[第1の実施形態]
次に、本発明の第1の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の画像形成装置の一例としてのカラープリンタ1は、第1筐体21および第2筐体110からなる本体筐体2を備えている。なお、以下の説明において、カラープリンタ1を使用するユーザを基準にした方向で説明する。すなわち、図1における右側を「前」、左側を「後」とし、手前側を「左」、奥側を「右」とする。また、図1における上下方向を「上下」とする。
第1筐体21は、中空の略直方体状の筐体であり、内部に、シート供給部3と、トナー像形成部4と、搬送部9の一部と、制御部200とを収容している。第2筐体110は、中空の略直方体状の筐体であり、内部に、フィルム転写部140と、搬送部9の他部を収容している。
第1筐体21は、上部に、第1シート積載トレイ22を有している。第1シート積載トレイ22は、トナー像形成部4によりトナー像が形成されたシートの一例としての用紙Sを、トナー像が形成された面が下向きになるように積載している。
シート供給部3は、第1筐体21内の下部に設けられている。シート供給部3は、供給トレイ31と、給紙ローラ等からなる給紙機構33と、レジストレーションローラ34とを主に備えている。供給トレイ31は、用紙Sを収容している。供給トレイ31は、第1筐体21に対して前方に引き出し可能となっている。シート供給部3は、供給トレイ31に収容された用紙Sを、給紙機構33によってレジストレーションローラ34に送り出した後、レジストレーションローラ34によってトナー像形成部4に供給する。
トナー像形成部4は、シート供給部3によって供給された用紙Sにトナー像を形成するように構成されている。トナー像形成部4は、露光装置5と、4つのプロセスユニット6と、転写ユニット7と、定着器8とを主に備えている。
露光装置5は、第1筐体21内の上部に配置され、図示しないレーザ発光部やポリゴンミラー、レンズ、反射鏡などを備えている。露光装置5は、レーザ発光部から画像データに基づくレーザ光(二点鎖線参照)を出射し、プロセスユニット6の感光ドラム61の表面を露光する。
4つのプロセスユニット6は、シート供給部3の上方で前後方向に沿って配列されている。各プロセスユニット6は、感光ドラム61や、図示しない帯電器、現像ローラ62、トナーを収容するトナー収容部等を備えている。
転写ユニット7は、シート供給部3と4つのプロセスユニット6の間に設けられている。転写ユニット7は、駆動ローラ71と、従動ローラ72と、搬送ベルト73と、4つの転写ローラ74とを備えている。
駆動ローラ71及び従動ローラ72は、前後方向に離間して平行に配置され、その間にエンドレスベルトからなる搬送ベルト73が張設されている。そして、搬送ベルト73は、その外側の面が各感光ドラム61に対向している。また、搬送ベルト73の内側には、各感光ドラム61との間で搬送ベルト73を挟持する転写ローラ74が、各感光ドラム61に対向して4つ配置されている。
定着器8は、プロセスユニット6および転写ユニット7の後側に設けられている。定着器8は、加熱ローラ81と、加熱ローラ81と対向配置されて加熱ローラ81を押圧する加圧ローラ82とを備えている。
トナー像形成部4では、まず、各感光ドラム61の表面が、帯電器により一様に帯電された後、露光装置5で露光される。これにより、露光された部分の電荷が除去されて、各感光ドラム61上に画像データに基づく静電潜像が形成される。その後、現像ローラ62によってトナー収容部内のトナーが感光ドラム61上の静電潜像に供給されることで、感光ドラム61上にトナー像が形成される。
次に、搬送ベルト73上に供給された用紙Sが各感光ドラム61と各転写ローラ74との間を通過することで、各感光ドラム61上に形成されたトナー像が用紙S上に転写される。そして、用紙Sが加熱ローラ81と加圧ローラ82との間を通過することで、用紙S上に転写されたトナー像が熱定着される。
搬送部9は、第1搬送経路F1を有する第1シート搬送部9Aと、第2搬送経路F2を有する第2シート搬送部9Bと、切替部の一例としてのスイッチバックローラ23とを備えている。
第1シート搬送部9Aは、第1搬送経路F1に沿って用紙Sを搬送するための複数のローラを備えている。複数のローラとしては、例えば給紙機構33を構成するローラ、レジストレーションローラ34、感光ドラム61、加圧ローラ82などの図示しているローラの他にも適宜別のローラを配置してもよい。
第1搬送経路F1は、用紙Sをシート供給部3からトナー像形成部4を経由して第1シート積載トレイ22へ搬送するための経路である。第1搬送経路F1は、第1経路91と、第2経路92とを備えている。
用紙Sは、シート供給部3から送り出されてから複数のローラによって搬送されることによって、第1経路91を通ってトナー像形成部4に到達する。第1経路91は、供給トレイ31の前部の上方から前斜め上方へ延びた後、後斜め上方へ延びている。
用紙Sは、トナー像形成部4から送り出されてから複数のローラによって搬送されることによって、第2経路92を通って第1シート積載トレイ22に到達する。第2経路92は、定着器8の後方から上方へ延びた後、第1筐体21の上部で第1シート積載トレイ22に向けて前方へ延びている。
第2シート搬送部9Bは、第2搬送経路F2に沿って用紙Sを搬送するための複数のローラRを備えている。第2シート搬送部9Bの一部は、第1筐体21に設けられ、他部は、第2筐体110に設けられている。
第2搬送経路F2は、第1搬送経路F1のトナー像形成部4と第1シート積載トレイ22の間の分岐部BF1から分岐して、後述する第2シート積載トレイ160へ用紙Sを搬送するための経路である。第2搬送経路F2は、第3経路93と、第4経路94とを備えている。
第3経路93は、トナー像形成部4から搬出された用紙Sをフィルム転写部140へ向けてガイドする経路である。第3経路93は、第2経路92の分岐部BF1から後斜め下に延びた後、下方に向けて延び、第2筐体110の下面付近で前方に向けて延びた後、フィルム転写部140へ向けて上方に延びている。第4経路94は、フィルム転写部140から第2シート積載トレイ160に向けて前斜め上に延びている。
スイッチバックローラ23は、第2経路92の第2搬送経路F2との分岐部BF1よりも第1シート積載トレイ22側に設けられている。スイッチバックローラ23は、用紙Sの状態を、用紙Sをトナー像形成部4から第1シート積載トレイ22へ向かう方向へ搬送する第1状態と、用紙Sを第1シート積載トレイ22から第2シート積載トレイ160へ向かう方向に搬送する第2状態とに切り替え可能とする機能を有している。言い換えると、スイッチバックローラ23は、トナー像が形成された用紙Sの一端を先頭にして用紙Sを搬送する状態から用紙Sの他端を先頭にして用紙Sを搬送する状態に切り替えることが可能となっている。詳しくは、スイッチバックローラ23は、第1シート積載トレイ22へ向けて用紙Sを搬送する方向に回転する順回転と、順回転と反対の方向に回転する逆回転であって、第2搬送経路F2へ向けて用紙Sを搬送する方向に回転する逆回転とが可能となっている。
第2筐体110は、第1筐体21の下部に固定されている。詳しくは、第2筐体110は、第1筐体21の下方から第1筐体21に対して着脱可能となっている。第2筐体110の底面積は、第1筐体21の底面積以下となっている。本実施形態では、第2筐体110の底面積と第1筐体21の底面積が同じ面積であることとするが、第2筐体110の底面積を第1筐体21の底面積よりも小さくしてもよい。
第2筐体110には、フィルム転写部140と、支持フレーム150と、第2シート積載トレイ160とが設けられている。支持フレーム150は、フィルム転写部140の一部、詳しくは後述するフィルムカートリッジ170およびフィルム加圧ローラ142を支持するフレームであり、第2筐体110に対して前方に引き出し可能となっている。つまり、支持フレーム150の引き出し方向は、供給トレイ31の引き出し方向と同じ方向となっている。
支持フレーム150は、フィルム転写部140の一部を左右方向で挟み込んで支持するべく、フィルム転写部140の一部の左右方向両側に1つずつ設けられている。左右の支持フレーム150は、左右方向に延びる図示せぬ連結部材によって連結されている。左右の支持フレーム150は、スライドレールSL(図2参照)を介して第2筐体110に移動可能に支持されている。
支持フレーム150は、第2筐体110に設けられたフック111が係合する係合ピン151を備えている。係合ピン151は、支持フレーム150の前側上部に設けられている。フック111は、L字形状に形成され、一端部が第2筐体110に回動可能に設けられている。
支持フレーム150は、第2筐体110に設けられた位置決め凹部112に係合するボス152を有している。ボス152が位置決め凹部112に係合することで、支持フレーム150が第2筐体110に対して位置決めされる。
第2筐体110には、支持フレーム150を前方に向けて付勢する付勢部材113が設けられている。付勢部材113は、フック111が係合ピン151に係合している状態において、支持フレーム150を前方に付勢している。これにより、フック111を係合ピン151から外すと、付勢部材113の付勢力によって支持フレーム150を少し前方に移動させることができるので、支持フレーム150の引き出し操作を容易に行うことが可能となっている。
第2シート積載トレイ160は、フィルム転写部140により箔が転写された用紙Sを、箔が転写された面が上向きになるように積載するトレイである。第2シート積載トレイ160は、支持フレーム150の前側上部に回動可能に設けられている。詳しくは、第2シート積載トレイ160は、箔転写された用紙Sを支持する支持位置(実線の位置)と、第2筐体110の前面に沿って折り畳まれた収納位置(二点鎖線の位置)との間で回動可能となっている。
フィルム転写部140は、用紙Sのトナー像が形成された面に箔を重ね、トナー像の上に箔を転写する機能を有している。なお、本実施形態では、フィルム転写部140は、金属色の箔をトナー像に転写することとする。フィルム転写部140は、スイッチバックローラ23よりも下方、詳しくはシート供給部3よりも下方に位置している。フィルム転写部140は、第2搬送経路F2上に位置している。フィルム転写部140は、フィルムカートリッジ170と、フィルム加熱ローラ141と、フィルム加圧ローラ142とを備えている。
フィルムカートリッジ170は、多層フィルムFと、巻出軸120と、巻取軸130と、複数の案内軸171と、ケース172とを備えている。巻出軸120には、転写される前の箔の層を有する多層フィルムFが巻かれている。多層フィルムFは、高分子材料からなるテープ状の支持体の上に少なくとも剥離層と箔の層が形成されており、巻出軸120および巻取軸130の延びる方向に210mm以上400mm以下の長さを有し、新品の状態では巻出軸120に10m以上300m以下の長さで巻かれている。巻取軸130は、巻出軸120の上斜め前方に配置されている。巻取軸130は、巻出軸120に巻かれている多層フィルムFを巻き取る。
なお、箔とは、金、銀、銅、アルミニウム等の金属であって薄く延された金属である。また、多層フィルムFは、主として高分子材料からなり、5〜250μmの厚みを有し、巻出軸120および巻取軸130の延びる方向に400mmよりも長くてもよい。すなわち、多層フィルムFは、テープを含む。また、多層フィルムFとは、フィルムを構成する高分子材料と異なる材料からなる層を複数有しているフィルムである。
複数の案内軸171のうち2つの案内軸171は、巻出軸120からフィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142との間に向けて多層フィルムFを案内する軸である。残りの2つの案内軸171は、フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142との間から巻取軸130に向けて多層フィルムFを案内する軸である。複数の案内軸171は、多層フィルムFの一部が、フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142との共通接線方向に沿って張られるように、多層フィルムFを支持している。本実施形態では、フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142との共通接線方向は、前後方向に対して傾斜している。
ケース172は、内部に、多層フィルムF、巻出軸120、巻取軸130および案内軸171を収容している。ケース172は、支持フレーム150に対して着脱可能となっている。
フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142は、巻出軸120から巻取軸130に向かう方向において巻出軸120と巻取軸130の間の位置に設けられている。フィルム加熱ローラ141は、多層フィルムFを加熱するローラであり、図示しない熱源によって加熱されている。フィルム加熱ローラ141は、第2搬送経路F2上で搬送されている用紙Sのトナー像が形成された面に、多層フィルムFを挟んで対向する位置に配置されている。
フィルム加圧ローラ142は、フィルム加熱ローラ141の前斜め下に設けられている。フィルム加圧ローラ142は、第2搬送経路F2上で搬送されている用紙Sのトナー像が形成されていない面に接触可能な位置に配置されている。フィルム加圧ローラ142は、フィルム加熱ローラ141との間で、巻出軸120と巻取軸130との間に巻き掛けられた多層フィルムFを挟んでいる。フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142は、第3経路93から案内された用紙Sのトナー像を箔とともに加熱することで、トナー像に箔を転写する。
フィルム加熱ローラ141は、第2筐体110に設けられている。フィルムカートリッジ170およびフィルム加圧ローラ142は、支持フレーム150に支持されている。これにより、図2に示すように、支持フレーム150を第2筐体110の外に引き出すと、フィルム加熱ローラ141が第2筐体110に残り、フィルムカートリッジ170およびフィルム加圧ローラ142が支持フレーム150とともに外に引き出されるようになっている。
フィルム加熱ローラ141は、図3に示す接離機構180を介して第2筐体110に設けられている。接離機構180は、フィルム加熱ローラ141を、フィルム加圧ローラ142との間で多層フィルムFを挟む第1位置(図3(b)の位置)と、フィルム加圧ローラ142から離間させる第2位置(図3(a)の位置)とに移動させる機構である。接離機構180は、フィルム加熱ローラ141の軸部141Aを回転可能に支持する支持部材181と、支持部材181を、フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142とが対向する方向に移動させる図示せぬ移動機構とを備えている。
支持部材181は、フィルム加熱ローラ141に対してフィルム加圧ローラ142を位置決めする位置決め部181Aを有している。位置決め部181Aは、凹部であり、フィルム加圧ローラ142の軸部142Aに係合可能となっている。図3(a)に示すように、支持フレーム150を第2筐体110に装着する場合、または、支持フレーム150を第2筐体110から引き出す場合には、支持部材181は第2位置に位置する。図3(b)に示すように、少なくともフィルム転写部140で用紙S上のトナー像に箔転写を行う場合には、支持部材181は第2位置から第1位置に移動して、位置決め部181Aがフィルム加圧ローラ142の軸部142Aに係合する。
図1および図2に示すように、支持部材181は、支持フレーム150の左右方向外側に配置されている。支持フレーム150およびフィルムカートリッジ170のケース172には、フィルム加熱ローラ141の軸部141Aとの干渉を抑えるための逃げ溝G1,G2が形成されている。フィルム加熱ローラ141の軸部141Aは、図1に示すようにフィルム加熱ローラ141が第1位置に位置するときに逃げ溝G1,G2内に配置され、図2に示すようにフィルム加熱ローラ141が第2位置に位置するときに逃げ溝G1,G2の外に配置される。
また、図2に示すように、フィルム加熱ローラ141が第2位置に位置するときには、フィルム加熱ローラ141が、左右方向から見て、支持フレーム150およびフィルムカートリッジ170とは重ならない位置に配置されている。さらに、フィルム加熱ローラ141が第2位置に位置するときにおいて、支持フレーム150およびフィルムカートリッジ170のうちフィルム加熱ローラ141よりも引き出し方向上流側の部分150U,170Uは、フィルム加熱ローラ141よりも上下方向でずれた位置、詳しくは下方に配置されている。これにより、支持フレーム150を前後に動かす際に、支持フレーム150およびフィルムカートリッジ170がフィルム加熱ローラ141に干渉するのを抑えることが可能となっている。
制御部200は、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えており、外部のコンピュータから出力されてくる印刷データと、ROM等に記憶されたプログラムやデータに基づいて各種演算処理を行うことによって、制御を実行する。制御部200は、スイッチバックローラ23によって用紙Sの搬送方向を切り替えるスイッチバック処理と、フィルム転写部140によってトナー像の上に箔を転写する箔転写処理とを実行可能となっている。そして、制御部200は、用紙Sを第2シート積載トレイ160に排出する場合には、スイッチバック処理と箔転写処理を行うことで、用紙Sの箔が転写された面を第2シート積載トレイ160とは反対側に向けた状態、つまり上に向けた状態で、用紙Sを第2シート積載トレイ160に排出する。
次に、制御部200の動作について図4を参照して詳細に説明する。
図4に示すように、制御部200は、まず、印刷データを受信したか否かを判断する(S1)。ステップS1において印刷データを受信していないと判断した場合には(No)、制御部200は、本制御を終了する。
ステップS1において印刷データを受信したと判断した場合には(Yes)、制御部200は、金属色の有無、詳しくは印刷データがトナー像を金属色にするためのデータであるか否かを判断する(S2)。ステップS2において金属色ありと判断した場合には(Yes)、制御部200は、トナー像形成部4によって用紙Sの第1面に対してトナー像を形成することで、用紙Sの第1面への印刷を行う(S3)。なお、ステップS3においては、制御部200は、スイッチバックローラ23を順回転させている。
ステップS3の後、詳しくは順回転するスイッチバックローラ23によって用紙Sを第1シート積載トレイ22に向けて搬送しているときに、制御部200は、スイッチバックローラ23の回転方向を順回転から逆回転に切り替えることで、用紙Sをスイッチバックさせる(S4)。ステップS4の後、制御部200は、フィルム転写部140によって用紙Sの第1面に形成されたトナー像に箔転写を行う(S5)。
ステップS5の後、制御部200は、用紙Sを第2シート積載トレイ160に排紙する(S6)。ステップS6の後、制御部200は、印刷データで指定されているすべての枚数分の印刷が終了したか否かを判断する(S7)。
ステップS7において印刷が終了していないと判断した場合には(No)、制御部200は、ステップS2の処理に戻る。ステップS2において金属色なしと判断した場合には(No)、制御部200は、ステップS3と同様の処理、つまり用紙Sの第1面への印刷を行う(S8)。
ステップS8の後、制御部200は、用紙Sを第1シート積載トレイ22に排紙する(S9)。ステップS9の後、制御部200は、ステップS7の処理に移行する。ステップS7において印刷が終了したと判断した場合には(Yes)、制御部200は、本制御を終了する。
次に、本実施形態に係るカラープリンタ1の作用効果を説明する。
図1に示すように、用紙Sのトナー像に金属色を施さない場合、つまり通常の印刷を行う場合には、トナー像が形成される用紙Sの第1面は、トナー像形成部4の通過中において、上を向いている。その後、用紙Sが第2経路92によって上下反転されることで、第1面が下向きとなった状態で用紙Sが第1シート積載トレイ22に排紙される。
用紙Sのトナー像に金属色を施す場合には、第1面が下向きとなった状態で用紙Sが第1シート積載トレイ22に向けて搬送されている最中にスイッチバックローラ23を逆回転させることで、用紙Sが第2搬送経路F2に搬送される。第2搬送経路F2のうち第1筐体21から第2筐体110にかけて上下方向に延びる部分を用紙Sが通過している際には、第1面が前方を向いた状態で用紙Sが下方に搬送される。
その後、第2搬送経路F2の下側部分で用紙Sが前方にあるフィルム転写部140に向けて搬送されると、第1面が上を向くことになる。フィルム転写部140では、上を向いた第1面に形成されたトナー像に多層フィルムFの箔が転写される。その後、用紙Sは、第1面を上に向けた状態で、第2シート積載トレイ160に排紙される。これにより、用紙Sの第1面に形成された箔が第2シート積載トレイ160で擦れて傷つくのを抑えることができる。
以上、本実施形態によれば、前述した効果に加え、以下のような効果を得ることができる。
第2筐体110に対して引き出し可能な支持フレーム150にフィルムカートリッジ170を設けることで、支持フレーム150を引き出せば、フィルムカートリッジ170を外部に引き出すことができるので、フィルムカートリッジ170の交換を容易に行うことができる。ここで、例えば第2筐体に対してフィルムカートリッジを直接着脱可能にする構造も考えられるが、この場合、フィルムカートリッジの着脱作業時において、フィルムカートリッジが第2筐体内の他の部材(例えばローラRなど)に干渉して、作業が煩雑になるおそれがある。本実施形態では、支持フレーム150を引き出すことで、フィルムカートリッジ170とともに他の部材も移動させることができるので、フィルムカートリッジ170の交換を容易に行うことができる。
供給トレイ31と支持フレーム150の引き出し方向を同じ方向としたので、供給トレイ31に用紙Sをセットする作業と、フィルムカートリッジ170の交換作業を、カラープリンタ1の同じ側、つまり前側から行うことができるので、カラープリンタ1の操作性を向上させることができる。
第2筐体110が第1筐体21の下方から第1筐体21に対して着脱可能であるため、例えば第2筐体が第1筐体の後方から着脱可能となる形態と比べ、カラープリンタ1の設置面積を小さくすることができる。ここで、第2筐体が第1筐体の後方から着脱可能となる形態では、カラープリンタ全体が前後方向に大型化して、カラープリンタの設置面積が前後方向に大きくなる。これに対し、本実施形態では、第1筐体の下方に第2筐体が配置されるので、カラープリンタ1は上下方向に大型化するが、前後方向には大型化しないため、カラープリンタ1の設置面積が大きくなるのを抑えることができる。
第2筐体110の底面積が、第1筐体21の底面積以下であるため、カラープリンタ1の設置面積が大きくなるのを抑えることができる。
フィルム加熱ローラ141をフィルム加圧ローラ142に近接または離間させる接離機構180を設けたので、支持フレーム150を引き出す際には、フィルム加熱ローラ141を支持フレーム150等と干渉しない位置に移動させることができ、支持フレーム150とフィルム加熱ローラ141との干渉を良好に抑えることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第1の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図5および図6に示すように、第2の実施形態においては、支持フレーム150が、本体筐体2に対して下方に移動した後で、水平方向、詳しくは前方に引き出し可能となっている。具体的には、支持フレーム150は、第2筐体110に設けられた図示せぬガイドレールに沿って移動することで、上述したように動くことが可能となっている。
また、本体筐体2は、下面2Aと、下面2Aから下方に突出する複数の脚部2Bとを有している。詳しくは、第2筐体110の下面が、本体筐体2の下面2Aを構成している。脚部2Bは、本体筐体2の下面2A、つまり第2筐体110の下面から下方に突出するように取り付けられている。
支持フレーム150が本体筐体2に対して下方に移動した状態において、支持フレーム150の下面150Aは、脚部2Bの上端B1よりも下方に位置している。これにより、脚部2Bによって形成された空間を利用して、支持フレーム150を容易に引き出すことが可能となっている。
また、第2筐体110は、上端部を中心に回動可能なフロントカバー190を備えている。フロントカバー190は、支持フレーム150を前方に引き出すための開口110A(図6参照)を開閉可能となっている。また、フロントカバー190には、第2シート積載トレイ160が回動可能に設けられている。
フィルムカートリッジ170は、フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142の間の多層フィルムFが前後方向に沿うように配置されている。言い換えると、フィルムカートリッジ170は、巻出軸120と巻取軸130が上下方向において略同じ位置となるように配置されている。
支持フレーム150は、フィルム加圧ローラ142およびフィルムカートリッジ170を支持する他、フィルム加圧ローラ142付近のローラRも支持している。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図2に示すように、まず、フロントカバー190を開ける。その後、支持フレーム150を下方に移動させて、前方に引き出す。その後、支持フレーム150からフィルムカートリッジ170を取り外す。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第3の実施形態]
次に、本発明の第3の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第2の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第2の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。また、以下の各実施形態の説明においては、例えば前述した逃げ溝G1,G2のような、2つの部材の干渉を抑えるための溝や孔などは、省略することとする。
図7(a)に示すように、第3の実施形態では、フィルム加圧ローラ142は、第2筐体110に設けられている。詳しくは、フィルム加圧ローラ142は、接離機構180を介して第2筐体110に設けられている。フィルム加圧ローラ142は、接離機構180によって、フィルム加熱ローラ141との間で多層フィルムFを挟む第1位置(実線参照)と、フィルム加熱ローラ141から離間する第2位置(二点鎖線参照)との間で移動可能となっている。
フィルムカートリッジ170およびフィルム加熱ローラ141は、支持フレーム150に支持されている。詳しくは、図7(d)に示すように、フィルムカートリッジ170は、支持フレーム150に回動可能に支持される支持板300に支持されている。つまり、フィルムカートリッジ170は、支持板300を介して支持フレーム150に間接的に支持されている。一方、フィルム加熱ローラ141は、支持フレーム150に直接支持されている。フィルム加熱ローラ141は、多層フィルムFを挟んでフィルム加圧ローラ142の上側に配置されている。
支持板300は、中心軸310を中心として回動可能となっている。支持フレーム150は、引き出し方向における上流端E1と、引き出し方向において上流端E1と反対側の下流端E2とを有している。支持板300の中心軸310と支持フレーム150の上流端E1との距離は、支持板300の中心軸310と支持フレーム150の下流端E2との距離よりも小さい。
支持板300は、巻出軸120および巻取軸130をともにガイドする溝状のガイド部320を有している。図7(b)に示すように、ガイド部320には、ロック部材321が設けられている。ロック部材321は、溝状のガイド部320の内面から突出して巻出軸120に係合可能となっている。ロック部材321は、巻出軸120の引き出し方向下流側に配置され、巻出軸120がガイド部320から外れる方向に移動することを規制している。なお、図7(a),(c)〜(e)においては、ロック部材321の図示を省略している。
図7(a)に示すように、第2筐体110には、支持板300を下から支持する支持壁114が設けられている。また、支持フレーム150には、巻取軸130を位置決めするための位置決め部材330が設けられている。位置決め部材330は、巻取軸130に係合するV字形状の凹部を有している。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図7(a)に示すように、まず、フィルム加圧ローラ142をフィルム加熱ローラ141から離間させる。次に、ユーザは、支持フレーム150を第2筐体110から前方に引き出す。
図7(d)に示すように、支持フレーム150の引き出しによって、支持板300の下面のうち半分以上の部分が支持壁114から外れると、重力によってフィルムカートリッジ170が支持板300とともに回動する。そのため、支持フレーム150を引き出す際には、フィルムカートリッジ170は、フィルム加熱ローラ141から離れる方向に回動する。また、この際、巻取軸130が位置決め部材330の凹部から外れる。
その後は、フィルムカートリッジ170をガイド部320に沿って引き出すことで、フィルムカートリッジ170を取り出すことができる。すなわち、フィルムカートリッジ170をガイド部320に沿って引き出すとき、巻出軸120および巻取軸130は、ガイド部320にガイドされて、支持板300から外れる。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
以上、この形態によれば、支持フレーム150を引き出す際に、フィルムカートリッジ170がフィルム加熱ローラ141から離れる方向に回動するので、フィルムカートリッジ170を支持フレーム150から取り外す場合にフィルム加熱ローラ141が邪魔になることがなく、フィルムカートリッジ170の交換を容易に行うことができる。
[第4の実施形態]
次に、本発明の第4の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第2の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第2の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図8に示すように、第4の実施形態では、フィルム加圧ローラ142は、第2筐体110に設けられている。フィルムカートリッジ170およびフィルム加熱ローラ141は、支持フレーム150に設けられている。
フィルムカートリッジ170は、中心軸の一例としての巻取軸130を中心として、支持フレーム150に対して回動可能となっている。フィルムカートリッジ170は、引き出し方向における上流端E1と、引き出し方向において上流端E1と反対側の下流端E2とを有している。巻取軸130とフィルムカートリッジ170の下流端E2との距離は、巻取軸130とフィルムカートリッジ170の上流端E1との距離よりも小さい。
支持フレーム150は、巻取軸130を回動可能に支持する切欠部153を有している。切欠部153は、上方に向けて開口している。詳しくは、切欠部153は、上斜め前方に向けて開口している。
フィルムカートリッジ170は、前後方向において巻取軸130とフィルムカートリッジ170の上流端E1との間に位置する上流部分としての巻出軸120を有している。支持フレーム150は、巻出軸120を支持するスライドガイド400を備えている。スライドガイド400は、支持フレーム150に前後方向に移動可能に支持されている。詳しくは、スライドガイド400は、支持フレーム150に対して、図8(a)に示す初期位置と、図8(b)に示す後退位置との間で移動可能となっている。
第2筐体110は、スライドガイド400の移動を規制する規制部116を有している。スライドガイド400には、規制部116に後方から係合する係合突起430が設けられている。スライドガイド400は、係合突起430が規制部116に係合していない状態においては、支持フレーム150とともに引き出し方向に移動可能となっている。スライドガイド400は、係合突起430が規制部116に係合した状態においては、引き出し方向への移動が規制部116で規制されて、その位置に留まるようになっている。
図9(a)に示すように、スライドガイド400は、水平方向に対して傾斜した傾斜面410と、傾斜面410から凹む支持凹部420とを有している。支持凹部420は、支持フレーム150が第2筐体110に装着された状態において、フィルムカートリッジ170の巻出軸120を支持している。また、第2筐体110は、フィルムカートリッジ170の巻出軸120を位置決めする位置決め部としての位置決めプレート115を有している。位置決めプレート115には、前後方向に沿って延び、前方に向けて開口する溝115Aが形成されている。
スライドガイド400は、フィルム加圧ローラ142の軸線方向において、フィルム加圧ローラ142の一方側と他方側に1つずつ設けられている。言い換えると、フィルム加圧ローラ142は、軸線方向において、一対のスライドガイド400の間にある。また、軸線方向において、フィルム加圧ローラ142の長さは、一方のスライドガイド400から他方のスライドガイド400までの長さよりも短い。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出すべく、ユーザが支持フレーム150を前方に引き出すと、図8(a),(b)に示すように、スライドガイド400が支持フレーム150とともに前方に移動する。この際、支持フレーム150で支持されているフィルムカートリッジ170およびフィルム加熱ローラ141は、支持フレーム150とともに前方に移動するが、第2筐体110に支持されているフィルム加圧ローラ142は、その位置に留まっている。詳しくは、軸線方向において、フィルム加圧ローラ142の長さが、一方のスライドガイド400から他方のスライドガイド400までの長さよりも短いので、フィルム加圧ローラ142は、一対のスライドガイド400に干渉しない。
図8(b)に示すように、スライドガイド400の係合突起430が規制部116に係合すると、スライドガイド400の前方への移動が止められる。その後、支持フレーム150をさらに引き出すと、止まったスライドガイド400に対して支持フレーム150が前方に移動する。
これにより、図9(b),(c)に示すように、フィルムカートリッジ170の巻出軸120がスライドガイド400の支持凹部420から外れてスライドガイド400の傾斜面410上を滑るように案内される。このように規制部116によってスライドガイド400の移動が規制された状態で、支持フレーム150が引き出されることで、フィルムカートリッジ170の巻出軸120がスライドガイド400でガイドされながら、フィルムカートリッジ170が回動する(図8(c)参照)。
これにより、フィルムカートリッジ170がフィルム加熱ローラ141から離間するので、フィルムカートリッジ170の取り外し作業が容易になっている。また、フィルムカートリッジ170を、上斜め前方に向けて傾いた切欠部153に沿って抜き出せばよいので、取り外し作業を容易に行うことができる。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第5の実施形態]
次に、本発明の第5の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第2の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第2の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図10(a)に示すように、第5の実施形態では、フィルムカートリッジ170は、支持フレーム150に支持されている。第2筐体110は、下端部を中心に回動可能なフロントカバー190を備えている。
第2筐体110は、フィルム加熱ローラ141およびフィルム加圧ローラ142を備えている。詳しくは、フィルム加熱ローラ141は、接離機構500を介して第2筐体110に設けられている。
接離機構500は、フィルム加熱ローラ141を、フィルム加圧ローラ142との間で多層フィルムFを挟む第1位置(二点鎖線参照)と、フィルム加圧ローラ142から離間させる第2位置(実線参照)とに移動させる機構である。接離機構500は、フロントカバー190を開ける動作に連動してフィルム加熱ローラ141を第1位置から第2位置に移動させ、フロントカバー190を閉める動作に連動してフィルム加熱ローラ141を第2位置から第1位置に移動させるように構成されている。フィルム加熱ローラ141は、前記第2位置において、フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142との間をフィルムカートリッジ170が通過可能なように、フィルム加圧ローラ142から離間させられる。
接離機構500をフロントカバー190に連動させる構造は、どのような構造であってもよい。例えば図10(b)に示す接離機構500は、フィルム加熱ローラ141を支持する支持部材501と、支持部材501に設けられるラックギヤ部502と、フロントカバー190に設けられ、フロントカバー190とともに回動するカバー側ギヤ部191と、ラックギヤ部502とカバー側ギヤ部191を連結する所定数のギヤ503とで構成されている。なお、支持部材501は、第2筐体110で上下方向に移動可能に支持されている。
また、例えば図10(c)に示す接離機構500は、フィルム加熱ローラ141を支持する支持部材501と、支持部材501に連結される第1リンク510と、第1リンク510を押圧する第2リンク520と、第2リンク520とフロントカバー190を連結する第3リンク530とを備えている。第1リンク510は、一端部が支持部材501に回動可能に連結され、他端部が第2リンク520で押圧される部分となっており、一端部と他端部の間の部分が第2筐体110に回動可能に連結されている。第2リンク520は、一端部が第1リンク510の他端部を押圧する部分となり、他端部が第3リンク530に回動可能に連結され、一端部と他端部との間の部分が第2筐体110に回動可能に連結されている。第3リンク530は、一端部が第2リンク520に回動可能に連結され、他端部がフロントカバー190の回動軸から離れた部位に回動可能に連結され、一端部と他端部との間の部分が第2筐体110に回動可能に連結されている。なお、支持部材501は、第2筐体110で上下方向に移動可能に支持されている。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図10(a)に示すように、フロントカバー190を開けると、接離機構500によってフィルム加熱ローラ141がフィルム加圧ローラ142から離間する。その後は、支持フレーム150を外に引き出して、支持フレーム150からフィルムカートリッジ170を取り外す。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第6の実施形態]
次に、本発明の第6の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第2の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第2の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図11(a)〜(c)に示すように、第6の実施形態では、フィルム転写部140のすべて、つまりフィルムカートリッジ170、フィルム加熱ローラ141およびフィルム加圧ローラ142が、支持フレーム150に支持されている。また、第6の実施形態では、支持フレーム150が引き出し方向に移動する動作に連動して、フィルム加熱ローラ141をフィルム加圧ローラ142から離間させる接離機構600を備えている。
接離機構600は、支持フレーム150に形成されるフレーム側ガイド溝610と、第2筐体110に形成された筐体側ガイド溝620とを備えている。フレーム側ガイド溝610は、フィルム加熱ローラ141の軸部141Aを上下方向に移動可能にガイドしている。
筐体側ガイド溝620は、その前端から後斜め下方に延びるように傾斜した溝である。筐体側ガイド溝620は、フィルム加熱ローラ141の軸部141Aを、前後方向に対して傾斜した方向に移動可能にガイドしている。
支持フレーム150は、フィルムカートリッジ170の巻出軸120および巻取軸130をともにガイドするカートリッジガイド溝154を有している。カートリッジガイド溝154は、前後方向に延びて、前方に向けて開口している。
フィルム加熱ローラ141の軸線方向において、巻出軸120の長さ、および、巻取軸130の長さは、フィルム加熱ローラ141の長さよりも短い。フレーム側ガイド溝610は、支持フレーム150を軸線方向に貫通している。カートリッジガイド溝154は、支持フレーム150の軸線方向内側の面に形成される底付きの溝である。このため、フィルム加熱ローラ141の軸部141Aが、上下に移動して、カートリッジガイド溝154の位置に到達したときには、カートリッジガイド溝154の底の部分によって軸部141Aの前後方向の移動が規制されるため、軸部141Aが、フレーム側ガイド溝610からカートリッジガイド溝154へ移動することはない。
また、巻出軸120の径、および、巻取軸130の径は、フィルム加熱ローラ141の軸部141Aの径よりも大きい。フレーム側ガイド溝610の幅は、カートリッジガイド溝154の幅よりも小さい。言い換えると、フレーム側ガイド溝610の幅は、巻出軸120の径、および、巻取軸130の径よりも小さい。ここで、幅は、溝の短手方向における長さをいう。これにより、巻出軸120が、前後に移動して、フレーム側ガイド溝610の位置に到達したときでも、径の大きな巻出軸120が幅の小さなフレーム側ガイド溝610に入らないので、巻出軸120が、カートリッジガイド溝154からフレーム側ガイド溝610へ移動することはない。
支持フレーム150は、下端部を中心に回動可能なフロントカバー155を備えている。フロントカバー155は、カートリッジガイド溝154の開口やフィルムカートリッジ170の着脱用の開口を開閉するためのカバーである。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図11(a),(b)に示すように、支持フレーム150を前方に引き出すと、フィルム加熱ローラ141の軸部141Aが、傾斜した筐体側ガイド溝620によって上方に押し上げられていくことで、フレーム側ガイド溝610に沿って上方に移動する。これにより、支持フレーム150の引き出し動作に連動して、フィルム加熱ローラ141がフィルム加圧ローラ142から離間する。
その後は、フロントカバー155を開けて、支持フレーム150からフィルムカートリッジ170を取り外す。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第7の実施形態]
次に、本発明の第7の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第2の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第2の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図12(a),(b)に示すように、第7の実施形態では、フィルムカートリッジ170が支持フレーム150に支持され、フィルム加熱ローラ141およびフィルム加圧ローラ142が第2筐体110に支持されている。フィルム加熱ローラ141は、接離機構700を介して第2筐体110に設けられている。
接離機構700は、フィルム加熱ローラ141を回転可能に支持する支持部材710と、支持部材710を介してフィルム加熱ローラ141を支持する回動フレーム720とを備えている。回動フレーム720は、前後方向に沿って延び、第2筐体110に回動可能に支持されている。詳しくは、回動フレーム720の後端部が、第2筐体110に回動可能に支持されている。
回動フレーム720の前端部には、ロックレバー730が回動可能に設けられている。ロックレバー730は、フィルムカートリッジ170の前側上部に設けられた係合ピン156に係合する。また、第2筐体110には、支持フレーム150を前方に引き出すための開口を開閉するフロントカバー190が設けられている。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図12(b)に示すように、フロントカバー190を開けた後、ロックレバー730を係合ピン156から外して、回動フレーム720の前端部を上方に持ち上げる。これにより、フィルム加熱ローラ141は、前記第2位置において、フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142との間をフィルムカートリッジ170が通過可能なように、フィルム加圧ローラ142から離間させられるので、フィルムカートリッジ170をフィルム加熱ローラ141に干渉させることなく引き出すことができる。具体的に、フィルム加熱ローラ141は、フィルム加圧ローラ142から70mm以上110mm以下の範囲で離間させられる。支持フレーム150を引き出した後は、支持フレーム150からフィルムカートリッジ170を取り外す。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第8の実施形態]
次に、本発明の第8の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第7の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第7の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図13(a)に示すように、第8の実施形態では、フィルム加熱ローラ141、フィルム加圧ローラ142およびフィルムカートリッジ170が支持フレーム150に設けられている。また、第8の実施形態では、第7の実施形態と略同様の接離機構700も支持フレーム150に設けられている。
詳しくは、接離機構700の回動フレーム720の後端部は、支持フレーム150の後側上部に回動可能に支持されている。回動フレーム720は、支持部材710を介してフィルム加熱ローラ141を支持している。これにより、支持フレーム150が第2筐体110から引き出された状態で、回動フレーム720が回動された場合に、フィルム加熱ローラ141がフィルム加圧ローラ142から離間するようになっている。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図13(b)に示すように、まず、支持フレーム150を第2筐体110から前方に引き出す。その後、回動フレーム720の前端部を上方に持ち上げて、フィルム加熱ローラ141をフィルム加圧ローラ142から離間させる。その後、フィルムカートリッジ170を支持フレーム150から取り外す。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第9の実施形態]
次に、本発明の第9の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第8の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第8の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図14(a)に示すように、第9の実施形態では、支持フレーム150にフィルム加熱ローラ141、フィルム加圧ローラ142およびフィルムカートリッジ170が設けられている。詳しくは、フィルム加熱ローラ141およびフィルムカートリッジ170は、回動フレーム720を介して支持フレーム150に間接的に設けられている。フィルム加圧ローラ142は、支持フレーム150に直接設けられている。
回動フレーム720は、支持フレーム150の上に配置され、後側下部が、支持フレーム150の後側上部に回動可能に支持されている。回動フレーム720は、フィルム加熱ローラ141を回転可能に支持するとともに、フィルムカートリッジ170を支持している。フィルムカートリッジ170は、回動フレーム720に対して着脱可能となっている。なお、本実施形態では、接離機構700は、回動フレーム720のみで構成されている。
この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図14(b)に示すように、まず、支持フレーム150を回動フレーム720とともに前方に引き出す。その後、回動フレーム720の前端部を上方に持ち上げて、フィルム加熱ローラ141をフィルム加圧ローラ142から離間させる。その後、フィルムカートリッジ170を回動フレーム720から取り外す。詳しくは、フィルムカートリッジ170を、フィルム加熱ローラ141に接触している多層フィルムFがフィルム加熱ローラ141から離れる方向に移動させて、支持フレーム150から取り外す。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第10の実施形態]
次に、本発明の第10の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第1の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図15に示すように、第10の実施形態では、第2搬送経路F2が、分岐部BF1から下方に向かって延びた後、第2筐体110内で前方に向かって延び、その後U字状に湾曲して上方に向かって延びて第2搬送経路F2の分岐部BF1付近に繋がっている。詳しくは、第2搬送経路F2は、第5経路95と、U字状の第6経路96と、第7経路97とを有している。
第5経路95は、分岐部BF1から後斜め下に延びた後、下方に向かって延びている。第6経路96は、第5経路95の用紙Sの搬送方向下流側の端部から前斜め下に向けて延びた後、後斜め上に向かって延びている。
第7経路97は、第6経路96の搬送方向下流側の端部から上方に向かって延びた後、前斜め上に延びて第5経路95に合流している。第7経路97は、第5経路95の後側に配置されている。第7経路97の搬送方向下流側の端部は、分岐部BF1またはスイッチバックローラ23に向けて延びている。
フィルム加圧ローラ142は、第2筐体110に設けられている。フィルム加圧ローラ142は、U字状の第6経路96の内側に配置されている。
フィルム加熱ローラ141は、支持フレーム150に回転可能に支持されている。フィルム加熱ローラ141は、U字状の第6経路96の外側に配置されている。フィルム加熱ローラ141は、フィルム加圧ローラ142の前斜め上側に配置されている。
フィルムカートリッジ170は、第2筐体110に着脱可能に設けられている。フィルムカートリッジ170は、フィルム加熱ローラ141に接触する多層フィルムFが前斜め下方に向けて傾斜するように配置されている。第2筐体110は、フィルムカートリッジ170の巻出軸120をガイドする第1ガイド溝G11と、フィルムカートリッジ170の巻取軸130をガイドする第2ガイド溝G12とを有している。
第1ガイド溝G11は、支持フレーム150が第2筐体110に装着された状態において、巻出軸120から前方に向けて延びた後、前斜め上に延びている。第1ガイド溝G11は、前方に向けて開口している。
第2ガイド溝G12は、支持フレーム150が第2筐体110に装着された状態において、巻取軸130から前方に向けて延びた後、前斜め上に延びている。第2ガイド溝G12は、前方に向けて開口している。
この形態において、用紙Sのトナー像に金属色を施さない場合、つまり通常の印刷を行う場合には、第1の実施形態と同じ動作で用紙Sが搬送されて、トナー像が形成されている第1面が下向きとなった状態で用紙Sが第1シート積載トレイ22に排紙される。また、用紙Sのトナー像に金属色を施す場合には、第1面が下向きとなった状態で用紙Sが第1シート積載トレイ22に向けて搬送されている最中にスイッチバックローラ23を逆回転させることで、用紙Sが第2搬送経路F2に搬送される。
用紙Sが第2搬送経路F2の第5経路95を通過している間、第1面は前方を向いている。用紙Sが第6経路96の前半部分を通過している間、第1面が前斜め上方を向いている。これにより、フィルム転写部140において、第1面に形成されたトナー像に箔が転写される。
その後、用紙Sが第6経路96の後半部分を通過している間、箔転写された第1面が下を向いている。そして、用紙Sが第7経路97を通過することによって、箔転写された第1面は、後方を向いた後、上方を向くことになる。そのため、箔転写された用紙Sが第1シート積載トレイ22に排紙される際には、第1面が上を向くので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
この形態では、箔転写された用紙Sが、トナー像のみが形成された用紙Sが排紙されるトレイと同じ第1シート積載トレイ22に排紙されるので、第1の実施形態などと比較して、排紙トレイの数を少なくすることができる。つまり、本実施形態では、第1シート積載トレイ22が、第1シート積載トレイとして使用されるだけでなく、第2シート積載トレイとしても使用されている。すなわち、本実施形態では、第1シート積載トレイと第2シート積載トレイが共通となっている。
また、この形態において、フィルムカートリッジ170を第2筐体110から取り出す場合には、図16に示すように、まず、支持フレーム150を前方に引き出す。これにより、支持フレーム150に支持されているフィルム加熱ローラ141が前方に移動して、第2筐体110に支持されているフィルム加圧ローラ142から離間する。その後、フィルムカートリッジ170を、各ガイド溝G11,G12に沿って第2筐体110から取り外す。なお、フィルムカートリッジ170を第2筐体110内に装着する場合には、前述した動作とは逆の動作を行えばよい。
[第11の実施形態]
次に、本発明の第11の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態の構造を一部変更したものであるため、第1の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。
図17に示すように、第11の実施形態では、第2筐体110が第1筐体21の後側に配置され、第1筐体21に対して後方から着脱可能となっている。第11の実施形態では、フィルム加熱ローラ141、フィルム加圧ローラ142およびフィルムカートリッジ170が第2筐体110に設けられている。フィルム加熱ローラ141とフィルム加圧ローラ142は、前後方向で並んでいる。フィルム加熱ローラ141は、フィルム加圧ローラ142の前側に配置されている。
第11の実施形態では、第1シート積載トレイ22が、第1シート積載トレイとして使用されるだけでなく、第2シート積載トレイとしても使用されている。第11の実施形態に係るカラープリンタ1は、両面印刷を行うための再搬送経路F3およびフラッパ96Aを備えている。
再搬送経路F3は、トナー像形成部4から搬出された用紙Sを再びトナー像形成部4へ向けてガイドする経路である。再搬送経路F3は、第2経路92から分岐してフィルム転写部140を通らずに第1経路91に合流している。
具体的に、再搬送経路F3は、用紙Sをトナー像形成部4より低い位置まで案内する第1再搬送経路F31と、第1再搬送経路F31により案内された用紙Sを、トナー像形成部4の下側を通って第1経路91へ案内する第2再搬送経路F32とを有している。第1再搬送経路F31は、第2経路92の分岐部BF1から後斜め下へ延びた後、第2経路92の後側で、搬送ベルト73と供給トレイ31の間の高さの位置まで下方へ延びている。第2再搬送経路F32は、第1再搬送経路F31の下端から、搬送ベルト73と供給トレイ31の間を通って前方へ延び、第1経路91のレジストレーションローラ34よりも給紙機構33側の位置に合流している。
第2搬送経路F2は、第1搬送経路F1のトナー像形成部4と第1シート積載トレイ22の間の分岐部BF1から分岐して、第2シート積載トレイとしての第1シート積載トレイ22へ用紙Sを搬送するための経路である。第2搬送経路F2は、第1再搬送経路F31の搬送方向上流側部分を構成する第1部分P1と、第8経路F21と、第9経路F22と、第10経路F23と、第2再搬送経路F32と、第1搬送経路F1の一部を構成する第2部分P2とを有している。
第8経路F21は、第1再搬送経路F31から分岐して後斜め下方に向けて延びている。なお、前述した第1部分P1は、第8経路F21と第1再搬送経路F31との分岐部BF2から分岐部BF1までの部分である。
第9経路F22は、第8経路F21の後端から下方へ向けて延びている。第10経路F23は、第9経路F22の下端から前方に向けて延びて第2再搬送経路F32に合流している。第2部分P2は、第2再搬送経路F32の第1経路91との合流部分J1から第2経路92の搬送方向下流側の端部までの部分である。
フラッパ96Aは、第1再搬送経路F31と第8経路F21の分岐部BF2に設けられている。そして、フラッパ96Aは、揺動することで、第1再搬送経路F31の第1部分P1を通過中の用紙Sの先端を、第1再搬送経路F31の第1部分P1よりも搬送方向下流側の部分へ案内する再搬送位置(実線で示す位置)と、第8経路F21へ案内する箔転写位置(破線で示す位置)とに切り替え可能となっている。
本実施形態では、制御部200は、図18に示すフローチャートに従って制御を実行する。ここで、図18に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートを一部変更したものであるため、以下においては、第1の実施形態と略同様の処理についての説明を適宜省略する。
図18に示すように、制御部200は、ステップS2において金属色ありと判断すると(Yes)、フラッパ96Aを箔転写位置に切り替える(S21)。ステップS21の後、制御部200は、第1の実施形態と略同様のステップS3〜S5の処理を実行する。ステップS5の後、制御部200は、箔転写された用紙Sを第1シート積載トレイ22に排紙する(S9)。
制御部200は、ステップS2において金属色なしと判断すると(No)、用紙Sの第1面への印刷を実行して(S8)、裏面印刷が必要であるか否かを印刷データに基づいて判断する(S22)。ステップS22において裏面印刷が必要であると判断した場合には(Yes)、制御部200は、フラッパ96Aを再搬送位置に切り替える(S23)。
ステップS23の後、制御部200は、スイッチバック処理を実行して、用紙Sを再搬送経路F3に沿って搬送する(S24)。ステップS24の後、制御部200は、用紙Sの第2面への印刷を実行して(S25)、第1シート積載トレイ22に用紙Sを排紙する(S9)。ステップS22において裏面印刷が必要でないと判断した場合には(No)、制御部200は、用紙Sを第1シート積載トレイ22に排紙する(S9)。
この形態において、用紙Sのトナー像に金属色を施さない場合、つまり通常の印刷を行う場合には、第1の実施形態と同じ動作で用紙Sが搬送されて、トナー像が形成されている第1面が下向きとなった状態で用紙Sが第1シート積載トレイ22に排紙される。また、用紙Sのトナー像に金属色を施す場合には、第1面が下向きとなった状態で用紙Sが第1シート積載トレイ22に向けて搬送されている最中にスイッチバックローラ23を逆回転させることで、用紙Sが第2搬送経路F2に搬送される。
用紙Sが第2搬送経路F2の第8経路F21を通過している間、第1面は下方を向いている。用紙Sが第9経路F22を通過している間、第1面が前方を向いている。これにより、フィルム転写部140において、第1面に形成されたトナー像に箔が転写される。
用紙Sが第10経路F23および第2再搬送経路F32を通過している間、箔転写された第1面が上を向いている。用紙Sが第1経路91を通過している間、箔転写された第1面が下を向いている。そして、用紙Sが第2経路92を通過することによって、箔転写された第1面は、後方を向いた後、上方を向くことになる。そのため、箔転写された用紙Sが第1シート積載トレイ22に排紙される際には、第1面が上を向くので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
[第12の実施形態]
次に、本発明の第11の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態は、前記した第1の実施形態の構成要素と略同様の構成要素を備えるため、第1の実施形態と略同様の構成要素については、同一符号を付したり、図示を省略したりして、その説明を省略することとする。なお、以下の説明において、方向は、図19に示す方向で説明する。
図19に示すように、第12の実施形態に係るカラープリンタ1Aは、中間転写方式のカラープリンタである。カラープリンタ1Aは、第1の実施形態と略同様の構造となる4つのプロセスユニット6、定着器8、フィルム転写部140などを備えている。カラープリンタ1Aは、第1の実施形態には設けられていない4つのLEDユニット805と、第1の実施形態とは異なる転写ユニット870とを備えている。
プロセスユニット6は、感光ドラム61が上向きとなるように配置されている。
4つのLEDユニット805は、4つの感光ドラム61にそれぞれ対応して設けられている。各LEDユニット805は、対応する感光ドラム61の下方に対向して配置されている、LEDユニット805は、画像データに基づいて発光部を明滅させることで、感光ドラム61の表面を露光し、感光ドラム61上に静電潜像を形成する。
転写ユニット870は、上下方向において、4つの感光ドラム61と第1シート積載トレイ22との間に設けられている。転写ユニット870は、駆動ローラ871と、従動ローラ872と、中間転写ベルト873と、4つの1次転写ローラ874と、2次転写ローラ875とを備えている。
駆動ローラ871は、4つの感光ドラム61よりも後方に配置されている。従動ローラ872は、4つの感光ドラム61よりも前方に配置され、駆動ローラ871と前後方向で対向している。中間転写ベルト873は、無端状のベルトである。中間転写ベルト873は、駆動ローラ871および従動ローラ872に巻き掛けられ、駆動ローラ871と従動ローラ872の間で張った状態になっている。
中間転写ベルト873は、供給トレイ31の上方に配置されている。4つの感光ドラム61は、中間転写ベルト873の下で並んでいる。第1シート積載トレイ22は、中間転写ベルト873の上方に配置されている。
1次転写ローラ874は、中間転写ベルト873を介して感光ドラム61と対向配置されている。2次転写ローラ875は、中間転写ベルト873を介して駆動ローラ871と対向配置されている。具体的に、2次転写ローラ875は、駆動ローラ871の後方に配置されている。2次転写ローラ875は、駆動ローラ871との間で、シート供給部3から送られてきた用紙Sを下から上へ向けて搬送する。
このような転写ユニット870では、感光ドラム61上のトナー像が、1次転写ローラ874によって引き寄せられて、中間転写ベルト873上に転写される。中間転写ベルト873上のトナー像は、2次転写ローラ875によって引き寄せられて、用紙Sに転写される。
フィルム転写部140は、第1筐体21に設けられ、第1搬送経路F1上に位置している。フィルム加熱ローラ141およびフィルム加圧ローラ142は、前後方向において並んでいる。フィルム加熱ローラ141は、フィルム加圧ローラ142の前側に配置されている。フィルム加熱ローラ141およびフィルム加圧ローラ142は、第1搬送経路F1において、定着器8よりも搬送方向下流側で、かつ、スイッチバックローラ23よりも搬送方向上流側に配置されている。
第2シート積載トレイ160は、第1筐体21の前壁の下側に設けられている。詳しくは、第2シート積載トレイ160は、供給トレイ31よりも下方に配置されている。
第1搬送経路F1は、供給トレイ31から後方に延びた後、上方に延び、その後、スイッチバックローラ23に向けて前方に延びている。第2搬送経路F2は、第1搬送経路F1の上部から分岐して後方に向けて延びた後、第1搬送経路F1の後側を通って下方に延び、その後、供給トレイ31の下側を通って第2シート積載トレイ160に向かうように前方に延びている。
本実施形態では、制御部200は、図20に示すフローチャートに従って制御を実行する。ここで、図20に示すフローチャートは、図4に示すフローチャートを一部変更したものであるため、以下においては、第1の実施形態と略同様の処理についての説明を適宜省略する。
図20に示すフローチャートでは、第1の実施形態とは異なり、スイッチバック処理(S4)と箔転写処理(S5)の順序が逆になっている。つまり、本実施形態では、箔転写処理(S5)が、スイッチバック処理(S4)よりも先に実行されるようになっている。つまり、第1の実施形態とは異なり、ステップS3、ステップS5、ステップS4の順で処理が実行されるようになっている。
この形態において、用紙Sのトナー像に金属色を施さない場合、つまり通常の印刷を行う場合には、用紙Sが第1搬送経路F1の上下方向に沿った部分を通過している間、用紙Sの第1面は前方を向いている。これにより、中間転写ベルト873上のトナー像が、前方を向いた用紙Sの第1面に転写される。その後、第1搬送経路F1の上部で用紙Sの向きが変更されると、第1面は下方を向くことになる。これにより、通常の印刷を行う場合には、トナー像が形成された第1面が下を向いた状態で、用紙Sが第1シート積載トレイ22に排紙される。
用紙Sのトナー像に金属色を施す場合には、第1搬送経路F1で搬送される用紙Sが転写ユニット870に到達すると、転写ユニット870によって、用紙Sの第1面にトナー像が形成される。その後、用紙Sがフィルム転写部140に到達すると、フィルム転写部140によって、第1面のトナー像に箔が転写される。
その後、第1搬送経路F1の上部で用紙Sの向きが変更されると、箔転写された第1面が下向きとなった状態で、スイッチバックローラ23によって、第1シート積載トレイ22に向けて搬送される。用紙Sが第1シート積載トレイ22に向けて搬送されている最中にスイッチバックローラ23が逆回転すると、用紙Sが第2搬送経路F2に搬送される。
用紙Sが第2搬送経路F2の上下方向に沿った部分を通過している間、箔転写された第1面は前方を向いている。その後、第2搬送経路F2の下部で用紙Sの向きが変更されると、箔転写された第1面が上方を向くことになる。そのため、箔転写された用紙Sが第2シート積載トレイ160に排紙される際には、第1面が上を向くので、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の各実施形態について説明したが、本発明は前記各実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
図7に示す第3の実施形態では、溝状のガイド部320に一体に形成されるロック部材321をロック部材として例示したが、本発明はこれに限定されず、ロック部材は、例えば、ガイド部が設けられる部材とは別部材であってもよい。また、ロック部材は、巻取軸に係合して、巻取軸の移動を規制するように構成することもできる。
図11に示す第6の実施形態では、支持フレーム150が引き出し方向に移動する動作に連動して、フィルム加熱ローラ141をフィルム加圧ローラ142から離間させる接離機構600を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。接離機構は、例えば、支持フレーム150が引き出し方向に移動する動作に連動して、フィルム加圧ローラをフィルム加熱ローラから離間させるように構成されていてもよい。
図12に示す第7の実施形態などにおいては、回動フレーム720がフィルム加熱ローラ141を支持するように構成されているが、本発明はこれに限定されず、回動フレームは、例えば、フィルム加圧ローラを支持するように構成されていてもよい。
前記実施形態では、画像形成装置として、複数のプロセスユニット6を備えるカラープリンタ1を例示したが、画像形成装置はこれに限定されるものではない。例えば、画像形成装置は、プロセスユニット6を1つだけ備えるモノクロのレーザプリンタであってもよい。
前記実施形態では、シートの一例として普通紙や厚紙などの用紙Sを例示したが、本発明はこれに限定されず、シートは、例えば、OHPシートなどであってもよい。
図8に示す第4の実施形態では、巻取軸130とフィルムカートリッジの上流端E1との間に位置する上流部分として、巻出軸120を例示したが、本発明はこれに限定されず、巻出軸以外の部分を上流部分としてもよい。
多層フィルムは、箔の層を備えないフィルムであってもよい。たとえば、箔の層の代わりに木目調の色材の層を有するフィルムであってもよい。また、トナーと接着する接着層と、接着層と支持体との間にある剥離層とだけを有するフィルムであってもよい。
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。