JP6966764B2 - 樹脂組成物、化合物及び光重合開始剤 - Google Patents
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Description
光重合性材料としては、例えば、露光によりラジカル種を発生する光開始剤と、ラジカル重合性のモノマー又はオリゴマーと、を含有するラジカル重合系の樹脂組成物や、露光により酸を発生する光酸発生剤と、酸の作用により重合するモノマー又はオリゴマーと、を含有する酸触媒系の樹脂組成物が、これまで盛んに検討されてきている。
本発明の化合物(本明細書においては、「化合物(1)」と称することがある)は、下記一般式(1)で表される。
また、化合物(1)においては、下記式(i)で示すように、露光によって、ホルミル基とアミド結合が消失するように環化反応が進行し、下記一般式(1’)で表される化合物(本明細書においては、「化合物(1’)」と称することがある)、すなわち第3級アミンに準じた塩基を発生する。ここで、「第3級アミンに準じた塩基」とは、カルボニル基の炭素原子に結合しているX中の窒素原子に、水素原子が直接結合していない構造の塩基を意味する。このように、化合物(1)は、露光により第3級アミンに準じた塩基を発生するという、共通の特性を有する。この特性については、後ほど詳細に説明する。
化合物(1)は、前記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、Gは2価の芳香族基であり、ホルミル基(−C(=O)−H)と前記Xとが結合している。
そして、ホルミル基とXとのGにおける結合位置は、互いにオルト位の位置関係にある。すなわち、Gの環骨格を構成する原子のうち、ホルミル基が結合している原子と、Xが結合している原子とは、Gの環骨格中で互いに隣り合って(直接結合して)いる。
ここで「芳香族炭化水素基が置換基を有する」とは、芳香族炭化水素基を構成する1個以上の水素原子が、水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを意味する。
そして、「芳香族複素環式基が置換基を有する」とは、芳香族複素環式基を構成する1個以上の水素原子が、水素原子以外の基(置換基)で置換されていることを意味する。
前記芳香族複素環化合物で好ましいものとしては、含硫黄芳香族複素環化合物(芳香族複素環骨格を構成する原子として1個以上の硫黄原子を有する化合物)、含窒素芳香族複素環化合物(芳香族複素環骨格を構成する原子として1個以上の窒素原子を有する化合物)、含酸素芳香族複素環化合物(芳香族複素環骨格を構成する原子として1個以上の酸素原子を有する化合物)、硫黄原子、窒素原子及び酸素原子から選択される互いに異なる2個のヘテロ原子を、芳香族複素環骨格を構成する原子として有する化合物が挙げられる。
前記芳香族複素環式基において、環骨格を構成しているヘテロ原子が2個以上である場合、これらヘテロ原子は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
前記芳香族炭化水素基又は芳香族複素環式基において、前記置換基が2個以上である場合、これら置換基は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
置換基である前記ジアリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ基、フェニル−1−ナフチルアミノ基等、アミノ基の2個の水素原子が、前記アリール基で置換されてなる1価の基が挙げられる。前記ジアリールアミノ基において、窒素原子に結合している2個のアリール基は、互いに同一でも、異なっていてもよい。
置換基である前記アルキルアリールアミノ基としては、例えば、メチルフェニルアミノ基等、アミノ基の2個の水素原子のうち、1個の水素原子が前記置換アルキル基で置換され、1個の水素原子が前記アリール基で置換されてなる1価の基が挙げられる。
置換基である前記アリールカルボニル基としては、例えば、フェニルカルボニル基(ベンゾイル基)等、前記アリール基がカルボニル基に結合してなる1価の基が挙げられる。
置換基である前記アリールオキシカルボニル基としては、例えば、フェニルオキシカルボニル基(フェノキシカルボニル基)等、前記アリールオキシ基がカルボニル基に結合してなる1価の基が挙げられる。
置換基である前記アリールカルボニルオキシ基としては、例えば、フェニルカルボニルオキシ基等、前記アリール基がカルボニルオキシ基の炭素原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
置換基である前記アリールチオ基としては、例えば、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基等、前記アリール基が硫黄原子に結合してなる1価の基が挙げられる。
ハロアルキル基におけるハロゲン原子としては、置換基であるハロゲン原子として例示した上記のものが挙げられる。
ハロアルキル基におけるハロゲン原子の数は、特に限定されず、1個でもよいし、2個以上でもよい。ハロアルキル基におけるハロゲン原子の数が2個以上である場合、これら複数個のハロゲン原子は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。ハロアルキル基は、アルキル基中のすべての水素原子がハロゲン原子で置換されたパーハロアルキル基であってもよい。
ハロアルキル基としては、例えば、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられるが、これらに限定されない。
すなわち、m1が0の場合、n1は0〜4の整数であり、0〜3の整数であることが好ましく、0〜2の整数であることがより好ましく、0又は1であることが特に好ましい。
m1が1の場合、n1は0〜6の整数であり、0〜4の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0〜2の整数であることがさらに好ましく、0又は1であることが特に好ましい。
m1が2の場合、n1は0〜8の整数であり、0〜4の整数であることが好ましく、0〜3の整数であることがより好ましく、0〜2の整数であることがさらに好ましく、0又は1であることが特に好ましい。
n1が0以外の整数である場合、Z1の前記芳香族炭化水素基への結合位置は特に限定されない。
また、一般式(1)−12、(1)−13又は(1)−15中、R21、R31、R51及びR52は、それぞれ独立に炭化水素基である。
すなわち、一般式(1)−11中、R11、R12及びR13(以下、「R11〜R13」と略記することがある)は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
同様に、一般式(1)−12中、R21、R22、R23及びR24(以下、「R21〜R24」と略記することがある)は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
同様に、一般式(1)−13中、R31、R32及びR33(以下、「R31〜R33」と略記することがある)は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
同様に、一般式(1)−14中、R41、R42、R43及びR44(以下、「R41〜R44」と略記することがある)は、すべて同一であってもよいし、すべて異なっていてもよく、一部のみ同一であってもよい。
同様に、一般式(1)−15中、R51及びR52(以下、「R51〜R52」と略記することがある)は、互いに同一であってもよいし、互いに異なっていてもよい。
R11〜R13等における前記不飽和脂肪族炭化水素基としては、R11〜R13等における前記アルキル基中の、炭素原子間の1個以上の単結合(C−C)が、不飽和結合である二重結合(C=C)又は三重結合(C≡C)で置換されてなる基が挙げられる。
前記不飽和脂肪族炭化水素基において、不飽和結合の数は1個のみでもよいし、2個以上でもよく、2個以上である場合、これら不飽和結合は二重結合のみでもよいし、三重結合のみでもよく、二重結合及び三重結合が混在していてもよい。
前記不飽和脂肪族炭化水素基において、不飽和結合の位置は特に限定されない。
前記アルケニル基としては、例えば、エテニル基(ビニル基)、2−プロペニル基(アリル基)、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
R11’、R12’及びR13’における前記炭化水素基は、相互に結合して環を形成することがない点以外は、上述のR11〜R13における前記炭化水素基と同じである。すなわち、化合物(1)−1Aは、R11’、R12’及びR13’がいずれの基であっても、一般式(1)−1A中に記載されているイミダゾール骨格が縮環した構造を有しない。
R11’、R12’及びR13’は、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
化合物(1)−1Bは、化合物(1)−1のうち、炭化水素基であるR12及びR13が相互に結合して環を形成しているものである。
一般式(1)−1B中、R011は、単環状及び多環状のいずれでもよく、シクロヘキサン環等の飽和脂肪族炭化水素環、又はベンゼン環、ナフタレン環等の芳香族炭化水素環であることが好ましい。
化合物(1)−1Bで好ましいものとしては、例えば、R011が芳香族炭化水素環であるものが挙げられる。
R21’、R22’、R23’及びR24’における前記炭化水素基は、相互に結合して環を形成することがない点以外は、上述のR11〜R13における前記炭化水素基と同じである。
R21’は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
R22’、R23’及びR24’は、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、アルキル基又はアリール基であることがより好ましい。
化合物(1)−2Bは、化合物(1)−2のうち、炭化水素基であるR21及びR22が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−2Cは、化合物(1)−2のうち、炭化水素基であるR22及びR23が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−2Dは、化合物(1)−2のうち、炭化水素基であるR23及びR24が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−2Eは、化合物(1)−2のうち、炭化水素基であるR21及びR22が相互に結合して環を形成し、炭化水素基であるR23及びR24が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−2Bで好ましいものとしては、例えば、R021が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−2Cで好ましいものとしては、例えば、R022が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−2Dで好ましいものとしては、例えば、R023が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−2Eで好ましいものとしては、例えば、R021及びR023のいずれか一方又は両方が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
R31’、R32’及びR33’における前記炭化水素基は、相互に結合して環を形成することがない点以外は、上述のR11〜R13における前記炭化水素基と同じである。
R31’は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
R32’及びR33’は、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
化合物(1)−3Bは、化合物(1)−3のうち、炭化水素基であるR32及びR33が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−3Cは、化合物(1)−3のうち、炭化水素基であるR31及びR33が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−3Dは、化合物(1)−3のうち、炭化水素基であるR31及びR32が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−3Bで好ましいものとしては、例えば、R031が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−3Cで好ましいものとしては、例えば、R032が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−3Dで好ましいものとしては、例えば、R033が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
R41’、R42’、R43’及びR44’における前記炭化水素基は、相互に結合して環を形成することがない点以外は、上述のR11〜R13における前記炭化水素基と同じである。
R41’、R42’、R43’及びR44’は、水素原子、アルキル基又はアリール基であることが好ましく、アルキル基又はアリール基であることがより好ましい。
化合物(1)−4Bは、化合物(1)−4のうち、炭化水素基であるR41及びR42が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−4Cは、化合物(1)−4のうち、炭化水素基であるR42及びR43が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−4Dは、化合物(1)−4のうち、炭化水素基であるR43及びR44が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−4Eは、化合物(1)−4のうち、炭化水素基であるR41及びR42が相互に結合して環を形成し、炭化水素基であるR43及びR44が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)−4Bで好ましいものとしては、例えば、R041が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−4Cで好ましいものとしては、例えば、R042が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−4Dで好ましいものとしては、例えば、R043が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
化合物(1)−4Eで好ましいものとしては、例えば、R041及びR043のいずれか一方又は両方が脂肪族含窒素環であるものが挙げられる。
R51’及びR52’における前記炭化水素基は、相互に結合して環を形成することがない点以外は、上述のR11〜R13における前記炭化水素基と同じである。
R51及びR52は、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
化合物(1)−5Bは、化合物(1)−5のうち、炭化水素基であるR51及びR52が相互に結合して環を形成しているものである。
化合物(1)は、例えば、アミド結合を形成する手法を用いて、製造できる。
このような化合物(1)の製造方法としては、例えば、下記一般式(1a)で表される化合物(以下、「化合物(1a)」と略記することがある)と、下記一般式(1b)で表される化合物(以下、「化合物(1b)」と略記することがある)とを反応させて、化合物(1)を得る工程(以下、「化合物(1)製造工程」と略記することがある)を有する製造方法が挙げられる。
一般式(1a)中、Lはハロゲン原子であり、塩素原子又は臭素原子であることが好ましく、塩素原子であることがより好ましい。
一般式(1b)中、Xは、一般式(1)中のXと同じである。
反応時において、化合物(1b)の使用量は、化合物(1a)の使用量に対して、1〜5倍モル量であることが好ましく、1〜3.5倍モル量であることがより好ましい。
前記溶媒は、特に限定されず、化合物(1a)及び化合物(1b)の種類に応じて適宜選択すればよい。好ましい前記溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン(THF)等のエーテル;ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド等が挙げられる。
溶媒は、例えば、化合物(1a)及び化合物(1b)等の溶媒以外のいずれかの成分と混合して、この成分を予め溶解又は分散させておくことで用いてもよいし、このように溶媒以外のいずれかの成分を予め溶解又は分散させておくことなく、溶媒をこれら成分と混合することで用いてもよい。
化合物(1a)のうち、Lが塩素原子であるものは、例えば、一般式(1a)中のLが水酸基(−OH)で置換されてなる化合物(すなわち、一般式「G(−CHO)−C(=O)−OH(式中、Gは前記と同じである)」で表される化合物)を、塩化チオニル(SOCl2)、塩化スルフリル(SO2Cl2)、塩化ホスホリル(POCl3)、塩化オキサリル((COCl)2)、三塩化リン(PCl3)、五塩化リン(PCl5)等のいずれかの塩素化剤と反応させることで得られる。
化合物(1)製造工程においては、反応終了後、化合物(1)を取り出さずに、目的とする用途で用いてもよい。
本発明の光塩基発生剤は、下記一般式(1)で表される化合物(すなわち、化合物(1))からなり、露光により塩基を発生するものである。
化合物(1)は、先に説明したように、露光によって、ホルミル基とアミド結合が消失するように環化反応が進行し、前記一般式(1’)で表される化合物(化合物(1’))、すなわち、第3級アミンに準じた塩基を発生する。このように、化合物(1)からなる光塩基発生剤は、非イオン型光塩基発生剤であり、従来のイオン型光塩基発生剤とは異なり、保存時の安定性が高く、溶解性も高く、これを用いた樹脂組成物も安定性が高い。
一方で、従来の非イオン型光塩基発生剤は、露光により、塩基として第1級アミン又は第2級アミンを発生するものであり、前記塩基は塩基性が弱いために、これを用いた樹脂組成物は、露光時の重合反応性が不十分あった。これに対して、本発明の化合物(1)からなる光塩基発生剤は、上記のとおり塩基として、第1級アミン及び第2級アミンのいずれにも該当しない、第3級アミンに準じた塩基を発生するものであり、これを用いた樹脂組成物は、露光時の重合反応性が良好なものである。
本発明の樹脂組成物は、塩基反応性化合物と、露光により塩基を発生する光塩基発生剤と、を含有し、前記塩基反応性化合物が、塩基の作用により極性が変換され、重合性を示す基を1分子中に2個以上有する化合物、又は塩基の作用により重合する基を1分子中に2個以上有する化合物であり、前記光塩基発生剤が、下記一般式(1)で表される化合物(すなわち、化合物(1))のものである。
前記塩基反応性化合物は、塩基の作用により極性が変換され、重合性を示す基を1分子中に2個以上有する化合物(本明細書においては、「塩基反応性化合物(9−2a)」と称することがある)、又は塩基の作用により重合する基を1分子中に2個以上有する化合物(本明細書においては、「塩基反応性化合物(9−2b)」と称することがある)である。塩基反応性化合物(9−2b)は、重合する基が、塩基の作用により極性が変換されたものではない点で、塩基反応性化合物(9−2a)とは異なる。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」の両方を包含する概念である。
前記光塩基発生剤は、化合物(1)からなる。
前記樹脂組成物が含有する光塩基発生剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に設定できる。
本発明の樹脂組成物は、前記塩基反応性化合物及び光塩基発生剤以外に、さらに他の成分を含有していてもよい。
前記他の成分は、本発明の効果を損なわない限り特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
前記樹脂組成物が含有する前記他の成分は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に設定できる。
なお、本明細書においては、「塩基の作用により極性が変換され、重合性を示す基を1分子中に1個のみ有する化合物」及び「塩基の作用により重合する基を1分子中に1個のみ有する化合物」を包括して「他の塩基反応性化合物」と称することがある。
また、本明細書において、単なる「塩基反応性化合物」との記載は、特に断りのない限り、先に説明した塩基反応性化合物(9−2a)又は塩基反応性化合物(9−2b)を意味するものとする。
前記樹脂組成物は、前記他の塩基反応性化合物を含有させることで、粘度等の特性を調節できることがある。
他の塩基反応性化合物のうち、塩基の作用により極性が変換され、重合性を示す基を1分子中に1個のみ有する化合物は、このような基を1分子中に1個のみ有するものであれば特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
同様に、他の塩基反応性化合物のうち、塩基の作用により重合する基を1分子中に1個のみ有する化合物は、このような基を1分子中に1個のみ有するものであれば特に限定されず、目的に応じて任意に選択できる。
前記樹脂組成物が、増感剤(光増感剤)を含有することで、塩基反応性化合物は、より広い波長範囲の光の照射によって、重合可能となる。例えば、前記光塩基発生剤としては、波長1〜400nm等の紫外線(紫外光)の照射によって、塩基を発生させるものが汎用される。そこで、このような光塩基発生剤を用いた場合、増感剤を併用することで、紫外線よりも長波長である可視光の照射によっても、塩基反応性化合物は重合可能となる。この場合、可視光等を吸収して励起された増感剤が、光塩基発生剤に作用することで、増感剤を用いなかった場合と同様に、光塩基発生剤から塩基が発生する。
増感剤は、例えば、ベンゾフェノン等、公知のものでよく、特に限定されない。
前記樹脂組成物が含有する増感剤は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に設定できる。ただし、通常は、1種で十分である。
前記樹脂組成物の増感剤の含有量は、特に限定されず、適宜調節すればよい。
前記樹脂組成物は、充填材(フィラー)を含有させることで、例えば、樹脂組成物自体の粘度や、重合後の樹脂組成物(後述する重合生成物)の強度等の特性を調節できる。
前記充填材は、公知のものでよく、特に限定されない。例えば、充填材は、繊維状、板状及び粒状のいずれでもよく、その形状、大きさ及び材質は、いずれも目的に応じて適宜選択すればよい。
前記樹脂組成物が含有する充填材は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に設定できる。
前記樹脂組成物の充填材の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜調節すればよい。
前記樹脂組成物は、顔料を含有させることで、例えば、光透過性等を調節できる。
前記樹脂組成物が含有する顔料は、公知のものでよく、例えば、白色、青色、赤色、黄色、緑色等のいずれの顔料でもよく、特に限定されない。
前記樹脂組成物が含有する顔料は、1種のみでもよいし、2種以上でもよく、2種以上である場合、それらの組み合わせ及び比率は任意に設定できる。
前記樹脂組成物の顔料の含有量は、特に限定されず、目的に応じて適宜調節すればよい。
前記樹脂組成物は、溶媒を含有させることで、取り扱い性が向上する。
前記溶媒は、特に限定されず、塩基反応性化合物及び光塩基発生剤の溶解性や安定性等を考慮して、適宜選択すればよい。
溶媒で好ましいものとしては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素;酢酸エチル、酢酸ブチル等のカルボン酸エステル;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(ジメチルセロソルブ)等のエーテル;アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、シクロヘキサノン、シクロペンタノン等のケトン;アセトニトリル等のニトリル;N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド等が挙げられるが、これらに限定されない。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法;ミキサー等を用いて混合する方法;超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
配合時間も、各配合成分が劣化しない限り特に限定されず、例えば、30秒〜1時間とすることができる。
ただし、これら配合条件は、一例に過ぎない。
本発明の樹脂組成物を露光することにより、前記塩基反応性化合物が重合した生成物(本明細書においては、「重合生成物」と称することがある)が得られる。すなわち、本発明の樹脂組成物を用いた重合生成物の製造方法は、前記樹脂組成物を露光する工程を有する。
前記重合生成物の形状は、例えば、膜状、線状等、目的に応じて任意に選択できる。
例えば、膜状の重合生成物を製造する場合には、スピンコーター、エアーナイフコーター、ブレードコーター、バーコーター、グラビアコーター、ロールコーター、ロールナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ナイフコーター、スクリーンコーター、マイヤーバーコーター、キスコーター等の各種コーター、又はアプリケーター等の塗工手段を利用して、樹脂組成物を目的物に塗工するか、あるいは目的物を樹脂組成物に浸漬することにより、目的物に樹脂組成物を付着させればよい。
例えば、膜状又は線状の重合生成物を製造する場合には、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法、ジェットディスペンサー式印刷法、グラビア印刷法、グラビアオフセット印刷法、パッド印刷法等の印刷手段を利用することにより、目的物に樹脂組成物を付着させればよい。
また、露光時における光の照度は、例えば、1〜100mW/cm2であることが好ましく、露光量は、例えば、300〜8000mJ/cm2であることが好ましい。
ただし、ここで挙げた露光条件は、一例に過ぎず、前記樹脂組成物の露光条件は、これらに限定されない。
ポストベークは、例えば、好ましくは80〜180℃、20分〜2時間の条件で行うことができるが、条件はこれに限定されない。
なお、以下においては、例えば、「式(1)−1A−101で表される化合物」を「化合物(1)−1A−101」と称するなど、各化合物に付している符号を用いて、その化合物の名称を確定した。
[実施例1]
以下に示すように、化合物(1a)と化合物(1b)とを反応させて、化合物(1)−5A−101を製造した。
すなわち、フタルアルデヒド酸(4.51g、30.0mmol)を塩化チオニル(20.0g、168mmol)に添加し、さらにここへ乾燥N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(2mL)を添加して、室温下で3時間撹拌し、反応を行った。反応終了後、反応液から未反応の塩化チオニルを減圧留去した。
別途、ジエチルアミン(4.42g、60.4mmol)に乾燥テトラヒドロフラン(THF)(25mL)を添加し、さらにここへ、上述の塩化チオニルを減圧留去した後の反応液を添加し、0℃で2時間撹拌して、反応を行った。反応終了後、溶媒を減圧留去した。
次いで、得られた濃縮物にジクロロメタンを添加し、さらに濃度が5質量%の塩酸を添加して、分液ロート中で振とうし、反応液を洗浄した。この塩酸による洗浄をさらに1回行い、合計で2回行った。
次いで、上記の塩酸による洗浄後の反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加して、分液ロート中で振とうし、反応液を洗浄した。この飽和炭酸水素ナトリウム水溶液による洗浄をさらに1回行い、合計で2回行った。
次いで、上記の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液による洗浄後の反応液に、飽和塩化ナトリウム水溶液を添加して、分液ロート中で振とうし、反応液を洗浄した。この飽和塩化ナトリウム水溶液による洗浄をさらに1回行い、合計で2回行った。
次いで、上記の飽和塩化ナトリウム水溶液による洗浄後の反応液に対して、移動相を酢酸エチル/n−ヘキサン(1/1、体積比)の混合溶媒とする、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、目的物を含む画分を集めて濃縮することで、目的物である化合物(1)−5A−101を黄色粘性液体として得た(収量1.9g、収率31%)
得られた化合物(1)−5A−101の1H−NMR、エレクトロスプレーイオン化質量分析法(ESI−MS)による分析結果を表1に示す。
(化合物(1)−5A−101の溶媒中での露光時における挙動の確認)
上記で得られた化合物(1)−5A−101を、濃度が6×10−5mol/Lとなるようにアセトニトリルに溶解させた。そして、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、150、300、500、700、1000、3000、5000、6000及び16000mJ/cm2の10通りとして、波長254nmの紫外線を、得られたアセトニトリル溶液に照射し、吸光度を測定した。結果を図1に示す。なお、図1中、露光量については、単位(mJ/cm2)の記載を省略している。
(化合物(1)−5A−101の高分子固体中での露光時における挙動の確認)
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(以下、「PTMG」と略記することがある)(0.0327g)、化合物(1)−5A−101(0.0152g、PTMGの質量に対して46.5質量%)、及びクロロホルム(0.52g)を配合し、25℃で1分撹拌することで、試験用組成物を得た。
次いで、2000rpm、30秒の条件でスピンコート法により、上記で得られた試験用組成物をシリコンウエハ上に塗工し、得られた塗膜を90℃で2分加熱した後、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、50、100、200、500、1500、2000及び9000mJ/cm2の8通りとして、波長254nmの紫外線を塗膜に照射した。次いで、この紫外線照射後の8種類の塗膜について、IRスペクトルを測定した。結果を図2に示す。なお、図2中、露光量については、単位(mJ/cm2)の記載を省略している。また、図2には、化合物(1)−5A−101のIRスペクトルもあわせて示している。
以下に示すように、化合物(1a)と化合物(1b)とを反応させて、化合物(1)−5B−101を製造した。
すなわち、フタルアルデヒド酸(8.04g、53.6mmol)を塩化チオニル(32.0g、269mmol)に添加し、さらにここへ乾燥DMF(4mL)を添加して、室温下で3時間撹拌し、反応を行った。反応終了後、反応液から未反応の塩化チオニルを減圧留去した。
別途、ピペリジン(13.0g、152mmol)に乾燥THF(20mL)を添加し、さらにここへ、上述の塩化チオニルを減圧留去した後の反応液を添加し、0℃で4時間撹拌して、反応を行った。反応終了後、溶媒を留去した。
次いで、得られた反応液にジクロロメタンを添加し、さらに濃度が5質量%の塩酸を添加して、分液ロート中で振とうし、反応液を洗浄した。この塩酸による洗浄をさらに1回行い、合計で2回行った。
次いで、上記の塩酸による洗浄後の反応液に、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加して、分液ロート中で振とうし、反応液を洗浄した。この飽和炭酸水素ナトリウム水溶液による洗浄をさらに1回行い、合計で2回行った。
次いで、上記の飽和炭酸水素ナトリウム水溶液による洗浄後の反応液に、飽和塩化ナトリウム水溶液を添加して、分液ロート中で振とうし、反応液を洗浄した。この飽和塩化ナトリウム水溶液による洗浄をさらに1回行い、合計で2回行った。
次いで、上記の飽和塩化ナトリウム水溶液による洗浄後の反応液に対して、移動相を酢酸エチル/n−ヘキサン(1/1、体積比)の混合溶媒とする、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製を行い、目的物を含む画分を集めて濃縮することで、目的物である化合物(1)−5B−101を黄色粘性液体として得た(収量11.4g、収率98%)。
得られた化合物(1)−5B−101の1H−NMR、13C−NMR、ESI−MSによる分析結果を表2に示す。
(化合物(1)−5B−101の溶媒中での露光時における挙動の確認(その1))
上記で得られた化合物(1)−5B−101を、濃度が6×10−5mol/Lとなるようにアセトニトリルに溶解させた。そして、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、120、380、680、980、2480、3480、64800及び16480mJ/cm2の9通りとして、波長254nmの紫外線を、得られたアセトニトリル溶液に照射し、吸光度を測定した。結果を図3に示す。なお、図3中、露光量については、単位(mJ/cm2)の記載を省略している。
(化合物(1)−5B−101の高分子固体中での露光時における挙動の確認)
PTMG(0.037g)、化合物(1)−5B−101(0.016g、PTMGの質量に対して43.2質量%)、及びクロロホルム(0.52g)を配合し、25℃で1分撹拌することで、試験用組成物を得た。
次いで、2000rpm、30秒の条件でスピンコート法により、上記で得られた試験用組成物をフッ化カルシウム製プレート上に塗工し、得られた塗膜を100℃で1分加熱した後、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、1000及び14000mJ/cm2の3通りとして、波長254nmの紫外線を塗膜に照射した。次いで、この紫外線照射後の3種類の塗膜について、IRスペクトルを測定した。結果を図4に示す。なお、図4中、露光量については、単位(mJ/cm2)の記載を省略している。また、図4には、化合物(1)−5B−101のIRスペクトルもあわせて示している。
[製造例1]
以下に示すように、化合物(1)−5B−101の環化反応物に相当する塩基を、別途製造した。
すなわち、乾燥アセトン中で、化合物(8)−11とヨウ化ナトリウムとを混合し、室温下で5.5時間反応させることで、化合物(8)−12を得た。
次いで、乾燥アセトン中で、化合物(8)−12とピペリジンとを混合し、0℃で2.5時間反応させ、生成物を取り出すことで、目的物である化合物(1’)−5B−101を得た(収量0.095g、収率4%)。
得られた化合物(1’)−5B−101の1H−NMRによる分析結果を表3に示す。
(化合物(1)−5B−101の溶媒中での露光時における挙動の確認(その2))
上記で得られた化合物(1)−5B−101を、濃度が3.45×10−2mol/Lとなるように重アセトニトリル(CD3CN)に溶解させた。そして、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、30000及び70000mJ/cm2の3通りとして、波長254nmの紫外線を、得られた重アセトニトリル溶液に照射し、1H−NMRを測定した。結果を図5に示す。なお、図5中、露光量については、単位(mJ/cm2)の記載を省略している。また、図5には、化合物(1)−5B−101の測定結果もあわせて示している。
3−ブロモフタリド(3.0g、14mmol)の乾燥ジクロロメタン溶液40mLに、1,1,3,3−テトラメチルグアニジン(4.5g、39mmol)の乾燥ジクロロメタン溶液15mLを添加し、0℃で11時間撹拌した。その後、得られた反応液を塩化ナトリウムの飽和水溶液で8回洗浄することで、化合物(1)−4A−101を黄色粘性液体で得た(収量0.77g、収率22%)。
得られた化合物(1)−4A−101の1H−NMR、ESI−MSによる分析結果を表4に示す。
[製造例2]
以下に示すように、塩基反応性化合物(9)−201を製造した。
すなわち、メタクリル酸グリシジル(6.13g、43,1mmol)に乾燥THF(45mL)を添加し、得られた溶液に対して、窒素ガスを通じて30分バブリングした。
次いで、バブリング後の前記溶液を70℃まで加熱し、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)(0.074g、0.45mmol)を添加して、8時間加熱還流させた。
次いで、得られた反応液を室温まで冷却し、THFを添加した後、貧溶媒であるエタノールを添加することで目的物を析出させ、これをろ過し、得られた固形物をTHFで洗浄することで、目的物を得た。
さらに、得られた目的物をTHFに溶解させ、エタノールを添加することで析出させ、ろ過により取り出し、THFで洗浄するという再沈殿を2回繰り返して行った。
以上により、目的物である塩基反応性化合物(9)−201を白色の固体として得た(収量4.37g、収率71%)。
得られた塩基反応性化合物(9)−201の1H−NMRによる分析結果を表5に示す。
なお、塩基反応性化合物(9)−201の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求めた標準ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は27454であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.52であった。
[実施例4]
(樹脂組成物の製造)
塩基反応性化合物(9)−201(0.3g、2.11mmol)、化合物(1)−5A−101(0.06g、前記塩基反応性化合物の質量に対して20.0質量%)、及びクロロホルム(1.8g、前記塩基反応性化合物の6.0質量倍)を配合し、25℃で1分撹拌することで、樹脂組成物を得た。
1500rpm、30秒の条件でスピンコート法により、上記で得られた樹脂組成物をシリコンウエハ上に塗工し、得られた塗膜の厚さ(露光前の塗膜の厚さ)を測定した。次いで、この塗膜(樹脂組成物層)を75℃で2分加熱(プリベーク)した後、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、100、500、1000及び2000mJ/cm2の5通りとして、波長254nmの紫外線を塗膜に照射した。次いで、この紫外線照射後の5種類の塗膜を140℃で90分加熱(ポストベーク)した。以上により、露光量を0mJ/cm2以外としたものについては、塗膜を最終的に、塩基反応性化合物(9)−201を重合させた重合生成物とすることを試みた。
次いで、これらポストベーク後の塗膜をクロロホルムで洗浄した後、この洗浄後の5種類の塗膜の厚さ(ポストベーク後の塗膜の厚さ)を測定して、下記式(ii)により、5種類の塗膜の残膜率を算出した(実施例4−1)。結果を図6に示す。
[残膜率]=[ポストベーク後の塗膜の厚さ]/[露光前の塗膜の厚さ]
一方、図7から明らかなように、前記樹脂組成物は、ポストベーク時の加熱温度が100℃(実施例4−5)、120℃(実施例4−4)の場合には、2000mJ/cm2の露光量で残膜率が高く、良好な重合性(光不溶化)を示した。
[実施例5]
(樹脂組成物の製造)
塩基反応性化合物(9)−201(0.293g、2.06mmol)、化合物(1)−5B−101(0.0613g、前記塩基反応性化合物の質量に対して20.9質量%)、及びクロロホルム(1.81g、前記塩基反応性化合物の6.2質量倍)を配合し、25℃で1分撹拌することで、樹脂組成物を得た。
1500rpm、30秒の条件でスピンコート法により、上記で得られた樹脂組成物をシリコンウエハ上に塗工し、得られた塗膜の厚さ(露光前の塗膜の厚さ)を測定した。次いで、この塗膜(樹脂組成物層)を75℃で2分加熱(プリベーク)した後、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、100、500、1000及び2000mJ/cm2の5通りとして、波長254nmの紫外線を塗膜に照射した。次いで、この紫外線照射後の5種類の塗膜を140℃で90分加熱(ポストベーク)した。以上により、露光量を0mJ/cm2以外としたものについては、塗膜を最終的に、塩基反応性化合物(9)−201を重合させた重合生成物とすることを試みた。
次いで、これらポストベーク後の塗膜をクロロホルムで洗浄した後、この洗浄後の5種類の塗膜の厚さ(ポストベーク後の塗膜の厚さ)を測定して、実施例4−1と同じ方法で、5種類の塗膜の残膜率を算出した(実施例5−1)。結果を図8に示す。
(樹脂組成物の製造)
表8に示すように、塩基反応性化合物(9)−201(0.077g、0.542mmol)、化合物(1)−5B−101(0.023g、前記塩基反応性化合物の質量に対して29.9質量%)、及びクロロホルム(0.461g、前記塩基反応性化合物の6.0質量倍)を配合し、25℃で1分撹拌することで、樹脂組成物を得た。
上記で得られた樹脂組成物を用いた点以外は、実施例5−1と同じ方法で重合生成物の製造を試み、残膜率を算出した。結果を図9に示す。
(樹脂組成物の製造)
表8に示すように、塩基反応性化合物(9)−201(0.057g、0.401mmol)、化合物(1)−5B−101(0.057g、前記塩基反応性化合物の質量に対して10.0質量%)、及びクロロホルム(0.344g、前記塩基反応性化合物の6.0質量倍)を配合し、25℃で1分撹拌することで、樹脂組成物を得た。
上記で得られた樹脂組成物を用いた点以外は、実施例5−1と同じ方法で重合生成物の製造を試み、残膜率を算出した。結果を図9に示す。
(樹脂組成物の製造)
塩基反応性化合物(9)−201(0.293g、2.06mmol)、化合物(1)−5B−101(0.0613g、前記塩基反応性化合物の質量に対して20.9質量%)、及びクロロホルム(1.81g、前記塩基反応性化合物の6.2質量倍)を配合し、25℃で1分撹拌することで、樹脂組成物を得た。
1500rpm、30秒の条件でスピンコート法により、上記で得られた樹脂組成物をシリコンウエハ上に塗工し、得られた塗膜の厚さ(露光前の塗膜の厚さ)を測定した。次いで、この塗膜(樹脂組成物層)を75℃で2分加熱(プリベーク)した後、LEDランプを用いて、照度を2mW/cm2とし、露光量を0、20、40、60、80、100、500、1000及び2000mJ/cm2の9通りとして、波長254nmの紫外線を塗膜に照射した。次いで、この紫外線照射後の9種類の塗膜を160℃で90分加熱(ポストベーク)した。以上により、露光量を0mJ/cm2以外としたものについては、塗膜を最終的に、塩基反応性化合物(9)−201を重合させた重合生成物とすることを試みた。
次いで、これらポストベーク後の塗膜をクロロホルムで洗浄した後、この洗浄後の9種類の塗膜の厚さ(ポストベーク後の塗膜の厚さ)を測定して、実施例4−1と同じ方法で、9種類の塗膜の残膜率を算出した(実施例8−1)。結果を図10に示す。
Claims (5)
- 塩基反応性化合物と、露光により塩基を発生する光塩基発生剤と、を含有し、
前記塩基反応性化合物が、塩基の作用により重合するエポキシ基を1分子中に2個以上有する化合物であり、
前記光塩基発生剤が、下記一般式(1)で表される化合物である、樹脂組成物。
- 下記一般式(1)で表される化合物。
- 塩基反応性化合物を含有する組成物における光重合開始剤であって、
下記一般式(1)で表される化合物からなる、光重合開始剤。
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