JP2024037338A - 浮体、浮体のアンモニア処理方法 - Google Patents

浮体、浮体のアンモニア処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2024037338A
JP2024037338A JP2022142115A JP2022142115A JP2024037338A JP 2024037338 A JP2024037338 A JP 2024037338A JP 2022142115 A JP2022142115 A JP 2022142115A JP 2022142115 A JP2022142115 A JP 2022142115A JP 2024037338 A JP2024037338 A JP 2024037338A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammonia
water
floating body
air washer
ventilation port
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2022142115A
Other languages
English (en)
Inventor
大祐 山田
Daisuke Yamada
隆司 雲石
Takashi Unseki
宏一 佐藤
Koichi Sato
篤史 吉田
Atsushi Yoshida
皆光 高松
Tomoteru Takamatsu
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Shipbuilding Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Shipbuilding Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Shipbuilding Co Ltd filed Critical Mitsubishi Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2022142115A priority Critical patent/JP2024037338A/ja
Priority to PCT/JP2023/032225 priority patent/WO2024053600A1/ja
Publication of JP2024037338A publication Critical patent/JP2024037338A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63JAUXILIARIES ON VESSELS
    • B63J2/00Arrangements of ventilation, heating, cooling, or air-conditioning
    • B63J2/02Ventilation; Air-conditioning
    • B63J2/08Ventilation; Air-conditioning of holds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Combustion & Propulsion (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Ocean & Marine Engineering (AREA)
  • Gas Separation By Absorption (AREA)

Abstract

Figure 2024037338000001
【課題】内部空間へのアンモニアの侵入を抑える。
【解決手段】浮体は、浮体本体と、浮体本体に設けられたアンモニア設備と、浮体の外面に露出して、浮体内の区画に連通する換気口と、換気口に設けられ、換気口内外の空気の流通を可能としながら、換気口に水を供給可能なエアワッシャと、エアワッシャに水を供給する水供給部と、アンモニア設備から大気中へのアンモニアの流出を検出可能なセンサーと、センサーによりアンモニアの流出を検出した場合に、エアワッシャを稼働させる制御装置と、エアワッシャにより使用された使用済みの水を回収する水処理部と、を備える。
【選択図】図2

Description

本開示は、浮体、浮体のアンモニア処理方法に関する。
船舶推進用の燃料や貨物として可燃性ガスを搭載する船舶では、可燃性ガスを船外の大気中に放出するためのベントポストが設けられている場合がある。
一方で、船舶推進用の燃料や貨物としてアンモニアを搭載する場合がある。このようなアンモニアを搭載する場合においても、アンモニアの圧力が過度に上昇した場合等に、ベントポストを通して、アンモニアを大気中に放出することが考えられる。
しかしながら、アンモニアは毒性が高いため、大気中に放出したアンモニアが、船体や上部構造等の内部空間に侵入することを抑えるような対策を講じておく必要がある。
例えば、特許文献1には、アンモニア冷凍装置から漏洩したアンモニアを、通風することで除外する漏洩アンモニア除外装置が開示されている。
特許第3066828号公報
しかしながら、特許文献1に記載されている漏洩アンモニア除外装置では、漏洩したアンモニアを通風することで除外しているが、このような構成を船舶に適用したとしても、ベントポストから大気中に放出されるアンモニアの量等によっては、船体や上部構造等の内部空間へのアンモニアの侵入を十分に抑えることができるとは限らない。
本開示は、上記課題を解決するためになされたものであって、内部空間へのアンモニアの侵入を抑えることができる浮体、浮体のアンモニア処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本開示に係る浮体は、浮体本体と、アンモニア設備と、換気口と、エアワッシャと、水供給部と、センサーと、制御装置と、水処理部と、を備える。前記アンモニア設備は、前記浮体本体に設けられている。前記換気口は、前記浮体本体の外面に露出している。前記換気口は、前記浮体本体内の区画に連通している。前記エアワッシャは、前記換気口に設けられている。前記エアワッシャは、前記換気口内外の空気の流通を可能としながら、前記換気口に水を供給可能である。前記水供給部は、前記エアワッシャに前記水を供給する。前記センサーは、前記アンモニア設備から大気中へのアンモニアの流出を検出可能である。前記制御装置は、前記センサーにより前記アンモニアの流出を検出した場合に、前記エアワッシャを稼働させる。前記水処理部は、前記エアワッシャにより使用された使用済みの水を回収する。
本開示に係る浮体のアンモニア処理方法は、上記したような浮体のアンモニア処理方法である。この浮体のアンモニア処理方法は、前記浮体本体に設けられた前記アンモニア設備からのアンモニアの流出が検出された場合に、前記エアワッシャを稼働させ、前記換気口内外の空気の流通を可能としながら前記換気口に水を供給する。
本開示の浮体、浮体のアンモニア処理方法によれば、内部空間へのアンモニアの侵入を抑えることができる。
本開示の実施形態に係る浮体、浮体のアンモニア処理方法の側面図である。 本開示の実施形態に係る浮体に設けられた、エアワッシャ、センサー、水処理部を示す概略構成図である。 本開示の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。 本開示の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。 本開示の実施形態に係る浮体のアンモニア処理方法の手順を示すフローチャートである。 本開示の実施形態の第一変形例に係る浮体に設けられた、エアワッシャ、センサー、水処理部を示す概略構成図である。 本開示の実施形態の第二変形例に係る浮体に設けられた、エアワッシャ、センサー、水処理部を示す概略構成図である。
以下、本開示の実施形態に係る浮体、浮体のアンモニア処理方法について、図1~図7を参照して説明する。
(浮体の構成)
図1に示すように、この実施形態の浮体1は、浮体本体2と、上部構造4と、アンモニア設備10と、を備えている。なお、本実施形態の浮体1は、主機等により航行可能な船舶を一例として説明する。浮体1の船種は、特定の船種に限られない。浮体1の船種としては、液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等を例示できる。本実施形態では浮体1が船舶である場合について説明するが、浮体1は船舶に限られず、主機等による航行が不能なFSU(Floating Storage Unit)、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)等であってもよい。
浮体本体2は、海水に浮かぶように形成されている。浮体本体2は、その外殻をなす一対の舷側5A,5Bと船底6とを有している。舷側5A,5Bは、左右舷側をそれぞれ形成する一対の舷側外板を備える。船底6は、これら舷側5A,5Bを接続する船底外板を備える。これら一対の舷側5A,5B及び船底6により、浮体本体2の外殻は、船首尾方向FAに直交する断面においてU字状を成している。
浮体本体2は、最も上層に配置される全通甲板である上甲板7を更に備えている。上部構造4は、この上甲板7上に形成されている。上部構造4内には、居住区等が設けられている。本実施形態の浮体1では、例えば、上部構造4よりも船首尾方向FAの船首2a側に、貨物を搭載するカーゴスペース(図示無し)が設けられている。
また、浮体1は、例えば、上部構造4よりも船首尾方向FAの船尾2b側に、排気管8、及びファンネル9を有している。排気管8は、浮体本体2内の機関室に設けられたエンジンからの排ガスを排出する。排気管8は、上甲板7から上方に延び得ている。ファンネル9は、上甲板7上に設けられている。排気管8は、ファンネル9内を通じて上方に延びている。
アンモニア設備10は、浮体本体2に設けられている。アンモニア設備10は、アンモニアを取扱う設備である。本実施形態では、アンモニア設備10が、アンモニアを貯留するアンモニアタンク11である場合を一例にして説明する。アンモニア設備10は、アンモニアタンク11と、放出部15と、を備えている。
アンモニアタンク11は、液体のアンモニア(言い換えれば、液化アンモニア)を貯留するタンクである。このアンモニアタンク11は、浮体本体2内のカーゴスペースに設けられている。本実施形態のアンモニアタンク11は、船首尾方向FAに間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において、アンモニアタンク11は、船首尾方向FAに間隔を空けて3つ設けられている。なお、アンモニアタンク11の設置数、配置、形状等については、何ら限定するものではなく、適宜変更可能である。
放出部15は、安全弁18と、ベントポスト19と、を備えている。
安全弁18は、複数のアンモニアタンク11の各々に設けられている。安全弁18は、アンモニアタンク11とベントポスト19とを接続する接続管17の途中に設けられている。安全弁18は、通常時においては閉状態とされ、接続管17内の流路を閉塞している。安全弁18は、アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が、予め設定された規定値以上となった場合に、開状態とされ、接続管17内の流路を開放する。安全弁18が開状態とされた場合、アンモニア設備10の内部のアンモニアは、接続管17を通し、アンモニア設備10の外部に放出される。
ベントポスト19は、上甲板7上に設けられている。ベントポスト19は、上下方向に延びる筒状に形成されている。ベントポスト19は、安全弁18から放出されたアンモニアを導いて大気中に流出させる。安全弁18から放出されたアンモニアは、ベントポスト19の上端に形成された開口19a(図2参照)から大気中に流出する。
図2は、本開示の実施形態に係る浮体に設けられた、エアワッシャ、センサー、水処理部を示す概略構成図である。
図2に示すように、浮体1は、エアワッシャ20と、水供給部30と、水処理部40と、センサー25と、制御装置60と、を更に備えている。
エアワッシャ20は、換気口100に設けられている。換気口100は、浮体1の外面に露出している。換気口100は、浮体1内の区画に連通している。本実施形態において、換気口100は、例えば、上部構造4に設けられている。換気口100は、上部構造4の外面に露出して設けられている。換気口100は、上部構造4の外部と、上部構造4内の区画(居住区画)とを連通するように形成されている。換気口100は、具体的には、換気用の空気取入口、空気調和システムの空気取入口である。換気口100は、例えば、開閉可能な窓、開閉可能な扉等であってもよい。また、換気口100は、浮体本体2内の機関室に連通するファンネル9等、浮体1の外面に露出する他の部位に設けられていてもよい。
エアワッシャ20は、水供給部30から供給される水を、換気口100に供給する。エアワッシャ20は、換気口100内外の空気の流通を可能としながら、換気口100に水を供給可能とされている。エアワッシャ20は、水供給ノズル21と、水回収トレー22と、を備えている。
水供給ノズル21は、例えば、換気口100の上方に配置されている。水供給ノズル21は、水供給部30から供給される水を、換気口100を通して上部構造4の外部から区画内の内部空間に流入する空気に対して、噴霧、噴射、滴下等によって供給する。換気口100に、アンモニアを含む空気が到達した場合、水供給ノズル21から供給される水が、空気に含まれるアンモニアと接触することで、アンモニアを回収(言い換えれば、吸収)する。アンモニアを含んだ水は、自重により、下方に落下する。
なお、エアワッシャ20は、換気口100を通して上部構造4の外部から区画内の内部空間に流入する空気に含まれるアンモニアを、水供給部30から供給される水によって除去できるのであれば、水供給ノズル21からの噴霧、噴射、滴下等に限らず、他のいかなる形式のものであってもよい。
水回収トレー22は、水供給ノズル21から噴霧、噴射、滴下等によって供給された水を回収する。水回収トレー22は、水供給ノズル21の下方に配置されている。水回収トレー22は、水回収管23を介して水処理部40に接続されている。水回収トレー22で回収された水は、水回収管23を介して水処理部40に排出される。
水供給部30は、エアワッシャ20に水を供給する。水供給部30は、供給ライン31と、ポンプ32と、第一バルブ36と、第二バルブ37と、を備えている。
供給ライン31は、外部からエアワッシャ20の水供給ノズル21に水を供給する。供給ライン31の一端は、水供給ノズル21に接続されている。供給ライン31には、例えば、浮体本体2内に設けられた水タンク(図示せず)に貯留された水(例えば、清水)、または浮体外部より取り入れられた水(例えば、海水等)が供給される。また、供給ライン31は、浮体1に設けられた空気調和システム等に水(海水)を供給する水供給系統から、水を取り入れるようにしてもよい。ポンプ32は、供給ライン31を通して、外部から水供給ノズル21に水を圧送する。
本実施形態における浮体1は、循環ライン35を更に備えている。循環ライン35は、後述する水処理部40のタンク41に回収された水を、水供給部30に供給可能とされている。循環ライン35の一端は、ポンプ32の上流側で、供給ライン31に合流接続されている。循環ライン35の他端は、タンク41に接続されている。
第一バルブ36は、供給ライン31に設けられている。第一バルブ36は、供給ライン31のうち、循環ライン35の一端が合流接続されている位置よりも上流側の供給ライン31に設けられている。第一バルブ36は、外部の水タンク、海中から供給ライン31への水の取り入れを断続する。第二バルブ37は、循環ライン35に設けられている。第二バルブ37は、タンク41からの水の循環を断続する。
水供給部30は、第一バルブ36、第二バルブ37を開閉することで、水供給ノズル21に対する水の供給源を切換可能とされている。水供給部30は、第一バルブ36を開くとともに、第二バルブ37を閉じることで、浮体本体2内に設けられた清水タンク(図示せず)の清水や、浮体本体2の浮かぶ周囲から取水した海水をエアワッシャ20に供給する。水供給部30は、第一バルブ36を閉じるとともに、第二バルブ37を開くことで、水処理部40のタンク41から循環される水を、エアワッシャ20に供給する。
水処理部40は、エアワッシャ20により使用された使用済みの水を回収する。水処理部40は、水回収トレー22で回収されて水回収管23を通して排出される水を、エアワッシャ20により使用された使用済みの水として回収する。水処理部40は、タンク41と、アンモニア処理部42と、を主に備えている。
タンク41は、浮体本体2内に設けられている。タンク41は、エアワッシャ20により使用された使用済みの水を回収する。タンク41は、回収された水を貯留する。タンク41の配置は、使用済みの水を回収できる配置であれば上記配置に限られない。
アンモニア処理部42は、タンク41に回収された使用済みの水に含まれるアンモニアを処理する。アンモニア処理部42は、アンモニア水に含まれるアンモニアを無害化する装置である。アンモニア処理部42は、使用済みの水に含まれるアンモニアを処理することができれば、その具体的構成を限定するものではない。
アンモニア処理部42は、タンク41に対して接続管43を介して接続されている。本実施形態におけるアンモニア処理部42は、タンク41から接続管43を通して導入された、使用済みの水に含まれるアンモニアを、例えば、脱窒素反応により分解する。アンモニア処理部42は、浮体本体2の浮かぶ周囲の海から海水を導入する。アンモニア処理部42は、導入した海水に電気分解を施すことで、次亜塩素酸ソーダを含む海水電解液を生成する。具体的には、導入した海水中に正極と負極(図示せず)とを配置して、これら正極と負極との間に電圧印加することで、海水を電気分解する。この電気分解により、海水から次亜塩素酸ソーダが生成される。
アンモニア処理部42は、電気分解により生成された海水電解液と、タンクから導入された使用済みの水とを混合して反応させる。より具体的には、アンモニア処理部42は、(1)式に示すように、使用済みの水に含まれるアンモニア(2NH)と、海水電解液の次亜塩素酸ソーダ(3NaClO)とを、酸性の環境下で反応させて、窒素(N)と塩化ナトリウム(3NaCl)と水(3HO)とに分解する。
2NH+3NaClO⇒N+3NaCl+3HO・・・(1)
アンモニア処理部42における脱窒素反応により生成された窒素は、例えば、上甲板7から延びるファンネル9等を介して大気中に放出される。その一方で、脱窒素反応により生成された塩化ナトリウムと水とは、処理済液体として、アンモニア処理部42に接続された放流部44へ排出される。放流部44は、処理済液体を浮体本体2の浮かぶ周囲の海水の中に放流する。
また、本実施形態における浮体1は、アンモニア処理部42によってアンモニアが処理(無害化)された水を、水供給部30に供給可能とされている。このため、浮体1は、処理水循環ライン45を備えている。処理水循環ライン45は、アンモニア処理部42によってアンモニアが処理された水を、タンク41に循環させる。これにより、タンク41内の水に含まれるアンモニアの濃度が低下する。循環ライン35では、アンモニアの濃度が低下された、タンク41内の水を、水供給部30に供給する。
なお、処理水循環ライン45は、アンモニア処理部42によってアンモニアが処理(無害化)された水を、タンク41を介さず、他の処理水タンク(図示せず)等を介して水供給部30に供給するようにしてもよい。
センサー25は、アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出を検出可能とされている。センサー25は、例えば、放出部15からアンモニアが放出されたことを検出する。センサー25は、例えば、ベントポスト19内に配置することができる。センサー25は、アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が規定値以上となった場合に、安全弁18からベントポスト19内に放出されるアンモニアを検出する。センサー25は、ベントポスト19内の空気(大気)に含まれるアンモニアの濃度が、予め設定された閾値以上となった場合に、アンモニアを検出したことを示す信号を、制御装置60に出力する。
制御装置60は、センサー25によりアンモニアの流出を検出した場合に、エアワッシャ20を稼働させる。
(ハードウェア構成図)
図3は、本開示の実施形態に係る制御装置のハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、制御装置60は、CPU61(Central Processing Unit)、ROM62(Read Only Memory)、RAM63(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等のストレージ64、信号送受信モジュール65を備えるコンピュータである。
(機能ブロック図)
図4は、本開示の実施形態に係る制御装置の機能ブロック図である。
図4に示すように、制御装置60のCPU61は、ROM62やストレージ64に記憶されたプログラムを実行することにより、信号受信部71、エアワッシャ制御部72,指令信号出力部73の各機能構成を実現する。
信号受信部71は、ハードウェアである信号送受信モジュール65を介してセンサー25からの検出信号を受信する。
エアワッシャ制御部72は、センサー25からの検出信号に基づいて、エアワッシャ20の稼働を制御する。エアワッシャ制御部72は、センサー25によりアンモニアの流出を検出した場合に、エアワッシャ20を稼働させる。エアワッシャ制御部72は、センサー25によりアンモニアの流出が検出されない場合(非検出の場合)に、エアワッシャ20の稼働を停止させる。エアワッシャ制御部72は、例えば、ポンプ32の稼働を制御することで、エアワッシャ20の稼働を制御する。
指令信号出力部73は、センサー25によりアンモニアの流出を検出した場合に、エアワッシャ制御部72からの出力される、エアワッシャ20を稼働させるための指令信号を、エアワッシャ20に向けて出力する。指令信号出力部73は、センサー25によりアンモニアの流出が検出されない場合(非検出の場合)に、エアワッシャ20の稼働を停止させる指令信号を、エアワッシャ20に出力する。
(浮体1のアンモニア処理方法の手順)
図5は、本開示の実施形態に係る浮体のアンモニア処理方法の手順を示すフローチャートである。図5に示すように、本開示の実施形態に係る浮体1のアンモニア処理方法S10は、アンモニアの検出を確認するステップS11と、エアワッシャを稼働させるステップS12と、アンモニアの非検出を確認するステップS13と、エアワッシャを停止させるステップS14と、を含んでいる。
アンモニアの検出を確認するステップS11では、制御装置60のエアワッシャ制御部72が、センサー25で、アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出が検出されているか否かを確認する。アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が規定値以上となり、安全弁18が開くと、センサー25は、アンモニア設備10からベントポスト19を通した大気中へのアンモニアの流出を検出する。センサー25は、ベントポスト19内の空気(大気)に含まれるアンモニアの濃度が、予め設定された閾値以上となった場合に、アンモニアを検出したことを示す信号を、制御装置60に出力する。出力された信号は、信号受信部71で受信される。
ステップS11では、信号受信部71が、センサー25から、アンモニアを検出したことを示す信号を受信していない場合(ステップS11でNo)、ステップS11に戻り、予め設定された時間間隔で、ステップS11を繰り返す。
ステップS11では、信号受信部71が、センサー25から、アンモニアを検出したことを示す信号を受信した場合、エアワッシャ制御部72が、アンモニアを検出したと判定(ステップS11でYes)し、ステップS12に進む。
エアワッシャを稼働させるステップS12では、エアワッシャ制御部72が、エアワッシャ20を稼働させる。エアワッシャ制御部72は、エアワッシャ20に水供給部30から水を供給するため、ポンプ32を稼働させる。ポンプ32が稼働すると、水供給部30を通して水供給ノズル21から換気口100に水が供給される。これにより、ベントポスト19から流出したアンモニアが、空気(大気)とともに換気口100まで到達した場合、大気に含まれるアンモニアを水で吸収することができる。
アンモニアの非検出を確認するステップS13では、制御装置60のエアワッシャ制御部72が、センサー25から、アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出を検出しなくなった(非検出)か否かを確認する。安全弁18が開いた後、アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が規定未満となると、安全弁18が閉じる。安全弁18が閉じ、センサー25により検出される、ベントポスト19内の空気(大気)に含まれるアンモニアの濃度が、予め設定された閾値未満となると、センサー25からは、アンモニアを検出したことを示す信号が出力されなくなる。
ステップS13では、信号受信部71が、センサー25から、アンモニアを検出したことを示す信号を受信していれば(ステップS13でNo)、ステップS12に戻り、エアワッシャ20の稼働を継続する。
ステップS13では、信号受信部71が、センサー25から、アンモニアを検出したことを示す信号を受信していない(非検出)状態であれば(ステップS13でYes)、ステップS14に進む。
エアワッシャを停止させるステップS14では、エアワッシャ制御部72が、エアワッシャ20の稼働を停止させる。エアワッシャ制御部72は、エアワッシャ20に水を供給するポンプ32の稼働を停止させる。ポンプ32の稼働が停止されると、水供給ノズル21への水供給が停止される。
(作用効果)
上記実施形態の浮体1、浮体1のアンモニア処理方法S10では、換気口100には、換気口100内外の空気の流通を可能としながら、換気口100に水を供給可能なエアワッシャ20が設けられている。アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出をセンサー25が検出した場合、制御装置60が、エアワッシャ20を稼働させる。エアワッシャ20が稼働されると、水供給部30により供給される水が、換気口100に供給される。これにより、換気口100を流通する空気に含まれるアンモニアが、水に吸収される。エアワッシャ20により使用され、アンモニアを吸収した使用済みの水は、水処理部40によって回収される。したがって、換気口100を通した、内部空間へのアンモニアの侵入を抑えることができる。
さらに、上記実施形態では、アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が規定値以上となった場合、放出部15から、アンモニア設備10の内部のアンモニアが、アンモニア設備10の外部に放出される。そして、大気中へのアンモニアの流出をセンサー25が検出した場合、エアワッシャ20を稼働させることで、換気口100を流通する空気に含まれるアンモニアが、水に吸収される。したがって、アンモニア設備10から大気中へアンモニアが流出したときに、換気口100から居住区の内部空間などにアンモニアが流入することを抑えることができる。そして、大気中へアンモニアが流出していないときには、エアワッシャ20の稼働が停止されているため、省エネルギー化を図ることができる。
また、上記実施形態では、アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が規定値以上となった場合、安全弁18によって、アンモニア設備10の内部のアンモニアを、アンモニア設備10の外部に放出させる構成において、センサー25が、ベントポスト19内に設けられている。このため、安全弁18から放出されたアンモニアを、ベントポスト19を通して大気中に流出される際に、センサー25により検出することができる。したがって、例えば、センサー25を換気口100付近に設ける場合等と比較して、アンモニアの安全弁18からの放出を早期に検出することができる。また、ベントポスト19内では、ベントポスト19外の大気中よりもアンモニア濃度が高い。このため、大気中へアンモニアが流出したことを、より確実にセンサー25によって検出することができる。
さらに、上記実施形態では、エアワッシャ20により使用された使用済みの水を、タンク41により回収している。このため、アンモニアを吸収した水が、例えば上甲板上等に流れ落ちて、上甲板から浮体本体2の浮かぶ周囲の海水中に及ぶことが抑えられる。さらに、上記実施形態では、アンモニア処理部42によってタンク41に回収された水に含まれるアンモニアを処理している。これにより、アンモニアを吸収した水を貯留するための浮体1内のスペースを削減することができる。
また、上記実施形態では、循環ライン35を通して、タンク41に回収された水を水供給部30からエアワッシャ20に供給可能とされている。したがって、タンク41に回収された水を再利用できるため、タンク41の小型化を図ることができる。さらに、水供給部30からエアワッシャ20に供給するために外部から新たに取り込む水の量を抑えることができる。
なお、上記実施形態では、センサー25で検出されるアンモニアの濃度が、予め設定された閾値以上となった場合に、アンモニアを検出したことを示す信号を出力するようにしたが、これに限られない。
例えば、センサー25は、予め設定された閾値以上となった場合に、さらに、空気に含まれるアンモニアの濃度を検出し、その検出結果を、制御装置60に出力するようにしてもよい。
この場合、制御装置60は、センサー25により検出されたアンモニアの濃度に基づいて、ポンプ32の回転数を制御する等して、水供給部30によるエアワッシャ20への水の供給量を制御するようにしてもよい。
このように、センサー25で検出された大気中のアンモニア濃度に基づいて、エアワッシャ20への水の供給量を制御することで、大気中のアンモニア濃度が低い場合には、エアワッシャ20への水の供給量を少なくする等、水の供給量を適切に制御することが可能となる。
<実施形態の変形例>
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
(実施形態の第一変形例)
図6は、本開示の実施形態の第一変形例に係る浮体に設けられた、エアワッシャ、センサー、水処理部を示す概略構成図である。
図6に示すように、浮体1は、浮体本体2の周囲環境を検出する周囲環境検出部80を更に備えている。周囲環境検出部80で検出する浮体本体2の周囲環境とは、換気口100へのアンモニアへの到達状態に影響を与え得る、浮体本体2の周囲における環境条件を示す情報である。周囲環境検出部80では、周囲環境を示す情報として、例えば、風向き、気温、天候等を検出する。
この実施形態の第一変形例における浮体1の制御装置60Bは、センサー25の検出結果と、周囲環境検出部80の検出結果とに基づいて、水供給部30によるエアワッシャ20への水の供給量を制御する。
アンモニア設備10からアンモニアの流出が生じた場合、流出したアンモニアの換気口100への到達状況は、風向き、気温、天候等、浮体本体2の周囲環境に応じて変動し得る。そこで、周囲環境検出部80で、浮体本体2の周囲環境を検出し、制御装置60Bが、センサー25の検出結果に加えて、周囲環境検出部80の検出結果に基づいて、エアワッシャ20への水の供給量を制御する。制御装置60Bのエアワッシャ制御部72では、周囲環境検出部80の検出結果に基づいて、流出したアンモニアの拡散状態について、予め設定されたプログラムに基づいて予測してもよい。
これにより、エアワッシャ制御部72では、換気口100への到達状況に応じて、エアワッシャ20の水の供給量を増減することが可能となる。エアワッシャ制御部72は、例えば、風向き等によって、流出したアンモニアが換気口100に到達し難いような状況であると判定された場合に、エアワッシャ20への水の供給量を少なくする一方で、流出したアンモニアが換気口100に到達し易いような状況であると判定された場合に、エアワッシャ20への水の供給量を多くする等、水の供給量を制御する。
(実施形態の第二変形例)
図7は、本開示の実施形態の第二変形例に係る浮体に設けられた、エアワッシャ、センサー、水処理部を示す概略構成図である。
図7に示すように、浮体1は、換気口100を閉塞可能な開閉部90を更に備えておいる。開閉部90としては、換気口100に設けられたダンパー、シャッター等が挙げられる。
この場合、浮体1の制御装置60Cは、センサー25がアンモニアの流出を検出した場合に、開閉部90により換気口100を閉塞させる。さらに、制御装置60Cは、エアワッシャ20が稼働して換気口100への水の供給を開始した後に、開閉部90により換気口100を開放させる。
これにより、センサー25がアンモニアの流出を検出した場合に、開閉部90により換気口100を閉塞させることで、換気口100から浮体1内の区画へのアンモニアの侵入を迅速に抑えることができる。また、エアワッシャ20が稼働して換気口100への水の供給を開始した後に、開閉部90により換気口100を開放させることで、エアワッシャ20の稼働により、換気口100で、アンモニアの侵入を抑えつつ、換気口100内外の空気の流通を可能として、換気を行うことが可能となる。
(その他の実施形態)
以上、本開示の実施の形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施の形態に限られるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
上記実施形態では、アンモニア設備10として、アンモニアを貯留するアンモニアタンク11を備えるようにしたがこれに限られない。アンモニア設備10は、例えば、アンモニアを燃料として用いる機器を備えるものであってもよい。この場合、放出部15は、アンモニアの燃料系統におけるアンモニアの圧力、アンモニアを燃料として用いる機器が収容された区画の内部におけるアンモニアの圧力等が規定値以上となった場合に、アンモニア設備10から大気中にアンモニアを放出する。また、放出部15は、アンモニアと反応しない不活性ガスによるパージを行った場合に、不活性ガスとともに残留したアンモニアを放出するようにしてもよい。
また、上記実施形態及び実施形態の各変形例では、センサー25がベントポスト19内に配置されて、安全弁18から放出されたアンモニアをセンサー25により検出し、この検出結果に基づいて制御装置60がエアワッシャ20の稼働を制御する場合について説明した。しかし、このようなセンサー25の配置には限られない。例えば、アンモニア設備10からベントポスト19を介さずに大気中へ漏洩(流出)したアンモニアを検出可能とすべく、換気口100の周囲のアンモニアを検出可能なセンサー(図示せず)を、ベントポスト19の外に設けて、制御装置60が、当該センサーの検出結果に基づいてエアワッシャ20の稼働を制御してもよい。
また、換気口100の周囲のアンモニアを検出可能なセンサーと、上記のベントポスト19内に配置されたセンサー25との両方の検出結果に基づいて、制御装置60がエアワッシャ20の稼働を制御してもよい。
この場合、大気中へ漏洩(流出)したアンモニアを検出するセンサーによりアンモニア濃度を検出可能とし、制御装置60によって当該アンモニア濃度が予め設定された閾値以上となったと判定された場合に、エアワッシャ20を稼働させるようにすればよい。
さらに、上記実施形態及び実施形態の各変形例では、センサー25がアンモニア濃度を検出可能とする場合について説明したが、センサーは、アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出を検出可能であればよく、アンモニア濃度を検出可能なものに限られない。例えば、安全弁18の開放を検出するセンサー等であってもよい。
また、上記実施形態及び実施形態の各変形例では、エアワッシャ20を、浮体1の外面に露出する換気口100に設けるようにしたが、エアワッシャ20の設置位置、設置形態はこれに限られない。エアワッシャ20は、例えば、浮体1内に設けられ、浮体1の外部に連通可能な吸気室のような半密閉区画に配置されていてもよい。
<付記>
実施形態に記載の浮体1、浮体1のアンモニア処理方法S10は、例えば以下のように把握される。
(1)第1の態様に係る浮体1は、浮体本体2と、前記浮体本体2に設けられたアンモニア設備10と、前記浮体本体2の外面に露出して、前記浮体本体2内の区画に連通する換気口100と、前記換気口100に設けられ、前記換気口100内外の空気の流通を可能としながら、前記換気口100に水を供給可能なエアワッシャ20と、前記エアワッシャ20に前記水を供給する水供給部30と、前記アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出を検出可能なセンサー25と、前記センサー25により前記アンモニアの流出を検出した場合に、前記エアワッシャ20を稼働させる制御装置60,60B,60Cと、前記エアワッシャ20により使用された使用済みの水を回収する水処理部40と、を備える。
浮体1の例としては、液化ガス運搬船、フェリー、RORO船、自動車運搬船、客船等の船舶、FSU(Floating Storage Unit)、FSRU(Floating Storage and Regasification Unit)等が挙げられる。
大気中へのアンモニアの流出の例としては、安全弁18からベントポスト19を介した放出、アンモニア設備10からの漏洩が挙げられる。
この浮体1は、換気口100を通して、浮体1内の区画の換気を行っている。換気口100には、換気口100内外の空気の流通を可能としながら、換気口100に水を供給可能なエアワッシャ20が設けられている。アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出をセンサー25が検出した場合、制御装置60,60B,60Cが、エアワッシャ20を稼働させる。エアワッシャ20が稼働されると、水供給部30により供給される水が、換気口100に供給される。これにより、換気口100を流通する空気に含まれるアンモニアが、水に吸収される。エアワッシャ20により使用され、アンモニアを吸収した使用済みの水は、水処理部40によって回収される。したがって、換気口100を通した、内部空間へのアンモニアの侵入を抑えることができる。
(2)第2の態様に係る浮体1は、(1)の浮体1であって、前記アンモニア設備10の内部における前記アンモニアの圧力が規定値以上となった場合に、前記アンモニア設備10から大気中に前記アンモニアを放出する放出部15を更に備え、前記センサー25は、前記放出部15から前記アンモニアが放出されたことを検出する。
これにより、アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が規定値以上となった場合、放出部15から、アンモニア設備10の内部のアンモニアが、アンモニア設備10の外部に放出される。大気中へのアンモニアの流出をセンサー25が検出した場合、エアワッシャ20を稼働させることで、換気口100を流通する空気に含まれるアンモニアが、水に吸収される。
(3)第3の態様に係る浮体1は、(2)の浮体1であって、前記放出部15は、前記アンモニア設備10の内部における前記アンモニアの圧力が規定値以上となった場合に、前記アンモニア設備10の内部の前記アンモニアを前記アンモニア設備10の外部に放出させる安全弁18と、前記安全弁18から放出された前記アンモニアを導いて大気中に流出させるベントポスト19と、を備え、前記センサー25は、前記ベントポスト19内に備えられている。
これにより、アンモニア設備10の内部におけるアンモニアの圧力が規定値以上となった場合、安全弁18が、アンモニア設備10の内部のアンモニアを、アンモニア設備10の外部に放出させる。すると、安全弁18から放出されたアンモニアは、ベントポスト19を通して大気中に流出される。
また、センサー25がベントポスト19内に備えられているため、例えば、センサー25を換気口100付近に備えた場合と比較して、安全弁18からのアンモニアの放出を早期に検出することができる。また、ベントポスト19内では、大気中よりもアンモニア濃度が高くなるため、大気中へアンモニアが流出したことを、より確実にセンサー25によって検出することができる。
(4)第4の態様に係る浮体1は、(1)から(3)の何れか一つの浮体1であって、前記水処理部40は、前記エアワッシャ20により使用された使用済みの前記水を回収するタンク41と、前記タンク41に回収された前記水に含まれるアンモニアを処理するアンモニア処理部42と、を備える。
これにより、エアワッシャ20により使用された使用済みの前記水が、タンク41により回収される。このため、アンモニアを吸収した水が、例えば上甲板等に流れおちて、上甲板から海水中に及ぶことが抑えられる。さらに、アンモニア処理部42が、タンク41に回収された水に含まれるアンモニアを処理している。これにより、浮体1内に、アンモニアを吸収した水を貯留するためのスペースを削減することができる。
(5)第5の態様に係る浮体1は、(4)の浮体1であって、前記タンク41に回収された前記水を前記水供給部30に供給可能な循環ライン35を備え、前記水供給部30は、前記タンク41に回収された前記水を前記エアワッシャ20に供給可能とされている。
これにより、タンク41に回収された水を、循環ライン35を通して水供給部30からエアワッシャ20に供給して再利用できるため、タンク41の小型化を図ることができると共に、エアワッシャ20へ供給するために外部から新たに取り込む水の量を抑えることができる。この場合、例えば、エアワッシャ20に供給する水が、タンク41で回収された後、(4)の浮体1に備えられたアンモニア処理部42で処理した水を含むようにすれば、エアワッシャ20に供給される水に含まれるアンモニアの濃度を抑えることができる。
(6)第6の態様に係る浮体1は、(1)から(5)の何れか一つの浮体1であって、前記浮体本体2の周囲環境を検出する周囲環境検出部80を更に備え、前記制御装置60Bは、前記センサー25の検出結果と、前記周囲環境検出部80の検出結果とに基づいて、前記水供給部30による前記エアワッシャ20への前記水の供給量を制御する。
アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出が生じた場合、流出したアンモニアの換気口100への到達状況は、風向き、気温、天候等、浮体本体2の周囲環境に応じて変動し得る。そのため、周囲環境検出部80で、浮体本体2の周囲環境を検出し、制御装置60Bが、センサー25の検出結果に加えて、周囲環境検出部80の検出結果に基づいて、エアワッシャ20への水の供給量を制御することで、流出したアンモニアの換気口100への到達状況に応じて、エアワッシャ20の水の供給量を増減することが可能となる。例えば、風向き等によって、流出したアンモニアが換気口100に到達しにくいような状況であれば、エアワッシャ20への水の供給量を少なくする等、水の供給量を適切に制御できる。
周囲環境の例としては、風向き、気温、天候等を示す情報が挙げられる。
(7)第7の態様に係る浮体1は、(1)から(6)の何れか一つの浮体1であって、前記センサー25は、大気中のアンモニア濃度を検出可能とされ、前記制御装置60,60B,60Cは、前記センサー25により検出された前記アンモニアの濃度に基づいて、前記水供給部30による前記エアワッシャ20への前記水の供給量を制御する。
これにより、センサー25で検出された大気中のアンモニア濃度に基づいて、エアワッシャ20への水の供給量を制御することで、大気中のアンモニア濃度が低い場合には、エアワッシャ20への水の供給量を少なくする等、水の供給量を適切に制御できる。
(8)第8の態様に係る浮体1は、(1)から(7)の何れか一つの浮体1であって、前記換気口100を閉塞可能な開閉部90を更に備え、前記制御装置60Cは、前記センサー25が前記アンモニアの流出を検出した場合に、前記開閉部90により前記換気口100を閉塞させ、前記エアワッシャ20が稼働して前記換気口100への水の供給を開始した後に、前記開閉部90により前記換気口100を開放させる。
これにより、センサー25がアンモニアの流出を検出した場合に、開閉部90により換気口100を閉塞させることで、換気口100から浮体1内の区画へのアンモニアの侵入を迅速に抑えることができる。また、エアワッシャ20が稼働して換気口100への水の供給を開始した後に、開閉部90により換気口100を開放させることで、エアワッシャ20の稼働により、換気口100で、アンモニアの侵入を抑えつつ、換気口100内外の空気の流通を可能として、換気を行うことが可能となる。
(9)第9の態様に係る浮体1のアンモニア処理方法S10は、(1)から(8)の何れか一つの浮体1のアンモニア処理方法S10であって、前記浮体本体2に設けられた前記アンモニア設備10からのアンモニアの流出が検出された場合に、前記エアワッシャ20を稼働させ、前記換気口100内外の空気の流通を可能としながら前記換気口100に水を供給する。
これにより、アンモニア設備10から大気中へのアンモニアの流出をセンサー25が検出した場合、エアワッシャ20により、換気口100を流通する空気に含まれるアンモニアが、水に吸収される。したがって、換気口100を通した、内部空間へのアンモニアの侵入を抑えることができる。
1…浮体 2…浮体本体 2a…船首 2b…船尾 4…上部構造 5A,5B…舷側 6…船底 7…上甲板 8…排気管 9…ファンネル 10…アンモニア設備 11…アンモニアタンク 15…放出部 17…接続管 18…安全弁 19…ベントポスト 19a…開口 20…エアワッシャ 21…水供給ノズル 22…水回収トレー 23…水回収管 25…センサー 30…水供給部 31…供給ライン 32…ポンプ 35…循環ライン 36…第一バルブ 37…第二バルブ 40…水処理部 41…タンク 42…アンモニア処理部 43…接続管 44…放流部 45…処理水循環ライン 60,60B,60C…制御装置 61…CPU 62…ROM 63…RAM 64…ストレージ 65…信号送受信モジュール 71…信号受信部 72…エアワッシャ制御部 73…指令信号出力部 80…周囲環境検出部 90…開閉部 100…換気口 FA…船首尾方向 S10…浮体のアンモニア処理方法 S11…アンモニアの検出を確認するステップ S12…エアワッシャを稼働させるステップ S13…アンモニアの非検出を確認するステップ S14…エアワッシャを停止させるステップ

Claims (9)

  1. 浮体本体と、
    前記浮体本体に設けられたアンモニア設備と、
    前記浮体本体の外面に露出して、前記浮体本体内の区画に連通する換気口と、
    前記換気口に設けられ、前記換気口内外の空気の流通を可能としながら、前記換気口に水を供給可能なエアワッシャと、
    前記エアワッシャに前記水を供給する水供給部と、
    前記アンモニア設備から大気中へのアンモニアの流出を検出可能なセンサーと、
    前記センサーにより前記アンモニアの流出を検出した場合に、前記エアワッシャを稼働させる制御装置と、
    前記エアワッシャにより使用された使用済みの水を回収する水処理部と、
    を備える浮体。
  2. 前記アンモニア設備の内部における前記アンモニアの圧力が規定値以上となった場合に、前記アンモニア設備から大気中に前記アンモニアを放出する放出部を更に備え、
    前記センサーは、前記放出部から前記アンモニアが放出されたことを検出する
    請求項1に記載の浮体。
  3. 前記放出部は、
    前記アンモニア設備の内部における前記アンモニアの圧力が規定値以上となった場合に、前記アンモニア設備の内部の前記アンモニアを前記アンモニア設備の外部に放出させる安全弁と、
    前記安全弁から放出された前記アンモニアを導いて大気中に流出させるベントポストと、を備え、
    前記センサーは、前記ベントポスト内に備えられている
    請求項2に記載の浮体。
  4. 前記水処理部は、
    前記エアワッシャにより使用された使用済みの前記水を回収するタンクと、
    前記タンクに回収された前記水に含まれるアンモニアを処理するアンモニア処理部と、を備える
    請求項1又は2に記載の浮体。
  5. 前記タンクに回収された前記水を前記水供給部に供給可能な循環ラインを備え、
    前記水供給部は、前記タンクに回収された前記水を前記エアワッシャに供給可能とされている
    請求項4に記載の浮体。
  6. 前記浮体本体の周囲環境を検出する周囲環境検出部を更に備え、
    前記制御装置は、
    前記センサーの検出結果と、前記周囲環境検出部の検出結果とに基づいて、前記水供給部による前記エアワッシャへの前記水の供給量を制御する
    請求項1又は2に記載の浮体。
  7. 前記センサーは、大気中のアンモニア濃度を検出可能とされ、
    前記制御装置は、前記センサーにより検出された前記アンモニアの濃度に基づいて、前記水供給部による前記エアワッシャへの前記水の供給量を制御する
    請求項1又は2に記載の浮体。
  8. 前記換気口を閉塞可能な開閉部を更に備え、
    前記制御装置は、前記センサーが前記アンモニアの流出を検出した場合に、前記開閉部により前記換気口を閉塞させ、前記エアワッシャが稼働して前記換気口への水の供給を開始した後に、前記開閉部により前記換気口を開放させる
    請求項1又は2に記載の浮体。
  9. 請求項1又は2に記載の浮体のアンモニア処理方法であって、
    前記浮体本体に設けられた前記アンモニア設備からのアンモニアの流出が検出された場合に、前記エアワッシャを稼働させ、前記換気口内外の空気の流通を可能としながら前記換気口に水を供給する
    浮体のアンモニア処理方法。
JP2022142115A 2022-09-07 2022-09-07 浮体、浮体のアンモニア処理方法 Pending JP2024037338A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022142115A JP2024037338A (ja) 2022-09-07 2022-09-07 浮体、浮体のアンモニア処理方法
PCT/JP2023/032225 WO2024053600A1 (ja) 2022-09-07 2023-09-04 浮体、浮体のアンモニア処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2022142115A JP2024037338A (ja) 2022-09-07 2022-09-07 浮体、浮体のアンモニア処理方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2024037338A true JP2024037338A (ja) 2024-03-19

Family

ID=90191156

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2022142115A Pending JP2024037338A (ja) 2022-09-07 2022-09-07 浮体、浮体のアンモニア処理方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2024037338A (ja)
WO (1) WO2024053600A1 (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61101274A (ja) * 1984-10-22 1986-05-20 Trinity Ind Corp 塗装方法
JP3544836B2 (ja) * 1997-09-30 2004-07-21 三機工業株式会社 エアワッシャ
JP3066828B1 (ja) * 1999-02-17 2000-07-17 株式会社前川製作所 アンモニア冷凍装置の漏洩アンモニア除外装置
JP6983964B1 (ja) * 2020-08-25 2021-12-17 三菱造船株式会社 船舶
KR20220028466A (ko) * 2020-08-28 2022-03-08 대우조선해양 주식회사 암모니아 냉매 냉각유닛을 이용한 공기조화 시스템 및 동 시스템을 구비한 선박 또는 해양 구조물

Also Published As

Publication number Publication date
WO2024053600A1 (ja) 2024-03-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2022045184A1 (ja) 船舶
WO2022249792A1 (ja) 船舶
KR101358611B1 (ko) 선박의 부력제어시스템
WO2024053600A1 (ja) 浮体、浮体のアンモニア処理方法
JP2008030584A (ja) 船体損傷時の復原性改善方法及び船舶
KR102120777B1 (ko) 선박용 스크러버 세정수 공급 및 배출시스템
KR20140102857A (ko) 선박용 엔진 냉각장치 및 그의 제어방법
KR20200127113A (ko) 요소수탱크용 온도조절시스템
WO2022210301A1 (ja) 船舶
KR101850000B1 (ko) 침몰 방지를 위한 반 잠수식 자항 수송선
KR20090089069A (ko) 선박의 밸러스트 시스템
CN117083222A (zh) 船舶
JP2023106751A (ja) 船舶
WO2023162360A1 (ja) 浮体及び浮体のアンモニア処理方法
CN117580761A (zh) 浮体
WO2024058060A1 (ja) アンモニア処理システム、浮体
WO2024090091A1 (ja) アンモニア除害システム、浮体、及びアンモニア除害方法
KR101523728B1 (ko) 해양 구조물용 빌지 이송장치
KR102526244B1 (ko) 선박의 암모니아 누출 대피구조 및 이를 구비한 선박
WO2024058049A1 (ja) スクラバー装置、及びスクラバー装置におけるガス処理方法
WO2001014205A1 (en) Ventilation systems for water-borne vessels
JP2023093265A (ja) アンモニア水貯留システム及びアンモニア燃料船
JP2023113332A (ja) 浮体及びアンモニア除害方法
CN115083210A (zh) 船舶控制系统
JP2024088425A (ja) アンモニア除害システム、浮体、及びアンモニア除害方法