JP2018070180A - 緩衝材 - Google Patents
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Abstract
Description
一枚のシートから成り、また、互いに隣接する第1蛇腹領域、第2蛇腹領域、および、両蛇腹領域の間に設けられた遷移領域を含み、
該遷移領域にジグザグ状の谷折り線であるジグザグ折り線が設けられており、該ジグザグ折り線の各頂点において前記第1蛇腹領域の谷折り線が前記第2蛇腹領域の山折り線に、前記第1蛇腹領域の山折り線が前記第2蛇腹領域の谷折り線に、それぞれ折り返されている、という構成を有する。
特にここでは、遷移領域にジグザグ折り線が設けられ、その各頂点において一方の蛇腹領域の谷折り線が他方の蛇腹領域の山折り線に折り返される。この構成によると、一枚のシートを、複雑な切れ目や折り込みを必要とせずに簡単に、角度をもって連なった2個の蛇腹領域を有する形状とすることができる。
また、この構成に係る緩衝材は、第1蛇腹領域および第2蛇腹領域の縮み幅が大きくなるにつれて、第1蛇腹領域と第2蛇腹領域とがなす角度が小さくなる。つまり、当該縮み幅を調整することによって、当該角度を任意のものとすることができる。例えば、当該縮み幅を調整して当該角度を約90°にすることで、包装箱のコーナー部分における隙間(包装箱と物品の隙間)を埋めることができる。すなわち、一般に、物品が入れられる包装箱は直方体であるところ、緩衝材の当該角度を約90°に調整すれば、各蛇腹領域の間の遷移領域を包装箱のいずれかの辺に沿わせるとともに、各蛇腹領域を包装箱の当該辺を挟んだ二つの面のそれぞれに沿わせるように配置することで、包装箱のコーナー部分における隙間を埋めることができる。
また、この緩衝材は、その遷移領域を底にして平坦な載置面にV状態で置いたときに、ジグザグ折り線において載置面と当接することにより、安定して自立することができる。したがって、この緩衝材は、例えば、円柱状の物品を保管、運搬等する場合の台座としても用いることができる。
前記山折り線と前記谷折り線のうちの一方が、折り線に沿う罫線により折り目付けされており、他方が、折り線に沿う切り込みにより折り目付けされている。
特に、前記シートが段ボールである場合、切り込みによる折り目付け(所謂、リード罫)によると、段ボールのフルートの山・谷の位置に影響を受けずに所望する位置に正確に折り形状を形成することができる。これによって、例えば、等ピッチに整った蛇腹構造を形成することができる。
前記シートが段ボールである。
実施形態に係る緩衝材10は、一枚のシート(ここでは例えば、一枚の段ボール)1を折ることによって作製される。緩衝材10を作製する態様について、図1〜図5を参照しながら説明する。図1は、段ボール1の平面図である。図1においては、段ボール1の幅方向を説明するために、一部のライナーが切り欠かれて表されている。図2は、折り目付けの態様を説明するための図である。図3は、出来上がった緩衝材10の斜視図である。図4は、当該緩衝材10の側面図である。図5は、当該緩衝材10の縮み幅が異なる状態を示す図である。
ここでは、段ボール1の流れ方向(ここでは、長尺方向)に沿う一対の辺のうちの一方側に第1蛇腹領域11が、他方側に第2蛇腹領域12が、互いに隣接して設けられる。第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12とは段ボール1を略二等分割する領域となっていることが好ましい。
第1蛇腹領域11および第2蛇腹領域12のそれぞれには、蛇腹を形成するための山折り線2aおよび谷折り線2bが設けられる。各折り線2a,2bは段ボール1の幅方向に沿って延在し、山折り線2aと谷折り線2bとが段ボール1の流れ方向に沿って等間隔で交互に配列される。
第1蛇腹領域11と第2蛇腹領域12との間には、遷移領域13が設けられる。遷移領域13には、段ボール1の流れ方向に沿って延在するジグザグ折り線3が設けられる。ジグザグ折り線3は、各蛇腹領域11,12の折り線2a,2bの形成位置で折れ曲がったジグザグ状の谷折り線であり、ジグザグ折り線3の各頂点4において第1蛇腹領域11の山折り線2aが第2蛇腹領域12の谷折り線2bに折り返され、当該各頂点4において、第1蛇腹領域11の谷折り線2bが第2蛇腹領域12の山折り線2aに折り返される。
なお、ここでいう遷移領域13は、ジグザグ折り線3の頂点4を一つ飛ばしにつなぐ一対の平行線13a,13bの間の領域を指している。つまり、遷移領域13の一部分(ジグザグ折り線3の一方側)は、第1蛇腹領域11と重なる領域となっており、残りの部分(ジグザグ折り線3の他方側)は、第2蛇腹領域12と重なる領域となっている。
一方、各蛇腹領域11,12の谷折り線2bおよびジグザグ折り線3は、折り線に沿う罫線6により折り目付けされる。罫線6は、具体的には、段ボール1を折り線に沿って線状に押しつぶして肉厚を圧縮することにより形成される。
図5には、緩衝材10の縮み幅が異なる状態が示されている。図5(a)、図5(b)、図5(c)の各図は、同じ緩衝材10において縮み幅を異なるものとした各状態を、図3の矢印A方向および矢印B方向のそれぞれから見た図を並置したものである。
図5(b)に示されるように、蛇腹領域11,12の縮み幅を調整することによって、屈曲角度θ2を約90°とすることができる。また、図5(b)の状態から緩衝材10をさらに縮めて縮み幅を大きくすることによって、図5(c)に示されるように、屈曲角度θ2を90°よりも小さくすることができる。逆に、図5(b)の状態から緩衝材10を伸ばして縮み幅を小さくすることによって、図5(a)に示されるように、屈曲角度θ2を90°よりも大きくすることができる。
また、切り込み5による折り目付けによると、段ボール1の中芯の波(フルート)の山・谷の位置に影響を受けずに所望する位置に正確に折り形状を形成することができる。これによって、例えば、蛇腹領域11,12に等ピッチに整った蛇腹構造を形成することができる。
次に、緩衝材10の使用の態様の具体例について、図3〜図5に加え、図6〜図9を参照しながら説明する。図6〜図9は、緩衝材10の使用の態様を説明するための図である。
物品9が包装箱(例えば、段ボール箱)90に入れられたときに、例えば図6(a)に示されるように、包装箱90の一つの面(図の例では側面)と物品9との間に隙間81が形成される場合がある。以下において、当該隙間81の、包装箱90の当該一つの側面の法線方向に沿う大きさ(すなわち、物品9の側面とこれと隙間81を挟んで対向する包装箱90の側面との離間距離)dを「隙間81の長さ」とも呼ぶ。
物品9が包装箱90に入れられたときに、例えば図7(a)に示されるように、包装箱90における、ある辺(以下「対象となる辺」とも呼ぶ)を挟んで隣り合う二つの面(図の例では、上面(蓋面)と側面)と物品9との間に隙間(コーナー部分の隙間)82が形成される場合がある。
緩衝材10は、例えば図8に示されるように、円柱状の物品9を、保管、運搬等する場合の保護部材として用いることもできる。
緩衝材10は、例えば図9に示されるように、棒状の物品9を複数個、保管、運搬等する場合の保護部材として用いることもできる。
上記の実施形態において、第1蛇腹領域11(あるいは、第2蛇腹領域12)に隣接して、さらなる蛇腹領域(第3蛇腹領域)を設けてもよい。つまり、緩衝材10は、3個以上の蛇腹領域を含んでもよい。この場合も、隣り合う蛇腹領域には遷移領域13が設けられ、ここにジグザグ折り線3が設けられる。そして、該ジグザグ折り線3の各頂点4において一方側の蛇腹領域の谷折り線2bがこれに隣接する他方側の蛇腹領域の山折り線2aに、当該一方側の蛇腹領域の山折り線2aが他方側の蛇腹領域の谷折り線2bに、それぞれ折り返される。
10…緩衝材
11…第1蛇腹領域
12…第2蛇腹領域
13…遷移領域
2a…山折り線
2b…谷折り線
3…ジグザグ折り線
4…ジグザグ折り線の頂点
6…罫線
81,82…隙間
9…物品
90…包装箱
Claims (3)
- 一枚のシートから成り、また、互いに隣接する第1蛇腹領域、第2蛇腹領域、および、両蛇腹領域の間に設けられた遷移領域を含み、
該遷移領域にジグザグ状の谷折り線であるジグザグ折り線が設けられており、該ジグザグ折り線の各頂点において前記第1蛇腹領域の谷折り線が前記第2蛇腹領域の山折り線に、前記第1蛇腹領域の山折り線が前記第2蛇腹領域の谷折り線に、それぞれ折り返されている、という構成を有する、
緩衝材。 - 請求項1に記載の緩衝材であって、
前記山折り線と前記谷折り線のうちの一方が、折り線に沿う罫線により折り目付けされており、他方が、折り線に沿う切り込みにより折り目付けされている、
緩衝材。 - 請求項1または2に記載の緩衝材であって、
前記シートが段ボールである、
緩衝材。
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