JP6953684B2 - セメント組成物及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを含むセメント組成物及びその製造方法に関する。
セメント産業は、温室効果ガスである二酸化炭素を排出する産業であり、その排出量削減は重要な課題である。セメント産業においてはセメントの中間製品であるセメントクリンカーを製造する工程で原料を焼成する際、原料である石灰石の化学反応によって二酸化炭素が発生するため、セメントクリンカーを製造する限り二酸化炭素が排出される。
普通ポルトランドセメントは、セメント組成物中にクリンカーを95質量%程度含むものである。これに対し、混合セメントは、高炉スラグや石炭灰(フライアッシュ)等の混合材を使用するため、セメント組成物に含まれるクリンカーの比率を引き下げることができ、二酸化炭素の排出量削減に寄与する。特許文献1〜4には高炉スラグを含むセメント組成物が開示されている。なお、特許文献3,4には高炉スラグ及び塩素バイパスダストを併用したセメント組成物及びその製造方法が開示されている。
特開2004−137318号公報 特開2002−265241号公報 特開平10−218657号公報 特開2016−5997号公報
本発明は、従来、廃棄物となっていたダストを有効活用できるとともに、製造過程における二酸化炭素発生量を十分に削減できるセメント組成物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を達成すべく鋭意検討した結果、セメント組成物を製造する過程において、特定のダスト又は特定のダストの組合せを使用することで、モルタル又はコンクリート等の硬化体の強度発現性(圧縮強度)を十分に有するセメント組成物が得られることを見出し、以下の本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一側面に係るセメント組成物は、セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを含むものであって、ダストとして以下のダスト1〜4からなる群から選ばれる一種を含む。
・ダスト1:電気集塵ダスト。
・ダスト2:電気集塵ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト。
・ダスト3:電気集塵ダストと脱塩ダストとの混合ダスト。
・ダスト4:電気集塵ダストと塩素バイパスダストと脱塩ダストとの混合ダスト。
本発明は上記一側面に係るセメント組成物の製造方法を提供する。すなわち、本発明に係るセメント組成物の製造方法は、セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを混合する工程を含み、上記ダストが以下のダスト1〜4からなる群から選ばれる一種である。
・ダスト1:電気集塵ダスト。
・ダスト2:電気集塵ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト。
・ダスト3:電気集塵ダストと脱塩ダストとの混合ダスト。
・ダスト4:電気集塵ダストと塩素バイパスダストと脱塩ダストとの混合ダスト。
このセメント組成物によれば、上記ダスト1〜4に含まれる電気集塵ダスト、塩素バイパスダスト及び/又は脱塩ダストを有効利用できる。また、本発明者らの検討によれば、セメント組成物における上記ダスト1〜4のいずれか一種の比率を十分に引き上げても十分な強度発現性が得られる。したがって、本発明によれば、セメント組成物に含まれるクリンカーの比率を引き下げることができ、これにより、単位質量当りのセメント組成物の製造に生じる二酸化炭素の量を十分に削減できる。
上記一側面に係るセメント組成物は、混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を更に含み、当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下であることが好ましい。かかる構成を採用することにより、セメント組成物の強度発現性を十分に維持又は向上させることができる。
上記一側面に係るセメント組成物のうち、ダストとしてダスト1を含む場合、当該セメント組成物の全質量を基準として、電気集塵ダストを0.1〜30質量%(ただし、混合材量が当該セメント組成物の全質量を基準として5%以下であるときは、電気集塵ダストを5質量%超30質量%以下)含むことが好ましい。
上記一側面に係るセメント組成物のうち、ダストとしてダスト2を含む場合、当該セメント組成物の全質量を基準として電気集塵ダストを0.1〜30質量%含み且つ塩素バイパスダストを0.05〜5質量%含むことが好ましい。
上記一側面に係るセメント組成物のうち、ダストとしてダスト3を含む場合、当該セメント組成物の全質量を基準として電気集塵ダストを0.1〜30質量%含み且つ脱塩ダストを0.1〜20%質量%含むことが好ましい。
上記一側面に係るセメント組成物のうち、ダストとしてダスト4を含む場合、当該セメント組成物の全質量を基準として電気集塵ダストを0.1〜30質量%、塩素バイパスダストを0.05〜5質量%、脱塩ダストを0.1〜20%質量%含むことが好ましい。
本発明の他の側面に係るセメント組成物は、セメントクリンカーと、石膏と、ダストと、混合材とを含むものであって、ダストとして以下のダスト5又はダスト6を含むとともに、混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を含み、当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下であってもよい。
・ダスト5:脱塩ダスト。
・ダスト6:脱塩ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト。
本発明は上記他の側面に係るセメント組成物の製造方法を提供する。すなわち、セメントクリンカーと、石膏と、ダストと、混合材とを混合する工程を含み、ダストが以下のダスト5又はダスト6であるとともに当該セメント組成物が混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を含み、当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下である。
・ダスト5:脱塩ダスト。
・ダスト6:脱塩ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト。
このセメント組成物によれば、上記ダスト5又はダスト6に含まれる脱塩ダスト及び/又は塩素バイパスダストを有効利用できる。また、本発明者らの検討によれば、セメント組成物における上記ダスト5又はダスト6のいずれかの比率を十分に引き上げても十分な強度発現性が得られる。したがって、このセメント組成物によれば、当該セメント組成物に含まれるクリンカーの比率を引き下げることができ、これにより、製造過程における二酸化炭素発生量を十分に削減できる。これに加え、セメント組成物は混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を更に含み、当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下であることで、セメント組成物の強度発現性を十分に維持又は向上させることができる。
上記他の側面に係るセメント組成物のうち、ダストとしてダスト5を含むセメント組成物は当該セメント組成物の全質量を基準として、脱塩ダストを0.1〜20質量%含むことが好ましい。
上記他の側面に係るセメント組成物のうち、ダストとしてダスト6を含む場合、当該セメント組成物の全質量を基準として、脱塩ダストを0.1〜20質量%含み且つ塩素バイパスダストを0.05〜5質量%含むことが好ましい。
上述の種々のダストを含むセメント組成物のうち、本発明の効果をより確実且つ高度に達成するとともに硬化体の十分に高い強度発現性を達成する観点から、ダストとしてダスト2又はダスト3を含むセメント組成物が好ましい。
本発明において、ダスト中の塩化物イオン量とセメントへの添加量の観点から塩化物イオン量は以下の条件を満たすことが好ましい。
・セメント組成物の全質量基準で塩化物イオン量が0.01〜0.2質量%である。
・ダストからセメント組成物に持ち込まれる塩化物イオン量がセメント組成物の全質量基準で0.01〜0.2質量%である。
・電気集塵ダストの塩化物イオン量が電気集塵ダストの質量基準で0.05〜2質量%である。
・塩素バイパスダストの塩化物イオン量が塩素バイパスダストの質量基準で4〜35質量%である。
・脱塩ダストの塩化物イオン量が脱塩ダストの質量基準で0.1〜2質量%である。
本発明によれば、従来、廃棄物となっていたダストを有効活用できるとともに、製造過程における二酸化炭素発生量を十分に削減できる。
比較例1〜3におけるセメント組成物のクリンカー量とモルタル圧縮強さとの関係を示す図である。 比較例1〜3、参考例1,3,4及び実施例2におけるセメント組成物のクリンカー量とモルタル圧縮強さとの関係を示す図である。 比較例1〜3、参考例1,3,4及び実施例2におけるモルタル圧縮強さとクリンカー1%当たりのモルタル圧縮強さを示す図である。 比較例1〜3、参考例1,4〜7及び実施例8,9におけるセメント組成物のクリンカー量とモルタル圧縮強さの関係を示す図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<セメント組成物>
本実施形態に係るセメント組成物は、セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを含み、必要に応じて、混合材として石灰石及び高炉スラグのいずれか一方を更に含み、上記ダストとして以下のダスト1〜6からなる群から選ばれる一種を含む。
・ダスト1:電気集塵ダスト。
・ダスト2:電気集塵ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト。
・ダスト3:電気集塵ダストと脱塩ダストとの混合ダスト。
・ダスト4:電気集塵ダストと塩素バイパスダストと脱塩ダストとの混合ダスト。
・ダスト5:脱塩ダスト。
・ダスト6:脱塩ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト。
セメントクリンカーの鉱物組成は、ボーグ式算定のCS量が45〜70質量%、CS量が5〜25質量%、CA量が6〜15質量%及びCAF量が7〜15質量%であることが好ましい。セメントクリンカーの鉱物組成は、より好ましくはCS量が48〜65質量%、CS量が10〜25質量%、CA量が8〜13質量%及びCAF量が8〜12質量%であり、更に好ましくはCS量が50〜64質量%、CS量が11〜20質量%、CA量が9〜12質量%及びCAF量が8〜11質量%であり、特に好ましくはCS量が53〜60質量%、CS量が11〜19質量%、CA量が9〜11質量%及びCAF量が8〜10質量%である。なお、セメントクリンカーは、SP方式(多段サイクロン予熱方式)又はNSP方式(仮焼炉を併設した多段サイクロン予熱方式)等の既存のセメント製造設備を用いて製造することができる。
ここでボーグ式算定のCS量、CS量、CA量及びCAF量は、下記の式[1]、[2]、[3]及び[4]によってそれぞれ算出される値である。
・CS量(質量%)=4.07×CaO(%)−7.60×SiO(%)−6.72×Al(%)−1.43×Fe(%)−2.85×SO(%)…[1]
・CS量(質量%)=2.87×SiO(%)−0.754×CS(%)…[2]
・CA量(質量%)=2.65×Al(%)−1.69×Fe(%)…[3]
・CAF量=3.04×Fe(%)…[4]
セメント組成物の塩化物イオン量は、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、より好ましくは0.015〜0.16質量%であり、更に好ましくは0.02〜0.12質量%であり、特に好ましくは0.025〜0.085質量%である。セメント組成物中の塩化物イオン量は、JIS R 5202「セメントの化学分析方法」の方法によって測定することができる。
セメント組成物のブレーン比表面積は、好ましくは2800〜8000cm/gであり、より好ましくは3000〜7000cm/gであり、更に好ましくは3000〜6000cm/gであり、特に好ましくは3100〜5500cm/gである。ブレーン比表面積が上記範囲内であると、優れた強度発現性を有するモルタルやコンクリートの製造が可能となる。
セメント組成物に含まれるセメントクリンカー量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは65〜90質量%であり、より好ましくは68〜90質量%であり、更に好ましくは70〜90質量%であり、特に好ましくは73〜88質量%である。セメント組成物に含まれるセメントクリンカー量が上記範囲内であれば、セメント組成物が石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方、並びに、上記ダストを含むものであっても、これらを含まないセメント組成物と同等又はそれ以上の強度発現性を発揮しやすい。
石膏として、JIS R 9151「セメント用天然せっこう」に規定される品質を満足するものを用いることが好ましく、具体的には、二水石膏、半水石膏及び不溶性無水石膏が好適に用いられる。これらは一種を単独で用いてもよく、あるいは、二種以上を併用してもよい。
セメント組成物に含まれるSO量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは1.6〜2.5質量%であり、より好ましくは1.7〜2.3質量%であり、更に好ましくは1.8〜2.1質量%である。セメント組成物のSO量が上記範囲内であると、強度発現性を維持又は向上させることができる。セメント組成物のSO含有量(セメント組成物の全体質量に対する割合(%))はJIS R 5202:1999「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定することができる。
石灰石として、JIS R 5210:2009「ポルトランドセメント」で規定されるCaCOを90%以上(CaO換算で50.4%以上)含有している石灰石を使用すればよい。石灰石の粒度は好ましくは50mm以下であり、より好ましくは30mm以下であり、更に好ましくは20mm以下である。なお、石灰石として、粒度が上記範囲外のもの、すなわち粉末度が低い(粒度が大きい)ものを使用又は併用してもよい。
セメント組成物に混合材として石灰石を含む際の石灰石量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは1〜8質量%であり、より好ましくは2〜8質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%である。セメント組成物の石灰石量が上記範囲内であると強度発現性を維持又は向上させることができる。
高炉スラグとして、JIS R 5211:2003「高炉セメント」で規定される高炉スラグを使用すればよい。高炉スラグの粒度は好ましくは5mm以下であり、より好ましくは3mm以下であり、更に好ましくは2mm以下である。なお、高炉スラグとして、粒度が上記範囲外のもの、すなわち粉末度が低い(粒度が大きい)ものを使用又は併用してもよい。
セメント組成物に混合材として高炉スラグを含む際の高炉スラグ量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは1〜19質量%であり、より好ましくは4〜19質量%であり、更に好ましくは4〜18質量%であり、特に好ましくは4〜10質量%である。セメント組成物の高炉スラグ量が上記範囲内であると強度発現性を維持又は向上させることができる。
高炉スラグとして、塩基度が所定の範囲のものを使用することが好ましい。高炉スラグの塩基度は複数の算出方法があり、例えば、以下の計算式が知られている。強度発現性の観点から、高炉スラグの塩基度(JIS)は好ましくは1.3〜2.3であり、より好ましくは1.6〜2.1であり、高炉スラグの塩基度(TiO換算)は好ましくは1.2〜2.3であり、より好ましくは1.5〜2.1であり、高炉スラグの塩基度(Bm)は好ましくは1.05〜2.00であり、より好ましくは1.35〜1.80である。
・塩基度(JIS)=(CaO+MgO+Al)/SiO
・塩基度(TiO換算)=(CaO+MgO+Al)/SiO−(0.13×TiO
・塩基度(Bm)=(CaO+MgO+Al)/SiO−(0.13×TiO)−MnO
セメント組成物が石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を含む場合、当該セメント組成物の全質量を基準とする石灰石及び高炉スラグの合量は好ましくは5質量%超であり且つ20質量%以下であり、より好ましくは7〜20質量%であり、更に好ましくは7〜15質量%であり、更に好ましくは7〜10質量%である。セメント組成物における石灰石及び高炉スラグの合量が上記範囲内であると強度発現性を維持又は向上させることができる。
上述のとおり、本実施形態に係るセメント組成物はダストとして以下のダスト1〜6からなる群から選ばれる一種を含む。
・ダスト1:電気集塵ダスト
・ダスト2:電気集塵ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト
・ダスト3:電気集塵ダストと脱塩ダストとの混合ダスト
・ダスト4:電気集塵ダストと塩素バイパスダストと脱塩ダストとの混合ダスト
・ダスト5:脱塩ダスト
・ダスト6:脱塩ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト
電気集塵ダストは、電気集塵機(EP:Electrostatic Precipitator)の静電気によって集塵されたダストであって、セメントキルン排ガスに含まれるダスト、あるいは、セメントキルン排ガスの余熱を原料ミル及び原料ドライヤーで利用した後の排ガスに含まれるダストを意味する。電気集塵ダスト(以下、「EPダスト」という。)の塩素含有量は、好ましく0.05〜2質量%であり、より好ましくは0.1〜1.5質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.6質量%である。
EPダストは、炭酸カルシウム(CaCO)を主成分(CaO換算で30〜50質量%程度)とする微粉(平均粒子径1〜10μm程度)であり、これの他に酸化ケイ素(SiO)を5〜20質量%、酸化アルミニウム(Al)を2〜8質量%、酸化鉄(Fe)を1〜5質量%含有してもよい。
ダストとして上記ダスト1のようにEPダストを単独で使用する場合、セメント組成物におけるEPダスト量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜25質量%であり、更に好ましくは0.5〜20質量%であり、更により好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは1〜8質量%である。ただし、セメント組成物の全質量を基準として、前記混合材量が合量で5%以下であるときのEPダスト量は、好ましくは5質量%を超え30質量%以下であり、より好ましくは5質量%を超え25質量%以下であり、更に好ましくは5質量%を超え20質量%以下であり、更により好ましくは5質量%を超え15質量%以下であり、特に好ましくは5質量%を超え8質量%以下である。
ダストとして、上記ダスト2〜4のようにEPダストと他のダストとを併用する場合、セメント組成物におけるEPダスト量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは0.1〜30質量%であり、より好ましくは0.5〜25質量%であり、更に好ましくは0.5〜20質量%であり、更により好ましくは1〜15質量%、特に好ましくは1〜8質量%である。
塩素バイパスダストは、セメントキルンのNSP(New Suspension Preheater)タワーから抽気される塩素バイパスから発生するダストを意味する。塩素バイパスダストの塩素含有量は、好ましくは4〜35質量%であり、より好ましくは5〜33質量%であり、更に好ましくは6〜31質量%である。
ダストとして塩素バイパスダストを使用する場合(上記ダスト2,4,6)、セメント組成物における塩素バイパスダスト量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは0.05〜5質量%であり、より好ましくは0.1〜3質量%であり、更に好ましくは0.1〜2質量%であり、特に好ましくは0.1〜1質量%である。
脱塩ダストは、塩素バイパスダストを水洗した後、ろ過処理によって固液分離させた水洗残渣を意味する。なお、脱塩ダストの水分が多い場合には、キルンからの排ガスを利用して乾燥させればよい。その塩素含有量は0.1〜2.0質量%、より好ましくは0.3〜1.8質量%、更に好ましくは0.5〜1.6質量%である。
ダストとして脱塩ダストを使用する場合(上記ダスト3〜6)、セメント組成物における脱塩ダスト量は、セメント組成物の全質量を基準として、好ましくは0.1〜20質量%であり、より好ましくは0.3〜18質量%であり、更に好ましくは0.5〜15質量%、特に好ましくは0.5〜8質量%である。
セメント組成物におけるEPダスト、塩素バイパスダスト及び脱塩ダストの合量はセメント組成物の全質量を基準として、好ましくは0.15〜30質量%であり、より好ましくは0.15〜25質量%であり、更に好ましくは0.5〜20質量%であり、特に好ましくは1.0〜15質量%である。ダスト量(EPダスト、塩素バイパスダスト及び脱塩ダストの合量)が上記範囲内であると、強度発現性を維持又は向上させることができる。セメント組成物に上記ダストを加えることによって、石灰石及び高炉スラグを含むセメント組成物を用いた硬化体の強度発現性が向上する機構は明らかではないが、その主因は各ダスト中に含まれるフリーライム(f.CaO)がセメント又は高炉スラグの刺激剤となって徐々に水和反応が進行すること、あるいは塩化物イオンの作用、あるいはダストのフィラー効果により強度発現性が向上することにあると考えられる。
EPダスト、塩素バイパスダスト及び脱塩ダストからセメント組成物に持ち込まれる塩化物イオン量の合量は、好ましくは0.01〜0.2質量%であり、より好ましくは0.015〜0.16質量%であり、更に好ましくは0.02〜0.12質量%であり、特に好ましくは0.02〜0.085質量%である。
<セメント組成物の製造方法>
上記セメント組成物の製造方法は、セメントクリンカーと、石膏と、特定のダスト(ダスト1〜6のいずれか一種)と、必要に応じてその他の成分(例えば石灰石及び高炉スラグ)とを混合する工程を含む。これらの混合は例えばボールミルを使用すればよく、より具体的にはボールミルによって所望のブレーン比表面積となるように粉砕混合すればよい。なお、ボールミルに各成分を投入する順序は特に限定されず、ボールミルを使用して予め粉砕されたセメント組成物に対して特定のダストを添加することによってセメント組成物を得てもよい。ボールミルの代わりに他の種類の粉砕機を使用してもよい。
以下、実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
使用したセメントクリンカーの諸率、鉱物組成及び化学成分を表1に示す。これらのデータはJIS R 5202:1999「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて定量した分析結果から上記ボーグ式などにより求めた。また、化学成分のうち、f.CaOはJCASI−01−1997「遊離酸化カルシウムの定量方法」に準じて測定した。
Figure 0006953684
使用した石膏(排脱二水石膏)の品質(化学成分)を表2に示す。石膏の化学成分はJIS R 9101:1995「石膏の分析方法」に準じて測定した。
Figure 0006953684
使用した石灰石の品質(化学成分)を表3に示す。石灰石の化学成分はJIS M 8850:「石灰石分析方法」に準じて測定した。
Figure 0006953684
使用した高炉スラグの品質のうち、化学成分を表4に示し、塩基度、ブレーン比表面積及び活性度指数を表5に示す。高炉スラグの化学成分はJIS R 5202:1999「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて定量した。高炉スラグの塩基度は計算式により求めた。活性度指数はJIS A 6202:1997「コンクリート用高炉スラグ微粉末」に準じて測定した。高炉スラグは、JIS R 5202:1999「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて高炉スラグを破砕機によって約5mm以下に破砕したものを用いた。
・塩基度(JIS)=(CaO+MgO+Al)/SiO
・塩基度(TiO換算)=(CaO+MgO+Al)/SiO−(0.13×TiO
・塩基度(Bm)=(CaO+MgO+Al)/SiO−(0.13×TiO)−MnO
Figure 0006953684
Figure 0006953684
使用した塩素バイパスダストの化学成分を表6に示し、粒度分布及び平均粒子径を表7に示す。塩素バイパスダストの化学成分(表6のSiOからSOまで及びf.CaO)はJIS M 8853:1998「セラミック用アルミノけい酸塩質原料」に準じて測定した。塩化物イオン(Cl)はJIS R 5202:1999「セメントの化学分析方法」に準じて測定した。粒度分布及び平均粒子径は、塩素バイパスダストをエタノールと混合攪拌して、株式会社セイシン企業製レーザー粒度分析装置LMS−30を用いて測定した。
Figure 0006953684
Figure 0006953684
使用した脱塩ダストの化学成分を表8に示す。脱塩ダストはディスクミルで1分粉砕したものを用いた。脱塩ダストの化学成分(表8のSiOからSOまで及びf.CaO)はJIS M 8853:1998「セラミック用アルミノけい酸塩質原料」に準じて測定した。塩化物イオン(Cl)はJIS R 5202:1999「セメントの化学分析方法」準じて測定した。
Figure 0006953684
使用したEPダストの化学成分を表9に示し、粒度分布及び平均粒子径を表10に示す。EPダストの化学成分(表9のSiOからSOまで及び塩化物イオン(Cl)量)はJIS R 5202:1999「セメントの化学分析方法」準じて測定した。f.CaOは、JIS M 8853:1998「セラミック用アルミノけい酸塩質原料」に準じて測定した。粒度分布及び平均粒子径は、EPダストをエタノールと混合攪拌して、株式会社セイシン企業製レーザー粒度分析装置LMS−30を用いて測定した。
Figure 0006953684
Figure 0006953684
[セメント組成物の調製]
セメント組成物の配合(セメント組成物の全質量基準)を表11に示す。第一工程として、各材料(セメントクリンカー、排脱二水石膏(排煙脱硫二水石膏)、石灰石及び高炉スラグ)を直径5mm以下に粗砕し、試験ボールミルでブレーン比表面積が3200±100cm/gになるように粉砕して、各ダスト添加する前のセメント組成物を得た。第二工程として、第一工程で得たセメント組成物にダストを所定量添加し、ロッキングミキサーで20分間にわたって混合することにより、表11に示す配合のセメント組成物を得た。
Figure 0006953684
得られたセメント組成物の物性と化学成分を表12に示す。
Figure 0006953684
表12中の「ブレーン比表面積(ダスト添加前及びダスト添加後)」はJIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。
表12中の「水量」は、セメントペーストの柔らかさ(軟度)を一定にするために必要な水量(標準軟度水量)のことであり、これが多いほどセメントの流動性が悪いことを意味する。測定方法は、セメント組成物500gを練り鉢に入れ水を加えて練り混ぜた後、セメントペーストを容器に投入し、表面を平滑にした後、標準棒を降下させて、30秒後に標準棒の先端と底板との間隔を測定し、これが6±1mm(標準軟度)となる水量を測定し、標準軟度水量とする。
表12中の「凝結(始発及び終結)」及び「モルタル圧縮強さ」(以下「圧縮強さ」という)は、得られたセメント組成物を用いて、JIS R 5201:1997「セメントの物理試験方法」に準じて測定した。例えば、表12中の比較例1の「始発(t:m)」が「2:01」とは、凝結の始発時間が2時間1分であることを表し、「終結(t:m)」が「3:16」とは、凝結の終結時間が3時間16分であることを表す。
表12中の「クリンカー1%当たりのモルタル圧縮強さ」(以下「クリンカー1%当たりの圧縮強さ」という)は、得られた各材齢における圧縮強さを表11に示すセメントクリンカー量で除して求めた。
表12中のセメント組成物の「f.CaO量」はJCAS I−01:1997「セメント中の遊離酸化カルシウムの定量方法」に準じて測定した(セメント組成物の全質量基準)。表12中のセメント組成物の「塩化物イオン量」はJIS R 5202:1999「ポルトランドセメントの化学分析方法」に準じて測定した。
表12中の「クリンカー削減率」は、普通ポルトランドセメントに相当する比較例1からの削減率を示す。例えば表11より、比較例1のクリンカー量は91.85質量%であり、比較例2のクリンカー量は87.00%である。これらの値から比較例2のクリンカー削減率は5.28%(=(91.85−87.00)/91.85×100)と算出される。
セメント製造における二酸化炭素(以下、「CO」という)発生量は、一般に非エネルギー(石灰石脱炭酸)起源、化石エネルギー起源、(化石起源)廃棄物等燃焼物起源、焼却不要による削減量の合計で示される。表12中の「CO削減量概算値」は、比較例1からクリンカー使用量を削減することによる非エネルギー起源CO発生量の削減量のみを算出したものである。ここでは、比較例1の非エネルギー起源CO量は、セメント協会発表のセメント品種別インベントリデータ一覧表記載の468.5g/kgとし、これにクリンカー削減率を乗じて算出した。例えば比較例2のCO削減量は24.7g/kg(=468.5×5.28/100)と算出される。
特許文献4(特開2016−005997号公報)にて明らかになっている混合材量の増加及び塩素バイパスダストの添加による圧縮強さへの影響について、表12及び図1に、比較例1〜3におけるセメント組成物中のクリンカー量と圧縮強さの関係を示して説明する。
図1に示す比較例1は普通ポルトランドセメントの配合(クリンカー91.85質量%、石膏3.15質量%、混合材の割合が5質量%(石灰石:スラグ=4:1))である。表11及び図1に示すように、この比較例1より混合材の割合を10質量%(石灰石:スラグ=2:8)へと増量した比較例2では、比較例1に比べて材齢3日及び7日における圧縮強さはやや低下するものの、材齢28日における圧縮強さを維持しつつクリンカー使用量を削減できること、比較例2にさらに塩素バイパスダストを添加した比較例3では、比較例1に比べてクリンカー使用量を削減しつつ、3日、7日及び28日のすべての材齢で圧縮強さが維持又は向上することが分かっている(特許文献4参照)。
本実施例及び本参考例では、まず、比較例3の塩素バイパスダストの代わりとして、その全量又は一部を脱塩ダストと置き換えた参考例1及び実施例2、EPダストと置き換えた参考例3,4を、上記比較例1〜3と比較し、各ダストの圧縮強さへの影響を評価した。ここで各ダストの添加量はセメント組成物中の塩化物イオン量が0.06質量%となるよう調整した。表及び図に比較例1〜3、参考例1,3,4及び実施例2におけるセメント組成物中のクリンカー量と圧縮強さの関係を示し、各ダスト添加時における圧縮強さへの影響について以下に述べる。
図2及び表12に示すように、比較例3における塩素バイパスダストの代わりに脱塩ダストを添加した参考例1、及び比較例3における塩素バイパスダストの一部を脱塩ダストで置き換えた実施例2では、塩素バイパスダストよりも塩化物イオン量の少ない脱塩ダストの添加により、セメント組成物中のクリンカー量を更に削減することで、比較例3以上にCOの削減が可能となる。また、圧縮強さも、短期材齢で比較例2以上、28日材齢で比較例1及び2と同等以上となることから、脱塩ダストにおいても、比較例3の塩素バイパスダストでみられるような圧縮強さ向上効果があると言える。
一方、塩素バイパスダストの代わりにEPダストを添加し参考例3では、比較例1に比べて各材齢における圧縮強さが低下し、一見すると圧縮強さの向上効果が無いように見える。しかし、比較例3における塩素バイパスダストの一部をEPダストで置き換えた参考例4では、すべての材齢における圧縮強さが比較例1と同等か又はそれ以上を示していることから、参考例3ではEPダスト添加量が多くクリンカー量削減による圧縮強さの低下によりEPダストの効果が隠れた可能性も考慮し、各材齢のクリンカー1%当たりの圧縮強さを比較することで、EPダストの圧縮強さ向上効果の有無を検討した。
図3に、比較例1〜3、参考例1,3,4及び実施例2における圧縮強さとクリンカー1%当たりの圧縮強さを示す。図3に示すように、例えば、参考例3ではEPダスト添加により、各材齢における圧縮強さが比較例1に比べ低下しているものの、各材齢におけるクリンカー1%当たりの圧縮強さは比較例1に比べてすべての材齢で向上している。このため、EPダストによる圧縮強さの向上効果はあるものと考えられる。
すなわち、参考例3における圧縮強さの低下は、EPダスト添加による圧縮強さの向上効果よりも、クリンカー量減による影響が大きいためであり、EPダストの添加量を調整し、塩素バイパスダスト又は脱塩ダストと組合せることで、よりクリンカー量を削減しつつ、圧縮強さを維持又は向上したセメント組成物を得ることができると考えられる。そこで、参考例5〜7で塩素バイパスダストとEPダストの組合せ、実施例8で脱塩ダストとEPダストの組合せ、実施例9で塩素バイパスダスト、脱塩ダスト及びEPダストのすべての組合せを検討した。
参考例5〜7では、塩素バイパスダスト添加量を0.1%、EPダスト添加量をそれぞれ1%、2%及び5%とした。塩化物イオン量はEPダスト添加量により0.035〜0.05質量%となった。実施例8及び9における各ダストの添加量は、比較例3と同様に調整後のセメント組成物中の塩化物イオン量が0.06質量%程度となるように調整した。図4に、比較例1〜3、参考例1,4〜7及び実施例8,9で得たセメント組成物のクリンカー量と圧縮強さの関係を示す。
表12に示すように、参考例5〜7及び実施例8,9における比較例1からのクリンカー削減率及びそれにより達成されるCO削減量は、いずれも比較例2及び比較例3以上となっている。また、表12及び図4示すように、圧縮強さにおいても全材齢で比較例1と同等もしくはそれ以上を示しており、各ダストにおける圧縮強さの向上効果により、CO発生量を十分に削減し、かつ十分な強度発現性を有していることがわかる。
また、図4に示すように、混合セメントに塩素バイパスダスト0.1%とEPダスト1%、2%及び5%添加した参考例5〜7と、セメント組成物中の塩化物イオン量が0.06質量%となるよう塩素バイパスダストとEPダストを添加した参考例4において、材齢3日における圧縮強さはEPダストの添加量の増加に伴って増加し、材齢7日における圧縮強さはEPダスト添加量が2%である参考例6までは添加量の増加に伴って増加し、添加量が2%を超え5%である参考例7から圧縮強さの低下が見られた。また材齢28日における圧縮強さは、EPダスト添加量が2%である参考例6までは添加量が増加しても圧縮強さの維持が見られ、添加量が2%を超えた参考例7から圧縮強さの低下が見られた。このようにEPダスト添加量増による圧縮強さの向上が確認できたことや、参考例1における脱塩ダストの一部をEPダストに置き換えた実施例8の各材齢における圧縮強さが、比較例1と同等であることからもEPダストにも塩素バイパスダストや脱塩ダストのような、圧縮強さ向上効果があると言える。このEPダストの圧縮強さ向上効果は、参考例4〜7の材齢7日及び28日圧縮強さに見られるように、添加率2%で最大となり、それ以上の添加ではEPダストによる圧縮強さ向上効果よりクリンカー量削減による圧縮強さの影響が大きくなる。
このような各種ダスト添加による圧縮強さの維持又は向上に関する機構は明らかではないが、ダスト中の塩f.CaOがセメント又は高炉スラグの刺激剤になり徐々に水和反応が進行したか、あるいは塩化物イオンの作用、あるいはダストのフィラー効果により圧縮強さが向上したと考えられる。
以上の結果から、本実施形態に係るセメント組成物によれば、従来、主に廃棄されていたダスト(塩素バイパスダスト、脱塩ダスト及び/又はEPダスト)を有効利用できる。また、セメント組成物における上記ダストの比率を十分に引き上げても十分な強度発現性が得られるため、セメント組成物に含まれるクリンカーの比率を引き下げることができ、これにより、単位質量当りのセメント組成物の製造に生じるCOの量を十分に削減できる。

Claims (20)

  1. セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを含むセメント組成物であって、
    前記ダストとして以下のダスト3を含み、
    当該セメント組成物の全質量を基準として電気集塵ダストを0.1〜30質量%含み且つ脱塩ダストを0.1〜20%質量%含む、セメント組成物。
    ・ダスト3:電気集塵ダストと脱塩ダストとの混合ダスト
  2. セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを含むセメント組成物であって、
    前記ダストとして以下のダスト4を含み、
    当該セメント組成物の全質量を基準として電気集塵ダストを0.1〜30質量%、塩素バイパスダストを0.05〜5質量%、及び脱塩ダストを0.1〜20%質量%含む、セメント組成物。
    ・ダスト4:電気集塵ダストと塩素バイパスダストと脱塩ダストとの混合ダスト
  3. 前記塩素バイパスダストの塩化物イオン量が前記塩素バイパスダストの質量基準で4〜35質量%である、請求項に記載のセメント組成物。
  4. 混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を更に含み、当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  5. 当該セメント組成物の全質量基準で塩化物イオン量が0.01〜0.2質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  6. 前記ダストから当該セメント組成物に持ち込まれる塩化物イオン量が当該セメント組成物の全質量基準で0.01〜0.2質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  7. 前記電気集塵ダストの塩化物イオン量が前記電気集塵ダストの質量基準で0.05〜2質量%である、請求項1〜のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  8. 前記脱塩ダストの塩化物イオン量が前記脱塩ダストの質量基準で0.1〜2質量%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  9. セメントクリンカーと、石膏と、ダストと、混合材とを含むセメント組成物であって、
    前記ダストとして以下のダスト6を含むとともに、前記混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を含み、
    当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下である、セメント組成物。
    ・ダスト6:脱塩ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト
  10. 当該セメント組成物の全質量基準で塩化物イオン量が0.01〜0.2質量%である、請求項9に記載のセメント組成物。
  11. 前記ダストから当該セメント組成物に持ち込まれる塩化物イオン量が当該セメント組成物の全質量基準で0.01〜0.2質量%である、請求項9又は10に記載のセメント組成物。
  12. 前記脱塩ダストの塩化物イオン量が前記脱塩ダストの質量基準で0.1〜2質量%である、請求項9〜11のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  13. 前記塩素バイパスダストの塩化物イオン量が前記塩素バイパスダストの質量基準で4〜35質量%である、請求項9〜12のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  14. 当該セメント組成物の全質量を基準として前記脱塩ダストを0.1〜20質量%含み且つ前記塩素バイパスダストを0.05〜5質量%含む、請求項9〜13のいずれか一項に記載のセメント組成物。
  15. セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを混合する工程を含む、セメント組成物の製造方法であって、
    前記ダストは以下のダスト3であり、
    当該セメント組成物の全質量を基準として電気集塵ダストを0.1〜30質量%含み且つ脱塩ダストを0.1〜20%質量%含む、セメント組成物の製造方法。
    ・ダスト3:電気集塵ダストと脱塩ダストとの混合ダスト
  16. セメントクリンカーと、石膏と、ダストとを混合する工程を含む、セメント組成物の製造方法であって、
    前記ダストは以下のダスト4であり、
    当該セメント組成物の全質量を基準として電気集塵ダストを0.1〜30質量%、塩素バイパスダストを0.05〜5質量%、及び脱塩ダストを0.1〜20%質量%含む、セメント組成物の製造方法。
    ・ダスト4:電気集塵ダストと塩素バイパスダストと脱塩ダストとの混合ダスト
  17. 当該セメント組成物は混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を更に含み、当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下である、請求項15又は16に記載のセメント組成物の製造方法。
  18. 当該セメント組成物は混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を更に含み、当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%以下であり、
    当該セメント組成物の全質量基準で電気集塵ダストの配合量が5質量%超であり且つ30質量%以下である、請求項15又は16に記載のセメント組成物の製造方法。
  19. セメントクリンカーと、石膏と、ダストと、混合材とを混合する工程を含む、セメント組成物の製造方法であって、
    前記ダストとして以下のダスト6を含むとともに、当該セメント組成物は前記混合材として石灰石及び高炉スラグの少なくとも一方を含み、
    当該セメント組成物の全質量を基準として石灰石及び高炉スラグの合量が5質量%超であり且つ20質量%以下である、セメント組成物の製造方法。
    ・ダスト6:脱塩ダストと塩素バイパスダストとの混合ダスト
  20. 当該セメント組成物の全質量基準でダストの配合量がそれぞれ以下の範囲である、請求項19に記載のセメント組成物の製造方法。
    ・脱塩ダスト:0.1〜20質量%、及び/又は
    ・塩素バイパスダスト:0.05〜5質量%
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