以下、本発明の実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<画像形成装置例>
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成の一例を示す図である。以下、図示する画像形成装置の例であるカラープリンタ2000を例に説明する。また、この例では、カラープリンタ2000は、4色を重ねてフルカラーの画像を紙等の記録媒体に対して画像形成を行う。なお、4色は、例えば、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)等である。以下、各色を「K」、「C」、「M」及び「Y」でそれぞれ示す場合がある。このように、カラープリンタ2000は、いわゆるタンデム方式の多色カラープリンタである。
また、図示するように、3次元直交座標系において、各感光体の長手方向を「Y軸」とする。この「Y軸」に直交し、かつ、各感光体ドラムが配列される方向を「X軸」とする。さらに、この「X軸」及び「Y軸」に直交し、かつ、いわゆる垂直方向に相当する方向を「Z軸」とする。また、以下の説明では、Y軸方向を「主走査方向」、X軸方向を「副走査方向」という場合がある。
カラープリンタ2000は、光源を有し、この光源から照射される光を走査する光学系等を有する光走査制御装置2010を備える。すなわち、光走査制御装置2010は、いわゆる露光装置である。また、カラープリンタ2000は、色ごとに、感光体ドラム2030a、2030b、2030c及び2030dを備える。この各感光体ドラムに対して、カラープリンタ2000は、クリーニングユニット2031a、2031b、2031c及び2031dを備える。同様に、カラープリンタ2000は、帯電装置2032a、2032b、2032c及び2032dを備える。さらに、カラープリンタ2000は、現像ローラ2033a、2033b、2033c及び2033dを備える。さらにまた、カラープリンタ2000は、トナーカートリッジ2034a、2034b、2034c及び2034dを備える。
他にも、カラープリンタ2000は、転写ベルト2040、転写ローラ2042、定着ローラ2050、給紙コロ2054、レジストローラ対2056及び排紙ローラ2058等を備える。また、カラープリンタ2000は、給紙トレイ2060、排紙トレイ2070、通信制御装置2080及び濃度検出器2245等を備える。
カラープリンタ2000は、ホームポジションセンサ2246a、2246b、2246c及び2246dを備える。さらに、カラープリンタ2000は、電位センサ及び上記ハードウェアを制御するプリンタ制御装置2090等を備える。
なお、以下の説明では、4つの感光体ドラム2030a、2030b、2030c及び2030dを区別せず、いずれか任意の感光体ドラムを「感光体ドラム2030」という場合がある。同様に、以下の説明では、4つの現像ローラ2033a、2033b、2033c及び2033dを区別せず、いずれか任意の現像ローラを「現像ローラ2033」という場合がある。
カラープリンタ2000は、ネットワーク等を介して、PC(Personal Computer)等の上位装置に接続される。また、カラープリンタ2000は、通信制御装置2080によって、ネットワーク等を介して上位装置等の外部装置と双方向に通信できる。
プリンタ制御装置2090は、演算装置及び制御装置の例であるCPU(Central Processing Unit)を有する。また、プリンタ制御装置2090は、CPUで各種処理を実行するためのプログラム及びCPUが用いる各種データが記憶される記憶装置の例であるROM(Read−Only Memory)等を有する。さらに、プリンタ制御装置2090は、CPUの作業領域となる主記憶装置の例であるRAM(Random Access Memory)等を有する。さらにまた、プリンタ制御装置2090は、アナログデータをデジタルデータに変換するA/D(analog−digital)変換回路等を有する。
また、感光体ドラム2030a、帯電装置2032a、現像ローラ2033a、トナーカートリッジ2034a及びクリーニングユニット2031aは、ブラックの画像を形成するため、組として使用される画像形成ステーションを構成する。以下「Kステーション」という場合がある。
同様に、感光体ドラム2030b、帯電装置2032b、現像ローラ2033b、トナーカートリッジ2034b及びクリーニングユニット2031bは、シアンの画像を形成するため、組として使用される画像形成ステーションを構成する。以下「Cステーション」という場合がある。
さらに、感光体ドラム2030c、帯電装置2032c、現像ローラ2033c、トナーカートリッジ2034c及びクリーニングユニット2031cは、マゼンタの画像を形成するため、組として使用される画像形成ステーションを構成する。以下「Mステーション」という場合がある。
また、感光体ドラム2030d、帯電装置2032d、現像ローラ2033d、トナーカートリッジ2034d及びクリーニングユニット2031dは、イエローの画像を形成するため、組として使用される画像形成ステーションを構成する。以下「Yステーション」という場合がある。
なお、以下の説明では、「Kステーション」、「Cステーション」、「Mステーション」及び「Yステーション」を区別せず、いずれか任意の画像形成ステーションを単に「ステーション」という場合がある。
各感光体ドラムには、いずれも表面に感光層をそれぞれ有する。すなわち、各感光体ドラムのそれぞれの表面は、光源からの光が照射される被走査面である。なお、感光体ドラムは、図示するように、回転機構等によって、矢印の方向に回転する。
各帯電装置は、各感光体ドラムの表面をそれぞれ帯電させる。
例えば、プリンタ制御装置2090は、上位装置等から要求があると、各ハードウェアを制御して上位装置等から送信される画像データを光走査制御装置2010に送る。
光走査制御装置2010は、画像データに基づいて、色ごとに変調される光束を各色のそれぞれの感光体ドラムの表面にそれぞれ照射する。光が照射されると、各感光体のそれぞれの表面では、光が照射される部分は、電荷が消滅する。そのため、光が照射されると、各感光体のそれぞれの表面には、画像データが示す潜像が形成される。この潜像は、感光体ドラムの回転によって、それぞれの現像ローラに移動する。なお、光走査制御装置2010の詳細は、後述する。また、画像データに基づいて、書き込みが行われる領域、すなわち、潜像が形成できる領域等は、「有効走査領域」、「画像形成領域」又は「有効画像領域」等という場合がある。
トナーカートリッジ2034aには、ブラックトナーが格納される。このブラックトナーは、現像ローラ2033aに供給される。同様に、トナーカートリッジ2034bには、シアントナーが格納される。このシアントナーは、現像ローラ2033bに供給される。また、トナーカートリッジ2034cには、マゼンタトナーが格納される。このマゼンタトナーは、現像ローラ2033cに供給される。さらに、トナーカートリッジ2034dには、イエロートナーが格納される。このイエロートナーは、現像ローラ2033dに供給される。
各現像ローラが回転すると、各トナーカートリッジからは、それぞれのトナーが、各感光体ドラムのそれぞれの表面に塗布される。そして、各現像ローラが有するトナーは、各感光体ドラムのそれぞれの表面に接すると、感光体ドラムに付着する場合がある。この場合は、感光体ドラムのそれぞれの表面に、光源からの光が照射された場合である。すなわち、各現像ローラは、各感光体のそれぞれの表面に形成される潜像にトナーを付着させ、潜像を顕像化させる。次に、トナーが付着して形成される像、いわゆるトナー画像は、各感光体ドラムの回転によって、転写ベルト2040に転写される。このような帯電、潜像の形成及び転写が色ごとにそれぞれ行われる。続いて、ブラック、シアン、マゼンタ及びイエローのそれぞれのトナー画像は、所定のタイミングで転写ベルト2040上に順次それぞれ転写される。このように、各色のトナー画像が転写されると、それぞれのトナー画像は、重ね合う。そして、カラー画像が形成される。
一方で、給紙トレイ2060には、紙等の記録媒体が格納される。この給紙トレイ2060の近傍には、給紙コロ2054が配置される。この給紙コロ2054は、給紙トレイ2060から紙等を1枚ずつ取り出す。次に、取り出される紙等は、レジストローラ対2056に搬送される。続いて、レジストローラ対2056は、所定のタイミングで、搬送される紙等を転写ベルト2040及び転写ローラ2042の間に送る。これによって、転写ベルト2040上に形成されるカラー画像が、送られる紙等に転写される。次に、カラー画像が転写された紙等は、定着ローラ2050に送られる。
定着ローラでは、熱及び圧力が紙等に加えられる。このように、熱及び圧力等が加えられると、カラー画像が転写された紙等には、トナーが定着する。次に、定着が終わると、紙等は、排紙ローラ2058を介して、排紙トレイ2070に送られる。この排紙トレイ2070では、紙等が順次スタックされる。
また、各クリーニングユニットは、各感光体ドラムのそれぞれの表面に残るトナー、すなわち、いわゆる残留トナーを除去する。このようにして、残留トナーが除去されると、感光体ドラムは、帯電装置が対向する位置に戻る。このため、カラープリンタ2000は、次の画像形成を行うことができる。
カラープリンタ2000は、感光体ドラムの所定の位置(以下「ホームポジション」という。)を検出するホームポジションセンサを感光体ドラムごとに有する。
図2は、本発明の一実施形態に係るポジションセンサの一例を示す図である。図示するように、ポジションセンサは、例えば、LED(Light Emitting Diode)等の光源LGと、固定スリットSLと、受光素子LREと、波形整形回路CIRとから構成される。図示する例では、感光体ドラム2030に穴があり、光源LGから発光された光は、穴及び固定スリットSLを透過して、受光素子LREによって検出される。この検出結果は、図示するように、波形整形回路CIRの出力波形によって示される。なお、図示する構成は、透過光を検出する構成であるが、例えば、受光素子LREは、反射光を検出する構成でもよい。
他に、まず、感光体ドラムには、ホームポジションを示すために、例えば、印又は突起物等が設けられる。このような印等があると、感光体ドラムが回転しても、印等を検出すれば、カラープリンタ2000は、感光体ドラムがホームポジションから1回転して再度ホームポジションの位置に戻ってきたことがわかる。なお、ホームポジションセンサは、電気的、機械的又はこれらの組み合わせによってホームポジションを検出するセンサである。例えば、ホームポジションが突起物等で印される場合には、ホームポジションセンサは、突起物等を機械的に検出するタッチセンサ等である。一方で、ホームポジションが印等で印される場合には、ホームポジションセンサは、印等を電気的に検出する光学センサ等である。
カラープリンタ2000は、ホームポジションセンサ2246a、2246b、2246c及び2246dによって、各感光体ドラムのホームポジションをそれぞれ検出する。具体的には、ホームポジションセンサ2246aは、感光体ドラム2030aにおける回転のホームポジションを検出する。同様に、ホームポジションセンサ2246bは、感光体ドラム2030bにおける回転のホームポジションを検出する。また、ホームポジションセンサ2246cは、感光体ドラム2030cにおける回転のホームポジションを検出する。さらに、ホームポジションセンサ2246dは、感光体ドラム2030dにおける回転のホームポジションを検出する。
カラープリンタ2000は、各感光体ドラムの表面を計測して感光体ドラム2030の表面電位を示す電位センサを感光体ドラムごとに有する。なお、電位センサは、例えば、各感光体ドラムに対して対向する位置等に設置される。
<濃度検出器例>
図3は、本発明の一実施形態に係る画像の濃度を検出する濃度検出部の設置位置の一例を示す図である。例えば、濃度検出器2245(図1)は、図示するように、5つの光学センサP1、P2、P3、P4及びP5を有する。以下、濃度検出器2245が光学センサを5つ有する例で説明する。なお、濃度検出器2245は、光学センサを5つ有するに限られず、例えば、3つ有する構成でもよい。
また、以下の説明では、光学センサP1、P2、P3、P4及びP5を区別せず、いずれか任意の光学センサを単に「光学センサ」という場合がある。
具体的には、光学センサP1、P2、P3、P4及びP5cは、図示するように、Y軸、すなわち転写ベルト2040の進行方向に直交する方向において、有効画像領域となる位置にそれぞれ設置される。
図4は、本発明の一実施形態に係る画像の濃度を検出する方法の一例を示す図である。図3に示すように設置される光学センサP1、P2、P3、P4及びP5を用いて、濃度検出器2245(図1)は、例えば、図4に示すように、濃度を検出する。以下、光学センサP1の例で説明する。
濃度検出器2245は、LED11等の光源を有する。まず、LED11から転写ベルト2040に対して、光が照射される。この光は、転写ベルト2040又は転写ベルト2040上に形成されるトナー画像で反射する。反射した光は、例えば、反射が正反射であると、光学センサP1に受光される。次に、光学センサP1は、受光する光に基づいて、受光量を示す信号を出力する。すなわち、転写ベルト2040のトナー量等に応じて、信号が示す受光量が異なるため、カラープリンタは、この信号によって、濃度を検出することができる。
なお、光学センサP1は、図示するように、複数設置されてもよい。具体的には、光は、転写ベルト2040等で拡散するように反射する場合がある。そのため、カラープリンタは、拡散反射用光学センサ13を有してもよい。なお、拡散反射用光学センサ13は、光学センサP1と同様に、光を受光すると、受光量を示す信号を出力する。具体的には、例えば、カラーの場合には、正反射光及び拡散反射光を用いて、トナー量が算出される。一方で、ブラックの場合には、正反射を用いて、トナー量が算出される。
<光走査制御装置例>
図5は、本発明の一実施形態に係る光走査制御装置の一例を示す図(その1)である。
図6は、本発明の一実施形態に係る光走査制御装置の一例を示す図(その2)である。
図7は、本発明の一実施形態に係る光走査制御装置の一例を示す図(その3)である。
図8は、本発明の一実施形態に係る光走査制御装置の一例を示す図(その4)である。
例えば、光走査制御装置2010は、光源2200a、2200b、2200c及び2200dを有する。また、光走査制御装置2010は、カップリングレンズ2201a、2201b、2201c及び2201dを有する。さらに、光走査制御装置2010は、開口板2202a、2202b、2202c及び2202dを有する。さらにまた、光走査制御装置2010は、シリンドリカルレンズ2204a、2204b、2204c及び2204dを有する。他にも、光走査制御装置2010は、ポリゴンミラー2104と、走査レンズ2105a、2105b、2105c及び2105dと、折り返しミラー2106a、2106b、2106c、2106d、2108b及び2108cを有する。
以下の説明では、4つの光源2200a、2200b、2200c及び2200dを区別せず、いずれか任意の光源を「光源2200」という場合がある。
光源2200は、例えば、複数(例えば、40個)の発光部が2次元に配列される面発光レーザアレイを含む。この面発光レーザアレイが含む複数の発光部は、例えば、すべての発光部が副走査方向に射影した際に、発光部のそれぞれの間隔が等間隔となるように配置される。すなわち、複数の発光部は、少なくとも副走査方向に、それぞれ間隔があるように配置される。以下の説明では、いずれか2つの発光部の中心間距離を「発光部間隔」という場合がある。
カップリングレンズ2201aは、光源2200aから照射される光束の光路上に配置される。また、カップリングレンズ2201aは、この光束を略平行光束とする。同様に、カップリングレンズ2201bは、光源2200bから照射される光束の光路上に配置される。また、カップリングレンズ2201bは、この光束を略平行光束とする。さらに、カップリングレンズ2201cは、光源2200cから照射される光束の光路上に配置される。また、カップリングレンズ2201cは、この光束を略平行光束とする。さらにまた、カップリングレンズ2201dは、この光束を略平行光束とする。さらに、カップリングレンズ2201dは、光源2200dから照射される光束の光路上に配置される。
開口板2202aは、開口部を有し、カップリングレンズ2201aを介する光束を整形する。同様に、開口板2202bは、開口部を有し、カップリングレンズ2201bを介する光束を整形する。さらに、開口板2202cは、開口部を有し、カップリングレンズ2201cを介する光束を整形する。さらにまた、開口板2202dは、開口部を有し、カップリングレンズ2201dを介する光束を整形する。
シリンドリカルレンズ2204aは、開口板2202aが有する開口部を通過する光束をポリゴンミラー2104が有する偏向反射面の近傍に、Z軸方向に関して結像する。同様に、シリンドリカルレンズ2204bは、開口板2202bが有する開口部を通過する光束をポリゴンミラー2104が有する偏向反射面の近傍に、Z軸方向に関して結像する。さらに、シリンドリカルレンズ2204cは、開口板2202cが有する開口部を通過する光束をポリゴンミラー2104が有する偏向反射面の近傍に、Z軸方向に関して結像する。さらにまた、シリンドリカルレンズ2204dは、開口板2202dが有する開口部を通過する光束をポリゴンミラー2104が有する偏向反射面の近傍に、Z軸方向に関して結像する。
カップリングレンズ2201aと、開口板2202aと、シリンドリカルレンズ2204aとを有する光学系は、Kステーションの偏向器において前光学系となる。同様に、カップリングレンズ2201bと、開口板2202bと、シリンドリカルレンズ2204bとを有する光学系は、Cステーションの偏向器において前光学系となる。さらに、カップリングレンズ2201cと、開口板2202cと、シリンドリカルレンズ2204cとを有する光学系は、Mステーションの偏向器において前光学系となる。さらにまた、カップリングレンズ2201dと、開口板2202dと、シリンドリカルレンズ2204dとを有する光学系は、Yステーションの偏向器において前光学系となる。
ポリゴンミラー2104は、Z軸回りに回転する。また、図示するように、ポリゴンミラー2104は、Z軸方向に2段構造である。さらに、ポリゴンミラー2104は、4面鏡を有する。このポリゴンミラー2104が有する4面鏡は、それぞれの偏向反射面となる。そして、1段目の4面鏡では、シリンドリカルレンズ2204bからの光束及びシリンドリカルレンズ2204cからの光束が、それぞれ偏向される。一方で、2段目の4面鏡では、シリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束が、それぞれ偏向される。なお、シリンドリカルレンズ2204aからの光束及びシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、ポリゴンミラー2104の位置より、X軸において、「−」側に向かうように偏向されるとする。一方で、シリンドリカルレンズ2204cからの光束及びシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、ポリゴンミラー2104の位置より、X軸において、「+」側に向かうように偏向されるとする。
各走査レンズは、各光束をそれぞれの感光体ドラムに集光させる。また、ポリゴンミラー2104の回転に基づいて、それぞれの感光体ドラムの表面上に、光スポットが主走査方向に等速で移動するように、制御が行われる。
具体的には、まず、走査レンズ2105a及び走査レンズ2105bは、ポリゴンミラー2104の位置より、X軸において、「−」側に配置される。一方で、走査レンズ2105c及び走査レンズ2105dは、ポリゴンミラー2104の位置より、X軸において、「+」側に配置される。
また、走査レンズ2105a及び走査レンズ2105bは、Z軸方向に積層される。さらに、走査レンズ2105bは、1段目の4面鏡に対向する位置に設置される。一方で、走査レンズ2105aは、2段目の4面鏡に対向する位置に設置される。同様に、走査レンズ2105c及び走査レンズ2105dは、Z軸方向に積層される。さらに、走査レンズ2105cは、1段目の4面鏡に対向する位置に設置される。一方で、走査レンズ2105dは、2段目の4面鏡に対向する位置に設置される。
ポリゴンミラー2104によって偏向されるシリンドリカルレンズ2204aからの光束は、走査レンズ2105a及び折り返しミラー2106aを介して、感光体ドラム2030aに照射される。このように、光束によって、感光体ドラム2030aに光が照射されると、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104が回転すると、感光体ドラム2030aの長手方向に移動する。すなわち、光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に基づいて、感光体ドラム2030a上を走査する。
なお、光スポットが移動する方向が主走査方向となる。したがって、感光体ドラム2030aが回転する方向が副走査方向となる。
同様に、ポリゴンミラー2104によって偏向されるシリンドリカルレンズ2204bからの光束は、走査レンズ2105b及び折り返しミラー2106bを介して、感光体ドラム2030bに照射される。このように、光束によって、感光体ドラム2030bに光が照射されると、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104が回転すると、感光体ドラム2030bの長手方向に移動する。すなわち、光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に基づいて、感光体ドラム2030b上を走査する。
なお、光スポットが移動する方向が主走査方向となる。したがって、感光体ドラム2030bが回転する方向が副走査方向となる。
同様に、ポリゴンミラー2104によって偏向されるシリンドリカルレンズ2204cからの光束は、走査レンズ2105c及び折り返しミラー2106cを介して、感光体ドラム2030cに照射される。このように、光束によって、感光体ドラム2030cに光が照射されると、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104が回転すると、感光体ドラム2030cの長手方向に移動する。すなわち、光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に基づいて、感光体ドラム2030c上を走査する。
なお、光スポットが移動する方向が主走査方向となる。したがって、感光体ドラム2030cが回転する方向が副走査方向となる。
同様に、ポリゴンミラー2104によって偏向されるシリンドリカルレンズ2204dからの光束は、走査レンズ2105d及び折り返しミラー2106dを介して、感光体ドラム2030dに照射される。このように、光束によって、感光体ドラム2030dに光が照射されると、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー2104が回転すると、感光体ドラム2030dの長手方向に移動する。すなわち、光スポットは、ポリゴンミラー2104の回転に基づいて、感光体ドラム2030d上を走査する。
なお、光スポットが移動する方向が主走査方向となる。したがって、感光体ドラム2030dが回転する方向が副走査方向となる。
また、各折り返しミラーは、ポリゴンミラー2104から各感光体ドラムまでに至る各光路長が同一となる位置にそれぞれ配置される。さらに、各折り返しミラーは、各感光体ドラムにおける各光束のそれぞれの入射位置及び入射角がいずれも同一となるようにそれぞれ配置される。
ポリゴンミラー2104及び各感光体ドラムの間の光路上に配置される光学系は、走査光学系等といわれる。この例では、Kステーションの走査光学系は、走査レンズ2105a及び折り返しミラー2106a等である。また、Cステーションの走査光学系は、走査レンズ2105b、折り返しミラー2106b及び2108b等である。さらに、Mステーションの走査光学系は、走査レンズ2105c、折り返しミラー2106c及び2108c等である。さらにまた、Yステーションの走査光学系は、走査レンズ2105d及び折り返しミラー2106d等である。なお、各走査光学系において、走査レンズは、複数のレンズであってもよい。
<光走査制御装置等のハードウェア構成例>
図9は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有する光走査制御装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図示するように、光走査制御装置2010は、インタフェース(I/F)ユニット3022と、画像処理ユニット(IPU(Image Processing Unit))3023と、光源駆動制御装置3024とを有する。
インタフェースユニット3022は、図示するように、プリンタ制御装置2090及び画像処理ユニット3023に接続される。また、インタフェースユニット3022には、プリンタ制御装置2090に通信制御装置2080(図1)を介して送信されるデータ、つまり、上位装置等が送信するデータが、プリンタ制御装置2090から入力される。なお、入力されるデータは、例えば、RGB形式の画像データ等である。次に、インタフェースユニット3022は、入力される画像データを後段の画像処理ユニット3023に転送する。
画像処理ユニット3023は、画像処理を行う。例えば、画像処理ユニット3023は、画像データをインタフェースユニット3022から取得し、印刷方式に使用できるカラー形式に画像データを変換する。具体的には、画像処理ユニット3023は、RGB形式の画像データ等をタンデム方式、すなわち、CMYK形式の画像データ等に変換する。さらに、画像処理ユニット3023は、データ形式の変換以外の画像処理を行ってもよい。そして、画像処理ユニット3023は、画像処理を行った画像データを光源駆動制御装置3024に送る。
光源駆動制御装置3024は、送られる画像データに基づいて、画像データ有する各画素の発光タイミングを示すクロック信号に同期する変調信号を生成する。なお、この変調信号は、色ごとに独立して生成される。そして、光源駆動制御装置3024は、各変調信号を光源2200a乃至2200dにそれぞれ送信する。このようにすると、光源2200a乃至2200dが各変調信号に応じて駆動し、発光する。したがって、光源駆動制御装置3024は、各感光体ドラムに対して光源2200a乃至2200dから照射される光を制御する。
光源駆動制御装置3024は、例えば、光源2200a乃至2200dの近傍に設けられる単一の集積デバイス等である。このようにすると、組み付け又は取り外しが容易となり、いわゆるメンテナンス性及び交換性等に優れる場合がある。
インタフェースユニット3022及び画像処理ユニット3023は、光源駆動制御装置3024と比較して、光源2200a乃至2200dに対して遠くの位置に設けられてもよい。この場合には、例えば、画像処理ユニット3023及び光源駆動制御装置3024は、ケーブル等で接続される。
また、インタフェースユニット3022は、CPU3210と、フラッシュメモリ3211と、RAM3212と、I/F3214とを有する。各ハードウェアは、バスによって相互に接続される。
CPU3210は、フラッシュメモリ3211が記憶するプログラム等に従って、光走査制御装置2010全体を動作させる。すなわち、CPU3210は、各種処理及びデータ加工を実現するための演算を行う演算装置である。また、CPU3210は、各ハードウェアを制御する制御装置である。
フラッシュメモリ3211は、CPU3210が使用するプログラム及びデータ等を記憶する。すなわち、フラッシュメモリ3211は、記憶装置である。
RAM3212は、CPU3210がプログラムを実行する際等の作業領域となる記憶領域である。すなわち、RAM3212は、主記憶装置である。
I/F3214は、プリンタ制御装置2090と双方向に通信を行う。すなわち、I/F3214は、データ等を入出力する入出力装置である。
<光走査制御装置等の機能構成例>
図10は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置が有する光走査制御装置の機能構成の一例を示す機能ブロック図である。図示するように、光走査制御装置2010は、入力部3220と、属性分離部3215と、色変換部3216と、墨生成部3217と、γ補正部3218と、擬似中間調処理部3219とを有する。また、光走査制御装置2010は、光源変調データ生成部3222と、画素クロック生成部3223と、光源駆動部3224と、回転周期計測部3225と、補正値調整部3226とを有する。
入力部3220は、プリンタ制御装置2090から画像データ等を入力する。なお、入力部3220は、インタフェースユニット3022(図9)等によって実現される。以下、入力される画像データが解像度N、各画素が8ビットデータ及びRGB形式である例で説明する。
属性分離部3215は、画像データから属性データを分離する。具体的には、入力される画像データが示す各画素には、それぞれの属性を示す属性データが付される場合がある。例えば、属性は、各画素又は複数の画素による領域のオブジェクトの種類等を示す。この例では、画素が文字の一部であれば、属性は、「文字」を示す。一方で、画素が線の一部であれば、属性は、「線」を示す。同様に、画素が図形の一部であれば、属性は、「図形」を示す。他にも、画素が写真の一部であれば、属性は、「写真」を示す。これらの属性データは、属性分離部3215によって、画像データから分離される。次に、分離された後、画像データが、色変換部3216に送られる。なお、送られる画像データは、解像度N、各画素が8ビットデータ及びRGB形式である。また、属性分離部3215は、画像処理ユニット3023(図9)等によって実現される。
色変換部3216は、RGB形式の画像データをCMY形式の画像データに変換する。次に、色変換部3216は、変換した画像データを墨生成部3217に送る。なお、色変換部3216は、画像処理ユニット3023等によって実現される。
墨生成部3217は、CMY形式の画像データから黒成分を生成してCMYK形式の画像データを生成する。次に、墨生成部3217は、生成した画像データをγ補正部3218に送る。なお、墨生成部3217は、画像処理ユニット3023等によって実現される。
γ補正部3218は、CMYK形式の画像データをテーブル等に基づいて、各色のそれぞれのレベルを線形変換する。次に、γ補正部3218は、変換した画像データを擬似中間調処理部3219に送る。なお、γ補正部3218は、画像処理ユニット3023等によって実現される。
擬似中間調処理部3219は、変換された画像データから画像データの階調数を低減させる。このようにして、擬似中間調処理部3219は、1ビットの画像データを出力する。すなわち、擬似中間調処理部3219は、いわゆるディザ処理及び誤差拡散処理等の擬似中間調処理を行う。この処理によって、擬似中間調処理部3219は、8ビットのデータを1ビットにし、階調数を低減させる。この処理によって、画像データには、周期性があるスクリーン(例えば、網点スクリーン又はライトスクリーン等)、すなわち、絵柄を示すスクリーンが生成される。次に、擬似中間調処理部3219は、画像データを光源変調データ生成部3222に送られる。なお、送られる画像データは、解像度N、1ビットデータ及びCMYK形式である。また、擬似中間調処理部3219は、画像処理ユニット3023等によって実現される。
光源変調データ生成部3222は、送られる画像データに基づいて、変調信号、すなわち、駆動信号を生成する。次に、光源変調データ生成部3222は、変調信号を光源駆動部3224に送る。なお、光源変調データ生成部3222は、光源駆動制御装置3024(図9)等によって実現される。
画素クロック生成部3223は、各画素の発光タイミングを示す画素クロック信号を生成する。なお、画素クロック生成部3223は、光源駆動制御装置3024等によって実現される。
光源駆動部3224は、変調信号に基づいて、各光源を駆動させる。したがって、各光源は、変調信号に基づいて光を感光体ドラム2030a乃至2030dに対して照射する。なお、光源駆動部3224は、光源駆動制御装置3024等によって実現される。
回転周期計測部3225は、ホームポジションセンサ2246a乃至2246dからのホームポジションの検出を示す信号に基づいて、各ホームポジションの間隔、すなわち、回転周期を計測する。例えば、回転周期計測部3225は、内部信号によるカウンタで回転周期を計測する。具体的には、まず、回転周期計測部3225は、内部信号によってカウントアップするカウンタ等によって実現される。そして、回転周期計測部3225は、ホームポジションセンサ2246a乃至2246dから入力される信号をトリガにして、このカウンタが示すカウンタ値によって回転周期の時間を計測する。カウンタ値は、所定の時間ごとにカウントアップする。したがって、ホームポジションを示す信号が入力されてから次にホームポジションを示す信号が入力されるまでをカウントすれば、回転周期計測部3225は、回転周期を計測できる。なお、回転周期計測部3225は、インタフェースユニット3022及び光源駆動制御装置3024等によって実現される。
補正値調整部3226は、補正データDCに基づいて、変調信号を補正する。また、補正値調整部3226は、補正の周期を回転周期計測部3225による計測結果、すなわち、計測される回転周期と略一致させる等の調整を行う。なお、補正値調整部3226は、光源駆動制御装置3024等によって実現される。また、補正データDCは、光源駆動制御装置3024等が有するRAM等に記憶される。
なお、画像処理等の各種処理は、処理の一部又は全部が電子回路等のハードウェアで実現されてもよい。一方で、画像処理等の各種処理は、処理の一部又は全部がプログラムに基づくCPUによって実行されてもよい。
<全体処理例>
図11は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による全体処理の一例を示すフローチャートである。なお、全体処理における各手順は、図示する順序で行われるに限られない。例えば、全体処理における各手順は、図示する順序とは異なる順序で行われたり、各手順の一部又は全部が、並行、冗長又は分散して行われたりしてもよい。
ステップS1では、画像形成装置は、濃度検出用パターンを形成する。
図12は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって形成される濃度検出用パターンの一例を示す図である。図11に示すステップS1では、画像形成装置は、図示するような濃度検出用パターンPTNを転写ベルト2040(図1)上に形成する。具体的には、画像形成装置は、光走査制御装置2010(図10)によって、同一の発光量で感光体ドラム表面上を走査する。このようにすると、図示するような感光体ドラム数周分の濃度検出用パターンPTNが転写ベルト2040上に形成される。図示するように、濃度検出用パターンPTNは、X軸方向、すなわち、副走査方向に形成される。次に、図4に示す方法等によって、濃度検出用パターンPTNに対するLED11(図4)からの光を各光学センサP1乃至P5がそれぞれ受光する。
図11に戻り、ステップS2では、画像形成装置は、濃度値を計測し、濃度変動を算出する。
図13は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって計測される濃度値及び濃度変動の一例を示す図である。例えば、図示するような濃度値が計測されるとする。また、図は、ホームポジションセンサ2246a乃至2246d(図1)から入力されるホームポジションを示す信号(以下「HP信号SIGHP」という。)を示す。なお、HP信号SIGHPは、いわゆるローアクティブ信号である。つまり、図示するように、HP信号SIGHPは、ホームポジションが検出されると、ローレベルLLとなり、一方で、それ以外では、ハイレベルHLとなる信号である。
画像形成装置は、図11に示すステップS1で形成される濃度検出用パターンPTN(図12)に基づいて、所定の間隔で各光学センサP1乃至P5(図12)から取得される値から濃度値を算出する。例えば、濃度値を示す信号は、光学センサP1乃至P5ごとに、濃度信号SIGP1乃至SIGP5等である。以下、図示する濃度値が算出される例で説明する。
この例では、X軸方向、すなわち、副走査方向の周期的な濃度変動が算出される。まず、感光体ドラムのドラム周期Tdが求まる。図示するように、ドラム周期Tdは、HP信号SIGHPがアサートされる間隔である。すなわち、ホームポジションが検出されてから次のホームポジションが検出されるまでの時間がドラム周期Tdとなる。
次に、ドラム周期Tdにおいて、濃度値の変動を算出する。図示するように、ドラム周期Tdの周期で、濃度値は、変動する。そのため、ドラム周期Tdを1周期として濃度変動が算出される。
さらに、Y軸方向、すなわち、主走査方向の濃度偏差が算出されてもよい。つまり、各光学センサP1乃至P5の間における偏差が算出されてもよい。
図11に戻り、ステップS3では、画像形成装置は、濃度変動を近似する。
図14は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による濃度値の近似の一例を示す図である。図示するように、画像形成装置は、例えば、濃度信号SIGP1乃至SIGP5(図13)に基づいて、各濃度値をsin関数で近似する。図示するように、各濃度値は、近似式AE「An×sin(ωt+θn)」等で近似される。なお、近似式AEにおける「n」は、濃度信号SIGP1乃至SIGP5の「1乃至5」に相当する。
図11に戻り、ステップS4では、画像形成装置は、補正テーブルを生成する。
図15は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって生成される補正テーブルによる補正位置の一例を示す図である。例えば、Y軸方向、すなわち、主走査方向において、先端位置PF、中央位置PC及び後端位置PRにおいて、補正するとする。この例では、3つの補正テーブルがそれぞれ生成される。なお、補正位置は、先端位置PF、中央位置PC及び後端位置PRに限られない。例えば、中央位置PCは、可変であり、頁内の濃度が良好となる位置に設定される等でもよい。
各補正テーブルは、X軸方向、すなわち、副走査方向の濃度変動が少なくなるように生成される。まず、各近似式AE(図14)が示す1周期分の濃度変動が、感光体ドラムの回転周期に合わせた補正テーブルに変換される。
図16は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって生成される補正テーブル及び近似式の関係の一例を示す図である。図示するように、1周期分の濃度変動は、感光体ドラムの回転周期の補正テーブルに変換される。なお、この例は、周期において、180°位相がずらされたパターンに変換される例を示す。
図17は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって生成される補正テーブルの一例を示す図である。例えば、前に行われる走査からの変更量が補正テーブルに入力される例で説明する。すなわち、前回の走査との差分が補正テーブルに入力されるとする。この補正テーブルが示すそれぞれの変更量が、補正値の例である。
図では、横軸は、走査回数を示す。すなわち、図では、最も左側が最初に行われる1回目の走査(以下「第1走査scan1」という。)とする。次に、左側から2番目に示す走査が、第1走査scan1の次に行われる2回目の走査(以下「第2走査scan2」という。)とする。同様に、第2走査scan2の次に第3走査scan3が行われ、さらに、第3走査scan3の次に第4走査scan4が行われるとする。
一方で、図では、縦軸は、ステップ数を示す。例えば、ステップ数が大きくなると、光量は、増加する。なお、1ステップで増減させる光量は、あらかじめ設定されるとする。例えば、「4step増[0100]」の補正テーブルは、「scan1」では、「1step」増加させる。次に、補正テーブルは、「scan2」では、「2step」増加させる。このようにして、「4step増[0100]」の補正テーブルは、4回の走査で、それぞれ「1step」ずつ増加させ、4回の走査で合計「4step」増加させる例である。
なお、補正テーブルは、図示するように差分を入力する形式であるのが望ましい。差分を示す値は、例えば、「0」、「1」及び「2」のように、小さいデータ量である場合が多い。したがって、差分を入力する形式にすると、絶対値を入力する場合等と比較して、各値のデータ量が小さいため、補正テーブルのデータ量を小さくすることができる。
また、補正テーブルによる変化量は、「0step」、「±1step」又は「±2step」のように、1回の走査間で変化する量は、少ないのが望ましい。すなわち、変化量は、最低分解能に近い値であるのが望ましい。1回の走査間で急激に変化すると、その点で形成される画像が急激に変化するため、画質が悪くなることが多い。したがって、補正テーブルによる変化量が少ないと、形成される画像の画質を良くすることができる。
さらに、補正テーブルは、図示するように、走査ごとにデータを有するに限られない。例えば、複数の走査ごとにデータを有してもよい。このように、複数の走査ごとにデータを有すると、補正テーブルのデータ量を小さくすることができる。
図11に戻り、ステップS5では、画像形成装置は、周期ごとに、回転周期を計測する。
図18は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって計測される回転周期の一例を示すタイミングチャートである。例えば、回転周期は、図示する図18(A)又は(B)のように計測される。
画像形成装置は、周期ごとにHP信号SIGHPがアサートされる間隔を計測する。この計測は、計測用のカウンタ信号SIGCNTを数えて行われる。例えば、カウンタ信号SIGCNTは、走査周期信号を時間で等分割、例えば、10分割した信号等である。
具体的には、図18(A)では、HP信号SIGHPがアサートされる間隔は、周期ごとにカウンタ信号SIGCNTをカウントして計測される。次に、計測結果は、カウントされた値を信号(以下「仮想周期信号VT」という。)に反映させる。図示するように、計測結果は、次の走査に反映されるように、仮想周期信号VTに反映される。
また、図18(B)のように、仮想周期信号VTには、複数の周期の平均又は移動平均の値が反映されてもよい。例えば、仮想周期信号VTには、2周期又は4周期の計測結果が反映される。なお、移動平均であって、2周期又は4周期のように所定の周期数に満たない場合には、最初の周期の値等が用いられてもよい。例えば、4周期分の移動平均を算出する場合であって、3周期までしか計測していない場合には、最初の周期分を2倍した値と、2周目の周期分と、3周目の周期分とを合計し、合計値を4で除算して移動平均を算出する等でもよい。
さらに、HP信号SIGHPの周期カウントが終了していないと、カウントされた値は、ロードできないことが多いので、画像形成装置は、シフト値(4、8、及び12走査分の遅延量)で余裕を持たせてもよい。
図11に戻り、ステップS6では、画像形成装置は、補正周期を調整する。
図19は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による補正周期の調整例を示すタイミングチャートである。以下、回転周期が長い場合に行われる補正周期の調整例を説明する。なお、この例では、補正テーブルは、図17に示すデータが用いられるとする。
図17に示すように、補正テーブルは、4走査分の補正値が入力される。すなわち、この例では、補正周期は、4周期である。
一方で、図示するように、長い回転周期(以下「第1回転周期RTL」という。)となる場合がある。第1回転周期RTLは、図示するように、走査信号SIGSCTが5回アサートされる、つまり、5走査が行われる例である。
この第1回転周期RTLのように、回転周期が長い場合には、画像形成装置は、補正テーブルを変更して調整する。具体的には、画像形成装置は、図示するように、5走査分の補正テーブル(以下「第1補正テーブルTAB1」という。)に変更する。第1補正テーブルTAB1は、図17に示す補正テーブルと比較すると、「scan5」が、「scan2」と「scan3」との間に加わる点が異なる。このように、「scan2」と同様の補正値が入力される「scan5」を加えて、画像形成装置は、補正テーブルを5走査用に調整する。このようにすると、画像形成装置は、5走査で「4step」増えるように補正できる。
図20は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による補正周期の調整結果の一例を示す図である。図では、「標準」が4走査、すなわち、図17に示す補正テーブルが使用される例である。一方で、「補正周期長」が図19に示す第1補正テーブルTAB1が使用される例である。図示するように、「標準」と比較すると、「補正周期長」は、調整によって、補正周期が長い。すなわち、回転周期が長い場合であっても、画像形成装置は、図19に示す調整を行うことで、補正周期を長くし、回転周期と一致又は略一致させることができる。
図21は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による補正周期の別の調整例を示すタイミングチャートである。以下、回転周期が短い場合に行われる補正周期の調整例を説明する。なお、この例では、補正テーブルは、図17に示すデータが用いられるとする。
図17に示すように、補正テーブルは、4走査分の補正値が入力される。すなわち、この例では、補正周期は、4周期である。
一方で、図示するように、短い回転周期(以下「第2回転周期RTS」という。)となる場合がある。第2回転周期RTSは、図示するように、走査信号SIGSCTが3回アサートされる、つまり、3走査が行われる例である。
この第2回転周期RTSのように、回転周期が短い場合には、画像形成装置は、補正テーブルを変更して調整する。具体的には、画像形成装置は、図示するように、3走査分の補正テーブル(以下「第2補正テーブルTAB2」という。)に変更する。第2補正テーブルTAB2は、図17に示す補正テーブルと比較すると、「scan3」がない点が異なる。このように、画像形成装置は、「scan3」を減らして、補正テーブルを3走査用に調整する。このようにすると、画像形成装置は、3走査で「4step」増えるように補正できる。
図22は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による補正周期の別の調整結果の一例を示す図である。図では、「標準」が4走査、すなわち、図17に示す補正テーブルが使用される例である。一方で、「補正周期短」が図21に示す第2補正テーブルTAB2が使用される例である。図示するように、「標準」と比較すると、「補正周期長」は、調整によって、補正周期が短い。すなわち、回転周期が短い場合であっても、画像形成装置は、図21に示す調整を行うことで、補正周期を短くし、回転周期と一致又は略一致させることができる。
図23は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による補正周期を「標準」とする例を示すタイミングチャートである。図示するように、回転周期(以下「第3回転周期RTN」という。)で、走査信号SIGSCTが4回アサートされる、つまり、4走査が行われる場合がある。
この第3回転周期RTNのような場合には、画像形成装置は、図17に示す補正テーブルを使用する。具体的には、画像形成装置は、図示するように、4走査分の補正テーブル(以下「第3補正テーブルTAB3」という。)を図17に示す補正テーブルから選択する。このようにすると、画像形成装置は、4走査で「4step」増えるように補正できる。
図24は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置による補正周期を「標準」とした場合の結果の一例を示す図である。図では、図23に示す第3補正テーブルTAB3が使用される例である。図示するように、「標準」と比較すると、「補正周期長」は、調整によって、補正周期が長い。すなわち、回転周期が「標準」等となる場合であっても、画像形成装置は、補正周期と、回転周期と一致又は略一致させることができる。
このように、画像形成装置は、感光体ドラムの回転周期を周期ごとに計測する。この回転周期は、図18に示すHP信号SIGHP等の周期信号によって検出される。そのため、図18に示すような方法等で、画像形成装置は、回転周期を計測できる。一方で、感光体ドラムに形成される潜像及び現像によって画像が形成される。この画像の濃度が図4等の方法によって検出される。次に、検出される濃度に基づいて、図17に示す補正テーブル等のように光源から照射される光量の補正値を示すが補正データが生成される。
図19又は図21のように、この記憶される補正データが想定する周期と、回転周期とが異なる場合がある。そこで、画像形成装置は、補正を行う補正周期と、回転周期とが一致又は略一致するように、図19又は図21のように、補正テーブルを変更する等の調整を行う。このように、光量を補正する周期を調整していくため、画像形成装置は、様々な周期に応じたそれぞれの補正テーブルを記憶しなくともよい。そのため、画像形成装置は、補正テーブル等を記憶する容量を小さくできる。
また、このようにすると、補正周期と、回転周期とが一致又は略一致する。そのため、光量の補正が精度よくできる。さらに、画像形成装置は、補正テーブルを新たに生成する等の処理が不要となり生産性がよくできる。
画像形成装置は、光量補正の周期である補正周期と、回転周期とが一致又は略一致させると、濃度変動の周期とのずれを少なくできる。このように、画像形成装置は、補正周期と、濃度変動の周期とのずれが少なくなると、濃度変動の補正がしやすくなり、画質を向上させることができる。
<比較例>
図25は、回転速度が遅くなる場合の比較例の一例を示す図である。図示するように、濃度変動V1があるとする。これに対して、画像形成装置は、補正値V2に基づいて、光量を補正する。例えば、回転速度が遅くなると、濃度変動V1の周期も変化する。これによって、補正値V2の周期が濃度変動V1の周期より短くなり、位相がずれる場合がある。図では、第1時間T1等が、位相がずれる例である。このように、濃度変動V1の周期と、補正値V2の周期とが一致又は略一致しないと、濃度変動V1に応じた補正が難しくなる場合がある。
<仮想周期信号の生成例>
図26は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって生成される仮想周期信号の一例を示すタイミングチャートである。図18で説明する通り、仮想周期信号SIGVTは、HP信号SIGHPがアサートされる間隔をカウンタ信号SIGCNT(図18)等で数えて計測される。図26では、この計測でカウントした値を計測値信号SIGMVで示す。この計測値信号SIGMVの値に基づいて、仮想周期信号SIGVTは、生成される。このように、HP信号SIGHPがアサートされる間隔を計測した計測結果に基づいて生成される仮想周期信号SIGVTを基準に補正値を示す補正値信号SIGCVの補正周期が調整されると、画像形成装置は、補正値を滑らかに変動させることができる。
また、「HP_shift」信号は、周期計測、計測した周期を仮想HP信号間隔に反映という順序にするため、外部から入力されるHP信号に対して、数スキャン遅延させた信号を基準にするように用意される信号である。もし、HP信号を用いると、HP信号が短くなるように変化すると、周期計測の途中で、仮想HP信号が終わる場合がある。そのため、「HP_shift」信号を用いることで、画像形成装置は、HP信号が短くなる変化に対応することができる。
なお、画像形成装置は、仮想周期信号VTを複数生成してもよい。
図27は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって生成される複数の仮想周期信号の一例を示すタイミングチャートである。例えば、図示するように、画像形成装置は、第1仮想周期信号SIGVT1と、第2仮想周期信号SIGVT2とをそれぞれ生成する。また、それぞれの仮想周期信号に対して、画像形成装置は、それぞれの補正値を示す補正値信号である第1補正値信号SIGCV1と、第2補正値信号SIGCV2とを生成する。
画像形成装置は、第1仮想周期信号SIGVT1と、第2仮想周期信号SIGVT2とを切り換えて使用する。同様に、画像形成装置は、第1補正値信号SIGCV1と、第2補正値信号SIGCV2とを切り換えて使用する。
なお、「fgate_N」信号は、画像領域であることを示す、副走査方向のゲート信号である。「fgate_N」信号を用いると、画像形成装置は、複数の仮想周期信号で作成した複数の光量補正値を画像領域外で切り替えることで、切替による副作用を少なくすることができる。
図28は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置によって生成される複数の仮想周期信号の使用例を示すタイミングチャートである。例えば、図示するように、カウンタ切換信号chg_dataによって、各仮想周期信号及び各補正値信号は、それぞれ切り換えられて使用される。具体的には、カウンタ切換信号chg_dataは、画像領域の終端ごとに反転する信号である。このカウンタ切換信号chg_dataによって切り換えられると、図示するように、各仮想周期信号及び各補正値信号は、周期ごとに切り換えられる。仮想周期信号が1つであると、HP信号SIGHP(図27)との位相差が蓄積される場合が多い。そこで、図示するように、画像形成装置は、HP信号SIGHPと、各仮想周期信号との同期を交互に取る。このようにすると、画像形成装置は、各仮想周期信号と、HP信号SIGHPとの位相差が蓄積されにくくできる。
また、第1補正値信号SIGCV1及び第2補正値信号SIGCV2には、図示するように、不連続となる不連続箇所NCが発生する場合がある。この場合であっても、複数の仮想周期信号を切り換えて使用すると、画像形成装置は、画像領域では、光量の補正において連続しない点が少なくできる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形又は変更が可能である。