JP2018016617A - 錠剤及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
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[1](A)スクラルファートと、(B)制酸剤含有粒子とを含有する錠剤であって、上記(B)制酸剤含有粒子が、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下である錠剤。
[2](B)成分が、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した粒子である[1]の錠剤。
[3](b−2)成分の含有量が、錠剤中4質量%以下である[1]又は[2]の錠剤。
[4](b−2)成分が、パーム硬化油、ナタネ硬化油、硬化ヒマシ油、及びカルナウバロウからなる群から選ばれるものである[1]〜[3]のいずれかの錠剤。
[5]更に、(B)制酸剤含有粒子に(b−3)崩壊剤を含有する[1]〜[4]のいずれかの錠剤。
[6](b−1)成分の含有量に対する(b−3)成分の含有量の割合(100×(b−3)/(b−1)(%))が、4〜20%である[5]の錠剤。
[7](b−3)成分が、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれるものである[5]又は[6]の錠剤。
[8](A)スクラルファートと、(B)下記(b−1)成分及び(b−2)成分
(b−1)制酸剤粒子
(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上を含有する制酸剤含有粒子と
を含有する錠剤の製造方法であって、上記(b−1)成分及び(b−2)成分を混合して、(b−1)成分及び(b−2)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする錠剤の製造方法。
[9](B)制酸剤含有粒子が、更に(b−3)崩壊剤を含有するものであり、
上記(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を混合して、(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする[8]の錠剤の製造方法。
本発明の錠剤は、(A)スクラルファートと、(B)制酸剤含有粒子とを含有する錠剤であって、上記(B)制酸剤含有粒子が、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下のものである。
(A)スクラルファート(ショ糖オクタ硫酸エステルアルミニウム塩)は、消化管内において、胃酸によって生体接着性のゲルを形成して消化管粘膜に付着し、局所的保護バリヤーをもたらす。炎症あるいは潰瘍部位においては、この保護バリヤーが過剰の胃酸等から消化管粘膜を保護し、生体自身の胃粘膜修復作用を促すことにより治癒効果を発揮する。
(B)制酸剤含有粒子は、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下である粒子であり、好ましくは(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した粒子である。また、より好ましくは更に(b−3)崩壊剤を含有するものである。
以下、(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分について詳細に説明する。
(b−1)制酸剤粒子の制酸剤としては、例えば、ケイ酸アルミン酸マグネシウム(250mL)、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム(230mL)、水酸化マグネシウム(340mL)、酸化マグネシウム(480mL)、水酸化アルミナマグネシウム(300mL)、合成ヒドロタルサイト(290mL)、炭酸マグネシウム(210mL)、炭酸カルシウム(200mL)、及び水酸化カルシウム(260mL)が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。本発明では、これらの中でもケイ酸アルミン酸マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化アルミナマグネシウム、及び合成ヒドロタルサイト等を好適に使用することができる。なお、制酸剤とは、日本薬局方(第16局)の制酸力試験法によって求められる制酸力が200mL以上であるものをいう。日本薬局方(第16局)の制酸力試験法によって求められる制酸力とは、1g当たりの0.1mol/L塩酸の消費量(mL)で示される。また、上記制酸剤に付された括弧内の数値は制酸力を示す。
(b−2)成分は、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物であり、本発明では、これら化合物の中から少なくとも1種が使用される。なお、本発明において「高級脂肪酸」とは、炭素数が6以上の脂肪酸を意味し、「高級アルコール」とは、炭素数が6以上のアルコールを意味する。高級脂肪酸としては、炭素数6〜30の脂肪酸が好ましい。高級アルコールとしては、炭素数6〜30の1価又は2価のアルコールが好ましい。
本発明では、(B)制酸剤含有粒子に更に(b−3)崩壊剤を含有することにより、保存後における制酸剤の溶出性低下を抑制することができる。
本発明の錠剤は、上述した(A)スクラルファート、(B)制酸剤含有粒子、及びその他の成分を混合し、得られた混合物(混合粉体)を打錠することにより得ることができる。本発明では、各成分を一括混合、あるいは逐次混合して混合粉体とすることができるが、制酸剤の溶出制御効果をより高める観点から、(B)制酸剤含有粒子は予め(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有する粒子とを混合し、(b−1)成分及び(b−2)成分を含有する(B)成分を作製する造粒工程(予備混合工程)を経ることが好ましい。上記造粒工程を経ることで、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した状態、より好ましくは溶融固着した状態の(B)成分を容易かつ確実に作製することができる。なお、得られる(B)成分の粒子は、単独で存在していても、複数個が凝集した状態で存在していてもよい。
造粒工程は、各成分を混合する前に、予め(b−1)成分と(b−2)成分とを混合する工程、又は必要に応じて更に(b−3)成分を加えて混合する工程である。この工程では、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が溶融固着した状態の(B)制酸剤含有粒子が得られる。また、更に(b−3)成分を配合した場合は、(b−1)成分の表面に(b−2)成分と共に(b−3)成分が付着した粒子が得られる。上記(B)成分を作製する方法としては、公知の造粒方法を用いればよく、湿式造粒法、乾式造粒法のいずれも用いることができる。
混合工程は、上記造粒工程で作製した(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファートと、必要に応じて任意成分とを混合し、混合粉体を得る工程である。混合には、一般的に用いられる混合機を用いることができる。混合機としては、例えば、ボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製)や、V型混合機((株)ダルトン製)、リボンミキサー((株)ダルトン製)等が挙げられる。全成分を混合容器に投入し混合することもできるし、一部の成分を混合した後、更に他の成分を逐次投入し混合することもできる。
打錠工程は、上記混合工程で作製した混合粉体を打錠し、錠剤を得る工程である。本発明では、公知の打錠機を使用することができ、例えば、LIBRA((株)菊水製作所製)、L−41型((株)畑鐵工所製)等のロータリー式の打錠機等を用いて打錠することにより製造することができる。
コーティング工程は、上記で得た錠剤に対して、コーティング剤によるコーティング処理を施す工程であり、本発明では、錠剤の安定性の向上等を目的として必要に応じて行われる工程である。コーティングに用いる装置としては、一般的なものを用いることができる。例えば、ハイコーター(フロイント産業(株)製)、アクアコーター(フロイント産業(株)製)等のパン型コーティング装置を用いることができる。コーティング剤としては、錠剤の崩壊性を著しく損なわないものを選択することが好ましい。具体的には、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、メチルセルロース、及びエチルセルロース等のセルロース類;アラビアゴム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルピロリドン、クロスポビドン、ポリビニルアルコール、及びポリアクリル酸等の高分子化合物;砂糖(グラニュー糖等)、乳糖、麦芽糖、キシロース、乳糖及びその水和物、水飴、異性化糖類、オリゴ糖、スクロース、トレハロース、及び還元澱粉糖化物(還元澱粉分解物)等の糖類;還元イソマルツロース、ソルビトール、ラクチトール、エリスリトール、キシリトール、還元澱粉糖化物、マルチトール、及びマンニトール等の糖アルコール等が挙げられる。また、分散性を著しく損なわなければOpadry(日本カラコン合同会社製)等の市販のプレミックス品を用いてもよい。これらのコーティング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。コーティング剤の使用量は、錠剤100質量部に対し、0.1〜20質量部程度とすることが好ましい。
表1に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと(b−2)パーム硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合して、(B)制酸剤含有粒子を得た。次いで、この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに60分を要した。
表1に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと(b−2)ナタネ硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度60℃の条件で約10分間混合して、(B)制酸剤含有粒子を得た。次いで、この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
表2に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと、(b−2)ナタネ硬化油と、(b−3)低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを投入し、アジテーター500rpm、1.8%HPC溶液を添加しながら造粒した。次いで、得られた湿式粉体を流動層造粒機(パウレック(株)製、MP−01)で90℃、約40分乾燥させ、(B)制酸剤含有粒子を得た。この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸カルシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに90分を要した。
表3に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に結晶セルロースと(b−2)パーム硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合した。次いで、得られた制酸剤含有粒子と(A)成分及びその他成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
表3に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと(b−2)パーム硬化油とを投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合し、次いで、得られた制酸剤含有粒子と(A)成分及びその他成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm(2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
表3に示す組成に基づき、流動層造粒機(パウレック(株)製、MP−01型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムを投入し、5%メチルセルロース水溶液を噴霧し(噴霧液速度5g/min)、合計300gの粉体を得た。この粉体と(A)成分及びその他成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧6kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに240分を要した。
表3示す組成に基づき、ステアリン酸マグネシウムを除く全成分をボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸マグネシウムを加えて5分混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
表4〜表6に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー(深江パウテック(株)製、2型)に(b−1)、(b−2)及び(b−3)成分を投入し、アジテーター500rpm、ジャケット温度50℃の条件で約10分間混合して、(b−1)〜(b−3)成分を含有する(B)制酸剤含有粒子を得た。次いで、この(B)成分と、(A)成分とをボーレコンテナミキサー(ボーレ寿工業(株)社製、20L LM-20型)で30分間混合後、その他の成分(ステアリン酸マグネシウム等)を加えて5分間混合後、合計が3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)で打錠し(打錠圧12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。
表7に示す組成に基づき、ハイスピードミキサー((株)アーステクニカ製、FS25型)に(b−1)ケイ酸アルミン酸マグネシウムと、(b−2)ナタネ硬化油と、(b−3)低置換度ヒドロキシプロピルセルロースとを投入し、アジテーター300rpm、1.8%HPC溶液を添加しながら造粒した。次いで、得られた湿式粉体を流動層造粒機(フロイント産業(株)製、FL−05)で90℃、約40分乾燥させ、整粒機((株)パウレック製、クアドロコーミル197型)で整粒し(B)制酸剤含有粒子を得た。この(B)制酸剤含有粒子と、(A)スクラルファート及びその他成分とをボーレコンテナミキサー(寿工業(株)製、20L LM−20型)で30分間混合後、更にステアリン酸カルシウムを加えて5分間混合し、合計3kgの混合粉体を得た。この混合粉体をロータリー式の打錠機((株)菊水製作所製、LIBRA2)、φ9.5mm標準2段Rの杵を用いて打錠し(12kN)、直径9.5mm、2段R(R1=10、R2=3.8、キャップ高さ=1.5mm)、1錠約400mgの錠剤を得た。なお、最初の成分調製開始から錠剤を得るまでに110分を要した。
なお、ケイ酸アルミン酸マグネシウムは7質量%の水分を含有しているため、表中、カッコ内に乾燥物換算量での質量及び比率を示した。
第16改正日本薬局方の崩壊試験法に基づき、製造直後の錠剤の崩壊性を評価した。試験はいずれもn=6で行い、評価にはその平均値を用いた。本発明では3未満を合格とした。
200mlの試験ビーカーに、日本薬局方溶出試験第1液を50ml入れた。そこに上記で得た錠剤を3錠投入し、水溶液のpHが3に到達するまでの時間を計測した。なお、評価中、ビーカー内の水溶液は、スターラーを用いて300rpmで撹拌され、その液温は37±2℃になるように温度管理された。
なお、スクラルファートのタンパク質結合能は、pH3以下の水溶液において、30秒で約70質量%(投入されたスクラルファートの70質量%がタンパク質に結合することを意味する)、1分で80質量%以上になる。つまり、錠剤を投入してから、制酸剤の溶出によって水溶液のpHが3に到達するまでの時間が30秒以上確保できれば、スクラルファートは胃内でゲル化し、十分な量が胃粘膜のタンパク質と結合することとなる。
詳細な条件は以下の通りである。
試験液:日本薬局方溶出試験第1液(37℃±2℃)
試験液量:50mL
試験ビーカー:100mL、胴外形φ60mmビーカー
攪拌子:30mm×φ8mm
攪拌回転数:300rpm
試料数(錠剤数):3錠
制酸力持続時間は、回転計付磁気撹拌器、恒温機能付ウォーターバス、pH計及び自記記録計からなる装置を用いて以下の手順で測定することにより行った。
(1)0.1N−塩酸溶液(f=1.00)50mlの入ったビーカーを恒温槽(37±2℃)に浸し、撹拌子(300回転/分)で撹拌した。
(2)上記で得た錠剤を3錠投入し、直ちにpHメーター接続の自記記録計及びストップウォッチを作動させた。
(3)上記自記記録計及びストップウォッチを作動させてから正確に10分後、0.1N−塩酸溶液を2ml/分をマイクロポンプでビーカーに注加した。
(4)pH3.0の持続時間を記録した。
なお、当該試験は、必要に応じて、製造初期の錠剤と、後述する条件で2週間保存した後の錠剤について実施した。
実施例、比較例で作製した錠剤をPTP包装し、アルミピローに入れ、50℃、75%RHの恒温槽にて2週間保存した。
Claims (9)
- (A)スクラルファートと、(B)制酸剤含有粒子とを含有する錠剤であって、上記(B)制酸剤含有粒子が、(b−1)制酸剤粒子と、(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上とを含有し、(b−1)成分の含有量に対する(b−2)成分の含有量の割合(100×(b−2)/(b−1)(%))が8%以下である錠剤。
- (B)成分が、(b−1)成分の表面の一部に(b−2)成分が付着した粒子である請求項1記載の錠剤。
- (b−2)成分の含有量が、錠剤中4質量%以下である請求項1又は2記載の錠剤。
- (b−2)成分が、パーム硬化油、ナタネ硬化油、硬化ヒマシ油、及びカルナウバロウからなる群から選ばれるものである請求項1〜3のいずれか1項記載の錠剤。
- 更に、(B)制酸剤含有粒子に(b−3)崩壊剤を含有する請求項1〜4のいずれか1項記載の錠剤。
- (b−1)成分の含有量に対する(b−3)成分の含有量の割合(100×(b−3)/(b−1)(%))が、4〜20%である請求項5記載の錠剤。
- (b−3)成分が、トウモロコシデンプン、部分アルファー化デンプン、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスポビドン及び低置換度ヒドロキシプロピルセルロースから選ばれるものである請求項5又は6記載の錠剤。
- (A)スクラルファートと、(B)下記(b−1)成分及び(b−2)成分
(b−1)制酸剤粒子
(b−2)高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル、植物油及びその水素添加油、動物油及びその水素添加油、高級脂肪酸、及び高級アルコールからなる群から選ばれる融点が40℃以上の化合物1種以上を含有する制酸剤含有粒子と
を含有する錠剤の製造方法であって、上記(b−1)成分及び(b−2)成分を混合して、(b−1)成分及び(b−2)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする錠剤の製造方法。 - (B)制酸剤含有粒子が、更に(b−3)崩壊剤を含有するものであり、
上記(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を混合して、(b−1)成分、(b−2)成分及び(b−3)成分を含有する(B)成分を作製する工程を含むことを特徴とする請求項8記載の錠剤の製造方法。
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