JP6952535B2 - 作業車両の走行変速装置 - Google Patents

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Description

本発明は、トラクタやコンバイン、或いは田植機等の主に農業用の作業車両の走行変速装置に係り、詳しくは、走行用の無段変速装置を変速レバーによって変速する操作装置に関する。
農業用の作業車両であるトラクタは、エンジンからの動力を、後車軸、或いは前車軸に伝達する走行伝動装置と、作業機を駆動するPTO軸(Power take-off )に伝達するPTO伝動装置を備え、これら伝動装置は、一般的にトランスミッションケースに内装する。また、走行伝動装置の主変速装置を静油圧式無段変速装置(Hydraulic Static Transmission )とするトラクタでは、トランスミッションケースの前部側に静油圧式無段変速装置を取り付け、歯車式変速装置によって構成する副変速装置やPTO伝動装置をトランスミッションケースに内装する。
そして、上記の主変速装置を静油圧式無段変速装置とするトラクタでは、静油圧式無段変速装置に変速ペダルや変速レバーを連係し、これらペダルやレバーによって静油圧式無段変速装置を変速して前後進と車速を変更する。また、このような走行変速装置にあって、変速ペダルの中立復帰機構に抗して変速レバーを回動操作し、さらに、任意の車速に達したときに変速レバーを機体の内側に傾倒して、そのロックプレートをレバー位置決め溝の一つに係止させ、それにより車速を一定に保持して走行することが知られている。
また、静油圧式無段変速装置のトラニオン軸に連結する変速レバーが、静油圧式無段変速装置の中立状態に自ずと復帰する復元力によって中立位置に戻ることを防止するため、変速レバーに摩擦式位置保持手段と係止式位置保持手段とを設け、変速レバーを高速操作域で操作する場合、係止式位置保持手段によって有段階の操作位置で保持することが知られている。
さらに、前後進の切換え後も同方向についてできるだけ切換え前と同じ走行速度で作業を行うことができるように、無段変速装置の変速操作部を前進又は後進の高速側に付勢する付勢機構を前後進切換操作具により前進状態と後進状態に切換操作すると共に、無段変速装置の前進及び後進の高速側の操作限界を設定するストッパー部を、変速操作具により高速側及び低速側に操作自在に構成することが知られている。
特開2006−327258号公報 特開2001−171386号公報 特開2005−162051号公報
前述のように走行変速装置の主変速装置を静油圧式無段変速装置で構成すると、静油圧式無段変速装置を変速する際、静油圧式無段変速装置の操作トルクが変速レバー等に加わり、これに抗する操作荷重によって変速する必要がある。また、車速を一定に保持するためには、静油圧式無段変速装置の中立状態に復帰する復元力に抗して変速レバー等を変速位置で保持する必要がある。
そこで、特許文献1や特許文献2に記載されているように、変速レバー等に摩擦式位置保持手段や係止式位置保持手段を付設し、変速レバー等の中立(停止)位置への戻りを防止する。しかし、摩擦式位置保持手段によって変速レバー等の戻りを防止すると、静油圧式無段変速装置を変速する際に、静油圧式無段変速装置の操作トルクと摩擦式位置保持手段の制動力が変速レバー等に加わり、操作荷重が重くなるという問題がある。
一方、農業用の作業車両は、作業走行を行う場合に圃場条件、耕耘負荷、収穫材料条件、或いは植付精度等によって適正な作業速度(車速)のもとに能率的に作業を行うことが求められ、例えば、枕地等で旋回する場合には、旋回に見合った速度に減速したり、一旦後進させた後、前進させて旋回させるので、前行程で用いた適正な前進作業速度が失われる。そのため、次行程の作業を行うには、再度適正な前進作業速度に戻す必要がある。
しかし、変速レバー等を適正な前進作業速度が得られる変速位置に戻す場合、変速レバー等による変速位置を目視しながら目標とする適正な位置に合うように変速操作しなければならず、即座にその位置合わせを行うことが困難である、等の問題がある(特許文献3の課題欄参照)。そこで、特許文献3に記載されているように、前後進切換操作具の操作により、同一方向に関して一定の走行速度を繰り返し精度よく再現することができるように構成することが望ましい。
然しながら、特許文献3の実施例、或いは特許文献3の第1別形態に記載された前後進切換操作具であれば、前進状態から中立状態、又は後進状態から中立状態に切換操作する際に、静油圧式無段変速装置の操作トルクと共に付勢機構の付勢力が前後進切換操作具に加わり、操作荷重が重くなるという問題がある。また、特許文献3のようにストッパー部を設けると構造が大型化して複雑となり、コンパクトで余りコストを掛けずに変速装置を構成することができない。
そこで、本発明は、上記のような問題点に鑑み、走行用の無段変速装置を変速レバーを用いて変速する際の操作荷重を重くならないようにすると共に、コンパクトで余りコストを掛けずに変速レバーを適正な作業速度が得られる変速位置に戻すことができる、作業車両の走行変速装置を提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するため第1に、走行用の無段変速装置を、レバーガイドの案内溝に沿う変速レバーの操作によって変速する作業車両の走行変速装置において、前記変速レバーが当接して変速レバーの高速側への操作を阻止する規制体とこの前記規制体を任意の複数の規制位置の一つに位置決めする固定具と、前記変速レバーを前記規制体によって案内させながら複数のノッチの一つに係合させて略規制位置に保持する位置決め体を設け、前記固定具は、固定プレートに形成する複数の穴の何れかに規制体のボス部を嵌合させて規制体の位置決めを行い、また、ボス部を穴から離脱させて別の穴に嵌合させることによって、任意の規制位置に規制体を位置決めすることを特徴とする作業車両の走行変速装置。
また、本発明は、第2に、前記固定具は、スプリングの付勢力に抗してそのノブを押えると規制体のボス部を固定プレートに形成する穴から離脱させ、また、固定具とともにボス部を別の穴に臨ませてノブの押圧を解除すると、スプリングの付勢力によってボス部を穴に嵌合させることを特徴とする。
さらに、本発明は、第3に、前記変速レバーを運転席の側方に設ける前後方向のレバーガイドの案内溝に沿って変速操作するように配設すると共に、このレバーガイドの機体外方側に規制体の固定具を前後方向にスライド可能に設けることを特徴とする。
本発明の作業車両の走行変速装置によれば、変速レバーの任意な規制位置を超える高速側への操作を規制する規制体を設けると共に、この規制体によって規制した変速レバーをその略規制位置に保持するノッチ式の位置決め体を設けるから、変速レバーに摩擦式位置保持手段を設けて変速レバーの戻りを防止するもののように変速操作時の操作荷重を重くすることなく、ノッチ式の位置決め体によって変速レバーをその略規制位置に確実に保持して、変速レバーの戻りを防止することができる。
また、変速レバーの任意な規制位置を超える高速側への操作を規制する規制体を設けるから、変速レバーを迅速に適正な作業速度が得られる変速位置に戻すことができ、一時的に減速したり前後進の繰り返しの度に元の変速位置に目視によって戻す煩わしさを無くして、能率的に作業を行うことができる。しかも、特許文献3のようにストッパー部と共に無段変速装置の変速操作部を前進又は後進の高速側に付勢する付勢機構等を設けて元の変速位置に戻すものではないから、走行変速装置をコンパクトで余りコストを掛けずに装置することができる。
さらに、変速レバーが当接して変速レバーの高速側への操作を阻止する規制体と、この規制体を任意の複数の規制位置の一つに位置決めする固定具と、変速レバーを規制体によって案内させながら複数のノッチの一つに係合させて略規制位置に保持する位置決め体を設けると、規制体にレバーガイドの案内溝に沿って回動する変速レバーを直接当接させて、その高速側への操作を阻止することができ、規制体を単純なストッパ等によって構成してコストダウンを図ることができる。
また、固定具を用いて規制体を複数の規制位置の一つに位置決めすることができ、それにより適正な作業速度が得られる元の変速位置の選択の幅(数)が広がり、作業精度を向上させることができる。さらに、変速レバーを規制体によって案内させながら位置決め体の複数のノッチの一つに係合させて略規制位置に確実に保持することができると共に、規制位置に達しない低速側の変速位置に変速レバーを操作して、その変速位置近傍のノッチの一つに変速レバーを係合させて保持することもでき、安全に走行することができる。
そして、固定具は、固定プレートに形成する複数の穴の何れかに規制体のボス部を嵌合させて規制体の位置決めを行い、また、ボス部を穴から離脱させて別の穴に嵌合させることによって、任意の規制位置に規制体を位置決めすると、規制体の位置決め部品点数を少なくすることできると共に、規制体を確実に位置決めすることができる。
また、固定具は、スプリングの付勢力に抗してそのノブを押えると規制体のボス部を固定プレートに形成する穴から離脱させ、また、固定具とともにボス部を別の穴に臨ませてノブの押圧を解除すると、スプリングの付勢力によってボス部を穴に嵌合させると、規制体の複数の規制位置への位置決めが簡単に行え、例えば、規制体をボルト等を用いて締着して位置決めを行うものではないので、操作力を殆ど必要とせず迅速に規制体の位置決めを行うことができる。
そのうえ、変速レバーを運転席の側方に設ける前後方向のレバーガイドの案内溝に沿って変速操作するように配設すると共に、このレバーガイドの機体外方側に規制体の固定具を前後方向にスライド可能に設けると、運転席に座って変速レバーを操作する際に、規制体の固定具がレバーガイドの機体外方側に位置して操作の邪魔にならないので、走行変速を支障なく適切に行うことができる。
トラクタの斜視図である。 操縦部の斜め上方から見た斜視図である。 走行変速操作部の平面図である。 走行変速装置の上方側から見た斜視図である。 走行変速装置の下方側から見た斜視図である。 変速レバーの斜視図である。 変速レバーの操作状態を示す斜視図である。 規制体の位置決め状態を示す断面図である。 規制体の位置決めを解除した状態を示す断面図である。 規制体の取付け状態を示す分解図である。 トランスミッションの部分断面図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように作業車両としてのトラクタ1は、前方からエンジン2、クラッチハウジング3、トランスミッションケース4等を一体的に連結して車体(機体)を構成する。また、車体の前部寄りには、エンジン2とエンジン2の補器類を覆うボンネット5とアンダーカバー6を設け、ボンネット5は後部に設けるヒンジを介して前部側を開閉自在に構成する。
さらに、エンジン2に固定して前方に延びるフロントブラケット7は、フロントアクスルケース8を左右揺動自在に軸支する。このフロントアクスルケース8の左右端には、前車軸ケース9(キングピンケース及びファイナルケース)を取付ける。また、前車軸ケース9は前輪10を取付ける前車軸11を軸支し、操縦部に設けるステアリングホイール12は左右の前輪10を操舵する。一方、車体の後部寄りにはトランスミッションケース4の左右に連結するリアアクスルケース(不図示)を設け、リアアクスルケースに軸支する後車軸13に左右の後輪14を取付ける。
また、車体の後部には、トップリンクと左右のロワリンク15からなる周知の三点リンク機構を設ける。この三点リンク機構は、モーアやロータリ耕耘装置等の作業機を連結し、この作業機は、トランスミッションケース4の上部に取付ける油圧ハウジングの左右のリフトアームと、左右のリフトアームの先端と左右のロワリンク15の中途にそれぞれ一端を連結するリフトロッドを介して昇降する。また、トランスミッションケース4の後部に軸支するPTO軸(動力取出軸)からエンジン動力を作業機に伝達する。
さらに、エンジン2より後方の車体には、フロア16を防振具を介して取付ける。このフロア16の前部寄りのステアリングコラムにはステアリングホイール12を設け、また、計器盤等を備えるメーターパネル17と、その下方側を覆うリヤパネルカバー18を設ける。さらに、フロア16の後部寄りのシート下部カバー19上には運転席20を設け、運転席20の側方には左右の後輪フェンダ21を設ける。そして、運転席20の後部には左右の下部支柱22を設け、この下部支柱22の上部に逆U字状のロールバー23を起倒自在に取付け、安全フレームを構成する。
なお、24はフロア16から垂下した乗降時の踏み台となるサブステップ、25は燃料タンクのキャップであって、燃料タンクはエンジン2より後方のメーターパネル17内に設け、貯留する燃料をエンジン2に供給する。また、26及び27は乗降時のハンドレールとアシストグリップである。
次に、運転席20周りの操縦部に設ける主だった操作具について説明すると、先ずステアリングコラムの上部を覆うカバーにはエンジンコントロールレバー28を設ける。また、フロア16の前部寄りの左側にはクラッチハウジング3に内装する乾式単板クラッチから構成する主クラッチを操作するクラッチペダル29を設け、他側には左右の後輪14を制動する左右のブレーキペダルを設ける。
さらに、運転席20と右側のフェンダ21との間にはサイドパネル30を装着して、その前部寄りに作業機を昇降するポジションコントロールレバー31を設け、左側のフェンダ21の運転席20側に設ける凹部の上方には、レバー挿通孔を備える樹脂製のガイドカバー32を設け、このレバー挿通孔を通して走行変速装置の主変速レバー33(変速レバー)と副変速レバー34、及びPTO変速レバー35を設ける。
ここで、トラクタ1の伝動装置について簡単に説明すると、図11に示すようにエンジン2からクラッチハウジング3内に設ける主クラッチを介して伝達する動力は、クラッチハウジング3の後方に連結するHSTケースAに内装する静油圧式無段変速装置B(Hydraulic Static Transmission)に伝達し、静油圧式無段変速装置Bの入力軸が回転駆動する。
また、静油圧式無段変速装置Bは、可変容量型の油圧ポンプと定容量型の油圧モータとをHSTハウジングC内に上下に併設する一体型のHSTとし、ポートブロックDの流路(閉回路)によって油圧ポンプと油圧モータとを繋げる。さらに、静油圧式無段変速装置Bは、その油圧ポンプの斜板角度をトラニオン軸Tの回動操作によって制御し、それにより油圧モータの出力軸の回転が正転、中立停止、逆転に、また、出力回転数が増減する。
そして、静油圧式無段変速装置Bを経た動力は、後車軸13、或いは前車軸11を駆動する走行伝動装置と、PTO軸を駆動するPTO伝動装置に伝達する。即ち、HSTケースAの後方に連結するトランスミッションケース4に走行伝動装置とPTO伝動装置を内装する。
この内、走行伝動装置は、主変速装置を構成する静油圧式無段変速装置Bの回転を副変速レバー34で高速・中速・低速に切換える選択摺動式の歯車変速装置(副変速装置)、後輪14の差動装置、2駆・4駆切換装置、及び前輪動力取出装置等から構成する。また、PTO伝動装置は静油圧式無段変速装置Bの入力軸から駆動し、ワンウェイクラッチとPTO変速レバー35で1速・2速・3速・逆転に切換える歯車変速装置(PTO変速装置)を備える。
次に、前述の静油圧式無段変速装置の変速操作装置(走行変速装置)について説明すると、図4及び図5に示すようにHSTケースの側方に突出する静油圧式無段変速装置のトラニオン軸Tと、これを回動操作する主変速レバー33は連係機構を介して連結する。この連係機構はトランスミッションケース4の側方に左右方向として設ける第1の支軸36に回転自在にクランク37を軸支し、このクランク37の先端にボス38をクランク37の回動方向と直交する左右方向に回転自在にボルト39を介して軸支する。
そして、ボス38の先端にボルトで主変速レバー33の基部を取付ける。なお、40はクランク37とボス38との間に張設するスプリングであって、主変速レバー33はこのスプリング40によって、後述するレバーガイドによって構成するノッチ式の位置決め体に向けて付勢される。また、クランク37の下部には第1アーム41を設け、第2と第3のアーム42、43を一体に設けるボス部44を、トランスミッションケース4の側方に左右方向として設ける第2の支軸(不図示)に回転自在に軸支し、第1アーム41と第2アーム42を第1ロッド45で連結する。
さらに、トラニオン軸Tに第4アーム46のボス部47を嵌合してボルトで抜止め固定し、第3アーム43と第4アーム46を第2ロッド48で連結する。従って、以上説明した連係機構によって、主変速レバー33を前後方向に第1の支軸36を中心にして回動操作するとトラニオン軸Tが回動し、静油圧式無段変速装置Bを変速操作することができる。
なお、主変速レバー33は基部プレート33aと操作杆33bを一体に溶接し、操作杆33bの上部にグリップ33cを装着する。また、図6に示すように操作杆33bにスイッチ操作プレートを固着し、スイッチ操作プレートの上部片33dは、後述する中立検出スイッチを押圧する操作部となる。さらに、スイッチ操作プレートの下部片33eは、後述する後進検出スイッチを入り切りする操作部となる。そして、スイッチ操作プレートの突起片33fは、後述するレバーガイドによって構成する位置決め体のノッチに係合する係止部となる。
次に、主変速レバー33の操作案内を行うレバーガイドについて説明すると、図2、図3、及び図8に示すように前述する樹脂製のガイドカバー32は主変速レバー33の挿通孔32aを備え、この挿通孔32aの下方にレバーガイド49が臨むようにガイドカバー32の裏面にボルト50でレバーガイド49を取付ける。そして、図4、図5、及び図7に示すようにレバーガイド49は前後方向に長い略矩形状の鋼板製プレートで形成し、その中央部に主変速レバー33を案内する案内溝51を穿設する。
また、上記案内溝51は、静油圧式無段変速装置を中立停止とする中立操作領域Nを挟んで、その前方側に前進操作領域Fと後方側に後進操作領域Rを設け、前後方向に延びる前進操作領域Fと後進操作領域Rをクランク状になす中立操作領域Nで接続する。さらに、レバーガイド49の案内溝51に臨む周縁の左側には複数のノッチ52を形成し、この内、中立操作領域Nには1つの中立停止用のノッチ52aを設け、前進操作領域Fには略等間隔で10個のノッチ52bを設け、後進操作領域Rには略等間隔で5個のノッチ52cを設ける。
なお、レバーガイド49の案内溝51に臨む周縁の右側の前進操作領域Fと後進操作領域Rには、左側のノッチ52b、52cに対向させるように比較的浅いクリック感を与える凹凸部53を設ける。また、中立操作領域Nに位置するレバーガイド49の上面に取付けプレート54を固着し、この取付けプレート54に中立検出スイッチ55を取付ける。さらに、中立操作領域Nから後進操作領域Rに亘るレバーガイド49の下面に取付けプレート56を固着し、この取付けプレート56に後進検出スイッチ57を取付け、また、コ字状のスイッチ操作プレート58を回動自在に軸支する。
そして、以上のように構成するレバーガイド49はノッチ式の位置決め体ともなって、その案内溝51に主変速レバー33の操作杆33bが挿通し、主変速レバー33を中立操作領域Nの中央の左右方向となる横溝に操作して手を離すと、主変速レバー33はスプリング40の付勢力によって案内溝51の左側周縁に向けて回動し、中立停止用のノッチ52aに突起片33fが嵌って(係合して)中立停止位置に保持される。また、その際、主変速レバー33の上部片33dは中立検出スイッチ55を入りにし、例えば、中立検出スイッチ55はエンジン2の始動を許可する。
また、主変速レバー33をスプリング40の付勢力に抗して右側に引くように倒して、案内溝51の右側周縁の凹凸部53に操作杆33bを当接させながら前進操作領域Fに操作すると、静油圧式無段変速装置は正転してトラクタ1は前進走行する。さらに、前進操作領域Fにおいて主変速レバー33を前方側に回動操作するだけ静油圧式無段変速装置は出力回転数が高くなり、トラクタ1は増速する。
そして、適切な前進速度が得られたら主変速レバー33を左側に倒して前進操作領域Fのノッチ52bの何れかに突起片33fを係合させ、その後、主変速レバー33から手を離しても主変速レバー33は変速操作位置に保持されてトラクタ1は前進走行を続行する。また、主変速レバー33を中立操作領域Nから後進操作領域Rに回動操作すると、主変速レバー33の下部片33eがスイッチ操作プレート58を回動させて後進検出スイッチ57を入りにし、例えば、これによって作業機を自動的に上昇させる等の制御を行わせることができる。
さらに、主変速レバー33が後進操作領域Rに完全に入ると静油圧式無段変速装置は逆転してトラクタ1は後進走行する。また、後進操作領域Rにおいて主変速レバー33を後方側に回動操作するだけ静油圧式無段変速装置は出力回転数が高くなり、トラクタ1が増速することは前進操作時と同様であり、後進操作領域Rのノッチ52cの何れかに突起片33f係合させて主変速レバー33を変速操作位置に保持することも同様である。
次に、以上説明した走行変速操作装置に設ける規制機構について説明すると、図2乃至図4、及び図7乃至図10に示すようにレバーガイド49の前進操作領域Fに対応する機体外方側は上方に向けて折り曲げて、その折曲片49aの上部寄りに固定プレート59をレバーガイド49に平行となるように固着する。また、固定プレート59は前後方向に長い略矩形状の鋼板製プレートで形成し、その中央部に上下方向に貫通する丸穴60を、互いの穴の一部が重なるように連続させて9個、前後方向の一直線上となるように穿設する。
また、主変速レバー33が当接して主変速レバー33の高速側への操作を阻止する規制体61を用意し、この規制体61は鋼板製プレートの先端寄りに主変速レバー33の突起片33fの前面が当接する規制部61aを備え、その基部61bには螺子穴を切った円筒状のボス部61cを設ける。また、規制体61のボス部61cを固定プレート59の丸穴60の何れか一つに嵌合して、規制体61の位置決め固定を行う固定具62を用意し、この固定具62は螺子を切った軸体62aの頭部に円柱状のノブ62bを備える。
そして、この固定具62は図8に示すように、ガイドカバー32の挿通孔32aに隣り合う前後方向となる凹部32bに装着するが、先ず固定具62の軸体62aに樹脂製のスプリングホルダ63と圧縮スプリング64と角座金65を装着し、また、固定プレート59の何れかの丸穴60に規制体61のボス部61cを下方から嵌合させて保持し、そこで、軸体62aを凹部32bに設けるスライド溝32cに通す。
そして、規制体61のボス部61cにスライド溝32cから通した軸体62aを螺子込んだうえ、更に軸体62aに緩み防止ナット66を下方から螺子込んで、規制体61を緩みなく確実に固定具62に固定する。従って、これにより固定具62は、規制体61のボス部61cがプレート59の丸穴60に嵌合した状態で、ガイドカバー32の凹部32bのスライド溝32c周縁に上下動自在に取付けることができる。
また、固定具62のノブ62bをスプリング64の付勢力に抗して下方に向けて押すと、図9に示すように規制体61のボス部61cがプレート59の丸穴60から離脱して規制体61の位置決めが解除される。そこで、固定具62のノブ62bを前後方向に押し引きすると、固定具62のノブ62bは、スプリングホルダ63と座金65を介してガイドカバー32の凹部32bのスライド溝32c周縁に案内されながら前後方向にスライド移動し、固定具62に固定する規制体61のボス部61cをプレート59の別の丸穴60に臨ませることができる。
さらに、この状態からノブ62bの押えを止めると、スプリング64の付勢力によって固定具62は上動し、規制体61のボス部61cをプレート59の丸穴60に嵌合させて、規制体61の位置決めを行う。なお、上述のノブ62bの押えを止めるタイミングとして、ボス部61cが丸穴60から多少ズレていた場合でも、ノブ62bの押えを止めた後にノブ62bを多少押し引きするとボス部61cが丸穴60に合致した位置で嵌合し、必ずしも嵌合する位置までノブ62bを押え続ける必要はない。
なお、固定具62に固定した規制体61の基部61bの外縁は、レバーガイド49の折曲片49aに近接し、規制体61の各位置決め位置(規制位置)で規制体61もしくは固定具62が回転しようとしても、基部61bの外縁は折曲片49aに当接して回転を阻止する。そのため、主変速レバー33の突起片33fの前面が規制体61の規制部61aに当接しても、規制体61は回転して退避することなく常に主変速レバー33の操作を規制する姿勢を保つ。
また、規制体61の固定具62を用いた複数の規制位置(位置決め位置)は、固定プレート59の各丸穴60の位置によって決まり、規制位置のピッチは隣接する丸穴60の間の間隔となる。そして、9個の規制位置は、レバーガイド49に設ける前進操作領域Fの略等間隔で設ける10個のノッチ52bに対して、最後方の1つのノッチ52bを除く9個のノッチ52bに対応させて設けるものであり、そのピッチにしてもノッチ52bと同じ略等間隔とする。
さらに、規制体61の規制部61aは、その先端寄りの中途から基部61bに向かうにつれて傾斜する案内面61dを備え、規制部61aの先端寄りに当接した主変速レバー33の突起片33fの前面は、この案内面61dに接しながら規制体61の規制位置に対応するレバーガイド49の所定のノッチ52に向かうので、突起片33fが確実に対応する所定のノッチ52に嵌り、主変速レバー33をその変速操作位置(規制部61aの先端寄りに当接した主変速レバー33の変速操作位置に対して若干減速側に戻された位置)で位置決めすることができる。
以上、トラクタ1の走行変速操作装置の全般について説明したが、例えば、このトラクタ1で耕耘作業を行う場合には、先ず主変速レバー33を中立停止位置にしてエンジン2を始動し、エンジンコントロールレバー28によってエンジン回転数を定格回転数近傍に設定する。また、副変速レバー34で副変速装置を作業走行時の変速段(中速又は低速)に設定すると共に、PTO変速レバー35でPTO変速装置の変速段を設定する。
さらに、主変速レバー33を前進側に操作して前進走行を開始し、機体後部に連結するロータリ耕耘装置をポジションコントロールレバー31によって下降させて耕耘作業を行う。そして、この場合、エンジン2には耕耘負荷や走行負荷が加わり、過大な負荷が加わるとエンジン回転数がドロップしてエンストしたり、エンジン2に損傷を与えることになる。従って、過負荷を与えることなく能率的に作業を行うためには、ある程度余裕をもたせた走行速度で作業を行う必要がある。
そこで、作業者は荒起しや代掻き等の作業内容に合わせて、トラクタ1が適正な走行速度になるように主変速レバー33を操作して前進速度を決める。そして、1行程の耕耘作業を終えて枕地で次行程に向かうべく機体を旋回させる。しかし、機体を旋回させる際、主変速レバー33を操作して減速させたり後進させると、当然元の前進速度は失われ、旋回を行って次行程の耕耘作業を行う際に元の前進速度に戻すためには、作業者の感覚で主変速レバー33を操作するか、元の変速位置を覚えておいて主変速レバー33の変速位置を目視しながら元の位置に戻す他はない。
そのため、作業者は適正な走行速度になる主変速レバー33の変速位置を規制体61によって設定し、これによって作業者は適正な走行速度に復元させる際の主変速レバー33の変速操作を迅速に、また、簡単容易に行うことができるようになる。即ち、例えば、図7に示すように主変速レバー33を5速(レバーガイド49に設ける前進操作領域Fの10個のノッチ52bの内、最後方から5つ目のノッチ52bに主変速レバー33を位置決めした際の速度)になるように設定する際には、主変速レバー33を5速に位置させた状態で固定具62のノブ62bを押しながら後方に向けて引く。
すると、規制体61が主変速レバー33と当接し、ノブ62bをそれ以上引くことができなくなり、そこでノブ62bから手を離せば、規制体61を5速に対応する位置(規制体61のボス部61cがプレート59の最前部から6番目の丸穴60に嵌合する位置)に自動的に位置決めすることができる。
従って、このように規制体61を5速に対応する規制位置に位置決めしておくと、機体の旋回後に、主変速レバー33を目視しなくとも前進側に主変速レバー33を規制体61に当たるまで一気に操作し、規制体61に当たれば規制体61に案内させながら主変速レバー33を5速のノッチ52bに位置決め保持させ、元の適正な走行速度に簡単迅速に復元させて作業を能率的に行うことができる。また、局所的にエンジン2に過負荷が加わる際には、一時的に主変速レバー33を4速等に減速操作し、過負荷が解消されれば元に復元させることも簡単にできる。
さらに、規制体61の規制位置を設定する場合、主変速レバー33を中立停止位置に戻し、運転席20から立ち上がってガイドカバー32の挿通孔32aを覗けば、規制体61の規制位置が見えるからこれを指標にして規制体61の位置を変更してもよく、また、ガイドカバー32の凹部32b側方にはノブ62bの操作位置を指示するターゲットマーク32dを施すから、これを参照して規制体61の位置を設定してもよい。さらに、ガイドカバー32の挿通孔32aと凹部32bとの間の上面32eに1〜10に亘る数字表記による前進速度段を示すラベルを設けるから、その速度段に合わせて主変速レバー33やノブ62bを操作してもよい。
なお、前記実施形態において、ノッチ式の位置決め体はレバーガイド49にノッチ52を形成して兼用したが、レバーガイド49とは別のプレートにノッチ52を形成し、この位置決め体を構成するプレートをレバーガイド49等に取付けてもよい。また、前進操作領域Fに設ける高速側のノッチ52bを無くし、その替わりに規制体61の規制部61aに連続する基部61bにノッチを一つ設け、このノッチによって主変速レバー33の規制後の保持を合わせて行うようになすこともできる。
また、前進操作領域Fに10個のノッチ52bを設け、主変速レバー33を各ノッチ52bに保持できるのに対し、規制体61の規制位置は高速側の9個と1速の規制を設けていない。これは特に最低速で規制する使用頻度が殆ど無いと考えられるからであり、また、同様の考えで後進操作領域Rには規制体61自体を設けていない。しかし、前進1速や後進操作領域Rに規制体を設けてもよく、或いは前進操作領域Fの規制位置を減らして一つ置きとしたり、5速〜10速に亘って設けてもよい。
さらに、走行用の無段変速装置として静油圧式無段変速装置を用いたが、例えば、走行用の無段変速装置として油圧機械式無段変速機(Hydraulic Mechanical Transmission )、割プーリー式のベルト無段変速装置、スチールベルト式又はチェーン式CVT、或いはトロイダルCVTを用いてもよく、また、静油圧式無段変速装置の操作トルクを軽減するためにマニュアルサーボレギュレータを付けたり、電子サーボレギュレータとしてもよく、本発明は、前記実施形態に限定されるものではない。
1 トラクタ
B 静油圧式無段変速装置(無段変速装置)
33 主変速レバー(変速レバー)
49 レバーガイド(ノッチ式の位置決め体)
51 案内溝
52 ノッチ
59 固定プレート
61 規制体
62 固定具
62b ノブ
64 圧縮スプリング(スプリング)

Claims (3)

  1. 走行用の無段変速装置を、レバーガイドの案内溝に沿う変速レバーの操作によって変速する作業車両の走行変速装置において、前記変速レバーが当接して変速レバーの高速側への操作を阻止する規制体とこの前記規制体を任意の複数の規制位置の一つに位置決めする固定具と、前記変速レバーを前記規制体によって案内させながら複数のノッチの一つに係合させて略規制位置に保持する位置決め体を設け、前記固定具は、固定プレートに形成する複数の穴の何れかに規制体のボス部を嵌合させて規制体の位置決めを行い、また、ボス部を穴から離脱させて別の穴に嵌合させることによって、任意の規制位置に規制体を位置決めすることを特徴とする作業車両の走行変速装置。
  2. 前記固定具は、スプリングの付勢力に抗してそのノブを押えると規制体のボス部を固定プレートに形成する穴から離脱させ、また、固定具とともにボス部を別の穴に臨ませてノブの押圧を解除すると、スプリングの付勢力によってボス部を穴に嵌合させることを特徴とする請求項に記載の作業車両。
  3. 前記変速レバーを運転席の側方に設ける前後方向のレバーガイドの案内溝に沿って変速操作するように配設すると共に、このレバーガイドの機体外方側に規制体の固定具を前後方向にスライド可能に設けることを特徴とする請求項、又は請求項に記載の作業車両の走行変速装置。
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