図1〜図12を参照して本発明の一実施形態について説明する。なお、以下では、車両前後方向を「前後方向」といい、車両上下方向を「上下方向」という。
図1に示すように、車両ボデー1の側部には、適宜の支持部材(図示略)を介して車両ドアとしてのスライドドア2が前後方向に移動可能に支持されている。スライドドア2は、前後方向への移動に伴って乗降用の開口部を開閉する。
スライドドア2の外面前側部には、前後方向に延在する略弓形状の車外操作ハンドル3が後端部を支点に揺動可能に連結されている。すなわち、車外操作ハンドル3は、車外側に露出する態様でスライドドア2に支持されている。もちろん、車外操作ハンドル3は、スライドドア2に対して前端部を支点として揺動可能に連結されていてもよいし、車外操作ハンドル3の形状は略弓形状に限られず、例えば上下方向に延在するものであってもよい。一方、スライドドア2の内面前側部には、上下方向に延在する車内操作ハンドル4が中央部を支点に揺動可能に連結されている。
また、スライドドア2には、その内部空間において、車外操作ハンドル3及び車内操作ハンドル4にそれぞれ連係されたリモコン5が設置されている。なお、車内操作ハンドル4は、車内側に露出する態様でリモコン(リモートコントローラ)5を介してスライドドア2に支持されている。
さらに、スライドドア2には、その内部空間において、前側及び後側に配置された複数の第1ドアロック装置としての前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7がそれぞれ設置されるとともに、下側に配置された第2ドアロック装置としての全開ドアロック装置8が設置されている。前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7は、車両ボデー1側と係合してスライドドア2を閉状態(全閉状態又は半ドア状態)に保持し、全開ドアロック装置8は、車両ボデー1側と係合してスライドドア2を全開状態に保持する。
具体的には、図2に示すように、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7の各々は、ラッチ11及びポール12を備えて構成されており、車両ボデー1に固着されたストライカ13と係合することで車両ボデー1に対してスライドドア2を閉状態で保持する。すなわち、スライドドア2を閉めるときラッチ11が回転してストライカ13と係合し、同時にポール12がラッチ11を回り止めすることでスライドドア2を閉状態で保持する。また、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7の各々は、ポール12においてリモコン5と連係されている。そして、リモコン5からの動力によりポール12を動かしてラッチ11の回り止めを解除すると、該ラッチ11は復帰スプリング(図示略)に付勢されて戻り回転し、ストライカ13との係合状態を解除して車両ボデー1に対してスライドドア2を開可能状態にする。
なお、全開ドアロック装置8も、上記に準じた構造を有しており、リモコン5からの動力により動作することで、車両ボデー1に対してスライドドア2を閉可能状態にする。
ここで、車外操作ハンドル3及び車内操作ハンドル4の各々は、リモコン5を介して前側ドアロック装置6、後側ドアロック装置7及び全開ドアロック装置8に連携可能である。車外操作ハンドル3又は車内操作ハンドル4は、その動力(操作力)をリモコン5を介して前側ドアロック装置6、後側ドアロック装置7及び全開ドアロック装置8にそれぞれ伝達することで前述の態様でスライドドア2を開可能状態又は閉可能状態にする。
また、スライドドア2には、その内部空間において、リリースアクチュエータ16が設置されている。このリリースアクチュエータ16は、リモコン5に連係されており、該リモコン5を介して前側ドアロック装置6、後側ドアロック装置7及び全開ドアロック装置8に連携可能である。リリースアクチュエータ16は、その動力(駆動力)をリモコン5を介して前側ドアロック装置6、後側ドアロック装置7及び全開ドアロック装置8にそれぞれ伝達することで前述の態様でスライドドア2を開可能状態又は閉可能状態にする。
さらに、リモコン5には、ロッキングアクチュエータ17が支持されている。このロッキングアクチュエータ17は、スライドドア2の施錠状態及び解錠状態を切り替えるためのものである。なお、スライドドア2の施錠状態では、例えば車外操作ハンドル3を操作しても、その操作力をリモコン5が前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7に伝達することはなく、スライドドア2が開可能状態になることはない。一方、スライドドア2の解錠状態では、例えば車外操作ハンドル3を操作すると、その操作力をリモコン5が前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7に伝達することで、スライドドア2が開可能状態になる。
なお、車両には、スライドドア2を電動で開閉することが可能な電動ドア開閉装置(いわゆるパワースライドドア装置)9が設置されている。
次に、リモコン5について更に説明する。
図3に示すように、リモコン5は、例えば金属板からなるベースプレート31と、オープンレバー32と、全閉ロック解除レバー33と、車内ハンドル連結レバー34と、動力連結レバー35と、車外ハンドル連結レバー36と、全開ロック解除レバー37と、ロッキングレバー38と、チャイルドロック操作部39と、前記ロッキングアクチュエータ17とを備えて構成される。オープンレバー32、全閉ロック解除レバー33、車内ハンドル連結レバー34、動力連結レバー35、車外ハンドル連結レバー36及び全開ロック解除レバー37は、その順番でベースプレート31に近い側から重ねられており、該ベースプレート31から起立した共通のメイン支持軸41に回動可能に支持されている。ロッキングレバー38は、メイン支持軸41の図示右下側でこれと平行にベースプレート31から起立したサブ支持軸42に回動可能に支持されている。
なお、前記車内操作ハンドル4は、ベースプレート31において、オープンレバー32等の配置側とは反対側(図3における紙面奥側)の面に設けられている。車内操作ハンドル4は、トーションコイルばね20によって図3に示す原点位置に付勢・保持されている。そして、車内操作ハンドル4は、原点位置からスライドドア2の開方向側(図3における左側)に傾動させる開操作と、原点位置からスライドドア2の閉方向側(図3における右側)に傾動させる閉操作とを行うことが可能となっている。
また、ベースプレート31には、車内操作ハンドル4の下方で、室内ロック操作部18が設けられている。この室内ロック操作部18は、スライドドア2の車内側に露出している。室内ロック操作部18は、スライドドア2の開閉方向、即ち前後方向(図3における左右方向)に移動操作することが可能となっており、スライドドア2の施錠状態及び解錠状態を切り替える。
図4に示すように、全開ロック解除レバー37は、メイン支持軸41を中心する互いに略相反する径方向に張り出した一対のレバー突片37a,37bを有している。一方のレバー突片37aは、略S字形状に成形されており、その先端部においてケーブルC1を介して全開ドアロック装置8(ポール12)に連結されている。
他方のレバー突片37bは、メイン支持軸41から離隔する先端部がメイン支持軸41を中心とする第1回動方向(図4における時計回り方向)とは逆側の第2回動方向(図4における反時計回り方向)に延出して略L字形状を呈している。そして、レバー突片37bのメイン支持軸41から離隔する先端には、車外ハンドル連結レバー36側(図4における紙面奥側)に向かって連動当接片37dが直角に曲げ起こされている。
また、レバー突片37bの先端部には、メイン支持軸41を中心とする略円弧状の長孔37cが貫通形成されており、該長孔37c内にスライドブシュ51が摺動可能に支持されている。図3及び図4に示す全開ロック解除レバー37の原点位置では、スライドブシュ51は、長孔37cの車内操作ハンドル4から離隔する終端に配置されている。
図3に示すように、このスライドブシュ51には、車内操作ハンドル4から延びたロッド状のリンク52の末端が固定されている。従って、車内操作ハンドル4を閉操作する(図3における右方向に傾ける)と、リンク52に押されて全開ロック解除レバー37がメイン支持軸41回りを第1回動方向(図3及び図4における時計回り方向)に回動する。すると、レバー突片37aに連結されたケーブルC1がリモコン5側に引っ張られて、全開ドアロック装置8(ポール12によるラッチ11の回動規制)が解除される。
また、車内操作ハンドル4を開操作すると、リンク52が車内操作ハンドル4側に引かれるが、スライドブシュ51が長孔37c内を移動するので、全開ロック解除レバー37は図3及び図4に示す原点位置に留まる。なお、全開ロック解除レバー37は、ベースプレート31とレバー突片37aとの間を連結したトーションコイルばね21によって第2回動方向に付勢されている。
図4に示すように、車内ハンドル連結レバー34は、レバー突片37aに略沿うメイン支持軸41を中心する径方向に張り出したレバー突片34aを有するとともに、該レバー突片34aとは異なる径方向(図4における左上方向)に張り出したレバー突片34bを有する。そして、レバー突片34aのメイン支持軸41から離隔する先端部には、図3に示すように、リンク52の上方で車内操作ハンドル4から延びたロッド状のリンク53の末端が固定されている。
従って、車内操作ハンドル4を開操作する(図3における左方向に傾ける)と、リンク53に引かれて車内ハンドル連結レバー34がメイン支持軸41回りを第1回動方向(図3及び図4における時計回り方向)に回動する。反対に、車内操作ハンドル4を閉操作する(図3における右方向に傾ける)と、リンク53に押されて車内ハンドル連結レバー34がメイン支持軸41回りを第2回動方向(図3及び図4における反時計回り方向)に回動する。また、車内ハンドル連結レバー34は、車内操作ハンドル4が原点位置に保持されることで図3及び図4に示す原点位置に保持され、あるいは車内操作ハンドル4が原点位置に復帰することで当該原点位置に復帰する。
なお、図4に示すように、レバー突片34bは、メイン支持軸41から離隔する先端部が該メイン支持軸41を中心する互いに異なる角度範囲に分岐して、開側スイッチ押下突片34c及び閉側スイッチ押下突片34dをそれぞれ形成する。
オープンレバー32は、メイン支持軸41周りに巻回されたトーションコイルばね22を介してメイン支持軸41に連結されており、トーションコイルばね22により第2回動方向に付勢されている。このオープンレバー32は、メイン支持軸41を中心する互いに異なる径方向(図4における下方向及び右上方向)に張り出した一対のレバー突片32a,32bを有している。一方のレバー突片32aは、全閉ロック解除レバー33に重ねて配置されており、メイン支持軸41を中心する径方向中間部が第2回動方向(図4における反時計回り方向)に延出して略L字形状を呈している。
そして、レバー突片32aには、その外形に合わせて略L字形状の長孔32cが貫通形成されている。すなわち、長孔32cは、メイン支持軸41を中心する径方向に延びる係合孔32dと、該係合孔32dのメイン支持軸41に近付く先端から第2回動方向(図4における反時計回り方向)に延びる非係合孔32eとからなる。
なお、レバー突片32aの第2回動方向を向いた側縁部からは、車外ハンドル連結レバー36側(図4における紙面手前側)に向かって連動当接片32fが直角に曲げ起こされている。また、レバー突片32aの第1回動方向を向いた側縁部からは、全閉ロック解除レバー33側(図4における紙面手前側)に向かって連動当接片32hが直角に曲げ起こされている。
他方のレバー突片32bは、車内ハンドル連結レバー34(レバー突片34a)よりも第1回動方向に先行する側に配置されている。そして、レバー突片32bには、メイン支持軸41を中心する径方向に延びたチャイルドロック長孔32gが貫通形成されている。このチャイルドロック長孔32gには、チャイルドロックピン54が挿通・支持されている。このチャイルドロックピン54は、チャイルドロック長孔32gの長手方向に延びた一対の側辺をガイドにして該チャイルドロック長孔32g内を往復動可能となっている。
図3に示すように、スライドドア2の外部からのチャイルドロックピン54の移動操作は、チャイルドロック操作部39によって行われる。すなわち、チャイルドロック操作部39は、ベースプレート31に回動可能に支持されており、その回動中心から離れた一端部がスライドドア2の端面から露出するとともに、回動中心から離れた他端部がチャイルドロックピン54に連結されている。チャイルドロックピン54は、チャイルドロック操作部39の回動操作により、メイン支持軸41から離れたチャイルドロック位置(図示略)と、図3に示すメイン支持軸41寄りのチャイルドアンロック位置との間で移動する。
チャイルドロックピン54がチャイルドアンロック位置にあるとき、該チャイルドロックピン54は車内ハンドル連結レバー34(レバー突片34a)の回動領域内に位置するので、該車内ハンドル連結レバー34が第1回動方向に回動する際に一体でチャイルドロックピン54と共にオープンレバー32が回動する。すなわち、車内操作ハンドル4の開操作による動力を、車内ハンドル連結レバー34からオープンレバー32に伝達することが可能となる。
これに対し、チャイルドロックピン54がチャイルドロック位置にあるとき、該チャイルドロックピン54は車内ハンドル連結レバー34(レバー突片34a)の回動領域外に位置するので、車内ハンドル連結レバー34とオープンレバー32とが連動不可能に切り離される。すなわち、車内操作ハンドル4の開操作による動力を、車内ハンドル連結レバー34からオープンレバー32に伝達することが不可能となる。
図4に示すように、全閉ロック解除レバー33は、メイン支持軸41を中心する互いに略相反する径方向に張り出した一対のレバー突片33a,33bを有している。車内ハンドル連結レバー34(レバー突片34a)と同じ側に突出した一方のレバー突片33aの先端部には、ケーブルC2,C3を介して前側ドアロック装置6及び前側ドアロック装置6(ポール12)がそれぞれ連結されている。
オープンレバー32のレバー突片32aに重ねられた他方のレバー突片33bには、メイン支持軸41を中心する径方向に延びた略I字状の長孔33cが貫通形成されている。この長孔33cは、全閉ロック解除レバー33及びオープンレバー32が共に図4に示す原点位置のときに、長孔32cの係合孔32dと重ね合わせ可能となっている。そして、長孔33c,32cには、共通の連結ピン55が挿通されている。この連結ピン55は、長孔33cの長手方向に延びた一対の側辺をガイドにして該長孔33c内を往復移動可能となっている。
ここで、全閉ロック解除レバー33は、レバー突片33bの第1回動方向を向いた側縁部において、オープンレバー32の前記連動当接片32hに当接可能となっている。従って、全閉ロック解除レバー33は、オープンレバー32を介してトーションコイルばね22の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、レバー突片33aの先端部に備えたストッパ部33dがベースプレート31と当接することで、全閉ロック解除レバー33及びオープンレバー32が共に図4に示す原点位置に位置決めされている。
図3に示すように、ロッキングレバー38は、サブ支持軸42から室内ロック操作部18に向かって延びたレバー突片38aと、サブ支持軸42から連結ピン55に向かって延びたレバー突片38bとを有している。一方のレバー突片38aの先端には、外向きに開いた略U字状の係合溝38cが形成されており、他方のレバー突片38bには、略円弧状の長孔38dが貫通形成されている。長孔38dは、長孔32c,33cと重ね合わせ可能となっており、前記連結ピン55が移動可能に挿通されている。
そして、ロッキングレバー38が連結ピン55を長孔32cの係合孔32dに配置する回動位置(以下、「アンロック位置」ともいう)にあるとき、オープンレバー32が第1回動方向に回動する際に、連結ピン55に押される全閉ロック解除レバー33の一体回動が可能となる。つまり、オープンレバー32から全閉ロック解除レバー33への動力伝達が可能となる。このとき、ロッキングレバー38の長孔38dは、メイン支持軸41を中心とする周方向に延在しており、該長孔38dによって連結ピン55等の回動が阻害されることはない。
一方、ロッキングレバー38が連結ピン55を長孔32cの非係合孔32eに配置する回動位置(以下、「ロック位置」ともいう)にあるとき、オープンレバー32がメイン支持軸41を中心に第1回動方向に回動しても、連結ピン55が非係合孔32eを相対的に空走することで、全閉ロック解除レバー33が回動することはない。つまり、オープンレバー32の動力が全閉ロック解除レバー33に伝達されることはなく、該全閉ロック解除レバー33は図4に示す原点位置に留まることになる。
図3に示すように、アンロック位置及びロック位置間でのロッキングレバー38の回動操作は、前記ロッキングアクチュエータ17又は前記室内ロック操作部18により行われる。
ロッキングアクチュエータ17は、遠隔操作(リモコンキー又は車内の集中ドアロックボタンの操作)により作動する電動モータを主要部とし、その出力レバー19においてロッキングレバー38(レバー突片38a)の係合溝38cに連結されている。出力レバー19は、図3に示す回動位置にあるときにロッキングレバー38をアンロック位置に配置するとともに、図3に示す回動位置から第2回動方向に回動した所定の回動位置にあるときにロッキングレバー38をロック位置に配置する。
一方、室内ロック操作部18は、出力レバー19を介してロッキングレバー38に連結されている。室内ロック操作部18は、図3に示す解錠位置にあるときに出力レバー19を介してロッキングレバー38をアンロック位置に配置するとともに、図3に示す解錠位置から図示左側に移動した施錠位置にあるときにロッキングレバー38をロック位置に配置する。
つまり、ロッキングアクチュエータ17が駆動されるか、室内ロック操作部18が移動操作(施解錠操作)されることで、出力レバー19を介してロッキングレバー38がサブ支持軸42回りに回動し、ロッキングレバー38がアンロック位置又はロック位置へと移動する。
車外ハンドル連結レバー36は、オープンレバー32(レバー突片32a)及び動力連結レバー35に略沿うメイン支持軸41を中心する径方向に張り出した略弓形状のレバー突片36aを有するとともに、該レバー突片36aとは異なる径方向(図4における左下方向)に張り出したレバー突片36bを有する。そして、レバー突片36aのメイン支持軸41から離隔する先端部には、ケーブルC4を介して車外操作ハンドル3に連結されている。
また、レバー突片36aの第2回動方向を向いた側縁部からは、前記オープンレバー32側(図4における紙面奥側)に向かって連動当接片36cが直角に曲げ起こされている。この連動当接片36cは、車外ハンドル連結レバー36の第1回動方向(図4における時計回り方向)で前記連動当接片32fに対向配置されている。
さらに、レバー突片36aの第1回動方向を向いた側縁部からは、全開ロック解除レバー37(図4における紙面手前側)に向かって連動当接片36dが直角に曲げ起こされている。この連動当接片36dは、車外ハンドル連結レバー36の第1回動方向(図4における時計回り方向)で前記連動当接片37dに対向配置されている。
ここで、車外ハンドル連結レバー36は、連動当接片36dにおいて、全開ロック解除レバー37の連動当接片37dに当接可能となっている。従って、車外ハンドル連結レバー36は、全開ロック解除レバー37を介してトーションコイルばね21の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、レバー突片36aの先端部に備えたストッパ部36fがベースプレート31と当接することで、図4に示す原点位置に位置決めされている。また、全開ロック解除レバー37は、ベースプレート31と当接する車外ハンドル連結レバー36を介して図4に示す原点位置に位置決めされている。
そして、車外操作ハンドル3を操作すると、ケーブルC4に引かれて車外ハンドル連結レバー36がメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向(図4における時計回り方向)に回動する。このとき、連動当接片36cに連動当接片32fの押圧されるオープンレバー32及び連動当接片36dに連動当接片37dの押圧される全開ロック解除レバー37が一体でメイン支持軸41回りを第1回動方向(図4における時計回り方向)に回動する。
従って、車外操作ハンドル3を操作したとき、ロッキングレバー38がアンロック位置にあれば、車外ハンドル連結レバー36、オープンレバー32及び連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33が一体でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。すると、全閉ロック解除レバー33のレバー突片33aに連結されたケーブルC2,C3がリモコン5側に引っ張られて、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7(ポール12によるラッチ11の回動規制)が解除される。つまり、車外操作ハンドル3の操作力が、車外ハンドル連結レバー36、オープンレバー32及び連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33に伝達されることで、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除される。
あるいは、車外操作ハンドル3を操作したとき、ロッキングレバー38の位置(アンロック位置、ロック位置)に関係なく、車外ハンドル連結レバー36を介して全開ロック解除レバー37が一体でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。すると、全開ロック解除レバー37のレバー突片37aに連結されたケーブルC1がリモコン5側に引っ張られて、全開ドアロック装置8(ポール12によるラッチ11の回動規制)が解除される。つまり、車外操作ハンドル3の操作力が、車外ハンドル連結レバー36を介して全開ロック解除レバー37に伝達されることで、全開ドアロック装置8が解除される。
なお、図4に示すように、レバー突片36bは、メイン支持軸41から離隔する先端に、略L字状のスイッチ押下突片36eを形成する。
動力連結レバー35は、オープンレバー32(レバー突片32a)及び車外ハンドル連結レバー36(レバー突片36a)に略沿うメイン支持軸41を中心する径方向に張り出した略槌状のレバー突片35aを有する。そして、レバー突片35aのメイン支持軸41から離隔する先端部には、該メイン支持軸41を中心とする周方向に延在する略円弧状の長孔35bが貫通形成されており、該長孔35b内にスライドブシュ56が摺動可能に支持されている。このスライドブシュ51は、ケーブルC5を介して前記リリースアクチュエータ16に連結されている。このリリースアクチュエータ16は、遠隔操作(リモコンキー又は車内のドア開閉ボタンの操作)により作動する電動モータを主要部とするものである。
また、レバー突片35aの第1回動方向を向いた側縁部からは、連動当接片35cが突出形成されている。この連動当接片35cは、動力連結レバー35の第1回動方向(図4における時計回り方向)で、ロッキングレバー38がアンロック位置にあるときの連結ピン55に対向配置されている。
さらに、動力連結レバー35は、全開ロック解除レバー37(レバー突片37a)に略沿うメイン支持軸41を中心する径方向に張り出した略舌片状のレバー突片35eを有する。このレバー突片35eの第2回動方向を向いた側縁部からは、全開ロック解除レバー37(図4における紙面手前側)に向かって連動当接片35fが直角に曲げ起こされている。この連動当接片35fは、動力連結レバー35の第1回動方向(図4における時計回り方向)で、全開ロック解除レバー37(レバー突片37a)の側縁部に対向配置されている。
ここで、動力連結レバー35は、連動当接片35fにおいて、全開ロック解除レバー37の側縁部に当接可能となっている。従って、動力連結レバー35は、全開ロック解除レバー37を介してトーションコイルばね21の付勢力を受けることになり、第2回動方向に付勢されている。そして、常には、レバー突片35aの先端部に備えたストッパ部35dがベースプレート31と当接することで、図4に示す原点位置に位置決めされている。また、動力連結レバー35を第2回動方向に付勢する全開ロック解除レバー37は、ベースプレート31と当接する動力連結レバー35を介して図4に示す原点位置に位置決めされている。
従って、リリースアクチュエータ16が駆動され、その駆動力によりケーブルC5がリリースアクチュエータ16側に引っ張られると、動力連結レバー35が車内ハンドル連結レバー34及び車外ハンドル連結レバー36から切り離された状態でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。このとき、ロッキングレバー38がアンロック位置にあれば、連動当接片35cが連結ピン55を押すことで、該連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33(及びオープンレバー32)が一体でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。すると、全閉ロック解除レバー33のレバー突片33aに連結されたケーブルC2,C3がリモコン5側に引っ張られて、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7(ポール12によるラッチ11の回動規制)が解除される。
同時に、動力連結レバー35の連動当接片35fが全開ロック解除レバー37を押すことで、該全開ロック解除レバー37が一体でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。すると、全開ロック解除レバー37のレバー突片37aに連結されたケーブルC1がリモコン5側に引っ張られて、全開ドアロック装置8(ポール12によるラッチ11の回動規制)が解除される。
なお、リリースアクチュエータ16が駆動されても、ロッキングレバー38がロック位置にあれば、連動当接片35cが連結ピン55を押圧することはなく、従って全閉ロック解除レバー33(及びオープンレバー32)は原点位置のままであることはいうまでもない。
ベースプレート31には、図4に示すように、原点位置にある車内ハンドル連結レバー34の開側スイッチ押下突片34c及び閉側スイッチ押下突片34d並びに車外ハンドル連結レバー36のスイッチ押下突片36eの配置に合わせて、スイッチ装置60が設置されている。このスイッチ装置60は、その筐体をなす例えば樹脂材からなるケース61と、該ケース61内に収容された車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63とを備えて構成される。
車内操作ハンドル用スイッチ63は、例えばモメンタリ式の双投スイッチであって、中立位置にあるスイッチレバー63aは、原点位置にある車内ハンドル連結レバー34の開側スイッチ押下突片34c及び閉側スイッチ押下突片34d間に挟まれる中央部に配置されている。すなわち、スイッチレバー63aは、車内ハンドル連結レバー34が第1回動方向に回動する際の開側スイッチ押下突片34cの回動領域内に位置するとともに、車内ハンドル連結レバー34が第2回動方向に回動する際の閉側スイッチ押下突片34dの回動領域内に位置する。
従って、図4に示す状態から図5に示す状態への変化で示すように、車内操作ハンドル4の開操作に伴い車内ハンドル連結レバー34が第1回動方向に回動すると、スイッチレバー63aが開側スイッチ押下突片34cに押されて中立位置から一方向に傾動する。このとき、車内操作ハンドル用スイッチ63は、オフ状態から第1のオン状態に切り替わる。
つまり、車内操作ハンドル用スイッチ63は、直接的には車内操作ハンドル4の開操作を検出する。より詳細には、車内操作ハンドル用スイッチ63は、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の閉作動中に、当該作動を中止させる旨の利用者の意思を検出する。すなわち、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の閉作動中、車内操作ハンドル用スイッチ63により車内操作ハンドル4の開操作が検出された場合、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の閉作動が中止されるように構成されている。
ただし、スライドドア2の全閉状態において、車内操作ハンドル4の開操作に伴い前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7の解除が手動で完了した場合には、電動ドア開閉装置9によりスライドドア2が開作動されるように構成されていてもよいし、手動でスライドドア2が開操作されるように構成されていてもよい。
一方、図4に示す状態から図6に示す状態への変化で示すように、車内操作ハンドル4の閉操作に伴い車内ハンドル連結レバー34が第2回動方向に回動すると、スイッチレバー63aが閉側スイッチ押下突片34dに押されて中立位置から逆方向に傾動する。このとき、車内操作ハンドル用スイッチ63は、オフ状態から第2のオン状態に切り替わる。
つまり、車内操作ハンドル用スイッチ63は、直接的には車内操作ハンドル4の閉操作を検出する。より詳細には、車内操作ハンドル用スイッチ63は、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開作動中に、当該作動を中止させる旨の利用者の意思を検出する。すなわち、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開作動中、車内操作ハンドル用スイッチ63により車内操作ハンドル4の閉操作が検出された場合、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開作動が中止されるように構成されている。
ただし、スライドドア2の全開状態において、車内操作ハンドル4の閉操作に伴い全開ドアロック装置8の解除が手動で完了した場合には、電動ドア開閉装置9によりスライドドア2が閉作動されるように構成されていてもよいし、手動でスライドドア2が閉操作されるように構成されていてもよい。
図4に示すように、車外操作ハンドル用スイッチ62は、例えばモメンタリ式の単投スイッチであって、中立位置にあるスイッチレバー62aは、原点位置にある車外ハンドル連結レバー36が第1回動方向に回動する際のスイッチ押下突片36eの回動領域内に位置する。従って、図4に示す状態から図7に示す状態への変化で示すように、車外操作ハンドル3の操作に伴い車外ハンドル連結レバー36が第1回動方向に回動すると、スイッチレバー62aがスイッチ押下突片36eに押されて傾動する。このとき、車外操作ハンドル用スイッチ62は、オフ状態からオン状態に切り替わる。
つまり、車外操作ハンドル用スイッチ62は、直接的には車外操作ハンドル3の操作を検出する。より詳細には、車外操作ハンドル用スイッチ62は、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開作動又は閉作動中に、当該作動を中止させる旨の利用者の意思を検出する。すなわち、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開作動又は閉作動中、車外操作ハンドル用スイッチ62により車外操作ハンドル3の操作が検出された場合、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開閉作動が中止されるように構成されている。
ただし、スライドドア2の全閉状態において、車外操作ハンドル3の操作に伴い前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7の解除が手動で完了した場合には、電動ドア開閉装置9によりスライドドア2が開作動されるように構成されていてもよいし、手動でスライドドア2が開操作されるように構成されていてもよい。あるいは、スライドドア2の全開状態において、車外操作ハンドル3の操作に伴い全開ドアロック装置8の解除が手動で完了した場合には、電動ドア開閉装置9によりスライドドア2が閉作動されるように構成されていてもよいし、手動でスライドドア2が閉操作されるように構成されていてもよい。
なお、既述のように、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7又は全開ドアロック装置8を解除すべくリリースアクチュエータ16が駆動された際には、図4に示す状態から図8に示す状態への変化で示すように、動力連結レバー35は、車内ハンドル連結レバー34及び車外ハンドル連結レバー36から切り離された状態でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。従って、動力連結レバー35の回動によって車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63が作動することはなく、これら車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63はオフ状態のままである。
つまり、本実施形態では、車外操作ハンドル用スイッチ62がオン状態になることで車外操作ハンドル3の操作が検出され、車内操作ハンドル用スイッチ63が第1のオン状態になることで車内操作ハンドル4の開操作が検出され、車内操作ハンドル用スイッチ63が第2のオン状態になることで車内操作ハンドル4の閉操作が検出される。また、リリースアクチュエータ16により駆動されて動力連結レバー35が第1回動方向に回動しても、車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63はオフ状態のままである。従って、リリースアクチュエータ16の駆動中であっても、車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63により車外操作ハンドル3の操作及び車内操作ハンドル4の開閉操作が検出可能である。これにより、例えばリリースアクチュエータ16の駆動中であっても、車外操作ハンドル3の操作及び車内操作ハンドル4の開閉操作によって電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開閉作動の中止が可能となる。
次に、本実施形態の作用について説明する。なお、以下では、チャイルドロックピン54がチャイルドアンロック位置にあり、ロッキングレバー38がアンロック位置にあるものとする。ロッキングレバー38の位置(アンロック位置又はロック位置)は、適宜のポジションスイッチにて検出されるように構成されている。
まず、スライドドア2の全閉状態において、車内操作ハンドル4を開操作すると、リンク53に引かれる車内ハンドル連結レバー34が、図4に示す状態から図5に示す状態への変化で示すように、メイン支持軸41回りを第1回動方向に回動してチャイルドロックピン54を押し、オープンレバー32が一体で第1回動方向に回動する。オープンレバー32の回動は連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33に伝達され、オープンレバー32と共に全閉ロック解除レバー33が一体で第1回動方向に回動する。これにより、ケーブルC2,C3がリモコン5側に引っ張られ、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除される。そして、スライドドア2が開可能状態となる。
一方、スライドドア2の全開状態において、車内操作ハンドル4を閉操作すると、リンク52に押される全開ロック解除レバー37が、図4に示す状態から図6に示す状態への変化で示すように、第1回動方向に回動する。これにより、ケーブルC1がリモコン5側に引っ張られ、全開ドアロック装置8が解除される。そして、スライドドア2が閉可能状態となる。
また、スライドドア2の全閉状態又は全開状態において、車外操作ハンドル3を操作すると、図4に示す状態から図7に示す状態への変化で示すように、ケーブルC4がリモコン5側に引っ張られ、車外ハンドル連結レバー36が第1回動方向に回動する。このとき、連動当接片36cがオープンレバー32の連動当接片32fを押すことでオープンレバー32が一体で第1回動方向に回動する。オープンレバー32の回動は連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33に伝達され、オープンレバー32と共に全閉ロック解除レバー33が一体で第1回動方向に回動する。これにより、ケーブルC2,C3がリモコン5側に引っ張られ、スライドドア2が全閉状態にあれば、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除される。そして、スライドドア2が開可能状態となる。
同時に、連動当接片36dが全開ロック解除レバー37の連動当接片37dを押すことで全開ロック解除レバー37が一体で第1回動方向に回動する。これにより、ケーブルC1がリモコン5側に引っ張られ、スライドドア2が全開状態にあれば、全開ドアロック装置8が解除される。そして、スライドドア2が閉可能状態となる。
さらに、スライドドア2の全閉状態又は全開状態において、車外操作ハンドル3及び車内操作ハンドル4を共に操作することなく遠隔操作(リモコンキー又は車内のドア開閉ボタンの操作)でリリースアクチュエータ16を駆動すると、図4に示す状態から図8に示す状態への変化で示すように、ケーブルC5がリリースアクチュエータ16側に引っ張られ、動力連結レバー35が第1回動方向に回動する。このとき、連動当接片35cが連結ピン55を押すことで、該連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33(及びオープンレバー32)が一体でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、ケーブルC2,C3がリモコン5側に引っ張られ、スライドドア2が全閉状態にあれば、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除される。そして、スライドドア2が開可能状態となる。
同時に、連動当接片35fが全開ロック解除レバー37を押すことで、該全開ロック解除レバー37が一体でメイン支持軸41回りを原点位置から第1回動方向に回動する。これにより、ケーブルC1がリモコン5側に引っ張られ、スライドドア2が全開状態にあれば、全開ドアロック装置8が解除される。そして、スライドドア2が閉可能状態となる。
次に、スイッチ装置60について説明する。
図9(a)(b)に示すように、スイッチ装置60のケース61は、例えば樹脂材からなる略箱形のボデー64及びハウジング65の2分割構造となっている。そして、ボデー64は、大まかに配線収容部64aと、該配線収容部64aの図示右下側に配置された第1スイッチ収容部64bと、配線収容部64aの図示右上側に配置された第2スイッチ収容部64cと、配線収容部64aの図示左下側に配置されたコネクタ部64dとに区画されている。これら配線収容部64a、第1及び第2スイッチ収容部64b,64c、コネクタ部64dは相互に連通している。そして、ボデー64は、コネクタ部64dの先端部を除く略全体が底面に略直交する方向(紙面に直交する手前方向)で開放されている。
配線収容部64aには、その底面から外側(紙面に直交する奥側)に凹設された複数(3つ)の略四角形状の凹部64eが形成されている。また、配線収容部64aには、底面から内側(紙面に直交する手前側)に隆起する複数(2つ)の略ピン状の位置決め突部64fが形成されるとともに、コネクタ部64dに隣接して底面から内側に隆起する複数(4つ)の略台状のガイド突部64gが形成されている。
図11に併せ示すように、第1スイッチ収容部64bには、その図示右側及び下側の縁部に沿って略L字状のスイッチ台座部64hが形成されるとともに、コネクタ部64dに隣接する基端部から突出する略舌片状のスイッチ台座部64iが形成されている。そして、第1スイッチ収容部64bは、スイッチ台座部64hの図示右側の部位で図示右方向に開口して第1スイッチレバー導出部64jを形成する。なお、スイッチ台座部64iには、その中央部から内側(紙面に直交する手前側)に隆起する略ピン状のスイッチ位置決め突部64kが形成されている。
第2スイッチ収容部64cは、その図示右側の部位で図示右方向に開口して第2スイッチレバー導出部64mを形成する。そして、第2スイッチ収容部64cには、第2スイッチレバー導出部64mを横切るように延在する略I字状のスイッチ台座部64nが形成されるとともに、配線収容部64aに隣接する基端部から突出する略舌片状のスイッチ台座部64pが形成されている。このスイッチ台座部64iには、その中央部から内側(紙面に直交する手前側)に隆起する略ピン状のスイッチ位置決め突部64qが形成されている。
コネクタ部64dは、全体的に配線収容部64a等の底面に比べて外側(紙面に直交する奥側)に凹んでいる。このコネクタ部64dは、スイッチ装置60に電気的に接続される外部装置のコネクタ(図示略)の外形に応じた内壁面を有しており、その先端部は、図示下方向に略沿って開口する略四角筒状に成形されている。
図9(b)に示すように、ボデー64内には、複数の配線部材としての金属板からなるリードフレーム66,67,68,69が配索されている。
リードフレーム66は、第1スイッチ収容部64b及びコネクタ部64dのなす角部に略沿って延在しており、コネクタ部64d及びこれに対向するガイド突部64gに挟まれた状態で、ボデー64の底面に載置・位置決めされている。
そして、リードフレーム66の車外操作ハンドル用スイッチ62側に延びる先端部には、車外操作ハンドル用スイッチ62の端子に電気的に接続されるスイッチ接続端子66aがボデー64の開放側(紙面に直交する手前側)に向かって直角に曲げ起こされている。また、リードフレーム66のコネクタ部64d側に延びる先端部には、該コネクタ部64dのコネクタ案内方向(図9における上下方向)に外部接続端子66bが延設されている。この外部接続端子66bは、コネクタ部64dにおいて第1スイッチ収容部64bに最も近い位置に配置されている。
リードフレーム67は、ボデー64の図示左側の縁部に略沿って延在しており、その中間部に位置決め突部64fが挿通され、コネクタ部64d及びこれに対向するガイド突部64gに挟まれた状態で、ボデー64の底面に載置・位置決めされている。
そして、リードフレーム67の車内操作ハンドル用スイッチ63側に延びる先端部には、車内操作ハンドル用スイッチ63の端子に電気的に接続されるスイッチ接続端子67aがボデー64の開放側(紙面に直交する手前側)に向かって直角に曲げ起こされている。また、リードフレーム67のコネクタ部64d側に延びる先端部には、該コネクタ部64dのコネクタ案内方向(図9における上下方向)に外部接続端子67bが延設されている。この外部接続端子67bは、コネクタ部64dにおいて第1スイッチ収容部64bから最も遠い位置に配置されている。
リードフレーム68は、リードフレーム67に隣接配置されており、該リードフレーム67側に並設された一対のガイド突部64g間に挟まれる略爪状の位置決め片68dを有する。リードフレーム68は、上記両ガイド突部64g間に位置決め片68dが挟まれた状態で、ボデー64の底面に載置・位置決めされている。
そして、リードフレーム68の車内操作ハンドル用スイッチ63側に延びる先端部には、車内操作ハンドル用スイッチ63の端子に電気的に接続されるスイッチ接続端子68aがボデー64の開放側(紙面に直交する手前側)に向かって直角に曲げ起こされている。また、リードフレーム68のコネクタ部64d側に延びる先端部には、該コネクタ部64dのコネクタ案内方向(図9における上下方向)に外部接続端子68bが延設されている。この外部接続端子68bは、コネクタ部64dにおいて外部接続端子67bの第1スイッチ収容部64b側に配置されている。
リードフレーム69は、三筋に分岐しており、ボデー64の図示右側の縁部に略沿って延在するとともに、その中間部から分岐してリードフレーム66,68間に挟まれるように延在する。リードフレーム69は、その分岐する中間部に位置決め突部64fが挿通され、リードフレーム66側に並設された一対のガイド突部64g間に挟まれた状態で、ボデー64の底面に載置・位置決めされている。
そして、リードフレーム69の車外操作ハンドル用スイッチ62側に延びる先端部には、車外操作ハンドル用スイッチ62の端子に電気的に接続されるスイッチ接続端子69aがボデー64の開放側(紙面に直交する手前側)に向かって直角に曲げ起こされている。また、リードフレーム69の車内操作ハンドル用スイッチ63側に延びる先端部には、車内操作ハンドル用スイッチ63の端子に電気的に接続されるスイッチ接続端子69bがボデー64の開放側(紙面に直交する手前側)に向かって直角に曲げ起こされている。さらに、リードフレーム69のコネクタ部64d側に延びる先端部には、該コネクタ部64dのコネクタ案内方向(図9における上下方向)に外部接続端子69cが延設されている。この外部接続端子69cは、コネクタ部64dにおいて両外部接続端子66b,68b間に挟まれて配置されている。
なお、前記複数の凹部64eは、各隣り合うリードフレーム66〜69間に配置されている。
車外操作ハンドル用スイッチ62は、スイッチ位置決め突部64kが挿通された状態で、ボデー64のスイッチ台座部64h,64iに載置・位置決めされている。このとき、車外操作ハンドル用スイッチ62は、スイッチ接続端子66a,69aが挿通されることでリードフレーム66,69にそれぞれ電気的に接続されるとともに、第1スイッチレバー導出部64jからスイッチレバー62aが導出される。
同様に、車内操作ハンドル用スイッチ63は、スイッチ位置決め突部64qが挿通された状態で、ボデー64のスイッチ台座部64n,64pに載置・位置決めされている。このとき、車内操作ハンドル用スイッチ63は、スイッチ接続端子67a,68a,69bが挿通されることでリードフレーム67,68,69にそれぞれ電気的に接続されるとともに、第2スイッチレバー導出部64mからスイッチレバー63aが導出される。
なお、車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63で共用するリードフレーム69の外部接続端子69cは、グランド端子となっている。
図9(a)に示すように、ハウジング65は、ボデー64の外形に概ね合わせて成形されており、該ボデー64に嵌着されることでこれと協働して車外操作ハンドル用スイッチ62、車内操作ハンドル用スイッチ63及びリードフレーム66〜69を保持等する。
すなわち、ハウジング65は、大まかに配線収容部65aと、該配線収容部65aの図示左下側に配置された第1スイッチ収容部65bと、配線収容部64aの図示左上側に配置された第2スイッチ収容部65cと、配線収容部64aの図示右下側に配置されたコネクタカバー部65dとに区画されている。これら配線収容部64a、第1及び第2スイッチ収容部64b,64cは相互に連通している。そして、ハウジング65は、底面に直交する方向(紙面に直交する手前方向)で全体が開放されている。
配線収容部65aには、コネクタカバー部65dに隣接する図示右下側の底面から内側(紙面に直交する手前側)に隆起する台部65eが形成されるとともに、該台部65e上に並設された複数(4つ)の略L字状の保持突部65fが突設され、更に各保持突部65f上に複数の略半球状の圧接部65gが突設されている。これら保持突部65fは、ボデー64の底面に載置等されたリードフレーム66〜69の外部接続端子66b,67b,68b,69cの根元部66c,67c,68c,69dに合わせて配置されている。
そして、ハウジング65がボデー64に嵌着される際、各保持突部65fの圧接部65gは、該当の外部接続端子66b,67b,68b,69cの根元部66c,67c,68c,69dに圧接することで、ボデー64の底面との間で根元部66c,67c,68c,69dを堅固に挟持する。
第1スイッチ収容部65bには、その図示左側の縁部に沿って略I字状のスイッチ台座部65hが形成されるとともに、コネクタカバー部65dに隣接する基端部から突出する略舌片状のスイッチ台座部65iが形成されている。そして、第1スイッチ収容部65bは、スイッチ台座部65hで図示左方向に開口して第1スイッチレバー導出部65jを形成する。ハウジング65がボデー64に嵌着される際、スイッチ台座部65h,65iは、ボデー64の対向するスイッチ台座部64h,64iとの間で車外操作ハンドル用スイッチ62を挟み込むことでこれを保持する。このとき、第1スイッチレバー導出部65jは、ボデー64の第1スイッチレバー導出部64jと共に車外操作ハンドル用スイッチ62のスイッチレバー62aを導出する。
第2スイッチ収容部65cは、その図示左側の部位で図示左方向に開口して第2スイッチレバー導出部65kを形成する。そして、第2スイッチ収容部65cには、第2スイッチレバー導出部65kを横切るように延在する略I字状のスイッチ台座部65mが形成されるとともに、配線収容部65aに隣接する基端部から突出する略舌片状のスイッチ台座部65nが形成されている。ハウジング65がボデー64に嵌着される際、スイッチ台座部65m,65nは、ボデー64の対向するスイッチ台座部64n,64pとの間で車内操作ハンドル用スイッチ63を挟み込むことでこれを保持する。このとき、第2スイッチレバー導出部65kは、ボデー64の第2スイッチレバー導出部64mと共に車内操作ハンドル用スイッチ63のスイッチレバー63aを導出する。
コネクタカバー部65dは、ボデー64(コネクタ部64d)の底面に略沿って広がる略平板状であって、ハウジング65がボデー64に嵌着される際に、コネクタ部64dの底面に略直交する方向(紙面に直交する手前方向)の開口を覆う。そして、コネクタカバー部65dは、コネクタ部64dと共にコネクタ案内方向(図9における上下方向)に略四角形のコネクタ導入口を形成する。従って、スイッチ装置60に電気的に接続される外部装置のコネクタは、コネクタ案内方向(図9における上下方向)にコネクタ導入口に挿入された際に、コネクタ部64d及びコネクタカバー部65dに四方が嵌合された状態で保持される。このとき、コネクタが外部接続端子66b,67b,68b,69cに電気的に接続されることはいうまでもない。
次に、スイッチ装置60の等価回路について説明する。
図10に示すように、スイッチ装置60の車外操作ハンドル用スイッチ62は、外部接続端子66bに電気的に接続される固定端子71と、外部接続端子(グランド端子)69cに電気的に接続される可動端子72とを有する。この可動端子72は、スイッチレバー62aに連係されている。つまり、車外操作ハンドル用スイッチ62は、車外操作ハンドル3の操作に伴うスイッチレバー62aの揺動により、可動端子72が固定端子71に接触することでオン状態に切り替わる。
一方、車内操作ハンドル用スイッチ63は、外部接続端子67bに電気的に接続される固定端子73と、外部接続端子69cに電気的に接続される可動端子74とを有する。また、車内操作ハンドル用スイッチ63は、外部接続端子68bに電気的に接続される固定端子75と、外部接続端子69cに電気的に接続される可動端子76とを有する。これら可動端子74,76は、スイッチレバー63aに連係されている。つまり、車内操作ハンドル用スイッチ63は、車内操作ハンドル4の開操作に伴うスイッチレバー63aの一方向への揺動により、可動端子74が固定端子73に接触することで第1のオン状態に切り替わる。あるいは、車内操作ハンドル用スイッチ63は、車内操作ハンドル4の閉操作に伴うスイッチレバー63aの逆方向への揺動により、可動端子76が固定端子75に接触することで第2のオン状態に切り替わる。
換言すれば、スイッチ装置60は、車外操作ハンドル3又は車内操作ハンドル4の操作に伴うスイッチング機能、外部装置との接続機能をその内部に完備している。
次に、スイッチ装置60の組立態様について説明する。
図11に示すように、ボデー64には、リードフレーム66〜69の素材Wが収容される。この素材Wは、リードフレーム66〜69全体の外形に合わせて成形された一続きの板材となっている。これは、リードフレーム66〜69を個別にボデー64に組み付ける煩雑さを回避するためである。なお、図11では、便宜的にリードフレーム66〜69に共通する素材Wの該当部位に同一符号を付している。
既述のように、ボデー64は、その底面に略直交する方向(図11において紙面に直交する手前方向)で略全体が開放されており、素材Wは、ボデー64の底面に向かって一方向に組み付けることで該ボデー64に収容される。このとき、素材Wは、複数の位置決め突部64fが挿通され、複数のガイド突部64gに案内されることで、ボデー64の底面上に載置・位置決めされる。
ここで、素材Wは、凹部64e上で各隣り合うリードフレーム66〜69間を橋渡しする接続片W1を有する。つまり、素材Wでは、リードフレーム66〜69は接続片W1を介して短絡されている。
この状態で、ボデー64に車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63が収容される。これら車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63も、ボデー64の底面に向かって一方向に組み付けることで該ボデー64に収容される。このとき、素材Wは、スイッチ接続端子66a,69aが車外操作ハンドル用スイッチ62に挿通され、スイッチ接続端子67a,68a,69bが車内操作ハンドル用スイッチ63に挿通されることで、ボデー64の底面上での姿勢が仮保持される。
その後、図12に示すように、各凹部64eの上方からボデー64の底面に向けてプレス加工機のパンチPを下ろすと、凹部64e内へのパンチPの進入に伴って接続片W1の一端が切断されるとともに、当該接続片W1の他端を支点に該接続片W1が凹部64e内に向かって屈曲される。これにより、ボデー64の底面上での姿勢が仮保持された状態のまま、素材Wが4つに分離されてリードフレーム66〜69が形成される。
その後、ボデー64にハウジング65が嵌着されると、各保持突部65fの圧接部65g及びボデー64の底面の間で該当の外部接続端子66b,67b,68b,69cの根元部66c,67c,68c,69dが挟持される。同時に、スイッチ台座部65h,65i及びスイッチ台座部64h,64iの間で車外操作ハンドル用スイッチ62が挟み込まれ、スイッチ台座部65m,65n及びスイッチ台座部64n,64pの間で車内操作ハンドル用スイッチ63が挟み込まれる。そして、ボデー64及びハウジング65(ケース61)内で車外操作ハンドル用スイッチ62、車内操作ハンドル用スイッチ63及びリードフレーム66〜69が保持等された状態でスイッチ装置60の組立てが完了する。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、車内操作ハンドル4を開操作すると、車内ハンドル連結レバー34が第1回動方向に回動して車内操作ハンドル用スイッチ63により当該回動、即ち車内操作ハンドル4の開操作が検出される。このとき、車内ハンドル連結レバー34と独立の車外ハンドル連結レバー36や動力連結レバー35が動作することはなく、車外操作ハンドル用スイッチ62が検出動作をすることはない。
また、車内操作ハンドル4を閉操作すると、車内ハンドル連結レバー34が第2回動方向に回動して車内操作ハンドル用スイッチ63により当該回動、即ち車内操作ハンドル4の閉操作が検出される。このとき、車内ハンドル連結レバー34と独立の車外ハンドル連結レバー36や動力連結レバー35が動作することはなく、車外操作ハンドル用スイッチ62が検出動作をすることはない。
さらに、車外操作ハンドル3を操作すると、車外ハンドル連結レバー36が回動して車外操作ハンドル用スイッチ62により当該回動、即ち車外操作ハンドル3の操作が検出される。このとき、車外ハンドル連結レバー36と独立の車内ハンドル連結レバー34や動力連結レバー35が動作することはなく、車内操作ハンドル用スイッチ63が検出動作をすることはない。
一方、リリースアクチュエータ16を駆動すると、動力連結レバー35が回動する。このとき、動力連結レバー35と独立の車内ハンドル連結レバー34や車外ハンドル連結レバー36が動作することはなく、車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63の全てが検出動作をすることはない。換言すれば、リリースアクチュエータ16の駆動中であっても、車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63により、車内操作ハンドル4の操作又は車外操作ハンドル3の操作を検出することができ、誤動作防止のために前記リリースアクチュエータの駆動中の一定期間にそれらの検出結果を受け付かなくする必要もなくなる。
このため、リリースアクチュエータ16の駆動中であっても、車内操作ハンドル用スイッチ63又は車外操作ハンドル用スイッチ62により車内操作ハンドル4の操作又は車外操作ハンドル3の操作を検出して、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開閉を速やかに中止することができる。
(2)本実施形態では、ロッキングレバー38がアンロック位置にあるとき、車内操作ハンドル4を開操作すると、車内ハンドル連結レバー34が回動しこれに対応してオープンレバー32が回動する。このオープンレバー32の回動が連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33に伝達されることで、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除される。そして、スライドドア2が開可能状態となる(解錠状態)。同様に、ロッキングレバー38がアンロック位置にあるとき、車外操作ハンドル3を操作すると、車外ハンドル連結レバー36が回動しこれに対応してオープンレバー32が回動する。このオープンレバー32の回動が連結ピン55を介して全閉ロック解除レバー33に伝達されることで、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除される。そして、スライドドア2が開可能状態となる(解錠状態)。
一方、ロッキングレバー38がロック位置にあるとき、車内操作ハンドル4を開操作すると、車内ハンドル連結レバー34が回動しこれに対応してオープンレバー32が回動する。しかしながら、このオープンレバー32の回動が全閉ロック解除レバー33に伝達されることはなく、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除されることもない(施錠状態)。同様に、車外操作ハンドル3を操作すると、車外ハンドル連結レバー36が回動しこれに対応してオープンレバー32が回動する。しかしながら、このオープンレバー32の回動が全閉ロック解除レバー33に伝達されることはなく、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除されることもない(施錠状態)。
以上により、スライドドア2の解錠状態・施錠状態に関わらず、車内操作ハンドル4を開操作すれば、これに伴って車内ハンドル連結レバー34が回動することになり、車内操作ハンドル用スイッチ63により当該回動、即ち車内操作ハンドル4の開操作を検出することができる。同様に、スライドドア2の解錠状態・施錠状態に関わらず、車外操作ハンドル3を操作すれば、これに伴って車外ハンドル連結レバー36が回動することになり、車外操作ハンドル用スイッチ62により当該回動、即ち車外操作ハンドル3の操作を検出することができる。
(3)本実施形態では、チャイルドロック操作部39によりチャイルドロックピン54をチャイルドアンロック位置に配置した状態で、車内操作ハンドル4を開操作すると、車内ハンドル連結レバー34が回動することで、該回動がチャイルドロックピン54を介してオープンレバー32に伝達されて該オープンレバー32が回動する。このとき、スライドドア2の解錠状態であれば、オープンレバー32の回動が全閉ロック解除レバー33に伝達されることで、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除される。そして、スライドドア2が開可能状態となる(いわゆるチャイルドアンロック状態)。
一方、チャイルドロック操作部39によりチャイルドロックピン54をチャイルドロック位置に配置した状態で、車内操作ハンドル4を開操作すると、車内ハンドル連結レバー34が回動するものの、該回動がオープンレバー32に伝達されることはなく、前側ドアロック装置6及び後側ドアロック装置7が解除されることもない。つまり、スライドドア2の解錠状態・施錠状態に関わらず、車内操作ハンドル4の開操作によってスライドドア2を開可能状態にすることが不能となる(いわゆるチャイルドロック状態)。
以上により、チャイルドアンロック状態・チャイルドロック状態に関わらず、車内操作ハンドル4を開操作すれば、これに伴って車内ハンドル連結レバー34が回動することになり、車内操作ハンドル用スイッチ63により当該回動、即ち車内操作ハンドル4の開操作を検出することができる。
(4)本実施形態では、車内操作ハンドル用スイッチ63は、車内ハンドル連結レバー34の2方向の回動、即ち車内操作ハンドル4の開操作及び閉操作をそれぞれ検出可能であるものの、単独のスイッチで構成したことで、部品点数及びコストを削減することができる。また、車内操作ハンドル用スイッチ63等を収容するケース61をより小型化することができる。
(5)本実施形態では、車内操作ハンドル4から延びるリンク53に車内ハンドル連結レバー34を直結して(ロストモーションを設定しないで)、車内操作ハンドル4の開・閉操作に応じて両方向に回動する車内ハンドル連結レバー34を採用した。このため、車内ハンドル連結レバー34のみの動作で車内操作ハンドル4の開・閉操作を検出することができる。
(6)本実施形態では、車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63により、車外操作ハンドル3の操作、車内操作ハンドル4の開・閉操作、リリースアクチュエータ16の駆動を区別できる。このため、例えば機械的な開閉と電気的な開閉、作動時の入力元を判断することができ、より細やかな作動状態の解析・故障判定を行うことができる。
(7)本実施形態では、車外操作ハンドル用スイッチ62及び車内操作ハンドル用スイッチ63により、車外操作ハンドル3の操作、車内操作ハンドル4の開・閉操作を区別できるため、例えばスライドドア2の途中停止状態から次の操作が検出された際の動作を細かく制御することができる。例えば、電動ドア開閉装置9によるスライドドア2の開作動中に途中停止した場合、車外操作ハンドル3の操作が検出されることで電動ドア開閉装置9により前回とは逆作動(即ち閉作動)させることなどが可能である。
(8)本実施形態では、車内ハンドル連結レバー34の回動を検出する車内操作ハンドル用スイッチ63、車外ハンドル連結レバー36の回動を検出する車外操作ハンドル用スイッチ62及び複数のリードフレーム66〜69がボデー64内に収容されるとともに、複数のリードフレーム66〜69の全ての外部接続端子66b,67b,68b,69cがコネクタ部64dに包囲される。そして、ボデー64は、ハウジング65に覆われる。この場合、車内操作ハンドル用スイッチ63又は車外操作ハンドル用スイッチ62は、該当のリードフレーム66〜69のスイッチ接続端子66a,67a,68a,69a,69bに電気的に接続されることで、コネクタ部64d(及びコネクタカバー部65d)に包囲される該当の外部接続端子66b,67b,68b,69cに電気的に接続される。従って、車内操作ハンドル用スイッチ63又は車外操作ハンドル用スイッチ62は、コネクタ部64dに適宜の外部装置のコネクタが装着されることで、該当の外部接続端子66b,67b,68b,69cにおいて当該外部装置との電気的な接続がそれぞれ可能となる。このため、例えば従来例のように、電線の一方の端末を車外操作ハンドル用スイッチの端子又は車内操作ハンドル用スイッチの端子に繋げたり、電線の他方の端末を該当の外部接続端子に繋げたりといった工程が不要になり、製造工数を削減することができる。
(9)本実施形態では、ボデー64は、複数のリードフレーム66〜69が広がる平面に略直交する方向でこれら複数のリードフレーム66〜69の配置領域を開放する。従って、複数のリードフレーム66〜69は、それらの広がる平面に略直交する方向(即ちボデー64の開放方向)からボデー64に向かって移動させるのみで、該ボデー64に円滑に組み付けることができる。
(10)本実施形態では、ハウジング65は、保持突部65f及びボデー64間で外部接続端子66b,67b,68b,69cの根元部66c,67c,68c,69dを挟持することで、外部接続端子66b,67b,68b,69cがたつきを抑えることができる。そして、コネクタ部64d(及びコネクタカバー部65d)に装着される外部装置のコネクタと外部接続端子66b,67b,68b,69cとの電気的な接続をより円滑に行うことができる。
(11)本実施形態では、保持突部65fは、圧接部65gにおいて力を集中させてボデー64との間で外部接続端子66b,67b,68b,69cの根元部66c,67c,68c,69dを挟持することができ、該外部接続端子66b,67b,68b,69cのがたつきをいっそう抑えることができる。
(12)本実施形態では、車内操作ハンドル用スイッチ63及び車外操作ハンドル用スイッチ62を一箇所に集約配置したことで、これら車内操作ハンドル用スイッチ63及び車外操作ハンドル用スイッチ62等をケース61(ボデー64及びハウジング65)内に収容し、スイッチ装置60としてのモジュール化を実現した。そして、モジュール化により、車内操作ハンドル用スイッチ63等を個別にベースプレート31に取り付けたり、電線を配索したり、外部装置のコネクタに接続するためのコネクタを組み付けたりする必要性をなくすことができた。これにより、組付性の向上、組付工数の削減を図ることができ、ひいてはコストを削減することができる。また、車内操作ハンドル用スイッチ63等に対する防塵性の配慮を軽減できるため、非防水仕様のスイッチを採用することができ、ひいてはコストを削減することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、車内ハンドル連結レバー34の2方向の回動、即ち車内操作ハンドル4の開操作及び閉操作を車内操作ハンドル用スイッチ63のみでそれぞれ検出する構成としたが、車内ハンドル連結レバー34の2方向の回動を2つのスイッチで個別に検出する構成としてもよい。
・前記実施形態において、車外操作ハンドル3の動作が開操作及び閉操作で異なる場合には、該車外操作ハンドル3の開操作及び閉操作をそれぞれ検出してもよい。
・前記実施形態において、車外操作ハンドル用スイッチ62に代えて、車外ハンドル連結レバー36の回転位置を検出可能な適宜の回転センサを採用してもよい。同様に、車内操作ハンドル用スイッチ63に代えて、車内ハンドル連結レバー34の回転位置を検出可能な適宜の回転センサを採用してもよい。
・前記実施形態において、保持突部65fの圧接部65gを割愛して、該保持突部65fにて外部接続端子66b,67b,68b,69cの根元部66c,67c,68c,69dを直に挟持させてもよい。
・前記実施形態において、保持突部65fを割愛してもよい。この場合、外部接続端子66b,67b,68b,69cのがたつきを抑えるために、適宜のガイド手段を設けることがより好ましい。
・前記実施形態においては、リードフレーム66〜69(素材W)が広がる平面に略直交する方向でこれらリードフレーム66〜69の配置領域を開放するボデー64を採用した。これに対し、リードフレーム66〜69の配置領域を開放可能であれば、ボデーの開放方向はリードフレーム66〜69が広がる平面に交差する任意の方向でよい。
また、ボデー64は、リードフレーム66〜69の配置領域を必ずしも開放していなくてもよい。例えばボデー64のコネクタ部(64d)は、外部接続端子66b,67b,68b,69cの全体を包囲してコネクタ案内方向に開口する筒状であってもよい。この場合、ハウジング65のコネクタカバー部(65d)を割愛してもよい。
・前記実施形態においては、オープンレバー32、全閉ロック解除レバー33、車内ハンドル連結レバー34、動力連結レバー35、車外ハンドル連結レバー36及び全開ロック解除レバー37の全てを同軸上に配置した。これに対し、オープンレバー32、全閉ロック解除レバー33、車内ハンドル連結レバー34、動力連結レバー35、車外ハンドル連結レバー36及び全開ロック解除レバー37の少なくとも一つが、それ以外とは異なる軸上に配置してもよい。また、この場合、オープンレバー32、全閉ロック解除レバー33、動力連結レバー35、車外ハンドル連結レバー36及び全開ロック解除レバー37の原点位置からの回動方向が一致している必要はない。