JP6983964B1 - 船舶 - Google Patents
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Abstract
Description
(船舶の全体構成)
以下、本開示の実施形態に係る船舶について、図1〜図4を参照して説明する。
図1、図2に示すように、この実施形態の船舶1は、船舶本体2と、タンク10と、散水設備20と、水回収設備30と、を備えている。船舶1の船種は、特定のものに限られない。船舶1の船種は、例えば液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等を例示できる。
船舶本体2は、船体3と、上部構造4と、を備えている。
船体3は、その外殻をなす、一対の舷側5A,5Bと、船底6と、を有している。舷側5A,5Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を備える。船底6は、これら舷側5A,5Bを接続する船底外板を備える。これら一対の舷側5A,5B及び船底6により、船体3の外殻は、船首尾方向FAに直交する断面において、U字状を成している。
タンク10は、液化アンモニアを貯留する。液化アンモニアは、燃料として、船体3内に設けられた主機や発電機に、供給配管系統(図示無し)を通して送られる。タンク10は、船体3の上甲板7の上方に設けられている。本開示の実施形態において、タンク10は、上部構造4に対し、船首尾方向FAの船尾3b側に設けられている。また、上甲板7上には、燃料機器室11が設けられている。燃料機器室11には、タンク10内の液化アンモニアをガス化するための各種の機器(図示無し)等が収容されている。また、タンク10の上部には、タンクコネクションスペース12が設けられている。タンクコネクションスペース12には、例えば、タンク10内に液化アンモニアを搭載する際に用いられるポンプやバルブ(図示無し)等が設けられている。
また、船舶本体2には、船舶1の乗客や乗員が避難をする際に通る避難経路として用いられる通路100が設けられている。通路100は、上部構造4内の廊下や、ある程度の広さを有したマスターステーション等のスペース、ライフボート9に乗り込む際に通る経路、上甲板7等に設けられている。
なお、この散水設備20は、火災発生時用のスプリンクラー等として用いることもできる。
水貯留部34では、外部から別途取り入れた海水等によってアンモニアの濃度を下げる処理や、中和処理等を行ってもよい。さらに、例えば満水になるなど、水貯留部34の水位に応じて開閉弁32V、35Vの開閉切替操作をして、回収管31Bを流れる水を船舶1外に排出するようにしてもよい。また、開閉弁32V、35Vの開閉切替操作は、遠隔操作ではなく乗員の判断で行うことも可能である。
上記第一実施形態において、散水部21Aは、配管21pと、複数の水吹出部22と、を備えているようにしたが、これに限られない。
例えば、図5、図6に示すように、この第一変形例の散水設備20の散水部21Bは、通路100の上方に設けられた天井45の幅方向Dsの両側に、それぞれ設けられている。各散水部21Bは、樋23を備えている。樋23は、通路100の延伸方向Deに延び、その内側を水が流れる。樋23は、その上部又は側部に、延伸方向Deに連続する開口又はスリット23sを有している。樋23は、開口又はスリット23sから水が下方に流れ落ちる。樋23から流れ落ちる水流F3は、膜状となる。これにより、散水部21Bは、通路100の幅方向Dsの中央部100cと側部100sとのうち、側部100sのみに水を散水可能である。
また、上記第一実施形態において、散水部21Aは、通路100の幅方向Dsの両側に設けられるようにしたが、これに限られない。
例えば、図7に示すように、散水設備20の散水部21Cは、通路100の幅方向Dsの中央部100cの上方に設けられている。散水部21Cは、配管21qと、複数の水吹出部24と、を備えている。配管21qは、通路100の延伸方向De(図7の紙面に直交する方向)に延びている。複数の水吹出部24は、配管21qに、通路100の延伸方向Deに間隔を開けて設けられている。各水吹出部24は、ノズル状で、配管21q内を流れる水を、幅方向Dsで斜め下方に向かって吹き出す。複数の水吹出部24は、通路100の幅方向Dsの第一側に水流F4を吹き出す第一ノズル25Aと、幅方向Dsの第二側に水流F5を吹き出す第二ノズル25Bと、を備えている。このようにして、散水部21Cは、通路100の幅方向Dsの中央部100cと側部100sとのうち、側部100sのみに水を散水可能である。
次に、この発明に係る船舶の第二実施形態について説明する。以下に説明する第二実施形態においては、第一実施形態と散水部21Dの構成のみが異なるので、第一実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複説明を省略する。
図8に示すように、船舶1に設けられた散水設備20は、散水部21Dを備えている。散水部21Dは、通路100の幅方向Dsの第一側に設けられた壁46に設けられている。散水部21Dは、通路100の上部に設けられている。各散水部21Dは、上記第一実施形態の散水部21Aと同様、配管21pと、複数の水吹出部22Dと、を備えている。配管21pは、通路100の延伸方向De(図8の紙面に直交する方向)に延びている。複数の水吹出部22Dは、配管21pに、通路100の延伸方向Deに間隔を開けて設けられている。各水吹出部22Dは、ノズル状で、配管21p内を流れる水を、幅方向Dsの第二側に向かって斜め下方に吹き出し、水流F6を形成する。このようにして、散水部21Dは、通路100の幅方向Dsの中央部100cと側部100sとのうち、幅方向Dsの第二側の側部100sのみに水を散水可能である。
なお、上記実施形態では、水回収設備30を備えるようにしたが、例えば、通路100が、上甲板7上に設けられている場合、上甲板7が船幅方向Dwの中央部から舷側5A、5B側に向かって斜め下方に傾斜した水勾配を利用し、散水設備20で散水した水を、上甲板7上から舷側5A、5Bに形成された開口(図示無し)を通して船外に排出するようにしてもよい。
例えば、図9に示すように、上部構造4に対して船首3a側の上甲板7上に、タンク10やタンクコネクションスペース12を設けるようにしてもようにしてもよい。このような場合においても、アンモニアの漏洩による影響を受けると想定された領域に設定された通路100に、上記実施形態と同様の散水設備20を設ければよい。
各実施形態に記載の船舶1は、例えば以下のように把握される。
タンク10に貯留されるアンモニアは、船舶1の燃料や、船舶1で運搬する貨物である。
2…船舶本体
3…船体
3a…船首
3b…船尾
4…上部構造
5A、5B…舷側
6…船底
7…上甲板
9…ライフボート
10…タンク
11…燃料機器室
12…タンクコネクションスペース
20…散水設備
21A、21B、21C、21D…散水部
21p、21q…配管
22、22D…水吹出部
23…樋
23s…スリット
24…水吹出部
25…給水ポンプ
25A…第一ノズル
25B…第二ノズル
26…取水管
27…ポンプ作動部
30…水回収設備
31…水回収部
31A…回収トレイ
31B…回収管
32…水排出部
32V…開閉弁
34…水貯留部
35…タンク排水管
35V…開閉弁
37…弁開閉部
41〜44…上部甲板
45…天井
46…壁
100…通路
100c…中央部
100i…通路内
100o…通路外
100s…側部
FA…船首尾方向
De…延伸方向
Ds…幅方向
Dv…上下方向
Dw…船幅方向
F1、F3、F4、F5、F6…水流
F2…気流
Claims (8)
- 乗客や乗員が避難をする際に通る避難経路として用いられる通路を有する船舶本体と、
前記船舶本体に設けられて、液化アンモニアを貯留可能なタンクと、
前記タンクに接続される供給配管系統と、
前記タンク内の液化アンモニアをガス化するための機器を収容する燃料機器室と、
前記タンク内に液化アンモニアを搭載する際に用いるポンプ及びバルブが設けられたタンクコネクションスペースと、
前記通路に水を散水可能であり、前記通路の幅方向の中央部と側部とのうち、前記側部のみに水を散水可能な散水設備と、
前記タンク、前記供給配管系統、前記燃料機器室、及び前記タンクコネクションスペースのうち、少なくとも一つに設けられてアンモニアの漏れを検知するセンサーと、を備え、
前記散水設備は、前記センサーによりアンモニアの漏れを検知した場合に作動する
船舶。 - 前記散水設備は、前記通路の延伸方向に間隔を開けて複数の水吹出部を有した散水部を備える
請求項1に記載の船舶。 - 前記散水部は、前記通路の上方、かつ前記通路の幅方向の両側にそれぞれ設けられている
請求項2に記載の船舶。 - 前記散水部は、前記通路の幅方向の第一側に設けられた壁に設けられ、前記通路の幅方向の第二側に水を散水する
請求項2に記載の船舶。 - 前記通路の下方に設けられ、前記散水設備で散水された水を回収する水回収部をさらに備える
請求項1から4の何れか一項に記載の船舶。 - 前記水回収部で回収した水を、船舶外に排出する水排出部をさらに備える
請求項5に記載の船舶。 - 前記船舶本体内に設けられ、前記水回収部で回収した水を貯留する水貯留部をさらに備える
請求項5又は6に記載の船舶。 - 前記水回収部で回収した水を、船舶外に排出する水排出部と、
前記船舶本体内に設けられ、前記水回収部で回収した水を貯留する水貯留部と、
前記水回収部で回収されたアンモニアの濃度を検知する濃度センサーと、を更に備え、
前記濃度センサーにより検知されたアンモニア濃度が予め定めた基準よりも低い場合に、前記水回収部で回収した水を前記水排出部から船外に排出し、
前記濃度センサーにより検知されたアンモニア濃度が予め定めた基準よりも高い場合に、前記水回収部で回収した水を前記水貯留部に貯留する
請求項5に記載の船舶。
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