JP6977539B2 - 車両用ドア開閉装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用ドア開閉装置に関するものである。
従来、車両用ドア開閉装置として種々のものが提案されている(例えば特許文献1、2など)。こうした車両用ドア開閉装置は、車両のドアに搭載された複数のドアロック装置(前側ドアロック装置及び後側ドアロック装置)を備えている。これら複数のドアロック装置の各々は、ドアを閉止状態に保持可能なラッチ機構と、回動に伴いラッチ機構に解除操作力を伝達可能なオープンレバーとを有する。また、車両用ドア開閉装置は、ドアに搭載されたリモートコントロール装置(リモコン)を備えている。このリモートコントロール装置は、車内操作ハンドル、車外操作ハンドル及びリリースアクチュエータに連携可能な全閉ロック解除レバーを有する。そして、全閉ロック解除レバーは、複数のドアロック装置の各々のオープンレバーにケーブルを介して連結されている。全閉ロック解除レバーは、車内操作ハンドル及び車外操作ハンドルのいずれかに解除操作力が付加され、あるいはリリースアクチュエータが解除操作力を発生することで回動し、全てのケーブルをリモートコントロール装置の側に引っ張る。これに伴い、複数のドアロック装置の全てのオープンレバーが回動してラッチ機構に解除操作力が伝達される。これにより、複数のドアロック装置の全てのラッチ機構によるドアの閉止状態での保持が解除される。
特開2014−66082号公報 特開2016−104951号公報
ところで、このような車両用ドア開閉装置では、全閉ロック解除レバーの回動が複数のドアロック装置の全てのオープンレバーの回動にケーブルを介して連動している。このため、複数のドアロック装置のいずれか一つのオープンレバーが解除操作力を伝達する回動位置(以下、「解除操作位置」という)のまま錆等によって固着すると、該当するケーブルが押されて全閉ロック解除レバーがそのときの姿勢から原点位置に復帰できなくなる。これにより、複数のドアロック装置の残りのオープンレバーは、該当するケーブルに引っ張られて解除操作位置のままとなる。
以上により、複数のドアロック装置の全てにおいて、ラッチ機構によるドアの閉止状態での保持ができなくなる。
本発明の目的は、複数のドアロック装置の一部でラッチ機構によるドアの閉止状態での保持ができなくなったとしても、複数のドアロック装置の残りのラッチ機構によりドアを閉止状態に保持できる車両用ドア開閉装置を提供することにある。
上記課題を解決する車両用ドア開閉装置は、車両のドアに搭載され、該ドアを閉止状態に保持可能なラッチ機構及び初期位置から解除操作位置への回動に伴い前記ラッチ機構による保持を解除させる解除操作力を該ラッチ機構に伝達可能なオープンレバーを有する複数のドアロック装置と、操作ハンドルに連携されて前記ドアに回動自在に設けられ、前記操作ハンドルに付加された前記解除操作力に基づき回動する全閉ロック解除部材と、前記複数のドアロック装置の前記オープンレバー及び前記全閉ロック解除部材に両端末が接続され、該全閉ロック解除部材の回動に伴い、前記オープンレバーを前記初期位置から前記解除操作位置へと回動させる複数のケーブルと、少なくとも一つが前記複数のケーブルにおける前記全閉ロック解除部材の側に配置され、前記複数のドアロック装置の一の前記オープンレバーが前記解除操作位置に拘束された状態にあるときに、前記複数のドアロック装置の残りの前記オープンレバーの前記初期位置への復帰を許容する複数のロストモーション機構とを備える。
この構成によれば、例えばドアの閉止状態で、前記複数のドアロック装置の一の前記オープンレバーが前記解除操作位置に拘束された状態にあっても、前記複数のロストモーション機構により、前記複数のドアロック装置の残りの前記オープンレバーの前記初期位置への復帰が許容される。従って、前記複数のドアロック装置の一部で前記ラッチ機構による前記ドアの閉止状態での保持ができなくなったとしても、前記複数のドアロック装置の残りの前記ラッチ機構により前記ドアを閉止状態に保持できる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記複数のロストモーション機構の各々は、前記複数のドアロック装置の各々の前記オープンレバー及び前記全閉ロック解除部材としての全閉ロック解除レバーのいずれか一方に形成された長穴と、前記各ケーブルの前記端末に設けられ、前記各長穴に沿って摺動自在に挿入されるかたちで前記端末を該当する前記オープンレバー又は前記全閉ロック解除レバーに接続する摺動部とを有することが好ましい。
この構成によれば、前記複数のドアロック装置の一の前記オープンレバーが前記解除操作位置に拘束された状態になったとする。この場合、前記全閉ロック解除レバーは、当該オープンレバーに接続された前記ケーブルの前記摺動部を前記長穴の範囲で摺動させることで、前記オープンレバーに規制されることなく戻り回動が可能である。これにより、前記複数のドアロック装置の残りの前記オープンレバーの前記初期位置への復帰が許容される。このように、前記ロストモーション機構を前記長穴及び前記摺動部による極めて簡易な構造にできる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記摺動部は、前記長穴の周縁部を挟持する状態で該長穴に挿入されており、前記全閉ロック解除部材の回動に伴い前記摺動部が引っ張る前記長穴の部位の周縁部には、それ以外の前記長穴の部位の周縁部よりも板厚が大きくなる厚出部が形成されることが好ましい。
この構成によれば、前記摺動部による前記長穴の周縁部の挟持力は、前記厚出部においてその板厚が大きくなる分だけ増加する。つまり、前記摺動部は、前記厚出部においてその摺動が相対的に抑制されるように設定されている。従って、前記オープンレバーが該当する前記ケーブルの前記摺動部を前記長穴内で摺動させつつ前記初期位置からずれることを抑制できる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記複数のドアロック装置の前記オープンレバーが前記初期位置に向かって回動するように付勢する複数の復帰スプリングを備えることが好ましい。
この構成によれば、前記複数のドアロック装置の各々の前記オープンレバーは、前記復帰スプリングにより前記初期位置に向かって回動するように付勢される。従って、前記オープンレバーが該当する前記ケーブルの前記摺動部を前記長穴内で摺動させつつ前記初期位置からずれることをいっそう抑制できる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記複数のロストモーション機構の少なくとも一つが前記複数のケーブルにおける前記オープンレバーの側に配置されることが好ましい。
この構成によれば、例えば前記複数のロストモーション機構が前記複数のケーブルにおける前記全閉ロック解除レバー(全閉ロック解除部材)の側及び前記オープンレバーの側に配置されることで、それら複数のロストモーション機構の配置自由度を増すことができる。
上記課題を解決する車両用ドア開閉装置は、車両のドアに搭載され、該ドアを閉止状態に保持可能なラッチ機構及び初期位置から解除操作位置への回動に伴い前記ラッチ機構による保持を解除させる解除操作力を該ラッチ機構に伝達可能なオープンレバーを有する複数のドアロック装置と、操作ハンドルに連携されて前記ドアに回動自在に設けられ、前記操作ハンドルに付加された前記解除操作力に基づき回動する全閉ロック解除部材と、前記複数のドアロック装置の前記オープンレバー及び前記全閉ロック解除部材に両端末が接続され、該全閉ロック解除部材の回動に伴い、前記オープンレバーを前記初期位置から前記解除操作位置へと回動させる複数のケーブルと、前記複数のケーブルにおける前記全閉ロック解除部材の側に配置され、前記複数のドアロック装置の一の前記オープンレバーが前記解除操作位置に拘束された状態にあるときに、前記複数のドアロック装置の残りの前記オープンレバーの前記初期位置への復帰を許容するロストモーション機構とを備える。
この構成によれば、例えばドアの閉止状態で、前記複数のドアロック装置の一の前記オープンレバーが前記解除操作位置に拘束された状態にあっても、前記ロストモーション機構により、前記複数のドアロック装置の残りの前記オープンレバーの前記初期位置への復帰が許容される。従って、前記複数のドアロック装置の一部で前記ラッチ機構による前記ドアの閉止状態での保持ができなくなったとしても、前記複数のドアロック装置の残りの前記ラッチ機構により前記ドアを閉止状態に保持できる。
上記車両用ドア開閉装置について、前記ドアロック装置の個数は「2」であって、前記ロストモーション機構は、前記全閉ロック解除部材が、前記両ドアロック装置のいずれか一方の前記オープンレバーに前記ケーブルを介して接続された第1全閉ロック解除レバー及び前記両ドアロック装置のいずれか他方の前記オープンレバーに前記ケーブルを介して接続され第1全閉ロック解除レバーに従動する第2全閉ロック解除レバーで構成されており、前記第1全閉ロック解除レバーに形成された長穴と、前記第1全閉ロック解除レバーに接続される該当の前記ケーブルの前記端末に設けられ、前記各長穴に沿って摺動自在に挿入される摺動部とを有することが好ましい。
上記車両用ドア開閉装置について、前記複数のドアロック装置は、リヤロック及びフロントロックであり、前記リヤロックの前記ラッチ機構が前記ドアを閉止状態に保持する状態にあるか否かを検知する第1スイッチと、前記フロントロックの前記オープンレバーが前記初期位置にあるか否かを検知する第2スイッチと、前記第1スイッチにより前記リヤロックの前記ラッチ機構が前記ドアを閉止状態に保持する状態にあることが検知され、且つ、前記第2スイッチにより前記フロントロックの前記オープンレバーが前記初期位置にないことが検知されたときに前記フロントロックの異常を判定する判定部と、前記判定部により前記フロントロックの異常が判定されたときに報知する報知部とを備えることが好ましい。
通常、前記リヤロックの前記ラッチ機構が前記ドアを閉止状態に保持する状態にあれば、前記フロントロックの前記ラッチ機構も前記ドアを閉止状態に保持する状態にあることで、当該のフロントロックの前記オープンレバーは前記初期位置にある。この構成によれば、前記第1スイッチにより前記リヤロックの前記ラッチ機構が前記ドアを閉止状態に保持する状態にあることが検知され、且つ、前記第2スイッチにより前記フロントロックの前記オープンレバーが前記初期位置にないことが検知されると、前記判定部により前記フロントロックの異常が判定され、前記報知部により報知される。従って、前記リヤロックの前記ラッチ機構のみで前記ドアを閉止状態に保持する状態が徒に継続される可能性をより低減できる。
本発明は、複数のドアロック装置の一部でラッチ機構によるドアの閉止状態での保持ができなくなったとしても、複数のドアロック装置の残りのラッチ機構によりドアを閉止状態に保持できる効果がある。
車両用ドア開閉装置の第1の実施形態についてその構造を示す概念図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのリヤロックの構造を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのラッチ機構の構造を示す正面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのフロントロックの構造を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのリモコンの構造を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのリモコンの構造を示す側面図。 (a)は同実施形態の車両用ドア開閉装置についてその全閉ロック解除レバーの構造を示す側面図であり、(b)、(c)は(a)の7B−7B線及び7C−7C線に沿った断面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのリヤロックの作用を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのフロントロックの作用を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのロストモーション機構の作用を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのロストモーション機構の作用を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのリヤロックの電気的構成を示す正面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてその電気的構成を示すブロック図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてその制御態様を説明する一覧図。 車両用ドア開閉装置の第2の実施形態についてそのリモコンの構造を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのフロントロックの構造を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのロストモーション機構の作用を示す側面図。 車両用ドア開閉装置の第2の実施形態についてそのリモコンの構造を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてそのロストモーション機構の作用を示す側面図。 同実施形態の車両用ドア開閉装置についてその全閉ロック解除レバーの作用を示す側面図。
(第1の実施形態)
以下、車両用ドア開閉装置の第1の実施形態について説明する。なお、以下では、車両の前後方向を「前後方向」といい、車両の高さ方向上方及び下方をそれぞれ「上方」及び「下方」という。
図1に示すように、車両のボデー1の側部には、適宜の支持部材(図示略)を介してドアとしてのスライドドア2が前後方向に移動可能に支持されている。スライドドア2は、前後方向への移動に伴って乗降用の開口を開閉する。
スライドドア2の外面前側部には、前後方向に延在する操作ハンドルとしての車外操作ハンドル3が揺動可能に連結されている。一方、スライドドア2の内面前側部には、車両の高さ方向に延在する操作ハンドルとしての車内操作ハンドル4が揺動可能に連結されている。
また、スライドドア2には、その内部空間において、車外操作ハンドル3及び車内操作ハンドル4に連係されたリモコン(リモートコントローラ)5が設置されている。
さらに、スライドドア2には、その内部空間において、ボデー1側と係合することでスライドドア2を全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)で保持するドアロック装置としてのリヤロック6及びスライドドア2を全閉状態(閉止状態)で保持するドアロック装置としてのフロントロック7が設置されている。また、スライドドア2には、その内部空間において、ボデー1側と係合することでスライドドア2を全開状態で保持する全開ドアロック装置8が設置されている。
リヤロック6及びフロントロック7は、複数のケーブルとしてのリリースケーブルC1,C2をそれぞれ介してリモコン5に連係されるとともに、全開ドアロック装置8は、リリースケーブルC3を介してリモコン5に連係されている。
ここで、車外操作ハンドル3及び車内操作ハンドル4の各々は、これに付加された解除操作力をリモコン5に伝達する。リモコン5は、当該解除操作力をリリースケーブルC1〜C3をそれぞれ介してフロントロック7、リヤロック6及び全開ドアロック装置8に伝達する。リヤロック6、フロントロック7及び全開ドアロック装置8は、解除操作力が伝達されることで、スライドドア2の前述の保持を解除する。これにより、スライドドア2が開可能状態又は閉可能状態となる。
なお、スライドドア2には、その内部空間において、リリースアクチュエータ9が設置されている。このリリースアクチュエータ9は、ケーブルC4を介してリモコン5に連係されており、その発生する解除操作力をケーブルC4を介してリモコン5に伝達する。リモコン5は、当該解除操作力をリリースケーブルC1〜C3をそれぞれ介してフロントロック7、リヤロック6及び全開ドアロック装置8に伝達する。つまり、リリースアクチュエータ9の発生する解除操作力によっても、スライドドア2が開可能状態又は閉可能状態となる。
図2に示すように、リヤロック6は、スライドドア2の後端面に沿って広がってこれに締結される、例えば金属板からなるベースプレート21を有するとともに、該ベースプレート21に設置されたラッチ機構22を有する。図3に示すように、このラッチ機構22は、ベースプレート21に軸支された互いに平行な一対の回転軸23,24にそれぞれ一体回動するように連結されたラッチ25及びポール26を有する。
ラッチ25には、略U字状の係合凹部25aが形成されている。そして、ラッチ25は、係合凹部25aを挟んでその一側及び他側(図3において反時計回転方向及び時計回転方向の側)にそれぞれ第1爪部25b及び第2爪部25cを形成する。また、ラッチ25は、第1爪部25bの長手方向中間部から突出する第3爪部25dを形成する。周方向において、第1爪部25bの先端部の第2爪部25cに対向する端面及び第3爪部25dの第1爪部25bに対向する端面は、フルラッチ係合面25e及びハーフラッチ係合面25fをそれぞれ形成する。このラッチ25は、ベースプレート21に一端の掛止されたラッチ付勢ばね(図示略)の他端が掛止されることで図示時計回転方向に回動する側に付勢されるとともに、該ベースプレート21に設置されたラッチストッパ(図示略)に当接することで当該方向への回動が規制され、所定の初期回動位置(以下、「アンラッチ位置」という)に保持される。
一方、ポール26は、回転軸24からその径方向一側(図3の左側)に延出する略鉤爪状の係合端部26aを形成する。このポール26は、ポール付勢ばね(図示略)により図示反時計回転方向に回動する側、即ち係合端部26aを図示下側に移動させる側に付勢され、所定の初期回動位置に保持される。
ここで、ラッチ機構22の基本的な動作について説明する。
スライドドア2が開放されている状態では、アンラッチ位置に保持されるラッチ25は、ボデー1に固着されたストライカ29に係合凹部25aを対向させる。つまり、係合凹部25aは、スライドドア2の閉作動に伴うストライカ29の進入経路を開放している。また、所定の初期回動位置に保持されるポール26は、係合端部26aを第3爪部25dの上方に配置する。なお、このときのラッチ機構22の状態をアンラッチ状態という。
次に、スライドドア2の閉作動に伴い、係合凹部25a内にストライカ29が進入したとする。この際、ストライカ29により係合凹部25aの内壁面が押圧されることで、ラッチ25は、ラッチ付勢ばねに抗して図示反時計回転方向に回動し、ハーフラッチ係合面25fに係合端部26aが係止されることで回り止めされる。このとき、スライドドア2は、係合凹部25aにおいてストライカ29と係合してこれを抜け止めする半ドア状態にある。このときのラッチ機構22の状態をハーフラッチ状態といい、ラッチ25の回動位置をハーフラッチ位置という。
続いて、スライドドア2の更なる閉作動に伴い、係合凹部25a内にストライカ29が更に進入したとする。この際、ストライカ29により係合凹部25aの内壁面が押圧されることで、ラッチ25は、ラッチ付勢ばねに抗して図示反時計回転方向に更に回動し、図3に示すように、フルラッチ係合面25eに係合端部26aが係止されることで回り止めされる。このとき、スライドドア2は、係合凹部25aにおいてストライカ29と係合してこれを抜け止めする全閉状態にある。このときのラッチ機構22の状態をフルラッチ状態といい、ラッチ25の回動位置をフルラッチ位置という。
また、ハーフラッチ状態又はフルラッチ状態において、ポール26がポール付勢ばねに抗して図示時計回転方向に回動すると、係合端部26aによるハーフラッチ係合面25f又はフルラッチ係合面25eの係止が解除される。このとき、ラッチ25は、例えばシール部材の反発力などでスライドドア2が開作動し始めることに伴い、係合凹部25a内から退出するストライカ29により係合凹部25aの内壁面が押圧されることで、図示時計回転方向に回動する。そして、スライドドア2は、係合凹部25aにおけるストライカ29との係合を解除して開可能状態になる。
図2に示すように、リヤロック6は、回転軸24に一体回動するように連結されたポール駆動レバー27を有する。ポール駆動レバー27の先端部は、上方に向かって凸になるように湾曲されて被押圧部27aを形成する。なお、被押圧部27aが下方に移動するポール駆動レバー27の回動方向は、前述のラッチ25との係合状態を解除するポール26の回動方向に一致している。
ベースプレート21には、車両の前方に向かって広がる、例えば金属板からなるベースプレート30が締結されている。ベースプレート30は、ベースプレート21とは別にスライドドア2に締結されている。そして、ベースプレート30には、略円柱状の支持ピン31が固着されるとともに、該支持ピン31には、例えば金属板からなるオープンレバー32が軸支されている。このオープンレバー32は、支持ピン31を中心とする上方の径方向に略弓形の第1レバー突片33を延出するとともに、支持ピン31を中心とする下方の径方向にアーム状の第2レバー突片34を延出する。
第1レバー突片33の先端は、ポール駆動レバー27の被押圧部27aの上方で下方に向かって凸になるように湾曲されて押圧部33aを形成する。第2レバー突片34の先端部は、板厚方向に貫通する略円形の掛止孔34aを形成する。なお、オープンレバー32は、支持ピン31の周りに巻回された復帰スプリング39により、押圧部33aが被押圧部27aに近接する所定の回動位置(以下、「初期位置」という)に保持されている。オープンレバー32は、復帰スプリング39の付勢力に抗して図示反時計回転方向に所定の回動位置(以下、「解除操作位置」という)まで回動すると、ラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持を解除すべく、押圧部33aにて被押圧部27aを下方に押圧する。
オープンレバー32は、掛止孔34aにおいてリリースケーブルC1の端末が掛止されている。すなわち、ベースプレート30の前端部には、例えば金属板からなる支持ブラケット35が取着されるとともに、該支持ブラケット35には、掛止孔34aに向かって連通する略U字溝状のケーブル係止部35aが形成されている。一方、リリースケーブルC1は、リモコン5との間に配索されるガイドチューブ41を有するとともに、該ガイドチューブ41に挿通される内部ケーブル42を有する。そして、ガイドチューブ41は、その端末41aがケーブル係止部35aに嵌着されるとともに、端末41aから露出する内部ケーブル42は、その略円柱状の端末42aが掛止孔34aに嵌挿・掛止されている。従って、内部ケーブル42がガイドチューブ41内に引き込まれると、即ち内部ケーブル42がリモコン5側に引っ張られると、オープンレバー32が初期位置から解除操作位置に向かって支持ピン31の周りを図示反時計回転方向に回動する。このとき、ラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持が解除されて、スライドドア2が開可能状態になることは既述のとおりである。
その後、内部ケーブル42がガイドチューブ41内への引き込みから解放されると、オープンレバー32は、復帰スプリング39に付勢されて初期位置に復帰する。これに伴い、オープンレバー32の押圧部33aから解放されたポール駆動レバー27と共にポール26が初期回動位置まで回動する。このとき、ラッチ機構22がアンラッチ状態に復帰していることはいうまでもない。
図4に示すように、フロントロック7も、リヤロック6に準じてベースプレート51と、ラッチ機構52と、ラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持を解除すべく初期位置から解除操作位置に向かって支持ピン53の周りに図示反時計回転方向に回動するオープンレバー54と、該オープンレバー54を初期位置に保持する復帰スプリング59とを有する。
オープンレバー54は、掛止孔34aに準じた略円形の掛止孔54aにおいてリリースケーブルC2の端末が掛止されている。すなわち、ベースプレート51の後端部には、例えば金属板からなる支持ブラケット55が取着されるとともに、該支持ブラケット55には、掛止孔54aに向かって連通する略U字溝状のケーブル係止部55aが形成されている。一方、リリースケーブルC2は、リモコン5との間に配索されるガイドチューブ43を有するとともに、該ガイドチューブ43に挿通される内部ケーブル44を有する。そして、ガイドチューブ43は、その端末43aがケーブル係止部55aに嵌着されるとともに、端末43aから露出する内部ケーブル44は、その略円柱状の端末44aが掛止孔54aに嵌挿・掛止されている。従って、内部ケーブル44がガイドチューブ43内に引き込まれると、即ち内部ケーブル44がリモコン5側に引っ張られると、オープンレバー54が初期位置から解除操作位置に向かって支持ピン53の周りを図示反時計回転方向に回動する。このとき、ラッチ機構22に準じてラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が解除されて、スライドドア2が開可能状態になる。
その後、内部ケーブル44がガイドチューブ43内への引き込みから解放されると、オープンレバー54は、復帰スプリング59に付勢されて初期位置に復帰する。このとき、ラッチ機構22に準じてラッチ機構52がアンラッチ状態に復帰する。
なお、全開ドアロック装置8も、上記に準じた構造を有しており、リリースケーブルC3がリモコン5側に引っ張られることで、スライドドア2が閉可能状態になる。
次に、リモコン5について説明する。
図5及び図6に示すように、リモコン5は、スライドドア2に沿って広がってこれに締結される、例えば金属板からなるベースプレート61と、中継レバー62と、全閉ロック解除部材としての全閉ロック解除レバー63と、車内ハンドル連結レバー64と、動力連結レバー65と、車外ハンドル連結レバー66と、全開ロック解除レバー67とを備えて構成される。
ベースプレート61には、その図示左上端において、概ね前後方向に連通する上下一対の略U字溝状のケーブル係止部61a,61bが形成されている。中継レバー62、全閉ロック解除レバー63、車内ハンドル連結レバー64、動力連結レバー65、車外ハンドル連結レバー66及び全開ロック解除レバー67は、その順番でベースプレート61に近い側から重ねられており、該ベースプレート61から起立した共通の支持軸71に回動可能に支持されている。
全開ロック解除レバー67は、支持軸71を中心する互いに略相反する径方向に張り出した一対のレバー突片67a,67bを有している。一方のレバー突片67aは、その先端部においてリリースケーブルC3を介して全開ドアロック装置8に連結されている。
他方のレバー突片67bは、その先端部が支持軸71を中心とする第1回動方向(図6における時計回転方向)とは逆側の第2回動方向(図6における反時計回転方向)に延出して略L字形状を呈している。そして、レバー突片67bの先端には、車外ハンドル連結レバー66側(図6における紙面奥側)に向かって連動当接片67dが直角に曲げ起こされている。
また、レバー突片67bの先端部には、支持軸71を中心とする略円弧状の長孔67cが貫通形成されており、該長孔67c内にスライドブシュ47が摺動可能に支持されている。図5及び図6に示す全開ロック解除レバー67の原点位置では、スライドブシュ47は、長孔67cの第1回動方向における終端に配置されている。
全開ロック解除レバー67は、スライドブシュ47において車内操作ハンドル4に連携されている。そして、車内操作ハンドル4を閉操作すると、これに押されて全開ロック解除レバー67が支持軸71の周りを第1回動方向に回動するようになっている。このとき、レバー突片67aに連結されたリリースケーブルC3がリモコン5側に引っ張られて、全開ドアロック装置8が解除される。なお、全開ロック解除レバー67は、ベースプレート61とレバー突片67aとの間を連結した引張コイルばね72(図5参照)によって第2回動方向に付勢されている。
車内ハンドル連結レバー64は、レバー突片67aに略沿う支持軸71を中心する径方向に張り出しており、その先端において車内操作ハンドル4に連携されている。そして、車内操作ハンドル4の非操作の状態では、車内ハンドル連結レバー64は、図5及び図6に示す原点位置に保持されている。そして、解除操作力を付加するべく車内操作ハンドル4を開操作すると、これに引かれて車内ハンドル連結レバー64が支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動するようになっている。
中継レバー62は、支持軸71の周りに巻回されたトーションコイルばね73により第2回動方向に付勢されている。この中継レバー62は、支持軸71を中心する互いに異なる径方向(図面における下方向及び右上方向)に張り出した一対のレバー突片62a,62bを有している。一方のレバー突片62aは、全閉ロック解除レバー63に重ねて配置されている。
なお、レバー突片62aの第2回動方向を向いた側縁部からは、車外ハンドル連結レバー66側(紙面手前側)に向かって連動当接片62fが直角に曲げ起こされている。また、レバー突片62aの第1回動方向を向いた側縁部からは、全閉ロック解除レバー63側(紙面手前側)に向かって連動当接片62hが直角に曲げ起こされている。
他方のレバー突片62bは、車内ハンドル連結レバー64よりも第1回動方向に先行する側に配置されている。そして、レバー突片62bには、連結ピン76が挿通・支持されている。車内ハンドル連結レバー64が第1回動方向に回動すると、連結ピン76を介して中継レバー62が一体で第1回動方向に回動可能となっている。
全閉ロック解除レバー63は、支持軸71を中心する互いに略相反する径方向に張り出した一対のレバー突片63a,63bを有している。車内ハンドル連結レバー64と同じ側に突出した一方のレバー突片63aの先端部には、支持軸71を中心とする一の径方向に略直交する方向に延びる長穴としての略直線状の長孔63cが貫通形成されるとともに、該長孔63cの外周側でこれと略並行に延びる長穴としての略直線状の長孔63dが貫通形成されている。長手方向の開口寸法において、内周側の長孔63cの方が外周側の長孔63dよりも小さく設定されている。
また、図7(a)〜(c)に示すように、長孔63dの周縁部の第2回動方向に先行する側の終端には、例えば半抜き成形による厚出部69が形成されている。厚出部69は、半抜き成形により全閉ロック解除レバー63の板厚方向に変位するかたちで、それ以外の長孔63dの周縁部の本来の板厚t1よりも実質的な板厚t2が大きくなるように設定されている。同様に、長孔63cの周縁部の第2回動方向に先行する側の終端にも、厚出部69に準じた厚出部68が形成されている。
図5及び図6に示すように、全閉ロック解除レバー63は、長孔63cにおいてリリースケーブルC1の端末が掛止されている。すなわち、リリースケーブルC1の前述のガイドチューブ41は、その端末41bがケーブル係止部61aに嵌着されるとともに、端末41bから露出する前述の内部ケーブル42は、その先端が挿着された摺動部45が長孔63cに沿って摺動自在に挿入されている。図7に示すように、摺動部45は、略円環状の固定部45aを有するとともに、該固定部45aに略同心に突設されて長孔63cに挿入された略円筒状の連結部45bを有し、更に長孔63cを貫通する連結部45bの先端に突設された略フランジ状の抜け止部45cを有する。摺動部45は、固定部45a及び抜け止部45cにて長孔63cの周縁部を挟持・抜け止めする状態で、連結部45bが長孔63cに沿って摺動自在に挿入されている。なお、固定部45a及び抜け止部45cによる長孔63cの周縁部の挟持力は、厚出部68においてその厚み出しの分だけ増加するようになっている。つまり、摺動部45は、厚出部68においてその摺動が相対的に抑制されるように設定されている。
また、図5及び図6に示すように、全閉ロック解除レバー63は、長孔63dにおいてリリースケーブルC2の端末が掛止されている。すなわち、リリースケーブルC2の前述のガイドチューブ43は、その端末43bがケーブル係止部61bに嵌着されるとともに、端末43bから露出する前述の内部ケーブル44は、その先端が挿着された摺動部46が長孔63dに沿って摺動自在に挿入されている。図7に示すように、摺動部46も、摺動部45に準じて固定部46a、連結部46b及び抜け止部46cを有する。摺動部46は、固定部46a及び抜け止部46cにて長孔63dの周縁部を挟持・抜け止めする状態で、連結部46bが長孔63dに沿って摺動自在に挿入されている。摺動部46が、厚出部69においてその摺動が相対的に抑制されるように設定されていることはいうまでもない。
なお、全閉ロック解除レバー63が図5及び図6に示す原点位置にあるとき、両摺動部45,46は、通常は厚出部68,69にそれぞれ配置されている。そして、全閉ロック解除レバー63が支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動すると、厚出部68,69にそれぞれ配置された摺動部45,46と共にリリースケーブルC1,C2の内部ケーブル42,44がリモコン5側に引っ張られる。
中継レバー62のレバー突片62a及びこれに重ねられた全閉ロック解除レバー63の他方のレバー突片63bには、共通の連結ピン75が挿通・支持されている。ここで、全閉ロック解除レバー63は、レバー突片63bの第1回動方向を向いた側縁部において、中継レバー62の前記連動当接片62hに当接可能となっている。従って、全閉ロック解除レバー63は、中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、レバー突片63aの先端部に備えたストッパ部63eがベースプレート61と当接することで、全閉ロック解除レバー63及び中継レバー62が共に図5及び図6に示す原点位置に位置決めされている。そして、中継レバー62が回動すると、連結ピン75を介して全閉ロック解除レバー63が一体で回動可能となっている。
車外ハンドル連結レバー66は、中継レバー62(レバー突片62a)及び動力連結レバー65に略沿う支持軸71を中心する径方向に張り出しており、その先端部は、ケーブルC5を介して車外操作ハンドル3に連結されている。
また、車外ハンドル連結レバー66の第2回動方向を向いた側縁部からは、中継レバー62側(紙面奥側)に向かって連動当接片66cが直角に曲げ起こされている。この連動当接片66cは、車外ハンドル連結レバー66の第1回動方向で連動当接片62fに対向配置されている。
さらに、車外ハンドル連結レバー66の第1回動方向を向いた側縁部からは、全開ロック解除レバー67(紙面手前側)に向かって連動当接片66dが直角に曲げ起こされている。この連動当接片66dは、車外ハンドル連結レバー66の第1回動方向で連動当接片67dに対向配置されている。
ここで、車外ハンドル連結レバー66は、連動当接片66dにおいて、全開ロック解除レバー67の連動当接片67dに当接可能となっている。従って、車外ハンドル連結レバー66は、全開ロック解除レバー67を介して引張コイルばね72の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、車外ハンドル連結レバー66の先端部に備えたストッパ部66fがベースプレート61と当接することで、図5及び図6に示す原点位置に位置決めされている。また、全開ロック解除レバー67は、ベースプレート61と当接する車外ハンドル連結レバー66を介して図5及び図6に示す原点位置に位置決めされている。
そして、車外操作ハンドル3を操作すると、ケーブルC5に引かれて車外ハンドル連結レバー66が支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。このとき、連動当接片66cに連動当接片62fの押圧される中継レバー62及び連動当接片66dに連動当接片67dの押圧される全開ロック解除レバー67が一体で支持軸71の周りを第1回動方向に回動する。
従って、解除操作力を付加するべく車外操作ハンドル3を操作すると、車外ハンドル連結レバー66、中継レバー62及び連結ピン75を介して全閉ロック解除レバー63が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。
動力連結レバー65は、中継レバー62(レバー突片62a)及び車外ハンドル連結レバー66に略沿う支持軸71を中心する径方向に張り出したレバー突片65aを有する。そして、レバー突片65aの先端部には、支持軸71を中心とする周方向に延在する略円弧状の長孔65bが貫通形成されており、該長孔65b内にスライドブシュ48が摺動可能に支持されている。このスライドブシュ48は、ケーブルC4を介してリリースアクチュエータ9に連結されている。このリリースアクチュエータ9は、遠隔操作(リモコンキー又は車内のドア開閉ボタンの操作)により作動する電動モータを主要部とするものである。
また、レバー突片65aの第1回動方向を向いた側縁部からは、連動当接片65cが突出形成されている。この連動当接片65cは、動力連結レバー65の第1回動方向で連結ピン75に対向配置されている。
さらに、動力連結レバー65は、全開ロック解除レバー67(レバー突片67a)に略沿う支持軸71を中心する径方向に張り出したレバー突片65eを有する。このレバー突片65eの第2回動方向を向いた側縁部からは、全開ロック解除レバー67側(紙面手前側)に向かって連動当接片65fが直角に曲げ起こされている。この連動当接片65fは、動力連結レバー65の第1回動方向で、全開ロック解除レバー67(レバー突片67a)の側縁部に対向配置されている。
ここで、動力連結レバー65は、連動当接片65fにおいて、全開ロック解除レバー67の側縁部に当接可能となっている。従って、動力連結レバー65は、全開ロック解除レバー67を介して引張コイルばね72の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、レバー突片65aの先端部に備えたストッパ部65dがベースプレート61と当接することで、図5及び図6に示す原点位置に位置決めされている。また、動力連結レバー65を第2回動方向に付勢する全開ロック解除レバー67は、ベースプレート61と当接する動力連結レバー65を介して図5及び図6に示す原点位置に位置決めされている。
従って、解除操作力を発生するべくリリースアクチュエータ9が駆動され、その解除操作力(駆動力)によりケーブルC4がリリースアクチュエータ9側に引っ張られると、動力連結レバー65が車内ハンドル連結レバー64及び車外ハンドル連結レバー66から切り離された状態で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。このとき、連動当接片65cが連結ピン75を押すことで、該連結ピン75を介して全閉ロック解除レバー63(及び中継レバー62)が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。
同時に、動力連結レバー65の連動当接片65fが全開ロック解除レバー67を押すことで、該全開ロック解除レバー67が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。
なお、車外操作ハンドル3等の解除操作力が解放されると、全閉ロック解除レバー63は、中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受けることで、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動する。
本実施形態の作用について説明する。
まず、スライドドア2の全閉状態において、解除操作力を付加するべく車内操作ハンドル4を開操作すると、これに引かれる車内ハンドル連結レバー64が、支持軸71の周りを第1回動方向に回動して連結ピン76を押し、中継レバー62が一体で第1回動方向に回動する。中継レバー62の回動は連結ピン75を介して全閉ロック解除レバー63に伝達され、中継レバー62と共に全閉ロック解除レバー63が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、厚出部68,69にそれぞれ配置された摺動部45,46と共にリリースケーブルC1,C2の内部ケーブル42,44がリモコン5側に引っ張られ、オープンレバー32,54が初期位置から解除操作位置に向かって支持ピン31,53の周りを回動する。このとき、前述の態様でリヤロック6のラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持及びフロントロック7のラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が解除されて、スライドドア2が開可能状態になる。
一方、スライドドア2の全開状態において、車内操作ハンドル4を閉操作すると、これに押される全開ロック解除レバー67が、支持軸71の周りを第1回動方向に回動する。これにより、リリースケーブルC3がリモコン5側に引っ張られ、全開ドアロック装置8が解除される。そして、スライドドア2が閉可能状態となる。
また、スライドドア2の全閉状態又は全開状態において、解除操作力を付加するべく車外操作ハンドル3を操作すると、これにケーブルC5を介して引かれる車外ハンドル連結レバー66が、支持軸71の周りを第1回動方向に回動する。このとき、連動当接片66cが中継レバー62の連動当接片62fを押すことで中継レバー62が一体で第1回動方向に回動する。中継レバー62の回動は連結ピン75を介して全閉ロック解除レバー63に伝達され、中継レバー62と共に全閉ロック解除レバー63が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、スライドドア2が全閉状態にあれば、前述の態様でリヤロック6のラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持及びフロントロック7のラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が解除されて、スライドドア2が開可能状態になる。
同時に、連動当接片66dが全開ロック解除レバー67の連動当接片67dを押すことで全開ロック解除レバー67が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、スライドドア2が全開状態にあれば、前述の態様で全開ドアロック装置8が解除されて、スライドドア2が閉可能状態となる。
さらに、スライドドア2の全閉状態又は全開状態において、車外操作ハンドル3及び車内操作ハンドル4のいずれも操作することなく遠隔操作(リモコンキー又は車内のドア開閉ボタンの操作)で、解除操作力を発生するべくリリースアクチュエータ9を駆動したとする。これに伴い、ケーブルC4がリリースアクチュエータ9側に引っ張られ、動力連結レバー65が第1回動方向に回動する。このとき、連動当接片65cが連結ピン75を押すことで、該連結ピン75を介して全閉ロック解除レバー63(及び中継レバー62)が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、スライドドア2が全閉状態にあれば、前述の態様でリヤロック6のラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持及びフロントロック7のラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が解除されて、スライドドア2が開可能状態になる。
同時に、連動当接片65fが全開ロック解除レバー67を押すことで、該全開ロック解除レバー67が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、スライドドア2が全開状態にあれば、前述の態様で全開ドアロック装置8が解除されて、スライドドア2が閉可能状態となる。
ここで、図8に示すように、スライドドア2の閉止状態で、例えばリヤロック6のオープンレバー32が錆等によって解除操作位置に拘束された状態にあるものとする。このとき、リヤロック6のラッチ機構22がアンラッチ状態のままとなって、スライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持が不能となる。そして、解除操作位置で固着されたオープンレバー32は、内部ケーブル42をリモコン5側に押し出し続けることになる。
このとき、図10に示すように、中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受ける全閉ロック解除レバー63は、リモコン5側に押し出された内部ケーブル42の摺動部45を長孔63cの範囲で摺動させつつ、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動(復帰)する。つまり、オープンレバー32によって内部ケーブル42がリモコン5側に押し出されたとしても、当該押出方向に長孔63cがあることで全閉ロック解除レバー63に原点位置への復帰を阻害する動力が伝達されることはない。
全閉ロック解除レバー63が原点位置に復帰することで、フロントロック7のオープンレバー54が復帰スプリング59に付勢されて初期位置に復帰する。これにより、フロントロック7のラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が可能となる。長孔63c及び摺動部45は、リヤロック6のオープンレバー32が解除操作位置に拘束された状態にあるときに、フロントロック7のオープンレバー54の初期位置への復帰を許容するロストモーション機構M1を構成する。ロストモーション機構M1がリリースケーブルC1における全閉ロック解除レバー63の側(リモコン5の側)に配置されていることはいうまでもない。
一方、図9に示すように、スライドドア2の閉止状態で、例えばフロントロック7のオープンレバー54が錆等によって解除操作位置に拘束された状態にあるものとする。このとき、フロントロック7のラッチ機構52がアンラッチ状態のままとなって、スライドドア2の全閉状態での保持が不能となる。そして、解除操作位置で固着されたオープンレバー54は、内部ケーブル44をリモコン5側に押し出し続けることになる。
このとき、図11に示すように、中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受ける全閉ロック解除レバー63は、リモコン5側に押し出された内部ケーブル44の摺動部46を長孔63dの範囲で摺動させつつ、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動(復帰)する。つまり、オープンレバー54によって内部ケーブル44がリモコン5側に押し出されたとしても、当該押出方向に長孔63dがあることで全閉ロック解除レバー63に原点位置への復帰を阻害する動力が伝達されることはない。
全閉ロック解除レバー63が原点位置に復帰することで、リヤロック6のオープンレバー32が復帰スプリング39に付勢されて初期位置に復帰する。これにより、リヤロック6のラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持が可能となる。長孔63d及び摺動部46は、フロントロック7のオープンレバー54が解除操作位置に拘束された状態にあるときに、リヤロック6のオープンレバー32の初期位置への復帰を許容するロストモーション機構M2を構成する。ロストモーション機構M2がリリースケーブルC2における全閉ロック解除レバー63の側(リモコン5の側)に配置されていることはいうまでもない。
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
図12に示すように、リヤロック6は、例えばロータリスイッチからなるラッチスイッチ80を有する。このラッチスイッチ80は、ラッチ25の回動位置(アンラッチ位置等)を検出するためのものである。すなわち、ラッチスイッチ80は、ラッチ25がフルラッチ位置にあるときにオフ状態になり、ラッチ25がフルラッチ位置から外れることでオン状態になる。
また、リヤロック6は、例えばモメンタリ式の1極単投形スイッチからなるポールスイッチ81を有する。このポールスイッチ81は、ポール26の初期回動位置からの揺動を検出するためのものである。すなわち、ポールスイッチ81は、ポール26が初期回動位置にあるときにこれと一体のポール駆動レバー27に押下されることでオフ状態になり、ポール26が初期回動位置から外れるときにポール駆動レバー27から解放されることでオン状態になる。
従って、リヤロック6のラッチ機構22がスライドドア2を全閉状態(閉止状態)で保持する状態であればラッチスイッチ80及びポールスイッチ81が共にオフ状態となり、それ以外であればラッチスイッチ80及びポールスイッチ81の少なくとも一方がオン状態となる。ラッチスイッチ80及びポールスイッチ81は、ラッチ機構22がスライドドア2を全閉状態(閉止状態)で保持する状態にあるか否かを協働して検知(判定)する第1スイッチを構成する。
一方、図4及び図9に示すように、フロントロック7は、例えばモメンタリ式の1極単投形スイッチからなる第2スイッチとしてのフロントレバースイッチ85を有する。このフロントレバースイッチ85は、オープンレバー54の初期位置からの揺動を検出するためのものである。すなわち、フロントレバースイッチ85は、オープンレバー54が初期位置にあるときにこれに押下されることでオフ状態になり、オープンレバー54が初期位置から外れるときに解放されることでオン状態になる。フロントレバースイッチ85は、オープンレバー54が初期位置にあるか否かを検知(判定)する。
図13に示すように、ラッチスイッチ80、ポールスイッチ81及びフロントレバースイッチ85は、例えばマイコンを主体に構成された判定部としての電子制御装置90に電気的に接続されている。この電子制御装置90には、例えば発光装置や発声装置からなる報知部91が電気的に接続されている。電子制御装置90は、ラッチスイッチ80、ポールスイッチ81及びフロントレバースイッチ85の検知結果に基いてフロントロック7が異常か否かを判定する。そして、電子制御装置90は、フロントロック7が異常と判定されたときに報知部91を駆動してその旨を報知する。
具体的には、図14に示すように、ラッチスイッチ80及びポールスイッチ81が共にオフ状態であるとき、電子制御装置90は、フロントレバースイッチ85がオフ状態であれば正常と判定し、フロントレバースイッチ85がオン状態であれば異常と判定する。つまり、電子制御装置90は、リヤロック6のラッチ機構22がスライドドア2を全閉状態(閉止状態)に保持する状態にあることが検知され、且つ、オープンレバー54が初期位置にないこと(例えば錆等による解除操作位置での拘束)が検知されたときにフロントロック7の異常を判定する。
本実施形態の効果について説明する。
(1)本実施形態では、例えばスライドドア2の全閉状態(閉止状態)で、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか一方のオープンレバー32,54が解除操作位置に拘束された状態にあっても、両ロストモーション機構M1,M2により、いずれか他方のオープンレバー32,54の初期位置への復帰が許容される。従って、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか一方でラッチ機構22,52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持ができなくなったとしても、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか他方のラッチ機構22,52によりスライドドア2の全閉状態(閉止状態)に保持できる。
(2)本実施形態では、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか一方のオープンレバー32,54が解除操作位置に拘束された状態になったとする。この場合、全閉ロック解除レバー63は、当該オープンレバー32,54に接続されたリリースケーブルC1,C2の摺動部45,46を長孔63c,63dの範囲で摺動させることで、オープンレバー32,54に規制されることなく戻り回動が可能である。これにより、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか他方のオープンレバー32,54の初期位置への復帰が許容される。このように、ロストモーション機構M1,M2を長孔63c,63d及び摺動部45,46による極めて簡易な構造にできる。
(3)本実施形態では、摺動部45,46による長孔63c,63dの周縁部の挟持力は、厚出部68,69においてその板厚が大きくなる分だけ増加する。つまり、摺動部45,46は、厚出部68,69においてその摺動が相対的に抑制されるように設定されている。従って、オープンレバー32,54が該当するリリースケーブルC1,C2の摺動部45,46を長孔63c,63d内で摺動させつつ初期位置からずれることを抑制できる。
また、厚出部68,69は、半抜き成形にて実質的な板厚を大きくしたものであるため、例えばインサート成形などによる樹脂のモールドによって板厚を大きくする場合に比べて製造工数を削減でき、ひいてはコストを削減できる。
(4)本実施形態では、リヤロック6及びフロントロック7の各々のオープンレバー32,54は、復帰スプリング39,59により初期位置に向かって回動するように付勢される。従って、オープンレバー32,54が該当するリリースケーブルC1,C2の摺動部45,46を長孔63c,63d内で摺動させつつ初期位置からずれることをいっそう抑制できる。
(5)本実施形態では、ラッチスイッチ80及びポールスイッチ81(第1スイッチ)によりリヤロック6のラッチ機構22がスライドドア2を全閉状態(閉止状態)に保持する状態にあることが検知され、且つ、フロントレバースイッチ85によりフロントロック7のオープンレバー54が初期位置にないことが検知されたとする。この場合、電子制御装置90によりフロントロック7の異常が判定され、報知部91により報知される。従って、リヤロック6のラッチ機構22のみでスライドドア2を全閉状態(閉止状態)に保持する状態が徒に継続される可能性をより低減できる。
(第2の実施形態)
以下、車両用ドア開閉装置の第2の実施形態について説明する。なお、第2の実施形態は、第1の実施形態の両ロストモーション機構の一方をリリースケーブルにおけるオープンレバーの側(ドアロック装置の側)に配置するように変更した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。第2の実施形態の構成のうち第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、十の位以降の符号を第1の実施形態と同一にしている。
図15に示すように、本実施形態の全閉ロック解除レバー163のレバー突片163aの先端部には、長孔63cに準じた長穴としての長孔163cが貫通形成されるとともに、該長孔163cの外周側で板厚方向に貫通する略円形の掛止孔163eが貫通形成されている。
全閉ロック解除レバー163は、長孔163cにおいて前述のリリースケーブルC1の端末が掛止されている。すなわち、リリースケーブルC1の前述の内部ケーブル42は、摺動部45が長孔163cに沿って摺動自在に挿入されている。なお、全閉ロック解除レバー163の回動に伴い摺動部45が引っ張る長孔163cの部位の周縁部には、厚出部68に準じた厚出部168が形成されている。
また、全閉ロック解除レバー163は、掛止孔163eにおいてリリースケーブルC2に準じたリリースケーブルC102の端末が掛止されている。すなわち、リリースケーブルC102は、フロントロック7との間に配索されるガイドチューブ143を有するとともに、該ガイドチューブ143に挿通される内部ケーブル144を有する。そして、ガイドチューブ143は、その端末143bがケーブル係止部61bに嵌着されるとともに、端末143bから露出する内部ケーブル144は、その略円柱状の端末144aが掛止孔163eに嵌挿・掛止されている。
一方、図16に示すように、本実施形態のフロントロック107のオープンレバー154には、支持ピン53を中心とする周方向に延びる長穴としての略円弧状の長孔154bが貫通形成されている。オープンレバー154は、長孔154bにおいてリリースケーブルC102の端末が掛止されている。すなわち、リリースケーブルC102のガイドチューブ143は、その端末143aがケーブル係止部55aに嵌着されるとともに、端末143aから露出する内部ケーブル144は、その先端が挿着された摺動部146が長孔154bに沿って摺動自在に挿入されている。図16に示すオープンレバー154の初期位置では、摺動部146は、長孔154bの支持ブラケット55に近付く側の終端に配置されている。
従って、内部ケーブル144がガイドチューブ143内に引き込まれると、即ち内部ケーブル144がリモコン5側に引っ張られると、オープンレバー154が初期位置から解除操作位置に向かって支持ピン53の周りを図示反時計回転方向に回動する。このとき、ラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が解除されて、スライドドア2が開可能状態になることは既述のとおりである。なお、全閉ロック解除レバー163の回動に伴い摺動部146が引っ張る長孔154bの部位の周縁部には、厚出部69に準じた厚出部(図示略)が形成されている。
本実施形態の通常の作用については第1の実施形態と同様であるためその説明を省略する。
ここで、スライドドア2の閉止状態で、例えばリヤロック6のオープンレバー32が錆等によって解除操作位置に拘束された状態にあるものとする。この場合、第1の実施形態と同様、全閉ロック解除レバー163は、リモコン5側に押し出された内部ケーブル42の摺動部45を長孔163cの範囲で摺動させつつ、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動(復帰)する(図10参照)。
全閉ロック解除レバー163が原点位置に復帰することで、フロントロック107のオープンレバー154が復帰スプリング59に付勢されて初期位置に復帰する。これにより、フロントロック107のラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が可能となる。長孔163c及び摺動部45は、リヤロック6のオープンレバー32が解除操作位置に拘束された状態にあるときに、フロントロック107のオープンレバー154の初期位置への復帰を許容するロストモーション機構M101を構成する。ロストモーション機構M101がリリースケーブルC1における全閉ロック解除レバー63の側(リモコン5の側)に配置されていることはいうまでもない。
一方、図17に示すように、スライドドア2の閉止状態で、例えばフロントロック107のオープンレバー154が錆等によって解除操作位置に拘束された状態にあるものとする。このとき、フロントロック107のラッチ機構52がアンラッチ状態のままとなって、スライドドア2の全閉状態での保持が不能となる。
中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受ける全閉ロック解除レバー163は、内部ケーブル144の摺動部146を長孔154bの範囲で摺動させつつ、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動(復帰)する。つまり、オープンレバー154には、内部ケーブル144の引込方向に長孔154bがあることで全閉ロック解除レバー163に原点位置への復帰を阻害する動力が伝達されることはない。
全閉ロック解除レバー163が原点位置に復帰することで、リヤロック6のオープンレバー32が復帰スプリング39に付勢されて初期位置に復帰する。これにより、リヤロック6のラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持が可能となる。長孔154b及び摺動部146は、フロントロック107のオープンレバー154が解除操作位置に拘束された状態にあるときに、リヤロック6のオープンレバー32の初期位置への復帰を許容するロストモーション機構M102を構成する。ロストモーション機構M102がリリースケーブルC102におけるオープンレバー154の側(ドアロック装置の側)に配置されていることはいうまでもない。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、一方のロストモーション機構M101がリリースケーブルC1における全閉ロック解除レバー163の側に配置され、他方のロストモーション機構M102がリリースケーブルC102におけるオープンレバー154の側に配置される。従って、例えば全閉ロック解除レバー163の側に集中配置する場合に比べてそれら複数のロストモーション機構M101,M102の配置自由度を増すことができる。
(2)本実施形態では、全閉ロック解除レバー163に長孔63dに代えて掛止孔163eを形成したことで、支持軸71を中心とする周方向により小型化できる。そして、全閉ロック解除レバー163自体やその回動に要するスペースをより縮小できる。
特に、掛止孔163eは、長孔163cよりも外周側に位置することで、全閉ロック解除レバー163自体やその回動に要するスペースの縮小により効果的である。
(第3の実施形態)
以下、車両用ドア開閉装置の第3の実施形態について説明する。なお、第3の実施形態は、第1の実施形態の全閉ロック解除部材(全閉ロック解除レバー)を2分割することで実現したロストモーション機構に変更した構成であるため、同様の部分についてはその詳細な説明は省略する。第3の実施形態の構成のうち第1の実施形態と同様の機能を有する構成については、十の位以降の符号を第1の実施形態と同一にしている。
図18に示すように、第1の実施形態の全閉ロック解除レバー63に代わる第1全閉ロック解除レバー211及び第2全閉ロック解除レバー212は、その順番でベースプレート61に近い側から重ねられており、支持軸71に回動可能に支持されている。第1全閉ロック解除レバー211及び第2全閉ロック解除レバー212は全閉ロック解除部材を構成する。
第1全閉ロック解除レバー211は、支持軸71を中心する互いに略相反する径方向に張り出した一対のレバー突片211a,211bを有している。車内ハンドル連結レバー64と同じ側に突出した一方のレバー突片211aの先端部には、支持軸71を中心とする一の径方向に略直交する方向に延びる長穴としての略直線状の長孔211cが貫通形成されている。
第1全閉ロック解除レバー211は、長孔211cにおいてリリースケーブルC2の端末が掛止されている。すなわち、リリースケーブルC2の前述の内部ケーブル44は、摺動部46が長孔211cに沿って摺動自在に挿入されている。なお、長孔211cの周縁部の第2回動方向に先行する側の先端には、厚出部69に準じた厚出部269が形成されている。
第1全閉ロック解除レバー211の他方のレバー突片211bには、前述の連結ピン75が挿通・支持されている。ここで、第1全閉ロック解除レバー211は、レバー突片211bの第1回動方向を向いた側縁部において、中継レバー62の前記連動当接片62hに当接可能となっている。従って、第1全閉ロック解除レバー211は、中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、レバー突片211aの先端部に備えたストッパ部211dがベースプレート61と当接することで、第1全閉ロック解除レバー211及び中継レバー62が共に図18に示す原点位置に位置決めされている。そして、中継レバー62が回動すると、連結ピン75を介して第1全閉ロック解除レバー211が一体で回動可能となっている。
第2全閉ロック解除レバー212は、レバー突片211aに沿って延びるアーム状に成形されており、その先端部には板厚方向に貫通する略円形の掛止孔212aが貫通形成されている。第2全閉ロック解除レバー212は、掛止孔212aにおいてリリースケーブルC1に準じたリリースケーブルC201の端末が掛止されている。すなわち、リリースケーブルC201は、リヤロック6との間に配索されるガイドチューブ241を有するとともに、該ガイドチューブ241に挿通される内部ケーブル242を有する。そして、ガイドチューブ241は、その端末241bがケーブル係止部61aに嵌着されるとともに、端末241bから露出する内部ケーブル242は、その略円柱状の端末242aが掛止孔212aに嵌挿・掛止されている。
なお、リヤロック6のオープンレバー32に対するリリースケーブルC201の端末の掛止は、第1の実施形態と同様である(図2参照)。
第2全閉ロック解除レバー212の第1回動方向を向いた側縁部からは、第1全閉ロック解除レバー211側(紙面奥側)に向かって連動当接片212bが直角に曲げ起こされている。この連動当接片212bは、レバー突片211aの第1回動方向を向いた側縁部に当接可能となっている。従って、中継レバー62と共に第1全閉ロック解除レバー211が原点位置から第1回動方向に回動すると、該第1全閉ロック解除レバー211に連動当接片212bの押圧される第2全閉ロック解除レバー212が一体で図18に示す原点位置から第1回動方向に回動する。つまり、第2全閉ロック解除レバー212は、第1全閉ロック解除レバー211に従動して第1回動方向に回動する。
なお、第2全閉ロック解除レバー212は、例えばリリースケーブルC201を介してリヤロック6の復帰スプリング39の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、原点位置にある第1全閉ロック解除レバー211に連動当接片212bが当接することで図18に示す原点位置に位置決めされている。
本実施形態の作用について説明する。
スライドドア2の全閉状態において、解除操作力を付加するべく車外操作ハンドル3又は車内操作ハンドル4を操作(開操作)し、あるいは解除操作力を発生するべくリリースアクチュエータ9を駆動すると、前述のように中継レバー62が第1回動方向に回動する。
中継レバー62の回動は連結ピン75を介して第1全閉ロック解除レバー211に伝達され、中継レバー62と共に第1全閉ロック解除レバー211が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、摺動部46と共にリリースケーブルC2の内部ケーブル44がリモコン5側に引っ張られ、オープンレバー54が初期位置から解除操作位置に向かって支持ピン53の周りを回動する。
また、第1全閉ロック解除レバー211の回動は連動当接片212bを介して第2全閉ロック解除レバー212に伝達され、第1全閉ロック解除レバー211と共に第2全閉ロック解除レバー212が一体で支持軸71の周りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、端末242aと共にリリースケーブルC201の内部ケーブル242がリモコン5側に引っ張られ、オープンレバー32が初期位置から解除操作位置に向かって支持ピン53の周りを回動する。
以上により、前述の態様でリヤロック6のラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持及びフロントロック7のラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が解除されて、スライドドア2が開可能状態になる。
ここで、スライドドア2の閉止状態で、例えばリヤロック6のオープンレバー32が錆等によって解除操作位置に拘束された状態にあるものとする(図8参照)。このとき、リヤロック6のラッチ機構22がアンラッチ状態のままとなって、スライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持が不能となる。そして、解除操作位置で固着されたオープンレバー32は、内部ケーブル242をリモコン5側に押し出し続けることになる。
このとき、図19に示すように、第2全閉ロック解除レバー212は、内部ケーブル242に押されて原点位置から第1回動方向に回動した状態のままとなる。しかしながら、中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受ける第1全閉ロック解除レバー211は、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動(復帰)する。
第1全閉ロック解除レバー211が原点位置に復帰することで、フロントロック7のオープンレバー54が復帰スプリング59に付勢されて初期位置に復帰する。これにより、フロントロック7のラッチ機構52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持が可能となる。
一方、スライドドア2の閉止状態で、例えばフロントロック7のオープンレバー54が錆等によって解除操作位置に拘束された状態にあるものとする(図9参照)。このとき、フロントロック7のラッチ機構52がアンラッチ状態のままとなって、スライドドア2の全閉状態での保持が不能となる。そして、解除操作位置で固着されたオープンレバー54は、内部ケーブル44をリモコン5側に押し出し続けることになる。
このとき、図20に示すように、中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受ける第1全閉ロック解除レバー211は、リモコン5側に押し出された内部ケーブル44の摺動部46を長孔211cの範囲で摺動させつつ、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動(復帰)する。つまり、オープンレバー54によって内部ケーブル44がリモコン5側に押し出されたとしても、当該押出方向に長孔211cがあることで第1全閉ロック解除レバー211に原点位置への復帰を阻害する動力が伝達されることはない。
第1全閉ロック解除レバー211が原点位置に復帰することで、例えばリリースケーブルC201を介してリヤロック6の復帰スプリング39の付勢力を受ける第2全閉ロック解除レバー212は、支持軸71の周りを原点位置まで第2回動方向に回動(復帰)する。同時に、リヤロック6のオープンレバー32は、復帰スプリング39に付勢されて初期位置に復帰する。これにより、リヤロック6のラッチ機構22によるスライドドア2の全閉状態又は半ドア状態(閉止状態)での保持が可能となる。第1全閉ロック解除レバー211及びこれに従動する第2全閉ロック解除レバー212で全閉ロック解除部材を構成することと、長孔211c及び摺動部46とは、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか一方のオープンレバー32,54が解除操作位置に拘束された状態にあるときに、いずれか他方のオープンレバー32,54の初期位置への復帰を許容するロストモーション機構M200を構成する。ロストモーション機構M200がリリースケーブルC201,C2における第1及び第2全閉ロック解除レバー211,212の側(リモコン5の側)に配置されていることはいうまでもない。
以上詳述したように、本実施形態によれば、前記第1の実施形態における(5)の効果に加えて以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、例えばスライドドア2の全閉状態(閉止状態)で、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか一方のオープンレバー32,54が解除操作位置に拘束された状態にあっても、ロストモーション機構M200により、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか他方のオープンレバー32,54の初期位置への復帰が許容される。従って、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか一方でラッチ機構22,52によるスライドドア2の全閉状態(閉止状態)での保持ができなくなったとしても、リヤロック6及びフロントロック7のいずれか他方のラッチ機構22,52によりスライドドア2の全閉状態(閉止状態)に保持できる。
(2)本実施形態では、摺動部46による長孔211cの周縁部の挟持力は、厚出部269においてその板厚が大きくなる分だけ増加する。つまり、摺動部46は、厚出部269においてその摺動が相対的に抑制されるように設定されている。従って、オープンレバー54が該当するリリースケーブルC2の摺動部46を長孔211c内で摺動させつつ初期位置からずれることを抑制できる。
また、厚出部269は、半抜き成形にて実質的な板厚を大きくしたものであるため、例えばインサート成形などによる樹脂のモールドによって板厚を大きくする場合に比べて製造工数を削減でき、ひいてはコストを削減できる。
(3)本実施形態では、本実施形態では、フロントロック7のオープンレバー54は、復帰スプリング59により初期位置に向かって回動するように付勢される。従って、オープンレバー54がリリースケーブルC2の摺動部46を長孔211c内で摺動させつつ初期位置からずれることをいっそう抑制できる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・前記第1の実施形態においては、長孔63c,63dにリリースケーブルC1,C2の端末をそれぞれ掛止したが、それらの関係は互いに逆であってもよい。
・前記第2の実施形態においては、長孔163cの外周側に掛止孔163eを配置したが、それらの関係は互いに逆であってもよい。
・前記第2の実施形態においては、フロントロック107の側にロストモーション機構M102を配置したが、これに代えて、リヤロック6の側にロストモーション機構を配置してもよい。
・前記第1及び第2の実施形態において、スライドドア2を閉止状態に保持するドアロック装置(リヤロック6等)は、3つ以上であってもよい。要は、複数のロストモーション機構のうちの少なくとも一つが複数のリリースケーブル(ケーブル)における全閉ロック解除レバー(163)の側に配置されていればよい。
・前記第3の実施形態において、第2全閉ロック解除レバー212は、例えば第1全閉ロック解除レバー211とは独立で中継レバー62を介してトーションコイルばね73の付勢力を受けることでの原点位置に保持(復帰)されるようにしてもよい。
・前記第3の実施形態においては、第1全閉ロック解除レバー211にリリースケーブルC2を介してフロントロック7のオープンレバー54を接続し、第2全閉ロック解除レバー212にリリースケーブルC201を介してリヤロック6のオープンレバー32を接続したが、これらの関係は互いに逆であってもよい。すなわち、第1全閉ロック解除レバー211にリヤロック6のオープンレバー32を接続し、第2全閉ロック解除レバー212にフロントロック7のオープンレバー54を接続してもよい。
・前記各実施形態において、例えばフロントレバースイッチ85や報知部91などを省略してもよい。すなわち、電子制御装置90によるフロントロック7,107の異常の判定やその旨の報知を行わなくてもよい。
・前記各実施形態において、復帰スプリング39,59を省略してもよい。
・前記各実施形態において、例えばインサート成形などによる樹脂のモールドによって板厚を大きくした厚出部68,69,168,269を採用してもよい。
・前記各実施形態において、厚出部68,69,168,269を省略してもよい。
・前記各実施形態において、長孔63c,63d,163c,211cの各々は、その回転軸を中心とする円弧状に延びていてもよい。
・前記各実施形態において、長孔63c,63d,154b,163c,211cの各々は、非貫通の穴状であってもよい。
・前記各実施形態において、リリースアクチュエータ9を省略してもよい。
・前記各実施形態において、リヤロック6は、半ドア状態にあるスライドドア2を全閉状態まで閉作動させる装置(いわゆるドアクローザ装置)を備えていてもよい。
・前記各実施形態において、スライドドア2に代えてスイングドアを採用してもよい。
C1〜C3,C102,C201…リリースケーブル(ケーブル)、M1,M2,M101,M102,M200…ロストモーション機構、3…車外操作ハンドル(操作ハンドル)、4…車内操作ハンドル(操作ハンドル)、6…リヤロック(ドアロック装置)、7,107…フロントロック(ドアロック装置)、22,52…ラッチ機構、32,54,154…オープンレバー、39,59…復帰スプリング、45,46,146…摺動部、63,163…全閉ロック解除レバー(全閉ロック解除部材)、63c,63d,154b,163c,211c…長孔(長穴)、68,69,168,269…厚出部、80…ラッチスイッチ(第1スイッチ)、81…ポールスイッチ(第1スイッチ)、85…フロントレバースイッチ(第2スイッチ)、90…電子制御装置(判定部)、91…報知部、211…第1全閉ロック解除レバー(全閉ロック解除部材)、212…第2全閉ロック解除レバー(全閉ロック解除部材)。

Claims (8)

  1. 車両のドアに搭載され、該ドアを閉止状態に保持可能なラッチ機構及び初期位置から解除操作位置への回動に伴い前記ラッチ機構による保持を解除させる解除操作力を該ラッチ機構に伝達可能なオープンレバーを有する複数のドアロック装置と、
    操作ハンドルに連携されて前記ドアに回動自在に設けられ、前記操作ハンドルに付加された前記解除操作力に基づき回動する全閉ロック解除部材と、
    前記複数のドアロック装置の前記オープンレバー及び前記全閉ロック解除部材に両端末が接続され、該全閉ロック解除部材の回動に伴い、前記オープンレバーを前記初期位置から前記解除操作位置へと回動させる複数のケーブルと、
    少なくとも一つが前記複数のケーブルにおける前記全閉ロック解除部材の側に配置され、前記複数のドアロック装置の一の前記オープンレバーが前記解除操作位置に拘束された状態にあるときに、前記複数のドアロック装置の残りの前記オープンレバーの前記初期位置への復帰を許容する複数のロストモーション機構とを備えた、車両用ドア開閉装置。
  2. 請求項1に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記複数のロストモーション機構の各々は、
    前記複数のドアロック装置の各々の前記オープンレバー及び前記全閉ロック解除部材としての全閉ロック解除レバーのいずれか一方に形成された長穴と、
    前記各ケーブルの前記端末に設けられ、前記各長穴に沿って摺動自在に挿入されるかたちで前記端末を該当する前記オープンレバー又は前記全閉ロック解除レバーに接続する摺動部とを有した、車両用ドア開閉装置。
  3. 請求項2に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記摺動部は、前記長穴の周縁部を挟持する状態で該長穴に挿入されており、
    前記全閉ロック解除部材の回動に伴い前記摺動部が引っ張る前記長穴の部位の周縁部には、それ以外の前記長穴の部位の周縁部よりも板厚が大きくなる厚出部が形成された、車両用ドア開閉装置。
  4. 請求項2又は3に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記複数のドアロック装置の前記オープンレバーが前記初期位置に向かって回動するように付勢する複数の復帰スプリングを備えた、車両用ドア開閉装置。
  5. 請求項2〜4のいずれか一項に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記複数のロストモーション機構の少なくとも一つが前記複数のケーブルにおける前記オープンレバーの側に配置された、車両用ドア開閉装置。
  6. 車両のドアに搭載され、該ドアを閉止状態に保持可能なラッチ機構及び初期位置から解除操作位置への回動に伴い前記ラッチ機構による保持を解除させる解除操作力を該ラッチ機構に伝達可能なオープンレバーを有する複数のドアロック装置と、
    操作ハンドルに連携されて前記ドアに回動自在に設けられ、前記操作ハンドルに付加された前記解除操作力に基づき回動する全閉ロック解除部材と、
    前記複数のドアロック装置の前記オープンレバー及び前記全閉ロック解除部材に両端末が接続され、該全閉ロック解除部材の回動に伴い、前記オープンレバーを前記初期位置から前記解除操作位置へと回動させる複数のケーブルと、
    前記複数のケーブルにおける前記全閉ロック解除部材の側に配置され、前記複数のドアロック装置の一の前記オープンレバーが前記解除操作位置に拘束された状態にあるときに、前記複数のドアロック装置の残りの前記オープンレバーの前記初期位置への復帰を許容するロストモーション機構とを備えた、車両用ドア開閉装置。
  7. 請求項6に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記ドアロック装置の個数は「2」であって、
    前記ロストモーション機構は、
    前記全閉ロック解除部材が、前記両ドアロック装置のいずれか一方の前記オープンレバーに前記ケーブルを介して接続された第1全閉ロック解除レバー及び前記両ドアロック装置のいずれか他方の前記オープンレバーに前記ケーブルを介して接続され第1全閉ロック解除レバーに従動する第2全閉ロック解除レバーで構成されており、
    前記第1全閉ロック解除レバーに形成された長穴と、
    前記第1全閉ロック解除レバーに接続される該当の前記ケーブルの前記端末に設けられ、前記各長穴に沿って摺動自在に挿入される摺動部とを有した、車両用ドア開閉装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の車両用ドア開閉装置において、
    前記複数のドアロック装置は、リヤロック及びフロントロックであり、
    前記リヤロックの前記ラッチ機構が前記ドアを閉止状態に保持する状態にあるか否かを検知する第1スイッチと、
    前記フロントロックの前記オープンレバーが前記初期位置にあるか否かを検知する第2スイッチと、
    前記第1スイッチにより前記リヤロックの前記ラッチ機構が前記ドアを閉止状態に保持する状態にあることが検知され、且つ、前記第2スイッチにより前記フロントロックの前記オープンレバーが前記初期位置にないことが検知されたときに前記フロントロックの異常を判定する判定部と、
    前記判定部により前記フロントロックの異常が判定されたときに報知する報知部とを備えた、車両用ドア開閉装置。
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