JP2016088208A - センサシステム - Google Patents
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Description
1.ステアリングホイールを介して入力されるトルクである操舵トルクの検出信号を出力するトルクセンサと、該トルクセンサがシリアルラインである信号線に送信する検出信号を受信し、車両の転舵輪にトルクを付与する電動機のトルク制御に利用する制御装置とを備え、前記トルクセンサは、前記操舵トルクを感知し、該感知した操舵トルクをアナログの電気信号に変換して出力する2以上の感知部と、前記感知部の出力する電気信号をデジタルデータに変換するA/D変換器と、前記感知部のそれぞれの前記電気信号に応じたデジタルデータを前記検出信号として前記信号線を介して前記制御装置に出力する出力部と、を備え、前記制御装置は、前記電気信号に応じたデジタルデータを入力とし、前記感知部による検出値が所定範囲から外れることを条件に、前記感知部の検出値に異常がある旨判定する検出異常判定処理部と、前記検出異常判定処理部とは別に、前記信号線の状態に基づき、前記感知部による検出値の送信系統に異常があると判定する系統異常判定処理部と、を備えることを特徴とする。
なお、上記「信号線の状態」は、信号線を所定の信号が伝搬しているか否かの状態に加えて、信号線を信号が伝搬している場合のその論理値の推移状態をも含む。
4.上記1〜3のいずれか1項に記載のセンサシステムにおいて、前記出力部は、前記デジタルデータが論理Hであるか論理Lであるかに応じて、ゼロよりも大きくて且つ互いに異なる絶対値を有する電流を出力するものであり、前記系統異常判定処理部は、前記論理Hに応じた電流および前記論理Lに応じた電流が出力されないことを条件に、前記感知部による検出値の送信系統に異常があると判定する。
上記構成では、感知部毎にA/D変換器を備えることで、A/D変換器によるサンプリングタイミングを、互いに相違する感知部同士で同期させやすい。
図1に示す電動パワーステアリング装置(EPS10)は、ユーザのステアリングホイール12の操作に基づき転舵輪14を転舵させる操舵機構20、およびユーザのステアリング操作を補助するアシスト機構30を備えている。
図2に示すように、コラムシャフト23は、ステアリングホイール12に連結されたインプットシャフト23aと、インターミディエイトシャフト24に連結されたアウトプットシャフト23cとがトーションバー23bを介して同一軸線m上で連結された構造を有している。
図3に示すように、トルクセンサ70は、シリアルラインである信号線L1に接続されており、信号線L1を介してECU40と通信する。また、トルクセンサ70は、給電線L3および接地線L2に接続されており、これらを介して、電力が供給される。なお、電力の供給源は、ECU40とすればよい。
この一連の処理において、ECU40は、まず、データストリームDSの送信停止状態が継続しているか否かを判断する(S20)。この処理は、上述した出力部78による自己診断によってトルクセンサ70が応答を停止しているのか否かを判断するためのものである。そしてECU40は、トルクセンサ70が応答を停止していないと判断する場合(S20:NO)、データストリームDSを受信する(S22)。次に、ECU40は、パリティおよびCRCを用いて、データストリームDSの誤り検出処理を実行する(S24)。そして、ECU40は、誤り検出処理の結果、データストリームDSが正常であると判断する場合(S26:YES)、誤り検出用のエラーカウンタNeを初期化する(S28)。これに対し、ECU40は、誤り検出処理の結果、データストリームDSが異常であると判断する場合(S26:NO)、誤り検出用のエラーカウンタNeをインクリメントし、今回受信したデータストリームDS内のデジタルデータDa,Dbについては利用することなく、アシスト制御には前回値を代用することとする(S30)。ECU40は、ステップS28においてエラーカウンタNeを初期化した後、フレームカウンタCa,Cbの異常検出処理を実行する(S32)。
図9に示すように、ECU40は、まず、フレームカウンタCaの今回値「Ca(n)」と前回値「Ca(n−1)」とが等しく且つ、フレームカウンタCbの今回値「Cb(n)」と前回値「Cb(n−1)」とが等しいか否かを判断する(S50)。この処理は、ホール素子72aによる検出値やホール素子72bによる検出値の送信系統に異常があるか否かを判断するためのものである。すなわち、フレームカウンタCa,Cbは、図5に示した処理などによって逐次更新されるものであるため、DSP76a,76bや、DSP76a,76bの出力信号の送信系統が正常である場合には、今回値と前回値とが相違する。このため、前回値と今回値とが等しい場合、DSP76a,76bや、DSP76a,76bの出力信号の送信系統に異常があると考えられる。一方、DSP76aはホール素子72aによる検出値の送信系統であり、DSP76bは、ホール素子72bによる検出値の送信系統である。このため、前回値と今回値とが等しい場合、ホール素子72aによる検出値やホール素子72bによる検出値の送信系統に異常があると考えられる。
そしてECU40は、フレームカウンタ異常検出処理によって、フレームカウンタCa,Cbの双方に異常が検出されたか否かを判断する(S33)。そして、ECU40は、少なくとも一方は正常であると判断する場合(S33:NO)、デジタルデータDa,Dbの異常検出処理を実行する(図8のS34)。
ステアリングホイール12を介して入力される操舵トルクがホール素子72a,72bに感知されると、感知された電圧信号Va,Vbのそれぞれに応じたデジタルデータDa,DbおよびフレームカウンタCa,Cbが出力部78に出力される。出力部78では、デジタルデータDa,DbおよびフレームカウンタCa,Cbを含むデータストリームDSを生成し、データストリームDSの各ビットの論理値に応じた電流信号を信号線L1に出力する。すなわち、出力部78は、信号線L1に流れる電流を、データストリームDSの各ビットの論理値に応じた値に制御する。このため、信号線L1とECU40との接続箇所の抵抗値がある程度大きくなっている場合であっても、ECU40側で検出する電流値は、論理Hであるか論理Lであるかに応じてそれぞれ定まった値となる。ECU40は、信号線L1の電流値に基づき、データストリームDSの各ビットの論理値を把握し、これに基づき、図8に示した異常判定処理を実行した後、デジタルデータDa,Dbを利用可能であれば、デジタルデータDa,Dbが示す操舵トルクの値を、ホール素子72a,72bによる検出値として認識して、アシスト制御を実行する。
(1)ホール素子72a,72bの電圧信号Va,Vbに応じたデジタルデータDa,Dbをシリアルラインである信号線L1を介してECU40に出力することで、信号線L1の数を低減することができる。
(3)デジタルデータDa,Dbのいずれか一方のみに異常がある場合、他方に基づきアシスト制御を実行した(S42)。これにより、アシスト制御が直ちに停止される事態を抑制することができる。このため、ユーザは、ディーラまでのリンプホーム運転時等においてアシスト制御を実行することが可能となる。
(9)フレームカウンタCa,Cbを設けた。これにより、ホール素子72aによる検出値の送信系統の異常の有無と、ホール素子72bによる検出値の送信系統の異常の有無とを、各別に検出することができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・「データストリームについて」
データストリーム内のデータの誤りを検出する誤り検出符号としては、パリティ、CRC、およびフレームカウンタに限らない。たとえばCRCのみであってもよい。また、CRCに代えて、たとえば、前方誤り訂正(Forward Error Correction)等であってもよい。さらに、たとえば、データストリームを、1ビットのパリティと、同パリティによる誤り検出対象となるデータとによって構成し、この1ビットのパリティのみを誤り検出符号としてもよい。
操舵トルクの変化に対する電気信号の出力特性が互いに逆となるものとしては、図4に例示したものに限らない。たとえば、操舵トルクがゼロであるときの電圧値が、ホール素子72aとホール素子72bとで互いに異なるものであってもよい。もっとも、操舵トルクの変化に対する電気信号の出力特性が互いに逆となるものにも限らない。
たとえば、ホール素子72a,72bが同一の操舵トルクに対して同一の電気信号を出力するものである場合、それら電気信号に応じたデジタルデータの値同士を比較し、それらのずれ量が所定範囲から外れることを条件に、異常がある旨判定すればよい。
たとえば、データストリームDSにフレームカウンタを備えないようにして、ステップS32の処理を削除してもよい。また、たとえば、データストリームからCRCおよびパリティを削除し、S24の処理を削除してもよい。さらにたとえば、出力部78の出力を電圧信号とし、ステップS20の処理を削除してもよい。すなわち、電圧信号とする場合、トルクセンサ70からの送信がない場合、ECU40は、論理値を一定と判断することができ、この場合、ステップS24の処理や、ステップS32の処理で送信系統の異常を判定することができる。
上記実施形態では、エラーカウンタNeが閾値Neth以上となる場合や、エラーカウンタNCaおよびNCbが閾値NCth以上となる場合などには、ディーラ等で異常の履歴を消去するまでトルク制御(アシスト処理)を停止した。また、ステップS20において否定判断された場合、ディーラ等で異常の履歴を消去するまでトルク制御を停止した。しかし、停止期間としては、これに限らない。たとえば、ECU40の主電源がオフされることでECU40が一旦リセットされるまでとしてもよい。これは、電子機器の異常が再起動によって解消しうることに鑑みたものである。ちなみに、これは、異常の履歴を、ECU40の主電源がオンである間に限ってデータを保持可能なメモリに記憶することで実現できる。
図3に例示した構成において、給電線L3と信号線L1とを共有化してもよい。この場合、ECU40から信号線L1に電力を供給する際に信号線L1に流れる電流の値を、論理Hに応じた値と論理Lに応じた値に出力部78によって制御すればよい。ちなみに、この場合、出力部78による出力電流とは、出力部78からECU40側に進む電流を正とするなら、負の値を有する。この場合、接地線L2にも信号線L1と絶対値が等しい電流が流れるが、トルクセンサ70が送信する検出信号は、シリアルラインである信号線L1の電流値のみによってその論理値の時系列データをECU40によって把握可能なものである。なお、この場合、トルクセンサ70内部の自己診断処理によって異常と判定される場合、論理Hおよび論理Lの電流信号の出力を停止すればよく、たとえば、信号線L1に流れる電流値を変化させないようにしてもよい。もっとも、出力部78の出力電流が正である場合であっても、トルクセンサ70内部の自己診断処理によって異常と判定される場合、電流の出力自体を停止するのではなく、論理Hおよび論理Lの電流信号の出力を停止することも可能である。換言すれば、トルクセンサ70内部の自己診断処理によって異常と判定される場合に、論理Hおよび論理Lのいずれにも対応しない値の電流を出力してもよい。
磁束密度を感知して、磁束密度に応じた電気信号を出力するものに限らない。たとえば、操舵トルクに応じた力が加わる部分に設けられる歪みゲージ等であってもよい。
1つのトルクセンサ内に備えられる感知部の数としては、2個に限らない。たとえば、3個以上であってもよい。
・「トルク制御について」
アシスト制御に限らない。たとえば、ステアバイワイヤシステムにおいて、転舵輪にトルクを付与する電動機のトルク制御のための入力パラメータに、操舵トルクを用いるのであれば、ステアバイワイヤシステムにおける転舵角の制御のためのトルク制御であってもよい。
Claims (11)
- ステアリングホイールを介して入力されるトルクである操舵トルクの検出信号を出力するトルクセンサと、
該トルクセンサがシリアルラインである信号線に送信する検出信号を受信し、車両の転舵輪にトルクを付与する電動機のトルク制御に利用する制御装置とを備え、
前記トルクセンサは、
前記操舵トルクを感知し、該感知した操舵トルクをアナログの電気信号に変換して出力する2以上の感知部と、
前記感知部の出力する電気信号をデジタルデータに変換するA/D変換器と、
前記感知部のそれぞれの前記電気信号に応じたデジタルデータを前記検出信号として前記信号線を介して前記制御装置に出力する出力部と、を備え、
前記制御装置は、
前記電気信号に応じたデジタルデータを入力とし、前記感知部による検出値が所定範囲から外れることを条件に、前記感知部の検出値に異常がある旨判定する検出異常判定処理部と、
前記検出異常判定処理部とは別に、前記信号線の状態に基づき、前記感知部による検出値の送信系統に異常があると判定する系統異常判定処理部と、を備えるセンサシステム。 - 前記制御装置は、前記検出異常判定処理部によって異常があると判定された前記感知部による検出値を、少なくとも前記制御装置が一旦オフ状態とされるまでの期間の間、前記トルク制御に利用しない請求項1記載のセンサシステム。
- 前記2以上の感知部は、第1感知部および該第1感知部とは異なる第2感知部を含み、
前記制御装置は、前記検出異常判定処理部による判定結果に基づき、前記第1感知部による検出値が所定範囲から外れて且つ、前記第2感知部による検出値が所定範囲内にあることを条件に、前記トルク制御に、前記第1感知部による検出値を用いることなく、前記第2感知部による検出値を用いる請求項1または2記載のセンサシステム。 - 前記出力部は、前記デジタルデータが論理Hであるか論理Lであるかに応じて、ゼロよりも大きくて且つ互いに異なる絶対値を有する電流を出力するものであり、
前記系統異常判定処理部は、前記論理Hに応じた電流および前記論理Lに応じた電流が出力されないことを条件に、前記感知部による検出値の送信系統に異常があると判定する請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサシステム。 - 前記出力部は、パルス状の電圧信号を出力するものであり、
前記電圧信号は、前記デジタルデータが論理Hであるか論理Lであるかに応じて、パルス幅が互いに異なるものであり、
前記系統異常判定処理部は、前記論理Hに応じたパルス幅の電圧信号および前記論理Lに応じたパルス幅の電圧信号が出力されないことを条件に、前記感知部による検出値の送信系統に異常があると判定する請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサシステム。 - 前記出力部は、前記2以上の感知部のうち第1感知部および該第1感知部とは異なる第2感知部のそれぞれの電気信号に応じたデジタルデータと、それら電気信号に応じたデジタルデータとは別に該デジタルデータの信頼性を評価するためのデータとを、所定のビット長のデータストリームとして逐次送信するものであり、1つのデータストリームに、前記第1感知部および前記第2感知部のそれぞれの電気信号に応じたデジタルデータの双方を含める請求項4または5記載のセンサシステム。
- 1つの前記データストリームには、該データストリーム内のデータを誤りの検出対象とする誤り検出符号が含まれ、
前記系統異常判定処理部は、前記誤り検出符号に基づき誤り検出がなされることを条件に、前記第1感知部による検出値および前記第2感知部による検出値の双方の送信系統に異常がある旨判定する処理を実行し、
前記制御装置は、前記系統異常判定処理部によって異常があると判定された送信系統の検出値を、少なくとも前記制御装置が一旦オフ状態とされるまでの期間の間、前記トルク制御に利用しない請求項6記載のセンサシステム。 - 前記A/D変換器は、前記感知部のそれぞれ毎に、各別に備えられるものである請求項6または7記載のセンサシステム。
- 前記A/D変換器によるサンプリングがなされる都度更新されるカウンタを、前記A/D変換器毎に備え、
前記第1感知部、および前記第2感知部のそれぞれに対応するカウンタの値を、1つの前記データストリームに含め、
前記系統異常判定処理部は、前記データストリームに含まれる前記カウンタの前回値と今回値とが一致することを条件に、当該カウンタに対応する感知部による検出値の送信系統に異常があると判定する処理を実行し、
前記制御装置は、前記系統異常判定処理部によって異常があると判定された送信系統の検出値を、少なくとも前記制御装置が一旦オフ状態とされるまでの期間の間、前記トルク制御に利用しない請求項6〜8のいずれか1項に記載のセンサシステム。 - 前記2以上の感知部のうちの第1感知部、および、該第1感知部とは異なる第2感知部は、前記操舵トルクの変化に対する電気信号の出力特性が互いに逆となるものであり、
前記検出異常判定処理部は、前記第1感知部の電気信号に応じたデジタルデータの値と、前記第2感知部の電気信号に応じたデジタルデータの値との和が規定範囲から外れることを条件に、前記第1感知部および前記第2感知部の少なくとも一方に異常がある旨判定する処理を実行する請求項1〜9のいずれか1項に記載のセンサシステム。 - 前記ステアリングホイールを介して入力される操舵トルクに応じて磁束密度を変化させる磁気回路をさらに備え、
前記トルクセンサは、前記磁気回路によって生成される磁束を、操舵トルクとして検出するものである請求項1〜10のいずれか1項に記載のセンサシステム。
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