JP6973698B1 - セラミックグリーンシート製造用バインダー、スラリー組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

セラミックグリーンシート製造用バインダー、スラリー組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

セラミックグリーンシート製造用バインダーは、ビニル単量体に由来する構造単位を主体とし、ポリビニルアセタール構造を実質的に有さず、かつ水素結合性官能基を有するブロック共重合体を含む。スラリー組成物は、ビニル単量体に由来する構造単位を主体とし、ポリビニルアセタール構造を実質的に有さず、かつ水素結合性官能基を有するブロック共重合体を含むセラミックグリーンシート製造用バインダーと、セラミック粉体とを含む。セラミックグリーンシートは、当該スラリー組成物を用いて形成されている。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月20日に出願された日本特許出願番号2020−088217号に基づくもので、ここにその記載内容を援用する。
本開示は、セラミックグリーンシート製造用バインダー、スラリー組成物、セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサの製造方法に関する。
積層セラミックコンデンサは一般に、セラミック粉体とバインダーとを含むスラリー組成物を用いて形成されたセラミックグリーンシートを積層することによって製造される。積層セラミックコンデンサを製造するには、まず、セラミックグリーンシート上に内部電極となる金属ペーストを印刷したのちグリーンシートを積層し、加熱圧着することにより積層体を製造する。続いて、積層体に熱処理(脱脂処理)を施すことにより、積層体中に含まれるバインダー樹脂を熱分解し、その後、高温焼結する。こうして得られたセラミック焼結体に外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサが得られる。
セラミックグリーンシートのバインダーとしては、ポリビニルアセタール樹脂や(メタ)アクリル系樹脂が一般に使用されている(例えば、特許文献1や特許文献2参照)。特許文献1には、特定組成のポリビニルアセタール樹脂をバインダーとして含むセラミックグリーンシート用スラリー組成物が開示されている。また、特許文献2には、特定組成の(メタ)アクリル系樹脂をバインダーとして含むセラミックグリーンシート用スラリー組成物が開示されている。
特開2006−089354号公報 国際公開第2018/235907号
バインダーとしてポリビニルアセタール樹脂を用いた場合、比較的高い強度のセラミックグリーンシートを得ることができる一方、ポリビニルアセタール樹脂は熱分解性が十分に高いとはいえず、脱脂処理後にバインダー残渣が生じることが懸念される。
これに対し、(メタ)アクリル系樹脂は良好な熱分解性を示すものの、得られるセラミックグリーンシートの強度が十分に高いとはいえない。このため、積層セラミックコンデンサの製造工程においてセラミックグリーンシートに作用する負荷によってセラミックグリーンシートに割れ等が生じることが懸念される。こうしたセラミックグリーンシートの割れは、電子機器の高性能化に伴いセラミックグリーンシートの薄膜化及び多積層化が進むほど生じやすい。
セラミックグリーンシートの強度を高める方法としては、バインダーの高分子量化を図ることが考えられる。しかしながら、高分子量のバインダーを用いると、セラミックグリーンシート用スラリー組成物が高粘度化し、支持体への塗布性が低下することが懸念される。
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、スラリー組成物の粘度を低く抑えながら、高強度かつ熱分解性に優れたセラミックグリーンシートを得ることができるセラミックグリーンシート製造用バインダーを提供することである。
本開示者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のブロック共重合体を使用することによって本開示を完成したものである。本開示によれば以下の手段が提供される。
〔1〕ブロック共重合体を含むセラミックグリーンシート製造用バインダーであって、前記ブロック共重合体は、ビニル単量体に由来する構造単位を主体とし、ポリビニルアセタール構造を実質的に有さず、かつ水素結合性官能基を有する、セラミックグリーンシート製造用バインダー。
〔2〕前記ブロック共重合体は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構造単位を、全構造単位に対して70質量%以上有する、〔1〕のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
〔3〕前記ブロック共重合体は、芳香族ビニル単量体に由来する構造単位と、イミド基含有ビニル単量体に由来する構造単位とを有する、〔1〕又は〔2〕のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
〔4〕前記ブロック共重合体は、メタクリル酸エステル化合物に由来する構造単位を、全構造単位に対して5質量%以上70質量%以下有する、〔1〕〜〔3〕のいずれかのセラミックグリーンシート製造用バインダー。
〔5〕前記ブロック共重合体は、ガラス転移温度が30℃以上である重合体ブロックと、ガラス転移温度が30℃未満である重合体ブロックとを有する、〔1〕〜〔4〕のいずれかのセラミックグリーンシート製造用バインダー。
〔6〕前記ブロック共重合体は、水素結合性官能基を有するビニル単量体に由来する構造単位を、全構造単位に対して5質量%以上25質量%以下有する、〔1〕〜〔5〕のいずれかのセラミックグリーンシート製造用バインダー。
〔7〕前記ブロック共重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下である、〔1〕〜〔6〕のいずれかのセラミックグリーンシート製造用バインダー。
〔8〕上記〔1〕〜〔7〕のいずれかのセラミックグリーンシート製造用バインダーと、セラミック粉体とを含む、スラリー組成物。
〔9〕上記〔8〕のスラリー組成物を用いて形成されたセラミックグリーンシート。
〔10〕上記〔9〕のセラミックグリーンシートを用いる、積層セラミックコンデンサの製造方法。
本開示のセラミックグリーンシート製造用バインダーによれば、スラリー組成物の粘度を低く抑えながら、高強度かつ熱分解性に優れたセラミックグリーンシートを得ることができる。
以下、本開示について詳しく説明する。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及び/又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及び/又はメタクリレートを意味する。
《セラミックグリーンシート製造用バインダー》
本開示のセラミックグリーンシート製造用バインダーは、セラミック粉体を成形して積層セラミックグリーンシートを製造するために用いられる。本開示のセラミックグリーンシート製造用バインダーは、ビニル単量体に由来する構造単位を主体とし、ポリビニルアセタール構造を実質的に有さず、かつ水素結合性官能基を有するブロック共重合体(以下「ブロック共重合体(P)」ともいう)を含有する。
(ビニル単量体)
ブロック共重合体(P)は、ビニル単量体に由来する構造単位を有する。当該ビニル単量体としては、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル単量体、イミド基含有ビニル単量体等が挙げられる。
なお、本明細書において、「ビニル単量体に由来する構造単位を主体とする」とは、ブロック共重合体(P)における、ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合が、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対し、80質量%以上であり、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上、特に好ましくは99質量%以上である。
(メタ)アクリル系単量体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物、(メタ)アクリル酸の脂肪族環式エステル化合物、(メタ)アクリル酸の芳香族エステル化合物、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル化合物、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル化合物、(ジ)アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート化合物、エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。
これらの具体例としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物として、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ペンチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、及び(メタ)アクリル酸n−デシル等を;
(メタ)アクリル酸の脂肪族環式エステル化合物として、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸tert−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸アダマンチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル及び(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル等を;
(メタ)アクリル酸の芳香族エステル化合物として、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル及び(メタ)アクリル酸3−フェノキシプロピル等を;
(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル化合物として、(メタ)アクリル酸メトキシメチル、(メタ)アクリル酸エトキシメチル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸n−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸n−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸メトキシプロピル、及び(メタ)アクリル酸エトキシプロピル等を;
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル化合物として、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル及び(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等を;
(ジ)アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート化合物として、N−[2−(メチルアミノ)エチル](メタ)アクリレート、N−[2−(ジメチルアミノ)エチル](メタ)アクリレート、N−[2−(エチルアミノ)エチル](メタ)アクリレート及びN−[2−(ジエチルアミノ)エチル](メタ)アクリレート等を;
エポキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル化合物として、(メタ)アクリル酸グリシジル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル及び3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等を;
ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート化合物として、ポリオキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリレート等を、それぞれ挙げることができる。(メタ)アクリル系単量体としては、これらのうちの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ブロック共重合体(P)の製造に用いる(メタ)アクリル系単量体は、セラミックグリーンシート製造用のバインダーとして用いた場合に、焼成時の熱分解性が高く、バインダーの残渣を低減できる点で、上記の中でも、下記式(1)で表される化合物であることが好ましい。
CH=CR−C(=O)−O−(RO)n−R …(1)
(式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、Rは、炭素数2〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基である。nは0〜50の整数である。nが2以上の場合、式中の複数のRは、互いに同一でも異なってもよい。)
セラミック粉体の分散安定性をより高めることができる点で、ブロック共重合体(P)の製造に用いる(メタ)アクリル系単量体は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル化合物を含むことが好ましい。これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルよりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
ブロック共重合体(P)は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構造単位(以下「(メタ)アクリル単位」ともいう)を主体とする重合体であることが好ましい。ブロック共重合体(P)における(メタ)アクリル単位の含有割合は、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、好ましくは70質量%以上である。ブロック共重合体(P)が(メタ)アクリル単位を70質量%以上有することにより、焼成時の熱分解性に優れたバインダー樹脂とすることができる点で好適である。こうした観点から、(メタ)アクリル単位の含有割合は、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、80質量%以上がより好ましく、85質量%以上が更に好ましく、87質量%以上が特に好ましい。
ブロック共重合体(P)は、メタクリル酸エステル化合物に由来する構造単位(以下「メタアクリル酸エステル単位」ともいう)を有していることが好ましい。ブロック共重合体(P)がメタアクリル酸エステル単位を有することにより、バインダーの熱分解性をより高めることができる点で好適である。メタアクリル酸エステル単位は、下記式(2)で表される化合物に由来する構造単位であることが好ましい。
CH=C(CH)−C(=O)−O−(RO)−R …(2)
(式(2)中、Rは、炭素数2〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基であり、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のシクロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は炭素数7〜20のアラルキル基である。mは0〜50の整数である。mが2以上の場合、式中の複数のRは、互いに同一でも異なってもよい。)
上記式(2)で表される化合物の具体例としては、ブロック共重合体(P)を構成するビニル単量体として例示したメタクリル酸アルキルエステル化合物、メタクリル酸の脂肪族環式エステル化合物、メタクリル酸の芳香族エステル化合物、メタクリル酸アルコキシアルキル化合物、メタクリル酸ヒドロキシアルキル化合物、ポリオキシアルキレンメタクリレート化合物等が挙げられる。
ブロック共重合体(P)が有するメタアクリル酸エステル単位は、上記のうち、メタクリル酸アルキルエステル化合物、メタクリル酸アルコキシアルキル化合物、メタクリル酸ヒドロキシアルキル化合物、及びポリオキシアルキレンメタクリレート化合物よりなる群から選択される少なくとも1種に由来する構造単位が好ましく、メタクリル酸アルキルエステル化合物、メタクリル酸アルコキシアルキル化合物、及びメタクリル酸ヒドロキシアルキル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種に由来する構造単位がより好ましい。これらの中でも特に、メタクリル酸アルキルエステル化合物及びメタクリル酸アルコキシアルキル化合物よりなる群から選択される少なくとも1種に由来する構造単位をブロック共重合体(P)が有していることが好ましい。
ブロック共重合体(P)におけるメタアクリル酸エステル単位の含有割合は、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、3質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上が更に好ましい。メタアクリル酸エステル単位の含有割合の上限については、セラミックグリーンシートの強度や柔軟性の低下を抑制できる点で、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、70質量%以下が好ましく、65質量%以下がより好ましく、60質量%以下が更に好ましい。なお、メタアクリル酸エステル化合物としては、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
ブロック共重合体(P)が、芳香族ビニル単量体に由来する構造単位(以下「芳香族ビニル単位」ともいう)と、イミド基含有ビニル単量体に由来する構造単位(以下「イミド基含有ビニル単位」ともいう)とを有する場合、ブロック共重合体(P)を用いて製造されるセラミックグリーンシートの強度をより高くできる点で好適である。
芳香族ビニル単量体は、重合性の炭素−炭素二重結合が芳香環に結合した構造を有する単量体である。芳香族ビニル単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルキシレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−イソブチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール、o−イソプロペニルフェノール、o−ビニル安息香酸、m−ビニル安息香酸、p−ビニル安息香酸、及びジビニルベンゼン等のスチレン系単量体、並びに、ビニルナフタレン等が挙げられる。芳香族ビニル単量体としては、スチレン系単量体を好ましく使用することができる。なお、芳香族ビニル単量体としては、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
イミド基含有ビニル単量体としては、マレイミド、N−置換マレイミド化合物等のマレイミド化合物;N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド等のイタコンイミド化合物;N−メチルシトラコンイミド、N−エチルシトラコンイミド、N−ブチルシトラコンイミド、N−2−エチルヘキシルシトラコンイミド、N−シクロヘキシルシトラコンイミド等のシトラコンイミド化合物;N−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)コハク酸イミド、N−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)マレイミド、N−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル)フタル酸イミド、N−(4−(メタ)アクリロイルオキシブチル)フタル酸イミド等の(メタ)アクリルイミド化合物等が挙げられる。これらのうち、スチレン系単量体との高い共重合性を示す点で、マレイミド化合物が好ましい。
マレイミド化合物としては、マレイミド及びN−置換マレイミド化合物を好ましく使用することができる。N−置換マレイミド化合物としては、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−n−プロピルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−n−ブチルマレイミド、N−イソブチルマレイミド、N−tert−ブチルマレイミド、N−ペンチルマレイミド、N−ヘキシルマレイミド、N−ヘプチルマレイミド、N−オクチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−ステアリルマレイミド等のN−アルキル置換マレイミド化合物;N−シクロペンチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−シクロアルキル置換マレイミド化合物;N−ベンジルマレイミド等のN−アラルキル置換マレイミド化合物;N−フェニルマレイミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド、N−(4−アセチルフェニル)マレイミド、N−(4−メトキシフェニル)マレイミド、N−(4−エトキシフェニル)マレイミド、N−(4−クロロフェニル)マレイミド、N−(4−ブロモフェニル)マレイミド等のN−アリール置換マレイミド化合物等が挙げられる。なお、イミド基含有ビニル単量体としては、これらのうちの1種又は2種以上を使用することができる。
ブロック共重合体(P)の製造に使用するイミド基含有ビニル単量体は、上記の中でも、下記式(3)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006973698
(式(3)中、Rは、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基、又は、フェニル基の任意の位置にヒドロキシ基、炭素数1〜2のアルコキシ基、アセチル基若しくはハロゲン原子が結合した置換フェニル基を表す。)
ブロック共重合体(P)が芳香族ビニル単位を有する場合、芳香族ビニル単位の含有割合は、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましい。芳香族ビニル単位の上限については、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
ブロック共重合体(P)がイミド基含有ビニル単位を有する場合、イミド基含有ビニル単位の含有割合は、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、0.5質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましく、2質量%以上が更に好ましい。イミド基含有ビニル単位の上限については、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましく、20質量%以下が更に好ましい。また、ブロック共重合体(P)の製造に際し、芳香族ビニル単量体とイミド基含有ビニル単量体とを併用する場合、イミド基含有ビニル単量体1モルに対する、芳香族ビニル単量体の使用割合は、好ましくは0.01〜20モルであり、より好ましくは0.1〜10モルであり、更に好ましくは0.2〜5モルである。
ブロック共重合体(P)は、本開示により奏される効果を妨げない限り、(メタ)アクリル系単量体、芳香族ビニル単量体及びイミド基含有ビニル単量体以外のビニル単量体(以下「その他のビニル単量体」ともいう)に由来する構造単位を有していてもよい。その他のビニル単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド化合物;酢酸ビニル、安息香酸ビニル等が挙げられる。ブロック共重合体(P)における、その他のビニル単量体に由来する構造単位の含有割合は、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、好ましくは5質量%以下、より好ましくは3質量%以下、更に好ましくは1質量%以下、特に好ましくは0.5質量%以下である。
(水素結合性官能基)
ブロック共重合体(P)は、水素結合性官能基を有する。ブロック共重合体(P)が有する水素結合性官能基としては、例えば、水酸基、アミノ基(1級アミノ基、2級アミノ基及び3級アミノ基を含む)、カルボキシ基、アミド基、チオール基、スルホニル基等が挙げられる。これらのうち、セラミック粉体への吸着性が高く、セラミック粉体の分散安定性を高くできる点で、水酸基、アミノ基及びカルボキシ基が好ましく、水酸基が特に好ましい。
ブロック共重合体(P)の水素結合性官能基量を調整しやすい点、及び水素結合性官能基を有するブロック共重合体を製造しやすい点で、ブロック共重合体(P)は、水素結合性官能基を有するビニル単量体(以下「水素結合性基含有ビニル単量体」ともいう)を用いて製造されることが好ましい。水素結合性基含有ビニル単量体は、水酸基を有することが好ましく、その具体例としては、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル及び(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル化合物;ポリアルキレングリコール(ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等)のモノ(メタ)アクリル酸エステル化合物;p−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、p−イソプロペニルフェノール、m−イソプロペニルフェノール及びo−イソプロペニルフェノール等のヒドロキシスチレン化合物;N−(4−ヒドロキシフェニル)マレイミド等のヒドロキシ置換マレイミド化合物等が挙げられる。水素結合性基含有ビニル単量体としては、上記の中でも、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル化合物を用いることが特に好ましい。
ブロック共重合体(P)において、水素結合性基含有ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合は、無機粒子の分散安定性を十分に高くする観点から、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、5質量%以上であることが好ましく、7質量%以上であることがより好ましく、8質量%以上であることが更に好ましい。水素結合性基含有ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合の上限については、スラリー組成物の溶剤成分への溶解性を確保する観点から、ブロック共重合体(P)の全構造単位に対して、25質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、15質量%以下であることが更に好ましい。なお、水素結合性基含有ビニル単量体としては、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ブロック共重合体(P)は、(メタ)アクリル単位を主体とする重合体であり、ポリビニルアセタール構造を実質的に有しない。ここで、本明細書において、「ポリビニルアセタール構造を実質的に有しない」とは、ブロック共重合体(P)がポリビニルアセタール構造由来の特性を示さないことを意味する。ただし、ブロック共重合体(P)が、本開示の効果を妨げない程度に微量のポリビニルアセタール構造を有することは許容される。具体的には、ブロック共重合体(P)中のポリビニルアセタール構造の割合は、典型的には2質量%以下であり、好ましくは1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下、更に好ましくは0.1質量%以下であり、ポリビニルアセタール構造を有しないことが特に好ましい。
(ブロック共重合体(P)の構造)
ブロック共重合体(P)は、2個以上の重合体ブロックを有する限り、1分子内における重合体ブロックの数や配列順序等は特に限定されない。ブロック共重合体(P)の具体例としては、例えば、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)とからなる(AB)ジブロック体、重合体ブロック(A)/重合体ブロック(B)/重合体ブロック(A)からなる(ABA)トリブロック体、重合体ブロック(A)と重合体ブロック(B)と重合体ブロック(C)とからなる(ABC)トリブロック体等が挙げられる。また、ブロック共重合体(P)は、重合体ブロックを4個以上有するポリブロック共重合体であってもよい。これらのうち、セラミック粉体の分散安定性が高く、粘度が十分に低いスラリー組成物を効率的に製造できる点で、ブロック共重合体(P)1分子あたりの重合体ブロックの数は、2個以上7個以下が好ましく、2個以上5個以下がより好ましく、2個又は3個が更に好ましい。
ブロック共重合体(P)が有する少なくとも2個の重合体ブロックは、全部のブロックが水素結合性官能基を有していてもよいし、2個以上の重合体ブロックのうち一部のブロックのみが水素結合性官能基を有していてもよい。セラミック粉体の分散安定性を十分に高くする観点から、ブロック共重合体(P)が有する少なくとも2個の重合体ブロックは、下記の[i]又は[ii]を満たすことが好ましい。
[i]2個以上の重合体ブロックのうち、一部のブロックは水素結合性官能基を有し、残りのブロックは水素結合性官能基を有しない。
[ii]2個以上の重合体ブロックが水素結合性官能基を有し、かつ水素結合性基含有ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合が重合体ブロック間で異なる。
ブロック共重合体(P)の各重合体ブロックは、ビニル単量体に由来する構造単位を主体とする。1つの好ましい態様は、ブロック共重合体(P)は、ガラス転移温度(Tg)が30℃以上である重合体ブロック(以下「ハードセグメント」ともいう)と、Tgが30℃未満である重合体ブロック(以下「ソフトセグメント」ともいう)と、を有する。この態様によれば、ブロック共重合体(P)として、ミクロ相分離構造の形成等により疑似架橋構造を形成し得る重合体を得ることができる。また、こうしたブロック共重合体(P)を用いて製造されるセラミックグリーンシートによれば、スラリー粘度を低くしたまま破断エネルギーを高くでき、機械的特性の向上を図ることができる点で好適である。
ハードセグメントのTgは、好ましくは50℃以上であり、より好ましくは75℃以上であり、更に好ましくは100℃以上である。また、原料となる単量体の制約等から、ハードセグメントのTgは一般に250℃以下である。ハードセグメントのTgの範囲は、好ましくは50℃以上250℃以下であり、より好ましくは75℃以上250℃以下であり、更に好ましくは100℃以上250℃以下である。本明細書において、重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)は、後述する実施例に記載の通り、Fоxの式により算出した値である。
ソフトセグメントのTgは、好ましくは25℃以下であり、より好ましくは20℃以下であり、更に好ましくは10℃以下である。また、ソフトセグメントのTgは、好ましくは−50℃以上であり、より好ましくは−30℃以上であり、更に好ましくは−20℃以上である。ソフトセグメントのTgの範囲は、好ましくは−50℃以上30℃未満であり、より好ましくは−30℃以上30℃未満であり、更に好ましくは−20℃以上30℃未満である。
ブロック共重合体(P)中のハードセグメントの質量比は、ミクロ相分離構造の形成等により疑似架橋構造を形成し得る観点から、好ましくは3質量%以上であり、より好ましくは5質量%以上であり、更に好ましくは10質量%以上である。また、当該質量比の上限については、スラリー組成物の粘度の上昇を抑制するため、及びセラミックグリーンシートの柔軟性の低下を抑制するために、好ましくは50質量%以下であり、より好ましくは35質量%以下であり、更に好ましくは20%質量以下である。なお、ブロック共重合体(P)中のハードセグメントの質量比は、ブロック共重合体(P)を製造する際の各ブロックの仕込み比(以下「仕込みブロック比」ともいう。単位:質量比)と、各モノマーの重合率(%)とから算出した値である。
ブロック共重合体(P)がハードセグメントとソフトセグメントとを有する場合、ハードセグメントとして、芳香族ビニル単位及びイミド基含有ビニル単位を有する重合体ブロックを含むことが好ましい。芳香族ビニル単位及びイミド基含有ビニル単位を有する重合体ブロックによれば、ガラス転移温度が十分に高いセグメントを形成でき、ミクロ相分離構造の形成等により疑似架橋構造を形成し得る重合体を簡便に製造できる点で好ましい。この重合体ブロックは、好ましくは、芳香族ビニル単位と、マレイミド化合物に由来する構造単位とを有する重合体ブロックであり、より好ましくは、スチレン系単量体に由来する構造単位と、マレイミド化合物に由来する構造単位とを有する重合体ブロックである。当該重合体ブロックにおいて、芳香族ビニル単位及びイミド基含有ビニル単位の合計の含有割合は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、55質量%以上が更に好ましい。
ブロック共重合体(P)のブロック構造の好ましい態様としては、下記の[1]及び[2]の態様が挙げられる。
[1](メタ)アクリル単位を主体とする第1ブロックと、(メタ)アクリル単位を主体とし、かつ第1ブロックとは単量体組成が異なる第2ブロックと、を含むブロック共重合体。
[2](メタ)アクリル単位を主体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル単位及びイミド基含有ビニル単位を有する重合体ブロックと、を含むブロック共重合体。
上記[1]の場合、より具体的には、下記[1−1]及び[1−2]の態様が挙げられる。
[1−1](メタ)アクリル単位を主体とする第1ブロックと、(メタ)アクリル単位を主体とする第2ブロックとを含み、第1ブロック及び第2ブロックのうち一方は水素結合性官能基を有し、他方は水素結合性官能基を有しないブロック共重合体。
[1−2](メタ)アクリル単位を主体とする第1ブロックと、(メタ)アクリル単位を主体とする第2ブロックとを含み、第1ブロック及び第2ブロックは共に水素結合性官能基を有し、かつ水素結合性基含有ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合が重合体ブロック間で異なるブロック共重合体。
上記[2]の場合、より具体的には、下記[2−1]及び[2−2]の態様が挙げられる。
[2−1](メタ)アクリル単位を主体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル単位及びイミド基含有ビニル単位を有する重合体ブロックと、を含み、これら重合体ブロックのうち一方は水素結合性官能基を有し、他方は水素結合性官能基を有しないブロック共重合体。
[2−2](メタ)アクリル単位を主体とする重合体ブロックと、芳香族ビニル単位及びイミド基含有ビニル単位を有する重合体ブロックと、を含み、これら重合体ブロックは共に水素結合性官能基を有し、かつ水素結合性基含有ビニル単量体に由来する構造単位の含有割合が重合体ブロック間で異なるブロック共重合体。
ブロック共重合体(P)につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算の数平均分子量(Mn)は、10,000〜500,000の範囲であることが好ましい。Mnが10,000以上あると、ブロック共重合体(P)を用いて製造されるセラミックグリーンシートの強度を十分に高くできる点で好ましい。また、Mnが500,000以下であると、スラリー組成物の粘度が高くなり過ぎることを抑制でき、塗布性及び取扱い性を十分に確保することができる点で好ましい。ブロック共重合体(P)のMnは、より好ましくは20,000以上であり、更に好ましくは30,000以上であり、特に好ましくは50,000以上である。また、ブロック共重合体(P)のMnは、より好ましくは300,000以下であり、更に好ましくは250,000以下であり、特に好ましくは150,000以下である。
ブロック共重合体(P)につき、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、30,000〜700,000の範囲であることが好ましい。ブロック共重合体(P)のMwは、より好ましくは40,000以上であり、更に好ましくは50,000以上であり、特に好ましくは70,000以上である。また、ブロック共重合体(P)のMwは、より好ましくは500,000以下であり、更に好ましくは300,000以下であり、特に好ましくは250,000以下である。
ブロック共重合体(P)における、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)は、ブロック共重合体(P)を含むスラリー組成物の粘度が高くなり過ぎることを抑制できる点で、3.0以下であることが好ましい。また、Mw/Mnが3.0以下である場合、スラリー組成物の粘度を大きく上昇させる高分子量成分が少なく、スラリー組成物の粘度を十分に低くできるため、ブロック共重合体(P)の高分子量化を図ることができる。このため、スラリー組成物を用いて得られるセラミックグリーンシートの強度を高くすることができる。Mw/Mnは、より好ましくは2.8以下であり、更に好ましくは2.5以下であり、特に好ましくは2.2以下である。Mw/Mnの下限値については、製造容易性の観点から1.1以上が好ましい。
<ブロック共重合体(P)の製造>
ブロック共重合体(P)は、分子量分布が十分に小さいブロック共重合体(P)を得ることができる点で、リビングラジカル重合法により上記単量体を重合して製造することが好ましい。例えば溶液重合法による場合、有機溶媒及び単量体を反応器に仕込み、重合制御剤及びラジカル重合開始剤を添加して、好ましくは加熱して共重合することにより、目的とするブロック共重合体(P)を得ることができる。各原料の仕込み方法は、全ての原料を一括して仕込むバッチ式の初期一括仕込みでもよく、少なくとも一部の原料を連続的に反応器中に供給するセミ連続仕込みでもよく、全原料を連続供給し、同時に反応器から連続的に生成物を抜き出す連続重合方式でもよい。
ブロック共重合体(P)の製造に際し、リビングラジカル重合法としては、公知の重合法を採用することができる。用いるリビングラジカル重合法の具体例としては、交換連鎖移動機構のリビングラジカル重合法、結合−解離機構のリビングラジカル重合法、原子移動機構のリビングラジカル重合法等が挙げられる。これらの具体例としては、交換連鎖移動機構のリビングラジカル重合として、可逆的付加−開裂連鎖移動重合法(RAFT法)、ヨウ素移動重合法、有機テルル化合物を用いる重合法(TERP法)、有機アンチモン化合物を用いる重合法(SBRP法)、有機ビスマス化合物を用いる重合法(BIRP法)等を;結合−解離機構のリビングラジカル重合として、ニトロキシラジカル法(NMP法)等を;原子移動機構として、原子移動ラジカル重合法(ATRP法)等を、それぞれ挙げることができる。これらの中でも、最も広範囲なビニル単量体に適用でき、かつ重合の制御性に優れている点で、交換連鎖移動機構のリビングラジカル重合法が好ましく、実施の簡便さの観点から、RAFT法によることが特に好ましい。
RAFT法では、重合制御剤(RAFT剤)及びフリーラジカル重合開始剤の存在下、可逆的な連鎖移動反応を介して重合が進行する。RAFT剤としては、ジチオエステル化合物、ザンテート化合物、トリチオカーボネート化合物及びジチオカーバメート化合物等、公知の各種RAFT剤を使用することができる。RAFT剤は、活性点を1箇所のみ有する単官能型の化合物を用いてもよいし、活性点を2箇所以上有する多官能型の化合物を用いてもよい。A−(BA)n型構造、B−(AB)n型構造、又は(AB)m−C−(BA)n型構造のブロック共重合体(ただし、n及びmは1以上の整数)を製造する場合には、当該ブロック共重合体を効率的に得やすい点で、2官能型のRAFT剤を用いることが好ましい。RAFT剤の使用量は、目標とするブロック共重合体の数平均分子量(Mn)に応じて適宜調整される。
RAFT法による重合の際に用いる重合開始剤としては、アゾ化合物、有機過酸化物及び過硫酸塩等の公知のラジカル重合開始剤を使用することができる。これらの中でも、安全上取り扱いやすく、ラジカル重合時の副反応が起こりにくい点で、アゾ化合物が好ましい。アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。ラジカル重合開始剤としては、1種類のみ使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合開始剤の使用量は、特に制限されないが、分子量分布がより小さい重合体を得る点から、RAFT剤1質量部に対して、1質量部以下とすることが好ましく、0.8質量部以下とすることがより好ましい。重合反応を安定的に行う観点から、ラジカル重合開始剤の使用量の下限については、RAFT剤1質量部に対して、0.01質量部以上とすることが好ましく、0.05質量部以上とすることがより好ましい。RAFT剤1質量部に対するラジカル重合開始剤の使用量は、0.01〜1質量部が好ましく、0.05〜0.8質量部がより好ましい。
RAFT法による重合反応において、反応温度は、好ましくは40℃以上100℃以下であり、より好ましくは45℃以上90℃以下であり、更に好ましくは50℃以上80℃以下である。反応温度が40℃以上であると、重合反応を円滑に進めることができる点で好ましく、反応温度が100℃以下であると、副反応を抑制できるとともに、使用できる開始剤や溶剤に関する制限が緩和される点で好ましい。反応時間は、使用する単量体等に応じて適宜設定され得るが、1時間以上48時間以下であることが好ましく、3時間以上24時間以下であることがより好ましい。重合反応は、必要に応じて連鎖移動剤(例えば、炭素数2〜20のアルキルチオール化合物等)の存在下で実施してもよい。
例えば、RAFT重合により重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)からなるジブロック共重合体を得る場合、具体的な重合方法としては、単官能型のRAFT剤を用いて各ブロックを順次重合することにより、目的とするジブロック共重合体を製造する方法が挙げられる。この方法では、まず、第1重合工程として、単官能型のRAFT剤及びラジカル重合開始剤の存在下、単量体を重合して重合体ブロック(A)を得る。次いで、第2重合工程として、重合体ブロック(A)の存在下、単量体を重合して、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)を得る。こうしてブロック数が2個のブロック共重合体(P)を得ることができる。また、上記重合工程を繰り返すことにより、ブロック数が3個以上のブロック共重合体(P)を製造することができる。例えば、第1重合工程及び第2製造工程により重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)を得た後、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)の存在下で単量体を重合することにより、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(C)からなるトリブロック共重合体、あるいは重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)からなるトリブロック共重合体を得ることができる。
また、ブロック数が5個のブロック共重合体として、RAFT重合により重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(C)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)からなるペンタブロック共重合体を得る場合、その製造方法としては、上記のように単官能型のRAFT剤を用いて各ブロックを順次重合する方法の他、二官能型のRAFT剤を用いて三段階の重合を行うことにより、目的とするペンタブロック共重合体を製造する方法が挙げられる。この方法では、まず、第1重合工程として、二官能型のRAFT剤(例えば、1,4?ビス(n?ドデシルスルファニルチオカルボニルスルファニルメチル)ベンゼン、S,S−ジベンジルトリチオカーボネート等)及びラジカル重合開始剤の存在下、単量体を重合して重合体ブロック(A)を得る。次いで、第2重合工程として、重合体ブロック(A)の存在下、単量体を重合することにより、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)を得る。さらに、第3重合工程として、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)の存在下、単量体を重合することにより、重合体ブロック(A)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(C)−重合体ブロック(B)−重合体ブロック(A)からなるペンタブロック共重合体が得られる。二官能型のRAFT剤を用いる方法によれば、製造工程の簡略化を図ることができ、生産効率を向上できる点で好適である。
ブロック共重合体(P)の製造に際しては、リビングラジカル重合において公知の重合溶媒を用いることができる。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン及びアニソール等の芳香族化合物;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及び酢酸ブチル等のエステル化合物;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン化合物;ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、アルコール、水等が挙げられる。溶液重合法によりブロック共重合体(P)を製造した場合、重合溶媒に溶解されたブロック共重合体(P)は、再沈殿法等の公知の脱溶媒方法、及び加熱処理等の乾燥方法により単離することができる。また、重合溶媒を使用せず、塊状重合等の態様で行ってもよい。
《スラリー組成物》
本開示のスラリー組成物は、セラミックグリーンシートの製造に用いられる重合体組成物であり、ブロック共重合体(P)と、セラミック粉体とを含む。セラミック粉体としては、セラミックコンデンサの誘電体層を構成する材料として公知のものを使用でき、例えば、チタン酸バリウム、酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、酸化亜鉛、ケイ酸アルミニウム、窒化ケイ素等の誘電体粉体が挙げられる。スラリー組成物におけるブロック共重合体(P)の含有量は、セラミック粉体100質量部に対して、好ましくは1〜70質量部であり、より好ましくは3〜50質量部である。
上記スラリー組成物には、必要に応じて溶剤が配合される。溶剤としては、有機溶媒を好ましく使用でき、例えば、トルエン、キシレン、メチルシクロヘキサン、ターピネオール等の炭化水素類;エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類、等が挙げられる。溶剤としては、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。スラリー組成物における溶剤の含有量は、セラミック粉体100質量部に対して、好ましくは10〜500質量部であり、より好ましくは30〜200質量部である。
スラリー組成物には、ブロック共重合体(P)、セラミック粉体及び溶剤のほか、例えば可塑剤、分散剤、レベリング剤、消泡剤等の公知の添加剤が配合されてもよい。これらの配合割合は、本開示の効果を損なわない範囲で、各添加剤に応じて適宜設定することができる。スラリー組成物の調製は、例えば、セラミック粉体を、バインダー及び必要に応じて溶剤等と共に、ビーズミル等によって混合することにより行うことができる。
スラリー組成物の粘度は、80mPa・s以上であることが好ましく、100mPa・s以上であることがより好ましい。スラリー粘度を80mPa・s以上とすることで、スラリー組成物を支持体上に塗布した場合に薄膜形状を確保することができる。スラリー粘度の上限については、塗布性を確保する観点から、3000mPa・s以下であることが好ましく、2000mPa・s以下であることがより好ましい。なお、スラリー組成物の粘度は、B型粘度計を用いて、ローター回転速度を6rpmに設定して25℃で測定した値である。
《セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサ》
本開示のセラミックグリーンシートは、ブロック共重合体(P)及びセラミック粉体を含むスラリー組成物を用いて製造される。また、得られたセラミックグリーンシートを積層することにより、上記のスラリー組成物により誘電体層が形成された積層セラミックコンデンサを製造することができる。セラミックグリーンシート及び積層セラミックコンデンサを製造する方法は特に限定されず、公知の方法により行うことができる。
具体的には、まず、ブロック共重合体(P)とセラミック粉体とを含むスラリー組成物を、離型処理されたPET等の支持体上に塗布する。続いて、乾燥処理によって支持体上のスラリー組成物から揮発成分を除去して成膜し、セラミックグリーンシートを得る。このセラミックグリーンシート上に、内部電極となる金属ペーストを印刷して乾燥し、電極付きセラミックグリーンシートを支持体から剥離する。これを複数枚積層して加熱圧着することにより積層体を作製し、積層体を所定の形状に切断してセラミックグリーンチップを得る。得られたセラミックグリーンチップを熱処理することによって脱脂(バインダーの熱分解)を行った後、セラミックを高温で焼結する。こうして積層セラミックコンデンサが得られる。
以下、実施例により本開示を具体的に説明するが、本開示はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」は、特に断らない限り「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。製造例及び比較製造例で得られた重合体の分析方法は以下の通りである。
<分子量測定>
得られた重合体について、以下の条件にてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定を行い、ポリスチレン換算による数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)を得た。また、得られたMn及びMwの値から分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
○測定条件
カラム:東ソー(株)製TSKgel SuperMultiporeHZ−M×4本
溶媒:テトラヒドロフラン
温度:40℃
検出器:RI
流速:600μL/min
<ガラス転移温度(Tg)>
重合体ブロックのガラス転移温度(Tg)は、重合体ブロックを構成する各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度に基づき、下記数式(4)で表されるFoxの式により算出した。
1/Tg=(W/Tg)+(W/Tg)+・・・・+(W/Tg
…(4)
なお、数式(4)は、Tgの算出対象の重合体が、モノマー1、モノマー2、…及びモノマーn(nは整数)からなる共重合体である場合の算出式である。数式(4)中、W、W、…及びWは、重合体ブロック中における各モノマーの質量分率を示し、Tg、Tg、…及びTgは、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度(単位:K)を示す。
1.ブロック共重合体の製造
<製造例1>重合体Aの製造
・第1重合工程(重合体ブロック(A)の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装着したフラスコに、アクリル酸メチル(以下「MA」ともいう)19.5部、アクリル酸n−ブチル(以下「BA」ともいう)10.5部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル(以下「HEA」ともいう)70部、2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸(以下「CBSTSP」ともいう)1.60部、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(以下「ABN−E」ともいう)0.14部、及びアセトニトリル184部を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を開始した。5時間後、室温まで冷却して重合を停止した。ガスクロマトグラフィー(GC)測定により残存モノマー量を測定し、モノマー重合率及びブロック組成を算出したところ、各モノマー重合率は、MA38%、BA33%、HEA42%であり、ブロック組成は表2に示す通りであった。なお、ブロック組成は、モノマー重合率から算出した(以下同じ)。GPC測定(ポリスチレン換算)により重合体の分子量を測定したところ、Mn5,600、Mw6,100、Mw/Mn1.08であった。
・第2重合工程(重合体ブロック(B)の製造)
次いで、MA90部、BA210部、メタクリル酸メチル(以下「MMA」ともいう)300部、ABN−E1.20部、及びアセトニトリル280部を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、80℃の恒温槽で重合を再開始した。5時間後、室温まで冷却して重合を停止し、ブロック共重合体(これを「重合体A」とする)を含む溶液を得た。ガスクロマトグラフィー(GC)測定により残存モノマー量を測定し、モノマー重合率及びブロック組成を算出したところ、各モノマー重合率は、MA(第1重合工程残存分及び第2重合工程追加分)88%、BA(第1重合工程残存分及び第2重合工程追加分)87%、MMA>99%、HEA(第1重合工程残存分)90%であり、ブロック組成は表2に示す通りであった。GPC測定(ポリスチレン換算)によりブロック共重合体の分子量を測定したところ、Mn60,000、Mw114,800、Mw/Mn1.91であった。
得られた重合溶液をメタノール/水混合溶媒から再沈殿精製、真空乾燥することで、ブロック共重合体Aを得た。得られたブロック共重合体Aの分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)により、Mn67,100、Mw119,700、Mw/Mn1.78であった。なお、表1には仕込みブロック比(質量%)を併せて示した。製造例1では、第1重合工程及び第2重合工程により得られる重合体が有する各ブロックの割合が、重合体ブロック(A):重合体ブロック(B)=14:86(質量比)となるように各重合工程でのモノマー仕込み量を設定した。
<製造例2、5〜7及び比較製造例1、2>重合体B、E〜G、I、Jの製造
フラスコに仕込む原料の種類及び仕込み量を表1に記載の通り変更するとともに、重合温度を適宜調整した以外は製造例1と同様の操作を行い、ブロック共重合体である重合体B、E〜G、I、Jを得た。重合体B、E〜G、I、Jにおけるブロック組成及び分子量の分析結果を表2に示す。
<製造例3>重合体Cの製造
・第1重合工程(重合体ブロック(A)の製造)
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素導入管を装着したフラスコに、N−フェニルマレイミド(以下「PhMI」ともいう)61.5部、スチレン(以下「St」ともいう)38.5部、CBSTSP2.29部、ABN−E0.15部、及びアセトニトリル268部を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を開始した。5時間後、室温まで冷却して重合を停止した。ガスクロマトグラフィー(GC)測定により残存モノマー量を測定し、モノマー重合率及びブロック組成を算出したところ、各モノマー重合率は、PhMI>98%、St>98%であり、ブロック組成は表2に示す通りであった。GPC測定(ポリスチレン換算)により重合体の分子量を測定したところ、Mn7,900、Mw9,200、Mw/Mn1.17であった。
・第2重合工程(重合体ブロック(B)の製造)
次いで、MA114部、BA266部、MMA328部、ABN−E1.40部、及びアセトニトリル267部を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、80℃の恒温槽で重合を再開始した。5時間後、室温まで冷却して重合を停止した。ガスクロマトグラフィー(GC)測定により残存モノマー量を測定し、モノマー重合率及びブロック組成を算出したところ、各モノマー重合率は、MA85%、BA85%、MMA>99%であり、ブロック組成は表2に示す通りであった。GPC測定(ポリスチレン換算)によりブロック共重合体の分子量を測定したところ、Mn46,300、Mw82,600、Mw/Mn1.78であった。
・第3重合工程(重合体ブロック(C)の製造)
次いで、MA7.41部、BA17.3部、HEA115部、ABN−E0.46部、及びアセトニトリル236部を仕込み、窒素バブリングで十分脱気し、70℃の恒温槽で重合を再開始した。5時間後、室温まで冷却して重合を停止し、ブロック共重合体(これを「重合体C」とする)を含む溶液を得た。ガスクロマトグラフィー(GC)測定により残存モノマー量を測定し、モノマー重合率及びブロック組成を算出したところ、各モノマー重合率は、MA(第2重合工程残存分及び第3重合工程追加分)83%、BA(第2重合工程残存分及び第3重合工程追加分)76%、HEA87%であり、ブロック組成は表2に示す通りであった。GPC測定(ポリスチレン換算)によりブロック共重合体の分子量を測定したところ、Mn55,400、Mw119,200、Mw/Mn2.15であった。
得られた重合溶液をメタノール/水混合溶媒から再沈殿精製、真空乾燥することで、重合体Cを得た。得られた重合体Cの分子量は、GPC測定(ポリスチレン換算)により、Mn70,300、Mw132,100、Mw/Mn1.88であった。
<製造例4、8>重合体D、Hの製造
フラスコに仕込む原料の種類及び仕込み量を表1に記載の通り変更するとともに、重合温度を適宜調整した以外は製造例3と同様の操作を行い、ブロック共重合体である重合体D、Hを得た。重合体D、Hにおけるブロック組成及び分子量の分析結果を表2に示す。
Figure 0006973698
Figure 0006973698
表1及び表2に示された化合物(モノマー、制御剤、開始剤、溶媒)の詳細は以下の通りである。なお、各モノマーにつき、当該モノマーより生成されるホモポリマーのTgを括弧内に示す。ホモポリマーのTgは、国立開発研究法人 物質・材料研究機構 物質・材料データベース(https://polymer.nims.go.jp/)より引用した。N−フェニルマレイミドホモポリマーのTgは、N−フェニルマレイミド/スチレン交互共重合体(62.4/37.6wt%)のTg(221℃)とスチレンホモポリマーのTg(98℃)とを用いてFoxの式より算出した値を用いた。
MA:アクリル酸メチル(10℃)
BA:アクリル酸n−ブチル(−48℃)
EA:アクリル酸エチル(−21℃)
MMA:メタクリル酸メチル(108℃)
HEA:アクリル酸2−ヒドロキシエチル(−15℃)
PhMI:N−フェニルマレイミド(344℃)
St:スチレン(98℃)
ABN−E:2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)
CBSTSP:2−{[(2−カルボキシエチル)スルファニルチオカルボニル]スルファニル}プロパン酸
DBTTC:S,S−ジベンジルトリチオカーボネート
2.評価
<実施例1〜8及び比較例1、2>
上記で製造した各ブロック共重合体(重合体A〜J)をバインダー樹脂として用い、スラリー組成物を調製した。また、調製したスラリー組成物を用いてセラミックグリーンシートを製造し評価した。スラリー組成物の調製方法、並びに実施例及び比較例における評価項目は以下の通りである。
<スラリー組成物の調製>
セラミック粉体として粒子径0.1μmチタン酸バリウム(堺化学工業(株)製「BT−01」)100部、分散剤(日油(株)製「マリアリムSC−0505K」1部、並びに溶剤としてトルエン56部及びエタノール14部を、粒子径0.1mmのジルコニアビーズ100部と共に、ビーズミル(アイメックス(株)製「イージーナノ RMB」)を用いて500rpmで5時間攪拌した後、ジルコニアビーズをろ別し、チタン酸バリウム分散液を調製した。この分散液171部に対し、バインダー樹脂10部、並びに表3に記載の量のトルエン及びエタノールを加えた後、自転公転ミキサーを用いて2000rpmで5分間攪拌して、スラリー組成物を調製した。
<バインダー樹脂の熱分解性>
バインダー樹脂の熱分解性について、各バインダー樹脂を試料として用い、試料を所定温度まで昇温し、500℃に到達した時点での質量残分率を評価した。具体的には、熱分析装置(日立ハイテクサイエンス(株)製TGDTA6300)を用いて、試料5〜8mgを、窒素ガスフロ−下で30℃から600℃まで10℃/分の昇温速度で昇温してその間の質量変化を測定し、500℃に到達した時点での質量残分率を求めた。
<スラリー組成物の粘度測定>
上記で得られたスラリー組成物を25℃に調整した後、B型粘度計を用いて、ローター回転速度6rpmにおける粘度を測定した。
<セラミックグリーンシートの引張物性>
上記で得られたスラリー組成物を、乾燥後のグリーンシート厚みが100μmになるように、可変式アプリケーターを用いて離型処理済みPETフィルム上に塗工し、通風乾燥機内で100℃×15分間の乾燥を行うことによりセラミックグリーンシートを作製した。作製したセラミックグリーンシートから4cm×1cmの試験片を切り出し、引張試験機にて、引張速度10mm/minで常態(25℃)でのセラミックグリーンシートの引張物性を測定し、破断時の伸び(%)、最大強度(MPa)及び抗張積(破断時の伸び(%)×最大強度(MPa))を求めた。
重合体A〜Jの各ブロック比及び各ブロックのTg、並びに、実施例1〜8及び比較例1、2の評価結果を表3に示す。
Figure 0006973698
表3に示すように、ブロック共重合体(P)を含む実施例1〜8のスラリー組成物は、スラリー粘度が1200mPa・s以下と低い値を示した。また、得られたセラミックグリーンシートは、強度が1.3MPa以上と高く、破断伸び及び抗張積も十分に高い値を示した。特に、実施例1、2、5、6、8では、スラリー粘度が500mPa・s以下と低いながら、強度、破断伸び及び抗張積が高いセラミックグリーンシートを得ることができた。また、実施例2〜5では、抗張積が150MPa・%以上と高く、靭性に優れていることが示された。さらに、ブロック共重合体(P)中にメタクリル酸エステル化合物を導入した実施例1〜3では、バインダー樹脂の熱分解性も良好であった。
これに対し、ブロック共重合体(P)に代えて、水素結合性官能基を有しない(メタ)アクリル系ブロック共重合体を用いた比較例1、2では、スラリー組成物の粘度が3000mPa・s以上と高い値を示した。また、得られたセラミックグリーンシートの強度及び抗張積は、実施例1〜8に比べて低い値であった。
以上の結果から、ブロック共重合体(P)を用いることにより、セラミックスラリーの粘度を低く抑えながら、高強度かつ熱分解性に優れたセラミックグリーンシートを製造できることが明らかとなった。
本開示は、実施例に準拠して記述されたが、本開示は当該実施例に限定されるものではないと理解される。本開示は、様々な変形例や均等範囲内の変形をも包含する。加えて、様々な組み合わせや形態、さらには、それらに一要素のみ、それ以上、あるいはそれ以下を含む他の組み合わせや形態をも、本開示の範疇や思想範囲に入るものである。

Claims (10)

  1. ブロック共重合体を含むセラミックグリーンシート製造用バインダーであって、
    前記ブロック共重合体は、ビニル単量体に由来する構造単位を主体とし、ポリビニルアセタール構造を実質的に有さず、かつ水素結合性官能基を有する、セラミックグリーンシート製造用バインダー。
  2. 前記ブロック共重合体は、(メタ)アクリル系単量体に由来する構造単位を、全構造単位に対して70質量%以上有する、請求項1に記載のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
  3. 前記ブロック共重合体は、芳香族ビニル単量体に由来する構造単位と、イミド基含有ビニル単量体に由来する構造単位とを有する、請求項1又は2に記載のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
  4. 前記ブロック共重合体は、メタクリル酸エステル化合物に由来する構造単位を、全構造単位に対して5質量%以上70質量%以下有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
  5. 前記ブロック共重合体は、ガラス転移温度が30℃以上である重合体ブロックと、ガラス転移温度が30℃未満である重合体ブロックとを有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
  6. 前記ブロック共重合体は、水素結合性官能基を有するビニル単量体に由来する構造単位を、全構造単位に対して5質量%以上25質量%以下有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
  7. 前記ブロック共重合体は、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比で表される分子量分布(Mw/Mn)が3.0以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造用バインダー。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のセラミックグリーンシート製造用バインダーと、セラミック粉体とを含む、スラリー組成物。
  9. 請求項8に記載のスラリー組成物を用いて形成されたセラミックグリーンシート。
  10. 請求項9に記載のセラミックグリーンシートを用いる、積層セラミックコンデンサの製造方法。
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