JP6969552B2 - 耐吸湿固結性が改善された固形状調味料 - Google Patents
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Description
固形状調味料は、主として、1食分もしくは1回の使用量が個包装された状態、または、複数食分もしくは複数回の使用量が一つに包装され、もしくは一つの容器に充填された状態で提供されている。特に、後者の固形状調味料は、使用量の調整が容易で、微妙な調味に便利であることから、その需要が高まっている。
しかしながら、これらの手法によっては、吸湿性が改善されたとしても吸湿に至る時間が遅くなるだけであり、根本的な吸湿性の改善には至らなかった。またこれらの手法は、呈味に関連せず、通常の調味料には不要である原料を添加する必要があるため、原料コストの上昇を招き、さらに、複雑な製造工程の実施を要する場合には、その工程により製造コストが上昇してしまうといった課題があった。
しかしながら、この手法は、全ての糖類についてその使用を厳しく制限するものであり、調味料の呈味に関する組成上のアプローチのみならず、その物性に関する組成上のアプローチ手法をも狭く限定してしまうという課題があった。特に、粉末状の調味料において賦形剤として汎用される乳糖の使用を制限することは、粉末状調味料の製法の自由度や製品安定性等に非常に大きな影響を及ぼし、従来通りに乳糖を賦形剤として使用できる方法が強く求められていた。
[1]食塩を固形状調味料の全量に対して30重量%〜50重量%と、食塩100重量部に対して0〜15重量部の砂糖を含有する、固形状調味料。
[2]砂糖の含有量が食塩100重量部に対して5重量部〜15重量部である、[1]に記載の固形状調味料。
[3]砂糖がグラニュー糖である、[1]または[2]に記載の固形状調味料。
[4]砂糖以外の糖類、食用油脂、エキス、タンパク質加水分解物、しょうゆ、うま味調味料、酸味料および香辛料からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、[1]〜[3]のいずれかに記載の固形状調味料。
[5]砂糖以外の糖類が乳糖である、[4]に記載の固形状調味料。
[6]粉末状または顆粒状である、[1]〜[5]のいずれかに記載の固形状調味料。
[7]複数食分または複数回の使用量が、一つに包装されまたは一つの容器に充填されている、[1]〜[6]のいずれかに記載の固形状調味料。
[8]食塩を固形状調味料の全量に対して30重量%〜50重量%含有する固形状調味料において、砂糖の含有量を、食塩100重量部に対して0〜15重量部とすることを含む、固形状調味料の吸湿および固結を抑制する方法。
[9]砂糖の含有量を、食塩100重量部に対して5重量部〜15重量部とする、[8]に記載の方法。
[10]砂糖がグラニュー糖である、[8]または[9]に記載の方法。
[11]砂糖以外の糖類、食用油脂、エキス、タンパク質加水分解物、しょうゆ、うま味調味料、酸味料および香辛料からなる群より選択される1種または2種以上を添加することを含む、[8]〜[10]のいずれかに記載の方法。
[12]砂糖以外の糖類が乳糖である、[11]に記載の方法。
[13]固形状調味料が粉末状または顆粒状である、[8]〜[12]のいずれかに記載の方法。
[14]固形状調味料が、複数食分または複数回の使用量が一つに包装されまたは一つの容器に充填された形態の固形状調味料である、[8]〜[13]のいずれかに記載の方法。
また本発明においては、砂糖以外の糖類は制限されることなく使用することが可能である。それゆえ、乳糖も従来通り賦形剤として使用することができ、固形状調味料の製法における制限が少ない。
さらに、本発明により、吸湿による固結が抑制される結果、特に、複数食分または複数回の使用量が、一つに包装されまたは一つの容器に充填された固形状調味料において、該調味料の包装体または容器が開封され、該調味料が繰り返し使用された場合、または該調味料の包装体または容器の開封後に、該調味料が長期間保存された場合においても、安定した品質が維持され得る。
なお、調味における使用性や効率の観点からは、本発明の固形状調味料は、粉末状または顆粒状であることが好ましい。
また、本明細書において「調味料」とは、料理に対して味付けをする目的で使用される食品または食品添加物をいう。
本発明の固形状調味料は、好ましくは、和風料理、洋風料理、中華風料理等の各種料理に使用する汁やスープに対して、鰹節、コンブ、シイタケ、煮干、鶏肉、牛肉等の香りおよび味を付与する風味調味料、または、水等に溶かすだけで、各種料理における汁やスープとして使用できるものとして、提供される。
本発明の固形状調味料に含有される食塩とは、固形状調味料において、結晶状態で存在する食塩をいう。食塩の結晶の形状および大きさは特に限定されないが、一般的に用いられる「食用塩」に見られる、一辺の長さが0.2mm〜0.75mm程度の正六面体であるものが好ましく用いられる。
本発明の固形状調味料において、食塩は、固形状調味料の全量に対し30重量%〜50重量%含有され、好ましくは35重量%〜45重量%含有される。
本発明において、砂糖としては、サトウキビ、テンサイ、サトウカエデ、オウギヤシ、スイートソルガム等のいずれを原料とするものでも、特に制限なく用いることができる。
また、本発明においては、上記原料から通常の製造方法によって生成される含蜜糖および分蜜糖のいずれも用いることができ、種々の結晶状態のものが用いられる。
含蜜糖としては、たとえば、黒砂糖、白下糖、カナソード(赤砂糖)、和三盆、ソルガム糖、メープルシュガー等が挙げられる。分蜜糖としては、結晶が大きく乾いてさらさらしているザラメ糖(たとえば、白双糖、中双糖、グラニュー糖等)、結晶が小さくしっとりとした手触りのある車糖(たとえば、上白糖、三温糖等)、ザラメ糖を原料として製造される加工糖(たとえば、角砂糖、氷砂糖、粉砂糖、顆粒状糖等)等が挙げられる。
本発明の目的には、ショ糖を主成分として含有する精製糖である上白糖や、結晶の取扱い性が良好なグラニュー糖が好ましく用いられ、グラニュー糖がより好ましく用いられる。
なお、本発明の固形状調味料に含有される砂糖とは、固形状調味料において、結晶状態で存在する砂糖をいう。
かかる栄養成分および呈味成分としては、炭水化物、脂質、タンパク質をはじめとする栄養素、栄養素の供給源となる各種エキス類、栄養強化剤、調味のために使用される食品および食品添加物等が挙げられる。
なお、本発明の固形状調味料には、各種エキスやしょうゆ等は、液体の状態でも含有させることができる。
砂糖以外の糖類、食用油脂、各種エキス、タンパク質加水分解物、しょうゆ、うま味調味料、酸味料および香辛料からなる群より選択される1種または2種以上は、それらの総含有量にして、固形状調味料の全量に対し、42.5重量%〜70重量%含有させることが好ましく、50重量%〜70重量%含有させることがより好ましい。
たとえば、食塩、砂糖、栄養成分および呈味成分に、賦形剤等の添加剤を加え、混和して均一とし、必要に応じて粉砕、整粒して、粉末状の調味料とすることができる。
また、食塩、砂糖、栄養成分および呈味成分に、必要に応じて結合剤を加えて混合し、撹拌造粒、押出造粒、流動層造粒等の一般的な造粒方法により造粒して、顆粒状の調味料とすることができる。
さらに、粉末状または顆粒状の調味料を、圧縮成形、押出成形等により成形し、キューブ状、ブロック状等の調味料とすることができる。
本発明の粉末状の固形状調味料の粒度は、通常約0.1mm〜0.3mmである。
また、本発明の顆粒状の固形状調味料の粒度は、通常約0.5mm〜3mmであり、好ましくは約0.8mm〜2mmである。
なお、固形状調味料の上記粒度は、通常、ふるい分け法により測定される。ふるい分け法による測定は、たとえば、日本工業規格(JIS) Z 8815−1994を参照して、電磁式振とう機AS200(レッチェ社製)を使用し、目開きが3.35mm、2.36mm、1.70mm、1.40mm、0.85mmおよび0.50mmのふるいを用いて、振幅2mm、2分間振とうの条件で行う。
本発明の固形状調味料を包装または充填する包装体または容器は、レールファスナー、シール等の付いた袋、パッキング付容器、ジッパー付きパウチ等の開封後に再密封が可能なものであってもよいが、開封後に再密封できない包装体または容器であっても、問題なく用いることができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内において、多様化する包装容器形態にて使用され得ることは勿論である。
本発明の固形状調味料は、空気中にさらされた場合においても吸湿し難く、固結が生じにくい。
それゆえ、1食分もしくは1回の使用量が個包装された形態の固形状調味料、および、複数食分もしくは複数回の使用量が一つに包装されもしくは一つの容器に充填された形態の固形状調味料のいずれにおいても、固形状調味料の吸湿および固結が良好に抑制される。特に、複数食分もしくは複数回の使用量が一つに包装されもしくは一つの容器に充填された形態の固形状調味料において、包装体や容器が開封された後固形状調味料が複数回繰り返し使用された場合や、固形状調味料が1回使用された後、長期間保存された場合にも、固形状調味料の吸湿および固結が良好に抑制される。
また、開封後に再密封することができない包装体や容器を用いた場合であっても、固形状調味料を良好に保存することができる。
さらに、本発明の固形状調味料においては、賦形剤として乳糖を使用することが制限されないため、従来通りの製造方法により固形状調味料を製造することが可能である。
本発明の製造方法は、固形状調味料の全量に対し30重量%〜50重量%の食塩と、前記食塩100重量部に対し、0〜15重量部の砂糖を含有させる工程を含む。
本発明の製造方法において、砂糖の含有量は、食塩100重量部に対し、5重量部〜15重量部とすることが好ましく、10重量部〜15重量部とすることがより好ましい。
なお、本発明の製造方法における「固形状調味料」、「食塩」および「砂糖」については、上記した通りであり、食塩および砂糖は、固形状調味料において、結晶状態で存在するものをいう。
栄養成分や呈味成分、食品用添加剤については、上記した通りである。
なお、味および栄養学的見地から、栄養成分や呈味成分として、砂糖以外の糖類、食用油脂、エキス、タンパク質加水分解物、しょうゆ、うま味調味料、酸味料および香辛料からなる群より選択される1種または2種以上を含有させることが好ましい。
また、固形状調味料の呈する甘味を補い、製剤安定性に寄与するという観点から、砂糖以外の糖類を含有させることが好ましく、乳糖を含有させることがさらに好ましい。
本発明の製造方法により製造される耐吸湿固結性の改善された固形状調味料の形態、粒度等については、上記した通りである。
本発明の方法は、食塩を30重量%〜50重量%含有する固形状調味料において、砂糖の含有量を、食塩100重量部に対し、0〜15重量部とすることを含む。
本発明の方法における砂糖の含有量は、食塩100重量部に対し、5重量部〜15重量部とすることが好ましく、10重量部〜15重量部とすることがより好ましい。
味および栄養学的見地から、本発明の方法は、好ましくは、さらに、砂糖以外の糖類、食用油脂、エキス、タンパク質加水分解物、しょうゆ、うま味調味料、酸味料および香辛料からなる群より選択される1種または2種以上を添加することを含む。
固形状調味料の呈する甘味を補いながら、賦形剤、結合剤等として固形状調味料の製剤安定化に寄与するという観点からは、本発明の方法は、より好ましくは、栄養成分および呈味成分として、砂糖以外の糖類を添加することを含み、さらに好ましくは、砂糖以外の糖類として乳糖を添加することを含む。
本発明の方法が、エキス、しょうゆ等の液状成分を添加することを含む場合、それらに含有された状態で添加され、固形状調味料中では結晶の状態で存在することになる食塩や砂糖の含有量は、上記した食塩の含有量、および食塩100重量部に対する砂糖の含有量比の算出に際して加味される。
また、本発明の方法における固形状調味料は、上記したように、1食分もしくは1回の使用量を個包装し、複数の個包装した固形状調味料を、さらに一つの包装体により包装し、もしくは一つの容器に収納した形態、あるいは、複数食分もしくは複数回の使用量を、一つの包装体により包装し、もしくは一つの容器に充填した形態で、提供され得る。
従って、本発明の方法は、1食分もしくは1回の使用量が個包装された形態の固形状調味料、および、複数食分もしくは複数回の使用量が、一つの包装体により包装され、もしくは一つの容器に充填された形態の固形状調味料のいずれにおいても、良好に適用されるが、複数食分もしくは複数回の使用量が、一つの包装体により包装され、もしくは一つの容器に充填された形態の固形状調味料において、より好ましく適用される。
表1に、固形状調味料に一般的に使用される原料である食塩、グラニュー糖、乳糖について、臨界相対湿度(CRH;Critical Relative Humidity)を測定した結果を示した。可溶性の粉体原料は、保存中に相対湿度(RH;Relative Humidity)が高くなり、CRHに達した時点で潮解に至り、場合によっては固結が生じる。CRHの測定は、水分活性測定システムAW−プロ(ロトロニック社製)により吸着等温線を求め、潮解時のAw値から判断することにより行った。水分活性の測定条件はDVS(動的水蒸気吸着;Dynamic Vapor Sorption)モード、温度=25℃、Aw上昇step=0.02とした。
実施例2は、食塩およびグラニュー糖を、食塩:グラニュー糖=9:1(重量比)にて混合した混合物(グラニュー糖の含有量=食塩100重量部に対して11.1重量部)について、CRHを測定したものである。
実施例3は、食塩および乳糖を、食塩:乳糖=5:5(重量比)にて混合した混合物について、CRHを測定したものである。
比較例2は、食塩およびグラニュー糖を、食塩:グラニュー糖=1:9(重量比)(グラニュー糖の含有量=食塩100重量部に対して900重量部)にて混合した混合物について、CRHを測定したものである。
比較例3は、グラニュー糖についてCRHを測定したものである。
これに対し、食塩100重量部に対するグラニュー糖の添加量がそれぞれ100重量部および900重量部である比較例1、2では、CRHはそれぞれ61%であり、食塩単体のCRH(73%)に比べて大きく低下した。また、グラニュー糖単体である比較例3のCRH(83%)と比較しても、CRHは大きく低下した。
すなわち、比較例1、2に比べ、実施例2、3では潮解が生じ難いことが示された。実施例2、3では、グラニュー糖または乳糖を含有するにもかかわらず、食塩単体の場合と同様に、潮解の生じにくい状態が維持されていることがわかる。
表2に示す含有量にて、食塩、グラニュー糖、乳糖およびその他の原料を混合し、押出造粒により造粒して、顆粒状の調味料を調製した。なお、その他の原料としては、しょうゆ、エキス(畜肉エキス、野菜エキスおよび酵母エキスの混合物)、香辛料(ガーリック、コショウ、ローレルおよびクローブ)ならびにうま味調味料(L−グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸二ナトリウムおよびコハク酸二ナトリウム)を、1:4:3:23の重量比にて混合して用いた。その他の原料に含まれる塩分は、調味料に対して約0.2重量%であった。
実施例5および6の各調味料におけるグラニュー糖の含有量は、食塩100重量部に対し、それぞれ14.6重量部および7.3重量部であり、実施例7の調味料はグラニュー糖を含有しない。
一方、比較例4の調味料におけるグラニュー糖の含有量は、食塩100重量部に対し、34.0重量部である。
固結時間の測定結果は、表2に併せて示した。また、各調味料の水分量の経時的な変化の様子を図1に示し、固結に至った時期を、図中「↑」にて示した。
本発明の固形状調味料は、1食分もしくは1回の使用量が個包装された形態、または、複数食分もしくは複数回の使用量が一つに包装されもしくは一つの容器に充填された形態で提供され得る。前記のいずれの形態で提供される場合でも、固形状調味料の吸湿による固結が良好に抑制される。特に、複数食分もしくは複数回の使用量が一つに包装されもしくは一つの容器に充填された形態の固形状調味料において、包装体もしくは容器の開封後、固形状調味料が複数回使用された場合や、包装体もしくは容器が開封され、固形状調味料が一度使用された後、長期間保存された場合にも、吸湿による固結が良好に抑制される。
Claims (6)
- 食塩を固形状調味料の全量に対して30重量%〜50重量%と、食塩100重量部に対して5重量部〜15重量部の砂糖を含有する、固形状調味料。
- 砂糖がグラニュー糖である、請求項1に記載の固形状調味料。
- 砂糖以外の糖類、食用油脂、エキス、タンパク質加水分解物、しょうゆ、うま味調味料、酸味料および香辛料からなる群より選択される1種または2種以上を含有する、請求項1または2に記載の固形状調味料。
- 砂糖以外の糖類が乳糖である、請求項3に記載の固形状調味料。
- 粉末状または顆粒状である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の固形状調味料。
- 複数食分または複数回の使用量が、一つに包装されまたは一つの容器に充填されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載の固形状調味料を含む製品。
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