JP2015021766A - センサ装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で精度良く対象物の種類を判別することができるセンサ装置を提供する。【解決手段】 センサ装置は、光学センサ110、処理装置、ガイド部材160などを有している。ガイド部材のガイド面に記録紙Mの一辺が突き当てられると、XY面に正射影したとき、光学センサからの照射光の記録紙Mにおける入射面が記録紙Mの一辺に対して45?傾斜する。処理装置のROMには、予め、カラープリンタが対応可能な複数銘柄の記録紙について、光学センサからの照射光の記録紙における入射面が記録紙の一辺に対して45?傾斜する状態で取得された光学センサの各受光器の出力レベルが「銘柄別出力レベルデータ」として格納されている。【選択図】図13
Description
本発明は、センサ装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、光学センサを有するセンサ装置、及び該センサ装置を備える画像形成装置に関する。
デジタル複写機、レーザプリンタ等の画像形成装置は、印刷用紙に代表される記録媒体の表面にトナー像を転写し、所定の条件で加熱及び加圧することでその像を定着させ画像を形成している。画像形成において考慮しなければならないのが現像条件、転写条件、定着条件などの画像形成条件であり、特に高品質の画像形成を行うには、画像形成条件を記録媒体に応じて個別に設定する必要がある。
これは、記録媒体における画像品質が、その材質、厚さ、湿度、平滑性、及び塗工状態などに大きく影響されるためである。例えば平滑性に関しては、定着の条件によっては印刷用紙表面の凹凸において凹部分のトナーの定着率が低くなってしまう。そこで、記録媒体に応じた正しい条件で定着を行わないと色むらが生じてしまう。
さらに、近年の画像形成装置の進歩と表現方法の多様化に伴い、記録媒体の種類は印刷用紙だけでも数百種類以上存在し、さらにそれぞれの種類において坪量や厚さなどの仕様の違いで多岐にわたる銘柄がある。高品質の画像形成のためにはこれら銘柄の1つ1つに応じた細かな画像形成条件を設定する必要がある。
また、近年、普通紙、グロスコート紙、マットコート紙、アートコート紙に代表される塗工紙、プラスチックシート、表面にエンボス加工が施された特殊紙、に関しても銘柄が増加している。
現在の画像形成装置では、トレイに用紙を充填する際、ユーザ自身がトレイ毎の用紙の銘柄や印刷条件を設定する必要がある。このため、設定作業に煩わしさがあった。そして、ユーザに用紙の種類を識別するための知識が求められ、その設定内容を誤ると最適な画像を得ることができなかった。また、使用する用紙の銘柄が不明の場合には、どの銘柄として設定するのが適しているのかがわからなかった。
記録媒体に光を照射し、その反射光や透過光を受光して、該記録媒体の銘柄や表面状態などを検出する光学的な方法が知られている。
例えば、特許文献1には、反射光と透過光とを用いて記録材の種類を識別する記録材識別装置が開示されている。
また、特許文献2には、移動中のシート材の表面で反射した反射光量とシート材を透過した透過光量に基づいて、シート材の材質を判別するシート材材質判別装置が開示されている。
また、特許文献3には、給紙部に収容された記録材の種類を判別する反射型光学センサと、反射型光学センサからの検出出力に基づいて、給紙部に収容された記録材の有無と給紙部の有無とを判別する判別手段とを有する画像形成装置が開示されている。
また、特許文献4には、記録媒体に光を照射して反射された反射光の複数の偏光成分を検出する状態検出手段と、画像形成を行うための高圧出力値を供給する高圧供給手段と、状態検出手段による複数の偏光成分の検出結果に基づいて、高圧供給手段の高圧出力値を制御する出力制御手段とを具えた画像形成装置が開示されている。
また、特許文献5には、第1の偏光方向の直線偏光をシート状の対象物に射出する照射系と、照射系から射出され対象物で正反射された光の光路上に配置された第1の光検出器と、対象物で拡散反射された光の第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の直線偏光成分を透過させる光学素子と、該光学素子を透過した光を受光する第2の光検出器とを備える光学センサが開示されている。
また、特許文献6には、測定対象物に照射された光であって、測定対象物の繊維方向に伝搬されて繊維外に出た光を検出するために、照射手段が照射する光線軸と略平行でかつ、照射手段が照射する光線軸を中心とする仮想円周から漏れ出す光を検出する検出手段を設け、検出器で検出した光に基づいて測定対象物の繊維配向特性を測定する繊維配向特性の測定装置が開示されている。
また、特許文献7には、紙面に対して垂直に直線偏光からなる検出光を照射するとともに該直線偏光の振動方向を入射光軸を中心として回転させる投光手段と、入射光軸を中心として投光手段の回転に同期して旋回し、主直線偏光と副直線偏光を反射光から分離して捕捉する一対の受光手段とを備える紙の繊維配向測定装置が開示されている。
また、特許文献8には、被記録媒体の表面からの反射角が同一かつ反射方向が異なる複数の反射光を受光する複数の受光素子を用いて、被記録媒体の表面の繊維配向性を検出する第1の検出手段と、複数の受光素子のうち少なくとも一つの受光素子を用いて、被記録媒体の表面の光沢度を検出する第2の検出手段と、検出された繊維配向性と光沢度に基づいて、被記録媒体の種類を判別する判別手段とを備える被記録媒体の種類の判別装置が開示されている。
また、特許文献9には、紙表面の繊維の状態を検出する紙表面検出装置が開示されている。
しかしながら、従来の装置では、簡単な構成で精度良く対象物の種類を判別するのは困難であった。
本発明は、光源、及び該光源から射出され対象物で反射された光を受光する光検出系を有する光学センサと、それぞれの種類が既知であり互いに異なる複数種類の対象物に関して、予め前記光学センサからの光の前記対象物における入射面が該対象物の一辺に対して45°傾斜した状態で取得された前記光検出系の出力データを含むデータベースと、前記状態にある種類が不明の対象物に前記光源からの光を照射し、得られた前記光検出系の出力データを、前記データベースと照合し、前記種類が不明の対象物の種類を判別する処理装置とを備えるセンサ装置である。
本発明のセンサ装置によれば、簡単な構成で精度良く対象物の種類を判別することができる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図20に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係るカラープリンタ2000の概略構成が示されている。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を記録媒体に形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、センサ装置100、光走査装置2010、4つの感光体ドラム(2030a、2030b、2030c、2030d)、4つのクリーニングユニット(2031a、2031b、2031c、2031d)、4つの帯電装置(2032a、2032b、2032c、2032d)、4つの現像ローラ(2033a、2033b、2033c、2033d)、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着装置2050、給紙コロ2054、排紙ローラ2058、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080、操作パネル(図示省略)、及びプリンタ制御装置2090などを備えている。
通信制御装置2080は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
プリンタ制御装置2090は、CPU、該CPUにて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されているROM、作業用のメモリであるRAM、増幅回路、アナログ信号をデジタル信号に変換するAD変換回路などを有している。そして、プリンタ制御装置2090は、上位装置からの要求に応じて各部を制御するとともに、上位装置からの画像情報を光走査装置2010に送る。なお、カラープリンタ2000が記録媒体として対応可能な複数の銘柄の記録紙について、銘柄毎の最適な現像条件及び転写条件が「現像・転写テーブル」としてROMに格納されている。
操作パネルは、作業者が各種設定を行うための複数のキー、及び各種情報を表示するための表示部を有している。
感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、及びクリーニングユニット2031aは、組として使用され、ブラックの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Kステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、及びクリーニングユニット2031bは、組として使用され、シアンの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Cステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、及びクリーニングユニット2031cは、組として使用され、マゼンタの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Mステーション」ともいう)を構成する。
感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、及びクリーニングユニット2031dは、組として使用され、イエローの画像を形成する画像形成ステーション(以下では、便宜上「Yステーション」ともいう)を構成する。
各感光体ドラムはいずれも、その表面に感光層が形成されている。すなわち、各感光体ドラムの表面がそれぞれ被走査面である。各感光体ドラムは、不図示の回転機構により、図1における面内で矢印方向に回転する。
各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面をそれぞれ均一に帯電させる。
光走査装置2010は、プリンタ制御装置2090からの多色の画像情報(ブラック画像情報、シアン画像情報、マゼンタ画像情報、イエロー画像情報)に基づいて色毎に変調された光で、対応する帯電された感光体ドラムの表面をそれぞれ走査する。これにより、画像情報に対応した潜像が各感光体ドラムの表面にそれぞれ形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラムの回転に伴って対応する現像ローラの方向に移動する。
各現像ローラは、回転に伴って、対応するトナーカートリッジ(図示省略)からのトナーが、その表面に薄く均一に塗布される。そして、各現像ローラの表面のトナーは、対応する感光体ドラムの表面に接すると、該表面における光が照射された部分にだけ移行し、そこに付着する。すなわち、各現像ローラは、対応する感光体ドラムの表面に形成された潜像にトナーを付着させて顕像化させる。ここでトナーが付着した像(トナー画像)は、感光体ドラムの回転に伴って転写ベルト2040の方向に移動する。
イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各トナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次転写され、重ね合わされて多色のカラー画像が形成される。
給紙トレイ2060には記録紙が格納されている。この給紙トレイ2060の近傍には給紙コロ2054が配置されており、該給紙コロ2054は、記録紙を給紙トレイ2060から1枚ずつ取り出す。該記録紙は、所定のタイミングで転写ベルト2040と転写ローラ2042との間隙に向けて送り出される。これにより、転写ベルト2040上のトナー画像が記録紙に転写される。ここで転写された記録紙は、定着装置2050に送られる。
定着装置2050では、熱と圧力とが記録紙に加えられ、これによってトナーが記録紙に定着される。ここでトナーが定着された記録紙は、排紙ローラ2058を介して排紙トレイ2070に送られ、排紙トレイ2070上に順次積み重ねられる。
各クリーニングユニットは、対応する感光体ドラムの表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラムの表面は、再度対応する帯電装置に対向する位置に戻る。
センサ装置100は、操作パネルの近くに、作業者が手に取ることが可能な状態で配置され、記録紙の銘柄を判別する際に用いられる。
作業者は、記録紙の銘柄を判別する際には、操作パネルの近くに設けられている平坦部に記録紙Mを載置し、その上にセンサ装置100を載せるようになっている(図2参照)。なお、ここでは、XYZ3次元直交座標系において、上記平坦部の平面に直交する方向をZ軸方向として説明する。そして、センサ装置100は、記録紙Mの+Z側に載せられるものとする。
このセンサ装置100は、一例として図3に示されるように、光学センサ110、処理装置130、ガイド部材160(図3では図示省略。図12参照)などを有している。
光学センサ110は、光源111、コリメートレンズ112、3つの受光器(113、114、115)、偏光フィルタ116、及びこれらが収納される暗箱119などを有している。
暗箱119は、金属製の箱部材、例えば、アルミニウム製の箱部材であり、外乱光及び迷光の影響を低減するため、表面に黒アルマイト処理が施されている。
光源111は、複数の発光部を有している。各発光部は、垂直共振器型の面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting Laser:VCSEL)である。すなわち、光源111は、面発光レーザアレイ(VCSELアレイ)を含んでいる。ここでは、一例として図4に示されるように、9個の発光部が2次元配列されている。
光源111は、記録紙Mに対してS偏光の直線偏光が照射されるように配置されている。また、光源111からの光の記録紙Mへの入射角θ(図5参照)は、80°である。この光源111は、処理装置130によって、点灯及び消灯される。
コリメートレンズ112は、光源111から射出された光の光路上に配置され、該光を略平行光とする。コリメートレンズ112を介した光は、暗箱119に設けられている開口部を通過して記録紙Mを照明する。なお、以下では、記録紙Mの表面における照明領域の中心を「照明中心」と略述する。また、コリメートレンズ112を介した光を「照射光」ともいう。
ところで、光が媒質の境界面に入射するとき、入射光線と入射点に立てた境界面の法線とを含む面は「入射面」と呼ばれている。そこで、入射光が複数の光線からなる場合は、光線毎に入射面が存在することとなるが、ここでは、便宜上、照明中心に入射する光線の入射面を、記録紙における入射面ということとする。すなわち、照明中心を含みXZ面に平行な面が記録紙における入射面である。
本明細書では、記録紙Mへの入射光だけでなく反射光に対してもS偏光及びP偏光という表現を用いるが、これは説明をわかりやすくするために、記録紙Mへの入射光の偏光方向を基準とした表現であり、入射面内において入射光(ここでは、S偏光)と同一の偏光方向をS偏光、それに直交する偏光方向をP偏光と呼ぶこととする。
偏光フィルタ116は、照明中心の+Z側に配置されている。この偏光フィルタ116は、P偏光を透過させ、S偏光を遮光する偏光フィルタである。なお、偏光フィルタ116に代えて、同等の機能を有する偏光ビームスプリッタを用いても良い。
受光器114は、偏光フィルタ116の+Z側に配置され、偏光フィルタ116を透過した光を受光する。ここでは、図6に示されるように、照明中心と偏光フィルタ116の中心と受光器114の中心とを結ぶ線L1と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ1は90°である。
受光器113は、X軸方向に関して、照明中心の+X側に配置されている。そして、図6に示されるように、照明中心と受光器113の中心とを結ぶ線L2と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ2は170°である。
受光器115は、X軸方向に関して、照明中心の+X側に配置されている。そして、図7に示されるように、照明中心と受光器115の中心とを結ぶ線L3と、記録紙Mの表面とのなす角度ψ3は120°である。
光源111の中心と、照明中心と、偏光フィルタ116の中心と、各受光器の中心とは、ほぼ同一平面上に存在する。
ところで、記録紙に光を照射したときの記録紙から反射光は、記録紙の表面で反射された反射光と、記録紙の内部で反射された反射光とに分けて考えることができる。また、記録紙の表面で反射された反射光は、正反射された反射光と拡散反射された反射光とに分けて考えることができる。以下では、便宜上、記録紙の表面で正反射された反射光を「表面正反射光」、拡散反射された反射光を「表面拡散反射光」ともいう(図8(A)及び図8(B)参照)。
記録紙の表面は、平面部と斜面部とで構成され、その割合で記録紙表面の平滑性が決定される。平面部で反射された光は表面正反射光となり、斜面部で反射された光は表面拡散反射光となる。表面拡散反射光は、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。そして、平滑性が高くなるほど表面正反射光の光量が増加する。
一方、記録紙の内部からの反射光は、該記録紙が一般の印刷用紙である場合、その内部の繊維中で多重散乱するため拡散反射光のみとなる。以下では、便宜上、記録紙の内部からの反射光を「内部反射光」ともいう(図8(C)参照)。この内部反射光も、表面拡散反射光と同様に、完全に散乱反射された反射光であり、その反射方向は等方性があるとみなせる。
受光器に向かう表面正反射光及び表面拡散反射光の偏光方向は、入射光の偏光方向と同じである。ところで、記録紙の表面で偏光方向が回転するには、入射光がその入射方向に対して該回転の向きに傾斜した面で反射されなくてはならない。ここでは、光源の中心と照明中心と各受光器の中心とが同一平面上にあるため、記録紙の表面で偏光方向が回転した反射光は、いずれの受光器の方向にも反射されない。
一方、受光器に向かう内部反射光の偏光方向は、入射光の偏光方向に対して回転している。これは、記録紙の内部に侵入した光は、繊維中を透過し、多重散乱される間に旋光し、偏光方向が回転するためと考えられる。
偏光フィルタ116には、表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する(図9参照)。
偏光フィルタ116に入射する表面拡散反射光は入射光と同じS偏光であるため、偏光フィルタ116で遮光される。一方、内部反射光はS偏光とP偏光とが混在しているため、P偏光成分が偏光フィルタ116を透過する。すなわち、内部反射光に含まれるP偏光成分が受光器114で受光される(図10参照)。なお、以下では、便宜上、内部反射光に含まれるP偏光成分を「P偏光内部反射光」ともいう。また、内部反射光に含まれるS偏光成分を「S偏光内部反射光」ともいう。
P偏光内部反射光の光量は、記録紙の厚みや密度に相関を持つことが発明者らによって確認されている。これは、P偏光内部反射光の光量が、記録紙の繊維中を通過する際の経路長に依存するためである。
受光器113には、表面正反射光と表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する。この受光位置では、表面正反射光の光量に比べて表面拡散反射光及び内部反射光の光量は非常に小さいので、受光器113の受光光量は、表面正反射光の光量であるとみなすことができる(図11参照)。
受光器115には、表面拡散反射光と内部反射光とが混在する反射光が入射する。この受光位置では、表面拡散反射光の光量に比べて内部反射光の光量は非常に小さいので、受光器115の受光光量は、表面拡散反射光の光量であるとみなすことができる(図11参照)。
各受光器は、それぞれ受光光量に対応する電気信号(電流信号)を処理装置130に出力する。
図3に戻り、処理装置130は、CPU131、ROM132、RAM133、光源駆動回路134、電流電圧変換回路135、AD変換回路136などを有している。
ROM132には、CPU131にて解読可能なコードで記述されたプログラム及び該プログラムを実行する際に用いられる各種データが格納されている。RAM133は、作業用のメモリである。
光源駆動回路134は、CPU131の指示に応じて、光源駆動信号を光源111に出力する。
電流電圧変換回路135は、各受光器からの電流信号を電圧信号に変換する。AD変換回路136は、電流電圧変換回路135からの電圧信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
CPU131は、ROM132に格納されているプログラムに従って記録紙の銘柄を判別する。なお、判別結果はプリンタ制御装置2090に通知される。
処理装置130は、暗箱119に固定されている。なお、作業者が手に持ちやすいような外形の筐体内に、暗箱119及び処理装置130が収納されていても良い。
ガイド部材160は、一例として図12に示されるように、XY面内で、X軸方向に対して45°傾斜したガイド面を有する板状部材である。このガイド部材160は、暗箱119に固定されている。
一例として図13(A)に示されるように、記録紙Mの一辺がガイド部材160のガイド面に突き当たるようにセンサ装置100が作業者によって記録紙Mの上に載置されると、一例として図13(B)に示されるように、光学センサ110からの照射光の記録紙Mにおける入射面は、記録紙Mの一辺に対して45°傾斜することとなる。以下では、便宜上、このように光学センサ110からの照射光の記録紙Mにおける入射面が、記録紙Mの一辺に対して45°傾斜するときのセンサ装置100の姿勢を「検知姿勢」ともいう。なお、図12及び図13(B)では、分かりやすくするため、光源111と受光器113が図示されている。また、記録紙Mの長手方向をL方向とし、短手方向をW方向としている。
本実施形態では、予め、カラープリンタ2000が対応可能な複数の銘柄の記録紙について、センサ装置100を上記検知姿勢とし、光学センサ110の光源111を点灯させたときの各受光器の出力レベルを取得している。この取得結果は、「銘柄別出力レベルデータ」として処理装置130のROM132に格納されている。すなわち、柄別出力レベルデータは、それぞれの銘柄が既知であり互いに異なる複数銘柄の記録紙に関して、予め光学センサ110からの光の記録紙における入射面が該記録紙の一辺に対して45°傾斜した状態で取得された複数の受光器の出力データを含むデータベースである。
ここでは、受光器113の出力レベルをS1、受光器114の出力レベルをS2、受光器115の出力レベルをS3とする(図14参照)。
次に、銘柄が不明の記録紙の銘柄を判別する処理(銘柄判別処理)について説明する。
先ず、銘柄判別処理の際に作業者によって行われる作業について説明する。
1.前記平坦部に判別対象の記録紙を載置する。
2.センサ装置100を手に持ち、記録紙の上にセンサ装置100を載せ、センサ装置100を検知姿勢にする。
3.操作パネルを介して判別処理要求を入力する。
1.前記平坦部に判別対象の記録紙を載置する。
2.センサ装置100を手に持ち、記録紙の上にセンサ装置100を載せ、センサ装置100を検知姿勢にする。
3.操作パネルを介して判別処理要求を入力する。
この判別処理要求は、操作パネルからプリンタ制御装置2090を経由してセンサ装置100の処理装置130に通知される。
処理装置130は、判別処理要求を受け取ると、銘柄判別処理を開始する。図15のフローチャートは、銘柄判別処理の際に、処理装置130のCPU131によって実行される一連の処理アルゴリズムに対応している。
最初のステップS401では、タイマカウンタの値が格納される変数tcを0クリアする。なお、ここでは、一例として、10m秒毎のタイマ割り込み処理において変数tcの値がカウントアップ(+1)されるものとする。
次のステップS403では、各受光器の出力信号を取得した回数が格納される変数mを0クリアする。
次のステップS405では、光源111を点灯させる。ここでは、複数の発光部を同時に点灯させる。
次のステップS407では、変数tcの値が300以上であるか否かを判断する。すなわち、光源111が点灯されてから3秒が経過したか否かを判断する。ここでの判断が否定されると、ステップS409に移行する。
このステップS409では、各受光器の出力信号を取得する。
次のステップS411では、変数mの値を+1する。
次のステップS413では、ステップS409で取得されたデータと変数mの値とともにRAM133に保存する。そして、上記ステップS407に戻る。
以下、ステップS407での判断が肯定されるまでステップS409からステップS413までの処理を繰り返す。
ステップS407での判断が肯定されると、ステップS415に移行する。
次のステップS415では、光源111を消灯させる。このときの変数mの値をPとすると、受光器毎にP個のデータがRAM133に保存されている。
このステップS417では、受光器毎に、P個の出力レベルを平均化する。受光器113の出力レベルの平均値をS1'、受光器114の出力レベルの平均値をS2'、受光器115の出力レベルの平均値をS3'とする。
次のステップS419では、ROM132に格納されている銘柄別出力レベルデータを参照し、各銘柄について、次の(1)式を用いて適合率Rを算出する。
次のステップS421では、算出された適合率Rが最大となる銘柄を抽出し、該抽出された銘柄を記録紙の銘柄とする。
次のステップS423では、判別された記録紙の銘柄をプリンタ制御装置2090に通知する。そして、銘柄判別処理を終了する。
ところで、作業者は、上記銘柄判別処理で光源111が点灯されている間、一例として図16(A)及び図16(B)に示されるように、センサ装置100及び記録紙Mの少なくとも一方をL方向に移動させても良い。この場合は、一例として図17に示されるように、記録紙Mにおける互いにL方向に関する位置が異なるP個の位置を検出位置とすることができる。なお、P個の位置は、必ずしも等間隔とは限らない。
また、上記銘柄判別処理で光源111が点灯されている間、センサ装置100及び記録紙Mのどちらも移動されない場合は、1つの検出位置で、データがP回取得されることとなる。
プリンタ制御装置2090は、センサ装置100で判別された記録紙の銘柄を、操作パネルの表示部に表示させるとともにRAMに保存する。
作業者は、判別された記録紙の銘柄が操作パネルの表示部に表示されると、センサ装置100を元の配置位置に戻す。そして、銘柄が判別された記録紙を給紙トレイ2060にセットする。なお、操作パネルの表示部に表示されている記録紙の銘柄を、作業者が操作パネルのキーを用いてプリンタ制御装置2090に登録しても良い。
プリンタ制御装置2090は、ユーザから印刷ジョブ要求を受け取ると、RAMに保存されている記録紙の銘柄を読み出し、該記録紙の銘柄に最適な現像条件及び転写条件を、現像・転写テーブルから求める。
そして、プリンタ制御装置2090は、最適な現像条件及び転写条件に応じて各ステーションの現像装置及び転写装置を制御する。例えば、転写電圧やトナー量を制御する。これにより、高い品質の画像が記録紙に形成される。
ところで、記録紙には、その製造方法に起因して、該記録紙を構成する繊維の配向が生じている。この繊維の配向は、「流れ目」とも呼ばれており、製造工程における記録紙の流れる方向に沿うように形成されている。そこで、同じ記録紙であっても、照射光の入射方向が異なると、その反射特性が異なることがある。ここで、図18に示されるように、記録紙Mの表面に平行な面に正射影したときの照射光の入射方向とL方向とのなす角度をβ(°)とする。
図19には、互いに銘柄が異なる複数の記録紙について、角度βと受光器115における受光量の変化率(%)との関係が示されている。銘柄Aでは流れ目の方向(以下では、「流れ目方向」と略述する)がL方向に平行であり、銘柄B、C、Dでは、流れ目方向がL方向に直交している。図19によると、銘柄Aでは、角度βが90°近傍で受光量が最大値となっており、銘柄B、C、Dでは、角度βが90°近傍で受光量が最小値となっている。これは、入射面が流れ目方向に対して平行な場合は、記録紙表面での拡散反射が最も小さく、入射面が流れ目方向に対して直交する場合は、記録紙表面での拡散反射が最も大きくなることを示している。
通常、記録紙は、その製造工程において記録紙の長辺及び短辺のいずれかが流れ目方向に略平行になるように裁断されて出荷される。そこで、記録紙の長辺及び短辺のいずれかに対して略45°の角度をなす入射面で光を照射した場合、流れ目方向に対して常に略45°の角度をなす入射面で光を照射することとなるため、一定の反射特性を得ることができる。
本実施形態のセンサ装置100では、記録紙の銘柄を判別する際に参照される銘柄別出力レベルデータには、記録紙の一辺に対して略45°の角度をなす入射面で光を照射して計測された反射光量が、多数の銘柄に対して記録されているため、判別対象の記録紙に対してもその一辺に対して略45°の角度をなす入射面で計測した反射光量に対して前記適合率Rを算出することにより、判別対象の記録紙における流れ目方向が不明な場合でも、高精度な判別が可能となる。この場合、作業者は、判別対象の記録紙の長辺と短辺を区別する必要はない。
そこで、上記銘柄判別処理において、一例として図20に示されるように、記録紙Mの短辺がセンサ装置100におけるガイド部材160のガイド面に突き当てられていても、上記銘柄判別処理と同じ判別結果を得ることができる。
ところで、記録紙の種類や表面状態などの特性を検知するために、発光素子から光を照射し、その反射光や透過光を受光素子で受光する光学的な方法が広く知られている。
特許文献1には、反射光と透過光とを用いて記録材の種類を識別する記録材識別装置が開示されており、記録紙表面をCCD等の撮像素子にて読み込み、そのパターンから記録紙を識別する方式を示している。しかしながらこの方式では、読み込み画像にブレが生じ良質な画像が得られず正確な記録紙の識別ができないという不都合があった。そして、ブレを低減するためには、より高性能な撮像素子が必要となり高コスト化を招く。また、高品質な画像を得たとしてもそれから記録紙を識別するための高性能な画像解析装置が必要になる。
そこで、非接触でより簡素な構成の記録紙識別センサが必要とされた。この条件を満たす方式が反射光方式である。反射光方式は、光源からの光を識別したい記録紙に照射し、その反射光量で記録紙を識別する方式である。この反射光方式の従来技術は以下3つの特許文献に代表される3種類に分類できる。
1つは、特許文献2に開示されているように、光を被測定物の表面に照射し正反射方向で反射光量を測定するものである。これは、被測定物の光沢度を求める鏡面光沢度測定方法(JIS−Z8741)として知られている。この鏡面光沢度測定方法は、規定された入射角度で被測定物に平行光を照射し、正反射方向の反射光量を光検出器で検出し、検出した反射光束を標準面(屈折率1.567のガラス)で検出された反射光量によって規準化したものを鏡面光沢度とする測定方法である。
この鏡面光沢度測定方法では、一般的には鏡面光沢度の大きい被測定物の測定には入射角が小さい測定方法を、鏡面光沢度の小さい被測定物の測定には入射角が大きい測定方法を用いることが好ましいとされている。
2つめは、特許文献3に開示されているように、散乱反射光量を測定するものである。この測定方法は、表面光沢度測定がもとになっており、受光部を複数個持ち、正反射方向の反射光量とその他の反射方向の反射光量とから被測定物の種類を識別する。正反射方向と異なる方向に設けられた受光部は、普通紙などの比較的表面状態に凹凸のある用紙に光を照射した際に、その凹凸によって正反射方向とは異なる方向に散乱された光量を検出し記録紙の種類を識別している。つまり、正反射光量に対する散乱反射光量の比から記録紙の平滑性を検出し記録紙を識別している。
3つめは、特許文献4に開示されているように、正反射光を偏光ビームスプリッタで分離して測定を行うものである。特許文献4では、発光ダイオード(LED)から射出された光を偏光フィルタで記録紙に対して直線偏光とする光源部を有している。そして、正反射方向の反射光を偏光ビームスプリッタでS波とP波に分離し、それらの検出値から記録紙の表面状態を識別し、事前に取得したテーブルをもとに種類を非塗工紙/塗工紙/OHPシートの3種類に分けて識別している。
これら簡素な構成で紙種を識別する従来技術においては、用紙の流れ目(繊維の配向)を考慮していないため識別精度が十分でないという不都合があった。
また、特許文献5には、記録紙に直線偏光の光を照射し、正反射光や、拡散反射光に含まれる照射光の偏光に対して直交する偏光成分を検出して銘柄を判別する光学センサが開示されている。これによれば、非塗工紙/塗工紙/OHPシートといった用紙の種類だけでなく、より詳細な用紙銘柄まで識別することが可能であるが、用紙の流れ目方向に対して適切な照射方向で計測しないと識別精度が低下するという不都合があった。
一方、用紙の繊維の配向性を検出する技術においては、以下のような従来技術がある。例えば、特許文献6では、測定対象物に光を照射して、繊維方向に伝搬されて繊維外に出た光を検出するために、照射光軸を中心とする仮想円周から漏れ出す光を検出している。つまり、繊維配向方向に対して複数の角度に配置された光検出器で検出した出力信号に基づいて繊維配向方向を識別している。
また、特許文献7では、紙面に対して直交する方向から直線偏光の検出光を照射するとともに、該直線偏光を形成する偏光子を、入射光軸を中心として回転させ、この回転に同期して旋回する一対の受光手段(該旋回軌道上でほぼ180°の位置に配置し、互いに直交する直線偏光の反射光を受光する)を用いて、繊維配向指数や繊維配向角などの繊維配向特性を算出している。
これらの従来技術においては、繊維の配向を検出するために多数の受光部を必要としたり、受光部の回転機構を必要としたりするなど構成が複雑になる。
また、特許文献8では、記録紙表面からの反射角が同一かつ反射方向が異なる複数の反射光を受光する複数の受光素子を用いて、記録紙表面の繊維配向性を検出する第1の検出手段と、複数の受光素子のうち少なくとも一つの受光素子を用いて、記録紙表面の光沢度を検出する第2の検出手段と、第1、第2の検出手段によって検出された記録紙表面の繊維配向性と光沢度に基づいて、記録紙の種類を識別する識別手段と、を備えている。
この場合、繊維配向性に起因する反射光を受光することで記録媒体の種類をより識別できるようになるが、記録紙の繊維配向方向を予め認識しておき、所定の方向から光を照射しなければ高精度な識別ができないという不都合があった。
また、特許文献9では、用紙に光を照射して用紙表面の繊維の状態を画像として撮影する紙表面検出装置において、用紙への光の入射方向を、用紙の搬送方向に対して斜め方向となる位置に配置することで、光の入射方向と用紙の繊維配向方向が斜めに交差し、紙繊維の向きに対する影響を抑えることができるため、より正確に紙の凹凸状態を検出可能であるとしている。
この場合、用紙の搬送中に繊維の状態を撮影するためには、前述したようにブレを低減するためにより高性能な撮像素子が必要となり高コストとなってしまう。また、用紙の表面の凹凸状態を検出できたとしても、用紙表面での反射による画像情報のみでは用紙の銘柄まで識別することはできなかった。
しかしながら、本実施形態のセンサ装置100は、簡単な構成で精度良く対象物を判別することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るセンサ装置100は、光学センサ110、処理装置130、ガイド部材160などを有している。
そして、ガイド部材160のガイド面に記録紙Mの一辺が突き当てられると、XY面に正射影したとき、光学センサ110からの照射光の記録紙Mにおける入射面が記録紙Mの一辺に対して45°傾斜するように設定されている。
この場合は、銘柄判別処理の際に、常に流れ目方向に対して45°の角度で光照射及び光検知を行うことができる。換言すれば、記録紙には、その種類によって、流れ目方向が1つの辺に対して、直交する場合と平行となる場合とがあるが、どちらの場合であっても、常に流れ目方向に対して45°の角度で光照射及び光検知ができる。
また、処理装置130は、CPU131、ROM132、RAM133、光源駆動回路134、電流電圧変換回路135、AD変換回路136などを有し、ROM132には、予め、カラープリンタ2000が対応可能な複数銘柄の記録紙について、光学センサ110からの照射光の記録紙における入射面が記録紙の一辺に対して45°傾斜する状態で取得された光学センサ110の各受光器の出力レベルが「銘柄別出力レベルデータ」として格納されている。
この場合は、(1)銘柄判別処理の際に、記録紙に対する光学センサ110の姿勢を変化させる必要がないため、銘柄判別処理に要する時間を短縮することができる、(2)銘柄判別処理の際に、作業者が流れ目方向を気にする必要がない、(3)照射光の記録紙Mにおける入射面が流れ目方向に対して45°傾斜しているため、銘柄別出力レベルデータのデータ量を少なくすることができる、(4)従来よりも精度良く銘柄判別を行うことができる、といった利点がある。
また、本実施形態では、光源として面発光レーザアレイを用いているため、直線偏光の照射光を得るための偏光フィルタが不要である。さらに、面発光レーザアレイでは、従来用いられてきたLED等では困難であった複数の発光部の高密度な集積化が可能となる。この場合は、複数の発光部を有する小型の光源が実現できる。また、コリメートレンズの光軸付近に全てのレーザ光を集中させることができるため、入射角を一定にして複数の光を略平行にすることが可能となる。この場合は、安価なコリメート光学系を用いることができる。そこで、光学センサの小型化及び低コスト化を図ることができる。
また、銘柄判別処理では、面発光レーザアレイの複数の発光部を同時に点灯させている。このため、各受光部の出力におけるS/Nが向上し、判別精度を高めることができる。
また、複数の発光部を同時に点灯させることによりスペックルパターンのコントラスト比が低減され、より正確な反射光量の検出が可能になるため、判別精度を高めることができる。
また、複数の発光部を同時に点灯させることにより内部反射光の光量を増加させることができ、光学センサ110では、従来は微弱で分離することが困難であった記録紙内部からの反射光を高精度で分離することができる。記録紙内部からの反射光は、記録紙の内部状態に関する情報を含んでいる。
そして、CPU131は、3つの受光器の出力信号から記録紙の銘柄を判別している。すなわち、記録紙の内部状態に関する情報を加味することにより、紙種の判別レベルを、従来困難であった銘柄のレベルまで向上させている。
また、複数種類のセンサを組み合わせることなく、簡潔な部品構成であるため、低コストで、小型のセンサ装置を実現することができる。
そこで、センサ装置100によると、簡単な構成で精度良く対象物を判別することができる。
そして、本実施形態に係るカラープリンタ2000は、センサ装置100を備えているため、結果として、高コスト化及び大型化を招くことなく、高品質の画像を形成することができる。さらに従来の手動で設定しなければならない煩わしさや設定ミスによる印刷の失敗が解消される。
なお、上記実施形態において、一例として図21に示されるように、前記暗箱119に代えて、L方向に平行な壁面、及びW方向に平行な壁面を有する筐体120を用いても良い。そして、照射光の記録紙Mにおける入射面が筐体120の壁面に対して45°傾斜するように光学センサ110の各光学部材が収納されている。
この場合は、前記ガイド部材160は不要であり、筐体120の一つの壁面が記録紙Mの一辺と略平行になるように目測で記録紙M上に載置すれば、照射光の記録紙Mにおける入射面と記録紙Mの一辺とのなす角度を略45°とすることができる。また、銘柄判別処理において光学センサ110を移動させるときは、筐体120の一つの壁面が記録紙の一辺と略平行となるように維持した状態で、移動させれば良い。なお、一例として図22に示されるように、前記暗箱119ごと筐体120に収納されても良い。
また、上記実施形態において、一例として図23(A)及び図23(B)に示されるように、前記暗箱119に代えて、照射光の記録紙Mでの入射面が記録紙Mの一辺に対して45°傾斜した状態で、光学センサ110の各光学部材が収納される筐体121を有していても良い。この筐体121は、ZL断面の形状が、記録紙Mを挿入するための間隙が設けられたコの字型の形状を有している。そして、前記間隙に記録紙を挿入し、該間隙の奥に設けられているガイド部のガイド面に記録紙Mの一辺を突き当てた状態で銘柄判別処理を行うことにより、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
また、上記実施形態において、一例として図24に示されるように、XY面に正射影したとき、照射光の記録紙Mでの入射面に対して45°傾斜した方向を示す矢印A及び矢印Bが、光学センサ110の暗箱119の+Z側の面に記されていても良い。これらの矢印は、暗箱119の+Z側の面に印刷物として貼付けられていても良いし、インク等で描かれていても良いし、切削工具等で彫り込まれていても良いし、プレス加工等で形成されていても良い。また、矢印A及び矢印Bのいずれかが記されていても良い。
この場合に、矢印に代えて、一例として図25に示されるように、記録紙が図案化された長方形を含むマークが用いられても良い。
また、上記実施形態において、CPU131によるプログラムに従う処理の少なくとも一部をハードウェアによって構成することとしても良いし、あるいは全てをハードウェアによって構成することとしても良い。
また、上記実施形態では、記録紙に照射される光がS偏光の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、記録紙に照射される光がP偏光であっても良い。但し、この場合は、前記偏光フィルタ116に代えて、S偏光を透過させる偏光フィルタが用いられ、受光器114は、内部反射光に含まれるS偏光成分を受光する。
また、上記実施形態において、面発光レーザアレイの複数の発光部は、少なくとも一部の発光部間隔が、他の発光部間隔と異なっていても良い(図26参照)。つまり、隣り合う発光部の間隔が相違していても良い。
また、上記実施形態では、光源111が9個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態において、面発光レーザアレイに代えて、レーザダイオードを用いても良い。
また、上記実施形態では、光源111から直線偏光が射出される場合について説明したが、これに限定されるものではない。但し、この場合は、一例として図27に示されるように、照射光をS偏光にするための偏光フィルタ126が必要となる。
また、上記実施形態において、各受光器の前方に集光レンズが配置されていることがより好ましい。この場合は、各受光器での受光光量の変動を低減することができる。
また、上記実施形態において、処理装置130での処理の一部を、プリンタ制御装置2090で行っても良い。この場合、前記銘柄別出力レベルデータは、プリンタ制御装置2090のROMに格納されても良い。
また、上記実施形態では、銘柄判別処理における光源111の点灯時間が3秒の場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、銘柄判別処理における光源111の点灯時間を操作パネルから設定できるようにしても良い。
また、上記実施形態において、センサ装置100が、判別処理の開始ボタンを備えていても良い。この場合は、作業者は、操作パネルを介して判別処理要求を入力する必要はない。
また、上記実施形態において、センサ装置100が、光源111の点灯/消灯に連動したLEDを備えていても良い。この場合は、作業者は、光源111の点灯/消灯状態を視覚的に知ることができる。
また、上記実施形態において、センサ装置100が、表示部を備えていても良い。この場合は、処理装置130は、判別結果を該表示部に表示させることができる。
また、上記実施形態では、光学センサ110が3つの受光器を有する場合について説明したがこれに限定されるものではなく、要求される判別精度に応じて、例えば光学センサ110における受光器の数が2つであっても良いし、4つであっても良い。
図28には、上記実施形態の光学センサ110において、前記受光器115が除かれた光学センサ110Aが示されている。この場合、次の(2)式を用いて適合率Rを算出する。
また、図29には、上記実施形態の光学センサ110において、偏光フィルタ117と受光器118とが追加された光学センサ110Bが示されている。偏光フィルタ117は、表面拡散反射光及び内部反射光の光路上に配置されている。この偏光フィルタ117は、P偏光を透過させ、S偏光を遮光する偏光フィルタである。受光器118は、偏光フィルタ117を透過した光の光路上に配置されている。そこで、受光器118は、内部反射光に含まれるP偏光成分を受光する。この場合、次の(3)式を用いて適合率Rを算出する。
ここでは、銘柄別出力レベルデータ(図30参照)に格納されている受光器118の出力レベルをS4、判別対象の記録紙に光を照射したときの受光器118の出力レベルの平均値をS4'としている。
また、上記実施形態では、給紙トレイが1つの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、給紙トレイが複数あっても良い。
また、センサ装置100によって判別される対象物は、記録紙に限定されるものではない。要するに、入射面が長手方向に平行な場合と短手方向に平行な場合とで反射特性が異なるものの判別に好適である。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてカラープリンタ2000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、モノクロ画像を形成するレーザプリンタであっても良い。また、プリンタ以外の画像形成装置、例えば、複写機、ファクシミリ、又は、これらが集約された複合機であっても良い。
また、上記実施形態では、画像形成装置が4つの感光体ドラムを有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、5つの感光体ドラムを有するプリンタであっても良い。
また、上記実施形態では、トナー像が感光体ドラムから転写ベルトを介して記録紙に転写される画像形成装置について説明したが、これに限定されるものではなく、トナー像が感光体ドラムから記録紙に直接転写される画像形成装置であっても良い。
100…センサ装置、110…光学センサ、111…光源、112…コリメートレンズ、113…受光器(第1の光検出器)、114…受光器(第2の光検出器)、115…受光器(第3の光検出器)、116…偏光フィルタ(光学素子)、119…暗箱、120…筐体、121…筐体、126…偏光フィルタ、130…処理装置、131…CPU、132…ROM、160…ガイド部材、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、2010…光走査装置、2030a,2030b,2030c,2030d…感光体ドラム(像担持体)、2032a,2032b,2032c,2032d…帯電装置、2033a,2033b,2033c,2033d…現像ローラ、2040…転写ベルト、2042…転写ローラ、2050…定着装置、2090…プリンタ制御装置(調整装置)、M…記録紙(シート状の対象物、記録媒体)。
Claims (11)
- 光源、及び該光源から射出され対象物で反射された光を受光する光検出系を有する光学センサと、
それぞれの種類が既知であり互いに異なる複数種類の対象物に関して、予め前記光学センサからの光の前記対象物における入射面が該対象物の一辺に対して45°傾斜した状態で取得された前記光検出系の出力データを含むデータベースと、
前記状態にある種類が不明の対象物に前記光源からの光を照射し、得られた前記光検出系の出力データを、前記データベースと照合し、前記種類が不明の対象物の種類を判別する処理装置とを備えるセンサ装置。 - 前記光学センサからの光の前記対象物における入射面と該対象物の一辺とのなす角度が45°となるように、前記光学センサの姿勢を指示するための姿勢指示部を有することを特徴とする請求項1に記載のセンサ装置。
- 前記姿勢指示部は、前記対象物の一辺に平行なガイド面を有するガイド部材を含み、
前記光学センサは、該光学センサからの光の前記対象物における入射面と前記ガイド面とのなす角度が45°となるように、前記ガイド部材に取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。 - 前記姿勢指示部は、前記対象物の一辺に平行な面を有する筐体を含み、
前記光学センサは、該光学センサからの光の前記対象物における入射面と前記筐体の前記面とのなす角度が45°となるように、前記筐体内に収納されていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。 - 前記姿勢指示部は、前記対象物の一辺に平行な方向を示す方向指示部を含み、
前記方向指示部は、前記光学センサからの光の前記対象物における入射面と該方向指示部が示す方向とのなす角度が45°となるように、前記光学センサに取り付けられていることを特徴とする請求項2に記載のセンサ装置。 - 前記処理装置は、前記データベースにおける種類毎に、前記種類が不明の対象物のときの出力データとの一致の度合いを表す適合率を算出し、該適合率に基づいて前記種類が不明の対象物の種類を判別することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記処理装置は、前記種類が不明の対象物の複数位置に前記光源からの光を照射し、照射位置毎に前記複数の光検出器の出力データを取得することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 前記光源は、第1の偏光方向を持つ直線偏光の光を射出し、
前記光学センサは、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に設置され、前記第1の偏光方向に直交する第2の偏光方向の直線偏光成分を透過させる光学素子を有し、
前記光検出系は、前記対象物で正反射された光の光路上に設置された第1の光検出器、及び前記光学素子を透過した光を受光する第2の光検出器を含むことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のセンサ装置。 - 前記光検出系は、前記対象物における入射面内で、前記対象物で拡散反射された光の光路上に設置された第3の光検出器を含むことを特徴とする請求項8に記載のセンサ装置。
- 前記光源は、面発光レーザアレイを含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のセンサ装置。
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、
前記記録媒体を対象物とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のセンサ装置と、
前記センサ装置の判別結果に基づいて画像形成条件を調整する調整装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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