JP6981112B2 - 粘着剤組成物、及び粘着フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、粘着剤組成物、及び粘着フィルムに関するものである。
偏向板、位相差板、ディスプレイ用のレンズフィルム等の電子部材及び光学部材の表面の汚れや傷付きを防止する目的で、表面保護用フィルムなどの粘着フィルムが広く利用されている。
前記粘着フィルムは、使用後は剥離することが前提のため、剥離時に電子部材及び光学部材等を破損させないように低い粘着力(微粘着性)が必要であった。また、製造工程後において粘着フィルムを剥離した際に、電子部材及び光学部材等を汚染し難い性質も必要であった。
前記粘着フィルムの粘着層に用いられる粘着剤としては、主に、アクリル系粘着剤とウレタン系粘着剤とがある。アクリル系粘着剤は被着体への密着性、凹凸追随性に優れているが、貼付後の時間の経過に伴って、著しく粘着力が増加したり、剥離後に糊残りが起こることがあった。これに対してウレタン系粘着剤は、被着体への密着性、凹凸追随性に優れ、さらに貼付後の粘着力変化も少なく、剥離後の糊残りも抑制されているため、表面保護用フィルムに用いられる粘着剤として好適である(特許文献1、2)。
特開2006−182795号公報 特開2015−7226号公報
しかし、近年、前記粘着フィルムを切断等で加工する際に、前記粘着層に由来する糊カス等の切断くずによる汚染が起こることがあり、作業性や生産性の低下を招き大きな問題となっている。特に、粘着層にウレタン系粘着剤が使われた場合に、該粘着層を含む粘着フィルムは切断くずの発生が多く、加工性が悪いことが知られていた。そのため、粘着フィルムにおいて、切断くずを生じない、加工性に優れたウレタン系粘着剤の開発が種々検討されているが、完全に防止するまでには至っていない。
本発明は、微粘着性を有し、且つ、粘着フィルムに使用した場合において、切断等の加工の際に切断くずが発生しない、粘着剤組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討した結果、所定のウレタンポリオール、及び所定のイソシアネートを含む粘着剤組成物によって、前記課題が解決できることを見出し、本発明を完成させた。即ち本発明は、以下の粘着剤組成物、及び粘着フィルムに関する。
1.3官能ポリエーテルポリオール(x1)を含むポリオール(x)、ポリイソシアネート(y)、及び単官能化合物(z)を含む成分の反応物であるウレタンポリオール(X)、並びにポリイソシアネート(Y)を含み、
前記単官能化合物(z)が、単官能アルコール、単官能イソシアネート及び単官能アミンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、粘着剤組成物。
2.(x)成分における(x1)成分の含有量が60〜100重量%である、前記項1に記載の粘着剤組成物。
3.(x1)成分の数平均分子量が1,000〜5,000である、前記項1又は2に記載の粘着剤組成物。
4.(z)成分が、(x)成分及び(y)成分の合計量に対して0.5〜10重量%である、請求項1〜3のいずれかに記載の粘着剤組成物。
5.(z)成分の分子量が50〜1,000である、前記項1〜4のいずれかに記載の粘着剤組成物。
6.(z)成分が単官能アルコールである、前記項1〜5のいずれかに記載の粘着剤組成物。
7.(X)成分の数平均分子量が5,000〜30,000である、前記項1〜6のいずれかに記載の粘着剤組成物。
8.さらに劣化防止剤(O)を含む、前記項1〜7のいずれかに記載の粘着剤組成物。
9.さらに可塑剤(P)を含む、前記項1〜8のいずれかに記載の粘着剤組成物。
10.さらに帯電防止剤(Q)を含む、前記項1〜9のいずれかに記載の粘着剤組成物。
11.基材と、前記項1〜10のいずれかに記載の粘着剤組成物の硬化物からなる粘着層とを含む、粘着フィルム。
本発明の粘着剤組成物は、粘着フィルムに使用した場合において、切断等の加工の際に切断くずが発生せず、加工性に優れているため、作業性や生産性よく、粘着フィルムを得ることができる。
本発明の粘着剤組成物は、粘着フィルムに使用した場合において、微粘着性を有するため、被着体から容易に剥離でき、剥離時に破損しやすい電子部材及び光学部材の表面を汚れや傷から保護する表面保護用フィルムとして好適である。
本発明の粘着剤組成物(以下、粘着剤)は、3官能ポリエーテルポリオール(x1)(以下、(x1)成分)を含むポリオール(x)(以下、(x)成分)、ポリイソシアネート(y)(以下、(y)成分)、及び単官能化合物(z)(以下、(z)成分)を含む成分の反応物であるウレタンポリオール(X)(以下、(X)成分)、並びにポリイソシアネート(Y)(以下、(Y)成分)を含み、前記(z)成分が、単官能アルコール、単官能イソシアネート及び単官能アミンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である、ことを特徴とする。以降の説明において、「微粘着性」は粘着剤及び後述の粘着フィルムにおける微粘着性を示し、「加工性」は後述の粘着フィルムにおける加工性を示す。
(x)成分は、(x1)成分を含むポリオールである。(x1)成分は、3官能のポリエーテルポリオールであれば、特に限定されず各種公知のものを用いることができる。具体的には、例えば活性水素基を3つ有する活性水素含有化合物を開始剤として用い、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の含酸素環状化合物を開環重合させて得られる化合物が挙げられる。該活性水素含有化合物としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリエタノールアミン等が挙げられる。該含酸素環状化合物を開環重合させて得られる化合物としては、例えば、該活性水素含有化合物から得られる3官能のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を併用できる。これらの中でも、(y)成分との反応性が高い点で、3官能のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、及びポリテトラメチレングリコールが好ましく、微粘着性が得られる点から、3官能のポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物がより好ましい。(x1)成分の数平均分子量は、微粘着性が得られる点から、1,000〜5,000程度(ゲルパーメーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算値、以下、数平均分子量という場合は同様である)のものが好ましく、同様の点から2,000〜4,000程度がより好ましい。(x)成分における(x1)成分の含有量は、特に限定されないが、微粘着性及び良好な加工性が両立できる点で、好ましくは60〜100重量%程度、より好ましくは70〜100重量%程度であればよい。
(x)成分には、必要に応じて(x1)成分以外のポリオール(x2)(以下、(x2)成分とする)を含めてもよい。(x2)成分は、特に限定されず各種公知のポリオールを用いることができる。具体的には、例えば、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。これらの中で、(x1)成分との相溶性に優れ、微粘着性が得られる点で、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールが好ましい。(x)成分における(x2)成分の含有量は、特に限定されないが、微粘着性が得られる点で、好ましくは0〜40重量%程度、より好ましくは0〜30重量%程度であればよい。
(x2)成分のポリエーテルポリオールは、(x1)成分以外のポリエーテルポリオールであり、2官能又は4官能以上のポリエーテルポリオールである。具体的には、例えば活性水素基を2つ又は4つ以上有する活性水素含有化合物を開始剤として用い、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、オキセタン、ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の含酸素環状化合物を開環重合させて得られる化合物が挙げられる。該活性水素基を2つ有する活性水素含有化合物としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールA等が挙げられ、該活性水素基を4つ以上有する活性水素含有化合物としては、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、エチレンジアミン、ソルビトール等が挙げられる。該含酸素環状化合物を開環重合させて得られる化合物としては、該活性水素含有化合物から得られる2官能又は4官能以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコール等が挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を併用してもよい。これらの中でも、加工性に優れる点で、2官能のポリエーテルポリオールが好ましく、また(y)成分との反応性が優れる点から、第1級水酸基を有するものがより好ましく、2官能のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、ポリテトラメチレングリコールなどが特に好ましい。該ポリエーテルポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、微粘着性及び良好な加工性が両立できる点から、数平均分子量が700〜5,000程度のものが好ましく、同様の点から1,000〜4,000程度がより好ましい。
(x2)成分のポリエステルポリオールとしては、2官能以上のポリエステルポリオールであれば、各種公知のものを用いることができる。酸成分としてアジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等が挙げられ、アルコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。その他、ポリカプロラクトン、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)、ポリバレロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も挙げられる。これらは一種を単独で又は二種以上を併用してもよい。該ポリエステルポリオールの数平均分子量は、特に限定されないが、微粘着性及び良好な加工性が両立できる点から、700〜5,000程度のものが好ましく、同様の点で1,000〜4,000程度がより好ましい。
(y)成分は、ポリイソシアネートであれば、特に限定されず各種公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、1,3−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ジイソシアネートなどが挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を併用してもよい。これらの中でも、微粘着性及び良好な加工性が両立できる点から、脂肪族又は脂環式ジイソシアネートを用いることが好ましい。また、(y)成分には、前記ジイソシアネートのアロファネート体、アダクト体、ビュウレット体、イソシアヌレート体等も併用することができる。(y)成分の使用量は、特に限定されないが、微粘着性及び良好な加工性が両立できる点で、(x)成分100重量部に対して3〜10重量部程度であることが好ましい。
(z)成分は、単官能アルコール、単官能イソシアネート及び単官能アミンからなる群より選択される少なくとも1種の単官能化合物である。(X)成分に(z)成分を導入することで、粘着剤を後述の粘着フィルムに使用した場合において、微粘着性を維持したまま良好な加工性の粘着フィルムを得ることができる。(z)成分によって加工性が良好になる理由は不明だが、(z)成分が導入されることで(X)成分を含む粘着層と基材フィルムとの密着性が向上し、切断等の加工の際に粘着層から糊カス等が発生しないためと推定される。さらに、(z)成分を導入することで、(X)成分の合成時のゲル化も抑制できることが判明した。
(z)成分としては、単官能アルコール、単官能イソシアネート及び単官能アミンからなる群より選択される少なくとも1種の単官能化合物であれば、特に限定されず各種公知のものを用いることができる。(z)成分は、(x)成分又は(y)成分との反応性が優れる点から、第1級又は第2級の水酸基、イソシアネート基、アミノ基を有するものが好ましい。単官能アルコールとしては脂肪族アルコール、脂環式アルコール、芳香族アルコール、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールモノ脂肪酸エステル等が、単官能イソシアネートとしては脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネート、芳香族イソシアネート等が、単官能アミンとしては脂肪族アミン、脂環式アミン、芳香族アミン等が挙げられる。これらの中でも、(X)成分の合成が容易になる点から、(z)成分は単官能アルコール又は単官能イソシアネートが好ましく、入手が容易である点から、単官能アルコールがより好ましい。(z)成分の使用量は、特に限定されないが、微粘着性及び良好な加工性が両立できる点から、(x)成分及び(y)成分の合計量に対して0.5〜10重量%程度が好ましく、同様の点から1〜6重量%程度がより好ましい。また(z)成分の分子量は、特に限定されないが、(X)成分の合成が容易になる点から分子量は50以上、加工性が良好になる点から分子量は1,000以下が好ましく、同様の点から100〜500程度がより好ましい。なお、(z)成分の分子量は、式量又は数平均分子量であり、化学式の式量で分子量を特定できる場合は式量をいう。数平均分子量は、前記同様にゲルパーメーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算の値である。
前記単官能アルコールの具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、オレイルアルコール等の脂肪族アルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノペンチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノヘプチルエーテル、エチレングリコールモノオクチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノプロピルエーテル、ポリエチレングリコールモノブチルエーテル、ポリエチレングリコールモノペンチルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ポリエチレングリコールモノヘプチルエーテル、ポリエチレングリコールモノオクチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールモノブチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアセチレート、エチレングリコールモノラウリレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノオレート、プロピレングリコールモノラウリレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノオレート、グリセリンジステアレート等のアルキレングリコールモノ脂肪酸エステルが挙げられる。その他、乳酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシプロピオン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等の分子内に一個の水酸基を有する脂肪酸を用いてもよい。これらの中でも、加工性が良好になる点から、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールモノ脂肪酸エステルが好ましい。
前記単官能イソシアネートの具体例としては、例えば、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート等の脂環式イソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート等の芳香族イソシアネートが挙げられる。前記単官能アミンの具体例としては、例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、ヘプチルアミン、ジヘプチルアミン、オクチルアミン、ジオクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、テトラデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン等の脂肪族アミン、シクロヘキシルアミン等の脂環式アミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン等の芳香族アミンが挙げられる。これらの中でも、加工性が良好になる点から脂肪族イソシアネート、脂肪族アミンが好ましい。
(X)成分には、前記(x)〜(z)成分と反応し得るその他成分を含めても良い。その他成分としては、例えば、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、2−メチル1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ブチルエチルプロパンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ダイマージオール、ヒマシ油ポリオール等の低分子ポリオール、エチレンジアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、イソホロンジアミン、キシリレンジアミン等の多価アミンが挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を併用できる。
(X)成分は、前記(x)成分〜(z)成分を含む成分を配合して、重合反応することで製造できる。前記成分の配合方法は、特に限定されず、いずれかの成分から混合するか全成分を同時に入れても良い。また、必要に応じ、合成触媒(a)(以下(a)成分)を用いることができ、重合反応時に一種以上の溶剤(b)(以下(b)成分)も用いることができる。重合温度は、重合反応の制御の点から40〜100℃が好ましく、同様の点で60〜85℃がより好ましい。また、重合時間は1時間〜8時間程度が好ましい。
(a)成分としては、各種公知のウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)−ウンデセン−7(DBU)等の3級アミン系化合物、ジブチル錫ジクロライド、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジブロマイド、ジブチル錫ジマレエート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫スルファイド、トリブチル錫スルファイド、トリブチル錫オキサイド、トリブチル錫アセテート、トリエチル錫エトキサイド、トリブチル錫エトキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジオクチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジバーサテート、トリブチル錫クロライド、トリブチル錫トリクロロアセテート、2−エチルヘキサン酸錫等の錫系化合物、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、チタニウムジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、テトラブチルチタネートなどのチタン系化合物、2−エチルヘキサン酸鉄、鉄アセチルアセトネートなどの鉄系化合物、ナフテン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの亜鉛系化合物、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ナフテン酸ジルコニウムなどのジルコニウム系化合物が挙げられる。(a)成分の使用量は特に限定されないが、通常、反応の制御が容易な点で(x)、(y)、(z)成分の合計量に対して0.001〜1.0重量%程度である。
(b)成分としては、各種公知のものを使用できる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン、アセチルアセトン等が挙げられる。(b)成分の使用量は特に限定されないが、(X)成分の合成が容易になる点で、(x)、(y)、(z)成分の合計量に対して20〜200重量%程度が好ましく、同様の点から50〜100重量%程度がより好ましい。
(X)成分の数平均分子量(Mn)(ゲルパーメーションクロマトグラフ法によるポリスチレン換算値、以下、数平均分子量という場合は同様である)は、特に限定されないが、好ましくは5,000〜30,000程度、より好ましくは8,000〜25,000程度、特に好ましくは10,000〜20,000程度である。該数平均分子量(Mn)が適切な範囲にあることで、微粘着性及び良好な加工性が両立できる。また、(X)成分の水酸基価(JIS K0070。以下、水酸基価というときは同様。)は、特に限定されないが、微粘着性が得られる点から、10〜40mgKOH/gが好ましく、同様の点から15〜30mgKOH/gがより好ましい。
(Y)成分としては、前記(y)成分のポリイソシアネート、及び該ポリイソシアネート化合物のアロファネート体、アダクト体、ビュウレット体、又はイソシアヌレート体等が挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を併用してもよい。これらの中で、粘着剤の硬化性の点から3官能以上が好ましく、中でもアダクト体、イソシアヌレート、ビュウレット体が好ましい。(Y)成分の配合量は、特に限定されないが、微粘着性及び良好な加工性が両立できる点から、(X)成分の水酸基と(Y)成分のイソシアネート基とのモル比(NCO/OH)が、0.8〜2.0程度が好ましく、同様の点から1.0〜1.5程度がより好ましい。
本発明の粘着剤には、必要に応じて、熱、又は光による劣化を抑制することを目的に、劣化防止剤(O)(以下、(O)成分)を含んでもよい。(O)成分としては、特に限定されないが、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などが挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を併用してもよい。
前記酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤及びアミン系酸化防止剤等のラジカル連鎖禁止剤、硫黄系酸化防止剤及びリン系酸化防止剤等の過酸化物分解剤等が挙げられる。市販品としては、アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40,AO−50、AO−60、AO−80、AO−330、PEP−8、PEP−36、HP−10、AO−412S,AO−503((株)ADEKA製)等が挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、及びトリアジン系紫外線吸収剤等が挙げられる。市販品としては、アデカスタブLA−24、LA−29、LA−31G、LA−32、LA−36、LA−46、LA−F70((株)ADEKA製)等が挙げられる。
前記光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が挙げられる。市販品としては、アデカスタブLA−52、LA−57、LA−63P、LA−68、LA−72、LA−77Y、LA−77G、LA−81((株)ADEKA製)等が挙げられる。
前記(O)成分の配合量は、(X)成分の劣化を抑制でき、被着体への(O)成分の移行を抑制できる点から、粘着剤中の(X)成分に対して0.1〜5重量%程度であることが好ましく、同様の点で0.2〜2重量%程度がより好ましい。
また、本発明の粘着剤には、微粘着性及び被着体への濡れ性を得ることを目的に、可塑剤(P)(以下、(P)成分)を含んでもよい。(P)成分としては、特に限定されないが、エポキシ化脂肪酸エステル化合物、ポリエーテルエステル化合物、リン酸エステル化合物、脂肪酸エステル化合物、脂環式エステル化合物、芳香族エステル化合物などが挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を併用してもよい。その中でも、(X)成分及び(Y)成分との相溶性が高い点から、エポキシ化脂肪酸エステル化合物、ポリエーテルエステル化合物、リン酸エステル化合物が好ましい。
前記エポキシ化脂肪酸エステル化合物としては、エポキシ化菜種脂肪酸ブチル、エポキシ化菜種脂肪酸オクチル、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油、エポキシヘキサヒドロフタル酸オクチル、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジエポキシステアリル等を挙げることができる。
前記ポリエーテルエステル化合物としては、ポリアルキレングリコールの末端エステル変性化合物等が挙げられる。該ポリアルキレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ(エチレンオキサイド・プロピレンオキサイド)ブロックおよび/又はランダム共重合体、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノール類のエチレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のプロピレンオキシド付加重合体、ビスフェノール類のテトラヒドロフラン付加重合体等を挙げることができる。
前記リン酸エステル化合物としては、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、リン酸トリフェニル、リン酸オクチルジフェニルおよびリン酸トリクレシルなどを挙げることができる。
前記(P)成分の配合量は、微粘着性が得られて、被着体への(P)成分の移行を抑制できる点から、粘着剤中の(X)成分に対して10〜100重量%程度であることが好ましく、同様の点で20〜50重量%程度がより好ましい。
さらに、本発明の粘着剤には、帯電防止性を付与する目的で、帯電防止剤(Q)(以下(Q)成分)を含んでもよい。(Q)成分としては、特に限定されないが、アルカリ金属塩、イオン液体、導電性高分子、金属酸化物、微粒子(フィラー)、界面活性剤などが挙げられ、これらは一種を単独で又は二種以上を併用してもよい。その中でも、(X)成分及び(Y)成分との相溶性が高い点から、アルカリ金属塩、及びイオン液体が好ましい。
前記アルカリ金属塩としては、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、六フッ化リン酸リチウム、リチウムチオシアナート、メタンスルホン酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、パーフルオロブチルスルホン酸リチウム、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド、リチウムトリス(トリフルオロメタンスルホニル)メチド、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド等が挙げられる。これらの中でも、(X)成分との相溶性が良好な点から、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが好ましい。
前記イオン液体としては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1,3−ジメチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミドおよび1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド等のイミダゾリウムイオン、1−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ブチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−ヘキシル−4−メチルピリジニウムヘキサフルオロリン酸塩、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、1−オクチル−4−メチルピリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド、1−メチルピリジニウムビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミドおよび1−メチルピリジニウムビス(パーフルオロブチルスルホニル)イミドなどピリジニウムイオン、トリメチルヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ペンチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、N,N−ジエチル−N−メチル−N−ヘプチルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、トリ-n-ブチルメチルアンモニウムビストリフルオロメタンスルホンイミド等のアンモニウムイオンが挙げられる。その他、ピロリジニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等が挙げられる。
前記(Q)成分の配合量は、帯電防止性が得られて、被着体への(Q)成分の移行を抑制できる点から、粘着剤中の(X)成分100重量部に対して0.01〜5重量部程度であることが好ましく、同様の点で0.05〜3重量部程度がより好ましい。
本発明の粘着剤には、その他、粘着剤の硬化を損なわない範囲で、必要に応じて一種以上の他の任意成分を含めることが出来る。他の任意成分としては、触媒、ウレタンポリオール以外の樹脂、溶剤、充填剤、着色剤、消泡剤、防錆剤、レベリング剤等の添加剤を配合しても良い。
本発明の粘着フィルムは、基材と、前記粘着剤の硬化物からなる粘着層を含む。基材としては特に制限されず、プラスチックフィルム、プラスチックシート、紙、合成紙、金属箔等が挙げられる。粘着層は、例えば、基材となるフィルムの片面又は両面に積層することができる。また、基材は、これら基材の少なくとも一方の面に任意の1つ以上の層が積層された積層フィルムであってもよい。基材の粘着層を形成する側の面には、必要に応じて、コロナ放電処理及びアンカーコート剤塗布等の易接着処理が施されていてもよい。
前記プラスチックフィルム、プラスチックシートの構成樹脂としては特に制限されず、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のエステル系樹脂;ポリエチレン(PE)及びポリプロピレン(PP)等のオレフィン系樹脂;ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂;ナイロン66等のアミド系樹脂;ウレタン系樹脂(発泡体を含む);これらの組合せ等が挙げられる。該プラスチックフィルムの厚みは特に制限されず、好ましくは15〜300μmである。 前記紙としては特に制限されず、普通紙、コート紙、及びアート紙等が挙げられる。前記金属箔の構成金属としては特に制限されず、アルミニウム、銅、及びこれらの組合せ等が挙げられる。
本発明の粘着フィルムは、公知方法にて製造することができる。はじめに、基材の表面に本発明の粘着剤を塗工して、本発明の粘着剤からなる塗工層を形成する。塗布方法は公知方法を適用でき、ロールコーター法、コンマコーター法、ダイコーター法、リバースコーター法、シルクスクリーン法、及びグラビアコーター法等が挙げられる。 次に、塗工層を乾燥及び硬化して、本発明の粘着剤の硬化物からなる粘着層を形成する。加熱乾燥温度は特に制限されず、60〜150℃程度が好ましい。粘着層の厚み(乾燥後の厚み)は用途によって異なるが、好ましくは1〜200μmである。
本発明の粘着フィルムは、テープ、ラベル、シール、及び両面テープ等の形態で、使用することができる。本発明の粘着フィルムは、微粘着性を有しており、加工性に優れるため、表面保護用フィルム、化粧用フィルム、及び滑り止めフィルム等として好適に使用される。 本発明の粘着フィルムは、透明性にも優れるため、フラットパネルディスプレイ及びタッチパネルディスプレイ、並びに、これらの製造工程で製造又は使用される基板及び電子部材及び光学部材等に対する表面保護用フィルムとして好適に用いられる。
以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。各例中、特記しない限り、部及び%は重量基準である。
数平均分子量(Mn)は、ゲルパーメーションクロマトグラフ(GPC)法により測定した。測定条件は以下の通りとした。なお、Mnはいずれも、ポリスチレン換算値である。
(GPC測定条件)
機種 :製品名「HLC−8220」(東ソー(株)製)
カラム :製品名「PLgel MIXED−C」(Agilent Technology製)×2本
展開溶媒、流量:テトラヒドロフラン、1.0mL/分
測定温度:40℃
検出器 :RI
標準:単分散ポリスチレン
<ウレタンポリオール(X)の合成>
合成例1
撹拌器、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下漏斗を備え付けた4口フラスコに、アデカポリエーテルAM−302(3官能のポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、数平均分子量3000、(株)ADEKA製)99.5部とHDI(ヘキサメチレンジイソシアネート 東ソー(株)製)5.1部、ブチセロ(エチレングリコールモノブチルエーテル、三協化学(株)製)0.5部、ネオスタンU−830(ジオクチルスズジバーサテート 日東化成(株)製)0.01部、トルエン46.7部とメチルエチルケトン23.3部を仕込み、75℃まで徐々に昇温し、4時間反応を行った。赤外吸収(IR)スペクトルにてイソシアネート基由来のピークの消滅を確認してから冷却し、ウレタンポリオールを含む透明溶液(X−1)(固形分 60重量%)を得た。該ウレタンポリオールの数平均分子量は14,000、水酸基価は23mgKOH/gであった。
合成例2〜13
組成を表1のものに変更した以外は、合成例1と同様の手順で製造した。(z)成分を含まない合成例12では、合成時にゲル化した。
Figure 0006981112
表1の仕込み量の単位は重量部であり、表1中の略語及び注釈は、以下の通りである。
アデカポリエーテルAM−302:3官能のポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、数平均分子量3,000、(株)ADEKA製
クラレポリオールP−1010:2官能のポリエステルポリオール、数平均分子量1,000、(株)クラレ製
HDI: ヘキサメチレンジイソシアネート 東ソー(株)製
タケネート600:1,3−ビスイソシアナトメチルシクロヘキサン 三井化学(株)製
ブチセロ:エチレングリコールモノブチルエーテル、分子量118、三協化学(株)製
ユニオックスM400:ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、分子量400、日油(株)製
リケマールPS−100:プロピレングリコールモノステアレート、分子量343、理研ビタミン(株)製
ブタノール:分子量74、三菱ケミカル(株)製
ミリオネートO:オクタデシルイソシアネート、分子量211、保土谷化学工業(株)製
ジブチルアミン:分子量129、(株)ダイセル製
ネオスタンU−830:ジオクチルスズジバーサテート、日東化成(株)製
ナーセム第二鉄: 鉄アセチルアセトネート、日本化学産業(株)製
<粘着剤組成物の調製>
実施例1
合成例1で得られた(X−1)167部(固形換算で100部)、ポリイソシアネートとしてコロネートHX(ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 東ソー(株)製)9.0部、酸化防止剤としてアデカスタブAO−60(フェノール系酸化防止剤 (株)ADEKA製)0.5部、アデカスタブAO−503(硫黄系酸化防止剤 (株)ADEKA製)0.5部、及びメチルエチルケトン94部、アセチルアセトン4部を配合し、粘着剤組成物(固形分40重量%)を得た。なお、溶剤を除く各材料の使用量は、固形分換算値を示す。
実施例2〜14、比較例1〜2
組成を表2のものに変更した以外は、実施例1と同様の手順で製造した。
<粘着フィルムの作成>
バーコーターを用いて、基材フィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム 膜厚50μm 「ルミラーT−60」東レ(株)製)の片面に、実施例及び比較例の粘着剤組成物を、乾燥後厚みが10μmになるように塗工し、120℃で1分間乾燥して、粘着層を形成した。該粘着層の上に、厚さ38μmの剥離フィルム(「スーパーステックSP−PET38」リンテック(株)製)を貼着して、粘着フィルムを得た。該粘着フィルムを40℃の恒温槽内で1週間養生した後、剥離フィルムを剥がして粘着力及び加工性の評価に供した。実施例14の粘着剤組成物から得られた粘着フィルムは、前記評価に加えて、粘着層の表面抵抗率の評価にも供した。
<粘着力>
25mm×80mmの試験片を準備する。23℃−50%RHの環境下で、粘着層をガラス板に貼着し、2kgのローラーを1往復させる方式で圧着した。1時間後に300mm/minの引張速度で180°方向に引き剥がし、粘着力(単位:N/25mm)を測定した。電子部材及び光学部材に用いられる表面保護用フィルムにおいては、微粘着性が要求されることから、該粘着力は低いものが好ましく、0.01〜0.04N/25mm程度がより好ましく、0.01〜0.02N/25mm程度が特に好ましい。
<加工性>
粘着層の表面を指で擦った時、粘着層から剥がれた凝集物(糊カス)が出るかどうか目視で判定することで加工性を評価した。目視は蛍光灯下にて行った。加工性が良好であれば、擦っても凝集物は発生しにくい。評価は下記の基準にて行った。
◎:20回以上擦っても凝集物が発生しない。
○:10〜19回擦った時点で凝集物が発生する。
△:5〜9回擦った時点で凝集物が発生する。
×:1〜4回擦った時点で凝集物が発生する。
<表面抵抗率>
粘着層の表面抵抗率(Ω/□)を、ハイレスターUP MCP−HT450((株)三菱化学アナリテック製)を用いて、温度23℃−50%RHの環境下で測定した。
Figure 0006981112
表2の配合量の単位は重量部であり、表2中の略語及び注釈は、以下の通りである。
コロネートHX:ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体 東ソー(株)製
アデカスタブAO−60:フェノール系酸化防止剤、(株)ADEKA製
アデカスタブAO−503:イオウ系酸化防止剤、(株)ADEKA製
アデカサイザーRS−700:ポリエーテルエステル、(株)ADEKA製
アデカサイザーD−55:エポキシ化脂肪酸アルキルエステル、(株)ADEKA製
Li(CF3SO2)2N:リチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド、三菱マテリアル電子化成(株)製




Claims (8)

  1. 3官能ポリエーテルポリオール(x1)を含むポリオール(x)、ポリイソシアネート(y)、及び単官能化合物(z)を含む成分の反応物であるウレタンポリオール(X)、並びにポリイソシアネート(Y)を含み、
    前記単官能化合物(z)が、単官能アルコールでり、
    (x)成分における(x1)成分の含有量が60〜100重量%であり、
    (z)成分の分子量が50〜1,000である、粘着剤組成物。
  2. (x1)成分の数平均分子量が1,000〜5,000である、請求項1に記載の粘着剤組成物。
  3. (z)成分が、(x)成分及び(y)成分の合計量に対して0.5〜10重量%である、請求項1又は2に記載の粘着剤組成物。
  4. (X)成分の数平均分子量が5,000〜30,000である、請求項1〜のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  5. さらに劣化防止剤(O)を含む、請求項1〜のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  6. さらに可塑剤(P)を含む、請求項1〜のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  7. さらに帯電防止剤(Q)を含む、請求項1〜のいずれかに記載の粘着剤組成物。
  8. 基材と、請求項1〜のいずれかに記載の粘着剤組成物の硬化物からなる粘着層とを含む、粘着フィルム。
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