JP2015087489A - 光学センサ及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で精度良く対象物を判別することができる光学センサを提供する。
【解決手段】 光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、偏光フィルタ14、センサ筐体16、及び複数の摺動部材31などを有している。複数の摺動部材31は、記録紙Mに対してセンサ筐体16よりも摺動性が高い材料でできており、センサ筐体16の−Z側の壁面に取り付けられている。また、複数の摺動部材31は、平坦部2250に載置された記録紙Mに光学センサ2245が押し当てられたときに、光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、及び偏光フィルタ14が、記録紙Mに対して所望の位置関係となるように、Z軸方向に関する大きさが設定されている。この場合、作業者は、上記所望の位置関係を維持したまま、光学センサ2245及び記録紙Mの少なくとも一方を円滑に移動させることができる。
【選択図】図3
【解決手段】 光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、偏光フィルタ14、センサ筐体16、及び複数の摺動部材31などを有している。複数の摺動部材31は、記録紙Mに対してセンサ筐体16よりも摺動性が高い材料でできており、センサ筐体16の−Z側の壁面に取り付けられている。また、複数の摺動部材31は、平坦部2250に載置された記録紙Mに光学センサ2245が押し当てられたときに、光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、及び偏光フィルタ14が、記録紙Mに対して所望の位置関係となるように、Z軸方向に関する大きさが設定されている。この場合、作業者は、上記所望の位置関係を維持したまま、光学センサ2245及び記録紙Mの少なくとも一方を円滑に移動させることができる。
【選択図】図3
Description
本発明は、光学センサ及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、対象物を判別するのに好適な光学センサ、及び該光学センサを備える画像形成装置に関する。
デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置は、印刷用紙に代表される記録媒体の表面にトナー像を転写し、所定の条件で加熱及び加圧することでその像を定着させ画像を形成している。画像形成において考慮しなければならないのが現象条件、転写条件及び定着条件などの画像形成条件であり、特に高品質の画像形成を行うには、画像形成条件を記録媒体に応じて個別に設定する必要がある。
これは、記録媒体における画像品質が、その材質、厚さ、湿度、平滑性、及び塗工状態などに大きく影響されるためである。例えば平滑性に関しては、定着の条件によっては印刷用紙表面の凹凸において凹部分のトナーの定着率が低くなってしまう。そこで、記録媒体に応じた正しい条件で定着を行わないと色むらが生じてしまう。
さらに、近年の画像形成装置の進歩と表現方法の多様化に伴い、記録媒体の種類は印刷用紙だけでも数百種類以上存在し、さらにそれぞれの種類において坪量や厚さなどの仕様の違いで多岐にわたる銘柄がある。高品質の画像形成のためにはこれら銘柄の1つ1つに応じた細かな画像形成条件を設定する必要がある。
また、近年、普通紙、グロスコート紙、マットコート紙、アートコート紙に代表される塗工紙、プラスチックシート、表面にエンボス加工が施された特殊紙、に関しても銘柄が増加している。
現在の画像形成装置では、トレイに用紙を充填する際、ユーザ自身がトレイ毎の用紙の銘柄や印刷条件を設定する必要がある。このため、設定作業に煩わしさがあった。そして、ユーザに用紙の種類を識別するための知識が求められ、その設定内容を誤ると最適な画像を得ることができなかった。また、使用する用紙の銘柄が不明の場合には、どの銘柄として設定するのが適しているのかがわからなかった。
例えば、特許文献1には、第1の偏光方向の直線偏光を、シート状の対象物の表面に向けて、該表面の法線方向に対して傾斜した入射方向から射出する照射系と、前記照射系から射出され前記対象物で正反射された光の光路上に配置された第1の光検出器を含む第1の光検出系と、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置され、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の直線偏光成分を透過させる光学素子、及び該光学素子を透過した光を受光する第2の光検出器を含む第2の光検出系と、を備える光学センサが開示されている。
しかしながら、従来の光学センサでは、対象物の表面上を移動させながら判別処理を行うと、判別精度が低下するおそれがあった。
本発明は、光源と、該光源から射出されシート状の対象物で反射された光を受光する光検出系と、前記光源及び前記光検出系が収納され、一の面に前記対象物に向かう光及び前記対象物で反射された光が通過する開口を有する筐体と、前記筐体に設けられ、前記対象物に接する部材とを備え、前記対象物に対して前記筐体を相対的に移動させる際の、前記対象物に対する前記部材の摩擦力は、前記対象物に対する前記筐体の摩擦力よりも小さいことを特徴とする光学センサである。
本発明の光学センサによれば、簡単な構成で精度良く対象物を判別することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図15に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を記録媒体に形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、光学センサ2245、プリンタ制御装置2090、操作パネル(図示省略)、及びプリンタ筐体2200などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、増幅回路、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。なお、カラープリンタ2000が記録媒体として対応可能な複数の銘柄の記録紙について、最適な現像条件及び転写条件が「現像・転写テーブル」としてROMに格納されている。
操作パネルは、作業者が各種設定を行うための複数のキー、及び各種情報を表示するための表示部を有している。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光で、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。すなわち、ここでは、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。また、各感光体ドラムがそれぞれ像担持体である。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ(図示省略)からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のトナー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙に定着される。ここでトナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
光学センサ2245は、プリンタ筐体2200に対して着脱可能であり、操作パネルの近くに、作業者が手に取ることが可能な状態で配置され、記録紙の銘柄を判別する際に用いられる。
作業者は、記録紙の銘柄を判別する際には、操作パネルの近くに設けられている平坦部2250に記録紙Mを載置し、その上に光学センサ2245を載せるようになっている(図2参照)。なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、記録紙Mの表面に直交する方向をZ軸方向として説明する。そして、光学センサ2245は、記録紙Mの+Z側の面に載せられるものとする。
この光学センサ2245は、一例として図3に示されるように、光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、偏光フィルタ14、これらが収納されるセンサ筐体16、及び複数の摺動部材31などを有している。なお、図3は、センサ筐体16の−Y側の壁を取り除いた状態の図である。
センサ筐体16は、金属製の箱部材、例えば、アルミニウム製の箱部材であり、外乱光及び迷光の影響を低減するため、表面に黒アルマイト処理が施されている。センサ筐体16は、−Z側の壁のほぼ中央に開口部を有している。
複数の摺動部材31は、センサ筐体16の−Z側の壁面に開口部を取り囲むように取り付けられている。ここでは、一例として図4に示されるように、3つの摺動部材31が用いられている。
各摺動部材は、記録紙に対して、センサ筐体16の材料よりも摺動性が高い材料でできている。ここでは、各摺動部材は、テフロン(登録商標)製である。すなわち、各摺動部材は、センサ筐体16に設けられ、記録紙に接している。そして、記録紙に対してセンサ筐体16が相対的に移動する際の、記録紙に対する各摺動部材の摩擦力は、記録紙に対するセンサ筐体16の摩擦力よりも小さい。
また、複数の摺動部材31の−Z側の面は、Z軸方向に直交する同一平面上にある。そこで、光学センサ2245は、がたつきを生じることなく記録紙M上に載せることができる。
上記平坦部2250は、記録紙Mが載置され、光学センサ2245が押し当てられても変形しない材料でできている。また、平坦部2250は、光学センサ2245から記録紙Mに光が照射されたとき、記録紙Mと平坦部2250との界面で光が反射されない材料でできている。さらに、平坦部2250は、均質な材料でできている。ここでは、一例として、平坦部2250は、黒色のアクリル樹脂でできている。
そこで、平坦部2250に記録紙Mが載置され、光学センサ2245が押し当てられると、記録紙Mは複数の摺動部材31によって平坦部2250に押し付けられることとなる(図5参照)。
光源11は、複数の発光部を有している。各発光部は、垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、光源11は、面発光レーザアレイ(VCSELアレイ)を含んでいる。ここでは、一例として図6に示されるように、9個の発光部が2次元配列されている。
光源11は、記録紙Mに対してS偏光の直線偏光が照射されるように配置されている。また、光源11からの光の記録紙Mへの入射角θ(図7参照)は、80°である。この光源11は、プリンタ制御装置2090によって、点灯及び消灯される。
コリメートレンズ12は、光源11から射出された光の光路上に配置され、該光を略平行光とする。コリメートレンズ12を介した光は、センサ筐体16に設けられている開口部を通過して記録紙Mを照明する。なお、以下では、記録紙Mの表面における照明領域の中心を「照明中心」と略述する。また、コリメートレンズ12を介した光を「照射光」ともいう。
ところで、光が媒質の境界面に入射するとき、入射光線と入射点に立てた境界面の法線とを含む面は「入射面」と呼ばれている。そこで、入射光が複数の光線からなる場合は、光線毎に入射面が存在することとなるが、ここでは、便宜上、照明中心に入射する光線の入射面を、記録紙における入射面ということとする。すなわち、照明中心を含みXZ面に平行な面が記録紙における入射面である。
本明細書では、記録紙Mへの入射光だけでなく反射光に対してもS偏光及びP偏光という表現を用いるが、これは説明をわかりやすくするために、記録紙Mへの入射光の偏光方向を基準とした表現であり、入射面内において入射光(ここでは、S偏光)と同一の偏光方向をS偏光、それに直交する偏光方向をP偏光と呼ぶこととする。
偏光フィルタ14は、照明中心の+Z側に配置されている。この偏光フィルタ14は、P偏光を透過させ、S偏光を遮光する偏光フィルタである。なお、偏光フィルタ14に代えて、同等の機能を有する偏光ビームスプリッタを用いても良い。
受光器13は、偏光フィルタ14の+Z側に配置され、偏光フィルタ14を透過した光を受光する。ここでは、図8に示されるように、照明中心と偏光フィルタ14の中心と受光器13の中心とを結ぶ線L1と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ1は90°である。
受光器15は、X軸方向に関して、照明中心の+X側に配置されている。そして、照明中心と受光器15の中心とを結ぶ線L2と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ2は170°である。
光源11の中心と、照明中心と、偏光フィルタ14の中心と、受光器13の中心と、受光器15の中心は、ほぼ同一平面上に存在する。
ところで、記録紙を照明したときの記録紙から反射光は、記録紙の表面で反射された反射光と、記録紙の内部で反射された反射光に分けて考えることができる。また、記録紙の表面で反射された反射光は、正反射された反射光と拡散反射された反射光に分けて考えることができる。以下では、便宜上、記録紙の表面で正反射された反射光を「表面正反射光」、拡散反射された反射光を「表面拡散反射光」ともいう(図9(A)及び図9(B)参照)。
記録紙の表面は、平面部と斜面部とで構成され、その割合で記録紙表面の平滑性が決定される。平面部で反射された光は表面正反射光となり、斜面部で反射された光は表面拡散反射光となる。表面拡散反射光は、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。そして、平滑性が高くなるほど表面正反射光の光量が増加する。
一方、記録紙の内部からの反射光は、該記録紙が一般の印刷用紙である場合、その内部の繊維中で多重散乱するため拡散反射光のみとなる。以下では、便宜上、記録紙の内部からの反射光を「内部反射光」ともいう(図9(C)参照)。この内部反射光も、表面拡散反射光と同様に、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。
受光器に向かう表面正反射光及び表面拡散反射光の偏光方向は、入射光の偏光方向と同じである。ところで、記録紙の表面で偏光方向が回転するには、入射光がその入射方向に対して該回転の向きに傾斜した面で反射されなくてはならない。ここでは、光源の中心と照明中心と各受光器の中心とが同一平面上にあるため、記録紙の表面で偏光方向が回転した反射光は、いずれの受光器の方向にも反射されない。
一方、受光器に向かう内部反射光の偏光方向は、入射光の偏光方向に対して回転している。これは、記録紙の内部に侵入した光は、繊維中を透過し、多重散乱される間に旋光し、偏光方向が回転するためと考えられる。
偏光フィルタ14には、表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する(図10参照)。
偏光フィルタ14に入射する表面拡散反射光は入射光と同じS偏光であるため、偏光フィルタ14で遮光される。一方、内部反射光はS偏光とP偏光とが混在しているため、P偏光成分が偏光フィルタ14を透過する。すなわち、内部反射光に含まれるP偏光成分が受光器13で受光される(図11参照)。
内部反射光の光量は、記録紙の厚みや密度に相関を持つことが発明者らによって確認されている。これは、内部反射光の光量が、記録紙の繊維中を通過する際の経路長に依存するためである。
受光器15には、表面正反射光と表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する。この受光位置では、表面正反射光の光量に比べて表面拡散反射光及び内部反射光の光量は非常に小さいので、受光器15の受光光量は、表面正反射光の光量であるとみなすことができる(図12参照)。
各受光器は、それぞれ受光光量に対応する電気信号をプリンタ制御装置2090に出力する。なお、以下では、光源11からの光が記録紙に照射されたときの、受光器13の出力信号における信号レベルを「S1」、受光器15の出力信号における信号レベルを「S2」とする。
複数の摺動部材31は、平坦部2250に載置された記録紙Mに光学センサ2245が押し当てられたときに、光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、及び偏光フィルタ14が、記録紙Mに対して上述した位置関係となるように、Z軸方向に関する大きさが設定されている。
また、カラープリンタ2000が対応可能な複数銘柄の記録紙に関して、予め調整工程等の出荷前工程で記録紙の銘柄毎にS1及びS2の値を計測し、該計測結果を「記録紙判別テーブル」としてプリンタ制御装置2090のROMに格納している。
図13には、国内で販売されている30銘柄の記録紙について、S1、S2の計測値が示されている。なお、図13における枠は、同一銘柄のばらつき範囲が示されている。
次に、銘柄が不明の記録紙Mの銘柄を判別する処理(銘柄判別処理)について説明する。
先ず、銘柄判別処理の際に作業者によって行われる作業について説明する。
1.操作パネルの近くに設けられている平坦部に判別対象の記録紙Mを載置する。
2.光学センサ2245を手に持ち、記録紙Mの上に光学センサ2245を載せる。
3.操作パネルを介して判別処理要求を入力する。この判別処理要求は、操作パネルからプリンタ制御装置2090に通知される。
1.操作パネルの近くに設けられている平坦部に判別対象の記録紙Mを載置する。
2.光学センサ2245を手に持ち、記録紙Mの上に光学センサ2245を載せる。
3.操作パネルを介して判別処理要求を入力する。この判別処理要求は、操作パネルからプリンタ制御装置2090に通知される。
プリンタ制御装置2090は、判別処理要求を受け取ると、銘柄判別処理を開始する。
(1)光源11の複数の発光部を同時に点灯させる。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2の値を求める。ここでは、所定のサンプリング時間毎にS1、S2の値が求められる。そこで、受光器毎に複数のデータが得られる。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
(1)光源11の複数の発光部を同時に点灯させる。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2の値を求める。ここでは、所定のサンプリング時間毎にS1、S2の値が求められる。そこで、受光器毎に複数のデータが得られる。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
作業者は、上記銘柄判別処理で光源11が点灯されている間、一例として図14に示されるように、光学センサ2245及び記録紙Mの少なくとも一方を移動させる。これにより、一例として図15に示されるように、記録紙Mにおける複数の位置を検出位置とすることができる。そして、検出精度を向上させることができる。
(4)受光器毎に、得られた複数のデータを平均化し、該平均値を計測値とする。
(5)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS1、S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
(5)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS1、S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
図13において、例えば、S1及びS2の計測値が「◇」であれば、銘柄Dと特定される。また、S1及びS2の計測値が「■」であれば、最も近い銘柄Cと特定される。また、S1及びS2の計測値が「◆」であれば、銘柄Aあるいは銘柄Bのいずれかである。
このときは、例えば、銘柄Aでの平均値と計測値との差、及び銘柄Bでの平均値と計測値との差を演算し、その演算結果が小さいほうの銘柄に特定される。また、銘柄Aであると仮定して該計測値を含めてばらつきを再計算するとともに、銘柄Bであると仮定して該計測値を含めてばらつきを再計算し、再計算されたばらつきが小さいほうの銘柄を選択しても良い。
(6)判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存し、銘柄判別処理を終了する。
作業者は、判別された記録紙の銘柄が操作パネルの表示部に表示されると、光学センサ2245を元の配置位置に戻す。そして、銘柄が判別された記録紙を給紙トレイ2060にセットする。
プリンタ制御装置2090は、ユーザから印刷ジョブ要求を受け取ると、RAMに保存されている記録紙の銘柄を読み出し、該記録紙の銘柄に最適な現像条件及び転写条件を、現像・転写テーブルから求める。
そして、プリンタ制御装置2090は、最適な現像条件及び転写条件に応じて各ステーションの現像装置及び転写装置を制御する。例えば、転写電圧やトナー量を制御する。これにより、高い品質の画像が記録紙に形成される。
以上説明したように、本実施形態に係る光学センサ2245によると、光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、偏光フィルタ14、センサ筐体16、及び複数の摺動部材31などを有している。
そして、光源11とコリメートレンズ12とからなる照射系は、S偏光を対象物である記録紙に向けて、Z軸方向に対して傾斜した方向から射出する。受光器15は、照射系から射出され記録紙で正反射された光(表面正反射光)の光路上に配置されている。偏光フィルタ14と受光器13は、記録紙の表面の法線方向に拡散反射された光の光路上に配置され、偏光フィルタ14は、P偏光成分を透過させ、受光器13は、偏光フィルタ14を透過した光(内部反射光に含まれるP偏光成分)を受光する。
複数の摺動部材31は、記録紙に対してセンサ筐体16よりも摺動性が高い材料でできており、センサ筐体16の−Z側の壁面に取り付けられている。また、複数の摺動部材31は、平坦部2250に載置された記録紙に光学センサ2245が押し当てられたときに、光源11、コリメートレンズ12、2つの受光器(13、15)、及び偏光フィルタ14が、記録紙Mに対して所望の位置関係となるように、Z軸方向に関する大きさが設定されている。
この場合、作業者は、銘柄判別処理の際に、上記所望の位置関係を維持したまま、光学センサ2245及び記録紙の少なくとも一方を円滑に移動させることができる。そして、これにより、記録紙の銘柄を精度良く安定して判別することができる。
また、本実施形態では、光源として面発光レーザアレイを用いているため、直線偏光の照射光を得るための偏光フィルタが不要である。さらに、面発光レーザアレイでは、従来用いられてきたLED等では困難であった複数の発光部の高密度な集積化が可能となる。この場合は、複数の発光部を有する小型の光源が実現できる。また、コリメートレンズの光軸付近に全てのレーザ光を集中させることができるため、入射角を一定にして複数の光を略平行にすることが可能となる。この場合は、安価なコリメート光学系を用いることができる。そこで、光学センサの小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、銘柄判別処理では、面発光レーザアレイの複数の発光部を同時に点灯させている。このため、各受光部の出力におけるS/Nが向上し、判別精度を高めることができる。
また、複数の発光部を同時に点灯させることによりスペックルパターンのコントラスト比が低減され、より正確な反射光量の検出が可能になるため、判別精度を高めることができる。
また、複数の発光部を同時に点灯させることにより内部反射光の光量を増加させることができ、従来は微弱で分離することが困難であった記録紙内部からの反射光を高精度で分離することができる。記録紙内部からの反射光は、記録紙の内部状態に関する情報を含んでいる。
また、複数種類のセンサを組み合わせることなく、簡潔な部品構成であるため、低コストで、小型の光学センサを実現することができる。
そこで、光学センサ2245によると、簡単な構成で精度良く対象物を判別することができる。
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000は、光学センサ2245を備えているため、結果として、高コスト化及び大型化を招くことなく、高品質の画像を形成することができる。さらに従来の手動で設定しなければならない煩わしさや設定ミスによる印刷の失敗が解消される。
なお、上記実施形態では、複数の摺動部材31として、3つの摺動部材が設けられる場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、摺動部材31の大きさ及び形状については、上記実施形態に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、複数の摺動部材31の大きさ及び形状が同じ場合について説明したが、これに限定されるものではない。
複数の摺動部材31の変形例が、図16及び図17に示されている。
また、上記実施形態では、摺動部材31の−Z側の面が平面の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、曲面であっても良い(図18参照)。なお、図18の場合は、X軸方向が光学センサ2245の移動方向である。また、摺動部材31の−Z側の面が複数の面から構成されていても良い(図19参照)。
また、上記実施形態において、一例として図20(A)及び図20(B)に示されるように、前記複数の摺動部材31に代えて、センサ筐体16の開口部とほぼ同じ大きさの開口を有する1つの摺動部材32を用いても良い。
また、上記実施形態において、一例として図21に示されるように、前記複数の摺動部材31に代えて、ローラ部材33と軸部材34と軸受け35を用いても良い。ここでは、ローラ部材33は、Y軸方向を回転軸方向とし、光学センサ2245をX軸方向に移動させることができる(図22参照)。ローラ部材33は、摺動部材31よりも経年による摩耗及び変形が少ないため、長期的な使用に適している。
また、上記実施形態において、センサ筐体16と記録紙Mとの間隔が大きくて、センサ筐体16の開口部から外部に光が漏れるおそれがある場合は、一例として図23及び図24に示されるように、開口部の周囲に遮光部材40を設けても良い。なお、Z軸方向に関して、遮光部材40の大きさは、摺動部材31の大きさよりも小さい。この遮光部材40は、開口部の周囲を囲み、開口部の周囲からの外部への光のもれを抑制する。
この場合、一例として図25及び図26に示されるように、摺動部材31によって、センサ筐体16の開口部から漏れる光を遮光しても良い。この摺動部材31は、開口部の周囲を囲み、開口部の周囲からの外部への光のもれを抑制する。なお、この摺動部材31と上記遮光部材40とが併用されても良い。
また、上記実施形態において、カラープリンタ2000に平坦部2250が設けられていない場合は、平坦部2250と同等の板部材を、例えばテーブルに乗せ、その上に記録紙を載置しても良い。この場合、記録紙の表面の複数位置を検出位置とするため、該板部材の大きさは、センサ筐体16の開口部の大きさよりも十分に大きいことが好ましい。
また、上記実施形態では、記録紙に照射される光がS偏光の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録紙に照射される光がP偏光であっても良い。但し、この場合は、前記偏光フィルタ14に代えて、S偏光を透過させる偏光フィルタが用いられ、受光器13は、内部反射光に含まれるS偏光成分を受光する。
また、上記実施形態において、面発光レーザアレイの複数の発光部は、少なくとも一部の発光部間隔が、他の発光部間隔と異なっていても良い(図27参照)。つまり、隣り合う発光部の間隔が相違していても良い。
また、上記実施形態において、上記銘柄判別処理で光源11が点灯されている間、光学センサ2245及び記録紙Mのどちらも移動させなくても良い。この場合は、1つの検出位置で、データが複数個取得されることとなる。
また、上記実施形態において、光学センサ2245に処理装置を設け、銘柄判別処理の際のプリンタ制御装置2090での処理の少なくとも一部を、該処理装置で行っても良い。この場合に、判別処理の開始ボタンを光学センサ2245が備えていても良い。また、判別結果を表示させるための表示部を光学センサ2245が備えていても良い。
また、上記実施形態において、銘柄判別処理における光源11の点灯時間を操作パネルから作業者が設定できるようにしても良い。
また、上記実施形態において、光学センサ2245が、光源11の点灯/消灯に連動したLEDを備えていても良い。この場合は、作業者は、光源11の点灯/消灯状態を視覚的に知ることができる。
ところで、外乱光や迷光の影響で、誤った判別をする恐れがある場合には、受光器の数を増加させても良い。
例えば、図28に示されるように、受光器17を更に有していても良い。この受光器17には、表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する。この受光位置では、表面拡散反射光の光量に比べて内部反射光の光量は非常に小さいので、受光器17の受光光量は、表面拡散反射光の光量であるとみなすことができる。
そして、照明中心と受光器17の中心とを結ぶ線L3と記録紙の表面とのなす角度ψ3は、一例として120°である。このとき、光源11の中心と、照明中心と、偏光フィルタ14の中心と、各受光器の中心は、ほぼ同一平面上に存在する。
この場合に、プリンタ制御装置2090によって行われる銘柄判別処理について以下に説明する。なお、以下では、光源11からの光が記録紙に照射されたときの、受光器17の出力信号における信号レベルを「S3」という。
(1)光源11の複数の発光部を同時に点灯させる。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2、S3の値を求める。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
(4)受光器毎に、得られた複数のデータを平均化し、該平均値を計測値とする。
(5)S3/S2の計測値を求める。
(6)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS1、S3/S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
(7)判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存し、銘柄判別処理を終了する。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2、S3の値を求める。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
(4)受光器毎に、得られた複数のデータを平均化し、該平均値を計測値とする。
(5)S3/S2の計測値を求める。
(6)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS1、S3/S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
(7)判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存し、銘柄判別処理を終了する。
なお、この場合は、カラープリンタ2000が対応可能な複数銘柄の記録紙に関して、予め調整工程等の出荷前工程で記録紙の銘柄毎にS1、及びS3/S2の値を計測し、該計測結果を「記録紙判別テーブル」としてプリンタ制御装置2090のROMに格納している。
また、図29に示されるように、受光器20と偏光フィルタ21を更に有していても良い。偏光フィルタ21は、表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光の光路上に配置されている。この偏光フィルタ21は、P偏光を透過させ、S偏光を遮光する偏光フィルタである。
受光器20は、偏光フィルタ21を透過した光束の光路上に配置されている。そこで、受光器20は、内部反射光に含まれるP偏光成分を受光する。
そして、照明中心と偏光フィルタ21及び受光器20の中心とを結ぶ線L4と記録紙の表面とのなす角度ψ4は、一例として150°である。また、光源11の中心と、照明中心と、各偏光フィルタの中心と、各受光器の中心は、ほぼ同一平面上に存在する。
この場合に、プリンタ制御装置2090によって行われる銘柄判別処理について以下に説明する。なお、以下では、光源11からの光が記録紙に照射されたときの、受光器20の出力信号における信号レベルを「S4」という。
(1)光源11の複数の発光部を同時に点灯させる。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2、S4の値を求める。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
(4)受光器毎に、得られた複数のデータを平均化し、該平均値を計測値とする。
(5)S4/S1の値を求める。
(6)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS4/S1、S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
(7)判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存し、銘柄判別処理を終了する。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2、S4の値を求める。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
(4)受光器毎に、得られた複数のデータを平均化し、該平均値を計測値とする。
(5)S4/S1の値を求める。
(6)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS4/S1、S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
(7)判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存し、銘柄判別処理を終了する。
なお、この場合は、カラープリンタ2000が対応可能な複数銘柄の記録紙に関して、予め調整工程等の出荷前工程で記録紙の銘柄毎にS4/S1、及びS2の値を計測し、該計測結果を「記録紙判別テーブル」としてプリンタ制御装置2090のROMに格納している。
また、図30に示されるように、上記受光器17と上記受光器20と上記偏光フィルタ21とを更に有していても良い。
この場合に、プリンタ制御装置2090によって行われる銘柄判別処理について以下に説明する。
(1)光源11の複数の発光部を同時に点灯させる。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2、S3、S4の値を求める。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
(4)受光器毎に、得られた複数のデータを平均化し、該平均値を計測値とする。
(5)S4/S1、S3/S2の値を求める。
(6)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS4/S1、S3/S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
(7)判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存し、銘柄判別処理を終了する。
(2)各受光器の出力信号からS1、S2、S3、S4の値を求める。
(3)所定時間(例えば、3秒)経過後、光源11の複数の発光部を消灯させる。
(4)受光器毎に、得られた複数のデータを平均化し、該平均値を計測値とする。
(5)S4/S1、S3/S2の値を求める。
(6)記録紙判別テーブルを参照し、得られたS4/S1、S3/S2の計測値から記録紙の銘柄を判別する。
(7)判別された記録紙の銘柄を操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存し、銘柄判別処理を終了する。
なお、この場合は、カラープリンタ2000が対応可能な複数銘柄の記録紙に関して、予め調整工程等の出荷前工程で記録紙の銘柄毎にS4/S1、及びS3/S2の値を計測し、該計測結果を「記録紙判別テーブル」としてプリンタ制御装置2090のROMに格納している。図31には、各銘柄におけるS4/S1とS3/S2の値が示されている。
このように、互いに異なる方向に反射された拡散光をそれぞれ検出する複数の受光器を設け、各受光器の出力値の比などの演算した値を用いて記録紙を判別することにより、外乱光や迷光などがあっても正確な判別が可能である。
また、この場合に、プリンタ制御装置2090は、S1とS2を用いておおまかに紙種を絞り込み、S4/S1とS3/S2を用いて記録紙の銘柄を判別しても良い。
なお、ここでは、S1とS4を用いた演算方法としてS4/S1を用いたが、これに限定されるものではない。同様に、S2とS3を用いた演算方法についても、S3/S2に限定されるものではない。
図32(A)及び図32(B)には、S1とS2のみを用いて判別する場合と、S4/S1とS3/S2を用いて判別する場合とについて、外乱光の影響を調べた結果が示されている。S1とS2のみを用いて判別する場合は、図32(A)に示されるように、外乱光があると、各受光系での検出値が大きくなり、誤った判別をする恐れがある。一方、S4/S1とS3/S2を用いて判別する場合は、図32(B)に示されるように、外乱光があってもS4/S1及びS3/S2は、外乱光がないときとほとんど変化せず、正しい判別をすることができる。
また、上記受光器17と上記受光器20と上記偏光フィルタ21とに加え、受光器17と同様に表面拡散反射光の光量を検出する受光器(受光器22という)と、偏光フィルタ21と同様な偏光フィルタ(偏光フィルタ24という)と、該偏光フィルタ24を透過した光を受光する受光器(受光器23という)とを更に有していても良い。ここでは、受光器22の出力レベルを「S5」、受光器23の出力レベルを「S6」とする。この場合、(S4/S1+S6/S1)の値と、(S3/S2+S5/S2)の値とを用いて、銘柄判別を行っても良い。また、S4/S1の値と、S6/S1の値と、S3/S2の値と、S5/S2の値とを用いて、銘柄判別を行っても良い。なお、当然ながら、銘柄判別に用いられる演算方法に応じた「記録紙判別テーブル」が、予め調整工程等の出荷前工程で作成され、プリンタ制御装置2090のROMに格納されている。
また、上記実施形態では、光源11が複数の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、光源11が1つの発光部を有していても良い。
また、上記実施形態において、前記面発光レーザアレイに代えて、従来のLD(Laser Diode)を用いても良い。但し、この場合は、照射光をS偏光にするための偏光フィルタが必要となる。
また、上記実施形態において、各受光器の前方に集光レンズが配置されていることが好ましい。この場合は、検出光量の変化を低減することができる。
また、上記実施形態において、光学センサ2245は、電源を内蔵していても良い。この場合は、カラープリンタ2000からの給電は不要である。
また、上記実施形態において、光学センサ2245とプリンタ制御装置2090との間のデータのやりとりを無線で行っても良い。
また、上記実施形態では、給紙トレイが1つの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、給紙トレイが複数あっても良い。
また、光学センサ2245によって判別される対象物は、記録紙に限定されるものではない。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、光プロッタやデジタル複写装置であっても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置が4つの感光体ドラムを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、光学センサ2245は、記録紙にインクを吹き付けて画像を形成する画像形成装置にも適用可能である。
11…光源、12…コリメートレンズ、13…受光器(第2の光検出器)、14…偏光フィルタ(第1の光学素子)、15…受光器(第1の光検出器)、16…センサ筐体(筐体)、17…受光器(第3の光検出器)、20…受光器(第3の光検出器、第4の光検出器)、21…偏光フィルタ(第2の光学素子)、31…摺動部材(部材)、32…摺動部材(部材)、33…ローラ部材(ローラ)、34…軸部材、35…軸受け、40…遮光部材、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a,2030b,2030c,2030d…感光体ドラム(像担持体)、2032a,2032b,2032c,2032d…帯電装置、2033a,2033b,2033c,2033d…現像ローラ、2040…転写ベルト、2042…転写ローラ、2050…定着装置、2090…プリンタ制御装置(調整装置)、2245…光学センサ、2250…平坦部、M…記録紙(シート状の対象物、記録媒体)。
Claims (10)
- 光源と、
該光源から射出されシート状の対象物で反射された光を受光する光検出系と、
前記光源及び前記光検出系が収納され、一の面に前記対象物に向かう光及び前記対象物で反射された光が通過する開口を有する筐体と、
前記筐体に設けられ、前記対象物に接する部材とを備え、
前記対象物に対して前記筐体を相対的に移動させる際の、前記対象物に対する前記部材の摩擦力は、前記対象物に対する前記筐体の摩擦力よりも小さいことを特徴とする光学センサ。 - 前記開口の周囲を囲み、前記開口の周囲からの外部への光のもれを抑制する遮光部材を更に備えることを特徴とする請求項1に記載の光学センサ。
- 前記部材は、ローラを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光学センサ。
- 前記部材は、前記対象物に対して前記筐体よりも高い摺動性を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学センサ。
- 前記部材は、前記開口の周囲を囲み、前記開口の周囲からの外部への光のもれを抑制することを特徴とする請求項4に記載の光学センサ。
- 前記光源は、第1の偏光方向の直線偏光を前記対象物の表面に直交する方向に対して傾斜した方向から射出し、
前記光検出系は、前記対象物で正反射された光の光路上に配置された第1の光検出器と、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置され、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の直線偏光成分を透過させる第1の光学素子と、前記第1の光学素子を透過した光を受光する第2の光検出器と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学センサ。 - 前記光検出系は、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置された第3の光検出器を備えることを特徴とする請求項6に記載の光学センサ。
- 前記光検出系は、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置され、前記第2の偏光方向の直線偏光を透過させる第2の光学素子と、前記第2の光学素子を透過した光を受光する第3の光検出器とを備えることを特徴とする請求項6に記載の光学センサ。
- 前記光検出系は、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置された第3の光検出器と、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に配置され、前記第2の偏光方向の直線偏光を透過させる第2の光学素子と、前記第2の光学素子を透過した光を受光する第4の光検出器とを備えることを特徴とする請求項6に記載の光学センサ。
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記記録媒体を対象物とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の光学センサと、
前記光学センサの出力に基づいて画像形成条件を調整する調整装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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