JP6975259B2 - 乗客コンベア及び櫛板破損検知装置 - Google Patents

乗客コンベア及び櫛板破損検知装置 Download PDF

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Description

本発明は、エスカレーターや動く歩道(電動道路)等の乗客コンベア及びこの乗客コンベアに設けられた櫛板破損検知装置に関するものである。
乗客コンベアは、建築構造物に設置されるフレームと、このフレーム内に設けられて循環移動する無端状に連結された複数の踏段とを備えている。複数の踏段には、無端状の踏段チェーンが連結されており、この踏段チェーンが回転駆動することで、複数の踏段が循環移動する。そして、乗客コンベアには、異物の侵入を防止するために、踏段に設けた複数のクリートと非接触で噛み合う櫛板部材が乗降床に設けられている。
また、クリートと櫛板部材の間に、異物が挟まったり、櫛板部材に硬質のものが接触したりすると、櫛板が破損するおそれがある。櫛板部材の破損を検出する技術としては、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。この特許文献1には、櫛歯内に設けられ互いに直列状態で配設された複数の導電線と、この各導電線の断線を検出する断線検出装置とを備えた技術が記載されている。
特開平07−25575号公報
しかしながら、櫛歯は櫛板部材に複数設けられているため、特許文献1に記載された技術では、導電線を複数の櫛歯に直列状態で内装する必要があり、櫛板部材の構造が複雑になると共に櫛板部材が高コスト化する、という問題を有していた。また、特許文献1に記載された技術では、既設の乗客コンベアをリニューアルする際には、導電線を複数の櫛歯に設置する必要があり、設置作業が繁雑になる、という問題も有していた。
さらに、特許文献1に記載された技術では、複数の櫛歯の全てに導電線が設置されている。その結果、特許文献1に記載された技術では、複数の櫛歯のうち一部が欠損するような軽微な破損も検出するため、頻繁に警報が発せられたり、非常停止したりし、乗客の搬送効率が低下していた。
上記の問題点を考慮し、簡易な構成で櫛板部材の破損を検知することができ、複数の櫛歯のうち一部が欠損するような軽微な破損を検知することを防止できる乗客コンベア及び櫛板部材破損検知装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、乗客コンベアは、建築構造物に設けられ、人や物を搬送する乗客コンベアにおいて、フレームと、複数の踏段と、乗降床と、櫛板部材と、櫛板破損検知装置と、を備えている。フレームは、建築構造物に設置される。複数の踏段は、フレーム内に設けられて、フレーム内を循環移動する無端状に連結される。乗降床は、フレームが延在する方向の端部に設けられる。櫛板部材は、乗降床に設けられ、踏段に設けたクリートと非接触状態で噛み合う。櫛板破損検知装置は、櫛板部材の破損を検知する。
また、櫛板部材は、乗降床に固定された基部と、基部における踏段と対向する先端部に連続して設けられ、乗降床から突出し、かつクリートと非接触状態で噛み合う櫛歯部と、を有している。そして、櫛板破損検知装置は、基部と櫛歯部との境界部に配置されるワイヤと、ワイヤを櫛板部材における上下方向の下面で保持するワイヤ保持部材と、ワイヤの張力の変位を検知する検知スイッチと、を備えている。
また、櫛板破損検知装置は、乗客コンベアに設けられた櫛板部材の破損を検知する櫛板破損検知装置において、上述した櫛板破損検知装置が用いられる。
上記構成の乗客コンベア及び櫛板破損検知装置によれば、簡易な構成で櫛板部材の破損を検知することができ、複数の櫛歯のうち一部が欠損するような軽微な破損を検知することを防止できる。
第1の実施の形態例にかかる乗客コンベアの構成例を示す概略構成図である。 第1の実施の形態例にかかる乗客コンベアにおける乗降口を示す斜視図である。 第1の実施の形態例にかかる乗客コンベアにおける踏段と下部乗降床を示す側面図である。 第1の実施の形態例にかかる乗客コンベアにおける踏段と下部乗降床を示す平面図である。 第1の実施の形態例にかかる乗客コンベアの櫛板部材及び櫛板破損検知装置を示す斜視図である。 第1の実施の形態例にかかる乗客コンベアの櫛板部材及び櫛板破損検知装置を示す断面図である。 第1の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置におけるワイヤ保持部材を示す斜視図である。 第1の実施の形態例にかかる乗客コンベアの櫛板部材が破損した状態を示す説明図である。 第2の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置におけるワイヤ保持部材を示す斜視図である。
以下、乗客コンベア及び櫛板破損検知装置の実施の形態例について、図1〜図9を参照して説明する。なお、各図において共通の部材には、同一の符号を付している。
1.第1の実施の形態例
1−1.乗客コンベアの構成例
まず、図1及び図2を参照して乗客コンベアの第1の実施の形態例(以下、「本例」という。)について説明する。
図1は、本例の乗客コンベアを示す概略構成図、図2は、本例の乗客コンベアにおける乗降口を示す斜視図である。
図1に示すように、本例の乗客コンベア1は、建築構造物100の上階床100Aと下階床100Bに設置される傾斜型の乗客コンベア、いわゆるエスカレーターである。図1及び図2に示すように、乗客コンベア1は、建築構造物100に設置されたフレーム2と、上部乗降床3と、下部乗降床4と、乗客を乗せる複数の踏段5と、一対の欄干部材6、6と、下部スプロケット7と、上部スプロケット8と、踏段チェーン9と、駆動部10と、櫛板破損検知装置25(図5参照)を備えている。
フレーム2は、上階床100Aと下階床100Bにまたがって設置されている。フレーム2は、傾斜区間と、上水平区間と、下水平区間から構成されている。以下、フレーム2における下階床100Bから上階床100Aに向かって延びる方向をフレーム2の長手方向とする。また、下階床100Bからフレーム2を見た状態の左右方向をフレーム2の幅方向とする。
フレーム2の長手方向の上階床100A側に形成された上水平区間は、上階床100Aと平行に形成されている。そして、フレーム2の上水平区間には、上部乗降床3が設置されている。上部乗降床3は、上階床100Aと平行をなし、上階床100Aに載置されている。
フレーム2の長手方向の下階床100B側に形成された下水平区間は、下階床100Bと平行に形成されている。そして、フレーム2の下水平区間には、下部乗降床4が設置されている。下部乗降床4は、下階床100Bと平行をなし、下階床100Bに載置されている。なお、上部乗降床3及び下部乗降床4周りの詳細な構成については、後述する。
上部乗降床3の下方には、駆動部10と、上部スプロケット8が配置されている。上部スプロケット8と駆動部10の駆動軸には、伝達チェーンが巻き掛けられている。駆動部10が駆動すると、上部スプロケット8は、伝達チェーンを介して回転駆動する。また、上部スプロケット8には、踏段チェーン9が巻き掛けられている。
下部乗降床4の下方には、下部スプロケット7が配置されている。下部スプロケット7には、踏段チェーン9が巻き掛けられている。踏段チェーン9は、その軸方向が連結された無端状に形成されている。上部スプロケット8が回転することで、下部スプロケット7及び踏段チェーン9が回転する。そして、踏段チェーン9は、上部スプロケット8と下部スプロケット7の間を循環移動する。
踏段チェーン9には、複数の踏段5が無端状に連結されている。複数の踏段5は、フレーム2に設けられた不図示のガイドレールに移動可能に支持されている。そして、複数の踏段5は、ガイドレールに案内された往路側と復路側を循環移動する。乗客は、上下方向の上方となる往路側を移動する踏段5に輸送される。
また、踏段5の表面には、複数のクリート5aが形成されている(図4参照)。クリート5aは、踏段5の移動方向に沿って延在する突条部である。そして、複数のクリート5aは、踏段5の幅方向に間隔を空けて形成されている。
欄干部材6は、フレーム2の上部に設けられたデッキ部13に支持されている。なお、デッキ部13は、フレーム2の長手方向に沿って配置される。また、欄干部材6は、フレーム2の幅方向の両端部に一対設けられている。
図2に示すように、欄干部材6は、移動手摺11と、平板状のパネル部材12と、有している。パネル部材12は、デッキ部13に支持されている。ぱた、パネル部材12の周縁部には、移動手摺11が設けられている。
移動手摺11は、長手方向の両端部が連結された無端状のベルト部材により構成されている。移動手摺11は、パネル部材12の周縁部に移動可能に支持されている。そして、移動手摺11は、複数の踏段5の循環移動の動作に同期して、循環移動する。
次に、乗客コンベア1における上部乗降床3及び下部乗降床4周りの詳細な構成について図2〜図5を参照して説明する。なお、上部乗降床3及び下部乗降床4周りの構成は、同一であるため、ここでは、下部乗降床4の構成について説明する。図3は、踏段と下部乗降床を示す側面図、図4は、踏段と下部乗降床を示す平面図である。
図2から図4に示すように、下部乗降床4における踏段5側の先端部には、複数の櫛板部材20が固定されている。複数の櫛板部材20は、下部乗降床4の幅方向に沿って並べて配置されている。櫛板部材20は、下部乗降床4の先端部から踏段5に向けて突出している。
櫛板部材20は、樹脂材料や金属材料などの成型品であり、略平板状に形成されている。櫛板部材20は、基部21と、櫛歯部22とを有している。基部21は、下部乗降床4の上下方向の上面4aに、例えば、皿ネジ等の固定部材を用いて固定される。基部21における踏段5側の先端部には、櫛歯部22が連続して設けられている。
櫛歯部22は、基部21の先端部から踏段5に向けて突出している。また、櫛歯部22は、上下方向の下方に向けて膨出している。櫛歯部22と基部21との境界である境界部23(図6参照)は、上下方向で切断した断面形状が櫛歯部22よりも薄い薄肉部となっている。また、薄肉部である境界部23は、下部乗降床4の先端部から突出している。この境界部23が櫛板部材20における破損し易い箇所となっている。
そして、櫛板部材20は、基部21側が固定された固定端となり、櫛歯部22側が自由端となる。また、櫛歯部22は、幅方向に所定の間隔を空けて形成された櫛状の部材により構成される。櫛歯部22における上下方向の下部は、踏段5に形成された複数のクリート5aの間に挿入される。すなわち、櫛歯部22と複数のクリート5aは、非接触状態で噛み合う。これにより、踏段5が下部乗降床4及び櫛板部材20に向けて移動することで、櫛板部材20と踏段5との間に異物が挟み込まれることを防止している。
また、櫛板部材20における上下方向の下方には、櫛板破損検知装置25を構成するワイヤ26が配置されている。
1−2.櫛板破損検知装置の構成例
次に、図5〜図7を参照して櫛板破損検知装置25の構成について説明する。
図5は、櫛板部材20及び櫛板破損検知装置25を示す斜視図、図6は、櫛板部材20及び櫛板破損検知装置25を示す断面図である。
図5及び図6に示すように、ワイヤ26と、検知スイッチ27と、ワイヤ保持部材28とを有している。ワイヤ26は、例えば、ステンレス線等から構成されている。そして、ワイヤ26は、所定の張力が付与された状態で、複数の櫛板部材20の上下方向の下方を通過し、下部乗降床4の幅方向の一端部から他端部にかけて延在している。
ワイヤ26の長手方向の一端部は、下部乗降床4の幅方向の一端部に配置される。そして、ワイヤ26の長手方向の一端部は、一対の欄干部材6、6のうち一方の欄干部材6のパネル部材12を支持するデッキ部13(図2参照)に固定されている。また、ワイヤ26の長手方向の他端部は、下部乗降床4の幅方向の他端部に配置される。そして、ワイヤ26の長手方向の他端部は、一対の欄干部材6、6のうち他方の欄干部材6のパネル部材12を支持するデッキ部13(図2参照)まで延在している。
また、ワイヤ26の他端部は、検知スイッチ27に挿脱可能に接続されている。検知スイッチ27は、ワイヤ26の他端部を所定の保持力で保持している。また、検知スイッチ27は、不図示の乗客コンベア1を制御する制御部に接続されている。検知スイッチ27は、ワイヤ26の他端部が抜けた際に、櫛板部材20の破損を検知し、制御部に破損情報を出力する。そして、制御部は、検知スイッチ27から破損情報を受信した際に、警報を発したり、乗客コンベア1を非常停止したりする。
また、検知スイッチ27におけるワイヤ26の他端部の保持力を調整することで、櫛板部材20の検知精度を容易に調整することができる。そして、ワイヤ26は、ワイヤ保持部材28に保持されて櫛板部材20の下方に配置される。
次に、ワイヤ保持部材28の構成について説明する。
図7は、ワイヤ保持部材28を示す斜視図である。
図6及び図7に示すように、ワイヤ保持部材28は、平板状の部材を屈曲することで形成されている。また、ワイヤ保持部材28における幅方向の長さは、櫛板部材20の幅方向の長さと略等しく設定されている。そして、ワイヤ保持部材28は、複数の櫛板部材20のそれぞれに設けられる。このワイヤ保持部材28は、櫛板部材20の上下方向の下方において幅方向に延在している。
また、ワイヤ保持部材28は、固定面部31と、ワイヤ26を保持するフック部32とを有している。固定面部31は、矩形をなす平板状に形成されている。固定面部31における長手方向の一端部には、フック部32が形成されている。
フック部32は、固定面部31の一端部を複数回折り曲げることで形成されている。そして、フック部32は、側面から見た形状が略三角形状に形成されている。また、フック部32における固定面部31とは反対側の先端部は、固定面部31における上下方向の下方に向けて屈曲している。そして、フック部32の先端部と固定面部31との間には、ワイヤ26を挿入可能な隙間33が形成されている。この隙間33を設けたことで、ワイヤ26をフック部32内に挿入し易くすることができる。
また、複数のワイヤ保持部材28のうち一つのワイヤ保持部材28を交換する際に、全てのワイヤ保持部材28からワイヤ26を引き抜くことなく、一つのワイヤ保持部材28からワイヤ26を引き抜いたり、ワイヤ26を設置したりすることができる。これにより、ワイヤ26の設置作業を容易に行うことができる。
なお、フック部32の形状としては、略三角形状に限定されるものではなく、円形、楕円形又は四角形等その他各種の形状に形成されるものであり、ワイヤ26を保持可能な形状であればよい。
固定面部31及びフック部32の上下方向の上面は、櫛板部材20における基部21の上下方向の下面21aに固定される。固定面部31は、基部21の下面21aと下部乗降床4の上面4aの間に配置される。また、フック部32は、下部乗降床4の先端部から櫛板部材20の櫛歯部22に向けて突出している。そして、フック部32は、櫛板部材20の境界部23の上下方向の下面に固定される。すなわち、フック部32は、櫛板部材20における破損し易い箇所である薄肉部に固定される。そのため、フック部32に保持されたワイヤ26は、境界部23の上下方向の下方に配置される。
1−3.櫛板破損検知装置の動作例
次に、図8を参照して上述した構成を有する櫛板破損検知装置25の動作例について説明する。
図8は、櫛板部材20が破損した状態を示す説明図である。
櫛板部材20と踏段5のクリート5aの間に異物が挟まったり、櫛板部材20の櫛歯部22に硬質なものが強く当接したりすると、図8に示すように、櫛歯部22の根本である境界部23が破損する。また、櫛歯部22が境界部23から上下方向の上方に向けて折れ曲がる。そのため、境界部23の下方に固定されたワイヤ保持部材28のフック部32も櫛歯部22と共に上下方向の上方に向けて折れ曲がる。
また、フック部32に保持されたワイヤ26も櫛歯部22及びフック部32と共持ち上げられる。そのため、ワイヤ26がフック部32によって引っ張られ、ワイヤ26の他端部が検知スイッチ27(図5参照)から抜け出る。そして、検知スイッチ27は、櫛板部材20の破損を検知し、制御部に破損情報を出力する。これにより、制御部は、警報を発する又は、乗客コンベア1を非常停止させる。
なお、検知スイッチ27としては、ワイヤ26の他端部を保持し、ワイヤ26が抜け出た際に検知するスイッチに限定されるものではない。検知スイッチ27としては、例えば、ワイヤ26の張力の変位を検知するスイッチを適用してもよい。この場合、検知スイッチ27は、ワイヤ26の張力が予め設定した閾値を超えた際に、櫛板部材20の破損を検知する。
本例の櫛板破損検知装置25によれば、簡易な構成で櫛板部材20の破損を検知することができる。また、ワイヤ26は、櫛板部材20における櫛歯部22と基部21の境界部23に配置されている。そのため、櫛歯部22を構成する複数の櫛歯のうち一部が欠損するような軽微な破損を検知することがなく、櫛歯部22が根本から折れ曲がるような深刻な破損のみを検知することができる。これにより、乗客コンベア1が軽微な破損で不必要に乗客コンベア1が非常停止し、乗客コンベア1の搬送効率が低下することを防ぐことができる。
また、図6に示すように、櫛板部材20の境界部23に予め上下方向の下面から上方に向けて形成されたノッチ24を設けてもよい。ノッチ24は、例えば、境界部23に形成された切り込みや溝部である。これにより、櫛板部材20における破損箇所を制御することができ、ワイヤ26を配置する位置を容易に決定することができる。
2.第2の実施の形態例
次に、図9を参照して櫛板破損検知装置の第2の実施の形態例について説明する。
図9は、第2の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置のワイヤ保持部材を示す斜視図である。
第2の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置が、第1の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置25と異なる点は、ワイヤ保持部材の構成である。そのため、ここでは、ワイヤ保持部材について説明し、第1の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置25と共通する部分については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図9に示すように、ワイヤ保持部材28Aは、固定面部31Aと、ワイヤ26を保持するフック部32Aとを有している。また、ワイヤ保持部材28Aにおける固定面部31Aとフック部32Aとの間には、複数のスリット34Aが形成されている。スリット34Aは、ワイヤ保持部材28Aの幅方向に沿って複数設けられている。
その他の構成は、上述した第1の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置25と同様であるため、それらの説明は省略する。このような構成を有するワイヤ保持部材28Aを備えた櫛板破損検知装置においても、上述した第1の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置25と同様の作用及び効果を得ることができる。
この第2の実施の形態例にかかる櫛板破損検知装置によれば、スリット34Aが設けられたフック部32Aと固定面部31Aの境界でワイヤ保持部材28Aを折れ曲がり易くすることができる。また、スリット34Aを設ける箇所は、フック部32Aと固定面部31Aの境界に限定されるものではない。スリットは、例えば、フック部32Aの先端部から固定面部31Aに向けて形成してもよい。
なお、上述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、請求の範囲に記載した発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
上述した実施の形態では、傾斜型の乗客コンベアとして、踏段間に段差が生じるエスカレーターを例に挙げて説明したが、本発明の乗客コンベアとしては、踏段間に段差が生じない複数の踏段を有する電動道路、いわゆる動く歩道にも適用できるものである。
また、傾斜区間の少なくとも一部に、上水平区間及び下水平区間に対して平行な箇所を設けたフレームを有する乗客コンベアにも適用できるものである。さらに、傾斜区間の延設方向が湾曲して変化することで、上水平区間と下水平区間の延設方向が異なるフレームを有する乗客コンベアに対しても同様に適用できるものである。
なお、本明細書において、「平行」及び「直交」等の単語を使用したが、これらは厳密な「平行」及び「直交」のみを意味するものではなく、「平行」及び「直交」を含み、さらにその機能を発揮し得る範囲にある、「略平行」や「略直交」の状態であってもよい。
1…乗客コンベア、 2…フレーム、 3…上部乗降床(乗降床)、 4…下部乗降床(乗降床)、 4a…上面、 5…踏段、 5a…クリート、 6…欄干部材、 10…駆動部、 11…移動手摺、 12…パネル部材、 13…デッキ部、 20…櫛板部材、 21…基部、 21a…下面、 22…櫛歯部、 23…境界部、 25…櫛板破損検知装置、 26…ワイヤ、 27…検知スイッチ、 28、28A…ワイヤ保持部材、 31、31A…固定面部、 32、32A…フック部、 33…隙間、 34A…スリット、 100…建築構造物、 100A…上階床、 100B…下階床

Claims (7)

  1. 建築構造物に設けられ、人や物を搬送する乗客コンベアにおいて、
    前記建築構造物に設置されたフレームと、
    前記フレーム内に設けられて、前記フレーム内を循環移動する無端状に連結された複数の踏段と、
    前記フレームが延在する方向の端部に設けられた乗降床と、
    前記乗降床に設けられ、前記踏段に設けたクリートと非接触状態で噛み合う櫛板部材と、
    前記櫛板部材の破損を検知する櫛板破損検知装置と、を備え、
    前記櫛板部材は、
    前記乗降床に固定された基部と、
    前記基部における前記踏段と対向する先端部に連続して設けられ、前記乗降床から突出し、かつ前記クリートと非接触状態で噛み合う櫛歯部と、を有し、
    前記櫛板破損検知装置は、
    前記基部と前記櫛歯部との境界部に配置されるワイヤと、
    前記ワイヤを前記櫛板部材における上下方向の下面で保持するワイヤ保持部材と、
    前記ワイヤの張力の変位を検知する検知スイッチと、を備え、
    前記ワイヤ保持部材は、
    前記櫛板部材の前記基部における上下方向の下面に固定される固定面部と、
    前記固定面部に連続して設けられ、前記ワイヤを保持すると共に前記櫛板部材の前記境界部の上下方向の下面に固定されるフック部と、を有す
    客コンベア。
  2. 前記ワイヤの長手方向の一端部は、前記乗降床の幅方向の一端部に固定され、
    前記ワイヤの長手方向の他端部は、前記乗降床の幅方向の他端部に配置され、前記検知スイッチに接続される
    請求項1に記載の乗客コンベア。
  3. 前記ワイヤは、前記検知スイッチに挿脱可能に接続され、
    前記検知スイッチは、前記ワイヤが抜け出た際に、前記櫛板部材の破損を検知する
    請求項2に記載の乗客コンベア。
  4. 前記フック部における前記固定面部とは反対側の先端部は、前記固定面部に向けて屈曲し、
    前記フック部の先端部と前記固定面部との間には、前記ワイヤが挿入可能な隙間が形成される
    請求項に記載の乗客コンベア。
  5. 前記フック部と前記固定面部の境界、又は前記フック部には、スリットが形成されている
    請求項に記載の乗客コンベア。
  6. 前記櫛板部材の前記境界部には、上下方向の下面から上方に向けてノッチが形成されている
    請求項1に記載の乗客コンベア。
  7. 乗客コンベアに設けられた櫛板部材の破損を検知する櫛板破損検知装置において、
    前記櫛板部材の基部と櫛歯部との境界部に配置されるワイヤと、
    前記ワイヤを前記櫛板部材における上下方向の下面で保持するワイヤ保持部材と、
    前記ワイヤの張力の変位を検知する検知スイッチと、
    を備え
    前記ワイヤ保持部材は、
    前記櫛板部材の前記基部における上下方向の下面に固定される固定面部と、
    前記固定面部に連続して設けられ、前記ワイヤを保持すると共に前記櫛板部材の前記境界部の上下方向の下面に固定されるフック部と、を有する
    櫛板破損検知装置。
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