JP6956274B2 - ポリアミド予備発泡粒子、並びにポリアミド発泡成形体及びその製造方法 - Google Patents
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Description
押出発泡法は、押出機を用いて溶融状態の樹脂に有機又は無機発泡剤を圧入し、押出機出口で圧力を開放することによって、一定の断面形状を有する、板状、シート状、又は柱状の発泡体を得て、これを金型に入れて熱加工する、又は切り貼りにより目的形状に成形する方法である。
発泡射出成型法は、発泡性を備える樹脂を射出成型し、金型内にて発泡させることによって、空孔を有する発泡成型体を得る方法である。
型内発泡成形法は、発泡性を備える樹脂予備発泡粒子を型内に充填し、水蒸気等で加熱し、粒子を発泡させると同時に粒子同士を熱融着させることによって、発泡成型体を得る方法である。この型内発泡成形法は、製品形状を自由に設定しやすく、高発泡倍率の発泡成型体を得やすい等の利点があり、広く産業界に普及している。
(1)
示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件下で30℃から280℃まで昇温した際に得られるDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が150℃以上275℃以下であり、
前記最大吸熱ピークより高温側における融解終了後のDSC曲線を近似した直線をベースラインとし、前記最大吸熱ピークの低温側の変曲点における接線と前記ベースラインとの交点の温度である補外融解開始温度と、前記最大吸熱ピークの高温側の変曲点における接線と前記ベースラインとの交点の温度である補外融解終了温度との差に相当する前記最大吸熱ピークの幅が、30℃以上80℃以下であることを特徴とする、ポリアミド予備発泡粒子。
(2)
粒子内に水を4.5質量%以上15質量%以下の割合で含有している、(1)に記載のポリアミド予備発泡粒子。
(3)
平均粒子径(D1)と独立気泡の平均径(D2)の比で表されるD1/D2が6.0以上である、(1)または(2)に記載のポリアミド予備発泡粒子。
(4)
前記ポリアミドがポリアミド6/66である、(1)〜(3)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子。
(5)
中空部または凹外形部を有する、(1)〜(4)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子。
(6)
表面付着水の量が14%以下である、(1)〜(5)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子。
(7)
表面付着水の量が、粒子内の含水量よりも少ない、(1)〜(6)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子。
(8)
(1)〜(7)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子が互いに融着していることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体。
(9)
(1)〜(7)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子を加熱融着させることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体の製造方法。
(10)
(1)〜(7)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子に水を3質量%以上15質量%以下の割合で含ませる含水処理を行った後、ポリアミド予備発泡粒子を加熱融着させることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体の製造方法。
(11)
前記含水処理が、40℃以上の温水に浸漬する工程である、(10)に記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
(12)
含水処理時間が30分以下である、(10)または(11)に記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
(13)
ポリアミド予備発泡粒子に含水処理を行った後、表面付着水量が14%以下となるように表面付着水を除去する工程を有する、(10)〜(12)のいずれかに記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
(14)
ポリアミド予備発泡粒子に含水処理を行った後、表面付着水量が含水量よりも少なくなるように表面付着水を除去する工程を有する、(13)に記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
(15)
(1)〜(7)のいずれかに記載のポリアミド予備発泡粒子を、型内に充填し、成形温度を100℃以上として、前記成形温度−5℃以下の温度の飽和水蒸気によって1秒以上10秒以下加熱した後、前記成形温度の飽和水蒸気によって加熱融着させることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体の製造方法。
本実施形態のポリアミド予備発泡粒子は、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件下で30℃から280℃まで昇温した際に得られるDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が150℃以上275℃以下であり、最大吸熱ピークより高温側における融解終了後のDSC曲線を近似した直線をベースラインとし、最大吸熱ピークの低温側の変曲点における接線とベースラインとの交点の温度である補外融解開始温度と、最大吸熱ピークの高温側の変曲点における接線とベースラインとの交点の温度である補外融解終了温度との差に相当する最大吸熱ピークの幅が、30℃以上80℃以下であることを特徴とする。
これにより、ポリアミド予備発泡粒子を発泡成型する際に十分に発泡させることができる。
ポリアミドとしては、ジアミンとジカルボン酸との重縮合により得られる、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド612、ポリアミド46、ポリアミド1212等、ラクタムの開環重合により得られるポリアミド6、ポリアミド12等が挙げられる。ポリアミド共重合体としては、例えば、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6、ポリアミド66/610、ポリアミド66/612、ポリアミド66/6T(Tは、テレフタル酸成分を表す)、ポリアミド66/6I(Iは、イソフタル酸成分を表す)、ポリアミド6T/6I等が挙げられる。中でも、脂肪族ポリアミドが好ましく、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド6/66、ポリアミド66/6等がより好ましい。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
測定装置としては、市販の示差走査熱量計を用いてよく、例えば、パーキンエルマー社製のDSC7等が挙げられる。
測定条件としては、通常の条件を用いてよく、例えば、不活性ガス雰囲気下、温度条件:樹脂をその融点超の温度で保持し、その後、20℃/分で室温程度まで急冷し、次いで、融点超の温度まで20℃/分で昇温させるという条件等が挙げられる。
この場合、末端封止剤を添加する時期としては、原料仕込み時、重合開始時、重合中後期、又は重合終了時が挙げられる。
末端封止剤としては、ポリアミド系樹脂のアミノ基又はカルボキシル基との間で反応し得る単官能性の化合物である限り、特に制限されることなく、例えば、モノカルボン酸、モノアミン、酸無水物、モノイソシアネート、モノ酸ハロゲン化物、モノエステル類、モノアルコール類等が挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、ハロゲン系難燃剤としては、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリフェニレンエーテル、臭素化ビスフェノール型エポキシ樹脂、臭素化スチレン無水マレイン酸共重合体、臭素化エポキシ樹脂、臭素化フェノキシ樹脂、デカブロモジフェニルエーテル、デカブロモビフェニル、臭素化ポリカーボネート、パークロロシクロペンタデカン、臭素化架橋芳香族重合体が好ましく、また、アンチモン化合物としては、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウムが好ましい。
難燃剤としては、熱安定性の観点から、ジブロモポリスチレンと三酸化アンチモンとの組み合わせが好ましい。
また、難燃剤としては、非ハロゲン系難燃剤も用いられてよく、具体的には、メラミンシアヌレート、赤リン、ホスフィン酸金属塩、含窒素リン酸系化合物等が挙げられ、特に、ホスフィン酸金属塩と、含窒素リン酸系化合物(例えば、メラミンやメラミンの縮合物(メラム、メロン等)とポリリン酸との、反応生成物又は混合物も含む)との組み合わせが好ましい。
ポリアミド予備発泡粒子の製造方法としては、熱可塑性樹脂の熱可塑性を利用した方法、固体状態の粒子の切削などの後加工による方法などが可能であり、粒子に所望の外形を付与できる方法であればいずれも適用可能である。その中でも、生産性に優れ、安定した形状の粒子が製造可能な方法として、吐出断面を設けたダイを使用した溶融押し出し法が好適に使用できる。溶融押し出し法として、押出機により熱可塑性樹脂を溶融押し出し、ストランドカットまたはアンダーウォーターカットなど工業的に通常使用されている方法によりペレタイズして得られたペレットを発泡させ発泡粒子を得る方法;および押し出し機に発泡剤をバレル途中から注入し吐出と同時に発泡させ、冷却後、アンダーウォーターカットまたはストランドカットし発泡粒子を直接得る方法;押出機内で溶融させ所望の断面形状を有するダイスから押し出し、冷却後ペレタイザーにより所定の長さに切断することにより基材樹脂ペレットを製造し、該基材樹脂ペレットに発泡剤を含浸させ、加熱することにより所定の発泡倍率で発泡させる方法;等、従来公知の方法を任意に応用して製造することができる。
ガスとし得る化合物の例としては、二酸化炭素、窒素、酸素、水素、水、アルゴン、ヘリウムネオン等の無機化合物;トリクロロフルオロメタン(R11)、ジクロロジフルオロメタン(R12)、クロロジフルオロメタン(R22)、テトラクロロジフルオロエタン(R112)ジクロロフルオロエタン(R141b)クロロジフルオロエタン(R142b)、ジフルオロエタン(R152a)、HFC−245fa、HFC−236ea、HFC−245ca、HFC−225ca等のフルオロカーボン;HFO−1234y、HFO−1234ze(E)等のハイドロフルオロオレフィン;プロパン、n−ブタン、i−ブタン、n−ペンタン、i−ペンタン、ネオペンタン等の飽和炭化水素;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルエチルエーテル、イソプロピルエーテル、n−ブチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、フラン、フルフラール、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類;塩化メチル、塩化エチル等の塩素化炭化水素類;メタノール、エタノール等のアルコール類等が挙げられる。
これらの空気やガスとし得る化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のポリアミド予備発泡粒子は、任意の3次元形状を付与することができる。この3次元形状により、発泡成形体中に連通空隙を生成させ、吸音性能を付与することができる。ポリアミド予備樹脂発泡粒子の正射影像は任意の形状を取ることができるが、一般的な中実のビーズ形状は、正射影像が、円形状もしくは楕円形状を有している略球状のものを意味する。
本発明の一つの実施形態である中空部を有するとは、ポリアミド予備発泡粒子の正射影像が内部に中空領域を有しつつ外中空円領域を取り囲む外周領域を有することを意味し、かかる中空領域および外周領域がある正射映像が得られる方向が存在することを意味する。
また、凹外形部を有するとは、凹外形部が、凹部の条件及び/又は上記貫通孔の条件を満足するように樹脂発泡粒子の形状を選択する。これにより、融着成形後のポリアミド発泡成形体の連通空隙(連続する空隙、連通する空隙)を良好に形成させることができる。
上記中空部の例としては、例えば、中空の円形(円形、楕円形)を重ねた形状等が挙げられる(図1(c))。
本実施形態において、ポリアミド予備発泡粒子が中空部または凹外形部を持つことは光学顕微鏡によりポリアミド予備発泡粒子の透過画像を粒子の観察方向を変えながら観察し判定することにより確認することができる。
本実施形態のポリアミド予備発泡粒子は、示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件下で30℃から280℃まで昇温した際に得られるDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が、150℃以上275℃以下である。最大吸熱ピークのピーク温度は、好ましくは155℃以上220℃以下であり、より好ましくは160℃以上190℃以下である。最大吸熱ピークのピーク温度が上記範囲にあると、飽和蒸気を用いた発泡成形が容易となり、実用上好ましい傾向がある。
また、本実施形態のポリアミド予備発泡粒子は、上記DSC曲線において、最大吸熱ピークより高温側における融解終了後のDSC曲線を近似した直線をベースラインとし、最大吸熱ピークの低温側の変曲点における接線とベースラインとの交点の温度である補外融解開始温度と、最大吸熱ピークの高温側の変曲点における接線とベースラインとの交点の温度である補外融解終了温度との差に相当する最大吸熱ピークの幅が、30℃以上80℃以下である。最大吸熱ピークの幅は、好ましくは35℃以上75℃以下であり、より好ましくは40℃以上70℃以下である。最大吸熱ピークの幅が上記範囲にあると、温度条件で発泡粒子間の融着力を強めつつ、発泡粒子の破泡による材料強度の低下を抑制でき、成形性が向上する傾向がある。
図2は、本実施形態のポリアミド予備発泡粒子について、示差走査熱量計を用いて昇温速度10℃/分の条件下で30℃から280℃まで昇温した際に得られるDSC曲線の一例を示す図である。図2において、Aは最大吸熱ピークより低温側のDSC曲線とベースラインとの交点、Bは最大吸熱ピークより高温側のDSC曲線とベースラインとの交点、Cは最大吸熱ピークの低温側の変曲点における接線とベースラインとの交点、Dは最大吸熱ピークの高温側の変曲点における接線とベースラインとの交点である。また、CTは補外融解開始温度、DTは補外融解終了温度、PTは最大吸熱ピークのピーク温度である。最大吸熱ピークの幅は、DTからCTを引いた値に相当する。
ポリアミド予備発泡粒子を溶媒処理することで、発泡成型時の高温環境下でのポリアミド樹脂組成物の粘度が低下し、成形品の融着性が向上し、機械強度、例えば、曲げ破断強度を向上させることができる。
溶媒処理に用いられる溶媒としては、水、エタノール、メタノールなどの極性溶媒が挙げられ、これらの混合溶媒を用いても良い。
これらの溶媒の中で、入手しやすさ、取り扱いの容易さの点から、水が好ましい。
以下、ポリアミド予備発泡粒子を溶媒処理する際の溶媒として水を使用した例について説明する。
ポリアミド予備発泡粒子の含水率を3質量%以上15質量%以下になるように、あらかじめ含水処理を行うことにより、その後の熱融着工程において、発泡成型時の高温環境下でのポリアミド樹脂組成物の粘度が低下し、成形品の融着性が向上し、機械強度、例えば曲げ破断強度が向上させることができる。これは、型内成型時の温度条件で、ポリアミド発泡粒子内の気泡の体積増加によって膨張せしめ、ポリアミド樹脂の粘度低下による異なる発泡粒子間の樹脂の相互拡散を促進せしめることによるものである。
また、中空部または凹外形部を有するポリアミド予備発泡粒子の含水率を算出する際に、高圧のガスを用いることで、中空部や凹外形部に滞留した表面付着水を除去することができる。例えば、100m/秒以上の風速に調整された空気などを好適に使用することができる。
ポリアミド予備発泡粒子の平均粒子径はJIS Z8801で規定される試験用ふるいを用いた試験方法により算出される。
また、中空部または凹外形部を有するポリアミド予備発泡粒子の含水率を算出する際に、高圧のガスを用いることで、中空部や凹外形部に滞留した表面付着水を除去することができる。例えば、100m/秒以上の風速に調整された空気などを好適に使用することができる。
本実施形態のポリアミド発泡成形体は、上述のポリアミド予備発泡粒子が互いに融着していることを特徴とする。
本実施形態のポリアミド発泡成形体は、ポリアミド予備発泡粒子を加熱融着させることにより、任意の立体形状に成形することができる。
本実施形態のポリアミド発泡成形体の製造は、ポリアミド予備発泡粒子を閉鎖した金型内に充填、発泡させて得るが、密閉し得ない金型内に充填して加熱し、樹脂発泡粒子相互を融着させる方法を採用してもよい。樹脂種と成形条件によっては汎用の型内発泡自動成形機を使用することができる。
このうち、難燃性、耐熱性、寸法安定性の観点から、無機ガスを用いるのが好ましい。
これらの空気やガスとし得る化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記予熱に用いる飽和水蒸気の温度は、成形温度−5℃以下であり、好ましくは成形温度−6℃以下であり、より好ましくは成形温度−7℃以下である。また、上記飽和水蒸気の温度は、好ましくは成形温度−15℃以上であり、より好ましくは成形温度−14℃以上であり、さらに好ましくは成形温度−13℃以上である。上記の温度範囲であると、ポリアミド予備発泡粒子の膨張と融着を抑制しつつ、ポリアミド予備発泡粒子中へ水分を拡散させることができる傾向にある。
また、上記予熱に用いる飽和水蒸気での加熱時間は、1秒以上10秒以下であり、1秒以上5秒以下であることが好ましく、1秒以上3秒以下であることがより好ましい。従来、ポリアミド予備発泡粒子を成形温度近くまで予熱する工程により成形に要する総時間が延長し、生産性が低下することが問題となっていたが、加熱時間が上記範囲であると、当該問題を実用上許容できる範囲でポリアミド予備発泡粒子中へ水分を拡散させることができ、成形温度での融着性が向上する傾向にある。
上記製造方法を用いることにより、成形時のポリアミド予備発泡粒子間の融着性が改善し、機械強度に優れたポリアミド発泡成形体を製造することができる。
また、ポリアミド予備発泡粒子は、成形用金型のキャビティ内に充填する前に溶媒処理を行ってもよい。溶媒処理に用いる溶媒、溶媒処理方法等は、上述と同様とすることができる。
更に、ポリアミド予備発泡粒子は、成形用金型のキャビティ内に充填する前にガスによる加圧処理を行うことが好ましい。加圧処理の方法、加圧処理に用いるガス等は、上述と同様とすることができる。
上記予熱に用いる飽和水蒸気の温度は、成形温度−5℃以下であり、好ましくは成形温度−6℃以下であり、より好ましくは成形温度−7℃以下である。また、上記飽和水蒸気の温度は、好ましくは成形温度−15℃以上であり、より好ましくは成形温度−14℃以上であり、さらに好ましくは成形温度−13℃以上である。上記飽和水蒸気の温度が上記範囲であると、ポリアミド予備発泡粒子の膨張と融着を抑制しつつ、ポリアミド予備発泡粒子中へ水分を拡散させることができる傾向にある。
また、上記予熱に用いる飽和水蒸気での加熱時間は、15秒以上であり、15〜120秒であることが好ましく、30〜90秒であることがより好ましい。従来、ポリアミド予備発泡粒子を成形温度近くまで予熱する工程により成形に要する総時間が延長し、生産性が低下することが問題となっていたが、加熱時間が上記範囲であると、当該問題を実用上許容できる範囲でポリアミド予備発泡粒子中へ水分を拡散させることができ、成形温度での融着性が向上する傾向にある。
なお、当該別の態様において、ポリアミド予備発泡粒子に含まれるポリアミド系樹脂及びポリアミド系樹脂以外のその他の成分、ポリアミド予備発泡粒子の形状は、上述と同様とすることができる。
本実施形態のポリアミド発泡成形体を成形後、乾燥機を用いて60℃、24時間乾燥させて、成形体に含まれる水分を除去した。このポリアミド発泡成形体について、JIS K7171に準拠して、その曲げ強度(MPa)は測定した。成形体を構造部材として使用する際の信頼性の観点から、曲げ強度が、2.8MPa以上であることが好ましく、より好ましくは3.0MPa以上、さらに好ましくは3.3MPa以上である。
樹脂発泡成形体の試験片(試験片寸法;長さ300mm、幅40mm、厚さ20mm)を作製して、求めることができる。ポリアミド発泡成形の曲げ弾性率は、JISK7171(2008)に従って測定される。
曲げ弾性率は、50MPa以上であることが好ましく、より好ましくは70MPa、さらに好ましくは80MPa以上である。
(1−1)ポリアミド予備発泡粒子の含水量
ポリアミド予備発泡粒子を秤量(W0)した後、乾燥した繊維シート(キムタオル 日本製紙)に粒子を広げ別の繊維シートで表面付着水を除去した後、秤量(W1)する。このポリアミド予備発泡粒子を80℃、6時間真空乾燥させたのち、再度秤量(W2)して、それぞれ含水量(%)=(W1−W2)/W2×100と表面付着水(%)=(W0−W1)/W2×100を算出した。
(1−2)中空部または凹外形部を有するポリアミド予備発泡粒子の含水量
ポリアミド予備発泡粒子を秤量(W0)した後、ポリアミド予備発泡粒子を通気性のある金網内部に充填し、100m/sの風速のエアーガンで10秒間吹き付け表面付着水を除去した後、秤量(W1)する。このポリアミド予備発泡粒子を80℃、6時間真空乾燥させたのち、再度秤量(W2)して、それぞれ含水率(%)(W1−W2)/W2×100と表面付着水(%)(W0−W1)/W2×100の割合を算出した。
(1−3)含エタノール処理を行った場合のポリアミド予備発泡粒子の含エタノール量及び含水量
(i)上記(1−1)と同様にしてポリアミド予備発泡粒子の表面付着水及び表面付着エタノールを除去した後、ポリアミド予備発泡粒子を1g秤量してガラス製三角フラスコに充填した。そこにTHFを20mL入れ、蓋をした状態で50℃で1時間加熱した。常温に冷却後、2mLを採取し、THFを追加して合計5mLとした。
この試料をGCバイアル瓶に移し、GC−MS−SIM(Selected Ion Monitoring)法で水及びエタノールをそれぞれ定量した。使用したピークは、水:m/z=18、エタノール:m/z=45とした。
検量線と標準資料は、エタノールと蒸留水を秤量し、それぞれTHFに溶かすことで3水準濃度を作製し、それぞれGC−MS−SIM(Selected Ion Monitoring)法で分析して、濃度とSIM面積で検量線を作成した。
<GC−MS測定条件>
GC−MS装置:Agilent社製HP6890N/5973
オーブン:50℃で1min保持後、50℃から130℃まで10℃/minで昇温
フロント注入口の温度 200℃
スプリット比 20:1
カラム:Sigma―Aldrich社製WATERCOL 1910 29711U
長さ30.0m、内径0.25mm、膜厚0.20μm、流量1.0mL/min
(ii)(i)で得られた水、エタノールそれぞれの定量値(%)であるW(水)、W(EtOH)から、含水率=W(水)/(100−W(水)−W(EtOH))×100、含エタノール率=W(EtOH)/(100−W(水)−W(EtOH))×100を算出した。
ポリアミド発泡成形体の曲げ強度は、JISK7171(2008)に従って実施される。真空乾燥処理を40℃、24時間以上行った樹脂発泡成形体および樹脂発泡成形体の試験片(試験片寸法;長さ300mm、幅40mm、厚さ20mm)を作製した。曲げ強度測定は、島津製作所製 オートグラフ(AG−5000D)型を用いて行い、厚さ方向に荷重を掛けることで曲げ強度(MPa)を計測した。
(3)ポリアミド発泡成形体の比容
ポリアミド樹脂発泡成形体を直方体に切り出したのち、質量W(g)を測定した。体積V(cc)を算出し、V/W(cc/g)を比容とした。
(4)ポリアミド発泡成形体の充填欠陥
ポリアミド樹脂発泡成形体の面(100mm×100mm)内に発泡ビーズが充填されない空隙欠陥をマイクロスコープで撮影し、空隙欠陥の面積を画像ソフトにより算出した。画像ソフトはImageJ1.48v(フリーウェア Version1.46 開発者 Wayne Rasband 2014年7月10日)を使用した。欠陥面積(S)を算出し、円形と近似した場合の直径d=2(S/3.14)1/2を求めた。
空隙面積が1mm2以上の空隙が3個以上あるものを「充填不良あり」、1個〜2個のものを「充填不良わずかにあり」、欠陥が認められなかったものを「充填不良なし」とした。
縦:300mm、横:300mm、厚み:20mmの板状の発泡成形体の表面にカッターナイフを用いて縦に2等分するように5mmの深さの切り込み線を入れ、この線に沿って発泡成形体を分割した。この分割面に現れた予備発泡粒子に関して、予備発泡粒子が粒子内で破断している(予備発泡粒子が分割面により破壊されている)ものの数(a)と、予備発泡粒子同士の界面に沿って破断している(予備発泡粒子同士の界面が分割面になっている)ものの数(b)とを測定し、下記式(1)に従って融着率(%)を算出した。
融着率(%)={a/(a+b)}×100 ・・・(1)
(6)ポリアミド予備発泡粒子の平均粒子径D1(mm)
100gのポリアミド予備発泡粒子を、JIS Z8801で規定される呼び寸法がd1=5.6mm、d2=4.75mm、d3=4mm、d4=3.35mm、d5=2.36mm、d6=1.7mm、d7=1.4mm、d8=1mmである標準ふるいを用いて分級を行い、ふるいdiを通過して、ふるいdi+1で止まる粒子の重量割合をXi、全粒子集合体の平均粒子径D1を次式により求めた。
D1=ΣXi(di・di+1)1/2
(iは1〜7の整数を表す)
ポリポリアミド予備発泡粒子の中心を割断した面を走査型電子顕微鏡により撮影した。独立気泡のセル面積の算出については、SEM像から画像ソフトを使って求めた。画像ソフトはImageJ1.48v(フリーウェア Version1.46 開発者 Wayne Rasband 2014年7月10日)を使用した。30個の独立気泡面積(S)を算出し、円形と仮定した場合の直径d=2(S/3.14)1/2をそれぞれの独立気泡について求め、30個の加算平均値をポリアミド予備発泡粒子の平均独立気泡径(D2)とした。
示差走査熱量計(DSC)(日立ハイテクサイエンス社製「EXSTAR DSC7020」)を用いて、ポリアミド予備発泡粒子の最大吸熱ピークのピーク温度及び幅を測定した。ポリアミド予備発泡粒子の表面付着水及び/又は表面付着エタノールを除去した後、ポリアミド予備発泡粒子をアルミニウム製密閉容器に充填し、50mL/分の窒素気流中で測定した。具体的には、ポリアミド予備発泡粒子を10℃/分にて30℃から280℃に昇温し、その熱量変化を測定することでDSC曲線を得た。
得られたDSC曲線において、測定開始からの最大の吸熱量を示す最大吸熱ピークのピークトップの温度(℃)を計測した。また、DSC曲線において、最大吸熱ピークより高温側における融解終了後のDSC曲線を近似した直線をベースラインとし、最大吸熱ピークの低温側の変曲点における接線とベースラインとの交点の温度である補外融解開始温度と、最大吸熱ピークの高温側の変曲点における接線とベースラインとの交点の温度である補外融解終了温度との差に相当する最大吸熱ピークの幅(℃)を求めた。
ポリアミド6/66樹脂(2430A、(株)DSM製、20℃における表面張力46mN/m、表中「PA6/66」と表記する)タルク0.8%を、押出し機を用いて溶融し、押し出しダイから吐出させたストランドを水中下でペレタイズし、平均粒子径1.4mmのペレットを得た。このペレットの融点は193℃であった。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み12時間吸収させた。次いで炭酸ガス含浸ペレットを発泡装置に移し、200℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド予備発泡粒子は、中実の球状の断面形状の4.0倍の発泡倍率を有し、平均粒子径は2.2mmであり、独立気泡の平均径は0.15mmであり、含水率は1.5%、表面付着水は0%であった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に30分浸漬したのち、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は12%、表面付着水率は7.0%で平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.4(cc/g)であり、曲げ強度は4.5MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は7.4%、表面付着水率は7.5%で、平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmあった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.4(cc/g)であり、曲げ強度は4.5MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に3分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は6.3%、表面付着水率は7.5%で、平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmあった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.2(cc/g)であり、曲げ強度は3.8MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に1分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド発泡粒子を得た。この発泡粒子の含水率は4.5%、表面付着水率は5.2%で、平均粒子径(D1)は2.2mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmあった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.0(cc/g)であり、曲げ強度は3.5MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を23℃55%の恒温恒湿室に48時間以上保管し、含水率を測定した結果、含水率は3.5%、表面付着水は0%で、平均粒子径(D1)は2.2mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmあった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は4.8(cc/g)であり、曲げ強度は3.0MPaであった。この成形体は、成形体の発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を23℃55%の恒温恒湿室に12時間保管し、含水率を測定した結果、含水率は3.0%、表面付着水は0%で、平均粒子径(D1)は2.2mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmあった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は4.8(cc/g)であり、曲げ強度は2.8MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は7.5%、表面付着水率は15%で、平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.5(cc/g)であり、曲げ強度は4.3MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥が多数みられた。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で1分脱水処理をし、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は7.5%、表面付着水率は11%で、平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.4(cc/g)であり、曲げ強度は4.3MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がわずかにみられた。
[ポリアミド予備発泡粒子の製造例(A−2)]
ポリアミド6/66樹脂(2430A、(株)DSM製、20℃における表面張力46mN/m、表中「PA6/66」と表記する)タルク0.5%を、押出し機を用いて溶融し、押し出しダイから吐出させたストランドを水中下でペレタイズし、平均粒子径1.4mmのペレットを得た。このペレットの融点は193℃であった。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み12時間吸収させた。次いで炭酸ガス含浸ペレットを発泡装置に移し、200℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド予備発泡粒子は、中実の球状の断面形状の3.5倍の発泡倍率を有し、平均粒子径は2.0mmであり、独立気泡の平均径は0.25mmであり、含水率は1.5%、表面付着水は0%であった。
製造例(A−2)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。この発泡粒子の含水率は7.7%、表面付着水率は7.0%で平均粒子径(D1)は2.1mm、独立気泡の平均径(D2)は0.25mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は4.8(cc/g)であり、曲げ強度は3.3MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
[ポリアミド予備発泡粒子の製造例(A−3)]
ポリアミド6/66樹脂(2430A、(株)DSM製、20℃における表面張力46mN/m、表中「PA6/66」と表記する)タルク0.1%を、押出し機を用いて溶融し、押し出しダイから吐出させたストランドを水中下でペレタイズし、平均粒子径1.4mmのペレットを得た。このペレットの融点は193℃であった。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み12時間吸収させた。次いで炭酸ガス含浸ペレットを発泡装置に移し、200℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド予備発泡粒子は中実の球状の断面形状の3.5倍の発泡倍率を有し、平均粒子径は2.0mmであり、独立気泡の平均径は0.4mmであり、含水率は1.5%、表面付着水は0%であった。
製造例(A−3)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。この発泡粒子の含水率は7.5%、表面付着水率は7.4%で、平均粒子径(D1)は2.1mm、独立気泡の平均径(D2)は0.4mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は4.5(cc/g)であり、曲げ強度は3.0MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
[ポリアミド予備発泡粒子の製造例(A−4)]
ポリアミド6/66樹脂(2430A、(株)DSM製、20℃における表面張力46mN/m、表中「PA6/66」と表記する)タルク0.8%を、押出し機を用いて溶融し、異形押し出しダイから吐出させたストランドを水中下でペレタイズし、平均粒子径1.4mmのペレットを得た。このペレットの融点は193℃であった。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み12時間吸収させた。次いで炭酸ガス含浸ペレットを発泡装置に移し、200℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド予備発泡粒子は、図1(c)記載の断面形状の3.8倍の発泡倍率を有し、平均粒子径は2.2mmであり、独立気泡の平均径は0.18mmであり、含水率は1.5%、表面付着水は0%であった。
製造例(A−4)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は9.5%、表面付着水率は9.0%、平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.18mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド発予備泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.2(cc/g)であり、曲げ強度は3.8MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、30℃に加温されたエタノール中に240分浸漬したのち、エタノールを浸漬したポリアミド予備発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子表面のエタノールを不織布で除去した。ポリアミド予備発泡粒子の含エタノール率は9.5%であった。また、平均粒子径(D1)は2.2mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.0(cc/g)であり、曲げ強度は3.0MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、30℃に加温されたエタノールと水の比率が50:50の混合溶媒中に240分浸漬し、ポリアミド予備発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子表面の水とエタノールを不織布で除去したのち、GC―MSにて水とエタノールの含有量を定量した。ポリアミド予備発泡粒子の含エタノール率は6%、含水率は7%であった。また、平均粒子径(D1)は2.2mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は5.2(cc/g)であり、曲げ強度は4.3MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
[ポリアミド予備発泡粒子の製造例(A−5)]
ポリアミド6樹脂(1022B、(株)宇部興産製、20℃における表面張力46mN/m、表中「PA6」と表記する)にタルク0.8%を、押出し機を用いて溶融し、押し出しダイから吐出させたストランドを水中下でペレタイズし、平均粒子径1.4mmのペレットを得た。このペレットの融点は224℃であった。得られたペレットを10℃の圧力釜に投入し、4MPaの炭酸ガスを吹き込み12時間吸収させた。次いで炭酸ガス含浸ペレットを発泡装置に移し、240℃の空気を20秒間吹き込み、ポリアミド発泡粒子の集合体を得た。得られたポリアミド予備発泡粒子は、中実の球状の断面形状の2.9倍の発泡倍率を有し、平均粒子径は2.0mmであり、独立気泡の平均径は0.10mmであり、含水率は1.5%、表面付着水は0%であった。
製造例(A−5)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に5分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド発泡粒子を得た。このポリアミド予備発泡粒子の含水率は11.0%、表面付着水率は7.0%、平均粒子径(D1)は2.0mm、独立気泡の平均径(D2)は0.10mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に140℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に150℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は4.1(cc/g)であり、曲げ強度は2.8MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に105℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に116℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は4.8(cc/g)であり、曲げ強度は2.5MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−1)のポリアミド予備発泡粒子を通水性の不織布の袋に入れ、50℃に加温された恒温水槽に60分浸漬したのち、脱水機で1000rpm/分で3分脱水処理をし、含水したポリアミド予備発泡粒子を得た。この発泡粒子の含水率は15.4%、表面付着水率は7.5%で、平均粒子径(D1)は2.3mm、独立気泡の平均径(D2)は0.15mmであった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
製造例(A−5)のポリアミド予備発泡粒子を23℃55%の恒温恒湿室に48時間以上保管し、含水率を測定した結果、含水率は3.5%、表面付着水は0%で、平均粒子径(D1)は2.0mm、独立気泡の平均径(D2)は0.10mmあった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に140℃の飽和水蒸気を10秒間供給し、その後、キャビティ内に150℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は3.8(cc/g)であり、曲げ強度は0.5MPaであった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
製造例(A−5)のポリアミド予備発泡粒子を23℃55%の恒温恒湿室に48時間以上保管し、含水率を測定した結果、含水率は3.5%、表面付着水は0%で、平均粒子径(D1)は2.0mm、独立気泡の平均径(D2)は0.10mmあった。
得られたポリアミド予備発泡粒子をオートクレーブ中に封入し、オートクレーブ内の圧力が0.4MPaとなるまで、圧縮空気を1時間かけて導入し、その後、圧力を0.4MPaに24時間保持することによって、ポリアミド予備発泡粒子に加圧処理を施した。
加圧処理したポリアミド予備発泡粒子を、型内成形金型のキャビティ(キャビティ寸法は、縦:300mm、横:300mm、高さ:25mm)内に充填し、その後、型締めした。そして、この金型を型内発泡成形機に取り付けた。
その後、キャビティ内に140℃の飽和水蒸気を45秒間供給し、さらに、キャビティ内に150℃の飽和水蒸気を30秒間供給して、ポリアミド予備発泡粒子を発泡させ、且つ熱融着させることによって、ポリアミド予備発泡粒子を発泡体へ成形した。金型のキャビティ内に冷却水を供給することによって、得られた発泡体を冷却し、その後、型開きを行い、ポリアミド発泡成形体を取り出した。このポリアミド発泡成形体の乾燥後の比容は3.8(cc/g)であり、曲げ強度は2.8MPa、融着率は90%であった。この成形体は、発泡粒子充填不良による欠陥がみられなかった。
また、キャビティ内に140℃の飽和水蒸気を45秒間供給した後、成形を中止し、型の中で吸水したポリアミド発泡粒子を取り出して、表面付着水を除去した後、吸水率を分析した結果、含水率は7.5%であった。また、DSC測定の結果、最大吸熱ピークのピーク温度が195℃、最大吸熱ピークの幅が32℃であった。
本発明のポリアミド発泡成形体は、その特徴を生かし、高温条件下で使用される断熱材や自動車部材、例えば、オイルパン、エンジンカバーやシリンダーヘッドカバー、その他カバー形状の部品、インテークマニホールド及びその集積部品、車体構造体、ダクト類、電装品ケース、電池ケース等に好適に用いることができる。また、本発明の特定構造のポリアミド発泡粒子から製造される連通空隙発泡成形体の用途例としては、軽量性と静音化が求められる自動車、電車、汽車などの車両および航空機などの駆動騒音低減に使用される部材が挙げられ、特に自動車エンジンカバー、エンジンカプセル、エンジンルームフード、変速機ケーシング、吸音カバー、電気自動車用モーターのケーシング、吸音カバー等の吸遮音部材用途に特に好適に使用できる。
B 高温側のDSC曲線とベースラインとの交点
C 最大吸熱ピークの低温側の変曲点における接線とベースラインとの交点
D 最大吸熱ピークの高温側の変曲点における接線とベースラインとの交点
CT 補外融解開始温度
DT 補外融解終了温度
PT 最大吸熱ピークのピーク温度
Claims (15)
- 示差走査熱量計を用いて、昇温速度10℃/分の条件下で30℃から280℃まで昇温した際に得られるDSC曲線において、最大吸熱ピークのピーク温度が150℃以上275℃以下であり、
前記最大吸熱ピークより高温側における融解終了後のDSC曲線を近似した直線をベースラインとし、前記最大吸熱ピークの低温側の変曲点における接線と前記ベースラインとの交点の温度である補外融解開始温度と、前記最大吸熱ピークの高温側の変曲点における接線と前記ベースラインとの交点の温度である補外融解終了温度との差に相当する前記最大吸熱ピークの幅が、30℃以上80℃以下であることを特徴とする、ポリアミド予備発泡粒子。 - 粒子内に水を4.5質量%以上15質量%以下の割合で含有している、請求項1に記載のポリアミド予備発泡粒子。
- 平均粒子径(D1)と独立気泡の平均径(D2)の比で表されるD1/D2が6.0以上である、請求項1または2に記載のポリアミド予備発泡粒子。
- 前記ポリアミドがポリアミド6/66である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子。
- 中空部または凹外形部を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子。
- 表面付着水の量が14%以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子。
- 表面付着水の量が、粒子内の含水量よりも少ない、請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子が互いに融着していることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子を加熱融着させることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子に水を3質量%以上15質量%以下の割合で含ませる含水処理を行った後、ポリアミド予備発泡粒子を加熱融着させることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体の製造方法。
- 前記含水処理が、40℃以上の温水に浸漬する工程である、請求項10に記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
- 含水処理時間が30分以下である、請求項10または11に記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
- ポリアミド予備発泡粒子に含水処理を行った後、表面付着水量が14%以下となるように表面付着水を除去する工程を有する、請求項10〜12のいずれか1項に記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
- ポリアミド予備発泡粒子に含水処理を行った後、表面付着水量が含水量よりも少なくなるように表面付着水を除去する工程を有する、請求項13に記載のポリアミド発泡成形体の製造方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポリアミド予備発泡粒子を、型内に充填し、成形温度を100℃以上として、前記成形温度−5℃以下の温度の飽和水蒸気によって1秒以上10秒以下加熱した後、前記成形温度の飽和水蒸気によって加熱融着させることを特徴とする、ポリアミド発泡成形体の製造方法。
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