JPH0134611B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は建築物の窓や壁面などの外面を横行
しながら自動清掃する装置に関し、特に横連方立
の窓ガラスの清掃に好適なものである。

〔従来の技術〕

中層や高層の建築物の窓や壁面の清掃を安全か
つ迅速に行なうため従来から自動窓清掃機が使用
されており、通常、屋上に設置されたルーフカー
等からワイヤを介して吊り下げて使用している。

そして、清掃を行なう場合には、屋上に近い最
上階の窓から順次地上に向つて自動窓清掃機を降
下させながら行ない、地上まで清掃を行なつたの
ち、自動窓清掃機を巻き上げ隣接する位置に移動
し、再び清掃を行なうようにしている。

このため建築物の窓が上下方向に連なつて形成
された縦連方立の場合には、自動窓清掃機の幅を
窓のユニツトの幅を合わせておくことで非常に効
率良く清掃することができる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところが、最近の建築デザインの多様化等にと
もない建築物の窓を各階ごとに連なつた形式とし
た横連方立のビルも出現しており、上下方向に移
動させる自動窓清掃機では、各階の窓の上下に建
築物自体の突き出た部分があると、窓ガラス面に
清掃機が接近できず、手作業によらねばならない
ことが多い。

上下昇降式の自動窓清掃機をルーフカーを走行
させながら横行させることも考えられるが、ワイ
ヤで吊り下げてあるため横行にともない大きくゆ
れることとなつて円滑な走行が難しく、ワイヤが
長くなればなる程顕著となつてしまう。

さらに、建物の全周を横連方立の窓で構成した
ものでは、従来の自動窓清掃機を横行させるよう
にしただけでは、建物のコーナ部分を清掃するこ
とが難しいという新たな問題が生じている。

この発明は上記従来技術に鑑みてなされたもの
で、横連方立の窓や壁面であつても効率良く自動
清掃ができる横行式自動外面清掃装置の提供を目
的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

かかる目的を達成するこの発明の横行式自動外
面清掃装置の第１の手段は、被清掃面の上下に配
設される横行レールと、この横行レールに沿つて
案内され鉛直状態で自走する横行台車と、屋上部
分から吊り下げられる昇降体に設置され前記横行
台車を前記横行レールに上下位置及び角度を調整
して装着し得る上下動機構及び角度調整機構を備
えた装着機構と、この横行台車に搭載され被清掃
面に清掃用水を散布する散水機構と、横行台車の
散水機構より横行方向後方に搭載され被清掃面と
摺接しながら清掃するワイパ機構と、このワイパ
機構で清掃された汚水をためる汚水タンクとを備
えたことを特徴とするものであり、また、上記目
的を達成するこの発明の横行式自動外面清掃装置
の第２の手段は、被清掃面の上下に配設される横
行レールと、この横行レールに沿つて案内され鉛
直状態で自走するとともに湾曲部を走行可能に走
行方向前後に分割連結された作業台車および本体
台車と、屋上部分から吊り下げられる昇降体に設
置され前記作業台車および本体台車を前記横行レ
ールに上下位置及び角度を調整して装着し得る上
下動機構及び角度調整機構を備えた装着機構と、
この作業台車に搭載され被清掃面に清掃用水を散
布する散水機構と、作業台車の散水機構より横行
方向後方に搭載され被清掃面と摺接しながら清掃
するワイパ機構と、このワイパ機構で清掃された
汚水をためる汚水タンクとを備えたことを特徴と
するものである。

〔作用〕

この発明の第１の手段によれば、被清掃面の上
下に横行レールを設け、この横行レールに沿つて
案内されながら自走する横行台車に散水機構とワ
イパ機構とを搭載し、装着機構で上下位置及び角
度を調整して横行レールに移動し、横行させなが
ら散水し、これをワイパ機構でふくようにして清
掃し、汚水を汚水タンクにためることで横連方立
の外面を連続して自動清掃できるようにしてい
る。

また、この発明の第２の手段によれば、被清掃
面の上下に横行レールを設け、この横行レールに
沿つて案内されながら自走する台車を作業台車と
本体台車とで構成して連結構造とし、湾曲部の走
行も可能とし、これらを装着機構で上下位置及び
角度を調整して横行レールに移載するようにして
おり、この作業台車に散水機構とワイパ機構とを
搭載して自動清掃を建物全周にわたつて実施でき
るようにしている。

〔実施例〕

以下この発明の一実施例を図面に基づき詳細に
説明する。

第１図および第２図はこの発明の横行式自動外
面清掃装置の一実施例にかかる正面図および装着
機構とともに示す右側面図である。

被清掃面である窓ガラス１０の上限に窓枠と一
体に横行レール１１が配置されて建物１２に取付
けてあり、側方に開口した断面がリツプみぞ形鋼
状とされている。

この上下一対の横行レール１１に沿つて横行さ
れる横行台車１３は走行方向先頭となる本体台車
１４とこれに連結される作業台車１５とで構成さ
れており、窓ガラス１０と対向する鉛直状態とな
つている。

これら本体台車１４および作業台車１５には、
それぞれ横行レール１１のリツプ部分１１ａ上を
転動走行する走行輪１６と、みぞ１１ｂに係合し
ながら横行レール１１からはずれないように案内
する案内輪１７とが２組づつ設けられている。

本体台車１４および作業台車１５の上部に設け
られる走行輪１６は、第３図ａに拡大して示すよ
うに、台車１４，１５の前面溶接されたブラケツ
ト１８に軸受が取付けられ、水平な回転軸１９が
支持されており、この回転軸１９の先端部に走行
輪１６が取付けられ、２個の回転軸１９のうち１
個の回転軸１９の基端部にスプロケツト２０が取
付けてある。そして、台車１４，１５の上端部に
搭載された走行駆動モータ２１のスプロケツト２
２との間にチエーン２３がかけられて走行輪１６
が駆動されるようになつている。

また、台車１４，１５の前面には、水平に突出
したブラケツト２４が溶接してあり、このブラケ
ツト２４に垂直軸まわりに回転する案内輪１７が
取付けてある。

一方、本体台車１４および作業台車１５の下部
に設けられる走行輪１６および案内輪１７は、第
３図ｂに拡大して示すように、横行レール１１の
わずかな間隔の変化に対応してスムーズに走行で
きるように懸架機構２５を具えており、台車１
４，１５から前方に突き出したブラケツト２６に
垂直な支持軸２７が上下動可能に装着され、この
支持軸２７の上下端を挟むようコ字形状の支持枠
２８が取付けられ、ブラケツト２６と支持枠２８
との間に圧縮コイルばね２９が介装してある。

この支持枠２８の前面に水平軸回りに回転する
走行輪１６が取付けられる一方、支持枠２８から
水平に突き出したブラケツト３０に垂直軸回りに
回転する案内輪１７が取付けられており、横行レ
ール１１のわずかな間隔の変化を支持軸２７が圧
縮コイルばね２９に抗して上下動することで吸収
する。

また、走行方向最前部となる本体台車１４の前
方（第１図の左方）には、上下の横行レール１１
内の異物等を除去し、円滑な走行を確保するため
横行レール１１のみぞ１１ｂに対応した大きさの
回転ブラシ３１がそれぞれ配置され、本体台車１
４の上端部に搭載されたブラシ用モータ３２とチ
エーン３３を介してそれぞれ連結されて駆動され
るようにしてある。

次に、このようにして横方向に自走する作業台
車１５に搭載される散水機構３４について説明す
る。

この散水機構３４は、窓ガラス１０の表面に均
一に清水を散布できるよう作業台車１５の上下方
向４箇所に等間隔で配置されている。各散水機構
３４は、第４図にその正面状態を、第５図にその
平面状態をそれぞれ示すように、モータ３５に直
結されて回転駆動される回転円板３６を具えてお
り、その回転軸が窓ガラス１０と平行かつ水平に
対しわずかに回転円板３６側が下方となるよう傾
けてある。この回転円板３６の上部には、流量調
整弁３７が介装された散水管３８が設けられ、滴
下する清水が回転円板３６の中心より上方かつ窓
ガラス１０より遠方の偏心した位置に当るように
なつている。

したがつて、流量調整弁３７で所定の量に調整
された清水が回転円板３６に滴下されると、その
回転力で飛散されて窓ガラス１０に均一にかけら
れる。

この散水機構３４の走行方向後方に設けられ、
散水された清水とともに窓ガラス１０表面に付着
している汚水や塵埃をかき落すワイパ機構３９
は、第５図にその平面状態を、第６図に右側面を
それぞれ示すように、作業台車１５の上下方向中
間部に上下一対の取付板４０が設けられて取付枠
４１が取付けられており、この取付枠４１の下側
に窓ガラス１０の表面と接近離反するスクリユジ
ヤツキ４２が取付けられるとともに、上側のモー
タ４３とチエーン４４およびスプロケツト４５を
介して駆動されるようになつている。スクリユジ
ヤツキ４２の先端部には、ピンを介してアーム４
６が連結してあり、このアーム４６に窓ガラス１
０の高さに対応した長さの可撓性材料（例えば
EPTゴムなど）で形成されたワイパ部材４７の
中間部が取付けてある。また、ワイパ部材４７の
高さ方向複数箇所に略Ｌ字状に成形されたばね材
４８の先端部が取付けられ、基端部が作業台車１
５の側面に固定されてワイパ部材４７を弾性的に
支持するようになつている。

また、作業台車１５の走行方向後部の外側にも
同一構造のワイパ機構４９が設けられ、ガラリ部
を清掃するようになつており、ワイパ部材５０が
窓ガラス１０の下端より中間部までの長さとなつ
ている。このワイパ部材５０もスクリユジヤツキ
５１およびモータ５２で駆動されるようにしてあ
る。

したがつて、窓ガラス１０の清掃用のワイパ部
材４７もガラリ部用のワイパ部材５０もモータ４
３，５２を駆動してスクリユジヤツキ４２，５１
を伸縮することでワイパ部材４７，５０を被清掃
面に押し当てたり、退避させたりすることができ
る。

こうしてワイパ機構３９で清掃された汚水を回
収するため作業台車１５の下部に汚水受け５３が
取付けられ、汚水用ポンプ５４で汲み上げること
ができるようになつている。

次に、このような作業台車１５の前方を走行す
る本体台車１４には、清掃用の清水を入れる清水
タンク５５が搭載され、清水用ポンプ５６で作業
台車１５の各散水機構３４に送水できるようにな
つている。また、本体台車１４の下部には、作業
台車１５の下部の汚水受け５３から汚水用ポンプ
５４で送られる汚水を入れておく汚水タンク５７
が搭載してある。さらに、本体台車１４および作
業台車１５に設けられている各機構のモータに電
力を供給するバツテエリ５８が搭載されるととも
に、走行等を含む清掃装置全体を制御する制御装
置５９が搭載してあり、無線操縦できるようにな
つている。

以上のように構成された横行式自動外面清掃装
置を建物の所定の階の横行レール１１に装着する
ため、例えば、屋上から吊り下げられるゴンドラ
を利用するが、この場合の装着機構について第２
図により簡単に説明する。

横行レール１１の所定箇所に本体台車１４およ
び作業台車１５の各走行輪１６および案内輪１７
の位置に対応して案内輪１７を挿入することがで
きる開口が形成してあり、この開口に合わせて装
着する必要がある。

このため図示しないコンドラから突き出して設
けられた支持台６０に装着機構６１が設けられて
おり、各台車１４，１５の取付穴に装着機構６１
先端部の取付枠６２の支持ピン６３を嵌合して固
定するようになつている。この取付枠６２は中心
部の嵌合部６４に偏心カム６５が嵌合されて角度
調整ハンドル６６で回動できるようにしてある。

一方、装着機構６１は支持台６０にスクリユジ
ヤツキ６７で構成された高さ調整機構を介して設
けてあり、高さ調整ハンドル６８で操作する。

また、ゴンドラにもその位置を固定するため伸
縮アームが設けられ建物側の固定ピン等と嵌合す
るようにしてある。

したがつて、これらの高さ調整および角度調整
を行なつて横行レールに清掃装置を装着できる。

こうして横行式自動外面清掃装置を横行レール
に取付けたのち、横行レール１１を清掃する回転
ブラシ３１をブラシ用モータ３２で駆動するとと
もに、走行輪１６を走行駆動モータ２１で駆動
し、本体台車１４および作業台車１５を連結状態
で横行させる。

この自走と同時に、清水用ポンプ５６で清水を
各散水機構３４の流量調整弁３７を介して回転円
板３６に滴下して窓ガラス１０に均一にかける。
さらに、ワイパ機構３９により窓ガラス用のワイ
パ部材４７を所定の位置まで突き出して窓ガラス
１０をふくようにしておく。

この結果、自走にともない散水され、この散水
とともに窓ガラス１０表面の汚物や塵埃がワイパ
部材４７で連続的にかき落されて汚水受け５３に
ためられ、自動清掃が行なわれることとなる。

そして、横行レール１１に多少の間隔の変化が
あつても下側の走行輪１６および案内輪１７が懸
架機構２５を介して取付けられているので、これ
で吸収して円滑に走行できる。

また、建物が全周にわたつて横連方立の窓ガラ
スを具えている場合には、必ずコーナ部分の湾曲
部を通過しなければならないが、台車が本体台車
１４と作業台車１５との連結構成としてあるの
で、何んら支承なく通過でき、しかもワイパ部材
４７も上下方向に配置してあるので、清掃も完全
に行なうことができる。

なお、上記実施例では、横行式自動清掃装置を
１台とし、これをゴンドラおよび装着機構で所定
の位置に移動して使用するようにしたが、複数台
用意して一度に各階の清掃ができるようにしても
良い。

また、ゴンドラを利用して移動する場合に限ら
ず、専用の昇降装置を設けて移動するようにして
も良い。

さらに、窓ガラス等の被清掃面が平面状の場合
には、台車を連結構造とすることなく一体形と
し、往復動させ、散水機構の両側にワイパ機構を
設け、走行方向後方のワイパ機構に切替えながら
使用するようにしていずれの方向でも清掃できる
ようにすることもでき、能率良く清掃ができる。

また、走行輪の駆動機構や散水機構、あるいは
ワイパ機構等は上記のものに限らず、走行や散
水、あるいはふき取りができるものであれば良
い。

さらに、清掃対象面も窓ガラスに限らず、壁面
等であつても良く、また、平面に限るものでな
く、サツシ等の突起物がある場合でも良く、この
場合には突起物の表面に沿うよう一直線状の横行
レールを設け、突起物部分では、ワイパ部材を退
避させるようにすれば良い。

また、各機構をバツテエリ駆動とし、無線操縦
できるようにしたが、屋上等から電源コードを介
して給電したり、操縦ケーブル等を介して操縦す
るようにしても良い。

〔発明の効果〕

以上実施例とともに具体的に説明したようにこ
の発明によれば、横連方立の窓ガラス等であつて
も横行させながら連続的に清掃することができ
る。

そして、清掃装置は横行レールに沿つて上下が
規制された状態で自走されるので、風や天候等の
環境条件によらず常に作業ができるとともに、無
人で清掃ができるのでワイヤ等で吊り下げる形式
の自動機や人手による場合に比べ安全性も高い。

さらに、上下動機構及び角度調整機構を備えた
装着機構を設けるようにしたので、清掃装置の上
下位置及び角度を調整して昇降体から横行レール
に簡単に移載することができる。

また、人手による場合に比べ清掃速度が早く、
効率的に清掃で、ふき残し等もなく完全に清掃で
きる。

さらに、装置自体も従来のルーフカーおよび昇
降式の清掃装置に比べ、ワイヤ等の巻き取りの必
要がなく構造が簡単で小型・軽量化がはかれ、安
価にできるとともに、取扱いや保守点検も容易と
なる。

また、横行台車を本体台車と作業台車との分割
構造とすれば、湾曲部も通過でき建物の全周を走
行させながら自動清掃することができ、一層高能
率に清掃ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第６図はこの発明の横行式自動外面清
掃装置の一実施例にかかり、第１図は正面図、第
２図は装着機構とともに示す右側面図、第３図
ａ，ｂは走行輪部分の拡大図、第４図は散水機構
の正面図、第５図は散水機構とワイパ機構の平面
図、第６図はワイパ機構の右側面図である。 １０……窓ガラス、１１……横行レール、１２
……建物、１３……横行台車、１４……本体台
車、１５……作業台車、１６……走行輪、１７…
…案内輪、２１……走行駆動モータ、２５……懸
架機構、３１……回転ブラシ、３４……散水機
構、３９……ワイパ機構、４７……ワイパ部材、
５３……汚水受け、５７……汚水タンク。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 被清掃面の上下に配設される横行レールと、
   この横行レールに沿つて案内され鉛直状態で自走
   する横行台車と、屋上部分から吊り下げられる昇
   降体に設置され前記横行台車を前記横行レールに
   上下位置及び角度を調整して装着し得る上下動機
   構及び角度調整機構を備えた装着機構と、この横
   行台車に搭載され被清掃面に清掃用水を散布する
   散水機構と、横行台車の散水機構より横行方向後
   方に搭載され被清掃面と摺接しながら清掃するワ
   イパ機構と、このワイパ機構で清掃された汚水を
   ためる汚水タンクとを備えたことを特徴とする横
   行式自動外面清掃装置。 ２ 被清掃面の上下に配設される横行レールと、
   この横行レールに沿つて案内され鉛直状態で自走
   するとともに湾曲部を走行可能に走行方向前後に
   分割連結された作業台車および本体台車と、屋上
   部分から吊り下げられる昇降体に設置され前記作
   業台車および本体台車を前記横行レールに上下位
   置及び角度を調整して装着し得る上下動機構及び
   角度調整機構を備えた装着機構と、この作業台車
   に搭載され被清掃面に清掃用水を散布する散水機
   構と、作業台車の散水機構より横行方向後方に搭
   載され被清掃面と摺接しながら清掃するワイパ機
   構と、このワイパ機構で清掃された汚水をためる
   汚水タンクとを備えたことを特徴とする横行式自
   動外面清掃装置。