以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。
(特徴1)本明細書が開示する点検報知システムでは、住宅設備機器及びサーバの少なくとも1つは、経過時間の計測中に当該住宅設備機器に発生したエラーの種類に応じて点検余裕度を算出してもよい。第1通信部及びサーバの少なくとも1つは、算出した点検余裕度を前記ユーザ端末に送信してもよい。ユーザ端末は、点検時期情報及び点検依頼情報と共に、受信した点検余裕度に応じた点検催促情報をさらに表示してもよい。このような構成によると、点検余裕度に応じた点検催促情報を表示することによって、ユーザに点検の重要度を報知することができる。点検は、故障等のように緊急を要するものでないため、ユーザが点検の重要性を認識しないことがある。点検依頼情報と共に点検催促情報を表示することによって、早期に点検を実施したほうがよい住宅設備機器について、ユーザに点検依頼を促すことができる。
(特徴2)本明細書が開示する点検報知システムでは、サーバは、住宅設備機器の点検費用及び点検作業時間の少なくとも1つに関する作業情報を記憶する作業情報記憶部を備えていてもよい。サーバは、点検時期情報と識別情報とを受信すると、作業情報記憶部から識別情報に対応する作業情報を抽出して前記ユーザ端末に送信してもよい。ユーザ端末は、点検報知情報及び点検依頼選択情報と共に、受信した作業情報をさらに表示してもよい。このような構成によると、ユーザ端末に作業情報を表示することによって、ユーザに点検にかかる費用や時間等を把握させることができる。このため、ユーザが点検依頼をし易くなる。
(特徴5)本明細書が開示する点検報知システムでは、第1通信部は、ユーザ端末と直接通信可能であるとき、及びユーザ端末と住宅設備機器が設置される住宅内の通信手段を介して通信可能であるときの少なくとも一方である場合に、点検時期情報と識別情報とをサーバ及びユーザ端末の少なくとも1つに送信してもよい。このような構成によると、ユーザ端末が住宅設備機器が設置される住宅内に位置する場合にのみ第1通信部から点検時期情報および識別情報が送信されるため、ユーザ端末が当該住宅外に位置する場合(特に、当該住宅から遠い位置にある場合)に、ユーザ端末の位置情報に基づいて作業者が選択されることを回避することができる。
(特徴6)本明細書が開示する点検報知システムでは、サーバは、作業者情報記憶部に記憶される各作業者について、住宅設備機器に対応する点検費用及び点検作業時間の少なくとも1つに関するサービス情報を記憶するサービス情報記憶部をさらに備えていてもよい。サーバは、作業者情報を抽出すると共に、作業者情報と当該住宅設備機器とに対応するサービス情報をサービス情報記憶部から抽出して、作業者情報と共に抽出したサービス情報をユーザ端末に送信してもよい。ユーザ端末は、作業者情報と共に、受信したサービス情報をさらに表示してもよい。このような構成によると、ユーザ端末は、各作業者の住宅設備機器に対応する点検費用及び点検作業時間を表示するため、ユーザは事前に点検費用及び点検作業時間を知ることができる。このため、ユーザが点検依頼をし易くなる。
(特徴7)本明細書が開示する点検報知システムでは、サーバは、各作業者の評価結果に関する評価結果情報を記憶する評価結果情報記憶部を備えていてもよい。第1通信部は、作業者による点検作業の終了に関する点検作業終了情報を前記サーバに送信可能に構成されていてもよい。サーバは、点検作業終了情報を受信すると、作業者を評価する評価画面に関する情報をユーザ端末に送信してもよい。ユーザ端末は、評価画面に関する情報を受信すると、評価画面を表示し、評価画面に評価結果が入力されると、入力された評価結果をサーバに送信してもよい。このような構成によると、ユーザによる作業者の評価をフィードバックすることができる。このため、作業者のサービスの向上を促すことができ、ユーザがより良いサービスを受けることができる。
(特徴8)本明細書が開示する点検報知システムは、住宅設備機器が設置される住宅内に設置される他の住宅設備機器をさらに備えていてもよい。他の住宅設備機器は、第1通信部と通信可能に接続される第2通信部と、経過時間を計測する第2経過時間計測部と、を備えていてもよい。第2通信部は、第2経過時間計測部で計測される経過時間が所定時間を超えると、他の住宅設備機器の点検時期情報及び識別情報を前記第1通信部に送信してもよい。第1通信部は、受信した他の住宅設備機器の点検時期情報及び識別情報を、サーバ及びユーザ端末の少なくとも1つに送信してもよい。このような構成によると、他の住宅設備機器が点検時期情報及び識別情報を前記第1通信部に送信することによって、サーバ及びユーザ端末への点検時期情報及び識別情報の送信を、第1通信部を介して行うことができる。このため、同一住宅内に設置される他の住宅設備機器に、サーバ及びユーザ端末と通信可能な通信部を設置することなく、他の住宅設備機器の点検時期情報及び識別情報をサーバ又はユーザ端末に送信することができる。
(実施例1)
以下、実施例に係る点検報知システム1について説明する。点検報知システム1は、住宅設備機器(以下、単に「機器」ともいう)が定期点検を実施すべき時期であることをユーザに報知するためのシステムである。図1に示すように、点検報知システム1は、住宅100に設置される機器の一例である給湯器10と、サーバ30と、ユーザ端末50を備えている。
給湯器10は、住宅100に設置される。本実施例の給湯器10は、ガスによる給湯機構を備えるガス給湯器であるが、住宅100に設置される給湯器の構成については限定されない。例えば、給湯器10は、ガスによる給湯機構と電気による給湯機構(すなわち、ヒートポンプによる給湯機構)の両方を備えていてもよいし、ガスによる給湯機構と電気による給湯機構のいずれかを備えていてもよい。また、給湯器10は、給湯機構と暖房機構を共に備える給湯暖房機であってもよい。給湯器10は、制御部12と、リモコン16を備えている。
制御部12は、給湯器10の各構成要素の動作を制御している。すなわち、制御部12は、給湯器10の給湯機構(図示省略)や、リモコン16を制御している。また、制御部12は、経過時間計測部14を備えている。経過時間計測部14は、給湯器10が製造されてからの経過時間、又は計測した経過時間がリセットされてからの経過時間を計測している。
リモコン16は、インターフェース装置としての機能を有すると共に、通信装置としての機能を有する。すなわち、リモコン16は、ユーザによる給湯器10の運転の設定等を受け付けると共に、ユーザに各種の情報を提供する。また、リモコン16は、サーバ30及びユーザ端末50と通信することができる。例えば、リモコン16は、インターネット110を介してサーバ30と通信することができる。また、リモコン16は、インターネット110を介して、又は住宅100内に設置されたアクセスポイント(図示省略)を中継して、ユーザ端末50と通信することができる。なお、給湯器10は、「住宅設備機器」の一例であり、経過時間計測部14は、「第1経過時間計測部」の一例であり、リモコン16は、「第1通信部」の一例である。
サーバ30は、給湯器10の製造元によって提供されるサーバであり、当該製造元が製造した機器に関する情報を収集する。サーバ30は、通信部32と、エラー履歴記憶部34と、作業情報記憶部36と、作業者情報記憶部38と、サービス情報記憶部40と、演算部42を備えている。
通信部32は、インターネット110を介して、サーバ30を提供する製造元が販売した機器及びその機器を所有するユーザのユーザ端末50と通信することができる。すなわち、本実施例では、通信部32は、給湯器10のリモコン16及びユーザ端末50と通信することができる。
エラー履歴記憶部34は、サーバ30を提供する製造元が販売した機器に発生したエラーに関する情報を記憶している。また、エラー履歴記憶部34は、各機器において、発生したエラーに基づく余裕度係数及び点検余裕度を記憶している。
図2に示すように、例えば、エラー履歴記憶部34は、機器の識別情報と、識別情報に対応するエラー履歴、余裕度係数及び点検余裕度を記憶する。機器の識別情報は、各機器の種類や機器の個体番号等を示している。図2に示す例において、機器識別情報の欄のアルファベットは機器の種類を表しており、数字はその機器の個体番号を示している。例えば、「K」は給湯器を示しており、「S」は食器洗浄機を示している。
エラー履歴には、機器に発生したエラーが、そのエラーの種類毎に記号化して記憶される。図3に示すように、例えば、エラー記号A11は給湯器において点火ミスが発生したことを示しており、エラー記号A12は給湯器において途中失火が発生したことを示している。また、エラーの種類ごとに余裕度係数が設定されている。余裕度係数は、点検を実施する必要性が高いか否かを係数によって表したものであり、機器が故障したり停止したりする可能性が高く、早期に点検を実施したほうがよい種類のエラーには、余裕度係数は大きく設定されている。各機器の余裕度係数には、その機器でエラーが発生する度に、そのエラーに対応する余裕度係数が加算される。例えば、図2を参照すると、機器識別番号「K00000001」の給湯器には、エラー記号A11で示される「点火ミス」が2回発生しており、エラー記号A12で示される「途中失火」が1回発生していることがわかる。また、エラー記号A11「点火ミス」の余裕度係数は「1」であり、エラー記号A12「途中失火」の余裕度係数は「2」であることから(図3参照)、機器識別番号「K00000001」の給湯器の余裕度係数は、それらの合計である「4」となる。
点検余裕度は、余裕度係数に基づいて決定される。すなわち、エラーが発生する度に加算される余裕度係数の合計に応じて、点検余裕度が決定される。点検余裕度は、例えば、図4に示すように、機器の余裕度係数が10未満である場合、点検余裕度が高いと判定され、機器の余裕度係数が10以上かつ30未満である場合、点検余裕度が中程度であると判定され、機器の余裕度係数が30を超える場合、点検余裕度が低いと判定される。図2を参照すると、機器識別番号「K00000001」の給湯器は、余裕度係数が「4」であるため、点検余裕度は「高」と判定される。すなわち、機器識別番号「K00000001」の給湯器は、点検を実施するまでに余裕がある(余裕度が高い)状態であると言える。一方、機器識別番号「K00000010」の給湯器は、余裕度係数が「39」であるため、点検余裕度は「低」と判定される。すなわち、機器識別番号「K00000010」の給湯器は、点検を実施するまでに余裕がない(余裕度が低い)状態であり、早期に点検を実施したほうがよいと言える。
図5に示すように、例えば、作業情報記憶部36(図1参照)は、点検にかかる作業時間及び費用の標準値を、機器の種類毎に記憶している。なお、作業情報記憶部36に記憶されている作業時間及び費用は、その機器の点検にかかる標準的な作業時間及び費用であり、機器の状態や、作業を実施する作業者(サービス店等)等によって、実際の作業時間及び費用は異なる。図5に示す例において、機器の種類の欄の「K」は給湯器を表しており、給湯器の点検にかかる標準的な作業時間は45分であり、標準的な費用は9000円である。また、機器の種類の欄の「S」は食器洗浄機を表しており、食器洗浄機の点検にかかる標準的な作業時間は30分であり、標準的な費用は6000円である。
図1に示す作業者情報記憶部38は、サーバ30を提供する製造元が販売した機器の点検作業を依頼可能な作業者に関する情報を記憶している。図6に示すように、例えば、作業者情報記憶部38は、点検作業を依頼可能な作業者の所在地と、作業者の名称を記憶している。また、作業者情報記憶部38は、点検作業を行った作業者に対するユーザの評価も記憶している。ユーザの評価は、例えば、複数のユーザが作業者に対して5段階評価で示した評価の平均値や、ユーザのその作業者に対する具体的なコメントである。なお、作業者情報記憶部38は、「作業者情報記憶部」及び「評価結果情報記憶部」の一例である。
図1に示すサービス情報記憶部40は、作業者情報記憶部38に記憶されている作業者について、機器の種類毎に点検にかかる作業時間及び費用(以下、サービス情報ともいう)を記憶している。図7に示すように、例えば、作業者「○△×商会」が「K」で示される給湯器を点検する場合にかかる作業時間は40分であり、費用は8000円である。サービス情報は、作業者自身がサーバ30にアクセスして変更できるように構成されていてもよいし、作業者からの問い合わせに基づいて製造元が変更するように構成されていてもよい。
図1に示す演算部42は、通信部32が受信した情報や、エラー履歴記憶部34、作業情報記憶部36、作業者情報記憶部38及びサービス情報記憶部40に記憶されている情報に基づいて、各種の演算を実行する。例えば、演算部42は、通信部32が受信した機器の識別情報に基づいて、エラー履歴記憶部34からその機器の点検余裕度を抽出し、作業情報記憶部36からその機器の点検にかかる作業時間及び費用の標準値を抽出する。また、演算部42は、作業者情報記憶部38からその機器の点検作業を依頼可能な作業者に関する情報を抽出する。また、演算部42は、サービス情報記憶部40から、作業者情報記憶部38から抽出された作業者がその機器の点検にかかる作業時間及び費用を抽出する。
ユーザ端末50は、携帯電話、スマートフォン等の可搬型の端末装置である。ユーザ端末50は、表示部52と、通信部54と、制御部56を備えている。表示部52は、様々な情報を表示するためのディスプレイであり、いわゆるタッチパネル(即ち操作部)としても機能する。通信部54は、給湯器10のリモコン16及びサーバ30の通信部32と通信することができる。例えば、通信部54は、インターネット110を介して通信部32と通信することができる。また、通信部54は、インターネット110を介して、又は住宅100内に設置されたアクセスポイント(図示省略)を中継して、リモコン16と通信することができる。制御部56は、表示部52と通信部54を制御している。
次に、給湯器10が点検時期であることをユーザに報知する処理について説明する。点検時期は、給湯器10が監視しており、点検時期が近付くと、給湯器10からサーバ30に点検時期であることを示す情報(以下、点検時期情報ともいう)が送信される。以下に、給湯器10がサーバ30に点検時期情報を送信する処理について説明する。
図8は、給湯器10がサーバ30に点時期情報を送信する際に給湯器10の制御部12が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、まず、制御部12の経過時間計測部14は、給湯器10が製造されてからの経過時間、又は計測した経過時間がリセットされてからの経過時間を計測する(S12)。経過時間計測部14は、給湯器10の点検時期を報知するために経過時間を計測している。このため、給湯器10が製造されてから最初の点検時期までの間は、経過時間計測部14は、給湯器10の製造からの経過時間を計測し、最初の点検が行われた後は、点検後にリセットされてからの経過時間を計測する。
次いで、制御部12は、給湯器10にエラーが発生しているか否かを判定する(S14)。給湯器10にエラーが発生している場合(ステップS14でYESの場合)には、制御部12は、リモコン16を介して、給湯器10に発生したエラーに関する情報(以下、エラー情報ともいう)及び給湯器10の識別情報をサーバ30に送信する(S16)。その後、処理はステップS18に進む。一方、給湯器10にエラーが発生していない場合(ステップS14でNOの場合)には、ステップS16をスキップして、処理はステップS18に進む。
次いで、制御部12は、経過時間計測部14で計測する経過時間が所定期間(例えば9年9ヶ月)を超えているか否かを判定する(S18)。本実施例では、給湯器10の点検時期の目安は、給湯器10の製造から、又は前回の点検から10年と設定している。このため、経過時間計測部14で計測する経過時間が、給湯器10の点検時期の目安である10年から所定期間(例えば3ヶ月)前である9年9ヶ月を超えた場合に、制御部12は、給湯器10の点検時期であることをユーザに報知する。経過時間計測部14で計測する経過時間が9年9ヶ月より短い場合(ステップS18でNOの場合)には、制御部12は、給湯器10が点検時期に達していないと判断し、ステップS12に戻って経過時間計測部14による経過時間の計測を続ける。
一方、経過時間計測部14で計測する経過時間が9年9ヶ月を超えている場合(ステップS18でYESの場合)には、制御部12は、既に1回以上点検時期情報をサーバ30に送信したか否かを判定する(S20)。サーバ30に1回以上点検時期情報を送信している場合には、ユーザに点検時期であることを既に報知していると判断できるため、基本的にはサーバ30に点検時期情報を送信する必要がない。なお、ここでいう「1回以上点検時期情報を送信した」とは、経過時間計測部14で計測される経過時間がリセットされる前に送信された点検時期情報の送信を含まない。経過時間がリセットされる前に点検時期情報を送信していても、その送信は前回の点検を報知するためのものであり、ユーザに今回の点検時期が到来していることを報知したことにならない。このため、ここでは、経過時間計測部14で計測される経過時間がリセットされている場合には、リセットされた後に1回以上点検時期情報が送信されたか否かを判定する。点検時期情報が送信されていない場合(ステップS20でNOの場合)には、ステップS22をスキップして、処理はステップS24に進む。
一方、点検時期情報が既に1回以上送信されている場合(ステップS20でYESの場合)、制御部12は、直近にサーバ30に点検時期情報を送信してから1ヶ月以上経過しているか否かを判定する(S22)。点検時期が到来していることを既にユーザに報知していても、ユーザが未だ点検を実施(依頼)していないことがある。このため、サーバ30に点検時期情報を送信してから(すなわち、ユーザに報知してから)1ヶ月以上経過している場合(ステップS22でYESの場合)には、ユーザに点検時期情報を再度報知するため、処理はステップS24に進む。直近にサーバ30に点検時期情報を送信してから1ヶ月以上経過していない場合(ステップS22でNOの場合)には、制御部12は、ユーザに再度報知する時期ではないと判断し、ステップS12に戻って経過時間計測部14による経過時間の計測を続ける。
点検時期情報が送信されていない場合(ステップS20でNOの場合)、又は直近にサーバ30に点検時期情報を送信してから1ヶ月以上経過している場合(ステップS22でYESの場合)、制御部12は、リモコン16を介して、給湯器10の識別情報、給湯器10の設置位置に関する情報(以下、設置位置情報ともいう)及び給湯器10の点検時期情報をサーバ30に送信する(S24)。給湯器10の設置位置情報は、例えば、給湯器10が設置されている住宅100の住所であり、リモコン16を介して予め設定されている。
次に、図1を参照して、給湯器10からエラー情報を受信した際、又は点検時期情報を受信した際のサーバ30の処理について説明する。
まず、上述のステップS16(図8参照)で給湯器10が送信したエラー情報を受信したサーバ30の処理について説明する。給湯器10のリモコン16から給湯器10のエラー情報及び識別情報が送信されると、サーバ30の通信部32は、給湯器10のエラー情報及び識別情報を受信する。そして、サーバ30の演算部42は、受信した給湯器10の識別情報に基づいて、エラー履歴記憶部34に給湯器10のエラー情報を追加する。
次に、上述のステップS24(図8参照)で給湯器10が送信した点検時期情報を受信したサーバ30の処理について説明する。サーバ30は、受信した点検時期情報をユーザ端末50に送信する。このとき、サーバ30は、点検時期情報と共に、受信した給湯器10の識別情報及び設置位置情報に基づき、サーバ30に記憶される各種の点検に関する情報(以下、点検関連情報ともいう)をユーザ端末50に送信する。以下に、サーバ30が給湯器10から識別情報、設置位置情報及び点検時期情報を受信し、ユーザ端末50に給湯器10の識別情報、点検時期情報及び点検関連情報を送信する処理について説明する。
図9は、サーバ30が点検時期情報を受信した際に実行する処理を示している。図9に示すように、まず、通信部32は、給湯器10の識別情報、設置位置情報及び点検時期情報を受信する(S32)。ここで通信部32が受信する給湯器10の識別情報、設置位置情報及び点検時期情報は、上述のステップS24(図8参照)で給湯器10から送信されたものである。
次いで、演算部42は、受信した給湯器10の識別情報に基づいて、作業情報記憶部36に記憶される作業情報から給湯器10に対応する作業情報を抽出する(S34)。上述したように、作業情報記憶部36には、点検にかかる標準的な作業時間及び費用が機器の種類毎に記憶されている。演算部42は、識別情報から機器が給湯器であることを判別し、作業情報記憶部36から給湯器の点検にかかる標準的な作業時間及び費用を抽出する。例えば、図5に示すように、給湯器10の点検にかかる標準的な作業時間は45分であり、標準的な費用は9000円である。
次いで、図9に示すように、演算部42は、受信した給湯器10の識別情報に基づいて、エラー履歴記憶部34から給湯器10に対応する点検余裕度を抽出する(S36)。上述したように、エラー履歴記憶部34には、識別情報に対応するエラー履歴、余裕度係数及び点検余裕度が記憶されている。演算部42は、エラー履歴記憶部34から受信した識別情報に対応する点検余裕度を抽出する。例えば、図2に示すように、受信した識別情報が「K00000001」である場合、「K00000001」の点検余裕度は「高」である。
次に、図9に示すように、演算部42は、受信した給湯器10の設置位置情報に基づいて、作業者情報記憶部38に記憶されている作業者情報から給湯器10の点検作業を依頼可能な作業者を抽出する(S38)。上述したように、作業者情報記憶部38には、点検作業を依頼可能な作業者の名称と所在地が記憶されている。演算部42は、給湯器10の設置位置情報と、作業者情報記憶部38に記憶される作業者の所在地とに基づいて、給湯器10の点検作業を依頼可能な作業者を抽出する。
次いで、演算部42は、受信した給湯器10の識別情報と、ステップS38で抽出された作業者情報に基づいて、サービス情報記憶部40に記憶されているサービス情報から、ステップS38で抽出した作業者のサービス情報を抽出する(S40)。例えば、ステップS38において、給湯器10の点検作業を依頼可能な作業者として「○△×商会」と「◎□▲ガス」が抽出されたとする(図6参照)。この場合、ステップS40において、サービス情報記憶部40から、「○△×商会」が給湯器10の点検にかかる作業時間及び費用は「40分」及び「8000円」であるという情報が抽出され、「◎□▲ガス」が給湯器10の点検にかかる作業時間及び費用は「30分」及び「7000円」であるという情報が抽出される(図7参照)。
最後に、図9に示すように、演算部42は、通信部32を介して、ステップS32で給湯器10から受信した給湯器10の識別情報及び点検時期情報と、ステップS34〜ステップS40で抽出した点検関連情報をユーザ端末50に送信する(S42)。すなわち、演算部42は、給湯器10の識別情報及び点検時期情報と、給湯器10の作業情報と、給湯器10の点検余裕度と、給湯器10の点検作業を依頼可能な作業者及びその作業者のサービス情報を、ユーザ端末50に送信する。なお、本実施例では、給湯器10の設置位置情報は、給湯器10の識別情報及び点検時期情報と共に、給湯器10からサーバ30に送信されているが、このような構成に限定されない。例えば、給湯器10の設置位置情報は、給湯器10の識別情報及び点検時期情報が送信されるタイミングと異なるタイミングで、給湯器10からサーバ30に送信されてもよい。また、給湯器10の設置位置情報は、ユーザ端末50からサーバ30に送信してもよい。
次に、サーバ30から給湯器10の点検時期情報及び点検関連情報を受信したユーザ端末50の処理について説明する。図11に示すように、ユーザ端末50は、サーバ30から受信した情報に基づいて、ユーザに給湯器10の点検時期であることを報知する情報(以下、点検報知情報62ともいう)と、給湯器10の点検依頼に関する情報(以下、点検依頼選択情報66ともいう)を表示する。以下に、ユーザ端末50が点検時期情報及び点検関連情報を受信した際に実行する処理について説明する。
図10に示すように、まず、通信部54は、サーバ30から給湯器10の点検時期情報及び点検関連情報を受信する(S52)。ここで通信部54が受信する給湯器10の点検時期情報及び点検関連情報は、上述のステップS42(図9参照)でサーバ30から送信されたものである。
次に、ユーザ端末50の制御部56は、ステップS52で受信した給湯器10の点検時期情報及び点検関連情報に基づいて、表示部52に点検報知情報62及び点検依頼選択情報66を表示させる(S54)。
点検報知情報62は、受信した点検時期情報に基づき、ユーザに、ユーザが所有する機器(ここでは、給湯器10)が点検時期であることを報知するための情報である。例えば、図11に示すように、点検報知情報62として、ユーザ端末50の表示部52の表示画面60に「給湯器が製造から10年経過しました。定期点検を受けることを推奨します。」と表示する。
このとき、受信した点検関連情報に基づいて、点検報知情報62として表示する内容を変更することができる。例えば、点検余裕度に応じて、点検を催促する情報(以下、点検催促情報ともいう)を追加してもよい。図12に示すように、給湯器10の点検余裕度が「低」である場合、点検催促情報を追加した点検報知情報64として、「給湯器が製造から10年経過しました。お客様の使用状況から、定期点検を受けることを強く推奨します。」と表示してもよい。点検余裕度に応じて点検報知情報に点検催促情報を追加することによって、ユーザに点検の重要性を認識させることができ、特に、早期に点検を実施したほうがよい場合に、ユーザに点検の依頼を促すことができる。
点検依頼選択情報66は、サーバ30から受信した点検関連情報に基づき、ユーザに、ユーザが所有する機器の点検を依頼可能な作業者を報知するための情報である。例えば、図11、図12に示すように、点検依頼選択情報66として、表示画面60に給湯器10の点検作業を依頼可能な作業者の名称と、その作業者に依頼した場合の費用及び作業時間を表示する。さらに、点検依頼選択情報66は、その作業者に点検を依頼するための点検依頼ボタン68を含む。ユーザは、ユーザ端末50に表示される点検依頼ボタン68を押すことによって、表示された作業者に点検を依頼することができる。
給湯器10の点検を依頼可能な作業者が複数存在する場合、点検依頼選択情報66には、複数の作業者に関する情報が表示される。複数の作業者に関する情報には、それぞれその作業者に点検を依頼した場合の費用及び作業時間と、その作業者に点検を依頼するための点検依頼ボタン68が表示される。このため、ユーザは、複数の作業者から点検を依頼する作業者を選択し、その作業者に点検を依頼することができる。例えば、図11、図12に示す表示画面60から、ユーザが「○△×商会」に給湯器10の点検を依頼する場合には、ユーザは「○△×商会」に関する点検依頼選択情報66の点検依頼ボタン68(図11、図12では、2つの点検依頼ボタン68のうちの上方の点検依頼ボタン68)を押すことによって、ユーザが選択した「○△×商会」に給湯器10の点検を依頼することができる。
図10のステップS54で点検報知情報62、64及び点検依頼選択情報66が表示されると、制御部56は、点検依頼ボタン68が押されたか否かを判定する(S56)。点検依頼ボタン68が押された場合(ステップS56でYESの場合)には、制御部56は、通信部54を介して、押された点検依頼ボタン68に対応する作業者に点検を依頼する旨の情報(以下、点検依頼情報ともいう)をサーバ30に送信する(S58)。一方、点検依頼ボタン68が押されていない場合(ステップS56でNOの場合)には、ステップS54に戻る。
点検依頼情報がサーバ30に送信されると、サーバ30は、対応する作業者に給湯器10の点検依頼を通知する。これによって、その作業者によって給湯器10の点検が実施される。次に、点検作業後の給湯器10の処理について説明する。
図13は、給湯器10の点検作業が実施された際に給湯器10が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図13に示すように、まず、制御部12は、点検作業が終了したか否かを判定する(S62)。点検作業が終了していない場合(ステップS62でNOの場合)には、処理はステップS62に戻り、制御部12は点検作業が終了するまで待機する。点検作業が終了している場合(ステップS62でYESの場合)には、制御部12は、リモコン16を介して、点検が終了したことを示す情報(以下、点検終了情報ともいう)をサーバ30に送信する(S64)。そして、制御部12は、経過時間計測部14が計測する経過時間をリセットする(S66)。点検作業が終了すると、経過時間計測部14は、次の点検までの時間を計測する必要が生じる。このため、経過時間計測部14が計測する経過時間がリセットされ、点検作業終了後からの経過時間が計測される。
給湯器10から点検終了情報が送信されると、サーバ30の通信部32は、点検終了情報を受信する。すると、サーバ30は、点検作業を行った作業者の作業をユーザが評価するための評価画面70(図14参照)に関する情報をユーザ端末50に送信する。
ユーザ端末50の通信部54は、サーバ30から評価画面70に関する情報を受信すると、表示部52に評価画面70を表示する。図14は、表示部52に表示される評価画面70の一例を示している。評価画面70には、ユーザに作業者の評価を依頼することを報知するための情報が表示される。例えば、評価画面70には、「点検が完了しました。今回のサービス店の評価をお願いします。」と表示される。さらに、評価画面70には、ユーザが作業者の評価を入力可能な評価入力欄72と、ユーザのコメントを入力可能なコメント入力欄74と、評価結果を送信する送信ボタン76が表示される。評価入力欄72は、例えば、満点を5とした場合の評価を数字で入力することができる。コメント入力欄74は、点検作業を行った作業者に対する具体的なコメントを入力することができる。ユーザが、評価入力欄72とコメント入力欄74に入力した後、送信ボタン76を押すことによって、ユーザ端末50は、入力された評価結果に関する情報をサーバ30に送信する。
サーバ30の通信部32は、ユーザ端末50の通信部54から送信された評価結果に関する情報を受信する。そして、サーバ30は、受信した評価結果に関する情報を作業者情報記憶部38に記憶させる。ユーザの評価結果を作業者情報記憶部38に蓄積して、作業者情報記憶部38に蓄積された評価結果をユーザや作業者が参照できるようにすることによって、作業者による点検作業の質の向上を促すことができる。
本実施例では、給湯器10の経過時間計測部14が、給湯器10の製造から、又は前回の点検からの経過時間を計測している。このため、サーバ30が給湯器10の点検時期を管理する必要がなく、例えば、給湯器10の識別情報をサーバ30に事前に登録していなくても、給湯器10の点検時期を管理することができる。また、給湯器10が点検時期になると、ユーザ端末50の表示部52に点検報知情報62と点検依頼選択情報66が表示される。このため、ユーザに給湯器10が点検時期であることを報知できると共に、給湯器10が点検時期であることを知ったユーザは、ユーザ端末50から点検依頼ボタン68を押すだけで、給湯器10の点検を依頼することができる。このためユーザが、例えば、電話等によって点検を別途依頼する必要がなく、点検依頼手続を容易にすることができる。
なお、本実施例では、給湯器10のエラー情報、余裕度係数及び点検余裕度をサーバ30のエラー履歴記憶部34に記憶させているが、このような構成に限定されない。例えば、給湯器10のエラー情報、余裕度係数および点検余裕度は、給湯器10(例えば、制御部12が備えるメモリ)が記憶しており、給湯器10が点検時期情報と識別情報をサーバ30に送信する際に、合わせて送信してもよい。この場合には、給湯器10の経過時間、エラー情報、余裕度係数及び点検余裕度を給湯器10が管理する構成となるため、サーバ30が給湯器10の情報(具体的には、エラー情報、余裕度係数及び点検余裕度)を管理する必要がない。このため、給湯器10の識別情報を事前にサーバ30に登録しなくても、給湯器10に関する情報を管理することができる。
また、本実施例では、給湯器10の点検時期が近づくと、給湯器10からサーバ30に点検時期情報及び識別情報が送信されるが、このような構成に限定されない。例えば、給湯器10は、ユーザ端末50に点検時期情報及び識別情報を送信してもよい。この場合には、点検時期情報及び識別情報を受信したユーザ端末50は、その後、点検時期情報及び識別情報をサーバ30に送信する。サーバ30は、ユーザ端末50から受信した点検時期情報及び識別情報に基づいて、点検関連情報(すなわち、作業情報、点検余裕度、作業者情報及びサービス情報)を抽出し、抽出した点検関連情報をユーザ端末50に送信する。
また、本実施例では、サーバ30の演算部42は、給湯器10の設置位置情報に基づいて、給湯器10の点検作業を依頼可能な作業者を抽出しているが、このような構成に限定されない。例えば、ユーザ端末50が、GPSなどの位置情報取得手段(図示せず)を備えている場合、ユーザ端末50からサーバ30にユーザ端末50の位置情報を送信して、サーバ30はユーザ端末50の位置情報に基づいて、給湯器10の点検作業を依頼可能な作業者を抽出してもよい。この場合には、ユーザ端末50が給湯器10と直接通信可能な状態である場合、及びユーザ端末50が住宅100内に設置されたアクセスポイントを中継して給湯器10と通信可能な状態である場合のいずれかである場合にのみ、給湯器10が点検時期情報及び識別情報をサーバ30又はユーザ端末50に送信するように構成されているとよい。このような構成にすることによって、ユーザ端末50が住宅100から遠い位置にある場合のユーザ端末50の位置情報に基づいて作業者が抽出されることを回避することができる。
(実施例2)
上記の実施例1の点検報知システム1は、住宅100内に設置され、サーバ30を提供する製造元が製造した住宅設備機器として給湯器10のみを備えていたが、このような構成に限定されない。例えば、住宅100内に、サーバ30を提供する製造元が製造した住宅設備機器として、給湯器10に加え、他の住宅設備機器が設置されていてもよい。以下では図15を参照して、住宅100内に設置され、サーバ30を提供する製造元が製造した住宅設備機器として、給湯器10に加え、食器洗浄機20を備える点検報知システム2について説明する。なお、本実施例の点検報知システム2は、実施例1の点検報知システム1の構成に食器洗浄機20が追加されている点が点検報知システム1と相違しており、その他の構成については略同一となっている。このため、実施例1の点検報知システム1と同一の構成については、その説明を省略する。
図15に示すように、点検報知システム2は、住宅100に設置される給湯器10と、同一の住宅100に設置される食器洗浄機20と、サーバ30と、ユーザ端末50を備えている。なお、上述したように、給湯器10と、サーバ30と、ユーザ端末50の構成は、実施例1の点検報知システム1と略同一であるため、詳細な説明は省略する。
食器洗浄機20は、給湯器10と同一の製造元によって製造されており、住宅100に設置される。食器洗浄機20の食器洗浄機構の構成については、特に限定されない。食器洗浄機20は、制御部22と、通信部26を備えている。
制御部22は、食器洗浄機20の各構成要素を制御している。すなわち、制御部22は、食器洗浄機20の食器洗浄機構(図示省略)や、通信部26を制御している。また、制御部22は、経過時間計測部24を備えている。経過時間計測部24は、食器洗浄機20が製造されてからの経過時間、又は計測した経過時間がリセットされてからの経過時間を計測している。
通信部26は、給湯器10のリモコン16と通信することができる。例えば、通信部26は、住宅100内に設置されたアクセスポイント(図示省略)を中継して、リモコン16と通信することができる。通信部26は、サーバ30と直接通信する構成となっておらず、食器洗浄機20に関する情報は、リモコン16を介してサーバ30と通信される。なお、通信部26は、「第2通信部」の一例である。
次に、食器洗浄機20が点検時期であることをユーザに報知する処理について説明する。食器洗浄機20の点検時期は、食器洗浄機20が監視しており、点検時期が近付くと、食器洗浄機20からリモコン16を介して、サーバ30に点検時期情報が送信される。まず、食器洗浄機20がリモコン16に(すなわちサーバ30に)点検時期情報を送信する処理について説明する。
図16は、食器洗浄機20がリモコン16に点検時期情報を送信する際に食器洗浄機20の制御部22が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図16に示すように、まず、制御部22の経過時間計測部24は、食器洗浄機20が製造されてからの経過時間、又は計測した経過時間がリセットされてからの経過時間を計測する(S72)。
次いで、制御部22は、食器洗浄機20にエラーが発生しているか否かを判定する(S74)。食器洗浄機20にエラーが発生している場合(ステップS74でYESの場合)には、制御部22は、通信部26を介して、食器洗浄機20のエラー情報及び食器洗浄機20の識別情報をリモコン16に(すなわちサーバ30に)送信する(S76)。その後、処理はステップS78に進む。一方、食器洗浄機20にエラーが発生していない場合(ステップS74でNOの場合)には、ステップS76をスキップして、処理はステップS78に進む。
次いで、制御部22は、経過時間計測部24で計測する経過時間が所定期間(例えば9年9ヶ月)を超えているか否かを判定する(S78)。経過時間計測部24で計測する経過時間が9年9ヶ月より短い場合(ステップS78でNOの場合)には、制御部22は、食器洗浄機20が点検時期に達していないと判断し、ステップS72に戻って経過時間計測部24による経過時間の計測を続ける。
一方、経過時間計測部24で計測する経過時間が9年9ヶ月を超えている場合(ステップS78でYESの場合)には、既に1回以上点検時期情報をリモコン16に(すなわちサーバ30に)送信したか否かを判定する(S80)。なお、ここでいう「1回以上点検時期情報を送信した」とは、経過時間計測部24で計測される経過時間がリセットされる前に送信された点検時期情報の送信を含まない。点検時期情報が送信されていない場合(ステップS80でNOの場合)には、ステップS82をスキップして、処理はステップS84に進む。
一方、点検時期情報が既に1回以上送信されている場合(ステップS80でYESの場合)、制御部22は、直近にリモコン16に(すなわちサーバ30に)点検時期情報を送信してから1ヶ月以上経過しているか否かを判定する(S82)。リモコン16に点検時期情報を送信してから1ヶ月以上経過している場合(ステップS82でYESの場合)には、処理はステップS84に進む。直近にリモコン16に点検時期情報を送信してから1ヶ月以上経過していない場合(ステップS82でNOの場合)には、制御部22は、ステップS72に戻って経過時間計測部24による経過時間の計測を続ける。
点検時期情報が送信されていない場合(ステップS80でNOの場合)、又は直近にリモコン16に(すなわちサーバ30に)点検時期情報を送信してから1ヶ月以上経過している場合(ステップS82でYESの場合)、制御部22は、通信部26を介して、食器洗浄機20の識別情報、食器洗浄機20の設置位置情報及び食器洗浄機20の点検時期情報をリモコン16に送信する(S84)。
なお、本実施例では、食器洗浄機20の識別情報及び設置位置情報は、食器洗浄機20の点検時期情報と共に、食器洗浄機20からリモコン16に(すなわちサーバ30に)送信しているが、このような構成に限定されない。例えば、食器洗浄機20の識別情報及び設置位置情報は、リモコン16に予め登録されていてもよい。この場合には、リモコン16は、食器洗浄機20の点検時期情報を食器洗浄機20から受信した場合に、リモコン16に記憶されている食器洗浄機20の識別情報及び設置位置情報を、受信した食器洗浄機20の点検時期情報と共にサーバ30に送信する。また、上述したように、機器の設置位置情報が、機器が設置されている住宅100の住所である場合には、給湯器10の設置位置情報と食器洗浄機20の設置位置情報は共通する。このため、リモコン16には、給湯器10の設置位置情報が登録されていればよく、食器洗浄機20の設置位置情報は登録されていなくてもよい。この場合には、リモコン16は、食器洗浄機20の点検時期情報(又は、食器洗浄機20の点検時期情報及び識別情報)を食器洗浄機20から受信した場合に、リモコン16に記憶されている給湯器10設置位置情報(すなわち、食器洗浄機20の設置位置情報)を、食器洗浄機20の点検時期情報及び識別情報と共にサーバ30に送信すればよい。
上述のステップS76で食器洗浄機20の通信部26から食器洗浄機20のエラー情報及び識別情報がリモコン16に送信されると、給湯器10の制御部12は、リモコン16を介して、受信した食器洗浄機20のエラー情報及び識別情報をサーバ30に送信する。そして、サーバ30の演算部42は、受信した食器洗浄機20の識別情報に基づいて、エラー履歴記憶部34に食器洗浄機20のエラー情報を追加する。このように、食器洗浄機20の通信部26がサーバ30と直接通信する構成となっていなくても、食器洗浄機20のエラー履歴をサーバ30のエラー履歴記憶部34に記憶させることができる。
また、上述のステップS84で食器洗浄機20の識別情報、設置位置情報及び点検時期情報がリモコン16に送信されると、給湯器10の制御部12は、リモコン16を介して、受信した食器洗浄機20の識別情報、設置位置情報及び点検時期情報をサーバ30に送信する。このように、食器洗浄機20の通信部26がサーバ30と直接通信する構成となっていなくても、食器洗浄機20の識別情報、設置位置情報及び点検時期情報をサーバ30に送信することができる。
サーバ30が、食器洗浄機20の識別情報、設置位置情報及び点検時期情報を受信すると、サーバ30は、受信した食器洗浄機20の識別情報及び設置位置情報に基づき、食器洗浄機20の点検関連情報を抽出する。なお、サーバ30による食器洗浄機20の点検関連情報の抽出処理の手順は、実施例1におけるサーバ30による給湯器10の点検関連情報の抽出処理の手順(図9参照)と同様であるため、詳細な説明は省略する。そして、サーバ30は、受信した食器洗浄機20の識別情報及び点検時期情報と、抽出した食器洗浄機20の点検関連情報をユーザ端末50に送信する。
ユーザ端末50が、食器洗浄機20の識別情報、点検時期情報及び点検関連情報を受信すると、ユーザ端末50は、食器洗浄機20の点検報知情報及び点検依頼選択情報を表示する。なお、ユーザ端末50が食器洗浄機20の点検報知情報及び点検依頼選択情報を表示する処理は、実施例1においてユーザ端末50が給湯器10の点検報知情報及び点検依頼選択情報を表示する処理(図10参照)と同様であるため、詳細な説明は省略する。本実施例においても、ユーザは、ユーザ端末50から点検依頼ボタンを押すだけで、食器洗浄機20の点検を依頼することができる。そして、食器洗浄機20の点検依頼情報がサーバ30に送信されると、サーバ30は、対応する作業者に食器洗浄機20の点検依頼を通知する。これによって、その作業者によって食器洗浄機20の点検が実施される。
次に、食器洗浄機20の点検作業後の食器洗浄機20の処理について説明する。図17は、食器洗浄機20の点検作業が実施された際に食器洗浄機20が実行する処理の一例を示すフローチャートである。図17に示すように、まず、制御部22は、点検作業が終了したか否かを判定する(S92)。点検作業が終了していない場合(ステップS92でNOの場合)には、処理はステップS92に戻り、制御部22は点検作業が終了するまで待機する。点検作業が終了している場合(ステップS92でYESの場合)には、制御部22は、通信部26を介して、点検終了情報をリモコン16に(すなわちサーバ30に)送信する(S94)。そして、制御部22は、経過時間計測部24が計測する経過時間をリセットする(S96)。
上述のステップS94で食器洗浄機20の点検終了情報が食器洗浄機20の通信部26からリモコン16に送信されると、給湯器10の制御部12は、リモコン16を介して、受信した食器洗浄機20の点検終了情報をサーバ30に送信する。このように、食器洗浄機20の通信部26がサーバ30と直接通信する構成となっていなくても、食器洗浄機20の点検終了情報をサーバ30に送信することができる。
本実施例においても、食器洗浄機20の経過時間計測部24が、食器洗浄機20の製造から、又は前回の点検からの経過時間を計測している。このため、サーバ30が食器洗浄機20の点検時期を管理する必要がなく、例えば、食器洗浄機20の識別情報をサーバ30に事前に登録していなくても、食器洗浄機20の点検時期を管理することができる。また、食器洗浄機20に関する各種の情報は、リモコン16を介してサーバ30に送信される。このため、同一の住宅100内にサーバ30及びユーザ端末50と通信可能な機器(すなわち、給湯器10)があれば、他の機器(すなわち、食器洗浄機20)がサーバ30及びユーザ端末50と通信可能な構成でなくとも、他の機器(食器洗浄機20)の各種の情報をサーバ30又はユーザ端末50に送信することができる。
以上、本明細書に開示の技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書又は図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。