JP2013209000A - 船舶、液化燃料ガス移送装置および液化燃料ガス移送方法 - Google Patents

船舶、液化燃料ガス移送装置および液化燃料ガス移送方法 Download PDF

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Abstract

【課題】加圧タンク内のLNGを移送する際に、LNGに移送ポンプを浸漬せず、また加圧タンクの底部に液排出ノズルを設けることなく大きな熱侵入を伴わずにLNGを移送することができる船舶を提供する。
【解決手段】船舶は、LNGが貯蔵された加圧タンク3と、天然ガスよりも凝縮温度が低く加圧タンク3内の圧力よりも高圧とされた窒素ガスを加圧タンク3内に供給して加圧する加圧手段5,28と、加圧手段5,28による加圧によって、加圧タンク3内のLNGを外部へと移送するLNG移送配管7と、LNG移送配管7から導かれたLNGが気化された天然ガスが供給されるガス炊きディーゼル機関とを備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、船舶、液化燃料ガス移送装置および液化燃料ガス移送方法に関するものである。
LNG(液化天然ガス)を燃料とする船舶は、加圧タンク(液化燃料ガス貯蔵タンク)を船上に装備し、保存された液を加圧昇温して主機エンジンや発電機エンジン等に送り込む必要がある。加圧タンク内の液は通常飽和液であり、タンク防熱を貫通して侵入する熱により液温が上昇し、それにあわせてタンク内圧(=液温における飽和圧力)も自然に昇圧する。したがって、加圧タンクの設計圧に近づいてくると何らかの減圧機構が必要であり、最終的には安全弁でボイルオフガスを逃がし、設計圧を保証しなければならない。圧力を下げるには、ボイルオフガスを再液化する液化装置を装備しない限り、抜き出して燃焼処理するしかない。焼却処理してしまうのではガスの無駄が発生してしまうので、これを回避するためには、加圧タンクの断熱性能向上や、その他の加圧タンクへの入熱の機会の排除が重要である。
加圧タンク内のLNG液を移送する場合、加圧タンク内のLNG液に浸漬した移送ポンプを利用する方法がある(下記特許文献1参照)。
特開2006−177618号公報(図1及び[0026]参照)
しかし、上述のようにLNG液に移送ポンプを浸漬する場合、移送ポンプのNPSH(有効吸入水頭)を確保することはできるが、移送ポンプがLNG液に浸漬されているのでメンテナンス作業が容易ではないという問題がある。
その他のLNG移送方法として、加圧タンク底部からLNGの一部を取り出して蒸発器でガス化し、加圧タンクのガス相に戻すことにより、加圧タンク内の内圧を上げてLNG液を移送する方法がある。
しかし、この方法は、LNG液に浸漬した移送ポンプが何らかの理由で稼働できない場合のバックアップとして用いられることが多いが、加圧タンクから抜き出したLNG液を加熱して得られたガスを加圧タンクに再び戻すので、タンク入熱が不可避となりLNGの無駄が発生する。また、加圧タンクが小型の場合には底部に液排出ノズルを設けることは比較的容易だが、LNG船等の大型タンクの場合は底部に液排出ノズルを設けることは、漏洩のおそれ等の問題で安全規則上忌避されるのが通常である。
また、加圧タンク内に供給するガスはLNG液とほぼ同成分の天然ガスであるため、LNG液と接する部分ではガスが再凝縮してしまう。この凝縮は船体動揺などで液面が荒れている場合に顕著となり、再凝縮量が大きくなると、期待した加圧が得られない場合もあり、再凝縮によるタンク内への侵入熱(ガスにより外部から熱が運ばれる)により、液温を上げてしまい、LNG液の保存期間が短縮してしまうという問題がある。
また、熱媒が流通する伝熱管を加圧タンク内のLNG液に沈めて、LNG液を蒸発させて内圧を上げ、LNG液を移送する方法もある。この方法についても、加圧タンク内のLNG液全体を加熱することとなり、前述の液排出ノズルによるガス化に比べても著しく効率が悪い。
また、LNGを燃料とするエンジンへの移送過程では、エンジンが所望するガス圧を確保するための昇圧ポンプ(往復式、遠心式等)を有する場合がほとんどだが、LNGの飽和液をそのまま昇圧ポンプで吸い込んで送る場合、NPSH(有効吸入水頭)不足の問題を起こしやすい。したがって、過冷却液を送るか、NPSH確保のために高い位置に吸入タンクを別途設ける必要がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを移送する際に、液化燃料ガスに移送ポンプを浸漬せず、また液化燃料ガス貯蔵タンクの底部に液排出ノズルを設けることなく大きな熱侵入を伴わずに液化燃料ガスを移送することができる船舶、液化燃料ガス移送装置および液化燃料ガス移送方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の船舶、液化燃料ガス移送装置および液化燃料ガス移送方法は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる船舶は、燃料ガスを液化した液化燃料ガスが貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンクと、前記燃料ガスよりも凝縮温度が低く前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガスを前記液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給して加圧する加圧手段と、該加圧手段による加圧によって、前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送する液化燃料ガス移送配管と、該液化燃料ガス移送配管から導かれた液化燃料ガスが気化された燃料ガスが供給されるガス炊きディーゼル機関とを備えていることを特徴とする。
液化燃料ガス(例えば液化天然ガス(LNG))が貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンク内に、液化燃料ガスよりも凝縮温度が低く液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガス(例えば窒素(N))を液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給することによって、液化燃料ガス移送配管から液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送することとした。このように液化燃料ガスよりも凝縮温度が低い移送用ガスを用いることとしたので、移送用ガスが液化燃料ガス貯蔵タンク内で凝縮することを可及的に回避することができ、効果的に加圧を行うことできるとともに、凝縮熱によって液化燃料ガス貯蔵タンク内の温度を上昇させることがない。したがって、液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを無駄に蒸発させることなく保存期間を長く保つことができる。
また、本発明の液化燃料ガス移送装置は、燃料ガスを液化した液化燃料ガスが貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンクと、前記燃料ガスよりも凝縮温度が低く前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガスを前記液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給して加圧する加圧手段と、該加圧手段による加圧によって、前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送する液化燃料ガス移送配管とを備えていることを特徴とする。
液化燃料ガス(例えば液化天然ガス(LNG))が貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンク内に、液化燃料ガスよりも凝縮温度が低く液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガス(例えば窒素(N))を液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給することによって、液化燃料ガス移送配管から液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送することとした。このように液化燃料ガスよりも凝縮温度が低い移送用ガスを用いることとしたので、移送用ガスが液化燃料ガス貯蔵タンク内で凝縮することを可及的に回避することができ、効果的に加圧を行うことできるとともに、凝縮熱によって液化燃料ガス貯蔵タンク内の温度を上昇させることがない。したがって、液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを無駄に蒸発させることなく保存期間を長く保つことができる。
さらに、本発明の液化燃料ガス移送装置は、前記加圧手段は、前記移送用ガスが液化された液化移送用ガスが貯蔵される液化移送用ガス貯蔵タンクを備え、前記液化燃料ガス貯蔵タンク内には、前記液化移送用ガス貯蔵タンク内の液化移送用ガスが気化された移送用ガスが供給されることを特徴とする。
液化移送用ガス貯蔵タンク内に液化移送用ガスを貯蔵しておき、この液化移送用ガスを気化して液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給して液化燃料ガス貯蔵タンク内を加圧することとした。移送用ガスは、燃料ガスよりも凝縮温度が低いので、液化移送用ガスを気化して飽和温度となったガスを移送用ガスとして用いたとしても、液化燃料ガス貯蔵タンク内の温度を上昇させることがない。
液化移送用ガスを気化する方式としては、例えば、液化移送用ガス貯蔵タンクから導かれた液化移送用ガスを気化する気化器を用いる方式としても良いし、液化移送用ガス貯蔵タンク内に供給する液化移送用ガスをフラッシュさせて得られる移送用ガスを用いる方式としても良い。
さらに、本発明の液化燃料ガス移送装置は、前記液化燃料ガス移送配管に接続され、移送された液化燃料ガスを一時貯留する一時貯留タンクと、該一時貯留タンクに接続され、該一時貯留タンク内の液化燃料ガスを吸い込み昇圧する昇圧ポンプとを備え、前記一時貯留タンク内の加圧源として、前記移送用ガスが用いられることを特徴とする。
昇圧ポンプの上流側に、液化燃料ガスを一時貯留する一時貯留タンクを設け、これにより、昇圧ポンプのNPSH(有効吸入水頭)を確保することとした。本発明では、さらに、一時貯留タンク内を加圧するために移送用ガスを用いて、更に昇圧ポンプのNPSHを確保することとした。これにより、昇圧ポンプにおけるキャビテーションや吸込み不足といった不具合を回避することができ、安定した連続液送運転が確保される。
一時貯留タンク内を加圧する移送用ガスとしては、液化燃料ガス貯蔵タンク内を加圧した後の移送用ガスを用いても良いし、液化移送用ガス貯蔵用タンクから直接導かれる移送用ガスを用いても良い。
さらに、本発明の液化燃料ガス移送装置は、前記液化移送用ガス貯蔵タンクには、前記液化燃料ガス貯蔵タンクから導かれた液化燃料ガスの冷熱を用いて凝縮された液化移送用ガスが供給されることを特徴とする。
移送用ガスを液化させる際に、液化燃料ガス貯蔵タンクから導かれる液化燃料ガスの冷熱を用いることとした。これにより、例えばエキスパンダー等を用いた冷凍サイクルを用いる場合に比べて、移送用ガスを液化する際の動力を大幅に低減することができる。また、液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスは、上述したように、移送用ガスの加圧によって過冷却が付加されている。したがって、液化燃料ガスで移送用ガスを冷却したとしても、付加した過冷却分を用いて冷却するので、液化燃料ガスがボイルオフすることはない。
また、本発明の液化燃料ガス移送方法は、燃料ガスを液化した液化燃料ガスが貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンクと、前記燃料ガスよりも凝縮温度が低く前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガスを前記液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給して加圧する加圧手段とを備えた液化燃料ガス移送装置の液化燃料ガス移送方法であって、前記加圧手段による加圧によって、前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送することを特徴とする。
液化燃料ガスが貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンク内に、液化燃料ガスよりも凝縮温度が低く液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガスを液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給することによって、液化燃料ガス移送配管から液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送することとした。このように液化燃料ガスよりも凝縮温度が高い移送用ガスを用いることとしたので、移送用ガスが液化燃料ガス貯蔵タンク内で凝縮することを可及的に回避することができ、効果的に加圧を行うことできるとともに、凝縮熱によって液化燃料ガス貯蔵タンク内の温度を上昇させることがない。したがって、液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを無駄に蒸発させることなく保存期間を長く保つことができる。
また、移送ポンプの上流側に、液化燃料ガスを一時貯留する一時貯留タンクを設け、これにより、昇圧ポンプのNPSHを確保することとした。本発明では、さらに、一時貯留タンク内を加圧するために移送用ガスを用いて、更に昇圧ポンプのNPSHを確保することとした。これにより、昇圧ポンプにおけるキャビテーションや吸込み不足といった不具合を回避することができ、安定した運転が確保される。
本発明の第1実施形態に係る液化燃料ガス移送装置を示した概略構成図である。 本発明の第2実施形態に係る液化燃料ガス移送装置を示した概略構成図である。
以下に、本発明にかかる実施形態について、図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について、図1を用いて説明する。
図1には、本実施形態にかかるLNG移送装置(液化燃料ガス移送装置)1が示されている。LNG移送装置1は、船舶の推進用主機として使用されるガス炊き低速ディーゼル機関(以下「エンジン」という。)にLNGを燃料として供給するものである。
LNG移送装置1は、液化燃料ガスとしてのLNGを貯蔵する加圧タンク(液化燃料ガス貯蔵タンク)3と、加圧タンク3内を加圧するための窒素(移送用ガス)を供給するための液体窒素タンク(加圧手段)5と、加圧タンク3内のLNGを外部へと移送するためのLNG移送配管7と、LNG移送配管7から供給されたLNGを一時的に貯留するサクションドラム(一時貯留タンク)9と、サクションドラム9内のLNGを吸込み昇圧する昇圧ポンプ11とを備えている。
加圧タンク3には、エンジンの燃料として用いられるLNGが加圧状態で貯蔵されている。LNGタンクの上部はガス相とされており、蒸発したLNGガスおよび後述する窒素が満たされている。
加圧タンク3には、液体窒素タンク5から窒素ガスが供給される窒素ガス供給配管13と、加圧タンク3内のガス相の気体を外部へと排出するオフガス用配管15と、サクションドラム9を加圧するためのBOG(ボイルオフガス)配管17とが接続されている。また、加圧タンク3内の圧力を計測するための第1圧力センサ19が設けられており、圧力センサ19の計測値は差圧コントローラ21へと送られるようになっている。
LNG移送配管7は、加圧タンク3内の下部に吸込口7aを有して加圧タンク3の上方へと立ち上がる立上り部7bと、立上がり部7bの上部にて折返し下方へ立ち下がる立ち下がり部7cとを有している。このように、本実施形態では、加圧ドラム3の底部からLNGを取り出す構造を採用しておらず、加圧ドラム3内のLNGを上方から吸い込む構造を採用している。
LNG移送配管7の下流端となる他端は、サクションドラム9に接続されており、その中途位置に液位制御弁23が設けられている。
液体窒素タンク5内には、所定量の液体窒素が貯留されている。この液体窒素は、外部から供給され、例えば船内に空気液化設備が設けられている場合には、空気液化設備にて製造された液体窒素が供給される。
液体窒素タンク5は、加圧タンク3内を加圧する加圧手段の一構成機器とされており、他の加圧手段の構成機器としては、上述した窒素ガス供給配管13と、液体窒素タンク5の下端5aと窒素ガス供給配管13の中途位置13aとの間にわたって設けられた液体窒素ガス化配管25とが設けられている。
窒素ガス供給配管13は、上述したように、下流端13bは加圧タンク3のガス相を形成する上部に接続されており、上流端13cは液体窒素タンク5のガス相を形成する上部に接続されている。
液体窒素ガス化配管25には、液体窒素流量調整弁27と、液体窒素をガス化する気化器(加圧手段)28とが設けられている。液体窒素流量調整弁27の開度は、後述する弁開度コントローラ29によって制御される。気化器28は、液体窒素を加熱してガス化するものであり、加熱源としては空気を用いるのが効果的で、典型的にはいわゆるエアベーパライザが用いられる。気化器28にて気化された窒素ガスは、窒素ガス供給配管13に合流した後に、加圧タンク3のガス相へと導かれる。このように、液体窒素流量調整弁27によってガス化される窒素の量が決まるので、加圧タンク3の加圧量が液体窒素流量調整弁27によって決定されることになる。
なお、液体窒素タンク5には、第3圧力センサ37が設けられており、液体窒素タンク5内の圧力が計測されるようになっている。
加圧タンク3に接続されたオフガス用配管15は、加圧タンク3内のガスを排出するために用いられ、中途位置にオフガス弁31が設けられている。オフガス弁31の開度は、上述した液体窒素流量調整弁27とともに、後述する弁開度コントローラ29によって制御される。オフガス用配管15によって、加圧タンク3内のボイルオフガスが抜かれ、図示しない焼却設備等によって処理される。このように、オフガス弁31によって加圧タンク3内のガスの取出量が決定されるので、オフガス弁31によって加圧タンク3の減圧量が調整されることになる。
サクションドラム9は、LNG移送配管7を介して加圧タンク3から供給されたLNGを一時的に貯留し、昇圧ポンプ11のNPSH(有効吸入水頭)を確保するために使用される。サクションドラム9は、図1に示されているように、ヘッド差を用いてLNGを移送できるように、加圧タンク3の下方に設けられていることが好ましい。
サクションドラム9には、サクションドラム9内の圧力を計測する第2圧力センサ34が設けられている。第2圧力センサ34の計測値は、差圧コントローラ21へ送られる。
サクションドラム9には、貯留されたLNGの液位を計測するためのレベルセンサ33が設けられている。レベルセンサ33の計測値は、レベルコントローラ35に送られる。レベルコントローラ35は、レベルセンサ33の計測値に基づいて、サクションドラム9内のLNGの液位が所定の範囲となるLCV開度目標値を演算し、このLCV開度目標値を液位制御弁23に指示する。
この液位制御弁23の開度目標値であるLCV開度目標値は、上述した弁開度コントローラ29へと送られる。弁開度コントローラ29は、LCV開度目標値に基づいて、液位制御弁23の弁開度が所定範囲内に存在するように、液体窒素流量調整弁27及びオフガス弁31の開度を制御する。これにより、液位制御弁23の制御性が良い開度範囲(例えば70〜80%の開度範囲)で動作するように、加圧タンク3内の圧力を調整するようになっている。
加圧タンク3に接続されたBOG配管17は、上流端17aが加圧タンク3のガス相を形成する上部に接続されており、下流端17bがサクションドラム9のガス相を形成する上部に接続されている。BOG配管17の中途位置には、差圧制御弁39が設けられている。差圧制御弁39は、差圧コントローラ21によって、第1圧力センサ19の計測圧力と第2圧力センサ34の計測圧力との差圧が一定となるように制御される。これにより、サクションドラム9のガス相の圧力が常に所定値となるように、すなわちサクションドラム9内の圧力が所望の加圧状態となるように制御される。この加圧力によって、サクションドラム9内のLNGに対して過冷却がさらに付加され、NPSHが確保されることになる。
サクションドラム9から導かれたLNGを吸込み昇圧する昇圧ポンプ11は、種々の形式のものを用いることができ、例えばピストン式や遠心式を用いることができる。昇圧ポンプ11では、LNGの供給先であるエンジンの負荷に応じた圧力(例えば150〜300bar)まで任意に昇圧できるようになっている。
昇圧ポンプ11にて昇圧された高圧LNGは、窒素ガスとの第1加熱器41及び清水との第2加熱器43を通過する際にガス化され、CNG(圧縮天然ガス)としてエンジンへ供給される。
上述したLNG移送装置1は、以下のように加圧タンク3内のLNGを移送する。
加圧タンク3内のLNGをサクションドラム9へと移送する際には、窒素ガス供給配管13から窒素ガスを供給して加圧タンク3内を加圧する。これにより、加圧タンク3内の圧力が上昇することによって、加圧タンク3内のLNGがLNG移送配管7を介して外部へと押し出される。
加圧タンク3内の圧力は、液位制御弁23の弁開度が制御性の良い範囲(例えば70〜80%の弁開度)となるように、液体窒素流量調整弁27及びオフガス弁31によって調整される。具体的には、弁開度コントローラ29がレベルコントローラ35から受信したLCV開度目標値が液位制御弁23の制御性の良い弁開度を下回っていた場合には、液位制御弁23の開度が閉まり過ぎと判断して、オフガス弁31の開度を開方向に制御するとともに液体窒素流量制御弁27の開度を閉方向に制御する。これにより、加圧タンク3内の圧力が下がり、液位制御弁23の開度が開方向へと制御される。一方、弁開度コントローラ29がレベルコントローラ35から受信したLCV開度目標値が液位制御弁23の制御性の良い弁開度を上回っていた場合には、液位制御弁23の開度が開き過ぎと判断して、オフガス弁31の開度を閉方向に制御するとともに液体窒素流量制御弁27の開度を開方向に制御する。これにより、加圧タンク3内の圧力が上がり、液位制御弁23の開度が閉方向へと制御される。なお、この際に、液体窒素流量制御弁27及びオフガス弁31の両方を同時に制御する必要は無く、いずれか一方のみを制御しても良い。
サクションドラム9内の圧力は、差圧コントローラ21によって制御される。具体的には、第1圧力センサ19で計測した加圧タンク3内の圧力と、第2圧力センサ34で計測したサクションドラム9内の圧力との差圧が、予め定めた一定の値となるように差圧制御弁39を制御する。これにより、サクションドラム9内の圧力が常に加圧されることになり、サクションドラム9内のLNGに過冷却を付けてNPSHを確保することができる。
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
LNGが貯蔵された加圧タンク3内に、LNGよりも凝縮温度が低く加圧タンク3内の圧力よりも高圧とされた窒素ガスを加圧タンク3内に供給することによって、LNG移送配管7から加圧タンク3内のLNGを外部へと移送することとした。このようにLNGよりも凝縮温度が低い窒素ガス(窒素はメタンに対して凝縮温度が約40℃低い)を用いることとしたので、窒素ガスが加圧タンク3内で凝縮することを可及的に回避することができ、効果的に加圧を行うことできるとともに、凝縮熱によって加圧タンク3内の温度を上昇させることがない。したがって、加圧タンク3内のLNGを無駄に蒸発させることなく保存期間を長く保つことができる。
液体窒素タンク5内に液体窒素を貯蔵しておき、この液体窒素を気化器28で気化して加圧タンク3内に供給して加圧タンク3内を加圧することとした。窒素ガスの蒸発温度は、LNGの主成分であるメタンの凝縮温度よりも低いので、液体窒素を気化して飽和温度となった窒素ガスを移送用ガスとして用いたとしても、加圧タンク3内の温度を上昇させることがない。なお、加圧タンク3内の温度上昇をさらに防ぐために、窒素ガスを減温した後に加圧タンク3に供給してもよい。
昇圧ポンプ11の上流側に、LNGを一時貯留するサクションドラム9を設け、これにより、昇圧ポンプのNPSHを確保することとした。さらに、サクションドラム9内を加圧するためにBOG配管17を介して加圧タンク3から導かれる窒素ガスおよびBOGを用いて、更に昇圧ポンプ11のNPSHを確保することとした。これにより、昇圧ポンプ11におけるキャビテーションや吸込み不足といった不具合を回避することができ、安定した連続液送運転が確保される。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について、図2を用いて説明する。
本実施形態は、第1実施形態では液体窒素が消費されると、別途外部から液体窒素を補給する必要が生じるが、窒素ガスから液体窒素を生成する装置を付加することで、外部から液体窒素を補給する手間を省略できる構成となっている。以下の説明では、第1実施形態と同一の構成については同一符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態に係るLNG移送装置(液化燃料ガス移送装置)1’は、第1実施形態同様に、加圧タンク3と、液体窒素タンク5と、LNG移送配管7と、サクションドラム9とを備えている。なお、図2では、図1に示した昇圧ポンプ11は省略されている。
LNG移送配管7には、移送ポンプ45が設けられており、加圧タンク3からLNGを吸い込んでサクションドラム9へと押し込むようになっている。なお、移送ポンプ45によるLNGの移送は、窒素ガス供給配管13による加圧タンク3の加圧によるLNG移送と併せて行われる。移送ポンプ45によって加圧されることで、LNG移送配管7内を流れるLNGに過冷却が負荷されることになる。
移送ポンプ45の下流側には、分岐点7eにて分岐する液スプレー配管47が設けられている。液スプレー配管47の他端は、加圧タンク3のガス相に開口しており、液スプレー弁49によって流量調整されたLNGが加圧タンク3のガス相にて散布(好ましくは噴霧)されるようになっている。LNGを加圧タンク3内のガス相に散布し、凝縮液化させることで、加圧タンク3内を減圧できるようになっている。液スプレー配管47には、LNGサブクーラ51が設けられており、後述する液体窒素によってLNGが冷却されるようになっている。
LNG移送配管7の下流側であるサクションドラム9側には、液位制御弁23が設けられている。この液位制御弁23は、第1実施形態と同様に、サクションドラム9内のLNGの液位が所定範囲になるように開度制御される。
加圧タンク3には、窒素ガス供給配管13が設けられている。窒素ガス供給配管13は、分岐点13eにて分岐するオフガス用配管15が設けられている。また、窒素ガス供給配管13には、第4圧力センサ53と、加圧用窒素ガス制御弁57とが設けられている。加圧用窒素ガス圧力コントローラ55によって、第4圧力センサ53の計測値が所望値となるように、加圧用窒素ガス制御弁57が制御される。
液体窒素タンク5には、液体窒素製造系統60が設けられている。
液体窒素製造系統60は、窒素ガスを圧縮するガス圧縮機62と、ガス圧縮機62にて圧縮された窒素ガスを貯留する窒素ガスタンク64と、窒素ガスタンク64内の窒素ガスを液体窒素タンク5へと導くとともに窒素ガスを液化する液体窒素製造配管66とを備えている。
なお、液体窒素製造系統60は、液体窒素タンク5から窒素ガス供給配管13および窒素ガス戻り配管70までの系統や、ガス圧縮機62から窒素ガスタンク64および予熱器80までの系統を含んでいる。
ガス圧縮機62は、例えばピストン往復式とされており、窒素ガス補給配管68または窒素ガス戻り配管70から逆止弁72を介して窒素ガスを吸い込み圧縮する。窒素ガス補給配管68には、船上に設置されたPSA(Pressure Swing Adsorption:圧力変動吸着)等の窒素ガスを製造する装置(図示せず)がチェック弁74を介して接続されている。
窒素ガスタンク64は、ガス圧縮機62から逆止弁76を介して導かれた圧縮窒素ガスを貯蔵する。窒素ガスタンク64内の圧力は、液体窒素製造配管66に設けられた圧力制御弁78によって調整される。
液体窒素製造配管66には、窒素ガス戻り配管70を流れる低温窒素ガスと熱交換する予冷器80と、LNG移送配管7を流れるLNGと熱交換する凝縮器82とが設けられている。液体窒素製造配管66を流れる圧縮窒素ガスは、予冷器80にて窒素ガス戻り配管70を流れる低温窒素ガスによって冷却された後に、凝縮器82にてLNG移送配管7を流れるLNGによって冷却されて凝縮する。凝縮器82にて凝縮した液体窒素は、チェック弁84を通過し、膨張弁86にて減圧膨張された後に、液体窒素タンク5のガス相に散布(好ましくは噴霧)される。膨張後の液体窒素が液体窒素タンク5のガス相に散布されると、一部が低温窒素ガス(フラッシュガス)となり、残部が低温液となる。低温窒素ガスは、液体窒素タンク5のガス相を形成する上部に接続された窒素ガス供給配管13を通り、加圧タンク3へと導かれる一方、分岐位置13fにて分岐した窒素ガス戻り配管70およびサクションドラム加圧用配管88へ分配される。
窒素ガス戻り配管70は、上流端の分岐位置13fから、ガス圧縮機62の入口合流位置70bとされた下流端まで延在している。窒素ガス戻り配管70には、圧力制御弁90と、予冷器80とが設けられている。圧力制御弁90は、液体窒素タンク圧力コントローラ92によって開度制御される。液体窒素タンク圧力コントローラ92は、液体窒素タンク5に設けられた第5圧力センサ94が所望値となるように、圧力制御弁90および膨張弁86を制御する。
サクションドラム加圧用配管88は、上流端の分岐位置13fから、サクションドラム9のガス相を形成するタンク上部まで延在している。サクションドラム加圧用配管88には、サクションドラム圧力制御弁96が設けられている。サクションドラム圧力制御弁96は、サクションドラム圧力コントローラ98によって、サクションドラム9内の圧力が所定値となるように開度制御される。サクションドラム圧力コントローラ98によって与えられる圧力により、サクションドラム9内のLNGに過冷却が付加され、昇圧ポンプのNPSHが確保される。
また、サクションドラム圧力制御弁96による圧力制御に加えて、サクションドラム9のガス相を形成するタンク上部に接続されたガス抜き配管97のガス逃がし圧調整弁99によって、サクションドラム9内の圧力を調整するようにしても良い。
液体窒素タンク5には、タンク底部の液相とタンク上部のガス相とを接続する窒素循環配管50が設けられている。この窒素循環配管50には、液スプレー配管47を流れるLNGを冷却するLNGサブクーラ51が設けられている。窒素循環配管50により、液体窒素タンク5内の液体窒素が底部から取り出され、取り出された液体窒素は、LNGサブクーラ51にてLNGに冷熱を与えて蒸発して窒素ガスとなり、この窒素ガスは、液体窒素タンク5の上部のガス相へと戻されるようになっている。
上述したLNG移送装置1’は、以下のように加圧タンク3内のLNGを移送する。
加圧タンク3内のLNGをサクションドラム9へと移送する際には、窒素ガス供給配管13から窒素ガスを供給して加圧タンク3内を加圧する。これにより、加圧タンク3内の圧力が上昇することによって、加圧タンク3内のLNGがLNG移送配管13を介して外部へと押し出される。この移送の際には、LNG移送配管13に設けた移送ポンプ45による移送も併せて行われる。
加圧タンク3内の圧力は、窒素ガス供給配管13に設けた第4圧力センサ53で得られた圧力が予め定めた一定の値となるように、加圧用窒素ガス圧力コントローラ55によって加圧用窒素ガス制御弁53の開度制御を行うことで調整される。
サクションドラム9内の圧力は、サクションドラム圧力コントローラ98によって制御される。具体的には、サクションドラム圧力コントローラ98で得られたサクションドラム9内の圧力が、予め定めた一定の値となるようにサクションドラム圧力制御弁96の開度を制御する。これにより、サクションドラム9内の圧力が常に加圧されることになり、サクションドラム9内のLNGに過冷却を付けてNPSHを確保することができる。
液体窒素は、液体窒素製造系統60により、以下のように製造される。
逆止弁72を介して吸い込まれた窒素ガスがガス圧縮機62によって圧縮されて吐出し、逆止弁76を介して窒素ガスタンク64へと流れ込む。窒素ガスタンク64には、圧力制御弁78によって所定圧力に調整された窒素ガスが貯留される。窒素ガスタンク64内の窒素ガスは、圧力制御弁78を通り、液体窒素製造配管66を流れる。窒素ガスは、液体窒素製造配管66を流通する際に、予冷器80にて冷却され、そして凝縮器82にて更に冷却されて凝縮液化する。予冷器80では、窒素ガス戻り配管70を流れる低温窒素ガスと熱交換し、凝縮器82では、LNG移送配管7を流れるLNGと熱交換する。
凝縮器82にて液化された液体窒素は、所定圧力以上となった場合にチェック弁84を通過し、膨張弁86によって減圧膨張された後、液体窒素タンク5のガス相に散布される。この際、膨張弁86は、第5圧力センサ94で得られた液体窒素タンク5内の計測圧力に基づいて、液体窒素タンク圧力コントローラ92によって開度制御される。膨張弁86は、液体窒素タンク5内の圧力が所定値よりも低くなっており増圧する必要がある場合に、多くの流量の液体窒素が供給されるように開方向へと制御される。
膨張弁86によって減圧膨張された液体窒素は、液体窒素タンク5のガス相に散布されると、一部がフラッシュして低温ガスとなり、残部が低温液となり、気液が分離される。フラッシュした低温ガスは、液体窒素タンク5のガス相を形成する上部に接続された窒素ガス供給配管13へと導かれる。低温となった液体窒素は、液体窒素タンク5内に貯留される。液体窒素タンク5内に貯留された液体窒素は、底部に接続された窒素循環配管50から取り出され、LNGサブクーラ51へと導かれる。LNGサブクーラ51では、LNG移送配管7の分岐点7eから分岐されたLNGに対して液体窒素から冷熱が与えられ、LNGを過冷却する。過冷却されたLNGは、液スプレー配管47を通り、液スプレー弁49にて流量調整された後に、加圧タンク3のガス相へと散布される。加圧タンク3のガス相に散布されたLNGによって、ガス相内のガスが凝縮されることにより、加圧タンク3の減圧が行われる。
一方、LNGサブクーラ51にてLNGに冷熱を与えた液体窒素は、蒸発し、窒素循環配管50を通り液体窒素タンク5のガス相へと導かれる。
液体窒素タンク5のガス相に接続された窒素ガス供給配管13に導かれた低温窒素ガスの一部は、窒素ガス供給配管13の分岐点13fに接続された窒素ガス戻り配管70に導かれ、圧力制御弁90を通り予冷器80へと導かれる。予冷器80にて、低温窒素ガスの冷熱が窒素ガスタンク64から導かれた窒素ガスに与えられる。圧力制御弁90は、第5圧力センサ94で得られた液体窒素タンク5内の計測圧力に基づいて、液体窒素タンク圧力コントローラ92によって開度制御される。圧力制御弁90は、液体窒素タンク5内の圧力が所定値よりも高くなっており減圧する場合に、多くの流量の低温窒素ガスが窒素ガス戻り配管70を流れるように開方向へと制御される。
予冷器80を通過した窒素ガスは、窒素ガス戻り配管70を通り、ガス圧縮機62の入口合流位置70bからガス圧縮機62へと導かれる。
また、液体窒素を製造する窒素量が不足して、ガス圧縮機62の入口合流位置70bにおける圧力が低下すると、チェック弁74が開き、図示しないPSA等の窒素ガス製造装置から窒素ガス補給配管68を介して窒素が補給される。このようにして、製造する液体窒素量は常に所定量確保できるようになっている。
以上の通り、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
LNGが貯蔵された加圧タンク3内に、LNGよりも凝縮温度が低く加圧タンク3内の圧力よりも高圧とされた窒素ガスを窒素ガス供給配管13から加圧タンク3内に供給することによって、LNG移送配管7から加圧タンク3内のLNGを外部へと移送することとした。このようにLNGよりも凝縮温度が低い窒素ガス(窒素はメタンに対して凝縮温度が約40℃低い)を用いることとしたので、窒素ガスが加圧タンク3内で凝縮することを可及的に回避することができ、効果的に加圧を行うことできるとともに、凝縮熱によって加圧タンク3内の温度を上昇させることがない。したがって、加圧タンク3内のLNGを無駄に蒸発させることなく保存期間を長く保つことができる。
液体窒素タンク5内に供給する液体窒素をフラッシュさせた低温窒素ガスを、窒素ガス供給配管13を介して加圧タンク3内に供給し、加圧タンク3内を加圧することとした。このように、フラッシュさせて低温とした低温窒素ガスを加圧のためのガスとして用いるので、加圧タンク内の温度を上昇させることがない。なお、本実施形態では、LNGサブクーラ51にて蒸発した窒素ガスとフラッシュさせた低温窒素ガスとを液体窒素タンク5のガス相で混合しているが、LNGサブクーラ51にて蒸発した窒素ガスの飽和温度はLNGの主成分であるメタンの凝縮温度に比べて十分に低いので、フラッシュさせた低温窒素ガスに混合させたとしても温度的な問題はない。
昇圧ポンプ(図2では省略した。図1の符号11参照)の上流側に、LNGを一時貯留するサクションドラム9を設け、これにより、昇圧ポンプのNPSHを確保することとした。さらに、サクションドラム9内を加圧するためにサクションドラム加圧用配管88を介して液体窒素タンク5から導かれる窒素ガスを用いて、更に昇圧ポンプのNPSHを確保することとした。これにより、昇圧ポンプにおけるキャビテーションや吸込み不足といった不具合を回避することができ、安定した連続液送運転が確保される。
液体窒素製造配管66にて窒素ガスを液化させる際に、凝縮器82にて、加圧タンクから導かれるLNGの冷熱を用いることとした。これにより、例えばエキスパンダー等を用いた冷凍サイクルを用いる場合に比べて、窒素ガスを液化する際の動力を大幅に低減することができる。また、加圧タンク3内の液化燃料ガスは、上述したように、窒素ガスの加圧によって過冷却が付加されている。したがって、LNGで窒素ガスを冷却したとしても、付加した過冷却分を用いて冷却するので、液化燃料ガスがボイルオフすることはない。また、本実施形態では、移送ポンプ45によりLNGが加圧されているので、さらにLNGのボイルオフを回避することができる。
なお、上述した各実施形態では、液化燃料ガスとしてLNGを例として挙げて説明したが、例えばLPG等の他の燃料ガス(液化エタン、アンモニア等)でも良い。
また、上述した各実施形態では、移送用ガスとして窒素ガスを例として挙げて説明したが、液化燃料ガスよりも凝縮温度が低いガスであれば他のガス(例えば希ガス)を用いることとしても良い。特に、上述の各実施形態のように窒素ガスであれば、不燃性であり、LNGよりも沸点および凝縮点が低く、入手が容易であるため好適である。
1,1’ LNG移送装置(液化燃料ガス移送装置)
3 加圧タンク(液化燃料ガス貯蔵タンク)
5 液体窒素タンク(液化移送用ガス貯蔵タンク)
7 LNG移送配管(液化燃料ガス移送配管)
9 サクションドラム(一時貯留タンク)
11 昇圧ポンプ
13 窒素ガス供給配管
15 オフガス用配管
17 BOG配管
23 液位制御弁
25 液体窒素ガス化配管
27 液体窒素流量調整弁
28 気化器
39 差圧制御弁
41 第1加熱器
43 第2加熱器
45 移送ポンプ
50 窒素循環配管
51 LNGサブクーラ
53 第4センサ
55 加圧用窒素ガス圧力コントローラ
57 加圧用窒素ガス制御弁
60 液体窒素製造系統
62 ガス圧縮機
64 窒素ガスタンク
66 液体窒素製造配管
80 予冷器
82 凝縮器
88 サクションドラム加圧用配管

Claims (6)

  1. 燃料ガスを液化した液化燃料ガスが貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンクと、
    前記燃料ガスよりも凝縮温度が低く前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガスを前記液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給して加圧する加圧手段と、
    該加圧手段による加圧によって、前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送する液化燃料ガス移送配管と、
    該液化燃料ガス移送配管から導かれた液化燃料ガスが気化された燃料ガスが供給されるガス炊きディーゼル機関と、
    を備えていることを特徴とする船舶。
  2. 燃料ガスを液化した液化燃料ガスが貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンクと、
    前記燃料ガスよりも凝縮温度が低く前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガスを前記液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給して加圧する加圧手段と、
    該加圧手段による加圧によって、前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送する液化燃料ガス移送配管と、
    を備えていることを特徴とする液化燃料ガス移送装置。
  3. 前記加圧手段は、前記移送用ガスが液化された液化移送用ガスが貯蔵される液化移送用ガス貯蔵タンクを備え、
    前記液化燃料ガス貯蔵タンク内には、前記液化移送用ガス貯蔵タンク内の液化移送用ガスが気化された移送用ガスが供給されることを特徴とする請求項2に記載の液化燃料ガス移送装置。
  4. 前記液化燃料ガス移送配管に接続され、移送された液化燃料ガスを一時貯留する一時貯留タンクと、
    該一時貯留タンクに接続され、該一時貯留タンク内の液化燃料ガスを吸い込み昇圧する昇圧ポンプと、
    を備え、
    前記一時貯留タンク内の加圧源として、前記移送用ガスが用いられることを特徴とする請求項2又は3に記載の液化燃料ガス移送装置。
  5. 前記液化移送用ガス貯蔵タンクには、前記液化燃料ガス貯蔵タンクから導かれた液化燃料ガスの冷熱を用いて凝縮された液化移送用ガスが供給されることを特徴とする請求項3又は4に記載の液化燃料ガス移送装置。
  6. 燃料ガスを液化した液化燃料ガスが貯蔵された液化燃料ガス貯蔵タンクと、
    前記燃料ガスよりも凝縮温度が低く前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の圧力よりも高圧とされた移送用ガスを前記液化燃料ガス貯蔵タンク内に供給して加圧する加圧手段と、
    を備えた液化燃料ガス移送装置の液化燃料ガス移送方法であって、
    前記加圧手段による加圧によって、前記液化燃料ガス貯蔵タンク内の液化燃料ガスを外部へと移送することを特徴とする液化燃料ガス移送方法。
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