JP6969083B2 - センサ装置、画像形成装置及びシート状の対象物の判別方法 - Google Patents

センサ装置、画像形成装置及びシート状の対象物の判別方法 Download PDF

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Description

本発明は、センサ装置、画像形成装置及びシート状の対象物の判別方法に関し、詳しくは、シート状の対象物を判別するセンサ装置及び該センサ装置を備える画像形成装置及びシート状の対象物の判別方法に関する。
デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置は、印刷用紙に代表される記録媒体の表面にトナー像を転写し、所定の条件で加熱及び加圧することでその像を定着させ画像を形成している。ここで、高品質の画像形成を行うには、現像条件、転写条件及び定着条件などの画像形成条件を記録媒体に応じて個別に設定する必要がある。
現在の画像形成装置では、印刷時に作業者(例えば、ユーザー)自身がトレイ毎の紙(用紙)の銘柄を入力し、転写及び定着条件を設定する必要がある。このため、作業者が紙の種類を判別するための知識が求められる上、その紙の種類に応じた設定内容をその都度、自分で入力することが要求される煩わしさがあった。また、その設定内容を誤ると最適な画像を得ることができなかった。
そこで、用紙の判別として、特許文献1には、シート材に滴下された液滴の面内方向または厚み方向の含浸具合を、電気抵抗を測定することにより評価し、それに基づいてシート材の種類を判別する材質判別装置が提案されている。
また、特許文献2には、シート材の水分量や近傍の雰囲気の温湿度を電気抵抗により検知し、その情報とシート材の力学的特性を測定するセンサの出力値に基づいてシート材の種類を判別する情報検知装置が提案されている。
しかしながら、特許文献1の材質判別装置及び特許文献2の情報検知装置で判別可能なのは、非塗工紙/塗工紙/OHPシートの違い程度であり、高品質の画像形成に必要な銘柄までの特定はできなかった。
一方、銘柄を特定する例として、特許文献3には、表面正反射光と内部拡散反射光のP偏光成分を用いて、その光学特性により記録紙の銘柄を特定する光学センサ装置が提案されている。
例えば、特許文献3のセンサ装置は、図1に示されるように、光源71とコリメートレンズ72と複数の受光器(73、75)と偏光フィルタ74などを有している。受光器73が検知する内部拡散反射光のP偏光成分の信号レベルをS1、受光器75が検知する表面正反射拡散光の信号レベルをS2とする。
近年、印刷業界ではさらなる商品の高付加価値化のために、黒色用紙や合成紙等の特殊用紙に対しての印刷の需要が増加してきている。
ここで、図2(A)に図1の特許文献3のセンサ装置を用いた黒紙についてのS1、S2の計測値を示すが、図2(A)によれば、S1とS2からは、黒紙の導電性の有無を区別することができない。また、図2(B)に図1のセンサ装置を用いた合成紙とグロス紙とマット紙についてのS1、S2の計測値を示すが、図2(B)によれば、S1とS2からは、合成紙と、グロス紙やマット紙などのコート紙とは判別することができない。
このように、特許文献3のセンサ装置で判別可能なものは、光学特性の異なる銘柄のみであり、近年使用頻度の高くなってきている黒色用紙や合成紙などの特殊用紙への対応については考慮されていなかった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、シート状の対象物を多種類に細かく判別することができる、センサ装置の提供を目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様では、
シート状の対象物の光学的特性を検出する光学センサ部と、
前記対象物に接触可能な複数の電極を備え、前記対象物における前記複数の電極間の電気的特性を検出する電気特性センサ部と、
検出された前記対象物の前記光学的特性及び前記電気的特性に基づいて、前記対象物の種類や特徴を判別する処理部と、
前記電気特性センサ部は、前記複数の電極を前記対象物へ押し当てる、前記対象物と非接触の押し当て部材とを備え、
前記押し当て機構は、前記対象物に対して圧力を変化させることが可能であり、
前記処理部は、前記光学的特性と、前記圧力の変化に依存して変化する前記電気的特性から対象物を判別することを特徴とするセンサ装置を提供する。
一態様によれば、センサ装置において、シート状の対象物を多種類に細かく判別することができる。
従来例の光学センサを用いたセンサ装置の構成を説明する図である。 (A)は黒色用紙の表面正反射光と内部拡散反射光との関係を説明する図であり、(B)は合成紙とコート紙(グロス紙、マット紙)の表面正反射光と内部拡散反射光との関係を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るセンサ装置及び該センサ装置が設置されたカラープリンタの概略構成を説明する図である。 本発明の一実施形態に係るセンサ装置及びカラープリンタのブロック図である。 本発明の一実施形態に係るセンサ装置の外観図である。 図5のセンサ装置の一例として、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置の光学センサ部、電気特性センサ部及び処理部の概略構成を説明する図である。 光学センサ部の光源として、面発光レーザアレイで構成する例を示す図である。 (A)は光学センサ部での記録紙への入射光の入射角を説明する図で、(B)は光学センサ部での複数の受光器の配置位置を説明する図である。 (A)は表面正反射光を説明する図で、(B)は表面拡散反射光を説明する図で、(C)は内部拡散反射光を説明する図である。 各紙種毎の記録紙中に流れる電流値を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るセンサ装置における記録紙の銘柄特定の制御フローである。 銘柄の特定で参照される相関データの例であって、内部拡散反射光の信号レベルS1と表面正反射光の信号レベルS2と、記録紙の銘柄との関係を説明する図である。 (A)は導電性の異なる黒色用紙の表面正反射光と内部拡散反射光の関係を説明する図であり、(B)は黒色用紙の表面正反射光と内部拡散反射光と体積抵抗率との関係を説明する図である。 (A)は合成紙とコート紙(グロス紙、マット紙)の表面正反射光と内部拡散反射光の関係を示す図であって、(B)は合成紙とコート紙(グロス紙、マット紙)の表面正反射光と内部拡散反射光と体積抵抗率との関係を説明する図である。 (A)は本発明の第2実施形態に係る、表面抵抗率を検出可能なセンサ装置の電気特性センサ部の概略図であり、(B)は第2実施形態の変形例の電気特性センサ部の概略図である。 黒色及びメタリック紙の表面側と裏面側との表面抵抗率の相関を示す図である。 (A)は本発明の第3実施形態に係る、体積抵抗率及び表面抵抗率を検出可能なセンサ装置の電気特性センサ部の概略図であり、(B)は第3実施形態の変形例の電気特性センサ部の概略図である。 本発明の第3実施形態に係るセンサ装置における記録紙の銘柄特定の制御フローである。 本発明の第4実施形態に係る、導電性部材と、バネで構成した押し当て部材とを有するセンサ装置の電気特性センサ部の概略図である。 本発明の第5実施形態に係る、導電性部材と、ソレノイドで構成した押し当て部材とを有するセンサ装置の電気特性センサ部の概略図である。 普通紙及びコート紙(グロス紙、マット紙)と合成紙との圧力依存性の変化を示す説明図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。下記、各図面において、同一構成部分には同一符号を付し、重複した説明を省略する場合がある。
<<画像形成装置>>
図3に、本発明の一実施形態に係るカラープリンタ(プリンタ装置、画像形成装置)200の概略構成を示す。
このカラープリンタ200は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を記録媒体に形成するタンデム方式の多色カラープリンタであって、本発明に係る画像形成装置の一例である。カラープリンタ200は、センサ装置100、光走査装置210、画像形成部220及び搬送部250などを備えている。
詳しくは、画像形成部220は、4つの感光体ドラム(230a、230b、230c、230d)、4つのクリーニングユニット(231a、231b、231c、231d)、4つの帯電装置(232a、232b、232c、232d)、4つの現像ローラ(233a、233b、233c、233d)、転写ベルト240、転写ローラ242及び定着装置245を備えている。
また、搬送部250は、給紙コロ254、搬送ローラ256、排紙ローラ258、給紙トレイ260及び排紙トレイ202を備えている。
さらに、カラープリンタ200は、通信制御装置280、プリンタ制御装置290及び操作パネル270(図4参照)を備えている。
カラープリンタ200では、センサ装置100及び操作パネル270を除いた構成要素は、プリンタ筐体201によって囲まれている。
画像形成部220において、感光体ドラム230a、帯電装置232a、現像ローラ233a及びクリーニングユニット231aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
同様に、感光体ドラム230b、帯電装置232b、現像ローラ233b及びクリーニングユニット231bは、シアンの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。感光体ドラム230c、帯電装置232c、現像ローラ233c及びクリーニングユニット231cは、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。そして、感光体ドラム230d、帯電装置232d、現像ローラ233d及びクリーニングユニット231dは、イエローの画像を形成する画像形成ステーションを構成する。
下記、色の区別が不要な場合は添え字を省いて説明する。
各感光体ドラム230はいずれも、その表面に感光層が形成されている。各感光体ドラム230は、不図示の回転機構により、図3における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置232は、対応する感光体ドラム230の表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置210は、プリンタ制御装置290からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光で、対応する帯電された感光体ドラム230の表面をそれぞれ走査する。
これにより、画像情報に対応した潜像が、各感光体ドラム230の表面にそれぞれ形成される。すなわち、各感光体ドラム230の表面がそれぞれ被走査面であり、各感光体ドラム230は、それぞれ像担持体である。ここで形成された潜像は、感光体ドラム230の回転に伴って対応する現像ローラ233の方向に移動する。
各現像ローラ233は、回転に伴って、対応するトナーカートリッジからのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラ233の表面のトナーは、対応する感光体ドラム230の表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。この際、各現像ローラ233は、対応する感光体ドラム230の表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。
ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラム230の回転に伴って転写ベルト240の方向に移動する。イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト240上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。
搬送部250において、給紙トレイ260には記録紙(記録媒体)Mが格納されている。この給紙トレイ260の近傍には給紙コロ254が配置されており、該給紙コロ254は、記録紙Mを給紙トレイ260から1枚ずつ取り出す。該記録紙Mは、搬送ローラ256により、所定のタイミングで転写ベルト240と転写ローラ242との間隙に向けて送り出される。
これにより、転写ベルト240上のトナー画像が記録紙Mに転写(二次転写)される。ここで転写された記録紙Mは、定着装置245に送られる。
定着装置245では、熱と圧力とが記録紙Mに加えられ、これによってトナーが記録紙Mに定着される。ここでトナーが定着された記録紙Mは、排紙ローラ258を介して、筐体201の一部である排紙トレイ202に送られ、排紙トレイ202上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニット231は、対応する感光体ドラム230の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム230の表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
センサ装置100は、プリンタ筐体201の外部であって、操作パネル270の近くに配置され、記録紙Mの銘柄を判別(識別)するのに用いられる。
判別の対象となる銘柄は、普通紙、塗工紙(コート紙など)、加工紙などの大まかな種類に加えて、大別された種類の中の詳細な区別も含む。また、1種類からなる紙だけではなく、複数の紙が貼りあわされた合成紙と、コート紙(グロス紙やマット紙など、コート剤の種類が異なるコート紙)、加工紙(メタリック加工紙)など、細分化した多数の銘柄を含む。例えば細分化した種類として、普通紙、グロスコート紙(光沢紙)・マットコート紙、・アートコート紙に代表される塗工紙、プラスチックシート、エンボス加工紙等多岐に渡る。さらにそれぞれの種類において坪量や厚さなどの仕様の違いでさらに細分化されている。
なお、図3に示す画像形成装置では、給紙トレイが1つの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、給紙トレイが複数あってもよい。また、図3では、画像形成装置が4つの感光体ドラムを有する場合について説明したが、数はこれに限定されるものではない。
さらに、図3では、画像形成装置として、電子写真方式のカラープリンタ200の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光プロッタやデジタル複写装置であってもよい。あるいは、画像形成装置は、記録紙Mにインクを吹き付けて画像を形成するインクジェットプリンタにも適用可能であってもよい。
図4に、本発明の一実施形態に係るセンサ装置100及びカラープリンタ200の制御に関するブロック図を示す。
図4に示すように、センサ装置100は、光学センサ部10、電気特性センサ部20及び処理部110を備える。処理部110はCPU111、ROM112、RAM113、NVRAM114及びRAM115などを備える。
CPU(Central Processing Unit)111は、光学センサ部10及び電気特性センサ部20で検出した値から電気特性を算出し、記録紙の種類や特性などを判別する。ROM(Read Only Memory)112には、CPU11にて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されている。RAM(Random Access Memory)113はCPU11のための作業用のメモリである。
NVRAM(Non-volatile RAM)114に、予め、多種の銘柄の記録紙と、対応する記録紙の光学的特性(光学特性)、電気的特性(体積抵抗率、表面抵抗率)などの相関データ(対応関係)を記憶しておく。RAM115はCPU111で判別した記録紙Mの種類を一時的に保存するメモリである。
通信制御装置280は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン、デジタルフロントエンド(DFE))300との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置(調整装置)290は、CPU91、ROM92、RAM93、NVRAM94、増幅回路95及びAD変換回路96などを有している。
ROM92には、CPU91にて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されてあり、RAM93はCPU91のための作業用のメモリである。AD変換回路96は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。NVRAM94には、カラープリンタ200の電源をON/OFFを切り替えても継続してデータの維持が必要なデータ(例えば、使用者情報、トナー残量など)が格納される。
そして、プリンタ制御装置290は、上位装置300からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置300からの画像情報を光走査装置210に送る。
なお、カラープリンタ200が記録媒体として対応可能な複数の銘柄の記録紙Mについて、最適な現像条件及び転写条件などの画像形成条件が「現像・転写テーブル」(画像形成条件)としてROM92に格納されている。なお、画像形成装置にインクジェットプリンタを用いる場合は、画像形成条件として、インク滴の吐出条件などが設定される。
操作パネル270は、作業者(例えば、ユーザーやカスタマーエンジニアなど)が各種設定及び各種処理を行うための複数のキー、及び各種情報を表示するための表示部を有している。
このような、画像形成装置(カラープリンタ200)では、センサ装置100で検出した出力値に基づいて、プリンタ制御装置(調整装置)290は、画像形成部220及び搬送部250を制御し、画像形成条件を調整する。
<<センサ装置>>
図5に、本発明の一実施形態に係るセンサ装置100の外観図を示す。図5に示すこのセンサ装置100は、シート状の対象物(記録紙M)の種類判定する、いわゆる据え置きタイプのセンサ装置である。
センサ装置100は、一例として図5に示されるように、外形が四角錐台状であり、記録紙Mの挿入方向に所定深さのスリットが設けられ、該スリットに記録紙Mが挿入されるようになっている。即ち、センサ装置100は、記録紙M(シート状の対象物)の一部が挿入可能なスリット102が形成された、外形が直方体又は四角錐台のセンサ装置筐体(ケース)101を備えている。
また、センサ装置筐体101の内部には、センサ装置100内部に記録紙Mの銘柄を判別するための処理部110(図4参照)が備えられている。センサ装置100は、カラープリンタ200のプリンタ制御装置(調整装置)290と給電ケーブル又は信号ケーブル130を介して接続されている。
なお、本明細書では、XYZ3次元直交座標系において、スリットに挿入される記録紙Mの表面に直交する方向をZ軸方向とし、記録紙Mがスリットに挿入される方向を+X方向とする。
ここで、銘柄判別処理の際に作業者によって行われる作業について、図4及び図5を参照して説明する。
(1) 記録紙Mをセンサ装置100のスリット102に挿入する(図5の「+X方向」)。
(2) 操作パネル270を介して判別処理要求を入力する。この判別処理要求は、操作パネルからプリンタ制御装置290を経由してセンサ装置100の処理部110に通知される。
(3) 所定時間(例えば、約5秒)待つ。この時間で、センサ装置100は、記録紙Mの光学的特性及び電気的特性を検出し、種類を判別(銘柄を特定)する。
(4) 所定時間経過後、記録紙Mをセンサ装置100のスリット102から引き抜く(図5の「−X方向」)。
<<第1実施形態>>
図6に、図5のセンサ装置の一例として、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置100の光学センサ部10及び電気特性センサ部20及び処理部110の概略構成を説明する図を示す。上述のようにセンサ装置100は、光学センサ部10、電気特性センサ部20及び処理部110を有している。
詳しくは、図6に示すように、光学センサ部10は、光源11とコリメートレンズ12と複数の受光器(13、15)と偏光フィルタ(光学素子の一例)14とを備えている。電気特性センサ部20は、複数の電極(21、22)と、電圧発生器24と、電流検出器25とを備えている。
光学センサ部10では、光源11とコリメートレンズ12とからなる照射系は、S偏光(直線偏光)を対象物である記録紙Mに向けて、Z軸方向に対して傾斜した方向から射出する。受光器15は、照射系から射出され記録紙Mで正反射された光(表面正反射光)の光路上に配置されている。偏光フィルタ14と受光器13は、記録紙Mの表面の法線方向に拡散反射された光の光路上に配置され、偏光フィルタ14は、P偏光成分を透過させ、受光器13は、偏光フィルタ14を透過した光(内部反射光に含まれるP偏光成分)を受光する。
電気特性センサ部20は、電圧発生器24により発生させた電圧を複数の電極(図6では、21,22)を介して記録紙Mに印加し、電極間を流れる電流を電流検出器25で検出することにより、記録紙Mの電気抵抗を測定する。
そして、処理部(処理装置)110は複数の受光器の出力信号及び電流検出器の出力信号に基づいて記録紙Mの銘柄を判別する。
図6に示す本実施形態では、電気特性センサ部20は、記録紙Mの第1面M1に接触するように配置された電極21(第1の電極)と、記録紙Mの第1面M2と対向する第2面MBに接触し、第1の電極21と記録紙Mを厚さ方向に挟むように配置された第2の電極22とを有する。そして、電気特性センサ部20は、電気的特性として、記録紙Mの厚さ方向の抵抗を検出する。
なお、図6では図示していないが、本実施形態において、電極21,22と記録紙Mとの接触状態を維持できるように、バネ61や電気素子62で構成された押し当て部材(図19、図20参照)により、一方又は両方の電極を記録紙M側へ押し当てると好ましい。この際、一方の電極のみを押し当てるように調整する場合は、他方の電極は、センサ装置筐体101のスリット102の内側面に直接取付けられたり、その内側面に絶縁部材63(図19、図20参照)を介して取り付けられていてもよい。この構成により、記録紙Mは電極21と電極22との間で接触して挟持される。
<光学センサ部の光源>
図7に、本発明の複数の実施形態で使用される光学センサ部10の光源11として、面発光レーザアレイで構成する例を説明する図を示す。
光源11は、同一の基板上に形成された複数の発光部41を有している。各発光部41は、垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、光源11は、面発光レーザアレイ(VCSELアレイ)を含んでいる。図7に示すように、配線43を介して電極パッド42に接続された9個の発光部(ch1〜ch9)41が2次元配列されている。
<光学センサ部>
図8(A)に光学センサ部10での記録紙Mへの入射光の入射角を説明する図を示す。光源11は、記録紙Mに対してS偏光が照射されるように配置されている。また、光源11からの光束の記録紙Mへの入射角θ1(図8(A)参照)は一例としてθ1=80°である。
コリメートレンズ12は、光源11から射出された光束の光路上に配置され、該光束を略平行光とする。コリメートレンズ12を介した光束は記録紙Mを照射する。なお、以下では、記録紙Mの表面における照明領域の中心を「照明中心」と略述する。また、コリメートレンズ12を介した光束を「照射光」ともいう。
ここで、光が媒質の境界面に入射するとき、入射光線と入射点に立てた境界面の法線とを含む面は「入射面」と呼ばれる。そこで、入射光が複数の光線からなる場合は、光線毎に入射面が存在することとなるが、ここでは、便宜上、照明中心に入射する光線の入射面を、記録紙Mにおける入射面ということとする。すなわち、照明中心を含みXZ面に平行な面が記録紙Mにおける入射面である。
本明細書では、記録紙Mへの入射光だけでなく反射光に対してもS偏光及びP偏光という表現を用いるが、これは記録紙Mへの入射光の偏光方向を基準とした表現である。ここで、入射面内において入射光(ここでは、S偏光)と同一の偏光方向の光をS偏光、それに直交する偏光方向の光をP偏光と呼ぶこととする。
偏光フィルタ14は、照明中心の+Z側に配置されている。この偏光フィルタ14は、P偏光(第2の偏光方向の光)を透過させ、S偏光(第1の偏光方向の光)を遮光する偏光フィルタである。なお、偏光フィルタ14に代えて、同等の機能を有する偏光ビームスプリッタを用いてもよい。
図8(B)に光学センサ部10での複数の受光器13、15の配置位置を説明する図を示す。受光器(第1の光検出器)13は、偏光フィルタ14の+Z側に配置されている。図8(B)に示すように、照明中心と偏光フィルタ14の中心と受光器13の中心とを結ぶ線L1と、記録紙Mの表面(第1面M1)とのなす角度ψ1は90°である。
受光器(第2の光検出器)15は、X軸方向に関して、照明中心の+X側に配置されている。そして、照明中心と受光器15の中心とを結ぶ線L2と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ2は170°である。
光源11の中心と、照明中心と、偏光フィルタ14の中心と、受光器13の中心と、受光器15の中心はほぼ同一平面上に存在する。
<光学的特性の検出>
ここで、記録紙Mへ光を照射したときの記録紙Mから反射光は、記録紙Mの表面で反射された反射光と、記録紙Mの内部で反射された反射光に分けて考えることができる。また、記録紙Mの表面で反射された反射光は、正反射された反射光と拡散反射された反射光に分けて考えることができる。以下では、便宜上、記録紙Mの表面で正反射された反射光を「表面正反射光」、拡散反射された反射光を「表面拡散反射光」ともいう。
図9(A)は表面正反射光を説明する図であり、(B)は表面拡散反射光を説明する図であり、(C)は内部拡散反射光を説明する図である。
記録紙Mの表面は、平面部と斜面部とで構成され、その割合で記録紙M表面の平滑性が決定される。平面部で反射された光は表面正反射光となり、斜面部で反射された光は表面拡散反射光となる。表面拡散反射光は、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。そして、平滑性が高くなるほど表面正反射光の光量が増加する。
一方、記録紙Mの内部からの反射光は、該記録紙Mが一般の印刷用紙である場合、その内部の繊維中で多重散乱するため拡散反射光のみとなる。以下では、便宜上、記録紙Mの内部からの反射光を「内部拡散反射光(内部反射光)」ともいう(図9(C)参照)。この内部反射光も、表面拡散反射光と同様に、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。
受光器13、15に向かう表面正反射光及び表面拡散反射光の偏光方向は、図9(A)、図9(B)に示すように、入射光の偏光方向と同じである。ところで、記録紙Mの表面で偏光方向が回転するには、入射光がその入射方向に対して該回転の向きに傾斜した面で反射されなくてはならない。ここでは、光源の中心と照明中心と各受光器の中心とが同一平面上にあるため、記録紙Mの表面で偏光方向が回転した反射光は、いずれの受光器の方向にも反射されない。
一方、受光器13、15に向かう内部反射光の偏光方向は、図9(C)に示すように、入射光の偏光方向に対して回転している。これは、記録紙Mの内部に侵入した光は、繊維中を透過し、多重散乱される間に旋光し、偏光方向が回転するためと考えられる。
偏光フィルタ14には、表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する(図1参照)。偏光フィルタ14に入射する表面拡散反射光は入射光と同じS偏光であるため、偏光フィルタ14で遮光される。一方、内部反射光はS偏光とP偏光とが混在しているため、P偏光成分が偏光フィルタ14を透過する。すなわち、内部反射光に含まれるP偏光成分が受光器13で受光される。
なお、以下では、便宜上、内部反射光に含まれるP偏光成分を「P偏光内部反射光」ともいう。また、内部反射光に含まれるS偏光成分を「S偏光内部反射光」ともいう。
P偏光内部反射光の光量は、記録紙Mの厚みや密度に相関を持つことが発明者らによって確認されている。これは、P偏光内部反射光の光量が、記録紙Mの繊維中を通過する際の経路長に依存するためである。
受光器15には、表面正反射光と、表面拡散反射光及び内部拡散反射光のごく一部が入射する。すなわち、受光器15には、主として、表面正反射光が入射する。
受光器13、15は、それぞれ受光光量に対応する電気信号(電流信号)を処理部110に出力する。
なお、以下では、光源11からの光束が記録紙Mに照射されたときの、受光器13の出力信号における信号レベル(内部拡散反射光の信号レベル)を「S1」、受光器15の出力信号における信号レベル(表面正反射光の信号レベル)を「S2」とする。
<電気特性センサ部>
図6に戻って、電極21は記録紙Mの+Z側(第1面M1)に配置されており、電極22は記録紙の−Z側(第2面M2)に配置されている。また、電極21及び電極22は一例として記録紙Mの表面に対する法線方向上に配置されている。
本実施形態では、記録紙Mを挟んだ電極構成を示しているが、電極の配置はこの構成に限らず、記録紙Mの一方の面に接触するように電極21及び電極22を配置した電極構成でもよい(第2実施形態など)。また、電極の個数は2つに限らず、3つ以上の電極を備えていてもよい(第3実施形態など)。
電圧発生器24は電極21及び電極22と接続され、その複数の電極21、22を介して記録紙Mに所定の電圧を印加する。印加電圧は一例として5V、100V、500V、1000Vなどである。また、直流電圧に限らず交流電圧であってもよい。
ところで、多種多様な記録紙の電気抵抗(体積抵抗率、表面抵抗率)はしばしば数桁のダイナミックレンジに渡ることが知られている。そのため、電流検出器25で十分な信号強度を得るために、記録紙Mによって電圧発生器24の発生電圧を選択する機構を備えていてもよい。
電流検出器25は、電極21、電極22及び電圧発生器24からなる閉回路上に直列に接続されている。電圧発生器24で発生させた電圧を電極21及び電極22を介して記録紙Mに対して印加し、電流検出器25は電極間を流れる電流値を検出する。また、電流検出器25の代わりにI/V変換器を用い、記録紙Mの電気的な応答を電圧として検出してもよい。
<電気的特性の検出>
次に、本実施形態に用いる記録紙Mの厚み方向の電気的特性(電流値)の測定方法について説明する。図10は、各紙種毎の記録紙M中に流れる電流値を示す図である。
詳しくは、図10では、普通紙、コート紙(グロス紙、マット紙)及び合成紙について、50[V]の直流電圧を1分間印加した際に電流検出器25が検出する電流値を示す。
ここで、本実施形態では、電極21,22は直径50[mm]の底面を有する円柱状の金属電極を用い、前述の図6のように記録紙Mに対して挟み込むように配置している。
普通紙及びコート紙(グロス紙、マット紙)の示す電流値は一例として数μA程度、合成紙は数nA程度である。このように記録紙中を流れる電流値は記録紙の種類によって明らかに異なることが分かる。
ところで、記録紙の紙厚方向の電気抵抗は、試料の厚みや電極と試料との接触面積によるため、一般的に、材料が異なるシート材同士の電気抵抗を比較する際には、それらで規格化した値が用いられる。
厚み方向の規格化された抵抗値は体積抵抗率であり、電圧発生器24の電圧をV[V]、電流検出器25の検出値をI[A]、記録紙の厚みをt[μm]、電極の直径をD[mm]とすると、体積抵抗率ρv[Ω・cm]は下記の式で算出される。
ρv=(πD^2)/(4t)×(V/I)・・・(式1)
ここで、電流検出器25の検出値Iは測定時間によって異なるため、一例として60秒後の検出値を用いて体積抵抗率を算出する。また、電流検出器25の一定時間内の検出値の平均値を用いて体積抵抗率を算出してもよい。
また、記録紙Mの体積抵抗率ρvに限らず、記録紙Mのインピーダンスや静電容量や誘電率を算出して銘柄判別に用いてもよい。また、これらの記録紙Mの電気的な応答は非常に短い時間の現象であるため、電圧発生器24は交流電圧を発生させることが望ましい。その際、電圧印加時の電流検出器25の検出値を数周期分取得しておき、それらを平均化した値を用いてインピーダンスや静電容量や誘電率を算出してもよい。
これらの演算は処理部110によって行われる。処理部110のCPU111は電流検出器25からの電気信号(電流信号)を取得し、電気抵抗率などの電気的特性値に換算する。なお、以下では電圧発生器24が記録紙Mに電圧を印加する際の電流検出器25の電気信号(電流信号)の信号レベル(厚さ方向の抵抗に換算できるもの)を「Sc」とする。
<銘柄判別処理>
上述した光学センサ部10での複数の受光器13、15で検出した出力信号S1,S2及び電気特性センサ部20での電流検出器25の検出値Scを用い、銘柄が不明の記録紙Mの銘柄を判別する処理(銘柄判別処理)について説明する。
図11に、本発明の第1実施形態に係るセンサ装置100における記録紙Mの銘柄特定の制御フローを示す。
処理部110は、判別処理要求を受け取ると、銘柄判別処理を開始する。
S101:光源11の複数の発光部41を同時に点灯させる。
S102:受光器13から出力される内部拡散反射光の信号レベルS1及び受光器15から出力される表面正反射光の信号レベルS2の値を求める。
S103:光源11の複数の発光部41を消灯させる。
S104:電圧発生器24により所定の電圧を記録紙Mに印加する。
S105:電流検出器25の出力信号から、厚さ方向の信号レベルScの値を求める。
S106:電圧発生器24の電圧印加を止める。
S107:処理部110のCPU111はScの値から記録紙Mの体積抵抗率ρvを算出する。
S108:処理部110のCPU111はS1、S2及びρvに基づいて、NVRAM114に記憶された銘柄データ(相関データ)を参照して、記録紙Mの銘柄を特定する。
S109:特定された記録紙Mの銘柄をRAM113に保存し、判別結果をプリンタ制御装置290に通知する。
そして、銘柄判別処理を終了する。
ここで、図11のステップS108のS2/S1及びρvの値に基づいた記録紙Mの銘柄の特定工程は、1つの相関データを参照して特定してもよいし、あるいは、複数の相関データを参照して段階的に特定してもよい。
図11のS108での銘柄の特定のために参照する相関データとして、図12に、内部拡散反射光の信号レベルS1と、表面正反射光の信号レベルS2と、記録紙Mの銘柄との関係を説明する図を示す。図12では、国内外で販売されている45銘柄の記録紙について、S1、S2の計測値を示す。
また、図13の(A)は導電性の異なる黒色用紙の表面正反射光と内部拡散反射光の関係を説明する図であり、(B)はその黒色用紙の表面正反射光と内部拡散反射光と体積抵抗率との関係を説明する図である。
さらに、図14の(A)は合成紙とコート紙(グロス紙、マット紙)の表面正反射光と内部拡散反射光の関係を示す図であって、(B)は合成紙とコート紙(グロス紙、マット紙)の表面正反射光と内部拡散反射光と体積抵抗率との関係を説明する図である。
図13(B)、図14(B)の横軸は、内部拡散反射光の信号レベルS1に対する表面正反射光の信号レベルS2の割合(S2/S1)を表し、縦軸は、Scから算出した体積抵抗率の常用対数値ρv[log(Ω・cm)]を表す。
図12、図13、図14に示すような、光学的特性と銘柄の相関、及び特定の銘柄における光学的特性と電気的特性(例えば、体積抵抗率)との相関は、予め、メモリ(NVRAM114)に記憶させておく。
銘柄の判定として、例えば、まず図12、図13(a)、図14(a)を用いて、S1、S2の値に基づいて記録紙の種類を1次分類した後に、図13(b)、図14(b)を用いて、電気的特性である体積抵抗率ρvの値に基づいて更に細かく分類してもよい。
S1及びS2の値に基づいて銘柄を特定する処理の例を説明する。図12を参照して、例えば、S1及びS2の計測値が「◇」であれば、銘柄Dと特定される。また、S1及びS2の計測値が「■」であれば、最も近い銘柄Cと特定される。また、S1及びS2の計測値が「◆」であれば、銘柄Aあるいは銘柄Bのいずれかである。
このときは、例えば、銘柄Aでの平均値と複数の計測値との差、及び銘柄Bでの平均値と計測値との差を演算し、その演算結果が小さいほうの銘柄を絞り込み特定してもよい。
あるいは、例えば図12で、S1及びS2から銘柄Aであると仮定して、複数の計測値を含めて、ばらつきを再計算するとともに、銘柄Bであると仮定して該複数の計測値を含めてばらつきを再計算し、再計算されたばらつきが小さいほうの銘柄を絞り込み特定してもよい。
また、例えば、図13(a)に示すように、黒色用紙(黒紙)における導電性の有無は、光学特性だけでは区別できなかった。しかし、体積抵抗率と、光学特性S2/S1を組み合わせてデータ化すると、図13(b)に示すように、黒紙であっても、導電性が無いものはS2/S1が小さくρv[log(Ω・cm)]が高く、導電性が有するものはS2/S1が大きくρv[log(Ω・cm)]が低いという、はっきりとパラメータの傾向に違いが出て、特性の区別が可能になる。
別の例として、図14(a)に示すように、合成紙とコート紙(グロス紙、マット紙)の判別として、特に合成紙とマット紙は光学特性だけではデータが似通っており区別できなかった。しかし、体積抵抗率と、光学特性S2/S1を組み合わせてデータ化すると、図14(b)に示すように、合成紙とコート紙(グロス紙、マット紙)で、以下のようにパラメータの傾向に違いが出て、特性の判別が可能になる。
合成紙: S2/S1はばらつきあり、ρv[log(Ω・cm)]が高い
コート紙(マット紙): S2/S1が小さく、ρv[log(Ω・cm)]が中程度
なお、コート紙でのグロス紙とマット紙の区別は図14(b)の相関データで行ってもよいし、図14(a)の光学特性による相関データで行ってもよい。
プリンタ制御装置290(図4参照)は、センサ装置100の処理部110からの上記のような判別された銘柄を操作パネル270(表示部)に表示させるとともにRAM93に保存する。
作業者は、判別された記録紙Mの銘柄が操作パネル270の表示部に表示されると、銘柄が判別された記録紙Mを給紙トレイ260にセットする。
あるいは、操作パネル270の表示部に表示されている記録紙Mの銘柄を、作業者が操作パネル270のキーを用いてプリンタ制御装置290に登録してもよい。
プリンタ制御装置290は、作業者からの印刷ジョブ要求を受け取ると、センサ装置100のRAM115に保存されている判別した記録紙Mの銘柄を読み出し、該記録紙Mの銘柄に最適な現像条件及び転写条件を、現像・転写テーブルから求める。
そして、プリンタ制御装置290は、最適な現像条件及び転写条件に応じて各ステーションの現像装置及び転写装置を制御する。例えば、転写電圧やトナー量を制御する。これにより、高い品質の画像が記録紙Mに形成される。
ここで、画像形成装置において、高品質の画像形成を行うには、現象条件、転写条件及び定着条件などの画像形成条件を記録媒体に応じて個別に設定する必要がある。これは、記録媒体における画像品質が、その材質、厚さ、湿度、平滑性、電気抵抗、及び塗工状態などに大きく影響されるためである。例えば、平滑性に関しては、定着の条件によっては印刷用紙表面の凹凸において凹部分のトナーの定着率が低くなってしまう。また、用紙の電気抵抗に関しては、転写の条件によっては斑点状の白抜けやトナーの濃度ムラが発生してしまう。
上述のように一般的な画像形成装置で、紙の判別用センサがないと、作業者に紙の種類を判別するための知識が求められる上、その紙の種類に応じた設定内容をその都度自分で入力しなければならない煩わしさがあった。
本発明のセンサ装置は画像形成装置に設けられ、又はセンサ装置は画像形成装置に接続されているため、その紙の種類に応じた設定内容をその都度、作業者自身で入力する必要がなくなり、検出するだけで、センサ装置が紙の種類を画像形成装置へ送信することができる。
また、図1に示す従来例は、正反射光の光量から記録紙表面の光沢度を検出し、正反射光の光量と拡散反射光の光量との比から記録紙表面の平滑度を検出する、即ち光学系の検出だけで、記録紙を判別しようとしていた。
しかしながら、コート紙と合成紙のように光沢度や記録紙表面の平滑度で判別な困難な紙種への対応は不十分であった。また、黒色用紙の導電性の有無も光学的なセンサでは判別が困難であった。
これに対し、本実施形態では、上記光学系の検出に加えて、記録紙の電気的特性を検出しているので、従来困難であった合成紙のような高抵抗の記録紙や、カーボンを含む低抵抗の黒色用紙などの特殊用紙で、光学的特性や表面性が類似した記録紙同士であっても、高精度で銘柄を判別することが可能となる。
即ち、本発明のセンサ装置を設けることで、作業者が、紙の種類を判別するための知識が要求されることがなくなり、さらに、種類の判別の際に同様の光学的特性を持つ紙の種類が複数存在しても、記録紙の種類を高い精度で、細かく判別することが可能になる。
<<第2実施形態>>
ところで、上記実施形態は2つの電極21、22が記録紙Mを挟み、記録紙Mの表面の法線方向(厚さ方向に向き合うように)に配置されていたが、2つの電極が記録紙の一方の面に接触するように配置されていてもよい。その場合、電流検出器25は記録紙Mの表面を流れる電流値を検知する。
本発明の第2実施形態の電気特性センサ部の構成の一例を図15(A)に示す。図15(A)は本発明の第2実施形態に係る、表面抵抗率を検出可能なセンサ装置100Aの電気特性センサ部20Aの概略図である。
図15と、後述する図17、図19及び図20において、光学センサ部10については上記の第1実施形態と共通であるため、図中では省略している。
図15(A)に示すように、本実施形態では、電気特性センサ部20Aの複数の電極は、記録紙Mの一方の面に接触するように配置された電極21(第1の電極)と、電極21と同じ側の記録紙Mの面(例えば第1面M1)に接触し、面M1において第1の電極21と並んで配置される電極23(第2の電極)とを備えている。本実施形態では、電気特性センサ部20Aは、電気的特性として、記録紙Mの表面方向の抵抗(表面抵抗率ρsを換算できるもの)を検出する。
(第2実施形態の変形例)
図15(B)は第2実施形態の変形例の電気特性センサ部20Bの概略図である。図15(B)に示すように電極21又は電極23のうちのいずれか一方はリング状電極23Aとしてもよい。この場合、リング状電極23Aは電極21を取り囲むように一定の距離を保って配置されている。
なお、図15(A)、図15(B)では図示していないが、本実施形態において、バネ61や電気素子62で構成された押し当て部材(図19、図20参照)により、電極21,23(23A)を記録紙M側へ押し当てると好ましい。この際、記録紙Mの電極と接触しない側の面(第2面M2)は、センサ装置筐体101のスリット102の内側面に直接接触している、又はその内側面に取り付けられた絶縁部材63(図19、図20参照)に接触している。この構成により、記録紙Mは電極21,23(23A)と、スリット102の内側面又は絶縁部材63との間で接触して挟持されることができる。
電極21の直径をD[mm]、リング状電極23Aの内径をd[mm]とすると、記録紙Mの表面抵抗率ρsは下記の式により算出される。
ρs = π×(D+d)/(D−d)×(V/I)・・・(式2)
一般にコート紙は用紙の表面にコート剤が塗布されており、記録紙Mの表面の抵抗を測定することにより、コート層の有無を判別することができる。また、表面正反射光と内部拡散反射光のP偏光成分の比も併せて判断することにより、コート層の有無を高精度で判別することが可能となる。
上記図15(A)、図15(B)に示す構成では、記録紙Mの表面抵抗率のうち取得可能であるのは片面の情報のため、銘柄判別に必要な情報を両面で取得するために、まず一方の面の表面抵抗率を取得した後に、記録紙Mを裏返し、もう片面の表面抵抗率の測定をしてもよい。あるいは、一方の面に配置される第1の電極21と第3の電極23の対を第2面(M2)側にも配置し、記録紙Mを裏返して再度測定する手間を省いてもよい。
また、記録紙の種類の中には、記録紙の片面にメタリック調に加工されているものがあり、この加工だと、表面と裏面とで材質が異なるために電気抵抗も異なる。
ここで、図16に黒色及びメタリック紙の表面側と裏面側との表面抵抗率の相関を示す。
図16において、横軸に記録紙Mの表面側(メタリック加工されている面)の表面抵抗率ρso[log(Ω)]、縦軸に記録紙Mの裏面側(メタリック加工されていない面)の表面抵抗率ρsu[log(Ω)]を表す。
図16に示すように、メタリック加工がされていない黒紙(●)で表面側、裏面側の値は双方において10[log(Ω)]〜11.5[log(Ω)]であり、値にあまり差はない。これに対して、メタリック加工された紙(×)では、表面側は13[log(Ω)]付近であるのに対して、裏面側は10[log(Ω)]〜11.5[log(Ω)]で値に違いが生じる。
このように本実施形態の手法を用いると、記録紙の表面及び裏面の表面抵抗率の比較により、メタリック加工紙など片面に加工された用紙の種類を判別することができる。
<<第3実施形態>>
上記第1、第2の実施形態は体積抵抗率又は表面抵抗率のいずれか一方のみを検出したが、記録紙Mの一方の面に複数の電極(21、23)と、他方の面に電極22を備えて、体積抵抗率及び表面抵抗率の両方を検出してもよい。
図17(A)に本発明の第3実施形態に係る、表面抵抗率及び表面抵抗率を検出可能なセンサ装置100Cの電気特性センサ部20Cの概略図を示す。
本実施形態では、複数の電極(21、22、23)のうち電圧発生器24により記録紙Mに電圧を印加する2つの電極を選択するための第1のスイッチ26を備える。
詳しくは、本実施形態の電気特性センサ部20Cは、電気的特性として、第1面M1と接触する第1の電極21と第2面M2に接触する第2の電極22との間の、対象物である記録紙Mの厚さ方向の抵抗を検出する。そして、第1面M1に接触する、第1の電極21と第3の電極23との間の、記録紙Mの表面方向の抵抗を検出する。
第1のスイッチ26(選択手段)は、厚さ方向の抵抗を検出するときと、表面方向の抵抗を検出するときとで、電圧を印加する電極を切り替える。詳しくは、厚さ方向の抵抗を検出するときは、第2面M2側の第2の電極22に電圧を印加し、表面方向の抵抗を検出するときは、第1面M1側の第3の電極23に電圧を印加する。また、切り替えの指示(選択信号SS)は、処理部110(図4、図6参照)から入力される。
なお、図16では、上面側(+X側)に2つの電極を設ける例を示したが、図中、裏面である下側(第2面M2)に、2つの電極を設けてもよい。
(第3実施形態の変形例)
図17(B)に第3実施形態の変形例のセンサ装置20Dの概略図を示す。電極(第3の電極)23は図17(B)に示すようにリング状の電極23Aであってもよい。即ち、複数の電極のうち、同一の面に並んで配置される電極の少なくとも1つの電極の形状は単数又は多重のリング形状であってもよい(図17では電極21又は電極23)。
なお、図17(A)、図17(B)では図示していないが、本実施形態において、バネ61や電気素子62で構成された押し当て部材(図19、図20参照)により、電極21,23(23A)及び電極22を記録紙M側へ押し当てると好ましい。この際、記録紙Mの反対側の面(第2面M2)は、一部が電極22と接触可能であり、電極22が接触する部分とは異なる部分が、センサ装置筐体101のスリット102の内側面に取り付けられた絶縁部材63(図19、図20参照)に接触可能である。この構成により、記録紙Mは電極21と電極22との間で接触して挟持されるか、あるいは、記録紙Mは電極21,23(23A)と、絶縁部材63との間で接触して挟持されることができる。
(第3実施形態の制御)
ここで、第1のスイッチが電極22側に接続されている場合の、電流検出器25の第1の電極と第2の電極2との間の記録紙Mの厚さ方向の信号レベルを「Sc1」、電極23側に接続されている場合の、電流検出器25の第1の電極21と第3の電極23の記録紙Mの表面方向の信号レベルを「Sc2」とする。
この場合の銘柄判別手順について、図18を用いて説明する。図18に、本発明の第3実施形態に係るセンサ装置100Dにおける記録紙Mの銘柄特定の制御フローを示す。
処理部110は、作業者からの判別処理要求を受け取ると、銘柄判別処理を開始する。
S201:光源11の複数の発光部41を同時に点灯させる。
S202:受光器13から出力される内部拡散反射光の信号レベルS1及び受光器15から出力される表面正反射光の信号レベルS2の値を求める。
S203:光源11の複数の発光部41を消灯させる。
S204:第1のスイッチ26を電極22側と接続し、電圧発生器24により所定の電圧を記録紙Mに印加する。
S205:電流検出器25の出力信号からSc1の値を求める。
S206;電極22と記録紙Mとを分離させる。そして記録紙Mを内側面に取り付けられた絶縁部材63(図19参照)と接触させる。
S207:第1のスイッチ26を電極23側と接続し、電圧発生器24により所定の電圧を記録紙Mに印加し、電流検出器25の出力信号からSc2の値を求める。
S208:電圧発生器24の電圧印加を止める。
S209:処理部110はSc1の値から記録紙Mの体積抵抗率ρvを、Sc2の値から記録紙Mの表面抵抗率ρsを算出する。
S210:処理部110はS1、S2、ρv、ρsに基づいて記録紙Mの銘柄を特定する。
S211:特定された記録紙Mの銘柄をRAM113に保存し、判別結果をプリンタ制御装置290に通知する。
そして、銘柄判別処理を終了する。
本実施形態でも、記録紙Mの表面抵抗率のうち取得可能であるのは片面の情報のため、銘柄判別に必要な情報を両面で取得するために、まず一方の面の表面抵抗率を取得した後に、記録紙Mを裏返し、もう片面の表面抵抗率の測定をしてもよい。あるいは、第3の電極23を第2の電極22の側にも配置し、記録紙Mを裏返して再度測定する手間を省いてもよい。
なお、体積抵抗率ρvと表面抵抗率ρsを用いることでそれぞれ判別が容易になる紙種の特徴について説明する。
表面抵抗率ρsを用いた判別は、表面と裏面の抵抗率で大きな差の出るメタリック加工紙に対して効果的である。また、体積抵抗率ρvを用いた判別は、樹脂素材のような高抵抗の材質から成る合成紙に対して効果的である。
<<第4実施形態>>
また、上記実施形態では、金属の電極21,22,23(23A)が記録紙Mに直接接触したが、図19に示すように複数の電極の記録紙M側の面に、弾力性のある導電性部材30を配置してもよい。図19は、本発明の第4実施形態に係る、導電性部材30と、バネ61で構成した押し当て部材とを有するセンサ装置100Eの電気特性センサ部20Eの概略図である。
導電性部材30とは一例として導電性のゴムなどである。これにより記録紙Mと複数の電極との密着性を向上させることができる。よって、電流検出器25が検出する出力値の雑音を減少させることで、信号雑音比(S/N比)を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、図19に示すように、複数の電極(21、22)または導電性部材30を記録紙Mに押し付けるための押し当て部材(押し付け部材)としてバネ61を備えていてもよい。バネ61は押し当て部材の一例であって、押し当て部材は他の押し当て可能な部材で構成されてもよい。
ばね定数を選択することにより、所定の圧力を記録紙Mに作用させることができる。押し当て部材(バネ61)は、センサ装置筐体(ケース)101の上に配置された絶縁材料63上に配置されている。すなわち、センサ装置筐体101と押し当て部材61とは、絶縁部材63により電気的に絶縁されている。
第4実施形態及び第5の実施形態での電気特性センサ部20E、20Fでは、図5に示す記録紙Mの挿入方向と直交する方向であって、スリット102の内側面からスリット102の中央の方向へ、複数の電極を記録紙Mの方向へ押し当てる、記録紙Mと非接触の押し当て部材(バネ61、電気素子62)を備えている。
押し当て部材(バネ61)を備えることにより記録紙Mと複数の電極との密着性を向上させ、電流検出器25が検出する信号強度を増加させることができる。よって、電流検出器25が検出する出力値の信号を増加させることで、信号雑音比(S/N比)を向上させることができる。
なお、図19では、電気特性センサ部20Eにおいて、導電性部材30と、押し当て部材61(62)とを両方備える例を示しているが、どちらか一方を設けてもよく、どちらかを設けることで、第1〜第3の実施形態よりも信号雑音比を向上させることができる。
<<第5実施形態>>
また、図19の例では押し当て部材はバネ61であったが、バネの代わりに、図20に示すように、コイル64の軸中心に可動鉄心66を備えた電気素子(ソレノイド)62を用いてもよい。
図20に本発明の第5実施形態に係る、導電性部材と、ソレノイドで構成した押し当て部材とを有するセンサ装置100Fの電気特性センサ部20Fの概略図を示す。本実施形態の構成では、第4実施形態と同様に、電流検出器25が検出する出力値の信号雑音比を向上させることができる。
また、本実施形態では、図20に示すように、押し当て部材である電気素子62で、コイル64は絶縁性部材のボビン65に巻きつけられている。
この電気素子62は、電圧発生器69から、コイル64に電流を流すことによって鉄心66を軸方向に沿って力学的に可動させることができる。この際、鉄心66に働く力学的な力の大きさはコイル64に流す電流の大きさによって決まる。
ここで、コイル64に流す電流を選択するための第2のスイッチ67と抵抗値の異なる複数の抵抗器68を設ける。これにより、抵抗値の大きさに対応した圧力を記録紙Mに選択的に作用させることができる。
センサ装置100E,100Fにおいて普通紙、コート紙(グロスコート紙、マットコート紙)及び合成紙の各々の記録紙Mについて、記録紙Mに作用させる圧力と電流検出器25が検出する信号強度との関係を図21に示す。
図21では、横軸は記録紙に作用させる圧力の大きさを表し、縦軸はScから算出した体積抵抗率の常用対数値ρv[log(Ω・cm)]を表す。
普通紙及びコート紙は鉄心66から受ける圧力の大きさによって電流検出器25の信号強度が変化するのに対し、合成紙においてはほぼ変化が見られない。これは普通紙及びコート紙のようなパルプ繊維の伸張や空孔の体積変化などによって記録紙Mの電気的な特性が変化することに起因すると考えられる。
図21に示すような、特定の銘柄における電気的特性(例えば、体積抵抗率)と作用させる圧力との相関データは、予め、メモリ(NVRAM114)に記憶させておく。
銘柄の特定の際に、処理部110のCPU111は、厚さ方向の抵抗として、さらに図21に示すような記録紙の種類による圧力依存性に基づいて、即ち、圧力の変化に依存して変化する厚さ方向の抵抗に基づいて、合成紙とマットコート紙の種類を判別してもよい。
また、上記第1〜第5実施形態ではセンサ装置100内部に光学センサ部と電気特性センサ部とを両方備えている例を示すが、センサ装置の構成はこれに限定されるものではない。例えば、光学センサ部と電気特性センサ部とは、カラープリンタ200内の搬送経路上や給紙トレイ260内に独立して別の位置に配置されていてもよい。
また、本発明のセンサ装置によって判別される対象物は、記録紙(記録媒体)に限定されるものではない。例えば、「シート状の対象物」とは、液体が少なくとも一時的に付着可能なものであって、付着して固着するもの、付着して浸透するものなどを意味する。具体例としては、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどの媒体であり、特に限定しない限り、液体や粉体が付着するすべてのものが含まれる。例えば、上記「対象物」の材質は、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどであり、液体が一時的でも付着可能な材質であればよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の実施形態の要旨の範囲内において、種々の変形、変更が可能である。
10…光学センサ部
11…光源
12…コリメートレンズ
13…受光器(第1の光検出器)
14…偏光フィルタ(光学素子)
15…受光器(第2の光検出器)
17…受光器(第3の光検出器)
20,20A,20B,20C,20D,20E,20F…電気特性センサ部
21…電極(第1の電極)
22…(第2の電極)
23…(第3の電極)
23A…リング状電極(第3の電極)
24…電圧発生器
25…電流検出器
26…第1のスイッチ(選択手段)
30…導電性部材
61…バネ(押し当て部材)
62…電気素子(ソレノイド、押し当て部材)
63…絶縁部材
64…コイル
65…絶縁性ボビン
66…可動鉄心
67…第2のスイッチ
68…複数の抵抗器
69…電圧発生器
100,100A,100B,100C,100D,100E,100F…センサ装置
101…ケース(センサ装置筐体)
102…スリット
110…処理装置(処理部、検出部)
111…CPU
114…NVRAM(メモリ)
115…RAM
200…カラープリンタ(画像形成装置)
210…光走査装置
220…画像形成部
230a,230b,230c,230d…感光体ドラム(像担持体)
232a,232b,232c,232d…帯電装置
233a,233b,233c,233d…現像ローラ
240…転写ベルト
242…転写ローラ
245…定着装置
250…搬送部
270…操作パネル
290…プリンタ制御装置(調整装置)
M…記録紙(シート状の対象物、記録媒体)
M1…表面(第1面)
M2…裏面(第2面)
特開2003‐329629号公報 特許第4110090号公報 特開2012‐128393号公報

Claims (12)

  1. シート状の対象物の光学的特性を検出する光学センサ部と、
    前記対象物に接触可能な複数の電極を備え、前記対象物における前記複数の電極間の電気的特性を検出する電気特性センサ部と、
    検出された前記対象物の前記光学的特性及び前記電気的特性に基づいて、前記対象物の種類や特徴を判別する処理部と、
    前記電気特性センサ部は、前記複数の電極を前記対象物へ押し当てる、前記対象物と非接触の押し当て部材とを備え、
    前記押し当て機構は、前記対象物に対して圧力を変化させることが可能であり、
    前記処理部は、前記光学的特性と、前記圧力の変化に依存して変化する前記電気的特性から対象物を判別することを特徴とする
    センサ装置。
  2. 前記複数の電極は、前記対象物の第1面に接触するように配置された第1の電極と、前記対象物の前記第1面と対向する第2面に接触し、前記第1の電極と前記対象物を厚さ方向に挟むように配置された第2の電極とを有し、
    前記電気特性センサ部は、前記電気的特性として、いずれか一方の電極に電圧又は電流を印加することで前記対象物の厚さ方向の抵抗を検出することを特徴とする
    請求項1に記載のセンサ装置。
  3. 前記複数の電極は、前記対象物の一方の面に接触するように配置された第1の電極と、前記対象物の前記第1の電極が接触している面と同一の前記面に接触し、前記面において前記第1の電極と並んで配置される第3の電極を備え、
    前記電気特性センサ部は、前記電気的特性として、いずれか一方の電極に電圧又は電流を印加することで前記対象物の表面方向の抵抗を検出することを特徴とする
    請求項1に記載のセンサ装置。
  4. 前記複数の電極は、前記対象物の前記第1面または前記第2面のいずれか一方に接触し、前記第1の電極又は前記第2の電極のいずれか一方と並んで配置される第3の電極をさらに備え、
    前記電気特性センサ部は、前記電圧又は前記電流を印加する前記電極を選択する選択手段をさらに備え、
    前記電気的特性として、前記第1の電極と前記第2の電極との間の、前記対象物の厚さ方向の抵抗を検出し、
    前記第1の電極又は前記第2の電極と、前記第3の電極との間の、前記対象物の表面方向の抵抗を検出し、
    前記選択手段は、前記厚さ方向の抵抗を検出するときと、前記表面方向の抵抗を検出するときとで、前記電圧又は前記電流を印加する電極を切り替えることを特徴とする
    請求項2に記載のセンサ装置。
  5. 前記複数の電極のうち、同一の面に並んで配置される電極の少なくとも1つの電極の形状は、単数又は多重のリング形状であることを特徴とする
    請求項3又は4のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  6. 前記複数の電極は、前記対象物との接触面に導電性部材が設けられていることを特徴とする
    請求項2乃至5のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  7. 前記光学センサ部は、
    光源を含み、第1の偏光方向の直線偏光をシート状の対象物に向けて、その表面に直交する方向に対して傾斜した方向から射出する照射系と、
    前記照射系から射出され前記対象物で正反射された光の光路上に配置された第1の光検出器と、
    前記対象物の表面に直交する方向に拡散反射された光の光路上に配置された第2の光検出器と、
    前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の直線偏光成分を透過する光学素子と、を備えることを特徴とする
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  8. 前記処理部は、前記正反射された光、前記拡散反射された光、及び前記電気的特性と、
    前記対象物の黒紙や合成紙などの特殊用紙を含む複数の銘柄との対応関係を予め記憶しておくメモリを有することを特徴とする
    請求項7に記載のセンサ装置。
  9. 前記センサ装置は、
    前記シート状の対象物の一部が挿入可能なスリットが形成された、外形が直方体又は四角錐台の装置筐体を備え、
    前記光学センサ部及び前記電気特性センサ部は前記スリットに前記対象物が挿入されているときに、前記光学的特性及び前記電気的特性を検出することを特徴とする
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載のセンサ装置。
  10. 前記電気特性センサ部は、前記対象物の挿入方向と直交する方向であって、前記スリットの内側面から前記スリットの中央の方向へ前記複数の電極を前記対象物の方向へ押し当てる、前記対象物との非接触の押し当て機構を備えることを特徴とする
    請求項9に記載のセンサ装置。
  11. 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
    前記記録媒体を対象物とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載のセンサ装置と、
    前記センサ装置の出力に基づいて画像形成条件を調整する調整装置と、を備えることを特徴とする
    画像形成装置。
  12. シート状の対象物を判別する判別方法であって、
    前記対象物の光学的特性を検出するステップと、
    前記対象物に接触可能な複数の電極と前記複数の電極を前記対象物へ押し当てる、前記対象物と非接触の押し当て部材とを備え、前記対象物における前記複数の電極間における前記押し当て機構による前記対象物に対して圧力を変化させたときの電気的特性を検出するステップと、
    検出された前記対象物の前記光学的特性及び前記電気的特性に基づいて、前記対象物の種類や特徴を判別するステップと、を有することを特徴とする
    シート状の対象物の判別方法。
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