JP6970967B2 - 積層体 - Google Patents
積層体 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6970967B2 JP6970967B2 JP2018029269A JP2018029269A JP6970967B2 JP 6970967 B2 JP6970967 B2 JP 6970967B2 JP 2018029269 A JP2018029269 A JP 2018029269A JP 2018029269 A JP2018029269 A JP 2018029269A JP 6970967 B2 JP6970967 B2 JP 6970967B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- resin
- film
- adhesive layer
- acid
- resin film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
- B32B27/34—Layered products comprising a layer of synthetic resin comprising polyamides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J7/00—Adhesives in the form of films or foils
- C09J7/20—Adhesives in the form of films or foils characterised by their carriers
- C09J7/22—Plastics; Metallised plastics
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B15/00—Layered products comprising a layer of metal
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B27/00—Layered products comprising a layer of synthetic resin
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B37/00—Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding
- B32B37/12—Methods or apparatus for laminating, e.g. by curing or by ultrasonic bonding characterised by using adhesives
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B7/00—Layered products characterised by the relation between layers; Layered products characterised by the relative orientation of features between layers, or by the relative values of a measurable parameter between layers, i.e. products comprising layers having different physical, chemical or physicochemical properties; Layered products characterised by the interconnection of layers
- B32B7/04—Interconnection of layers
- B32B7/12—Interconnection of layers using interposed adhesives or interposed materials with bonding properties
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K5/00—Use of organic ingredients
- C08K5/16—Nitrogen-containing compounds
- C08K5/34—Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring
- C08K5/35—Heterocyclic compounds having nitrogen in the ring having also oxygen in the ring
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L77/00—Compositions of polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Compositions of derivatives of such polymers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J11/00—Features of adhesives not provided for in group C09J9/00, e.g. additives
- C09J11/02—Non-macromolecular additives
- C09J11/06—Non-macromolecular additives organic
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09J—ADHESIVES; NON-MECHANICAL ASPECTS OF ADHESIVE PROCESSES IN GENERAL; ADHESIVE PROCESSES NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE; USE OF MATERIALS AS ADHESIVES
- C09J177/00—Adhesives based on polyamides obtained by reactions forming a carboxylic amide link in the main chain; Adhesives based on derivatives of such polymers
- C09J177/06—Polyamides derived from polyamines and polycarboxylic acids
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B2457/00—Electrical equipment
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Laminated Bodies (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
Description
すなわち、本発明の要旨は下記の通りである。
(1)樹脂フィルムの少なくとも片面に接着層が設けられた積層体であり、
樹脂フィルムを構成する樹脂が、半芳香族ポリアミドであって、
接着層が、アミン価が1.0mgKOH/g未満であるダイマー酸系ポリアミド樹脂と、架橋剤としてのオキサゾリン化合物とを含有することを特徴とする積層体。
(2)ダイマー酸系ポリアミド樹脂100質量部に対し、架橋剤を0.5〜50質量部含有することを特徴とする(1)記載の積層体。
(3)ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、酸価が1〜20mgKOH/gであることを特徴とする(1)または(2)記載の積層体。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかに記載の積層体と被着体とが接着されてなる物品。
(5)ヘイズが5.0%以下であることを特徴とする(4)記載の物品。
(6)前記物品がフレキシブルディスプレイ用物品であることを特徴とする(4)または(5)記載の物品。
(7)被着体が金属である(4)記載の物品。
(8)前記物品がフレキシブルプリント基板またはセンサー部品であることを特徴とする(4)または(7)記載の物品。
また、本発明の積層体の接着層は、短時間の熱圧着で被着体と接着することができ、常温時および高温時のいずれにおいても、被着体との接着性に優れている。具体的な被着体としては、ポリイミド等の樹脂フィルム、金属板、接着層表面に塗液を塗布して形成されたハードコート層などが挙げられる。
本発明の積層体は、樹脂フィルムの片面に接着層を設けた片面接着シート、または、樹脂フィルムの両面に接着層を設けた両面接着シートのいずれの態様でも使用することができる。
本発明の積層体は、樹脂フィルムの少なくとも片面に接着層が設けられたものであり、接着層は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを含有する。
接着層を構成するダイマー酸系ポリアミド樹脂は、大きな炭化水素グループを有するため、ポリアミド樹脂として広く使用されているナイロン6、ナイロン66、ナイロン12などの樹脂に比べて、柔軟性に優れている。
本発明において、ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、ジカルボン酸成分としてダイマー酸を含有するものであり、ダイマー酸がジカルボン酸成分全体の50モル%以上含有することが好ましく、60モル%以上含有することがより好ましく、70モル%以上含有することがさらに好ましい。ダイマー酸の割合が50モル%未満であると、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の特性や効果を奏することが困難となり、その結果、基材である樹脂フィルムとの十分な密着性や被着体との十分な接着性が得られない場合がある。
また、ダイマー酸系ポリアミド樹脂のジアミン成分としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、フェニレンジアミン、ジエチレントリアミン、ピペラジンなどを用いることができ、中でもエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、m−キシレンジアミン、ピペラジンが好ましい。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂を重合する際に、上記ジカルボン酸成分とジアミン成分の仕込み比を変更することによって、樹脂の重合度または酸価もしくはアミン価を制御することが可能となる。
また、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の酸価は、プライマーとして使用した場合に被着体との接着性の観点で、1〜20mgKOH/gであることが好ましく、1〜15mgKOH/gであることがより好ましく、3〜12mgKOH/gであることがさらに好ましく、5〜12mgKOH/gであることが最も好ましい。また、金属板などの被着体との接着性の観点で、1〜20mgKOH/gであることが好ましく、1〜15mgKOH/gであることがより好ましく、5〜12mgKOH/gであることが最も好ましい。ダイマー酸系ポリアミド樹脂の酸価が1mgKOH/g未満の場合、基材である樹脂フィルムとの密着性や、被着体である樹脂フィルムや金属との接着性が不十分になることがあり、20mgKOH/gを超えると、基材である樹脂フィルムとの密着性が不十分になることがある。
なお、酸価とは、樹脂1g中に含まれる酸性成分を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で定義されるものである。一方、アミン価とは、樹脂1g中の塩基成分とモル当量となる水酸化カリウムのミリグラム数で表されるものである。いずれも、JIS K2501に記載の方法で測定される。
本発明における接着層は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを含有する。ダイマー酸系ポリアミド樹脂を架橋することにより、樹脂の軟化点以上に加熱しても耐熱性を示す接着層を得ることができ、熱間接着性に優れた積層体を得ることが可能となる。
本発明における接着層は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂および架橋剤を含有するものであり、ダイマー酸系ポリアミド樹脂100質量部に対し、架橋剤を0.5〜50質量部含有することが好ましい。架橋剤の含有量が0.5質量部未満になると、接着層において十分な耐熱性が得難くなり、一方、50質量部を超えると、後述する接着層形成用塗剤の液安定性や加工性などが低下したり、基材である樹脂フィルムとの密着性や、被着体である樹脂フィルムや金属との接着性、接着層としての基本性能が得難くなることがある。
本発明の積層体は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを含有する接着層が樹脂フィルムの少なくとも片面に設けられたものであり、接着層との優れた密着性を有し、高温環境下においても耐熱接着シートとして用いるために、樹脂フィルムを構成する樹脂は、半芳香族ポリアミドおよび/またはポリイミド系樹脂であることが必要である。
半芳香族ポリアミドを構成するジカルボン酸成分は、テレフタル酸を主成分とすることが好ましく、テレフタル酸以外のジカルボン酸成分としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸や、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,3−ナフタレンジカルボン酸、1,2−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸が挙げられる。ジカルボン酸成分中のテレフタル酸の割合は、60〜100モル%であることが好ましい。
ジアミン化合物としては、例えば、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、3,3′−ジアミノジフェニルスルホン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アミノフェノキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、3,3′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、4,4′−ジアミノ−2,2−ジメチルビフェニル、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−4,4′−ジアミノビフェニルが挙げられる。これらジアミン化合物は、単独で用いられてもよく、また2種以上が併用されてもよい。
耐熱性や機械的強度、電気特性、耐薬品性に優れることから、ポリイミド系樹脂は、テトラカルボン酸二無水物がピロメリット酸二無水物であり、ジアミン化合物が4,4′−ジアミノジフェニルエーテルである構成や、テトラカルボン酸二無水物が3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物であり、ジアミン化合物がp−フェニレンジアミンである構成が好ましい。
トリカルボン酸成分としては、トリメリット酸、ジフェニルエーテル−3,3′,4′−トリカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3′,4′−トリカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3′,4′−トリカルボン酸などが挙げられ、ジアミン成分としては、前記ポリイミド系樹脂を構成するジアミン化合物として例示したものが挙げられる。
ポリアミドイミドは、通常、無水トリメリット酸とジイソシアネートとの反応、または無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応により重合した後、イミド化することにより製造することができる。
また、樹脂フィルムには、接着層と積層する場合の密着性などを考慮して、表面に前処理としてコロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、薬品処理、溶剤処理などが施されていてもよい。
樹脂フィルムの厚みは、0.5μm〜1.5mmであることが好ましく、15〜200μmであることがより好ましく、25〜100μmであることがさらに好ましい。樹脂フィルムの厚みが、0.5μm未満であると、製造が困難であり、1.5mmを超えると、取扱い上困難であるため好ましくない。樹脂フィルムは未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよい。
本発明の積層体は、樹脂フィルムの少なくとも片面に接着層が設けられたものであり、例えば、ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを含有する接着層形成用塗剤を、樹脂フィルムに塗布、乾燥することにより製造することができる。
接着層形成用塗剤は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤とを、水性媒体または溶剤に分散または溶解したものであり、作業環境面を考慮して、水性媒体に分散させた水性分散体であることが好ましい。水性媒体は、水を主成分とする液体であり、後述する塩基性化合物や親水性有機溶剤を含有してもよい。
本発明における水性分散体は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂中のカルボキシル基が塩基性化合物で中和されており、アルカリ性域で安定した形態を保つことができる。水性分散体のpHとしては、7〜13の範囲が好ましい。塩基性化合物としては、常圧時の沸点が185℃未満の塩基性化合物が好ましい。
塩基性化合物の常圧時の沸点が185℃を超えると、水性塗剤を塗布して塗膜を形成する際に、乾燥によって塩基性化合物、特に有機アミン化合物を揮発させることが困難になり、衛生面や塗膜特性に悪影響を及ぼす場合がある。
保護コロイド作用を有する化合物としては、ポリビニルアルコール、カルボキシル基変性ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、変性デンプン、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸およびその塩、カルボキシル基含有ポリエチレンワックス、カルボキシル基含有ポリプロピレンワックス、カルボキシル基含有ポリエチレン−プロピレンワックスなどの数平均分子量が通常は5000以下の酸変性ポリオレフィンワックス類およびその塩、アクリル酸−無水マレイン酸共重合体およびその塩、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、イソブチレン−無水マレイン酸交互共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体などの不飽和カルボン酸含有量が10質量%以上のカルボキシル基含有ポリマーおよびその塩、ポリイタコン酸およびその塩、アミノ基を有する水溶性アクリル系共重合体、ゼラチン、アラビアゴム、カゼインなど、一般に微粒子の分散安定剤として用いられている化合物などが挙げられる。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の水性分散体を得るにあたっては、密閉可能な容器を用いることが好ましい。つまり、密閉可能な容器に各成分を仕込み、加熱、攪拌する手段が好ましく採用される。
具体的に、まず、所定量のダイマー酸系ポリアミド樹脂と、塩基性化合物と、水性媒体とを容器に投入する。なお、前述したように、水性媒体中に塩基性化合物や後述する親水性有機溶剤を含有させてもよいので、例えば、塩基性化合物を含有する水性媒体を用いるのであれば、別途、塩基性化合物を投入せずとも、結果的に容器中に塩基性化合物が仕込まれることになる。
次に、容器を密閉し、好ましくは70〜280℃、より好ましくは100〜250℃の温度で、加熱撹拌する。加熱攪拌時の温度が70℃未満になると、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の分散が進み難く、樹脂の数平均粒子径を0.5μm以下とすることが難しくなる傾向にあり、一方、280℃を超えると、ダイマー酸系ポリアミド樹脂の分子量が低下する恐れがあり、また、系の内圧が無視できない程度まで上がることがあり、いずれも好ましくない。
加熱撹拌する際は、樹脂が水性媒体中に均一に分散されるまで毎分10〜1000回転で加熱撹拌することが好ましい。
前述の塩基性化合物のときと同様、水性媒体中に親水性有機溶剤を含有させてもよいので、親水性有機溶剤を含有する水性媒体を用いるのであれば、別途、親水性有機溶剤を追加投入せずとも、結果的に容器中に親水性有機溶剤が仕込まれることになる。
そして、水性分散体を冷却した後は、直ちにこれを払い出し、次なる工程に供しても基本的に何ら問題ない。しかしながら、容器内には異物や少量の未分散樹脂が稀に残っていることがあるため、水性分散体を払い出す前に、一旦濾過工程を設けることが好ましい。濾過工程としては、特に限定されないが、例えば、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(例えば空気圧0.5MPa)する手段が採用できる。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の水性分散体を得た後は、この水性分散体と、架橋剤を含む分散体または溶液とを適量混合することで、接着層形成用水性塗剤を得ることができる。
有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノール、n−ヘキサノール、シクロヘキサノールなどのアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチルブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロンなどのケトン類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、炭酸ジエチル、炭酸ジメチルなどのエステル類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどのグリコール誘導体;さらには、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコール、アセト酢酸エチル、トルエン、キシレン、シクロヘキサンが挙げられ、必要に応じて、これらの有機溶剤を混合して用いてもよい。
前述の樹脂フィルムに接着層を設ける方法として、二軸延伸された樹脂フィルムに対し、上記接着層形成用塗剤を塗布する方法(オフライン法)、二軸延伸前の樹脂フィルムに対し、接着層形成用塗剤を塗布した後、延伸および熱処理する方法(インライン法)が挙げられ、いずれの方法も採用できる。また、被着体となる基材に接着層を設けたものを樹脂フィルムと貼り合せることにより接着層を設ける方法や、離型フィルムなどの基材フィルムの上に接着層を形成したものを樹脂フィルムと貼り合せたのち離型フィルムを剥離することで接着層を転写させるなどの方法を採用することもできる。
さらに、樹脂フィルムの製造工程中に接着層形成用塗剤を塗布するインライン法は、オフラインでの塗布に比べると、製造工程を簡略化することができるばかりか、接着層の薄膜化により、コスト面でも有利である。
また、逐次二軸延伸法を採用する場合には、一軸方向に延伸された樹脂フィルムに、接着層形成用塗剤を塗布し、その後、樹脂フィルムを前記方向と直交する方向にさらに延伸することが、簡便さや操業上の理由から好ましい。
本発明の積層体は、ダイマー酸系ポリアミド樹脂と架橋剤を含有する接着層と、特定の樹脂フィルムとから構成されるため、透明性を有し、樹脂フィルムと接着層との密着性に優れ、また短時間の製造工程においても接着層は被着体との接着性に優れる。したがって、本発明の積層体は、片面接着シートとして被着体との接着や、両面接着シートとして被着体どうしの接着に使用することができ、積層体と被着体とが接着されてなる物品を製造することができる。
本発明の積層体と被着体とを接着する方法としては、特に限定されないが、具体的には、熱プレスによって貼り合わる方法、積層体の上に樹脂を溶融押出して貼り合わせる方法、積層体の上にコーティングする方法、蒸着により膜を形成する方法などが挙げられる。
熱プレスによる貼り合わせに使用する被着体は、特に限定されないが、例えば、金属、樹脂、またはセラミックなどが挙げられる。
金属としては、銅、スズ、アルミニウム、鉛、真鍮、亜鉛、銀、クロム、チタン、白金、ガリウム、インジウム、アンチモン、モリブデン、コバルト、パラジウム、タングステン、ゲルマニウム、アンチモン及びこれらの混合物、化合物、合金などが挙げられる。
金属板の厚みは、特に限定されない。
金属の形状は特に限定されず、板状、棒状、ワイヤ状、チューブ状、フォイル上、ブロック状など、いずれの形状でもよい。
金属の成形加工の方法は特に限定されず、鋳造、塑性加工、板金成形、切削加工、冷間圧造、プレス加工、絞り加工、押出成形、ねじ切り加工など様々な方法で成形したものが使用可能である。また、機械加工、施盤加工、ねじ切り加工、研削加工、ヤスリがけ加工などの表面処理が施されることにより、表面が、鏡面、粗面になっているものを使用できる。また、表面に、メッキ、溶射、酸化、防錆、焼入れ、塗装、コーティングなどの処理が施されていてもよい。
樹脂としてはポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリウレタン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど挙げられる。
セラミックとしては、アルミナ、チッ化アルミ、チッ化ケイ素、ステアタイト、サイアロン、ジルコニア、炭化ケイ素、フォルステライト、コージライトなどが挙げられる。セラミックとしては、特に限定されないが、具体的には、チタン酸バリウム、窒化ホウ素、チタン酸ジルコン酸鉛、フェライト、アルミナ、フォルステライト、ジルコン、ムライト、ステアタイト、コーディエライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、ステアタイト、酸化亜鉛、ジルコニア、サイアロン、炭化ケイ素、フォルステライト、コージライト、イットリウム系超伝導体、ビスマス系超伝導体などが挙げられる。
硬化性樹脂としては、電離放射線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂、熱可塑性樹脂などが挙げられ、接着層を設けた樹脂フィルムに対する層形成作業が容易であり、かつ鉛筆硬度を所望の値に容易に高めやすいことから、電離放射線硬化型樹脂が好ましい。
ハードコート層の形成に用いられる硬化性樹脂の具体例として、例えば、アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、メラミン系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等が挙げられる。析出オリゴマーのさらなる低減、干渉斑のさらなる低減、およびハードコート層と樹脂フィルムに対する接着性の観点から、アクリル系樹脂およびシリコーン系樹脂が好ましく、アクリル系樹脂がより好ましい。
なお、ポリエステルアクリレートまたはウレタンアクリレートを構成する(メタ)アクリレート化のための単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレートなどがある。
具体的なポリイソシアネート化合物としては、メチレン・ビス(p−フェニレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート・ヘキサントリオールの付加体、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンのアダクト体、1,5−ナフチレンジイソシアネート、チオプロピルジイソシアネート、エチルベンゼン−2,4−ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート二量体、水添キシエイレンジイソシアネート、トリス(4−フェニルイソシアネート)チオフォスフェートなどが例示できる。
具体的なポリオール化合物としては、ポリオキシテトラメチレングリコールなどのポリエーテル系ポリオール、ポリアジペートポリオール、ポリカーボネートポリオールなどのポリエステル系ポリオール、アクリル酸エステル類とヒドロキシエチルメタアクリレートとのコポリマーなどが例示できる。
ポリエステルアクリレートは、ポリエステルの構成成分の選択により、極めて高い硬度のハードコート層を形成することができる観点から好ましい。
そこで、高硬度と可撓性とを両立しやすいことから、アクリル系樹脂の合計量を100質量部としたとき、ウレタンアクリレート60〜90質量部およびポリエステルアクリレート40〜10質量部を配合させたアクリル系樹脂から形成されたハードコート層が好ましい。
例えば、本発明の積層体に金属が接着された物品は、フレキシブルブリント基板、センサー部品などに適用可能である。また、ハードコート層が接着された物品は、樹脂フィルムと接着層との密着性に優れるともに、接着層とハードコート層との密着性は、湿熱環境下においても優れ、透明性、耐屈曲性に優れ、また、傷つきを防止するハードコート層を有しているため、次世代ディスプレイパネルの有機ELを使用したフレキシブルディスプレイ用途などに使用することができる。
その他にも、本発明の積層体に各種被着体や機能層を接着することで、医薬品包装材料、レトルト食品などの食品包装材料、半導体パッケージ用などの電子部品包装材料、モーター、トランス、ケーブルなどのための電気絶縁材料、コンデンサ用途などの誘導体材料、カセットテープ、デジタルデータストレージ向けデータ保存用磁気テープ、ビデオテープなどの磁気テープ用材料、太陽電池基板、液晶板、導電性フィルム、有機LED、センサーに実装するフィルム、表示機器などの保護板、LED実装基板、フレキシブルプリント配線板、フレキシブルフラットケーブルなどの電子基板材料、フレキシブルプリント配線用カバーレイフィルム、耐熱マスキング用テープ、工業用テープなどの耐熱粘着テープ、耐熱バーコードラベル、耐熱リフレクター、各種離型フィルム、耐熱粘着ベースフィルム、写真フィルム、成形用材料、農業用材料、医療用材料、土木、建築用材料、ろ過膜など、家庭用、産業資材用のフィルムなどとして好適に使用することが可能である。
(1)ダイマー酸系ポリアミド樹脂
〔酸価、アミン価〕
JIS K 2501に記載の方法により測定した。
樹脂10mgをサンプルとし、顕微鏡用加熱(冷却)装置ヒートステージ(リンカム社製、Heating−Freezing ATAGE TH−600型)を備えた顕微鏡を用いて、昇温速度20℃/分の条件で測定を行い、樹脂が溶融した温度を軟化点とした。
テトラクロロエタン(d2)中、120℃にて1H-NMR分析(バリアン社製、300MHz)を行い、求めた。
〔固形分濃度〕
得られた水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
pHメータ(堀場製作所社製、F−52)を用い、pHを測定した。
B型粘度計(トキメック社製、DVL−BII型デジタル粘度計)を用い、温度25℃における回転粘度(mPa・s)を測定した。
水性分散体中の樹脂の数平均粒子径は、日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340)を用いて動的光散乱法によって測定した。
〔密着性〕
実施例で作製した積層体の接着層について、JIS K 5600に記載の方法に従い、クロスカット法によって、セロハンテープ剥離後の残存率にて評価した。各密着性は、実用上の性能を考えた場合、残存率が80%以上であれば問題ないと言える。
実施例で得られた積層体を、濁度計(日本電飾工業社製、「NDH2000」)を用い、JIS K 7136に従って測定した。
(4.1)接着性
実施例で作製した、積層体にポリイミドフィルムを接着した物品から、幅25mm、長さ10cmの測定サンプルを切り出し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、室温下、引張り速度200mm/分の条件にてT型剥離試験を行うことにより剥離強度を測定し、その値の大きさで接着性を評価した。なお、測定はn=5で行い、その平均値を剥離強度とした。実用上の強度として、4N/25mm以上であることが好ましい。
実施例で作製した、積層体にポリイミドフィルムを接着した物品から、幅25mm、長さ10cmの測定サンプルを切り出し、引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、80℃、引張速度200mm/分の条件にてT型剥離試験を行うことにより剥離強度を測定し、その値の大きさで熱間接着性を評価した。なお、測定はn=3で行い、その平均値を剥離強度とした。実用上の性能を考えた場合、80℃下で測定した剥離強度は、(4.1)で測定した剥離強度の60%以上の維持率を有していることが好ましい。
実施例で作製した、積層体にポリイミドフィルムを接着した物品を、−20℃で30分、次いで2時間かけて150℃まで昇温後、150℃で30分保持した後、再び2時間かけて−20℃まで降温するサイクルを1サイクルとし、これを100サイクル繰り返した。
引張り試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、室温下、引張り速度200mm/分の条件にてT型剥離試験を行うことにより剥離強度を測定し、その値の大きさで耐ヒートサイクル性を評価した。実用上の性能を考えた場合、ヒートサイクルを行った後の剥離強度は、(4.1)で測定した剥離強度の50%以上の維持率を有していることが好ましい。
(5.1)密着性
実施例で作製したハードコートフィルムの、樹脂フィルムと接着層との密着性、および接着層にハードコート層を積層後の積層体全体についての密着性については、JIS K 5600に記載の方法に従い、クロスカット法によって、セロハンテープ剥離後の残存率にて評価した。各密着性は、実用上の性能を考えた場合、残存率が85%以上であれば問題ないと言える。
ハードコートフィルムの、樹脂フィルムと接着層との耐湿熱性、および接着層とハードコート層との耐湿熱性については、積層体を恒温恒湿槽中で80℃、95%RHの環境下48時間放置後、室温常湿で12時間放置し、前記(5.1)と同様の方法で密着性を求めた。密着性は、実用上の性能を考えた場合、残存率が85%以上であれば問題ないと言える。
ハードコートフィルム(以下、ハードコート層を形成した側の面を表面とし、その反対側面を裏面とする)を、30mm×100mmの長方形にカットして作製したサンプルを、耐久試験機(DLDMLH−FU、ユアサシステム機器社製)に曲げ内径が5mmとなるようにして取り付け、サンプルの表面の全面を180度折り畳む試験(裏面が外側となるように折り畳む試験)を10000回行い、以下のように評価した。なお、実用的には評価A〜Cが求められている。
A:10000回まで、サンプルに折れ痕、割れ、白化、ハードコート層の剥がれや浮きは生じなかった。
B:5000回までサンプルに変化はなかったが、10000回までに、折れ痕、割れ、白化、ハードコート層の剥がれや浮きのいずれかが生じた。
C:1000回までサンプルに変化はなかったが、5000回までに、折れ痕、割れ、白化、ハードコート層の剥がれや浮きのいずれかが生じた。
D:500回までサンプルに変化はなかったが、1000回までに、折れ痕、割れ、白化、ハードコート層の剥がれや浮きのいずれかが生じた。
E:250回ではサンプルに変化はなかったが、500回までに、折れ痕、割れ、白化、ハードコート層の剥がれや浮きのいずれかが生じた。
F:100回ではサンプルに変化はなかったが、250回までに、折れ痕、割れ、白化、ハードコート層の剥がれや浮きのいずれかが生じた。
G:100回までに、折れ痕、割れ、白化、ハードコート層の剥がれや浮きのいずれかが生じた。
ハードコートフィルムを、濁度計(日本電飾工業社製、「NDH2000」)を用い、JIS K 7136に従って測定した。
ハードコートフィルムを10cm×15cmの面積に切り出し、ハードコート層を形成した側の面とは反対の面に黒色光沢テープ(ヤマト製、ビニールテープNo.200−5黒)を貼り合わせ、ハードコート面を上面にして、3波長形昼白色蛍光灯(ナショナルパルック、F.L15EX−N15W)を光源として、30〜60°の斜め上方より反射光を目視で観察した。
良:干渉縞が見られず、外観が良好。
可:干渉縞がわずかにみられるが、実用上問題のないレベルの外観。
不可:干渉縞が非常に目立ち、外観が不良。
ハードコートフィルムについて、鉛筆硬度をJIS K 5600−5−4(1999)に基づいて測定した(1kg荷重)。実用上の性能を考えた場合、鉛筆硬度はH以上であることが望ましい。
ハードコートフィルムを10cm×15cmの面積に切り出し、ハードコート層表面を、#0000番のスチールウール(商品名:BONSTAR、日本スチールウール社製)を用いて、1kg/cm2の荷重をかけながら、速度50mm/secで3500回往復摩擦し、その後のハードコート層表面についた傷の数を目視にて確認した。実用上の性能を考えた場合、傷は20本未満が好ましく、10本未満がより好ましい。
(6.1)剥離強力
(6.1.1)ヒートサイクル試験前の剥離強力
実施例、比較例で作製した金属板積層物品A、Bから、幅25mm、長さ10cmの測定用サンプルを切り出し、金属板の表面を両面テープでステンレス板に貼り合わせて固定し、樹脂フィルムを掴んで、引張試験機(インテスコ社製精密万能材料試験機2020型)を用い、室温下、引張速度200mm/分の条件にてT型剥離試験を行い、剥離強度を測定し、その値の大きさで接着性を評価した。なお、測定サンプルを5枚採取し、その平均値をヒートサイクル試験前の剥離強力とした。
また、金属板積層物品AとBを、−20℃で30分、次いで2時間かけて150℃まで昇温後、150℃で30分保持した後、再び2時間かけて−20℃まで降温するサイクルを1サイクルとし、これを100サイクル繰り返した。ヒートサイクル試験後の物品AとBについて、上記と同様の方法で、剥離強力を測定し、ヒートサイクル試験後の接着性の評価を行った。実用上、剥離強力は、ヒートサイクル試験前後共に4N/25mm以上であることが好ましい。
前記ヒートサイクル試験後の物品AとBについて、さらに260℃×15分間保持し、その後の外観を、下記判断基準で目視にて確認した。なお、この耐熱試験は、本発明の積層体が、実際に装置部品として用いられる状態、特にリフローはんだに供される状態を想定している。
最良:フクレ、剥がれが見られない。かつ積層体に外観異常が全く認められない。
良:フクレ、剥がれが見られない。ただし積層体にやや歪みが見られる。
可:フクレもしくは剥がれが見られる。
不可:フクレと剥がれ両方が見られる
〔ダイマー酸系ポリアミド樹脂P−1〕
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を100モル%含有し、ジアミン成分としてエチレンジアミンを100モル%含有し、酸価が10.0mgKOH/g、アミン価が0.1mgKOH/g、軟化点が158℃であるポリアミド樹脂。
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を85モル%、アゼライン酸を15モル%含有し、ジアミン成分としてピペラジンを50モル%、エチレンジアミンを50モル%含有し、酸価が15.0mgKOH/g、アミン価が0.3mgKOH/g、軟化点が110℃であるポリアミド樹脂。
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を100モル%含有し、ジアミン成分としてエチレンジアミンを100モル%含有し、酸価が20.3mgKOH/g、アミン価が0.1mgKOH/g、軟化点が129℃であるポリアミド樹脂。
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を60モル%、アゼライン酸を40モル%含有し、ジアミン成分としてピペラジンを50モル%、エチレンジアミンを50モル%含有し、酸価が10.5mgKOH/g、アミン価が0.1mgKOH/g、軟化点が165℃であるポリアミド樹脂。
ジカルボン酸成分として、ダイマー酸を100モル%、ジアミン成分としてエチレンジアミンを100モル%含有し、酸価が10.0mgKOH/g、アミン価が1.0mgKOH/g、軟化点が163℃であるポリアミド樹脂。
ポリオレフィン樹脂として、住友化学社製「ボンダインLX4110」を用いた。
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、75.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−1、37.5gのイソプロパノール(IPA)、37.5gのテトラヒドロフラン(THF)、7.2gのN,N−ジメチルエタノールアミンおよび217.8gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、100gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、水の混合媒体約100gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−1を得た。E−1の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.040μm、pHは10.4、粘度は36mPa・sであった。
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、75.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−2、93.8gのIPA、6.0gのN,N−ジメチルエタノールアミンおよび200.3gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、130gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、水の混合媒体約130gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−2を得た。E−2の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.052μm、pHは10.6、粘度は30mPa・sであった。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−1の製造において、樹脂P−1を樹脂P−3に変更した以外は同様の製造方法で、ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−3を得た。E−3の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.058μm、pHは10.3、粘度は45mPa・sであった。
撹拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、110.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−4、110.0gのIPA、110.0gのTHF、9.2gのN,N−ジメチルエタノールアミン、11.0gのトルエン、および199.8gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、330gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、トルエン、水の混合媒体約330gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−4を得た。E−4の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.065μm、pHは10.3、粘度は8mPa・sであった。
攪拌機およびヒーター付の密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、75.0gのダイマー酸系ポリアミド樹脂P−5、37.5gのIPA、37.5gのTHF、7.2gのN,N−ジメチルエタノールアミン、および217.8gの蒸留水を仕込んだ。回転速度を300rpmで撹拌しながら、系内を加熱し、120℃で60分間加熱攪拌を行った。その後、撹拌しながら室温付近(約30℃)まで冷却し、100gの蒸留水を追加した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)でごくわずかに加圧しながらろ過した。得られた水性分散体を1Lナスフラスコに入れ、80℃に加熱した湯浴につけながらエバポレーターを用いて減圧し、IPA、THF、トルエン、水の混合媒体約100gを留去し、乳白色の均一なダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−5を得た。E−5の固形分濃度は20質量%、分散体中の樹脂の数平均粒子径は0.045μm、pHは10.6、粘度は5mPa・sであった。
攪拌機およびヒーター付きの密閉できる耐圧1リットル容ガラス容器に、60.0gのポリオレフィン樹脂P−6、28.0gのIPA、1.5gのTEAおよび210.5gの蒸留水をガラス容器内に仕込み、撹拌翼の回転速度を300rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にヒーターの電源を入れ加熱した。そして系内温度を140℃に保ってさらに20分間撹拌した。その後、水浴につけて、回転速度300rpmのまま攪拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した後、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、乳白色の均一なポリオレフィン樹脂水性分散体N−1を得た。
〔半芳香族ポリアミド樹脂T−1〕
1343gの1,9−ノナンジアミン(NMDA)、237gの2−メチル−1,8−オクタンジアミン(MODA)、1627gのテレフタル酸(TPA)(平均粒径:80μm)(NMDA:MODA:TPA=85:15:99、モル比)、48.2gの安息香酸(BA)(ジカルボン成分とジアミン成分の総モル数に対して4.0モル%)、3.2gの亜リン酸(PA)(ジカルボン成分とジアミン成分の合計量に対して0.1質量%)、1100gの水を反応装置に入れ、窒素置換した。さらに、80℃で0.5時間、毎分28回転で攪拌した後、230℃に昇温した。その後、230℃で3時間加熱した。その後冷却し、反応物を取り出した。該反応物を粉砕した後、乾燥機中において、窒素気流下、220℃で5時間加熱し、固相重合してポリマーを得た。そして、シリンダー温度320℃の条件下で溶融混練してストランド状に押し出した。その後、冷却、切断して、ペレット状の半芳香族ポリアミド樹脂T−1を調製した。
100質量部の半芳香族ポリアミド樹脂T−1、および0.2質量部の3,9−ビス[2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(GA)(住友化学社製、「スミライザーGA−80」、熱分解温度392℃)をシリンダー温度320℃に加熱した、スクリュー経が50mmである単軸押出機に投入して溶融して、溶融ポリマーを得た。該溶融ポリマーを金属繊維焼結フィルター(日本精線社製、「NF−10」、絶対粒径:30μm)を用いて濾過した。その後、320℃にしたTダイよりフィルム状に押出し、フィルム状の溶融物とした。50℃に設定した冷却ロール上に、該溶融物を静電印加法により密着させて冷却し、実質的に無配向の未延伸フィルム(厚さ:250μm)を得た。
次に、この未延伸フィルムの両端をクリップで把持しながら、テンター方式同時二軸延伸機(入口幅:193mm、出口幅:605mm)に導いて、同時二軸延伸をおこなった。延伸条件は、予熱部の温度が120℃、延伸部の温度が130℃、MDの延伸歪み速度が2400%/分、TDの延伸歪み速度が2760%/分、MDの延伸倍率が3.0倍、TDの延伸倍率が3.3倍であった。
そして、同テンター内で、270℃で熱固定を行い、フィルムの幅方向に5%の弛緩処理を施し、厚さ25μm、ヘイズ4.2%、全光線透過度88.0%の二軸延伸フィルムを得た。
得られた二軸延伸半芳香族ポリアミド樹脂フィルムを樹脂フィルムF−1として使用した。
半芳香族ポリアミド樹脂T−1をナイロン6T樹脂(三井化学社製 アーレンE)に変更した以外は、半芳香族ポリアミド樹脂フィルムF−1と同様の操作でフィルムを得た。得られたナイロン6Tフィルムを樹脂フィルムF−2として使用した。
樹脂フィルムF−3として、ポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製 カプトン100H、厚み25μm)を使用した。
樹脂フィルムF−4として、ポリエーテルイミドフィルム(三菱樹脂社製 スペリオUT、厚み25μm)を使用した。
半芳香族ポリアミド樹脂T−1を芳香族ナイロン樹脂(ユニチカ社製 ゼコットXN500)に変更し、半芳香族ポリアミド樹脂フィルムF−1と同様の操作でフィルムを得た。得られた芳香族ナイロンフィルムを樹脂フィルムF−5として使用した。
樹脂フィルムF−6として、ポリイミドフィルム(三菱ガス社製 ネオプリムL−3450 30μm、ヘイズ1.0%、全光線透過度91.0%)を使用した。
樹脂フィルムF−7として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製 エンブレット S-25、厚み25μm、ヘイズ4.5%、全光線透過度88%)を使用した。
樹脂フィルムF−8として、ナイロン6フィルム(ユニチカ社製 エンブレムON−25、厚み25μm、ヘイズ4.0%、全光線透過度88%)を使用した。
半芳香族ポリアミド樹脂T−1をナイロン6,6樹脂(宇部興産社製 UBEナイロン66)に変更し、半芳香族ポリアミド樹脂フィルムF−1と同様の操作でフィルムを得た。得られたナイロン6,6フィルムを樹脂フィルムF−9として使用した。
樹脂フィルムF−10として、ポリエーテルエーテルケトンフィルム(クラボウ社製 EXPEEK、厚み25μm)を使用した。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂水性分散体E−1と、オキサゾリン基含有高分子水溶液(日本触媒社製、エポクロスWS−700、固形分濃度25質量%)とを、それぞれの固形分が100質量部/10質量部の割合になるように配合し、室温で5分間混合攪拌して接着層形成用塗剤を得た。
得られた塗剤を半芳香族ポリアミド樹脂フィルムF−1に乾燥後厚み3μmで塗布し、150℃、30秒の条件で乾燥し、積層体を得た。
(ポリイミドフィルムの接着)
得られた積層体の接着層表面に、被着体としてポリイミドフィルム(東レ・デュポン社製 カプトン100H、厚み25μm)を重ね合わせ、ヒートプレス機(シール圧0.2MPa、200℃、10分間)でプレスし、積層体にポリイミドフィルムを接着した物品を得た。
(ハードコート層の積層)
得られた積層体の接着層表面に、ハードコート層形成用塗液(アクリル系ハードコート樹脂(大日精化社製 セイカビームEXF01BPHC))を硬化後の厚み3μmで塗布し、低圧水銀灯UVキュア装置(東芝ライテック社製 40mW/cm 一灯式)でキュアリングを行い、積層体に被着体としてハードコート層を積層した物品(ハードコートフィルム)を得た。
(金属板の積層)
得られた積層体の接着層表面に、金属板としての電解銅箔(古河電工社製、表面CTS処理、厚み18μm)を重ね合わせ、ヒートプレス機(180℃、15分間、2MPa)でプレスし、金属板、接着層、樹脂フィルムの順から構成される物品A(180℃×15minプレス品)を得た。
またヒートプレス機(200℃、120分間、2MPa)でプレスし、金属板、接着層、樹脂フィルムの順から構成される物品B(200℃×120minプレス品)を得た。
なお、実施例1Bにおいて、金属板として、アルミニウム箔(東洋アルミニウム社製、A1N30、厚み15μm)を使用し、実施例1Cにおいては、ステンレス箔(日新製鋼社製、SUS−304−H−TA、厚み20μm)を使用した。
水性分散体の種類、架橋剤の種類と固形分量、また樹脂フィルムの種類が表1記載のものになるようにした以外は実施例1と同様の操作を行って、接着剤形成用塗剤、積層体、物品を得た。なお、実施例8、9においては、架橋剤の水溶液として、エポキシ基含有高分子水溶液(ADEKA社製、アデカレジンEM−051R、固形分濃度49.8質量%)を使用し、実施例10においては、架橋剤の分散体として、カルボジイミド基含有高分子分散体(日清紡ケミカル社製、カルボジライトシリーズE−01、固形分濃度40質量%)を使用した。
また、比較例8においては、水性分散体の代わりにエポキシ樹脂を使用しており、具体的には、エポキシ樹脂(三菱ケミカル社製jER1001)100部と、硬化剤としてのジアミノジフェニルスルホン(東京化成工業社製)20部とを、メチルエチルケトン(東京化成工業株式会社製)に溶解分解させて、濃度40%の接着剤を得た。比較例9においては、ホットメルト樹脂(テクノアルファ社製STAYSTIK#383)を加温後、厚み15μmとなるようにし、実施例1と同様にして積層体を得た。
半芳香族ポリアミド樹脂T−1を、シリンダー温度を295℃(前段)、320℃(中段)および320℃(後段)に設定した65mm単軸押出機に投入して溶融し、320℃に設定したTダイよりフィルム状に押し出し、循環オイル温度を50℃に設定した冷却ロール上に、静電印加法により押し付けて密着させて冷却し、厚さ240μmの実質的に無配向の未延伸フィルムAを得た。なお、冷却ロールは、表面にセラミック(Al2O3)を0.15mm厚に被覆したものを用いた。また、ロール表面とフィルムとが接触する点よりも上流側にカーボンブラシを2つ並べて冷却ロールに接触させ、カーボンブラシのホルダーを接地することにより、セラミック被覆層の表面を除電した。電極には、直径0.2mmのタングステン線を用い、300W(15kV×20mA)の直流高圧発生装置で6.5kVの電圧を印加した。
次に、実施例1記載の方法で調製した接着層形成用塗剤を、グラビアロールで8.0g/m2となるように、未延伸フィルムAの片面に塗布した後、未延伸フィルムAの両端をクリップで把持しながら、テンター方式同時二軸延伸機(日立製作所社製)に導いて、予熱部温度125℃、延伸部温度130℃、縦延伸歪み速度2400%/min、横延伸歪み速度2760%/min、縦方向延伸倍率3.0倍、横方向延伸倍率3.3倍で同時二軸延伸した。そして、同テンター内で285℃の熱固定を行い、フィルムの幅方向に5%の弛緩処理を施した後、均一に徐冷し、フィルム両端をクリップから解放し、耳部をトリミングして、幅0.5mで長さ500mを巻取り、厚さ25μmの二軸延伸された半芳香族ポリアミドフィルム上に、厚さ150nmの接着層が設けられた積層体を得た。
実施例16と同様にして、未延伸フィルムAを得た。この未延伸フィルムAをロール式縦延伸機で105℃の条件下、3.0倍に延伸して縦延伸フィルムBを得た。
次いで、実施例1記載の方法で調製した接着層形成用塗剤を、縦延伸フィルムBの表面にグラビアロールで6.0g/m2となるように塗布したのち、その後連続的にフィルムの端部をフラット式延伸機のクリップに把持させ、140℃の条件下、横3.3倍に延伸を施し、その後、横方向の弛緩率を5%として、285℃で熱固定を行い、接着層が設けられた厚さ25μmの積層体を得た。
接着層におけるダイマー酸系ポリアミド樹脂のアミン価が本発明で規定する範囲を超える積層体(比較例2)は、ポリイミドフィルム接着物品において、接着性に劣っていた。
また、樹脂フィルムを構成する樹脂にポリエチレンテレフタレートを用いた場合(比較例3)、耐熱性に劣っていた。
樹脂フィルムを構成する樹脂にナイロン6、ナイロン6,6、ポリエーテルエーテルケトンを用いた場合(比較例4、5、6)、密着性、接着性、耐熱性に劣っていた。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の代わりにポリオレフィン樹脂の水性分散体を用いて接着層を設けた積層体(比較例7)は、ポリイミドフィルム接着物品において、接着性、耐熱性に劣っていた。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の代わりにエポキシ樹脂接着剤を用いて接着層を設けた積層体(比較例8)は、密着性、接着性に劣っていた。
ダイマー酸系ポリアミド樹脂の代わりにホットメルト樹脂を用いて接着層を設けた積層体(比較例9)は、密着性、接着性、耐熱性に劣っていた。
一方、接着層に架橋剤を含まない積層体(比較例1)の接着層にハードコート層を接着した物品は、積層体全体の密着性に劣り、耐屈曲性試験ではハードコート層の剥がれや浮きが生じ耐屈曲性に劣っていた。
また、樹脂フィルムを構成する樹脂にポリエチレンテレフタレートを用いた場合(比較例3)、ハードコート層を接着した物品は、耐屈曲性試験では折れ痕、割れ、白化が生じ耐屈曲性に劣り、干渉縞が非常に目立ち外観が不良であった。
樹脂フィルムを構成する樹脂にナイロン6を用いた場合(比較例4)、接着層は樹脂フィルムとの密着性に劣っており、樹脂フィルムと接着層の層間でズレが生じ、耐傷性試験を実施できなかった。
一方、接着層を構成する樹脂がポリオレフィン樹脂である場合(比較例7)、接着性で劣るものであり、ヒートサイクル試験後の物品には、フクレと剥がれ両方が見られた。
接着層を構成する樹脂がエポキシ樹脂である場合(比較例8)、金属板積層時のプレス温度が低く、プレス時間が短い物品Aは、接着性が低く、ヒートサイクル試験後にフクレや剥がれが生じており、また、金属板積層時のプレス温度を高め、プレス時間を長くした物品Bは、ヒートサイクル試験後にフクレや剥がれが生じなかったが、接着性が低いものであった。
接着層がホットメルト樹脂である場合(比較例9)、接着層の耐熱性が低いため物品Aのヒートサイクル試験後は接着層が積層体から溶け出てきたため剥離強力を測定することができず、ヒートサイクル試験後の物品には、フクレと剥がれ両方が見られた。また、金型板積層時のプレス温度を高め、プレス時間を長くした物品Bの作製時に接着層が積層体から溶け出てきたため、剥離強力を測定することができず、ヒートサイクル試験は実施できなかった。
Claims (8)
- 樹脂フィルムの少なくとも片面に接着層が設けられた積層体であり、
樹脂フィルムを構成する樹脂が、半芳香族ポリアミドであって、
接着層が、アミン価が1.0mgKOH/g未満であるダイマー酸系ポリアミド樹脂と、架橋剤としてのオキサゾリン化合物とを含有することを特徴とする積層体。 - ダイマー酸系ポリアミド樹脂100質量部に対し、架橋剤を0.5〜50質量部含有することを特徴とする請求項1記載の積層体。
- ダイマー酸系ポリアミド樹脂は、酸価が1〜20mgKOH/gであることを特徴とする請求項1または2記載の積層体。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の積層体と被着体とが接着されてなる物品。
- ヘイズが5.0%以下であることを特徴とする請求項4記載の物品。
- 前記物品がフレキシブルディスプレイ用物品であることを特徴とする請求項4または5記載の物品。
- 被着体が金属である請求項4記載の物品。
- 前記物品がフレキシブルプリント基板またはセンサー部品であることを特徴とする請求項4または7記載の物品。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016180081 | 2016-09-15 | ||
JP2016180081 | 2016-09-15 | ||
JP2018507055A JP6320669B1 (ja) | 2016-09-15 | 2017-09-15 | 物品 |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018507055A Division JP6320669B1 (ja) | 2016-09-15 | 2017-09-15 | 物品 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018118515A JP2018118515A (ja) | 2018-08-02 |
JP6970967B2 true JP6970967B2 (ja) | 2021-11-24 |
Family
ID=61619976
Family Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018507055A Active JP6320669B1 (ja) | 2016-09-15 | 2017-09-15 | 物品 |
JP2018029269A Active JP6970967B2 (ja) | 2016-09-15 | 2018-02-22 | 積層体 |
Family Applications Before (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018507055A Active JP6320669B1 (ja) | 2016-09-15 | 2017-09-15 | 物品 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
JP (2) | JP6320669B1 (ja) |
KR (1) | KR102375503B1 (ja) |
CN (1) | CN109689827B (ja) |
TW (1) | TWI713788B (ja) |
WO (1) | WO2018052104A1 (ja) |
Families Citing this family (16)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US10985344B2 (en) | 2017-10-27 | 2021-04-20 | Applied Materials, Inc. | Flexible cover lens films |
KR20200142594A (ko) | 2018-05-10 | 2020-12-22 | 어플라이드 머티어리얼스, 인코포레이티드 | 플렉서블 디스플레이를 위한 교체가능한 커버 렌즈 |
CN112135731B (zh) * | 2018-05-18 | 2023-03-24 | 株式会社大赛璐 | 层叠膜及可折叠设备 |
CN112601835A (zh) | 2018-08-14 | 2021-04-02 | 应用材料公司 | 用于柔性覆盖透镜的多层湿法-干法硬涂层 |
CN113226761A (zh) * | 2018-12-27 | 2021-08-06 | 尤尼吉可株式会社 | 层叠体 |
CN109652002B (zh) * | 2019-01-03 | 2021-03-16 | 山东凯恩新材料科技有限公司 | 一种高热稳定性的聚酰胺热熔胶及其制备方法 |
TWI822929B (zh) | 2019-01-28 | 2023-11-21 | 日商東洋紡股份有限公司 | 雙軸配向聚醯胺膜以及聚醯胺膜修邊捲筒 |
SG11202108962UA (en) * | 2019-02-21 | 2021-09-29 | Unitika Ltd | Laminated film and method for manufacturing same |
JP7492721B2 (ja) * | 2019-09-19 | 2024-05-30 | ユニチカ株式会社 | 易接着フィルム |
JP6986761B2 (ja) * | 2019-02-21 | 2021-12-22 | ユニチカ株式会社 | 積層フィルムおよびその製造方法 |
CN118522220A (zh) | 2019-06-26 | 2024-08-20 | 应用材料公司 | 可折叠显示器的柔性多层覆盖透镜堆叠 |
CN114531883B (zh) * | 2019-09-27 | 2024-07-09 | 日东电工株式会社 | 膜及其制造方法 |
CN111320963A (zh) * | 2020-05-01 | 2020-06-23 | 常州斯威克光伏新材料有限公司 | 一种聚合物锂电池软包装膜用粘合树脂 |
EP4059696A4 (en) * | 2020-11-18 | 2023-02-08 | Unitika Ltd. | MULTI-LAYER FILM AND METHOD OF PRODUCING THEREOF |
WO2022107752A1 (ja) * | 2020-11-18 | 2022-05-27 | ユニチカ株式会社 | 積層フィルムおよびその製造方法 |
CN115404020B (zh) * | 2022-10-14 | 2023-06-30 | 深圳市高仁电子新材料有限公司 | 一种用于全贴合和柔性折叠屏的三层结构的丙烯酸类光学胶膜及其制备方法 |
Family Cites Families (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS588409B2 (ja) * | 1975-01-14 | 1983-02-16 | 住友化学工業株式会社 | カキヨウガタサクサンビニル−エチレンキヨウジユウゴウタイスイセイブンサンエキノ セイゾウホウ |
US5319062A (en) * | 1991-07-31 | 1994-06-07 | Lion Corporation | Method for curing an epoxy resin with a polyamide derived from a polyamide and a substantially non-cyclic dimer acid |
JP2007321083A (ja) * | 2006-06-02 | 2007-12-13 | Toyo Ink Mfg Co Ltd | ポリアミド接着剤及びその利用 |
JP5278179B2 (ja) | 2009-06-09 | 2013-09-04 | 信越化学工業株式会社 | 接着剤組成物、並びにそれを用いた接着シート及びカバーレイフィルム |
JP2012224713A (ja) * | 2011-04-18 | 2012-11-15 | Sumitomo Electric Ind Ltd | フレキシブルプリント配線板用接着性樹脂組成物 |
JP2012232413A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Unitika Ltd | フレキシブルプリント配線板用のカバーレイおよびフレキシブルプリント配線板 |
JP2012234849A (ja) * | 2011-04-28 | 2012-11-29 | Unitika Ltd | フレキシブルプリント配線板用の銅張積層板およびフレキシブルプリント配線板 |
WO2014007119A1 (ja) * | 2012-07-04 | 2014-01-09 | Dic株式会社 | ヒートシール剤、それを用いた積層体及び太陽電池モジュール |
JP6074830B2 (ja) * | 2014-07-02 | 2017-02-08 | 東洋インキScホールディングス株式会社 | 熱硬化性樹脂組成物、接着性シート、硬化物およびプリント配線板 |
-
2017
- 2017-09-15 CN CN201780056637.4A patent/CN109689827B/zh active Active
- 2017-09-15 JP JP2018507055A patent/JP6320669B1/ja active Active
- 2017-09-15 KR KR1020197007866A patent/KR102375503B1/ko active IP Right Grant
- 2017-09-15 WO PCT/JP2017/033379 patent/WO2018052104A1/ja active Application Filing
- 2017-09-15 TW TW106131774A patent/TWI713788B/zh active
-
2018
- 2018-02-22 JP JP2018029269A patent/JP6970967B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
CN109689827A (zh) | 2019-04-26 |
CN109689827B (zh) | 2021-11-02 |
WO2018052104A1 (ja) | 2018-03-22 |
TWI713788B (zh) | 2020-12-21 |
JPWO2018052104A1 (ja) | 2018-09-13 |
TW201813818A (zh) | 2018-04-16 |
KR20190051988A (ko) | 2019-05-15 |
JP2018118515A (ja) | 2018-08-02 |
JP6320669B1 (ja) | 2018-05-09 |
KR102375503B1 (ko) | 2022-03-17 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6970967B2 (ja) | 積層体 | |
JP5697808B2 (ja) | 離型フィルムおよびその製造方法 | |
JP5774857B2 (ja) | 易滑性ポリエステルフィルムおよびその製造方法 | |
TWI774696B (zh) | 離型膜 | |
WO2020171115A1 (ja) | 積層フィルムおよびその製造方法 | |
JP2019051644A (ja) | 積層体 | |
JP7253802B2 (ja) | 積層体 | |
CN108602338B (zh) | 脱模膜 | |
TWI853793B (zh) | 積層體 | |
JP6986761B2 (ja) | 積層フィルムおよびその製造方法 | |
JP2012232413A (ja) | フレキシブルプリント配線板用のカバーレイおよびフレキシブルプリント配線板 | |
JP2022117777A (ja) | 積層体 | |
JP7055531B1 (ja) | 積層フィルムおよびその製造方法 | |
JP2020131673A (ja) | 積層フィルム | |
JP2017007280A (ja) | 離型シート | |
JP2017057257A (ja) | ポリオレフィン樹脂水性分散体、離型シート、及び離型シートの製造方法 | |
TW202231483A (zh) | 積層膜及其製造方法 | |
JP2020069664A (ja) | 離型シートおよびその製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200813 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210330 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20210518 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210702 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210928 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20211025 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6970967 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |