JP6954734B2 - 緩衝材 - Google Patents

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Description

本発明は、各種の物品(特に、包装箱の中に入れられて運送あるいは保管等される物品)が損傷しないように保護するための緩衝材に関する。
多くの場合、物品は、これが運送あるいは保管されるにあたって、段ボール等の包装箱の中に入れられる。このとき、物品を保護するために、物品と包装箱の間の隙間に緩衝材を入れるということが一般に行われている。この緩衝材は、当該隙間を埋めて包装箱の中で物品が動かないようにするという役割と、包装箱に衝撃が加わった場合にその衝撃を吸収するという役割とを担っている。
従来においては、例えば、気泡を含ませたポリスチレン(所謂、発泡スチロール)を物品と包装箱の隙間の形状に成型してこれを当該隙間に配置したり、発泡スチロールを小さな粒状(あるいは、紐状)に成型してこれを当該隙間に充填したりすることで、物品の保護を図っていた。
しかしながら、近年においては、発泡スチロール製の緩衝材は、嵩高くリサイクルに手間がかかる、また、廃棄焼却する際に黒煙を発生して大気汚染の原因になる、等の理由から敬遠されることが多くなってきており、発泡スチロール以外の材料で形成された緩衝材が好んで用いられる傾向がある。
発泡スチロール以外の材料で形成された緩衝材として、例えば特許文献1には、段ボールで形成された緩衝材が提案されている。ここでは、段ボールを蛇腹状に折り曲げることにより緩衝材を形成し、段ボールが蛇腹方向に伸びようとする力(復元力)を利用して包装箱内で物品が動かないように固定し、段ボールの中芯の波形状(フルート)、および、蛇腹の伸縮(すなわち、蛇腹構造の変形)でもって外部からの衝撃を吸収している。
特開2001-58675号公報
特許文献1に記載の緩衝材は、一枚の段ボールを蛇腹状に折り曲げることにより形成されている。ところが、このような緩衝材は、それ1個だけでは物品を固定する力も衝撃を吸収する能力も十分であるとは言えず、十分な物品の保護性能を得られない。したがって、実際は、特許文献1の図4〜図11に示されているように、一枚の段ボールを蛇腹状に折り曲げたパーツを複数個組み合わせて緩衝材を形成する必要がある。
本発明が解決しようとする課題は、簡単に作製することができ、かつ、十分な物品の保護性能を有する緩衝材を提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明に係る緩衝材は、
一枚のシートから成り、また、互いに隣接する第1蛇腹領域、第2蛇腹領域、および、両蛇腹領域の間に設けられた遷移領域を含み、
該遷移領域にジグザグ状の谷折り線であるジグザグ折り線が設けられており、該ジグザグ折り線の各頂点において前記第1蛇腹領域の谷折り線が前記第2蛇腹領域の山折り線に、前記第1蛇腹領域の山折り線が前記第2蛇腹領域の谷折り線に、それぞれ折り返されている、という構成を有する。
この構成に係る緩衝材は、一枚のシートから成るため、第1蛇腹領域と第2蛇腹領域(および、当然に、その間の遷移領域)を広げた状態では平面状となっているが、第1蛇腹領域と第2蛇腹領域を縮ませると、遷移領域に設けられたジグザグ折り線も谷折りに折れ、その結果、縮んだ第1蛇腹領域と縮んだ第2蛇腹領域は、遷移領域を間にして角度をもつようになる。このように、角度をもって連なった2個の蛇腹領域からなる緩衝材は、例えば1個の蛇腹領域のみからなる緩衝材と比べて、物品を固定する力も衝撃を吸収する能力も大きいので、単体で用いても、十分な物品の保護性能を得ることができる。
特にここでは、遷移領域にジグザグ折り線が設けられ、その各頂点において一方の蛇腹領域の谷折り線が他方の蛇腹領域の山折り線に折り返される。この構成によると、一枚のシートを、複雑な切れ目や折り込みを必要とせずに簡単に、角度をもって連なった2個の蛇腹領域を有する形状とすることができる。
また、この構成に係る緩衝材は、第1蛇腹領域および第2蛇腹領域の縮み幅が大きくなるにつれて、第1蛇腹領域と第2蛇腹領域とがなす角度が小さくなる。つまり、当該縮み幅を調整することによって、当該角度を任意のものとすることができる。例えば、当該縮み幅を調整して当該角度を約90°にすることで、包装箱のコーナー部分における隙間(包装箱と物品の隙間)を埋めることができる。すなわち、一般に、物品が入れられる包装箱は直方体であるところ、緩衝材の当該角度を約90°に調整すれば、各蛇腹領域の間の遷移領域を包装箱のいずれかの辺に沿わせるとともに、各蛇腹領域を包装箱の当該辺を挟んだ二つの面のそれぞれに沿わせるように配置することで、包装箱のコーナー部分における隙間を埋めることができる。
また、この緩衝材は、その遷移領域を底にして平坦な載置面にV状態で置いたときに、ジグザグ折り線において載置面と当接することにより、安定して自立することができる。したがって、この緩衝材は、例えば、円柱状の物品を保管、運搬等する場合の台座としても用いることができる。
ただし、上記の緩衝材において、第1蛇腹領域(あるいは、第2蛇腹領域)に隣接して、さらなる蛇腹領域(第3蛇腹領域)が設けられてもよい。つまり、緩衝材は、3個以上の蛇腹領域を含んでもよい。この場合も、隣り合う蛇腹領域の間には遷移領域が設けられ、ここに山折り(あるいは、谷折り)のジグザグ折り線が設けられる。そして、該ジグザグ折り線の各頂点において一方側の蛇腹領域の谷折り線がこれに隣接する他方側の蛇腹領域の山折り線に、当該一方側の蛇腹領域の山折り線が他方側の蛇腹領域の谷折り線に、それぞれ折り返される。なお、蛇腹領域を3個連接する場合、最初と最後の蛇腹領域は同じ方向(すなわち、全体として「コ」字状)であってもよいし、反対方向(すなわち、全体として「Z」字状)であってもよい。
また、上記の緩衝材において、各蛇腹領域は矩形(例えば、長方形)であってもよいし、矩形以外の形状(例えば、三角形)であってもよい。また、各蛇腹領域は互いに同じ形状であってもよいし、異なる形状であってもよい。
また、上記の緩衝材において、ジグザグ折り線は谷折り線であるとしているが、当然のことながら、シートの一方の面から見て谷折りの線は他方の面から見ると山折り線となる。つまり、ジグザグ折り線は、その折りの向きはどちらでもよく、折りの向きが途中で山折りから谷折りに換わることなく、その全体に亘って同じ向きに折られた折り線であればよい。
好ましくは、
前記山折り線と前記谷折り線のうちの一方が、折り線に沿う罫線により折り目付けされており、他方が、折り線に沿う切り込みにより折り目付けされている。
切り込みによる折り目付けは、折り曲げたときに切り込みの端面が引っかかり合う形になるので、罫線による折り目付けに比べて、折り形状が強く維持される。ここでは、蛇腹を形成する各折り線が、切り込みと罫線の二種類の折り目付けで折られており、前者の折り目付けで蛇腹形状が維持され、後者の折り目付けで蛇腹が伸びようとする力(復元力)が担保される。したがって、この緩衝材においては、蛇腹形状を維持しつつ十分な復元力が保たれるので、物品を固定する力と衝撃を吸収する能力の両方が十分に大きくなる。
特に、前記シートが段ボールである場合、切り込みによる折り目付け(所謂、リード罫)によると、段ボールのフルートの山・谷の位置に影響を受けずに所望する位置に正確に折り形状を形成することができる。これによって、例えば、等ピッチに整った蛇腹構造を形成することができる。
好ましくは、
前記シートが段ボールである。
段ボールは強度が高く、それ自身が緩衝性を有する紙である。したがって、この構成によると、物品の保護性能が特に高い緩衝材を得ることができる。
この発明に係る緩衝材は、遷移領域にジグザグ折り線が設けられ、その各頂点において一方の蛇腹領域の谷折り線が他方の蛇腹領域の山折り線に折り返されるので、一枚のシートを、複雑な切れ目や折り込みを必要とせずに簡単に、角度をもって連なった2個の蛇腹領域を有する形状とすることができる。このように、角度をもって連なった2個の蛇腹領域からなるので、物品を固定する力も衝撃を吸収する能力も大きい。したがって、単体で用いても、十分な物品の保護性能を得ることができる。
段ボールの平面図。 折り目付けの態様を説明するための図。 緩衝材の斜視図。 緩衝材の側面図。 緩衝材の縮み幅が異なる状態を示す図。 緩衝材の第1の使用態様を説明するための図。 緩衝材の第2の使用態様を説明するための図。 緩衝材の第3の使用態様を説明するための図。 緩衝材の第4の使用態様を説明するための図。 ジグザグ折り線の折れ曲がりの角度と、緩衝材において各蛇腹領域がなす角度の関係を示す図。
以下、添付の図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<1.緩衝材10の作製の態様>
実施形態に係る緩衝材10は、一枚のシート(ここでは例えば、一枚の段ボール)1を折ることによって作製される。緩衝材10を作製する態様について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は、段ボール1の平面図である。図1においては、段ボール1の幅方向を説明するために、一部のライナーが切り欠かれて表されている。図2は、折り目付けの態様を説明するための図である。図3は、出来上がった緩衝材10の斜視図である。図4は、当該緩衝材10の側面図である。図5は、当該緩衝材10の縮み幅が異なる状態を示す図である。
工程S1:まず、一枚の段ボール1を準備する。段ボール1は、周知の通り、波状に加工した紙(中芯)を一対の平坦な紙(ライナー)で挟んだ構造を有している。以下において、段ボール1の中空部分の延在方向を「幅方向」と呼び、これと直交する方向を「流れ方向」と呼ぶ。ここでは、段ボール1は、流れ方向が長尺方向に一致するような長方形とされる。この場合、出来上がった緩衝材10において、後述する各蛇腹領域11,12の伸縮方向が段ボール1の流れ方向と一致することになる。もっとも、段ボール1は、幅方向が長尺方向に一致するような長方形であってもよく、この場合は、出来上がった緩衝材10において、各蛇腹領域11,12の伸縮方向が段ボール1の幅方向と一致することになる。
工程S2:次に、段ボール1の表面に折り線を規定し、各折り線の折り目付けを行う。
ここでは、段ボール1の流れ方向(ここでは、長尺方向)に沿う一対の辺のうちの一方側に第1蛇腹領域11が、他方側に第2蛇腹領域12が、互いに隣接して設けられる。第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12とは段ボール1を略二等分割する領域となっていることが好ましい。
第1蛇腹領域11および第2蛇腹領域12のそれぞれには、蛇腹を形成するための山折り線2aおよび谷折り線2bが設けられる。各折り線2a,2bは段ボール1の幅方向に沿って延在し、山折り線2aと谷折り線2bとが段ボール1の流れ方向に沿って等間隔で交互に配列される。
第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12との間には、遷移領域13が設けられる。遷移領域13には、段ボール1の流れ方向に沿って延在するジグザグ折り線3が設けられる。ジグザグ折り線3は、各蛇腹領域11,12の折り線2a,2bの形成位置で折れ曲がったジグザグ状の谷折り線であり、ジグザグ折り線3の各頂点4において第1蛇腹領域11の山折り線2aが第2蛇腹領域12の谷折り線2bに折り返され、当該各頂点4において、第1蛇腹領域11の谷折り線2bが第2蛇腹領域12の山折り線2aに折り返される。
なお、ここでいう遷移領域13は、ジグザグ折り線3の頂点4を一つ飛ばしにつなぐ一対の平行線13a,13bの間の領域を指している。つまり、遷移領域13の一部分(ジグザグ折り線3の一方側)は、第1蛇腹領域11と重なる領域となっており、残りの部分(ジグザグ折り線3の他方側)は、第2蛇腹領域12と重なる領域となっている。
ジグザグ折り線3の折れ曲がり角度θ1は、例えば、約90°とする。すなわち、山折り線2aと谷折り線2bの間隔d1と遷移領域13の幅d2とが等しくなるように(d1=d2)、折れ曲がり角度θ1を規定する。折れ曲がり角度θ1を約90°としておけば、各折り線2a,2b,3にしたがって段ボール1を折り曲げたときに、安定した蛇腹構造が形成される。
各蛇腹領域11,12の山折り線2aは、折り線に沿う切り込み5により折り目付けされる(所謂、リード罫)。切り込み5は、段ボール1の表面から裏面へ貫通して設けられる切れ目である。山折り線2aがある程度以上の長さをもつものである場合、山折り線2aは、複数の切り込み5が間隔をおいて間欠的に形成されることによって折り目付けされることが好ましい。また、切り込み5の端部は、ジグザグ折り線3の頂点4に達していることが好ましい。
一方、各蛇腹領域11,12の谷折り線2bおよびジグザグ折り線3は、折り線に沿う罫線6により折り目付けされる。罫線6は、具体的には、段ボール1を折り線に沿って線状に押しつぶして肉厚を圧縮することにより形成される。
工程S3:次に、工程S2で折り目付けされた各折り線2a,2b,3にしたがって段ボール1を折り曲げる。すなわち、山折り線2aを山折りするとともに谷折り線2bを谷折りして第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12を縮ませる。すると、遷移領域13に設けられたジグザグ折り線3も谷折りに折れ、その結果、縮んだ第1蛇腹領域11と縮んだ第2蛇腹領域12は、遷移領域13を間にして屈曲角度θ2をもつようになる。これによって、図3、図4に示されるように、遷移領域13を介して屈曲角度θ2をもって連なった2個の蛇腹領域11,12からなる緩衝材10が形成される。ただし、ここでいう「屈曲角度θ2」とは、第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12がなす角度であり、具体的には、ジグザグ折り線3の頂点4において折り返された第1蛇腹領域11の谷折り線2bと第2蛇腹領域12の山折り線2aとがなす角度である。
第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12とがなす屈曲角度θ2は、蛇腹領域11,12を縮ませる度合い(縮み幅)に応じて変化する。すなわち、蛇腹領域11,12を大きく縮ませるほど、屈曲角度θ2は小さくなる。
図5には、緩衝材10の縮み幅が異なる状態が示されている。図5(a)、図5(b)、図5(c)の各図は、同じ緩衝材10において縮み幅を異なるものとした各状態を、図3の矢印A方向および矢印B方向のそれぞれから見た図を並置したものである。
図5(b)に示されるように、蛇腹領域11,12の縮み幅を調整することによって、屈曲角度θ2を約90°とすることができる。また、図5(b)の状態から緩衝材10をさらに縮めて縮み幅を大きくすることによって、図5(c)に示されるように、屈曲角度θ2を90°よりも小さくすることができる。逆に、図5(b)の状態から緩衝材10を伸ばして縮み幅を小さくすることによって、図5(a)に示されるように、屈曲角度θ2を90°よりも大きくすることができる。
この緩衝材10は、屈曲角度θ2をもって連なった2個の蛇腹領域11,12からなるので、例えば1個の蛇腹領域のみからなる緩衝材と比べて、物品を固定する力も衝撃を吸収する能力も大きい。したがって、単体で用いても、十分な物品の保護性能を得ることができる。
また、この緩衝材10は、一枚の段ボール1から成るため、第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12(および、当然に、その間の遷移領域13)を広げた状態では平面状となっている。したがって、緩衝材10を運搬したり保管したりする際には当該平面状としておくことで、保管時の省スペース化、搬送コストの低減、等が実現される。
特にここでは、遷移領域13にジグザグ折り線3が設けられ、その各頂点4において一方の蛇腹領域11,12の山折り線2aが他方の蛇腹領域12,11の谷折り線2bに折り返される。この構成によると、一枚の段ボール1を、複雑な切れ目や折り込みを必要とせずに簡単に、角度をもって連なった2個の蛇腹領域11,12を有する形状とすることができる。
また、ここでは、蛇腹を形成する各折り線2a,2bが、切り込み5と罫線6の二種類の折り目付けで折られている。切り込み5による折り目付けは、折り曲げたときに切り込みの端面が引っかかり合う形になるので、罫線6による折り目付けに比べて、折り形状が強く維持される。つまり、切り込み5による折り目付けで蛇腹形状が維持され、罫線6による折り目付けで蛇腹が伸びようとする力(復元力)が担保される。したがって、緩衝材10においては、蛇腹形状を維持しつつ十分な復元力が保たれるので、物品9を固定する力と衝撃を吸収する能力の両方が十分に大きくなる。
また、切り込み5による折り目付けによると、段ボール1の中芯の波(フルート)の山・谷の位置に影響を受けずに所望する位置に正確に折り形状を形成することができる。これによって、例えば、蛇腹領域11,12に等ピッチに整った蛇腹構造を形成することができる。
また、段ボール1は強度が高く、それ自身が緩衝性を有する紙である。したがって、段ボール1を用いることで、物品の保護性能が特に高い緩衝材10を得ることができる。
<2.緩衝材10の使用の態様>
次に、緩衝材10の使用の態様の具体例について、図3〜図5に加え、図6〜図9を参照しながら説明する。図6〜図9は、緩衝材10の使用の態様を説明するための図である。
<i.第1の使用の態様>
物品9が包装箱(例えば、段ボール箱)90に入れられたときに、例えば図6(a)に示されるように、包装箱90の一つの面(図の例では側面)と物品9との間に隙間81が形成される場合がある。以下において、当該隙間81の、包装箱90の当該一つの側面の法線方向に沿う大きさ(すなわち、物品9の側面とこれと隙間81を挟んで対向する包装箱90の側面との離間距離)dを「隙間81の長さ」とも呼ぶ。
緩衝材10は、図6(b)に示されるように、このような隙間81を埋めるのに用いることができる。この場合、各蛇腹領域11,12の伸縮方向の長さ(外力が付加されない自然状態の長さ)が、隙間81の長さdよりも十分に大きい緩衝材10を準備し、当該緩衝材10を、蛇腹領域11,12を縮めた状態で、その伸縮方向を隙間81の長さ方向に沿わせるようにして、当該隙間81に入れる。
そうすると、緩衝材10の蛇腹領域11,12が蛇腹方向に伸びて、伸縮方向の両端部のうちの一方が物品9の側面に当接し、他方が包装箱90の側面に当接した状態となる。これによって、包装箱90の中で物品9が動かないように固定され、物品9の損傷が防がれる。また、包装箱90に衝撃が加わった場合に、蛇腹領域11,12が蛇腹の伸縮方向に伸縮することでその衝撃を吸収し、これによって物品9の損傷が防がれる。
<ii.第2の使用の態様>
物品9が包装箱90に入れられたときに、例えば図7(a)に示されるように、包装箱90における、ある辺(以下「対象となる辺」とも呼ぶ)を挟んで隣り合う二つの面(図の例では、上面(蓋面)と側面)と物品9との間に隙間(コーナー部分の隙間)82が形成される場合がある。
緩衝材10は、図7(b)に示されるように、このような隙間82を埋めるのに用いることができる。緩衝材10は、上述したとおり、各蛇腹領域11,12の縮み幅に応じて、第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12とがなす屈曲角度θ2が変化する(図5参照)。つまり、当該縮み幅を調整することによって、屈曲角度θ2を任意のものとすることができる。そこでこの使用の態様においては、例えば、緩衝材10の当該縮み幅を調整して屈曲角度θ2を約90°にする(図5(b)に示される状態)。そして、緩衝材10を、その遷移領域13を包装箱90の対象となる辺に沿わせるとともに、各蛇腹領域11,12を包装箱90の当該辺を挟んだ二つの面のそれぞれに沿わせるように配置して、コーナー部分の隙間82に入れる。
そうすると、対象となる辺を挟んだ二つの面(図の例では、上面と側面)のうちの一方の面と物品9との隙間が、一方の蛇腹領域11で埋められるとともに、他方の面と物品9との隙間が、他方の蛇腹領域12で埋められる。つまり、包装箱90における二つの面と物品9との隙間が一度に埋められる。当該二つの面のそれぞれと物品9との間に、緩衝材10の各蛇腹領域11,12が配置されることによって、包装箱90の中で物品9が動かないように固定され、物品9の損傷が防がれる。また、包装箱90に衝撃が加わった場合に、各蛇腹領域11,12がその衝撃を吸収し、これによって物品9の損傷が防がれる。
<iii.第3の使用の態様>
緩衝材10は、例えば図8に示されるように、円柱状の物品9を、保管、運搬等する場合の保護部材として用いることもできる。
例えば円柱状の物品9を包装箱90(図示省略)に入れて保管、運搬等する場合、物品9を包装箱90に入れる前に、緩衝材10を、その遷移領域13を下にしてV状態で包装箱90の中に置く。この状態において、緩衝材10は、ジグザグ折り線3において包装箱90の底面と当接することにより、安定して自立することができる。そして、図8(a)に示されるように、当該緩衝材10の上に、円柱状の物品9を寝かした状態で載置する。
そうすると、包装箱90の底面と円柱状の物品9との間にある緩衝材10が台座として機能し、包装箱90の中で物品9が転動しにくくなり、物品9の損傷が防がれる。また、包装箱90に衝撃が加わった場合に、緩衝材10の各蛇腹領域11,12がその衝撃を吸収し、これによって物品9の損傷が防がれる。
緩衝材10は、その縮み幅が大きくなる(つまり、屈曲角度θ2が小さくなる)ほど、各蛇腹領域11,12において単位長さに含まれる山の数が多くなり(すなわち、山の密度が大きくなり)、強度が高まる。したがって、この使用の態様において、例えば、物品9の重量が比較的大きい場合は、緩衝材10を比較的大きく縮めて用い、物品9の重量が比較的小さい場合は、緩衝材10を比較的小さく縮めて用いればよい。
好ましくは、図8(b)に示されるように、緩衝材10の上に載置された円柱状の物品9の上に、もう一つの緩衝材10を逆V状態で乗せて、物品9を一対の緩衝材10で挟むようにする。この場合、上側の緩衝材10は、その遷移領域13において、包装箱90の上面(蓋面)と当接することが好ましい。この構成によると、包装箱90の上面と物品9との間の隙間が、上側の緩衝材10によって埋められることになる。したがって、包装箱90の中で物品9がさらに転動しにくくなり、物品9の損傷が特に有効に防がれる。また、包装箱90に上方からの衝撃が加わった場合に、上側の緩衝材10の各蛇腹領域11,12がその衝撃を吸収し、これによって物品9の損傷が特に有効に防がれる。
<iv.第4の使用の態様>
緩衝材10は、例えば図9に示されるように、棒状の物品9を複数個、保管、運搬等する場合の保護部材として用いることもできる。
例えば、複数個の棒状の物品9を包装箱90(図示省略)に入れて保管、運搬等する場合、物品9を包装箱90に入れる前に、2個の緩衝材10を、一方の蛇腹領域(ここでは、例えば第2蛇腹領域12)を下にしたL状態で、互いに対向させて、包装箱90の中に置く。このとき、各緩衝材10の遷移領域13を、包装箱90の対向する底辺のそれぞれに沿わせるように配置することも好ましい。そして、図9に示されるように、一対の緩衝材10の間に、複数の棒状の物品9を寝かした状態で載置する。具体的には、各物品9の一方の端部が、一方の緩衝材10の第2蛇腹領域12におけるV状の部分(すなわち、2個の山折り線2aとそれに挟まれた1個の谷折り線2bとから構成されるV状の部分)に収容され、当該物品9の他方の端部が、他方の緩衝材10の第2蛇腹領域12におけるV状の部分に収容された状態とする。このようにして、複数個の物品9(蛇腹領域11の谷折り線2bの個数と同数個の物品9)を、互いに離間しつつ整列した状態で、包装箱90の中に収容することができる。
一対の緩衝材10の間に載置された複数の物品9は、緩衝材10の蛇腹領域12のV状の部分によって位置規制されるため、包装箱90の中で物品9が互いに接触することがなくなり、物品9の損傷が防がれる。また、包装箱90に衝撃が加わった場合に、各蛇腹領域11,12がその衝撃を吸収し、これによって各物品9の損傷が防がれる。
<3.変形例>
上記の実施形態において、第1蛇腹領域11(あるいは、第2蛇腹領域12)に隣接して、さらなる蛇腹領域(第3蛇腹領域)を設けてもよい。つまり、緩衝材10は、3個以上の蛇腹領域を含んでもよい。この場合も、隣り合う蛇腹領域には遷移領域13が設けられ、ここにジグザグ折り線3が設けられる。そして、該ジグザグ折り線3の各頂点4において一方側の蛇腹領域の谷折り線2bがこれに隣接する他方側の蛇腹領域の山折り線2aに、当該一方側の蛇腹領域の山折り線2aが他方側の蛇腹領域の谷折り線2bに、それぞれ折り返される。
上記の実施形態において、山折り線2aと谷折り線2bの間隔d1は、任意に規定することができる。当該間隔d1が小さいほど、各蛇腹領域11,12において単位長さに含まれる山の数が多くなり、緩衝材10の強度や物品保護性能が増す。したがって、例えば、緩衝材10を、比較的重い物品9の搬送あるいは保管に用いる場合は、当該間隔d1が小さい方が好ましい。
上記の実施形態では、ジグザグ折り線3は、段ボール1の幅方向についての中央付近であって、段ボール1を略二等分するような位置に形成されおり、これによって、各蛇腹領域11,12は、面積がほぼ等しい長方形となっていたが、ジグザグ折り線3の形成位置はこれに限らない。例えば、ジグザグ折り線3は、段ボール1の対角線に沿う位置に形成されてもよい。この場合、各蛇腹領域11,12は、面積がほぼ等しい三角形となる。
上記の実施形態において、ジグザグ折り線3の折れ曲がりの角度θ1は、上記に例示した値(約90°)に限られるものではなく、任意に規定することができる。図10には、ジグザグ折り線3の折れ曲がりの角度θ1が異なる緩衝材10a,10b,10cのそれぞれを、同じ縮み幅で縮ませた状態が示されている。ここに示されるように、縮み幅が同じであるとすると、ジグザグ折り線3の折れ曲がりの角度θ1が小さいものほど、屈曲角度θ2が大きくなる。
上記の実施形態では、ジグザグ折り線3は谷折り線であるとしているが、ジグザグ折り線3は山折り線であってもよい。つまり、ジグザグ折り線3は、その折りの向きはどちらでもよく、折りの向きが途中で山折りから谷折りに換わることなく、その全体に亘って同じ向きに折られた折り線であればよい。
上記の実施形態においては、緩衝材10を段ボール1から形成したが、緩衝材10の形成材料となるシートは必ずしも段ボールである必要はなく、例えば、厚紙であってもよい。
上記の実施形態においては、各蛇腹領域11,12における山折り線2aを間欠的な切り込み5により折り目付けし、谷折り線2bを罫線6により折り目付けしていたが、折り目付けの態様はこれに限らない。例えば、山折り線2aと谷折り線2bの両方を、間欠的な切り込み5により折り目付けしてもよいし、当該両方を罫線6により折り目付けしてもよい。
上記の実施形態においては、ジグザグ折り線3を罫線6により折り目付けしていたが、ジグザグ折り線3は間欠的な切り込み5により折り目付けしてもよい。
1…段ボール
10…緩衝材
11…第1蛇腹領域
12…第2蛇腹領域
13…遷移領域
2a…山折り線
2b…谷折り線
3…ジグザグ折り線
4…ジグザグ折り線の頂点
6…罫線
81,82…隙間
9…物品
90…包装箱

Claims (3)

  1. 一枚のシートから成り、また、互いに隣接する第1蛇腹領域、第2蛇腹領域、および、両蛇腹領域の間に設けられた遷移領域を含み、
    該遷移領域にジグザグ状の谷折り線であるジグザグ折り線が設けられており、該ジグザグ折り線の各頂点において前記第1蛇腹領域の谷折り線が前記第2蛇腹領域の山折り線に、前記第1蛇腹領域の山折り線が前記第2蛇腹領域の谷折り線に、それぞれ折り返されており、
    前記山折り線と前記谷折り線のうちの一方が、折り線に沿う罫線により折り目付けされており、他方が、折り線に沿う切り込みにより折り目付けされている、という構成を有する、
    緩衝材。
  2. 請求項1に記載の緩衝材であって、
    前記折り線に沿う切り込みが間欠的に設けられている、
    緩衝材。
  3. 請求項1または2に記載の緩衝材であって、
    前記シートが段ボールである、
    緩衝材。
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