JP6957996B2 - 加熱電極シート、通電加熱パネル、及び乗物 - Google Patents
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Description
ところが、ヘーズ値を小さくすると、鮮明さが向上するために、これまで所定のヘーズ値であったために隠蔽や拡散されて潜在化していた不具合が顕在化することがあった。光芒も顕在化する不具合のうちの1つである。
ここで発熱導体おける「開口」は、間隔を有して配置される隣り合う発熱導体の間の部位を意味する。
基材層11は透明な板状の部材であり、樹脂により形成されている。基材層11を形成する樹脂としては可視光線波長帯域の波長(380nm〜780nm)を透過するものであれば如何なる樹脂でも良いが、好ましくは熱可塑性樹脂を用いる。この熱可塑性樹脂としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナレフタレート、アモルファスポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、環状ポリオレフィン等のポリオレフィン樹脂、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、トリアセチルセルロース(三酢酸セルロース)等のセルロース系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン共重合体等のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、等を挙げることができる。その中でもPETが、エッチング耐性、耐候性、耐光性に優れていることから好ましい。PETはその屈折率が1.58前後である。
基材層11の厚さは20μm以上300μm以下が一般的である。
このような第一バスバー電極13a及び第二バスバー電極13bは公知の形態を適用することができ、帯状である当該電極の幅は3mm以上15mm以下が一般的である。
本形態ではこのような発熱導体14が、第一バスバー電極13a及び第二バスバー電極13bの長手方向(図1においてはX軸方向)に複数配列されている。
発熱導体14は、加熱電極シート10の厚さ方向において、発熱導体14の一方側(本形態では発熱導体用接着剤層12側)の面を平面視した長さ0.01mあたりの表面積をSB、その反対側の面を平面視した長さ0.01mあたりの表面積STとしたとき、
0μm2<SB−ST≦30000μm2
が成立することが好ましい。ここで「長さ」とは、延びる発熱導体14のある0.01mを取り出したときにおける一端と他端との距離である。より好ましくは、
0μm2<SB−ST≦15000μm2
である。
これによれば、発熱導体14を視認されない幅で作製した際に、断面積を大きくとることができ、さらに高い出力(発熱量)を得ることが可能である。矩形(長方形)を作製することができれば理想ではあるが、エッチングにより作製することはいわゆるサイドエッジの性質上、困難がある。
図6にBで示した、隣り合う発熱導体14の間隔B(発熱導体14における開口部に相当する)は、0.1mm以上5.00mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.4mm以上である。
また、当該断面において、上記SB側の辺の長さ(線幅)をWB、及びその反対側(ST側)の辺の長さ(線幅)をWTとしたとき、
WB>WT、
3μm≦WB≦15μm、及び
1μm≦WT≦12μm
が成り立つことが好ましい。
なお、この断面は、その部位において最小断面になるように切断された面とする。また、発熱導体14の表面に凹凸が形成されている場合には当該凹凸を含めた最小面積の断面を考えるものとする。
また、発熱導体14の厚さHは、5μm以上30μm以下であることが好ましい。
ここに用いられる接着剤としては特に限定されることはないが、接着性、耐候性、耐熱性透明性等の観点からポリビニルブチラール樹脂(PVB)を用いることができる。
パネル用接着剤層15の厚さは特に限定されることはないが、発熱導体14の厚さ(図6のH)より厚くなることが好ましい。これにより、パネル用接着剤層15により発熱導体14を保護することができる。より具体的には0.2mm以上1.0mm以下の厚さであることが好ましい。
パネル用接着剤層15の中には、必要に応じて、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等の紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
金属箔14aの面をこのような表面粗さにするための具体的手段は特に限定されることはないが、例えば金属箔が銅箔であり、その中でも電解めっきにより形成される銅箔である場合には、銅箔を形成するためにめっき液に浸されるロールの表面の表面粗さを上記のように調整しておけばよい。ロールの表面の粗さは研磨等によりおこなうことができる。
ここで図7(c)には形成されるべき発熱導体14の位置及び大きさを参考として破線及び薄墨で表している。図7(c)からわかるように、本例では、レジストパターン層80’に形成されたパターン80aの縁から、形成されるべき発熱導体14の縁までの距離がCとなるように構成されている。そしてこのCは5μm以上であることが好ましい。これにより上記した形態の発熱導体14をエッチングにより得ることができる。
また、発熱導体用接着剤層12の面12aの表面粗さを容易に所定の範囲に調整することができる。
第一パネル31及び第二パネル32は板ガラスにより構成することができる。これには、当該通電加熱パネル30が適用される設備(例えば乗物や建物)が通常に有する窓に用いられる板ガラスと同じものを用いることができる。例えばソーダライム硝子(青板硝子)、硼珪酸硝子(白板硝子)、石英硝子、ソーダ硝子、カリ硝子等から成る普通板硝子、フロート板硝子、強化板硝子、部分板硝子等が挙げられる。また、必要に応じて3次元的に曲面状に湾曲部を有するものであってもよい。
ただし必ずしも硝子板である必要はなく、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂から成る樹脂板であってもよい。ただし、耐候性、耐熱性、透明性等の観点から板硝子であることが好ましい。
これら第一パネル31及び第二パネル32の厚さは特に限定されることはないが、1.5mm以上5mm以下であることが一般的である。
パネル用接着剤層33の厚さは特に限定されることはないが、0.2mm以上1.0mm以下であることが一般的である。
パネル用接着剤層12の中には、必要に応じて、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾフェノン系化合物等の紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、帯電防止剤等の各種添加剤を添加することができる。
このような電源接続配線34は公知の構成を適用すればよい。
すなわち、図1、図2の形態においては、通電加熱パネル30が自動車のフロントパネルの位置に配置される。この際には電源接続配線34に開閉器50を介して電源40が接続され、バスバー電極13を介して発熱導体14を発熱させることができる。本形態においては、電源40としては自動車に既設のバッテリーを用いている。開閉器50を閉じると、電源40から電流が供給される。当該発熱導体14はジュール熱の発熱により第一パネル31、第二パネル32が加熱されるのでフロントパネルとして機能する通電加熱パネル30の温度が上昇し、凍結及び曇りが解消される。
11 基材層
12 発熱導体用接着剤層
13 バスバー電極
14 発熱導体
15 パネル用接着剤層
30 通電加熱パネル
31 第一パネル
32 第二パネル
33 パネル用接着剤層
40 電源
Claims (3)
- 基材層と、
前記基材層の一方の面に配置された発熱導体用接着剤層と、
前記発熱導体用接着剤層により前記基材層に接着され、開口を有して形成された発熱導体と、
前記発熱導体、及び前記開口を満たして前記発熱導体用接着剤層に接触するパネル用接着剤層と、を備え、
前記発熱導体用接着剤層のうち、前記パネル用接着剤層に接する側の面の表面粗さが、
JIS B 0601:2001におけるRzで0.8μm以上1.5μm以下とされ、
前記発熱導体用接着剤層と前記パネル用接着剤層との屈折率差が0以上0.02以下である、加熱電極シート。 - 透明である第一のパネルと、
前記第一のパネルに対して所定の間隔を有して配置される第二のパネルと、
前記所定の間隔に配置される請求項1に記載の加熱電極シートと、を備える通電加熱パネル。 - 請求項1に記載の加熱電極シートを製造する方法であって、
前記発熱導体用接着剤層となる接着剤層に対して前記発熱導体となる金属箔を積層する工程を含み、
前記金属箔は、前記発熱導体用接着剤層となる前記接着剤層に接する側の面は、表面粗さがJIS B 0601:2001におけるRzで0.8μm以上1.5μm以下である、
加熱電極シートの製造方法。
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JP2017111858A JP6957996B2 (ja) | 2017-06-06 | 2017-06-06 | 加熱電極シート、通電加熱パネル、及び乗物 |
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