JP6975588B2 - トロリ線用塗布装置 - Google Patents
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Description
現在実施されている凍結防止剤の塗布の仕方としては、軌陸車や絶縁タワーを用いて作業員がウエス等に凍結防止剤を含ませ手作業で塗布したり噴霧装置で吹き付けたりして行なっている。しかし、かかる塗布方法は、作業者の負担が大きいとともに作業に時間がかかる。また、ノズルが目詰まりを起こしたり、噴霧された凍結防止剤が空気中に飛散して作業者や環境への悪影響や、凍結防止剤の無駄が多いという課題がある。そこで、トロリ線に沿ってレール上を移動可能な車両や軌陸車等にトロリ線用塗布装置を取り付け、移動しながら連続的に凍結防止剤を塗布する技術が提案されている。
また、特許文献1と2に開示されているトロリ線用塗布装置は、いずれもブラシを回転させるモータを設けているため、塗布ユニット(ヘッド)の重量が重くトロリ線への追従性が良好でないという課題がある。
本発明の他の目的は、ダブルイヤーによる連結箇所においてガイドローラがトロリ線から外れるおそれが少ないとともに、軽量で追従性が良好であり、効率良く塗油作業を実施することができるトロリ線用塗布装置を提供することにある。
支持架台によって上下方向搖動自在かつ水平方向回動自在に支承された支持杆と、
前記支持杆の上端に取り付けられた塗布ユニットと、を備え、レール上方を移動しながら空中に張架されたトロリ線に塗布剤を塗布可能なトロリ線用塗布装置において、
前記塗布ユニットは、上部が開口した函体と、前記函体内に、互いに植毛が向き合った状態で回転自在に配設された一対のロール状ブラシと、前記ロール状ブラシの前方と後方にそれぞれ設置された一対のガイドローラと、前記ロール状ブラシに対して塗布剤を供給するノズルと、を備え、
前記ロール状ブラシは、断面が逆台形状をなし、上端が離れる方向にそれぞれの回転軸が傾斜して前記函体に取り付けられているように構成した。
かかる構成によれば、ダブルイヤーによる連結箇所においてガイドローラがトロリ線から外れるおそれが少なく追従性が良好であり、効率良く塗油作業を実施することができる。
かかる構成によれば、トロリ線の表面にムラなく凍結防止剤を塗布することができるとともに、塗布剤が付き過ぎるのを防止して環境汚染を低減することができる。
図1は、実施形態に係るトロリ線用塗布装置の全体の構成を示す側面図である。
図1に示すように、本実施形態のトロリ線用塗布装置10は、列車が走行するレール上を転動可能なローラ11が設けられた4本の脚12aを有する移動式の脚立(移動体)12と、脚立12上に設けられたスタンド(支持架台)13と、スタンド13の上端に上下方向搖動自在かつ水平方向回動自在に取り付けられた支持ポール(支持杆)14と、支持ポール14の上端に装着されトロリ線Tに塗布剤としての凍結防止剤を塗布する塗布ユニット15とを備えている。支持ポールは、FRP(繊維強化ガラス)のような軽量で強度の高い材料で形成されている。
脚立12の上部には平面視矩形状の取付け架台12cが設けられ、取付け架台12c上にスタンド13が固定されている。そして、このスタンド13の上端に垂直軸と水平軸の2つの軸を有するジョイント13aが設けられ、このジョイント13aによって支持ポール14が上下方向搖動自在かつ水平方向回動自在に支承されている。これにより、支持ポール14の上端の塗布ユニット15が、ジグザグに張られ高さも変動するトロリ線Tに追従可能にされている。
図2および図3には、本実施形態のトロリ線用塗布装置を構成する塗布ユニット15およびその取付け構造が示されている。このうち図2は側面図、図3は正面図である。また、図4には、塗布ユニット15の斜視図が示されている。
塗油器本体53は、箱状のハウジング31を有し、該ハウジング31の底壁が下部支持プレート51の上面に接合され、下方からボルト23a,23bによって固定されている。
そして、ハウジング31の底壁および下部支持プレート51には、図2に示すように、中心から前寄りの位置に凍結防止剤供給用のチューブが接続される注入口としての口金36Aが固着されている。また、ハウジング31の底壁および下部支持プレート51の中心から後寄りの位置には、凍結防止剤回収用のチューブが接続される排出口としての口金36Bが固着されている。
塗布作業の際に、進行方向前側の入口ブラシ33A,33B間をトロリ線Tが通過することで、トロリ線Tの表面に付着しているゴミや水分を除去することができる。また、後側の出口ブラシ34A,34B間をトロリ線Tが通過することで、トロリ線Tの表面に塗布された凍結防止剤の余分な部分を除去することができる。従って、入口ブラシ33A,33Bは清掃ブラシとして機能し、出口ブラシ34A,34Bは付き過ぎ防止ブラシとして機能することとなる。
図5に示すように、ハウジング31内には、塗布ブラシ35A,35Bへ凍結防止剤を供給する平面視L字形の吐出ノズル37A,37Bが設けられており、吐出ノズル37A,37Bの先端(図では右端部)は開口端とされ、凍結防止剤が吐出可能になっている。
また、対称な構造を有しており、前後いずれ方向へ移動させても同じようにムラなくトロリ線に凍結防止剤を塗布することができる。
さらに、上記実施形態では、トロリ線に凍結防止剤を塗布するトロリ線用塗布装置として説明したが、本発明に係るトロリ線用塗布装置は、トロリ線に腐食防止剤や摩耗抑制剤等を塗布する場合にも利用することができる。
12 脚立(移動体)
13 スタンド(支持架台)
14 支持ポール(支持杆)
15 塗布ユニット
16 凍結防止剤供給ユニット
18 渦巻きばね(定荷重付勢手段)
31 塗油器本体のハウジング(函体) 33A,33B 入口ブラシ(表面清掃手段)
34A,34B 出口ブラシ(塗布剤付き過ぎ抑制手段)
35A,35B 塗布ブラシ(ロール状ブラシ)
37A,37B 吐出ノズル
52A,52B ガイドローラ
53 塗油器本体
Claims (3)
- 支持架台によって上下方向搖動自在かつ水平方向回動自在に支承された支持杆と、
前記支持杆の上端に取り付けられた塗布ユニットと、を備え、
レール上方を移動しながら架設されたトロリ線に塗布剤を塗布可能なトロリ線用塗油装置であって、
前記塗布ユニットは、上部が開口した函体と、前記函体内に、受け入れるトロリ線の両側方に互いにブラシ面が突き合わされた状態で回転自在に取り付けられた一対のロール状ブラシと、前記ロール状ブラシの前方と後方にそれぞれ設置された一対のガイドローラと、前記ロール状ブラシに対して塗布剤を供給するノズルと、を備え、
一対の前記ロール状ブラシは、上端に向かうに従って互いに離れる方向に傾斜する回転軸と、相対向して接する円錐状の前記ブラシ面とをそれぞれ具備し、相互間に受け入れたトロリ線周りをトロリ線の軸線に対して毛先に向かうに従って上方に傾斜するブラシ毛材が包囲することを特徴とするトロリ線用塗布装置。 - 前記一対のガイドローラは、中央にトロリ線を受け入れる環状の溝を有し、該溝の両側方には溝から離れるに従って拡径し、並行する一対のトロリ線をダブルイヤーにより把持して一方を前記溝に受け入れた状態で他方が外側縁に達しない幅を有するテーパ部と、該テーパ部の外側に形成された脱落抑制用リブとを有するように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のトロリ線用塗布装置。
- 前記一対のガイドローラと前記ロール状ブラシとの間には、それぞれ下方よりトロリ線に接触する柔軟な部材を有する表面清掃手段またはトロリ線表面に付着している余分な塗布剤を除去する塗布剤付き過ぎ抑制手段が配設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のトロリ線用塗布装置。
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JP2017175309A JP6975588B2 (ja) | 2017-09-13 | 2017-09-13 | トロリ線用塗布装置 |
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