マイコン34は、IG信号がオフ状態であることを条件に、電力供給を遮断する。すなわち、マイコン34は、IG信号がオフ状態となると、必要な後処理を実行する。ここでの後処理には、図2に示す不揮発性メモリ40への転舵角θpの記憶処理が含まれる。そして、マイコン34は、後処理が完了すると、回転監視回路32に、電力の供給を遮断するように指令する。これにより、マイコン34の電力供給が遮断される。
マイコン34は、IG信号がオン状態となることで起動される。すなわち、回転監視回路32では、IG信号がオン状態となると、マイコン34への電力供給を再開する。こうしてマイコン34が起動されると、マイコン34は、IG信号がオフ状態であるときにおける回転軸26aの回転量Δθを、回転監視回路32から取得する。そしてマイコン34は、転舵角算出処理部M12にて、取得した回転量Δθに基づき、不揮発性メモリ40に記憶されていたマイコン34の電力供給遮断直前における転舵角θpを補正することにより、転舵角θpを把握する。
図3に、回転監視回路32の構成を示す。
第1基準オペアンプ60は、第1基準信号sinを増幅して正弦波信号SINを第1基準コンパレータ64,68に出力する。第1基準コンパレータ64は、正弦波信号SINが正の値を有した上昇側閾値V+以上であるか否かを判定するものであり、第1基準コンパレータ68は、正弦波信号SINが負の値を有した低下側閾値V−以下であるか否かを判定するものである。なお、上昇側閾値V+は、上昇側閾値生成回路62によって生成され、低下側閾値V−は、低下側閾値生成回路66によって生成される。ここで、上昇側閾値生成回路62および低下側閾値生成回路66は、たとえば、一対の抵抗体の直列接続体にて構成され、それらの出力端子は、一対の抵抗体の接続点とすればよい。
第2基準オペアンプ70は、第2基準信号cosを増幅して余弦波信号COSを第2基準コンパレータ74,78に出力する。第2基準コンパレータ74は、余弦波信号COSが正の値を有した上昇側閾値V+以上であるか否かを判定するものであり、第2基準コンパレータ78は、余弦波信号COSが負の値を有した低下側閾値V−以下であるか否かを判定するものである。なお、上昇側閾値V+は、上昇側閾値生成回路72によって生成され、低下側閾値V−は、低下側閾値生成回路76によって生成される。
検出側電源80は、検出用回路DSCと第1基準センサ52および第2基準センサ54との電源である。検出用回路DSCは、第1基準オペアンプ60、第2基準オペアンプ70、第1基準コンパレータ64,68、第2基準コンパレータ74,78、上昇側閾値生成回路62,72、低下側閾値生成回路66,76および検出側電源80を備えている。検出用回路DSCは、アナログ回路である。
第1基準コンパレータ64,68および第2基準コンパレータ74,78の出力信号は、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92の双方に出力される。第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、互いに同一の機能を有するものである。同一の機能を有する回路を2つ備えた冗長設計は、回路の信頼性を向上することを狙ったものであり、本実施形態では、それら2つの回路を識別するために「第1」、「第2」と記載している。したがって、信頼性を向上することを狙って設けられた2つの回路を識別するための「第1」、「第2」との記載は、上述の「第1基準」、「第2基準」とは関係がない。
第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、第1基準コンパレータ64,68および第2基準コンパレータ74,78の出力信号に基づき、回転軸26aの回転角度が第1象限から第4象限のいずれにあるかを算出する象限算出処理を実行する。
図4に、象限算出処理を示す。図4に示すように、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、正弦波信号SINが上昇して上昇側閾値V+以上となってから、正弦波信号SINが低下して低下側閾値V−以下となるまでの期間を、第1基準信号sinの符号を表現する第1表現信号Dsinが正である期間とする。また、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、余弦波信号COSが上昇して上昇側閾値V+以上となってから、余弦波信号COSが低下して低下側閾値V−以下となるまでの期間を、第2基準信号cosの符号を表現する第2表現信号Dcosが正である期間とする。そして、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、第1表現信号Dsinおよび第2表現信号Dcosの符号に基づき、回転軸26aの回転角度が第1象限から第4象限のいずれにあるかを算出する。
次に、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、回転角度が存在する象限が隣接する象限に変化する都度、単位回転量(90°)の回転がなされたとし、また、変化前に存在した象限と変化後に存在している象限との関係から回転方向を特定する。このように、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92が扱う回転量の最小単位は、「90°」であり、これは、A/D変換器42,44の出力信号に基づき転舵角算出処理部M12が算出する回転量の最小単位よりも大きい値となっている。
そして、第1回転方向検出回路90は、単位回転量の回転がなされた場合、その旨、および回転方向を示す信号を、図3に示す第1カウンタ94に出力する。一方、第2回転方向検出回路92は、単位回転量の回転がなされた場合、その旨、および回転方向を示す信号を、第2カウンタ96に出力する。
第1カウンタ94は、第1回転方向検出回路90の出力信号に基づき、回転軸26aの単位回転量をベクトル量として扱いつつ、それらを積算処理する。すなわち、たとえば、正側に単位回転量の回転が2度なされた場合、カウンタ値は、「2」となり、正側および負側の単位回転量の回転が1度ずつなされた場合、カウンタ値は、「0」となる。
第2カウンタ96は、第1カウンタ94と同様の構成であり、第2回転方向検出回路92の出力信号に基づき、回転軸26aの単位回転量をベクトル量として扱いつつ、それらを積算処理する。
判定回路98は、第1カウンタ94および第2カウンタ96の値が一致することを条件に、第1カウンタ94または第2カウンタ96のカウンタ値をインターフェース100を介してマイコン34に出力する。このカウンタ値が、図2に示した回転量Δθである。これに対し、判定回路98は、第1カウンタ94および第2カウンタ96の値が一致しない場合には、それらカウンタ値に異常があるとして、カウンタ値を出力することなく、異常がある旨の信号をインターフェース100を介してマイコン34に出力する。ちなみに、異常がある旨の信号が出力される場合、マイコン34では、たとえば、図2に示した処理に代えて、トルク指令値Ta*にベース値Ta1*を代入して電動機26を操作し、操舵トルクTrqが「0」であることを条件に、そのときの転舵輪12の転舵角θpが中立位置である旨学習する処理を実行すればよい。
間欠処理回路102は、IG信号がオフ状態である場合、検出側電源80のオン・オフを繰り返す処理を実行する。これにより、IG信号がオフ状態である場合、検出用回路DSCは、間欠的にオン状態とされる。
クロック回路104は、第1回転方向検出回路90、第2回転方向検出回路92、第1カウンタ94、第2カウンタ96、判定回路98、インターフェース100、および間欠処理回路102の動作クロックを生成する回路である。
演算側電源106は、バッテリ50の電力に基づき、演算回路PSCの給電電力を生成する電源である。演算回路PSCは、第1回転方向検出回路90、第2回転方向検出回路92、第1カウンタ94、第2カウンタ96、判定回路98、インターフェース100、間欠処理回路102、クロック回路104、および演算側電源106を備える。演算回路PSCは、デジタル回路であり、演算回路PSCおよび検出用回路DSCを同一の時間オン状態とする場合、検出用回路DSCと比較して、消費電力が小さい。
ここで、IG信号がオフ状態である時における第1回転方向検出回路90の処理について詳述する。なお、IG信号がオフ状態である時における第2回転方向検出回路92の処理は、第1回転方向検出回路90の処理と同様であるため、その説明を省略する。
図5に、第1回転方向検出回路90が実行する処理の手順を示す。この処理は、間欠処理回路102によって検出用回路DSCがオン状態とされる都度、繰り返し実行される。
図5に示す一連の処理において、第1回転方向検出回路90は、まず、上述した象限算出処理を1回実行する(S10)。すなわち、第1回転方向検出回路90は、第1基準コンパレータ64,68の出力信号および第2基準コンパレータ74,78の出力信号を1回サンプリングし、それらサンプリング値に基づき第1表現信号Dsinおよび第2表現信号Dcosを算出し、それらに基づき象限を算出する。
次に、第1回転方向検出回路90は、象限の算出結果を、算出結果SM(n)に代入する(S12)。ここで、後述のS22の処理のために、間欠処理回路102によって検出用回路DSCがオン状態とされることによって図5に示す一連の処理がスタートする時点では、変数nは、「1」となっている。
次に、第1回転方向検出回路90は、変数nが「3」であるか否かを判定する(S14)。この処理は、算出結果SM(n)のサンプル数が第1カウンタ94に算出結果を出力するのに十分であるか否かを判定する処理である。そして第1回転方向検出回路90は、変数nが「3」未満であると判定する場合(S14:NO)、変数nを「1」だけインクリメントし(S16)、S10の処理に戻る。これにより、第1回転方向検出回路90は、第1基準コンパレータ64,68の出力信号および第2基準コンパレータ74,78の出力信号を新たに1回サンプリングし、それらサンプリング値に基づき第1表現信号Dsinおよび第2表現信号Dcosを算出し、それらに基づき象限を算出する。
これに対し、第1回転方向検出回路90は、変数nが「3」であると判定する場合(S14:YES)、算出結果SM(1),SM(2),SM(3)が一致するか否かを判定する(S18)。この処理は、S10の処理においてサンプリングされた第1基準コンパレータ64,68の出力信号および第2基準コンパレータ74,78の出力信号のサンプリング値や、算出結果SM(1),SM(2),SM(3)の信頼性を評価する処理である。そして第1回転方向検出回路90は、一致すると判定する場合(S18:YES)、算出結果SM(1)を、第1カウンタ94に出力する(S20)。そして、第1回転方向検出回路90は、変数nに「1」を代入し(S22)、図5に示す一連の処理を一旦終了する。
これに対し、第1回転方向検出回路90は、一致しないと判定する場合(S18:NO)、すなわち算出結果SM(1),SM(2),SM(3)の中に他と異なるものが含まれる場合、変数nを「1」だけインクリメントする(S24)。次に第1回転方向検出回路90は、象限算出処理を追加して実行する(S26)。すなわち、第1回転方向検出回路90は、第1基準コンパレータ64,68の出力信号および第2基準コンパレータ74,78の出力信号を新たに1回サンプリングし、それらサンプリング値に基づき第1表現信号Dsinおよび第2表現信号Dcosを算出し、それらに基づき象限を算出する。次に第1回転方向検出回路90は、算出結果SM(n)に、S26の処理の算出結果を代入する(S28)。そして第1回転方向検出回路90は、変数nが「7」であるか否かを判定する(S30)。この処理は、S18の処理において否定判定されている状況において、算出結果SM(n)のサンプル数が、第1カウンタ94に算出結果を出力するのに十分であるか否かを判定する処理である。第1回転方向検出回路90は、変数nが「7」未満であると判定する場合(S30:NO)、S24の処理に戻る。
これに対し第1回転方向検出回路90は、「7」であると判定する場合(S30:YES)、7個の算出結果SM(1)〜SM(7)のうち、同一の値となるものの数が最も多いものを決定する多数決処理を実行する(S32)。そして第1回転方向検出回路90は、多数決処理によって決定した値を第1カウンタ94に出力し(S34)、S22の処理に移行する。
ここで、本実施形態の作用を説明する。
図6(a)に、IG信号がオフ状態であるときにおける検出側電源80がオンとなる期間およびオフとなる期間を例示し、図6(b)に、検出側電源80がオンとなる期間を拡大して示す。
図6に示すように、検出用回路DSCは、所定期間TLの周期でオン・オフ操作される。ここで、検出用回路DSCのオン期間TSは、所定期間TLにおいてオフとされる期間「TL−TS」と比較して短い。オン期間TSは、所定期間TLにおいてオフとされる期間「TL−TS」の「1/10」以下の長さであることが望ましく、「1/20」以下の長さであることがより望ましい。なお、オフとされる期間は、回転軸26aが90°回転するのに要する時間として想定される最小値以下に設定される。
オン期間TSにおいて、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、第1基準コンパレータ64,68の出力信号と第2基準コンパレータ74,78の出力信号とを複数回サンプリングし、各サンプリング値に基づき象限算出処理を実行する。ここで、サンプリングタイミング間の時間間隔Tnは、想定されるノイズが重畳する場合の同ノイズの周波数の逆数である周期よりも長い時間に設定されている。
図6に示す例では、時刻t1,t3から始まるオン期間TSにおいては、算出結果SM(1),SM(2),SM(3)が一致した場合を例示し、時刻t2から始まるオン期間TSにおいては、算出結果SM(1),SM(2),SM(3)の中に他と異なるものが含まれた場合を示す。第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92は、算出結果SM(1),SM(2),SM(3)の中に他と異なるものが含まれた場合、7個の算出結果SM(1)〜SM(7)の多数決処理によって、第1カウンタ94や第2カウンタ96への出力対象とする算出結果を選択する。ここで、多数決処理された値は、正しい値である可能性が高い。このため、たとえば第1回転方向検出回路90による算出結果にのみノイズが重畳した場合であっても、第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92のそれぞれが出力する算出結果が互いに異なる値となることは抑制される。このため、象限算出処理を1度のみ行いその算出結果を出力対象とする場合と比較すると、判定回路98が、第1カウンタ94のカウンタ値と第2カウンタ96のカウンタ値とが不一致であると判定する可能性が抑制される。このため、IG信号がオン状態に切り替わった際、マイコン34に回転量Δθを出力できない可能性を抑制することができ、しかも出力する回転量Δθの信頼性を高く維持することができる。
以上説明した本実施形態によれば、さらに以下に記載する効果が得られる。
(1)演算回路PSCが算出する回転量Δθの最小単位を、IG信号がオン状態であるときにマイコン34によって利用される回転軸26aの回転量の最小単位よりも大きい「90°」とした。このため、演算回路PSCによる回転量Δθとして微小な回転量の識別は要求されない。このため、微小な回転量の識別が要求される場合と比較すると、時系列的に前後する複数のサンプリング値のそれぞれによる回転量の算出結果SM(i)「i=1〜7」の中に回転軸26aの回転に起因して他と異なるものが含まれる可能性が抑制される。このため、複数のサンプリング値のそれぞれによる回転量の算出結果SM(i)同士を比較して算出結果の信頼性を評価する処理の有効性を高めることができる。
(2)IG信号がオフ状態であるときにおいて回転監視回路32において回転量Δθを算出する回路を、第1回転方向検出回路90および第1カウンタ94と第2回転方向検出回路92および第2カウンタ96との2組とし、それらによる回転量Δθの算出結果が一致することを条件に、マイコン34に回転量Δθを出力した。この場合、2組のそれぞれで1度のサンプリング値に基づき回転量Δθを更新する場合には、ノイズによって2組のそれぞれによる更新結果が不一致となるおそれがあり、これによりマイコン34に回転量Δθの算出結果を出力できないおそれがある。このため、複数のサンプリング値のそれぞれによる象限算出処理による算出結果の多数決処理の利用価値が特に大きい。
(3)算出結果SM(1),SM(2),SM(3)の中に互いに一致しないものが含まれる場合、算出結果SM(1)〜SM(7)の多数決処理を実行した。このため、算出結果SM(1),SM(2),SM(3)のみによる多数決処理を実行する場合と比較すると、最終的な回転量Δθの信頼性を高めることができる。
<第2の実施形態>
以下、第2の実施形態について、第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、IG信号がオフ状態である期間において検出用回路DSCがオフとされる期間の長さを、回転軸26aの回転が検知されていない場合にされている場合と比較して長くする。
図7に、本実施形態にかかる間欠処理回路102の処理の手順を示す。この処理は、検出用回路DSCをオン・オフする周期である所定期間TL毎に実行される。
図7に示す一連の処理において、間欠処理回路102は、まず、回転軸26aが停止していることに起因して検出用回路DSCがオフとされる期間の長さを長くする処理(停止時の処理)を実行しているときであるか否かを判定する(S40)。次に間欠処理回路102は、停止時の処理を実行しているときであると判定する場合(S40:YES)、第1カウンタ94のカウンタ値に変化があるか否かを判定する(S42)。そして間欠処理回路102は、変化がないと判定する場合(S42:NO)、回転軸26aが停止状態を継続しているとして、所定期間TLに、停止時用時間TLSを代入する(S44)。停止時用時間TLSは、回転軸26aが回転を開始する場合において回転軸26aが90°回転するのに要する時間として想定される最小値以下に設定されている。
これに対し間欠処理回路102は、変化があると判定する場合(S42:YES)、回転軸26aが回転を始めたとして、所定期間TLに、停止時用時間TLSよりも短い回転時用時間TLRを代入する(S46)。回転時用時間TLRは、回転軸26aが回転をしているときにおいて、回転軸26aが90°回転するのに要する時間として想定される最小値以下に設定されている。
これに対し間欠処理回路102は、所定期間TLを回転時用時間TLRにしていると判定する場合(S40:NO)、カウンタ値に変化がないか否かを判定する(S48)。そして間欠処理回路102は、変化があると判定する場合(S48:NO)、S46の処理に移行する。一方、間欠処理回路102は、変化がないと判定する場合(S48:YES)、変化がなくなってからの継続時間をカウントするカウンタCnをインクリメントする(S50)。次に間欠処理回路102は、カウンタCnが閾値Cth以上であるか否かを判定する(S52)。そして間欠処理回路102は、閾値Cth未満であると判定する場合(S52:NO)、S46の処理に移行する一方、閾値Cth以上であると判定する場合(S52:YES)、カウンタCnを初期化してS44の処理に移行する。
なお、間欠処理回路102は、S44,S46の処理が完了する場合、図7に示す一連の処理を一旦終了する。
ここで本実施形態の作用を説明する。
IG信号がオフ状態であるときにおいて、通常は、検出用回路DSCは、停止時用時間TLSの周期でオン・オフされる。そして、第1カウンタ94のカウント値が変化することによって回転軸26aの回転が検知されると、検出用回路DSCが回転時用時間TLRの周期でオン・オフされるようになる。このため、検出用回路DSCによる消費電力を極力抑制することと、回転軸26aの回転を高精度に監視することとの好適な両立を図ることができる。
<対応関係>
上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係は、次の通りである。以下では、「課題を解決するための手段」の欄に記載した解決手段の番号毎に、対応関係を示している。[1]操作対象機器は、インバータ28に対応し、回転軸は、回転軸26aに対応し、制御部は、マイコン34に対応する。[2]演算回路による回転量の最小単位は、90°であり、制御部によって利用される回転軸の回転量の最小単位は、転舵角算出処理部M12が算出する転舵角θpの最小単位に対応する。[3]第1回転算出回路は、第1回転方向検出回路90および第1カウンタ94に対応し、第2回転算出回路は、第2回転方向検出回路92および第2カウンタ96に対応する。出力回路は、判定回路98およびインターフェース100に対応する。[4]図7の処理に対応する。[5]第1所定数個は、3個に対応し、第2所定数個は、4個に対応する。
<その他の実施形態>
なお、上記実施形態の各事項の少なくとも1つを、以下のように変更してもよい。
・「検出用回路について」
センサ出力値を量子化する部材としては、センサ出力値が正の所定値以上であるか否かを判断する第1基準コンパレータ64や第2基準コンパレータ74と、負の所定値以下であるか否かを判断する第1基準コンパレータ68や第2基準コンパレータ78とに限らない。たとえば、第1基準コンパレータおよび第2基準コンパレータのそれぞれを、センサ出力値がゼロ以上であるかゼロ未満であるかを判定する回路としてもよい。またたとえば、第1基準コンパレータおよび第2基準コンパレータのそれぞれを、センサ出力値が45度に対応する値以上であるか否かを判断する回路と−45度に対応する値以下であるか否かを判定する回路としてもよい。
上記実施形態では、第1基準コンパレータ64,68の出力信号を第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92の双方に入力する構成としたがこれに限らない。たとえば、第1回転方向検出回路90に出力信号を入力する第1基準コンパレータと、第2回転方向検出回路92に出力信号を入力する第1基準コンパレータとを各別の回路としてもよい。
上記実施形態では、第2基準コンパレータ74,78の出力信号を第1回転方向検出回路90および第2回転方向検出回路92の双方に入力する構成としたがこれに限らない。たとえば、第1回転方向検出回路90に出力信号を入力する第2基準コンパレータと、第2回転方向検出回路92に出力信号を入力する第2基準コンパレータとを各別の回路としてもよい。
上記第1基準信号sinを正弦波信号SINに変換する第1基準オペアンプ60を、第1回転方向検出回路90と第2回転方向検出回路92とで共有したが、これに限らない。たとえば、第1回転方向検出回路90用の第1基準オペアンプと、第2回転方向検出回路92用の第1基準オペアンプとを各別のオペアンプとしてもよい。ただし、この場合、第1回転方向検出回路90に出力信号を入力する第1基準コンパレータと、第2回転方向検出回路92に出力信号を入力する第1基準コンパレータとを各別の回路とすることが望ましい。
上記第2基準信号cosを余弦波信号COSに変換する第2基準オペアンプ70を、第1回転方向検出回路90と第2回転方向検出回路92とで共有したが、これに限らない。たとえば、第1回転方向検出回路90用の第2基準オペアンプと、第2回転方向検出回路92用の第2基準オペアンプとを各別のオペアンプとしてもよい。ただし、この場合、第1回転方向検出回路90に出力信号を入力する第2基準コンパレータと、第2回転方向検出回路92に出力信号を入力する第2基準コンパレータとを各別の回路とすることが望ましい。
下記「回転角センサについて」の欄に記載したように、回転角センサがレゾルバである場合、検出用回路は、レゾルバに励磁電流を出力する回路を備えるようにする。
・「検出用回路のオン期間について」
上記実施形態では、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれるためにサンプリング数を増加させる場合と、複数のサンプリング値が同じ算出結果を与えるためにサンプリング数を増加させない場合とでオン期間を同一としたが、これに限らない。たとえば、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれるためにサンプリング数を増加させる場合にオン期間を伸長させてもよい。この場合、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれるためにサンプリング数を増加させる場合と増加させない場合とでオン期間を同一とする場合と比較して、消費電力をいっそう低減することができる。
上記実施形態では、所定期間TL内におけるオン期間を一回の期間としたがこれに限らない。たとえば、時系列的に隣り合う一対のサンプリングタイミング間にオフ期間を設けてもよい。
・「所定期間について」
所定期間TLの時間間隔の設定としては、上記各実施形態において例示したものに限らない。たとえば、回転時用時間TLRを、回転軸26aが回転をしているときにおいて、回転軸26aが270°回転するのに要する時間として想定される最小値以下に設定し、停止時用時間TLSを、回転軸26aが回転開始するときにおいて、回転軸26aが270°回転するのに要する時間として想定される最小値以下に設定してもよい。ただし、この場合であっても、所定期間TL内において時系列的に前後するサンプリングタイミングの最初と最後との時間間隔は、回転軸26aが回転しているときにおいて回転軸26aが90°回転するのに要する時間以下に設定することが望ましい。
上記実施形態では、所定期間TLを、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれるためにサンプリング数を増加させる場合と、複数のサンプリング値が同じ算出結果を与えるためにサンプリング数を増加させない場合とで同一としたが、これに限らない。たとえば、「検出用回路のオン期間について」の欄に記載したように、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれるためにサンプリング数を増加させるときにオン期間を伸長させる設定の場合、オン期間を伸長させる場合と伸長させない場合とで、オン期間とオン期間との間のオフ期間の長さが一定となるようにしてもよい。この場合、オン期間およびオフ期間の合計の期間である所定期間は、オン期間を伸長させる場合の方が伸長させない場合よりも長くなる。
・「サンプリング数について」
上記実施形態では、所定期間TL内におけるサンプリング数を、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれない限り、3個としたが、これに限らない。たとえば、5個等、3個以上であってもよく、また2個であってもよい。
上記実施形態では、所定期間TL内におけるサンプリング数であって他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれる場合のサンプリング数を7個としたが、これに限らない。たとえば5個であってもよく、さらに9個であってもよい。もっとも奇数にも限らない。ただし偶数の場合、回転量の算出結果のうち同一となるものの数が最大となるものが複数存在する場合には回転量の算出結果に異常が生じたと判定することとする。
上記実施形態では、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれることを条件にサンプリング数を1段階で増加させたが、これに限らない。たとえば、サンプリング数を増加させた場合に、増加したサンプリング値の中に他と異なる算出結果を与えるものが含まれることを条件に、再度サンプリング数を増加させてもよい。もっとも、他と異なる算出結果を与えるサンプリング値が含まれることを条件にサンプリング数を増加させることも必須ではない。たとえば、図5のS18の処理において否定判定される場合、算出結果SM(1),SM(2),SM(3)のみによって多数決処理を実行してもよい。
・「第1回転算出回路について」
上記実施形態では、第1回転方向検出回路90が象限算出処理の算出結果SM(1),SM(2),…の一致、不一致を判定したが、これに限らない。たとえば、サンプリング値に基づく算出結果に基づき第1カウンタ94がカウンタ値を仮に更新する処理を、複数のサンプリング値のそれぞれについて実行し、それらの中に他と異なるものが含まれることを条件に、多数派のカウンタ値を最終的な値であると決定してもよい。
第1回転算出回路としては、第1回転方向検出回路90および第1カウンタ94を備えるものに限らず、たとえば、A/D変換器42,44よりも分解能が低くて且つ、扱える最小回転量が「90°」未満のA/D変換器と、それらA/D変換器の出力値に基づき回転量を算出する回路とを備えるものであってもよい。ただし、この場合、第1回転算出回路には、たとえば第1基準オペアンプ60および第2基準オペアンプ70の出力する信号等の、アナログ信号を入力する。
・「第2回転算出回路について」
上記実施形態では、第2回転方向検出回路92が象限算出処理の算出結果SM(1),SM(2),…の一致、不一致を判定したが、これに限らない。たとえば、サンプリング値に基づく算出結果に基づき第2カウンタ96がカウンタ値を仮に更新する処理を、複数のサンプリング値のそれぞれについて実行し、それらの中に他と異なるものが含まれることを条件に、多数派のカウンタ値を最終的な値であると決定してもよい。
第2回転算出回路としては、第2回転方向検出回路92および第2カウンタ96を備えるものに限らず、たとえば、A/D変換器42,44よりも分解能が低くて且つ、扱える最小回転量が「90°」未満のA/D変換器と、それらA/D変換器の出力値に基づき回転量を算出する回路とを備えるものであってもよい。ただし、この場合、第2回転算出回路には、たとえば第1基準オペアンプ60および第2基準オペアンプ70の出力する信号等の、アナログ信号を入力する。
・「演算回路について」
上記実施形態において、第2回転方向検出回路92、第2カウンタ96および判定回路98を削除してもよい。この場合であっても、マイコン34に出力する回転量Δθの信頼性を向上させるうえでは、複数のサンプリング値のそれぞれに基づき象限算出処理を実行することなどが有効である。
第1回転方向検出回路90および第1カウンタ94を備える回転算出回路と、第2回転方向検出回路92および第2カウンタ96を備える回転算出回路に加えて、第3の回転算出回路を備えてもよい。その場合、判定回路は、たとえば、それら3つの回転算出回路の算出結果が同一である場合にマイコン34に算出結果を出力すればよい。
演算回路としては、ASICにて構成されるものに限らない。たとえば、CPU36よりも処理能力が低いCPUと、同CPUが実行するプログラムを記憶するROMとを備えて構成してもよい。
・「回転監視回路について」
上記実施形態では、マイコン34がオフ状態であるときに回転軸26aの回転を監視する処理を実行したが、これに限らず、マイコン34がオン状態であるときであっても回転軸26aの回転を常時監視してもよい。これにより、何らかの理由でマイコン34の給電電圧が一時的に低下した後回復する場合において、給電電圧の一時的な低下に起因してマイコン34が回転軸26aの回転角を算出する処理を実行できない期間が生じたとしても、給電電圧の回復後に、回転監視回路が監視した回転量Δθに基づき、回転軸26aの回転角を高精度に算出できる。
・「転舵角θpを用いた車両の制御について」
転舵角θpを用いた車両の制御としては、操舵のアシスト制御に限らない。たとえば、車両の横滑り防止制御であってもよい。この場合、たとえば、マイコン34とは別の外部の電子機器が横滑り防止制御を実行するものであってもよい。この場合には、IG信号がオン状態に切り替えられる場合、マイコン34は、IG信号がオン状態に切り替わることにより、回転監視回路32から回転量Δθを受け取った後、不揮発性メモリ40に記憶された転舵角θpを補正して外部の電子機器に送信すればよい。
・「回転角センサについて」
上記実施形態では、第1基準センサ52および第2基準センサ54のそれぞれを単一のセンサとし、それらの出力値から回転量を算出する回路を2組用いることとしたが、これに限らない。たとえば、図3における第1回転方向検出回路90用の第1基準センサおよび第2基準センサと、第2回転方向検出回路92用の第1基準センサおよび第2基準センサとを、互いに異なるセンサとしてもよい。
回転角センサとしては、MRセンサに限らず、たとえばレゾルバであってもよい。
・「回転軸、回転角センサについて」
回転することにより転舵輪12を転舵させて且つ、回転角度が回転角センサの検出対象となる回転軸としては、電動機26の回転軸26aに限らず、たとえば、ピニオン軸22cであってもよい。
・「転舵装置について」
転舵装置の操作対象機器としては、インバータ28に限らない。たとえば、油圧式のパワーステアリング装置において、パワーシリンダに供給する作動油の流量を調整するポンプを操作対象機器として、その吐出流量を操作量としてもよい。
転舵装置としては、図1に例示したように、ラックアンドピニオン機構を備えたものに限らない。またたとえば、ステアリング10の回転角度である操舵角と転舵角θpとの比を可変制御できる舵角比可変機構を搭載したものであってもよい。この場合であっても、たとえばIG信号がオフ状態である時に舵角比が固定されるようなロック機構を備えるものである場合、IG信号がオフ状態であるときにユーザがステアリング10を操作することにより、転舵角θpが変化するおそれがあるため、回転監視回路32の利用価値がある。さらに、ステアリング10とラック軸24とが切り離されたステアバイワイヤシステムであってもよい。この場合であっても、たとえばIG信号がオフ状態である時にステアリング10と転舵輪12とを機械的に連結状態とするクラッチ等の締結部材を備えるものである場合、IG信号がオフ状態であるときにユーザがステアリング10を操作することにより、転舵角θpが変化するおそれがあるため、回転監視回路32の利用価値がある。ただし、IG信号がオフ状態であるときに転舵角θpの変化を監視する必要性が生じるのは、ステアリング10の操作によって転舵角θpが変化する可能性がある場合に限らない。
10…ステアリング、12…転舵輪、20…転舵装置、22…ステアリングシャフト、22a…コラム軸、22b…中間軸、22c…ピニオン軸、24…ラック軸、25…減速機構、26…電動機、26a…回転軸、28…インバータ、32…回転監視回路、34…マイコン、36…CPU、38…ROM、40…不揮発性メモリ、42,44…A/D変換器、50…バッテリ、52…第1基準センサ、54…第2基準センサ、56…トルクセンサ、58…車速センサ、60…第1基準オペアンプ、62…上昇側閾値生成回路、64…第1基準コンパレータ、66…低下側閾値生成回路、68…第1基準コンパレータ、70…第2基準オペアンプ、72…上昇側閾値生成回路、74…第2基準コンパレータ、76…低下側閾値生成回路、78…第2基準コンパレータ、80…検出側電源、90…第1回転方向検出回路、92…第2回転方向検出回路、94…第1カウンタ、96…第2カウンタ、98…判定回路、100…インターフェース、102…間欠処理回路、104…クロック回路、106…演算側電源。

Claims (5)

  1. 転舵輪を転舵させる転舵装置を制御対象として前記転舵装置の操作対象機器を操作する制御部と、前記転舵輪を転舵させる回転軸の回転を該制御部の電源がオフ状態であるときに監視し、前記制御部の電源がオン状態に切り替わることを条件に、前記回転の監視結果を前記制御部に出力する回転監視回路と、を備える転舵制御装置に搭載される前記回転監視回路において、
    前記回転軸の回転角を感知する回転角センサの感知結果を電気信号として出力する回路であって、前記制御部の電源がオフ状態であるときに電力の供給および遮断が第1の所定期間を周期として繰り返される検出用回路と、
    前記検出用回路への電力の供給がなされているときの前記検出用回路の出力信号に基づき、前記回転軸の回転量を算出し、前記制御部の電源がオン状態となることを条件に前記制御部に算出結果を出力する演算回路と、を備え、
    前記演算回路は、前記第1の所定期間のうちの前記検出用回路に電力が供給されている期間である第2の所定期間において、前記検出用回路の出力信号を複数回サンプリングし、時系列的に前後する複数のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記制御部への出力対象とする回転監視回路。
  2. 前記演算回路による前記回転量の最小単位は、前記電源がオン状態であるときに前記制御部によって利用される前記回転軸の回転量の最小単位よりも大きい請求項1記載の回転監視回路。
  3. 前記演算回路は、前記回転軸の回転量を算出する回路としての第1回転算出回路および第2回転算出回路と、前記第1回転算出回路による算出結果および前記第2回転算出回路による算出結果が一致することを条件に、一致した前記算出結果を前記制御部に出力する出力回路と、を備え、
    前記第1回転算出回路は、前記第2の所定期間内において前記検出用回路の出力信号の複数のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記出力回路に出力し、
    前記第2回転算出回路は、前記第2の所定期間内において前記検出用回路の出力信号の複数のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記出力回路に出力する請求項1または2記載の回転監視回路。
  4. 前記演算回路は、前記算出結果に基づき前記回転軸が回転していないと判定する場合、回転していると判定する場合と比較して、前記第1の所定期間の長さを長くする請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転監視回路。
  5. 第1所定数個を複数個とし、第2所定数個を1個以上とし、
    前記演算回路は、前記第2の所定期間内において前記検出用回路の出力信号の前記第1所定数個のサンプリング値の中に他と異なる前記回転量の算出結果を与える値が含まれることを条件に、当該第2の所定期間内において前記第2所定数個の前記サンプリング値を更に取得し、前記第1所定数個および前記第2所定数個の合計個のサンプリング値のうちの前記回転量の算出結果が同一となるものの数が多いサンプリング値に基づく前記回転量の算出結果を前記制御部への出力対象とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の回転監視回路。
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