JP6984160B2 - 錠剤及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、スクラルファート及び制酸剤を含有する錠剤に関するものである。
胃酸を中和する制酸剤と、胃粘膜のタンパク質と結合してペースト状の保護膜を形成するスクラルファートは、胃酸から胃粘膜を守る作用機構が全く異なるため、併用されるケースが多い。胃痛は、主に低pHである胃酸が胃粘膜(特に炎症部)を攻撃することにより発生するため、制酸剤の胃酸中和作用と、スクラルファートによる胃粘膜保護効果との組み合わせは有用である。
従来、これら各成分の配合については多くの検討がなされており、これまでにも治療効果を高めるために体内における薬物の溶出性を改善する試みや、薬剤の安定性を改善する試み、薬物の苦み等を抑制して服用性を改善する試みがなされてきた。
例えば、特開平11−071285号公報(特許文献1)では、可塑剤、コーティング剤及び制酸剤の懸濁液を噴霧乾燥することにより得られるコーティング制酸剤を用いることにより、胃内でのスクラルファートの反応開始時間に対して、制酸剤の反応開始時間を遅延させることでpHの上昇を制限し、両成分の効果を発揮できるようにしたスクラルファート含有組成物が提案されている。また、特開平8−333259号公報(特許文献2)では、スクラルファートと他の薬物が同時に配合される製剤において、スクラルファートによって他の薬物の吸収が阻害されることを回避することを目的として、スクラルファートを含有する遅放部と他の薬剤を含む速放部とで構成した製剤が提案されている。
一方、特開2015−71561号公報(特許文献3)では、スクラルファート及び水不安定薬物を同一製剤内で安定して配合する技術として、スクラルファートを水溶性低融点ワックス(分断相)で被覆したスクラルファート造粒物を用いて、スクラルファートを含む相と水不安定薬物を含む相とを分断する手法が提案されている。
通常、スクラルファートはpH3以下でゲル状となり、胃粘膜の、特に炎症部に特異的に貼り付くことで胃粘膜保護効果を発揮する。しかし、スクラルファートと制酸剤とを併用した場合、スクラルファートがゲル化する前に制酸剤によって胃酸が中和されてしまうこととなり、スクラルファートが胃粘膜保護効果を十分に発揮することができなかった。この問題に対する対策としては、制酸剤の粒子に対してコーティング処理を施して胃酸の中和を遅延させることが公知であるが、導水性が極めて良好な制酸剤を皮膜で覆うため、錠剤の崩壊が遅くなるという別の問題が生じてしまっていた。更に、上記コーティング処理としては、制酸剤の粒子にコーティング剤を噴霧して皮膜を形成する方法が一般的であるが、この方法では乾燥工程を必要とするため、製造に多大な時間を要することも課題であった。
このように、スクラルファート及び制酸剤を含有する錠剤の崩壊性については未だ改善の余地があり、スクラルファートの胃粘膜保護効果と崩壊性を損なうことなく、制酸剤の反応を効果的に遅延させるための方策が求められている。また、製造時間を短縮し、より効率的に錠剤を製造する方法の開発も待たれている。
特開平11−071285号公報 特開平8−333259号公報 特開2015−71561号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、スクラルファート及び制酸剤を含有する錠剤において、制酸剤の反応を効果的に遅延させることができ、崩壊性にも優れる錠剤、及び効率的な製造を可能とする錠剤の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、スクラルファートと制酸剤とを含有する錠剤において、上記制酸剤を、制酸剤粒子と、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを特定の割合で含有する制酸剤含有粒子とすることにより、制酸剤の反応を効果的に遅延させつつ錠剤の崩壊性を大幅に改善し得ることを見出し、本発明をなすに至ったものである。また、本発明の錠剤を製造するに際し、制酸剤粒子及び上記化合物を混合して、制酸剤粒子及び上記化合物を含有する制酸剤含有粒子を作製する工程を経ることで、制酸剤の溶出制御効果をより高めることができると共に、乾燥工程を必要とする従来のコーティング処理を採用した場合に比較して錠剤の製造時間を大幅に短縮することを可能とした。
従って、本発明は下記の錠剤及びその製造方法を提供する。
[1](A)スクラルファートと、(B)制酸剤含有粒子とを含有する錠剤であって、上記(B)制酸剤含有粒子が、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下である錠剤。
[2](B)成分が、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した粒子である[1]の錠剤。
[3](b−2)成分の含有量が、錠剤中4質量%以下である[1]又は[2]の錠剤。
[4](b−2)成分が、パーム硬化油、ナタネ硬化油、硬化ヒマシ油、及びカルナウバロウからなる群から選ばれるものである[1]〜[3]のいずれかの錠剤。
[5]更に、(B)制酸剤含有粒子に(b−3)崩壊剤を含有する[1]〜[4]のいずれかの錠剤。
[6](b−1)成分の含有量に対する(b−3)成分の含有量の割合(100×(b−3)/(b−1)(%))が、4〜20%である[5]の錠剤。
[7](b−3)成分が、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれるものである[5]又は[6]の錠剤。
[8](A)スクラルファートと、(B)下記(b−1)成分及び(b−2)成分
(b−1)制酸剤粒子
(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上を含有する制酸剤含有粒子と
を含有する錠剤の製造方法であって、上記(b−1)成分及び(b−2)成分を混合して、(b−1)成分及び(b−2)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする錠剤の製造方法。
[9](B)制酸剤含有粒子が、更に(b−3)崩壊剤を含有するものであり、
上記(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を混合して、(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする[8]の錠剤の製造方法。
本発明によれば、スクラルファート及び制酸剤を含有する錠剤において、制酸剤の反応を効果的に遅延させることができ、崩壊性にも優れる錠剤を提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の錠剤は、(A)スクラルファートと、(B)制酸剤含有粒子とを含有する錠剤であって、上記(B)制酸剤含有粒子が、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下のものである。
(A)スクラルファート
(A)スクラルファート(ショ糖オクタ硫酸エステルアルミニウム塩)は、消化管内において、胃酸によって生体接着性のゲルを形成して消化管粘膜に付着し、局所的保護バリヤーをもたらす。炎症あるいは潰瘍部位においては、この保護バリヤーが過剰の胃酸等から消化管粘膜を保護し、生体自身の胃粘膜修復作用を促すことにより治癒効果を発揮する。
本発明に使用される(A)スクラルファートは、スクラルファートをそのまま配合することができるが、造粒した粒子を使用してもよい。造粒は、流動層造粒、転動造粒又は混練造粒等の公知の造粒方法であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレングリコール等のバインダーとスラリー化して噴霧乾燥したもの等を用いることができる。このような市販品としては、「ストマクシン」(富士化学工業(株)製)等が挙げられる。粒度は特に限定されないが、目開き1,000μm及び850μmの篩を用いて、1,000μmオンが0質量%、850μmオンが3質量%以下であることが好ましい。
上記(A)成分の錠剤中の含有量は、スクラルファートの通常の用量である1回量200〜1,000mg、好ましくは300〜800mgとなるように、適宜調整することができる。例えば、(A)成分の含有量は、錠剤中10〜90質量%が好ましく、25〜80質量%がより好ましい。(A)成分の含有量を上記範囲内とすることで、錠剤が大きくなりすぎることがなく、飲みやすくなる。
(B)制酸剤含有粒子
(B)制酸剤含有粒子は、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下である粒子であり、好ましくは(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した粒子である。また、より好ましくは更に(b−3)崩壊剤を含有するものである。
以下、(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分について詳細に説明する。
(b−1)制酸剤粒子
(b−1)制酸剤粒子の制酸剤としては、例えば、ケイ酸アルミン酸マグネシウム(250mL)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(230mL)、水酸化マグネシウム(340mL)、酸化マグネシウム(480mL)、水酸化アルミナマグネシウム(300mL)、合成ヒドロタルサイト(290mL)、炭酸マグネシウム(210mL)、炭酸カルシウム(200mL)、及び水酸化カルシウム(260mL)が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明では、これらの中でもケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、及び合成ヒドロタルサイト等を好適に使用することができる。なお、制酸剤とは、日本薬局方(第16局)の制酸力試験法によって求められる制酸力が200mL以上であるものをいう。日本薬局方(第16局)の制酸力試験法によって求められる制酸力とは、1g当たりの0.1mol/L塩酸の消費量(mL)で示される。また、上記制酸剤に付された括弧内の数値は制酸力を示す。
本発明において、(b−1)制酸剤粒子の中位径は、1,000μm以下が好ましく、850μm以下がより好ましい。(b−1)成分の中位径が上限値以下であれば、混合均一性が確保しやすい。(b−1)成分の中位径の下限値は、特に制限はないが、ハンドリングのしやすさ等の観点から、30μm以上が好ましい。なお、中位径は、レーザ回折・散乱法粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、「LS13 320」、測定条件:ドライパウダーモジュール)により測定された値である。
上記(b−1)成分の錠剤中の含有量は、通常の用量である1回量200〜1,000mg、好ましくは300〜600mgとなるように、適宜調整することができる。例えば、(b−1)成分の含有量は、錠剤中6〜65質量%が好ましく、10〜65質量%がより好ましい。(B)成分の含有量を上記範囲内とすることで、錠剤が大きくなりすぎることがなく、飲みやすくなる。なお、(b−1)成分は水分を含有する場合があるが、本発明における(b−1)成分の含有量は、乾燥物換算の質量を意味する。
(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物
(b−2)成分は、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物であり、本発明では、これら化合物の中から少なくとも1種が使用される。なお、本発明において「高級脂肪酸」とは、炭素数が6以上の脂肪酸を意味し、「高級アルコール」とは、炭素数が6以上のアルコールを意味する。高級脂肪酸としては、炭素数6〜30の脂肪酸が好ましい。高級アルコールとしては、炭素数6〜30の1価又は2価のアルコールが好ましい。
上記高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル(ロウ)は、合成品でも、天然物であってもよい。上記合成品としては、例えば、炭素数6〜30の脂肪酸と炭素数6〜30の1価又は2価アルコールとのモノエステル又はジエステルが挙げられる。上記天然物としては、例えば、セロチン酸ミリシル(CH3(CH224COO(CH229CH3)を主成分として含有するカルナウバロウ等が挙げられる。
上記植物油及びその水素添加油としては、例えば、硬化パーム油、硬化菜種油、及び硬化ヒマシ油等が挙げられる。上記動物油及びその水素添加油としては、例えば、硬化豚脂油及び硬化牛脂油等が挙げられる。上記高級脂肪酸としては、パルミチン酸及びステアリン酸等が挙げられる。上記高級アルコールとしては、例えば、ステアリルアルコール等が挙げられる。
これらの(b−2)成分の中では、硬化油やロウを単独で、あるいはこれらの混合物を好適に使用することができる。具体的には、硬化油の中では、パーム硬化油(58℃)、ナタネ硬化油(68℃)、及び硬化ヒマシ油(85℃)、ロウの中では、カルナウバロウ(83℃)等が特に好ましい。なお、括弧内の温度は融点を示す。
(b−2)成分の含有量は、錠剤中4質量%以下が好ましく、3.7質量%以下がより好ましく、3.3質量%以下が特に好ましい。上限値以下であれば錠剤の崩壊性が良好となる。下限値は特に限定しないが、0.5質量%以上であれば、(b−1)成分の反応を効果的に遅延させることができ、スクラルファートのゲル化能を確保することができる。
また、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))は、8%以下であり、7%以下が好ましく、6%以下がより好ましい。下限値は、0.5%以上が好ましく、0.7%以上がより好ましい。上記割合が、8%を超えると、目的とする崩壊性を得ることができない。上記割合が、下限値以上であれば制酸剤の溶出制御効果がより十分に得られる。
(b−3)崩壊剤
本発明では、(B)制酸剤含有粒子に更に(b−3)崩壊剤を含有することにより、保存後における制酸剤の溶出性低下を抑制することができる。
(b−3)成分としては、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、これらの中でも、膨潤性と圧縮成形性を兼ね備えるトウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
(B)成分中に存在する(b−3)成分の含有量は、錠剤中0.1〜10.0質量%が好ましく、1.0〜8.0質量%がより好ましく、1.5〜7.5質量%が特に好ましい。上記割合を下限以上とすることで保存後の制酸力が持続し、上限以下とすることでpH3に到達する時間を長くすることができる。
また、(b−3)成分を(B)成分に配合する場合、(b−1)成分の含有量に対する(b−3)成分の含有量の割合(100×(b−3)/(b−1)(%))は、4〜20%が好ましく、6〜12%がより好ましい。上記割合を下限以上とすることで保存後の制酸力が持続し、上限以下とすることでpH3に到達する時間を長くすることができる。
本発明の錠剤には、本発明の効果を阻害しない範囲でその他の添加剤(任意成分)を適宜配合することができる。当該添加剤としては、例えば、結合剤、崩壊剤等の賦形剤、滑沢剤、香料、及び矯味剤(甘味料、酸味料等)等が挙げられる。また、上記(b−1)成分を(B)制酸剤含有粒子とは別にその他の添加剤(任意成分)として配合することもできる。これらの成分は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
結合剤としては、澱粉、アルファー化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム末、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、プルラン、及びデキストリン等が挙げられる。
崩壊剤としては、上記(b−3)成分で例示したものと同様のものを挙げることができ、具体的には、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロース等が挙げられ、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。
なお、上記崩壊剤は、上述した(b−3)成分として(B)制酸剤含有粒子中に配合しても、当該(B)成分の粒子中に配合しないで、その他の添加剤として錠剤中に配合してもよく、更には、一部を(B)成分の粒子中に配合し、残りを添加剤として錠剤中に配合してもよい。
上記崩壊剤の含有量は、(B)成分に(b−3)成分を含有しない場合、錠剤中1.0〜7.0質量%が好ましく、2.0〜5.0質量%がより好ましい。
また、(b−3)成分と共に添加剤としての崩壊剤を含有する場合、その総量は、錠剤中2.0〜15.0質量%が好ましく、4.0〜11.0質量%がより好ましい。この場合、添加剤としての崩壊剤の含有量に対する(b−3)成分の含有量の割合(100×(b−3)/添加剤(%))は、8.0〜200.0%が好ましく、50.0〜180.0%がより好ましい。下限以上とすることで、錠剤の崩壊性が向上し、服用時の効果感が高まる。上限以下とすることで、1錠あたりの錠剤質量が小さくなるため、服用性が向上する。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸、及びショ糖脂肪酸エステル等が挙げられる。上記滑沢剤の含有量は、錠剤中0.5質量%以上が好ましく、0.5〜5.0質量%がより好ましい。上限以下とすることで、混合性や打錠適正が良好となる。
その他の賦形剤としては、乳糖、コーンスターチ、タルク、結晶セルロース(アビセル等)、粉糖、マンニトール、軽質無水ケイ酸、及びL−システイン等が挙げられる。上記その他の賦形剤の含有量は、錠剤中0.5〜10.0質量%が好ましく、1.0〜5.0質量%がより好ましい。
香料としては、粉末香料を好適に使用でき、例えば、メントール、リモネン、及び植物精油(ハッカ油、ミント油、ライチ油、オレンジ油、レモン油など)をアラビアゴムやデキストリン等で倍散させた粉末香料を例示することができる。
甘味料としては、サッカリンナトリウム、アスパルテーム、ステビア、グリチルリチン酸二カリウム、アセスルファムカリウム、ソーマチン、及びスクラロース等が挙げられる。
酸味料としては、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、乳酸、及びこれらの塩等が挙げられる。
任意成分として使用できる(b−1)成分の具体例としては、前述したものと同様のものが挙げられる。
[製造方法]
本発明の錠剤は、上述した(A)スクラルファート、(B)制酸剤含有粒子、及びその他の成分を混合し、得られた混合物(混合粉体)を打錠することにより得ることができる。本発明では、各成分を一括混合、あるいは逐次混合して混合粉体とすることができるが、制酸剤の溶出制御効果をより高める観点から、(B)制酸剤含有粒子は予め(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有する粒子とを混合し、(b−1)成分及び(b−2)成分を含有する(B)成分を作製する造粒工程(予備混合工程)を経ることが好ましい。上記造粒工程を経ることで、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した状態、より好ましくは溶融固着した状態の(B)成分を容易かつ確実に作製することができる。なお、得られる(B)成分の粒子は、単独で存在していても、複数個が凝集した状態で存在していてもよい。
また、上記造粒工程において、上記(b−1)及び(b−2)成分に加えて、更に(b−3)崩壊剤を配合することが好ましい。この場合、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分及び(b−3)成分が付着した状態、より好ましくは溶融固着した(b−2)成分と共に(b−3)成分が付着した状態の(B)成分が得られる。
(B)成分に(b−3)成分を配合することで、錠剤の保存中に(b−2)成分が(b−1)成分の表面上を移動して、(b−1)成分の表面全体が(b−2)成分に覆われた状態になってしまった場合でも、その表面に(b−3)成分が付着していることにより(b−1)成分への導水性が確保されるため、(b−1)成分の溶出制御効果や制酸力持続時間の経時安定性を十分に得ることができる。(B)成分の粒子同士及び他配合成分と凝集物を形成し、保存中に固化した状態になってしまった場合であっても、固化した粒子内部に(b−3)成分が混ぜ込まれていることにより、(B)成分の粒子内部への導水性が確保されるため、同様に、(b−1)成分の溶出制御効果や制酸力持続時間の経時安定性を十分に得ることができる。
本発明では、上記の造粒工程を経ることで、制酸剤の溶出制御効果をより高めるだけでなく、従来のコーティング処理を採用した場合に比較して、錠剤の製造時間を短縮することが可能となる。
本発明において、(b−1)成分の表面に(b−2)成分が溶融固着した状態とは、混合中に、熱により全部又は一部が溶融した(b−2)成分が、(b−1)成分の表面に付着して馴染んだ後、冷却されて固まることによって(b−1)成分の表面の全部又は一部に強固に付着した状態をいう。
以下、本発明の錠剤の製造方法の一例について工程ごとに詳細に説明する。
<(b−1)〜(b−3)成分の造粒工程>
造粒工程は、各成分を混合する前に、予め(b−1)成分と(b−2)成分とを混合する工程、又は必要に応じて更に(b−3)成分を加えて混合する工程である。この工程では、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が溶融固着した状態の(B)制酸剤含有粒子が得られる。また、更に(b−3)成分を配合した場合は、(b−1)成分の表面に(b−2)成分と共に(b−3)成分が付着した粒子が得られる。上記(B)成分を作製する方法としては、公知の造粒方法を用いればよく、湿式造粒法、乾式造粒法のいずれも用いることができる。
湿式造粒法としては、例えば、(b−1)成分と(b−2)成分、必要に応じて(b−3)成分を加えて、結合剤を含有する水性液を添加しながら造粒する方法が挙げられる。その際、必要に応じてさらに他の成分を添加してもよい。湿式造粒法として具体的には、流動層造粒法、攪拌造粒法、押出し造粒法、転動造粒法、捏和・破砕造粒等が挙げられる。これらの中でも、流動層造粒法又は攪拌造粒法が特に好ましい。流動層造粒法による造粒体の製造は、例えば、流動造粒装置(例えば、(株)パウレック製のWSG、フロンイント産業(株)製のフローコーター等)を用いて、上記水性液を噴霧しながら造粒することにより実施できる。攪拌造粒法による造粒体の製造は、例えば、攪拌造粒機(例えば、深江パウテック(株)製のハイスピードミキサー、(株)パウレック製のバーチカルグラニュレーター)を用いて、上記水性液を噴霧又は滴下しながら攪拌錬合して造粒することにより実施できる。
上記で得られた造粒体は、乾燥処理を行うことが好ましい。乾燥処理としては、流動乾燥機を用いてもよいし、棚型の乾燥機を用いてもよい。乾燥処理により上記(b−2)成分を溶融させて上記(b−1)成分の粒子表面を被覆することができる。加熱温度は、使用する(b−2)成分の溶融温度に応じて適宜設定し得るが、好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜120℃の範囲とすることができる。下限値以上の温度であれば(b−2)成分の溶融が促進され、(b−1)成分の粒子により早く馴染ませることができる。また、上限値以下であれば(b−2)成分の熱劣化や焼灼が生じにくくなり、安定的に配合できる。
造粒後、得られた造粒体に対し、体積平均粒子径や粒度分布を整えるための整粒処理(粉砕、篩過等)を行ってもよい。整粒処理は、上記乾燥処理の前に行ってもよく、上記乾燥処理の後に行ってもよいが、上記乾燥処理の前と後両方行うことで、体積平均粒子径や粒度分布のバラツキが少なくなるため好ましい。
乾式造粒法としては、例えば、圧縮法や混合法が挙げられる。乾式圧縮法としては、例えばフロイント産業(株)製のローラーコンパクター等を用いる造粒方法が挙げられ、圧縮だけでなく、圧縮成型時に発生する熱により上記(b−2)成分を溶融させて上記(b−1)成分の粒子表面を被覆できる。また混合法としては、一般的に用いられる混合機だけでなく、攪拌型流動(転動)造粒装置、攪拌造粒機等を用いて混合する方法が挙げられる。混合機としては、例えば、ボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製)や、V型混合機(ダルトン(株)製)、リボンミキサー((株)ダルトン製)等が挙げられる。攪拌型流動造粒(転動)装置としてはマルチプレックス((株)パウレック製)やスパイラフロー(フロイント産業(株)製)等が挙げられる。攪拌造粒機としては、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製)やバーチカルグラニュレーター((株)パウレック製)、高速攪拌造粒機((株)ダルトン製)等が挙げられる。これら混合法では、加熱もしくは混合時に発生する熱により上記(b−2)成分を溶融させて上記(b−1)成分の粒子表面を被覆することができる。加熱温度は、使用する(b−2)成分の溶融温度に応じて適宜設定し得るが、好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜120℃の範囲とすることができる。下限値以上の温度であれば(b−2)成分の溶融が促進され、(b−1)成分の粒子により早く馴染ませることができる。また、上限値以下であれば(b−2)成分の熱劣化や焼灼が生じにくくなり、安定的に配合できる。
本発明において、上記造粒工程はいずれの方法であっても、加熱もしくは混合時に発生する熱により上記(b−2)成分を溶融させて上記(b−1)成分の粒子表面を被覆することにより、必要とするコーティング量が少量で済み、錠剤を小さく保つことができる。
<混合工程>
混合工程は、上記造粒工程で作製した(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファートと、必要に応じて任意成分とを混合し、混合粉体を得る工程である。混合には、一般的に用いられる混合機を用いることができる。混合機としては、例えば、ボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製)や、V型混合機((株)ダルトン製)、リボンミキサー((株)ダルトン製)等が挙げられる。全成分を混合容器に投入し混合することもできるし、一部の成分を混合した後、更に他の成分を逐次投入し混合することもできる。
<打錠工程>
打錠工程は、上記混合工程で作製した混合粉体を打錠し、錠剤を得る工程である。本発明では、公知の打錠機を使用することができ、例えば、LIBRA((株)菊水製作所製)、L−41型((株)畑鐵工所製)等のロータリー式の打錠機等を用いて打錠することにより製造することができる。
<コーティング工程>
コーティング工程は、上記で得た錠剤に対して、コーティング剤によるコーティング処理を施す工程であり、本発明では、錠剤の安定性の向上等を目的として必要に応じて行われる工程である。コーティングに用いる装置としては、一般的なものを用いることができる。例えば、ハイコーター(フロイント産業(株)製)、アクアコーター(フロイント産業(株)製)等のパン型コーティング装置を用いることができる。コーティング剤としては、錠剤の崩壊性を著しく損なわないものを選択することが好ましい。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、ポリビニルアルコール、及びポリアクリル酸等の高分子化合物;砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、乳糖及びその水和物、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、及び還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)等の糖類;還元イソマルツロース、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、及びマンニトール等の糖アルコール等が挙げられる。また、分散性を著しく損なわなければOpadry(日本カラコン合同会社製)等の市販のプレミックス品を用いてもよい。これらのコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。コーティング剤の使用量は、錠剤100質量部に対し、0.1〜20質量部程度とすることが好ましい。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」は質量%、比率は質量比を示す。なお、以下の実施例で用いたスクラルファート(富士化学工業(株)製、「スクラルファート水和物」)には12質量%、ストマクシン(富士化学工業(株)製)には13質量%の水分が含まれる。
[実施例1、3〜7]
表1に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと(b−2)パーム硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合して、(B)制酸剤含有粒子を得た。次いで、この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに60分を要した。
[実施例2]
表1に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと(b−2)ナタネ硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度60℃の条件で約10分間混合して、(B)制酸剤含有粒子を得た。次いで、この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[実施例8]
表2に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと、(b−2)ナタネ硬化油と、(b−3)低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを投入し、アジテーター500rpm、1.8%HPC溶液を添加しながら造粒した。次いで、得られた湿式粉体を流動層造粒機(パウレック(株)製、MP−01)で90℃、約40分乾燥させ、(B)制酸剤含有粒子を得た。この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸カルシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに90分を要した。
[比較例1]
表3に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に結晶セルロースと(b−2)パーム硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合した。次いで、得られた制酸剤含有粒子と(A)成分及びその他成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例2]
表3に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと(b−2)パーム硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合し、次いで、得られた制酸剤含有粒子と(A)成分及びその他成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm(2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[比較例3]
表3に示す組成に基づき、流動層造粒機(パウレック(株)製、MP−01型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムを投入し、5%メチルセルロース水溶液を噴霧し(噴霧液速度5g/min)、合計300gの粉体を得た。この粉体と(A)成分及びその他成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧6kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに240分を要した。
[比較例4]
表3示す組成に基づき、ステアリン酸マグネシウムを除く全成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[実施例9〜21]
表4〜表6に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)、(b−2)及び(b−3)成分を投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合して、(b−1)〜(b−3)成分を含有する(B)制酸剤含有粒子を得た。次いで、この(B)成分と、(A)成分とをボーレコンテナミキサー(ボーレ寿工業(株)社製、20L LM-20型)で30分間混合後、その他の成分(ステアリン酸マグネシウム等)を加えて5分間混合後、合計が3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)で打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
[実施例22〜26]
表7に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー((株)アーステクニカ製、FS25型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと、(b−2)ナタネ硬化油と、(b−3)低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを投入し、アジテーター300rpm、1.8%HPC溶液を添加しながら造粒した。次いで、得られた湿式粉体を流動層造粒機(フロイント産業(株)製、FL−05)で90℃、約40分乾燥させ、整粒機((株)パウレック製、クアドロコーミル197型)で整粒し(B)制酸剤含有粒子を得た。この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸カルシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに110分を要した。
上記で得られた錠剤について、下記評価を行った。結果を表1〜7に示す。
なお、ケイ酸アルミン酸マグネシウムは7質量%の水分を含有しているため、表中、カッコ内に乾燥物換算量での質量及び比率を示した。
[崩壊性]
第16改正日本薬局方の崩壊試験法に基づき、製造直後の錠剤の崩壊性を評価した。試験はいずれもn=6で行い、評価にはその平均値を用いた。本発明では3未満を合格とした。
[スクラルファートのタンパク質結合能]
200mlの試験ビーカーに、日本薬局方溶出試験第1液を50ml入れた。そこに上記で得た錠剤を3錠投入し、水溶液のpHが3に到達するまでの時間を計測した。なお、評価中、ビーカー内の水溶液は、スターラーを用いて300rpmで撹拌され、その液温は37±2℃になるように温度管理された。
なお、スクラルファートのタンパク質結合能は、pH3以下の水溶液において、30秒で約70質量%(投入されたスクラルファートの70質量%がタンパク質に結合することを意味する)、1分で80質量%以上になる。つまり、錠剤を投入してから、制酸剤の溶出によって水溶液のpHが3に到達するまでの時間が30秒以上確保できれば、スクラルファートは胃内でゲル化し、十分な量が胃粘膜のタンパク質と結合することとなる。
詳細な条件は以下の通りである。
試験液:日本薬局方溶出試験第1液(37℃±2℃)
試験液量:50mL
試験ビーカー:100mL、胴外形φ60mmビーカー
攪拌子:30mm×φ8mm
攪拌回転数:300rpm
試料数(錠剤数):3錠
[制酸力持続時間(フックス変法試験法)]
制酸力持続時間は、回転計付磁気撹拌器、恒温機能付ウォーターバス、pH計及び自記記録計からなる装置を用いて以下の手順で測定することにより行った。
(1)0.1N−塩酸溶液(f=1.00)50mlの入ったビーカーを恒温槽(37±2℃)に浸し、撹拌子(300回転/分)で撹拌した。
(2)上記で得た錠剤を3錠投入し、直ちにpHメーター接続の自記記録計及びストップウォッチを作動させた。
(3)上記自記記録計及びストップウォッチを作動させてから正確に10分後、0.1N−塩酸溶液を2ml/分をマイクロポンプでビーカーに注加した。
(4)pH3.0の持続時間を記録した。
なお、当該試験は、必要に応じて、製造初期の錠剤と、後述する条件で2週間保存した後の錠剤について実施した。
[苛酷・加速保存]
実施例、比較例で作製した錠剤をPTP包装し、アルミピローに入れ、50℃、75%RHの恒温槽にて2週間保存した。
Figure 0006984160
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Figure 0006984160
Figure 0006984160
Figure 0006984160
上記例で使用した原料を下記に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
Figure 0006984160

Claims (9)

  1. (A)スクラルファートと、(B)制酸剤含有粒子とを含有する錠剤であって、上記(B)制酸剤含有粒子が、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)パーム硬化油、ナタネ硬化油、硬化ヒマシ油、及びカルナウバロウからなる群から選ばれる化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下である錠剤。
  2. (B)成分が、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した粒子である請求項1記載の錠剤。
  3. (b−2)成分の含有量が、錠剤中4質量%以下である請求項1又は2記載の錠剤。
  4. (b−1)成分の含有量が、錠剤中6〜65質量%である請求項1〜3のいずれか1項記載の錠剤。
  5. 更に、(B)制酸剤含有粒子に(b−3)崩壊剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の錠剤。
  6. (b−1)成分の含有量に対する(b−3)成分の含有量の割合(100×(b−3)/(b−1)(%))が、4〜20%である請求項5記載の錠剤。
  7. (b−3)成分が、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれるものである請求項5又は6記載の錠剤。
  8. (A)スクラルファートと、(B)下記(b−1)成分及び(b−2)成分
    (b−1)制酸剤粒子
    (b−2)パーム硬化油、ナタネ硬化油、硬化ヒマシ油、及びカルナウバロウからなる群から選ばれる化合物1種以上を含有する制酸剤含有粒子と
    を含有する錠剤の製造方法であって、上記(b−1)成分及び(b−2)成分を混合して、(b−1)成分及び(b−2)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする錠剤の製造方法。
  9. (B)制酸剤含有粒子が、更に(b−3)崩壊剤を含有するものであり、
    上記(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を混合して、(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の錠剤の製造方法。
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