JP2023087277A - 液化ガス運搬船 - Google Patents

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修治 川崎
Shuji Kawasaki
巧 宮武
Ko Miyatake
晃生 大西
Akio Onishi
晴彦 冨永
Haruhiko Tominaga
みどり 岡田
Midori Okada
元気 横山
Genki Yokoyama
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Abstract

【課題】液化ガス運搬船において、貨物タンクの貫通部から漏出した気化ガスを構造物に取り込まれることなく船舶から離散させる構造を提案する。【解決手段】液化ガス運搬船は、舳先から船長方向に並ぶ船首域、貨物域、及び船尾域が規定された船体と、船体の船首域において上甲板の上に一部又は全部が配置された、船橋を含む船首構造物と、船体の貨物域において上甲板の下に一部が配置された、液化ガスを収容可能な貨物タンクと、船体の船尾域において上甲板の上に一部又は全部が配置された、船尾構造物とを備える。貨物タンクは貨物タンクに規定されたタンク頂部高さよりも高い位置に貫通部を有し、タンク頂部高さが船首構造物の高さ及び船尾構造物の高さよりも高く、且つ、タンク底部の高さが満載喫水線よりも低い。【選択図】図1

Description

本開示は、液化ガス運搬船に関する。
従来から、前方見通しを含む前方視界を十分に確保しつつ船橋付き居住構造物の高さを抑えるために、船首に船橋が配置され、船橋よりも船尾側に貨物域が配置された船舶が知られている。特許文献1,2は、この種の船舶を開示する。
特許文献1の商用船舶は、主船橋と居住区とからなる船橋付居住構造物が船尾に配置され、船体の中央部よりも前方に補助船橋が配置され、補助船橋と船橋付居住構造物の前後間に貨物域が配置されている。
特許文献2の液化ガス運搬船は、船橋付居住構造物が船体の前部に配置され、貨物機器室や煙突が船体の後部に配置され、液化ガスを貯蔵する液化ガスタンクが船橋付居住構造物と貨物機器室の前後間に配置されている。
特開2016-55771号公報 特開2019-55692号公報
液化ガス運搬船において、液化ガスが収容された貨物タンクの暴露された貫通部は、当該貨物タンクの本体頂部や当該本体頂部から突出するタンクドームに集中して配置されている。貨物タンクの貫通部には、例えば、荷揚げ及び荷積み用配管、安全弁、ガスライン、並びに、大気放出ベントが配置される。これらの配管同士の接続部や弁との接続部において漏洩が生じることはまず無いが、安全性を向上するうえでは検討すべき事項の一つである。LNGや液化水素などの液化ガスの気化ガスは無臭で引火性があることから、万が一、貨物タンクの貫通部から気化ガスが漏出した場合には、当該気化ガスを滞留させずに速やかに船舶から離散させることが望ましい。
特許文献1の船舶では、船首に配置された補助船橋が貨物タンク頂部と同等高さに配置されるが、船尾に配置された船橋付居住構造物の高さは貨物タンク頂部よりも高い。そのため、貨物タンク頂部から気化ガスが漏出した場合には、当該気化ガスが船橋付居住構造物へ向かって流れ、気化ガスを構造物内の開口や換気設備から吸引する恐れがある。特許文献2の船舶では、船首に配置された船橋付居住構造物の高さは貨物タンク頂部より低いが、船尾に配置された貨物機器室の高さは貨物タンク頂部よりも高い。そのため、貨物タンク頂部から気化ガスが漏出した場合には、当該気化ガスが貨物機器室へ向かって流れる恐れがある。
本開示は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、液化ガス運搬船において、貨物タンクの頂部の貫通部から漏出した気化ガスを構造物内に取り込まれることなく船舶から離散させる構造を提案する。
本開示の一態様に係る液化ガス運搬船は、
舳先から船長方向に並ぶ船首域、貨物域、及び船尾域が規定された船体と、
前記船体の前記船首域において上甲板の上に一部又は全部が配置された、船橋を含む船首構造物と、
前記船体の前記貨物域において前記上甲板の下に一部が配置された、液化ガスを収容可能な貨物タンクと、
前記船体の前記船尾域において前記上甲板の上に一部又は全部が配置された、船尾構造物とを備え、
前記貨物タンクは当該貨物タンクに規定されたタンク頂部高さよりも高い位置に貫通部を有し、前記タンク頂部高さが前記船首構造物の高さ及び前記船尾構造物の高さよりも高く、且つ、タンク底部の高さが満載喫水線よりも低いことを特徴としている。
本開示によれば、液化ガス運搬船において、貨物タンクの頂部の貫通部から漏出したガスを構造物に取り込まれることなく船舶から離散させる構造を提案することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る液化ガス運搬船の全体的な構成を示す側面図である。 図2は、貨物タンクを含む液化ガス運搬船の横断面図である。 図3は、変形例1に係る液化ガス運搬船の全体的な構成を示す側面図である。
次に、図面を参照して本開示の実施の形態を説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る液化ガス運搬船1の概略構成図である。図1に示す液化ガス運搬船1は、液化水素を運搬する液化水素運搬船である。但し、液化ガス運搬船1はLNGやLPGなどの液化ガスを運搬する船舶であってもよい。液化ガス運搬船1は、船底、側壁、及び上甲板18などにより構成された船体2を備える。船体2の船尾には、プロペラ28と舵29が配置されている。船体2には、舳先から船長方向に並ぶ船首域R1、貨物域R2、及び、船尾域R3が規定されている。
貨物域R2は隔壁22によって船長方向に並ぶ複数のホールド21に区画されている。最も舳先に近いホールド21の前壁を形成している横置きの隔壁22から、最も船尾に近いホールド21の後壁を形成している横置きの隔壁22までの船長方向の区間を、貨物域R2とする。船体2の貨物域R2よりも船首側(即ち、前側)を船首域R1とする。船体2の貨物域R2よりも船尾側(即ち、後ろ側)を船尾域R3とする。
各ホールド21には、貨物タンク3が配置されている。本実施形態に係る液化ガス運搬船1は液化水素運搬船であるから、貨物タンク3は液化水素輸送用の液化水素タンクである。本実施形態に係る液化ガス運搬船1には、4つの貨物タンク3が搭載されている。但し、船体2に搭載される貨物タンク3の数は1つであってもよいし、2つ以上の複数であってもよい。
本実施形態において、4つの貨物タンク3は、実質的に同じ構造を有する。但し、液化ガス運搬船1に複数の貨物タンク3が搭載されている場合、複数の貨物タンク3はそれぞれ異なる構造を有していてもよい。
図2は、液化ガス運搬船1の横断面図である。図1及び図2に示すように、貨物タンク3は、液化ガスを収容する槽本体31と、槽本体31の頂部から上方へ突出するタンクドーム33とを有する。なお、槽本体31は、必ずしも球形である必要はなく、水平方向に長い円筒形状や鉛直方向に長い円筒形状であってもよい。或いは、槽本体31は、立方体状や直方体状であってもよい。
貨物タンク3の下部は、ホールド21内に収容されている。貨物タンク3のタンク底部の高さは、満載喫水線よりも低い。貨物タンク3の上部はタンクカバー6で覆われている。つまり、貨物タンク3は、ホールド21を形作る船体2の構成要素である隔壁22とタンクカバー6とによって包囲されている。タンクドーム33の上部は、タンクカバー6を貫いてタンクカバー6の上方へ突出して、曝露されている。タンクドーム33の曝露部分には、貨物タンク3の内外を連通する少なくとも1つの貫通部30が設けられている。貫通部30には、例えば、荷揚げ及び荷積み用配管、安全弁、ベントライン、並びに、ガスラインなどが配置される。
タンクカバー6の上部又はタンクドーム33には、ベントマスト27が立設されている。ベントマスト27は、上甲板18に立設されていてもよい。ベントマスト27は、タンクドーム33から延在するベントラインが接続されている。このベントラインを通じて、貨物タンク3からタンクドーム33を介して、ベントマスト27に気化ガスが導出される。ベントマスト27は、気化ガスを大気へ導く通路を有し、大気放出口は当該ベントマスト27の頂部に設けられている。
図1に戻って、船首域R1の上甲板18の上には、船首構造物12の一部又は全部が配置されている。船首構造物12は複数の階層を有し、最上層は船橋13となっている。船橋13は、航海及び操船のための場所をいい、操舵室11と船橋ウイングを含む。船首構造物12には、船橋13の他に、船橋13の下に配置された船首機能区画14が設けられている。船首機能区画14には、第1居住区、安全運航に関連する機器を配置する機器室、航海用具を格納する倉庫、ケーブル配線区画、バッテリー室、通路、及び、階段のうち少なくとも1つが設けられている。第1居住区に含まれる空間として、トイレ、洗面所、パイロット控室、当直室、当直用パントリーが例示される。また、第1居住区には、公室、居室、事務室、病室、配膳室、乗組員に食事時を提供する調理室、食堂などが設けられてもよい。機器室に配置される機器として、ジャイロコンパス本体やVDR(航海情報収録装置)などの航海機器、自動交換電話の制御ユニット本体、船内放送装置の制御ユニット本体、MF/HF送受信機のアンテナアース切替えユニット、及びレーダの送受波器が例示される。
船首構造物12の頂部には、レーダマスト24が装備される。更に、船首構造物12の頂部に、レーダ、VHF、インマルサット、MF/HFなどのアンテナが配置されてもよい。
船体2の船首域R1の上甲板18よりも下部であって船首構造物12の下方に船首設備19が配置されている。上記の船首設備19は、船首構造物12で発生した汚水を処理するための汚水処理設備であってよい。汚水処理設備には、汚水処理装置、汚水処理タンク、及び汚水移送ポンプが含まれる。汚水移送ポンプは、船長方向に延びる配管を通じて汚水を船首構造物12から後述する船尾構造物15へ移送する。或いは、上記の船首設備19は、船首構造物12の空調設備であってよい。空調設備には、室外機ユニットが含まれる。或いは、上記の船首設備19は、浄水貯溜設備であってよい。浄水貯溜設備には、浄水タンク、浄水ポンプ、及び浄水加圧ポンプが含まれる。浄水には、飲料水が含まれてよい。或いは、上記の船首設備19は、海水貯溜設備であってよい。海水貯溜設備には、海水タンク、海水ポンプ、及び、海水加圧ポンプが含まれる。海水には、消火用海水が含まれてよい。
船尾域R3の船体2の内部には機関室35が設けられている。機関室35には、主機関34、発電機、ボイラなどの機械類が据え付けられている。主機関34は、船体2の船尾に配置されたプロペラ28と推進軸で接続されている。
船尾域R3の上甲板18の上には、船尾構造物15の一部又は全部が配置されている。船尾構造物15は複数の階層を有し、内部に船尾機能区画16が構成されている。船尾機能区画16には、第2居住区、貨物機器室、電気機器室、倉庫、貨物の監視・制御を行う荷役制御室、機関制御室のうち少なくとも一つが設けられている。第2居住区には、公室、居室、事務室、病室、配膳室、乗組員に食事時を提供する調理室、食堂などが設けられる。
なお、船尾構造物15は、独立した複数の構造物であってもよい。図3に示す変形例1に係る液化ガス運搬船1は、第1船尾構造物15Aと第2船尾構造物15Bとを備える。第2船尾構造物15Bは、第1船尾構造物15Aよりも船尾側に配置されており、第1船尾構造物15Aから独立している。第1船尾構造物15Aには、貨物機器室が設けられる。貨物機器室には、貨物機器が配置されている。貨物機器には、例えば、貨物ポンプ、圧縮機、貨物ヒータ、気化器などがある。貨物機器室は、機関室35との間に空隙が設けられることが望ましく、第1船尾構造物15Aの二階以上の上層階に設けられる。第2船尾構造物15Bには、第3居住区が設けられる。第2船尾構造物15Bに第3居住区が設けられる場合、船首構造物12に設けられる第1居住区の規模が縮小されてよい。或いは、第3居住区は、第2船尾構造物15Bの下方に配置された機関室35のための生活空間として利用されてもよい。第2船尾構造物15Bは、上甲板18と第1船尾構造物15Aの貨物機器室の上下間に設けられることが、貨物機器室と居住区とを離間させる観点から望ましい。
図1及び図2に戻って、船首構造物12と船尾構造物15とは、船長方向に延びる非曝露の接続通路37,38で接続されている。接続通路38は、上甲板18の下方に設けられたアンダーデッキパッセージ38であってよい。このアンダーデッキパッセージ38は、船首構造物12の下方と船尾構造物15の下方とを上甲板18の下を通って接続する通路である。乗務員は船首構造物12を上甲板18の下まで降りてアンダーデッキパッセージ38を通って船尾構造物15の下方へ移動し、船尾構造物15へ上る。アンダーデッキパッセージ38は、船首構造物12と機関室35との接続通路となっていてもよい。また、接続通路37は、上甲板18の上に設けられた曝露又は非曝露のフライングパッセージ37であってもよい。非曝露のフライングパッセージ37は、例えば、鋼壁で囲まれたトンネル状の通路に形成される。このフライングパッセージ37は、船首構造物12の上層階と船尾構造物15の上層階とを直接的に接続している。
船尾域R3の上甲板18の上であって、船尾構造物15よりも後方には、エンジンケーシング36が配置されている。エンジンケーシング36は機関室35の上方まで配置されるボイラや主機関34の排気管を覆い囲んでおり、この排気管と接続された煙突48がエンジンケーシング36の頂部から突出している。
エンジンケーシング36の上部又は船尾構造物15の上部には、後方監視用レーダ39が配置されている。後方監視用レーダ39で検出された情報は、船橋13の操舵室11に配置されたモニタに映し出される。これにより、乗組員は操舵室11に居ながら船尾の状況を把握することができる。
上記構成の液化ガス運搬船1において、常に乗組員が業務に当たる場所及び生活する場所を含む構造物の高さは、貨物タンク3の「タンク頂部高さH0」より低い。換言すれば、貨物タンク3のタンク頂部高さH0は、常に乗組員が業務に当たる場所及び生活する場所を含む構造物の高さよりも高い。ここで、タンク頂部高さH0とは、貨物タンク3からの気化ガスの漏出可能性のある箇所のうち最も低い箇所の高さと規定されてよい。このような観点から、タンク頂部高さH0は、貨物タンク3のうち曝露されている部分と曝露されていない部分との境界の高さと規定されてよい。本実施形態に係る液化ガス運搬船1では、貨物タンク3はタンクドーム33の上部を除いてタンクカバー6で覆われており、貨物タンク3のタンクドーム33のうちタンクカバー6から上方へ露出している部分の最下部の高さがタンク頂部高さH0となる。或いは、タンク頂部高さH0は、貨物タンク3のタンクドーム33に設けられた貫通部30のうち最も低い貫通部30の高さと規定されてよい。或いは、貫通部30の多くがタンクドーム33の頂部に集中して配置されている場合には、タンク頂部高さH0は、タンクドーム33の頂部の高さと規定されてもよい。なお、高さの基準は、船体2に規定される水平なライン、例えば、満載喫水線などであってよい。
より具体的には、貨物タンク3のタンク頂部高さH0は、船首構造物12の高さH1、及び、船尾構造物15の高さH2よりも高い。換言すれば、船首構造物12の高さH1、及び、船尾構造物15の高さH2は、タンク頂部高さH0よりも低い。船首構造物12の高さH1は、船首構造物12の頂部に配置されたレーダマスト24やアンテナを除いた、実質的に乗組員が滞在する空間の高さである。但し、船首構造物12の高さH1はレーダマスト24やアンテナを含めた高さとしてもよい。船尾構造物15の高さH2は、船尾構造物15の頂部に配置された後方監視用レーダ39やアンテナを除いた、実質的に乗組員が滞在する空間の高さである。但し、船尾構造物15の高さH2は、後方監視用レーダ39やアンテナを含めた高さとしてもよい。
そして、上記構成の液化ガス運搬船1において、貨物タンク3のタンク頂部高さH0は、エンジンケーシング36の高さよりも高いことが望ましい。換言すれば、エンジンケーシング36の高さは、タンク頂部高さH0よりも低いことが望ましい。ここで、エンジンケーシング36の高さは、エンジンケーシング36の頂部に配置された後方監視用レーダ39やアンテナ、エンジンケーシング36から突出する煙突48を除いた、実質的に乗組員が滞在する可能性のある空間の高さであってよい。更には、貨物タンク3のタンク頂部高さH0は、煙突48の高さよりも高いことが望ましい。換言すれば、煙突48の高さは、タンク頂部高さH0よりも低いことが望ましい。
<総括>
以上に説明した通り、本実施形態に係る液化ガス運搬船1は、
舳先から船長方向に並ぶ船首域R1、貨物域R2、及び船尾域R3が規定された船体2と、
船体2の船首域R1において上甲板18の上に一部又は全部が配置された、船橋13を含む船首構造物12と、
船体2の貨物域R2において上甲板18の下に一部が配置された、液化ガスを収容可能な貨物タンク3と、
船体2の船尾域R3において上甲板18の上に一部又は全部が配置された、船尾構造物15とを備え、
貨物タンク3は当該貨物タンク3に規定されたタンク頂部高さH0より高い位置に貫通部30を有し、タンク頂部高さH0が船首構造物12の高さH1及び船尾構造物15の高さH2よりも高く、且つ、タンク底部の高さが満載喫水線よりも低いことを特徴としている。
貨物タンク3のうちタンク頂部の曝露されている部分には前述の通り貫通部30が設けられており、この貫通部30から貨物の気化ガスが漏出する可能性がある。水素ガスなどの気化ガスは空気よりも軽いので、貨物タンク3の貫通部30から漏出した気化ガスはタンク頂部高さH0より下方へ流れることは殆どない。つまり、タンク頂部高さH0よりも低い船首構造物12及び船尾構造物15へ気化ガスが流れることが防止される。更に、タンク頂部高さH0が船首構造物12の高さH1及び船尾構造物15の高さH2よりも高いことで、貨物タンク3の貫通部30から漏出した気化ガスの流れはこれらの構造物12,15よりも上方へ流れるので、これらの構造物12,15に設けられた換気口を通じて気化ガスが内部へ吸引される可能性が低減される。
なお、双胴船やバージ船などのように貨物タンクのタンク底部が計画満載喫水線よりも高い位置に設置された船が知られている。このような船では、船型の形状上、貨物タンクを船体に格納して配置することは困難であって、タンク頂部が船首構造物及び船尾構造物よりも高い位置に配置されることがあるが、船体の上方に配置された貨物タンクによって風圧抵抗が大きくなることにより、操縦性の悪化や停泊時に使用する係船装置の大型化が懸念される。一方で、本開示に係る液化ガス運搬船1は、双胴船やバージ船と異なって、タンク底部が計画満載喫水線よりも低い位置にある。液化ガス運搬船1のように貨物タンク3が船体2の内部に格納される単胴船においては、貨物タンク3が双胴船やバージ船に比べて低い位置に設置できるが、その反面、上記した漏出ガスを構造物の開口から吸引する可能性が増加する。そこで、単胴船においては、風圧抵抗を低減し、且つ、漏出ガスの吸引可能性を低減するため、つまりは、貨物タンク3のタンク頂部が船首構造物12及び船尾構造物15よりも高くないようにするためには、タンク高さを上げるのではなく、本開示のように構造物の高さを低減すること有効である。
上記の液化ガス運搬船1において、船尾構造物15は、第2の居住区、及び、貨物機器室のうち少なくとも一方(船尾機能区画16)を含んでいてよい。
また、上記の液化ガス運搬船1において、船尾構造物15が、貨物機器室を含む第1船尾構造物15Aと、第1船尾構造物15Aよりも船尾側に配置され、第1船尾構造物15Aから独立し、且つ、居住区を含む第2船尾構造物15Bを有していてよい。
このように、居住区の機能の一部又は全部が、第1船尾構造物15Aよりも船尾側に配置された第2船尾構造物15Bに備えられることで、船首構造物12の建物高さを抑えることができる。
また、本実施形態に係る液化ガス運搬船1では、船体2の船尾域R3の上甲板18上に配置されたエンジンケーシング36と、エンジンケーシング36から上方へ突出する煙突48とを更に備え、タンク頂部高さH0が煙突48の高さよりも高い。煙突48からは、高温の排気ガスや煤が排出される。本実施形態では、船首構造物12及び船尾構造物15に加えて、煙突48の高さもタンク頂部高さH0よりも低くなるので、貨物タンク3の貫通部30から漏出した気化ガスと煙突48から排出される気体との混合を回避することができ、火災等の原因を除くことができる。
また、上記の液化ガス運搬船1において、船首構造物12は第1の居住区(船首機能区画14)を含んでいてよい。このように、従来の居住区としての機能の少なくとも一部分が、船首構造物12に配置されることで、船尾構造物15の高さを低く抑えることが可能となる。なお、従来の居住区としての機能は、船首構造物12に集中して配置されていてもよいし、船首構造物12と船尾構造物15に分散して配置されていてもよいし、船首構造物12及び船尾構造物15に加えて上甲板18よりも下方の船体2内に配置されていてもよい。
また、上記の液化ガス運搬船1は、船首構造物12と船尾構造物15とを接続する非曝露の接続通路37,38を備えてよい。これにより、乗組員は、接続通路37,38を通じて、暴露部に出ることなく船首構造物12と船尾構造物15の間を迅速に移動することができる。
また、上記の液化ガス運搬船1は、船体2の船尾域R3の上甲板18よりも下部に機関室35が配置されており、船首構造物12と機関室35とを接続する非曝露の接続通路38を備えてよい。これにより、乗組員は、接続通路38を通じて、暴露部に出ることなく船首構造物12と機関室35の間を迅速に移動することができる。
また、上記の液化ガス運搬船1は、船体2の船首域R1の上甲板18よりも下部であって、船首構造物12の下方に、汚水処理設備、浄水貯溜設備、海水貯溜設備、及び、空調設備のうち少なくとも1つが配置されていてよい。これにより、船首構造物12の下方の空間を有効に利用することができる。
以上の開示は例示及び説明の目的で提示されたものであり、発明を本明細書に開示される形態に限定することを意図するものではない。例えば、前述の詳細な説明では、本開示の様々な特徴は、本開示を合理化する目的で1つの実施形態にまとめられている。但し、本開示に含まれる複数の特徴は、上記で論じたもの以外の代替の実施形態、構成、又は態様に組み合わせることができる。
また、上記実施形態に係る液化ガス運搬船1における船首構造物12の高さH1、船尾構造物15の高さH2、及びタンク頂部高さH0の相関関係は、液化ガス運搬船1の他の液化ガス運搬船や、海洋構造物に適用されてもよい。海洋構造物としては、浮体貯蔵設備、浮体貯蔵及び再ガス化設備、及び液化ガス再液化設備が例示される。
1 :液化ガス運搬船
2 :船体
3 :貨物タンク
12 :船首構造物
13 :船橋
14 :船首機能区画
15 :船尾構造物
16 :船尾機能区画
18 :上甲板
19 :船首設備
26 :独立居住区
28 :煙突
30 :貫通部
36 :エンジンケーシング
37 :接続通路(フライングパッセージ)
38 :接続通路(アンダーデッキパッセージ)
R1 :船首域
R2 :貨物域
R3 :船尾域
H0 :タンク頂部高さ
H1 :船首構造物の高さ
H2 :船尾構造物の高さ

Claims (9)

  1. 舳先から船長方向に並ぶ船首域、貨物域、及び船尾域が規定された船体と、
    前記船体の前記船首域において上甲板の上に一部又は全部が配置された、船橋を含む船首構造物と、
    前記船体の前記貨物域において前記上甲板の下に一部が配置された、液化ガスを収容可能な貨物タンクと、
    前記船体の前記船尾域において前記上甲板の上に一部又は全部が配置された、船尾構造物とを備え、
    前記貨物タンクは当該貨物タンクに規定されたタンク頂部高さよりも高い位置に貫通部を有し、前記タンク頂部高さが前記船首構造物の高さ及び前記船尾構造物の高さよりも高く、且つ、タンク底部の高さが満載喫水線よりも低い、
    液化ガス運搬船。
  2. 前記船体の前記船首域の前記上甲板よりも下部であって前記船首構造物の下方に、汚水処理設備、浄水貯溜設備、海水貯溜設備、及び、空調[0]設備のうち少なくとも1つが配置されている、
    請求項1に記載の液化ガス運搬船。
  3. 前記船首構造物が、第1の居住区を含む、
    請求項1又は2に記載の液化ガス運搬船。
  4. 前記船尾構造物が、第2の居住区を含む、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
  5. 前記船尾構造物が、貨物機器室を含む、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
  6. 前記船尾構造物が、貨物機器室を含む第1船尾構造物と、前記第1船尾構造物よりも船尾側に配置され、前記第1船尾構造物から独立し、且つ、居住区を含む第2船尾構造物を有する、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
  7. 前記船首構造物と前記船尾構造物とを接続する非曝露の接続通路を、更に備える、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
  8. 前記船体の前記船尾域の前記上甲板よりも下部に機関室が配置されており、
    前記船首構造物と前記機関室とを接続する非曝露の接続通路を、更に備える、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
  9. 前記船体の前記船尾域の前記上甲板上に配置されたエンジンケーシングと当該エンジンケーシングから上方へ突出する煙突とを更に備え、
    前記タンク頂部高さが前記煙突の高さよりも高い、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液化ガス運搬船。
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