JP6982993B2 - 超砥粒工具 - Google Patents
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Description
まず、本発明の第1実施形態に係る超砥粒工具について、図1〜図2を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る超砥粒工具の全体構成を示す模式図で、(a)は正面図、(b)は底面図である。詳細には、図1(a)は、回転軸方向H1に対して垂直方向から超砥粒工具1を視た図であり、図1(b)は、超砥粒層20の先端から基端に向けて回転軸方向H1に超砥粒工具1を視た図である。図2は、図1の超砥粒層を拡大した図である。
なお、本明細書において、無気孔とは意図的な気孔が形成されていないことを意味し、製造上意図しない気孔が形成されることを排除するものではない。
造粒物21は、超砥粒22を金属粉末と混合して造粒することで形成される。造粒の方法は特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。造粒により、超砥粒22は、1層または2層以上の金属層24により被覆される。造粒に用いられる金属粉末は、特に限定されず、タングステン、銅、コバルト、ニッケル、錫、銀、マンガン、クロム、その炭化物、これらの合金、これらの混合物等を用いることができる。本実施形態においては、金属粉末は、少なくともタングステン単体またはその合金を含む。つまり、金属層24の成分は、タングステン単体またはその合金を含む。
まず、本発明の第2実施形態に係る超砥粒工具について、図3を用いて説明する。
図3は、第2実施形態に係る超砥粒工具の全体構成を示す模式図で、(a)は正面図、(b)は底面図である。詳細には、図3(a)は、回転軸方向H2に対して垂直方向から超砥粒工具1Aを視た図であり、図3(b)は、超砥粒層20Aの先端から基端に向けて回転軸方向H2に超砥粒層20Aを視た図である。
次に、本発明の第3実施形態に係る超砥粒工具について説明する。第3実施形態に係る超砥粒工具は、第1実施形態に係る超砥粒工具のようなコアドリル型の超砥粒工具であってもよく、第2実施形態に係る超砥粒工具のようなノンコアドリル型の超砥粒工具であってもよい。
次に、本発明の第4実施形態に係る超砥粒工具について説明する。第4実施形態に係る超砥粒工具は、第3実施形態に係る超砥粒工具と同様にコアドリル型の超砥粒工具であってもよく、ノンコアドリル型の超砥粒工具であってもよい。
例えば、超砥粒層が、円筒状または円柱状である例を説明したが、これに限定されない。超砥粒層は、他の形状であってもよい。
また、超砥粒工具が高硬度脆性材料の加工に用いられる例を説明したが、他の材料(例えば木材等)の加工に用いられてもよい。
また、超砥粒が、造粒物に対して1つ配置される例を説明したが、複数個配置されてもよい。
また、溝部が周方向に複数個設けられる例を説明したが、溝部は1つ設けられてもよく、設けられなくてもよい。
平均粒径が120μm(粒度表示としては#170程度)の超砥粒を造粒し、平均粒径が超砥粒の2.5倍(300μm)程度となる造粒物を得た。造粒物と、結合材とを混合し、厚みt1が1000μm(厚み方向D1に造粒物およそ3個分)、外径Φ1が10mm、高さH1が厚みt1に対しておよそ8倍の円筒状となるように焼結し、焼結体を得た。焼結体を研磨、ドレッシング、ブラスト加工し、表面に超砥粒を露出させた。これにより、実施例1−1の試験体を得た。
表1に示した平均粒径の超砥粒を用いて、表1に示した平均粒径の造粒物を得た。造粒物と、結合材とを混合し、表1に示した厚み、外径、長さ(高さ)となるように、焼結し、得られた焼結体の表面に超砥粒を露出させた。これにより、実施例1−2〜実施例1−21の試験体を得た。
また、実施例1−6〜実施例1−9は、主に超砥粒に対する造粒物の平均粒径が実施例1−1と異なっている。
また、実施例1−10〜実施例1−17は、主に超砥粒層の厚みt1が実施例1−1と異なっている。より具体的には、実施例1−10〜実施例1−13は、主に超砥粒層の厚み方向D1の長さ(μm)が実施例1−1と異なっている。実施例1−14〜実施例1−17は、主に超砥粒層の厚み方向D1に連続的に結合する超砥粒の数が実施例1−1と異なっている。
また、実施例1−18〜実施例1−21は、超砥粒層の高さH1のみが実施例1−1と異なっている。
表1に示したように、実施例1−1〜実施例1−21と同じ平均粒径、個数の超砥粒を、造粒させずにメタルボンドと混合し、実施例1−1〜実施例1−21と同様の厚み、外径、長さの円筒状となるように焼結し、得られた焼結体の表面に超砥粒を露出させた。これにより、比較例1−1〜比較例1−21の試験体を得た。
また、比較例1−6〜比較例1−9は、比較例1−1と同様である。
また、比較例1−10〜比較例1−17は、超砥粒の平均粒径と、超砥粒層の厚み方向D1への長さ(μm)が比較例1−1と異なっている。
また、比較例1−18〜比較例1−21は、超砥粒層の高さH1のみが比較例1−1と異なっている。
平均粒径が120μm(粒度表示としては#170程度)の超砥粒を造粒し、平均粒径が超砥粒の2.5倍(300μm)程度となる造粒物を得た。造粒物と、結合材とを混合し、外径Φ2が1000μm(外径方向D2に造粒物およそ3個分)、高さH2が外径Φ2に対しておよそ8倍の円柱状となるように焼結し焼結体を得た。焼結体を研磨、ドレッシング、ブラスト加工し、表面に超砥粒を露出させた。これにより、実施例2−1の試験体を得た。
表2に示した平均粒径の超砥粒を用いて、表2に示した平均粒径の造粒物を得た。造粒物と、結合材とを混合し、表2に示した外径、長さとなるように、焼結し、得られた焼結体の表面に超砥粒を露出させた。これにより、実施例2−2〜実施例2−23の試験体を得た。
また、実施例2−6〜実施例2−9は、主に超砥粒に対する造粒物の平均粒径が実施例2−1と異なっている。
また、実施例2−10〜実施例2−19は、主に超砥粒層の外径Φ2が実施例2−1と異なっている。より具体的には、実施例2−10〜実施例2−15は、主に超砥粒層の外径方向D2への長さ(μm)が実施例2−1と異なっている。実施例2−16〜実施例2−19は、主に超砥粒層の外径方向D2に連続的に結合する超砥粒の数が実施例2−1と異なっている。
また、実施例2−20〜実施例2−23は、超砥粒層の高さH2のみが実施例2−1と異なっている。
表2に示したように、実施例2−1〜実施例2−23と同じ平均粒径、個数の超砥粒を、造粒させずにメタルボンドと混合し、実施例2−1〜実施例2−23と同様の外径、長さの円柱状となるように焼結し、得られた焼結体の表面に超砥粒を露出させた。これにより、比較例2−1〜実施例2−23の試験体を得た。
また、比較例2−6〜実施例2−9は、比較例2−1と同様である。
また、比較例2−10〜実施例2−19は、超砥粒の平均粒径と、超砥粒層の外径方向D2への長さ(μm)が比較例2−1と異なっている。
また、比較例2−20〜実施例2−23は、超砥粒層の高さH2のみが比較例2−1と異なっている。
各実施例と、比較例との工具寿命を比較した。具体的には、比較例1−1の試験体を用いて、試験材料に穴をあけた。穴をあけるのに必要となった回転数と時間を記録し、比較例1−1の試験体のチッピング量W1を記録した。続いて、実施例1−1の試験体を用いて、比較例1−1の試験体と同一の試験材料に、同一の回転数、時間で穴をあけ、実施例1の試験体のチッピング量W2を記録した。チッピング量が多い程、工具寿命は短くなるため、実施例1−1の試験体のチッピング量W2に対する比較例1−1の試験体のチッピング量W1の比率(W1÷W2)を実施例1−1の長寿命化率とした。比較例1−2〜比較例1−21、実施例1−2〜実施例1−21に対しても同様の比較試験を行い、実施例1−2〜実施例1−21の長寿命化率を求めた。比較例2−1〜比較例2−23、実施例2−1〜実施例2−23に対しても同様の比較試験を行い、実施例2−1〜実施例2−23の長寿命化率を求めた。それぞれの実施例の長寿命化率を以下の評価基準で評価した。結果を表1および表2に示した。
◎:長寿命化率が160%以上
○:長寿命化率が140%以上、160%未満
△:長寿命化率が120%以上、140%未満
×:長寿命化率が100%以上、120%未満
−:長寿命化率が100%未満
20,20A 超砥粒層
21 造粒物
22 超砥粒
24 金属層
26 結合材
J1,J2 回転軸
j1,j2 中心軸
H1,H2 回転軸方向
t1 厚み
Φ1,Φ2 外径
Claims (12)
- 回転軸を有する台金の先端側の前記回転軸に垂直な端面に、超砥粒を金属層で被覆した造粒物が結合材により前記回転軸の方向に複数個結合されてなる超砥粒層を備えた、超砥粒工具であって、
前記超砥粒層が、前記結合材として前記金属層の主成分と異なる金属を含み、かつ、無気孔である、超砥粒工具。 - 前記超砥粒層の形状は、前記回転軸と平行に延びる中心軸を有する円筒状または円柱状である請求項1に記載の超砥粒工具。
- 前記超砥粒層は、厚みが0.1〜2.0mmの円筒状である請求項2に記載の超砥粒工具。
- 前記超砥粒層は、外径が0.5〜10.0mmの円柱状である請求項2に記載の超砥粒工具。
- 前記超砥粒層の厚みまたは外径に対して超砥粒層の高さが2〜10倍である請求項2〜4のいずれかに記載の超砥粒工具。
- 前記超砥粒の平均粒径は、40〜150μmである請求項1〜5のいずれかに記載の超砥粒工具。
- 前記造粒物の平均粒径は、超砥粒の平均粒径の1.2〜3.4倍である請求項1〜6のいずれかに記載の超砥粒工具。
- 前記造粒物が前記超砥粒層の厚み方向に連続的に1〜14個結合した請求項3に記載の超砥粒工具。
- 前記造粒物が前記超砥粒層の外径方向に連続的に1〜70個結合した請求項4に記載の超砥粒工具。
- 前記金属層の成分は、タングステン単体またはその合金を含む請求項1〜9に記載の超砥粒工具。
- 前記超砥粒層の台金側の砥粒密度は、先端側よりも高い請求項1〜10のいずれかに記載の超砥粒工具。
- 前記超砥粒層の先端側の砥粒密度は、台金側よりも高い請求項1〜10のいずれかに記載の超砥粒工具。
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