JP6950610B2 - 液体吐出装置および制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出装置および制御方法に関する。
液体を吐出するユニット(液体吐出ユニット)を備え、情報処理装置からの指示に基づいて記録媒体に液体を吐出する装置が知られている。当該装置は、インクジェット式プリンタなどと呼ばれる。インクジェット式プリンタには、産業用途のものもあり、記録媒体として、例えば、Tシャツなどの布帛を用いることができるものも知られている。
Tシャツなどの布帛は紙等とは異なり、ある程度の厚みがあり、液体が吐出される面に「毛羽立ち」や「シワ」もあるので、液体吐出ユニットの液体吐出口(ノズル口)と接触しやすい。そこで、液体を吐出する動作を開始する前に、記録媒体としての布帛とノズル口との距離が、最適な距離になるように制御する必要がある。
また、布帛の場合は、繊維が粗く、付着した液体が表面上で拡散しやすく、また、染みこみ易いので、液体として液体インクを用いて布帛の表面に画像を形成(画像を印刷)しようとした場合、液体インクの滲みや、裏地に抜けてしまう「裏抜け」などにより、画像が薄くなりやすい。このような布帛の特性を考慮した動作モード(布帛用プリントモード)を設け、布帛とノズル口との距離を調整した後に、画像を鮮明にするための重ね印刷を行う技術が開示されている(特許文献1を参照)。
特許文献1に開示されている技術では、重ね印刷の各印刷工程でノズル口を主走査方向に移動させるキャリッジの待機時間を設けている。また、ノズル口と布帛との距離の調整は、重ね印刷を開始する以前に行われている。重ね印刷は、同一の布帛に対して複数回の画像形成処理を繰り返し実行することになるので、各画像形成の後に布帛の厚みや、画像形成面の状態が経時変化することがある。仮に、画像が形成された布帛面とノズル口との距離が縮まっているなど、画像形成処理に適さない環境になっていても、これを是正することについては、特許文献1の技術では考慮されていない。すなわち、従来技術では、特に布帛に対して液体を吐出して画像を形成する処理を実行するにあたり、重ね印刷における正確な画像形成および安定した画像形成を実行する、ことについて課題がある。
本発明は、布帛に対して重ねて画像形成処理を実行するときに、効率的かつ正確に画像を形成できる液体吐出装置を提供することを目的とする。
上記技術的課題を解決するため、本発明の一形態は、布地に液体を吐出することで当該布地に画像を形成する液体吐出装置であって、外部装置からの画像形成指示に基づいて前記布地に対し前記画像を形成する画像形成処理を実行する画像形成処理部と、前記画像形成処理部の指示に基づく画像形成処理の終了後からの経過時間を計測する時間計測部と、前記経過時間が所定の閾値時間を超えているか否かを判定する経過時間判定部と、前記画像形成指示に基づく画像形成処理が行われた布地に対する再度の画像形成指示である再画像形成指示を受け付ける再画像形成指示受付部と、を備え、前記再画像形成指示受付部は、前記経過時間が前記閾値時間を超える前に前記再画像形成指示を受け付けたときには、当該経過時間が当該閾値時間を超えるまで待ってから前記画像形成処理部に対して再画像形成処理の指示をする、ことを特徴とする。
本発明によれば、布帛に対して重ねて画像形成処理を実行するときに、効率的かつ正確に画像を形成できる。
本発明に係る液体吐出装置の実施形態である印刷装置の外観図。 本実施形態に係る印刷装置の内部構造の要部を示す概略平面図。 本実施形態に係る印刷装置の制御ブロックの構成を示すブロック図。 本実施形態に係る印刷装置における記録媒体とプラテンとのギャップの計測方法の概要を示す概要図。 本実施形態に係る印刷装置の機能構成を示す機能ブロック図。 本実施形態に係る印刷装置の詳細な機能構成を示す機能ブロック図。 本発明に係る制御方法の実施形態を示すフローチャート。 本実施形態に係る制御方法の例を示すフローチャート。 本実施形態に係る制御方法のさらに別の例を示すフローチャート。 本実施形態に係る制御方法のさらに別の例を示すフローチャート。 本実施形態に係る制御方法のさらに別の例を示すフローチャート。 本実施形態に係る制御方法のさらに別の例を示すフローチャート。 本実施形態に係る閾値時間の例を示すグラフ。
以下、本発明に係る液体吐出装置の実施形態、当該装置の制御方法に係る実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明は、布帛に液体を吐出して画像を形成する画像形成処理(印刷処理)を行う装置(液体吐出装置)に関するものであって、特に、重ね印刷を行うときに最適な画像形成環境を整える機能に関するものを要旨の一つとする。ここで「重ね印刷」とは、画像を形成する領域(プリント領域)の全領域に対する画像形成処理を実行した後に、同じ記録媒体(布帛)に対して同じ画像を再度、同じプリント領域に形成する画像形成処理をいう。なお、本実施形態における「重ね印刷」は、少なくとも、二度の画像形成処理を含むものをいうが、回数はこれに限定されるものではなく、三度以上の画像形成処理を同じプリント領域に対し同じ画像を用いて行ってもよい。また、「画像形成環境」とは、布帛に液体を吐出する機構(ノズル口)と当該布帛との距離や、画像が形成される布帛面の状態などを含み、画像形成処理によって布帛に形成される画像の質に影響を与える要素を指す。例えば、ノズル口と布帛との距離を「最適な距離に整える処理」とは、画像形成処理が実行された後に次の再画像形成処理を実行するまでの間に、布帛面とノズル口との距離を再調整する処理をいう。また、「最適な布帛面の状態」とは、画像形成処理が実行された後の再画像形成処理を実行しても液体が裏地に透過してしまう「裏抜けが生じない状態」を指す。「裏抜け」が生じない状態にするには、再度の画像形成処理を実行するまでの待ち時間を適切に設定することが望ましい。
以下に、本発明に係る液体吐出装置の一実施形態について、図面を参照しながら説明をする。図1(a)は、本発明に係る液体吐出装置の例である印刷装置1外観を示す正面図、図1(b)は、印刷装置1の右側面図である。
図1(a)に示すように印刷装置1は、装置本体100の内部に、布帛を保持するプラテン部材300を備えるカセット200を着脱可能に保持して進退移動するカセット移動機構であるステージ400を備える。
また、装置本体100の正面上部には、操作パネル101が配置されている。操作パネル101は、印刷装置1の動作開始を指示する操作キーや、動作に用いる情報を設定するための設定キーなどが配置されている。また、操作パネル101には、印刷装置1の動作状況は、動作結果などの情報を表示する表示パネルも配置されている。操作パネル101は、操作部を構成し、重ね印刷を実行したときの再画像形成処理を強制的に実行する指示を与える指示部としても機能する。
なお、プラテン部材300に保持可能な布地には、ハンカチ、タオルなどの一枚の布帛で形成されるものだけではなく、Tシャツ、トレーナーなどの衣服として加工された布帛、トートバック等の製品の一部となっているものも用いることができる。
図1(b)に示すように、装置本体100の後部には、後部カバーを備えていて、カセット200の副走査方向の移動量を確保するための空間を保持している。
図2は、印刷装置1の内部構造のうち、画像形成処理を実行する要部を概略的に示す概略平面図である。図2に示すように、印刷装置1には、カセット200の天面部分に相当する位置にプラテン部材300が配置されている。このカセット200は、装置本体100に対して矢印A方向(送り方向、副走査方向)に移動可能に保持されている。カセット200を保持するステージ400を、副走査方向において移動可能に保持する部材として、矢印A方向に沿って移動ガイド部材106L、106Rが配置されている。
印刷手段である液体を吐出する液体吐出ヘッド103は、キャリッジ102に保持されている。キャリッジ102は、プラテン部材300に対して矢印B方向(主走査方向)に移動するように保持されている。キャリッジ102は、矢印B方向に沿って配置されたキャリッジガイド部材109によって移動可能に保持されている。キャリッジ102は、後述する主走査モータ112によって、キャリッジガイド部材109に沿った往復移動をする。液体吐出ヘッド103は、キャリッジ102によって主走査方向に移動しながら所定のタイミングにおいて所定の滴量のインクを布地面に吐出するように動作する。
印刷装置1においては、カセット200のプラテン部材300に布地をセットした状態で、装置本体100内の移動ガイド部材106L、106Rに移動可能に保持されているステージ400にカセット200が装着される。そして、ステージ400の矢印A方向への移動と液体吐出ヘッド103の矢印B方向への往復移動を繰り返すことで、プラテン部材300に保持されている布地に所要の画像を印刷する。
なお、プラテン部材300はカセット200から着脱可能であり交換可能に形成されている。これによりプラテン部材300を複数用意し、印刷動作中に別のプラテン部材300に衣類を巻き付けておくことができ、印刷、定着終了後にプラテン部材300を交換するだけで速やかに次の布地の印刷を開始することができる。
カセット200に布地をセットするときには、プラテン部材300の外周カバーを開いて、プラテン部材300に布帛をセット(保持)する。このとき、布帛の余分な部分(余剰部分)はカセット200の内部空間に収容できるようになっている。
そして、布地に画像を形成するときには、図1に示すように、カセット200を装置本体100のステージ400上に装着する(セットする)。
このように、カセット200は装置本体100から全体を取り出した状態にして印刷対象である布地をプラテン部材300にセットすることができるので、プラテン部材300への布地のセット作業が容易になる。
図2に示すように、主走査方向の一方の端部であって、カセット200の外側には、液体吐出ヘッド103の状態を画像形成動作に適した状態に維持するための維持回復機構104が配置されている。また、維持回復機構104とは主走査方向の反対側端部に、ノズル口に液体が詰まることを防止するための「空吐出動作」を実行したときに吐出される液体を回収するための空吐出受け105が配置されている。
次に、本実施形態に係る印刷装置1の制御ブロックの構成について図3を用いて説明する。図3に示すように、印刷装置1の制御部120は、CPU121、ROM122、RAM123、NVRAM124、ASIC125を備えている。
CPU121は、印刷装置1に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル101と接続されていて、印刷装置1全体の制御を司る。また、CPU121は、プラテン部材300の搬送動作(副走査方向への移動)及びキャリッジ102の主走査方向への移動動作、および、液体吐出ヘッド103による液体吐出動作に関する制御を司る機能を兼ね備えている。
ROM122は、CPU121が実行するプログラムやその他の固定データを格納する不揮発性の記憶媒体である。ROM122に記憶されているプログラムをCPU121の演算処理機能により実行することで、後述するプログラム制御部が構成される。
RAM123は、画像形成処理に用いられる画像データ等を一時格納する。また、RAM123は、プログラム制御部が実行されるときのワークエリアとして機能する。
NVRAM124は、印刷装置1の電源が遮断されている間もデータを保持するための書き換え可能な不揮発性の記憶媒体である。
ASIC125は、画像データに対する各種信号処理、並び替え等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理する。
また、制御部120は、ホストインターフェース(I/F)133、印刷制御部127、主走査モータ駆動部128、ギャップ調整部129、副走査モータ駆動部130、入出力(I/O)部126を備えている。
ホストI/F133は、外部装置500が有するプリンタドライバ501等のホスト側とのデータや制御信号の送受を行う役割を担う。
印刷制御部127は、液体吐出ヘッド103を駆動するための駆動波形を生成すると共に、液体吐出ヘッド103の圧力発生手段を選択的に駆動させる画像データ及びそれに伴う各種データをヘッドドライバ111に出力する。
主走査モータ駆動部128は、主走査モータ112を駆動する。
ギャップ調整部129は、プラテン部材300を昇降するプラテン昇降モータ113へギャップ調整を指示する。
副走査モータ駆動部130は、カセット200を副走査方向に移動させる副走査モータ114を駆動する役割を担う。
位置検知センサ駆動部131は、印刷制御部127による画像形成処理が実行されるまえの初期設定時や、重ね印刷を実行するときに、位置検知センサである発光素子107と受光素子8を動作させる。位置検知センサ駆動部131によって、プラテン部材300に保持されている布地の表面と液体吐出ヘッド103のノズル口が布地に対向する対向面との間に形成されているギャップが、所定の距離以上であることを検知する。
濃度センサ駆動部132は、印刷制御部127における画像形成処理の結果、布地に形成された画像の濃度を検知する濃度センサ115の動作を制御する。濃度センサ115の検知結果はCPU121において判断され、重ね印刷の実行要否の判定に用いられる情報となる。
I/O部126は、印刷装置1の動作に要する各種センサからの検知信号を入力する。
制御部120では、画像形成処理に用いる印刷データ等を外部装置500が備えるプリンタドライバ501から、ケーブルやネットワークを介してホストI/F133で受信する。印刷データは、例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の情報処理装置、イメージスキャナ等の画像読み取り装置、デジタルカメラ等の撮像装置のホスト機能を備える外部装置500のプリンタドライバ501により生成される。印刷データを受信した制御部120では、CPU121がホストI/F133に含まれる受信バッファ内の印刷データを読み出して解析する。また、その解析結果に応じてASIC125によって必要な画像処理、データの並び替え処理等を行って印刷制御部127に転送する。そこで、印刷制御部127は所要のタイミングでヘッドドライバ111に画像データや駆動波形を出力する。なお、画像出力するためのドットパターンデータの生成は、例えばROM122にフォントデータを格納して行ってもよいし、ホスト側のプリンタドライバ501で画像データをビットマップデータに展開して装置へ転送するようにしてもよい。ここでは、例えばプリンタドライバ501で行うものとする。
印刷制御部127の駆動波形生成部は、ROM122に格納されてCPU121で読み出される駆動パルスのパターンデータをD/A変換するD/A変換器及び増幅器等で構成される。そして、一つの駆動パルスまたは複数の駆動パルスで構成される駆動波形をヘッドドライバ111に対して出力する。ヘッドドライバ111は、シリアルに入力される液体吐出ヘッド103の1行分に相当する画像データ(ドットパターンデータ)に基づいて液体吐出ヘッド103を駆動する。このために、ヘッドドライバ111は、印刷制御部127の駆動波形生成部から与えられる駆動波形を構成する駆動パルスを選択的に液体吐出ヘッド103の圧力発生手段に対して印加する。
なお、ヘッドドライバ111は、例えばクロック信号及び画像データであるシリアルデータを入力するシフトレジスタ、シフトレジスタのレジスト値をラッチ信号でラッチするラッチ回路、を含む。その他、ラッチ回路の出力値をレベル変化するレベル変換回路(レベルシフタ)、このレベルシフタでオン/オフが制御されるアナログスイッチアレイ(スイッチ手段)等を含む。機能上では、アナログスイッチアレイのオン/オフを制御することで駆動波形に含まれる所要の駆動パルスを選択的に液体吐出ヘッド103の圧力発生手段に印加する場合を例示できる。ギャップ調整部129は、プラテン昇降モータ113で布地を支持したプラテン部材300を上下駆動する。そして、位置検知センサとして機能する発光素子107及び受光素子8による光学的検出手段でジャムの発生の有無が判定された結果に応じて布地のギャップ(高さ)の調整を行う。
ここで、位置検知センサである発光素子107と受光素子8により検知される布地の位置に基づいて、ギャップ調整部129がノズル口とプラテン部材300に保持されている布地との距離(ギャップ)を調整する仕組みについて図4を用いて説明する。
画像形成処理を開始する初期設定として、カセット200を副走査方向に移動させながら、発光素子107から発した光が受光素子8において受光され続けることを確認する。正常時のプラテン部材300は、保持している布地の面が、発光素子107と受光素子8により形成される検知ラインに対して所定のギャップ(Δh)となる位置にある。布地は、「毛羽寝かせ」や「しわ伸ばし」を施した状態でプラテン部材300に保持されているので、正常であれば、ステージ400に設置されたカセット200が副走査方向全域に移動しても、発光素子107からの光が遮られることはない。
仮に、発光素子107の光が遮られることがあった場合、ギャップ調整部129がプラテン昇降モータ113を駆動して、ステージ400を下げて、ギャップ(Δh)を大きくする。なお、ノズル口と布地との距離は、近いほど吐出したインクが分離したり、放物線を描いて着弾位置がずれたりする、等の影響を減らすことができる。しかしながら、この距離をゼロにすることはできないので、ある程度の範囲でノズル口と布地との距離を設定する必要がある。そこで、特に、センシングの位置精度や調整機構の精度を考慮すると0.5mm〜0.7mmが好適である。したがって、布地の上面(ノズル口に対向する面)が、上記の距離値が最小値よりも短くなっているときには発光素子107からの光が遮られるように、発光素子107と受光素子108の位置関係を調整し設置する。そして、発光素子107からの光が遮られるようであれば、ギャップ(Δh)を調整するためにステージ400を移動させて距離値が最大値になるようにする。その後、再度、ステージ400を副走査方向に移動させる。再度の移動時にも光が遮られることがあれば、処理異常として印刷装置1の動作を停止する。
なお、ギャップ(Δh)の検知は、重ね印刷を行うときの一度目の画像形成と二度目の画像形成の間にも実行する。
ギャップ(Δh)の調整量の判定は、発光素子107から受光素子8までの距離に含まれるプラテン部材300の幅方向の全域において、布地の高さを検知することにより行われる。発光素子107からの光が布地の表面の毛羽などによって完全に遮られない状態であっても、受光素子8における受光量は、布地の表面の凸部で遮られる度合いによって変化する。そこで、受光素子8における受光量が所定の閾値以下であれば、ギャップ(Δh)を広げるようにギャップ調整部129がプラテン昇降モータ113を駆動すればよい。また、受光素子8における受光量に基づいて、好適なギャップ(Δh)を設定するように、ギャップ調整部129がプラテン昇降モータ113を駆動してもよい。
例えば布地に凹凸がなく平坦であれば、布地のギャップ調整した位置に関わらず正常な画像形成を実行できる。
仮に、布地に凹凸があって、高さ調整した位置が凹部であった場合にはキャリッジ102の液体吐出ヘッド103と布地の凸部とが衝突する可能性が生ずる。こうした場合には制御部120は、印刷装置1の動作を停止させる。ただし、ジャムを発生する状況でも、仮にギャップ(Δh)を大きくするように変更すれば、重ね印刷の二度目の画像形成時にジャムを生じなくさせる設定を行えれば、支障なく重ね印刷を実施することができる。
即ち、本実施形態に係る印刷装置1では、重ね印刷における一度目の印刷が実行された後の液体吐出ヘッド103と布地とが衝突する可能性があっても、二度目の印刷の前に液体吐出ヘッド103と布地とのギャップ(Δh)を変更して衝突しない距離に設定する。これにより、布地に対する重ね印刷の実行環境を整備する環境整備処理を実行する。
次に、印刷装置1の制御を実行する制御ブロック10について、図5を用いて説明する。制御ブロック10は、画像形成処理部11と、液体吐出制御部12と、ヘッド移動制御部13と、プラテン移動制御部14と、時間計測部15と、経過時間判定部16と、再画像形成指示受付部17と、閾値時間記憶部18と、環境整備処理部19と、濃度判定部20と、を有する。
画像形成処理部11は、外部装置500からの画像形成指示に基づいて、画像形成用の画像データを生成し、当該画像データを用いて布地に画像を形成するように液体吐出制御部12、ヘッド移動制御部13、プラテン移動制御部14に指示を与える。また、画像形成処理部11は、再画像形成指示受付部17からの指示に基づいて、再画像形成処理を実行するように、液体吐出制御部12、ヘッド移動制御部13、プラテン移動制御部14に指示を与える。
液体吐出制御部12は、画像形成処理部11からの指示に基づいて、印刷制御部127を駆動して、ヘッドドライバ111を介して液体吐出ヘッド103から所定のタイミング、所定の液量で液体(インク)を吐出させる。
ヘッド移動制御部13は、画像形成処理部11からの指示に基づいて、主走査モータ駆動部128に主走査モータ112を駆動させて、キャリッジ102を主走査方向に移動させる。
プラテン移動制御部14は、画像形成処理部11からの指示に基づいて、副走査モータ駆動部130に副走査モータ114を駆動させて、ステージ400を副走査方向に移動させ、プラテン部材300に保持されている布地の副走査方向移動を実行する。
時間計測部15は、重ね印刷を実行するときに、画像形成処理部11が指示をした画像形成処理が終了した時点からの経過時間を計測するタイマーである。ここで、重ね印刷について説明する。「重ね印刷」とは、画像形成処理部11から液体吐出制御部12、ヘッド移動制御部13、プラテン移動制御部14に対して、一度与えられた指示と同じ指示を再度与える画像形成処理である。当該画像形成処理を「再画像形成処理」とする。したがって、「再画像形成処理」では、同じ布地の画像形成領域(プリント領域)の全領域に対して同じ画像を再度形成する画像形成処理を実行する。
経過時間判定部16は、重ね印刷を実行するときに、二度目の画像形成処理を実行するための待ち時間を規定する閾値時間を用いて、時間計測部15において計測されている経過時間が閾値時間を超えているか否かを判定する処理を実行する。経過時間判定部16は、経過時間が閾値時間を超えている場合には、再画像形成指示受付部17に対して再画像形成処理の実行指示を画像形成処理部11に通知するための指示を通知する。なお、経過時間判定部16において、経過時間が閾値時間を超えたときは、その旨を通知する表示を操作パネル101に表示してもよい。
再画像形成指示受付部17は、重ね印刷を実行したときの二度目の画像形成処理のトリガーを操作パネル101から入力された場合、それ受け付けて、画像形成処理部11に通知する。また、再画像形成指示受付部17は、二度目の画像形成処理の指示が入力された時、すなわち、強制的な再画像形成指示が要求された時を閾値時間記憶部18に通知する。
閾値時間記憶部18は、待ち時間を規定する閾値時間をNVRAM124に記憶させる処理を実行する。また、閾値時間記憶部18は、待ち時間に再画像形成指示受付部17からの再画像形成指示を受け付けた時は、その時までの経過時間を用いて閾値時間を上書き記憶する。すなわち、重ね印刷を実行するときに、一度目の印刷後、二度目の印刷を開始するまでの好適な時間をとして、操作パネル101を操作するユーザが設定を変更することができる。閾値時間は、布地の種類によって区別されたデータ構造を備える「閾値情報」としてNVRAM124に記憶されればよい。当該閾値情報は、予め、布地の種類ごとに適する閾値時間を組み合わせて生成しておけばよい。
環境整備処理部19は、重ね印刷を実行する際に、一度目の画像形成と二度目の画像形成の間において、布地とノズル口のギャップ(Δh)の調整、液体吐出ヘッド103の清掃、液体インクの補充など、画像形成処理のための環境を整備するための処理を実行する。
濃度判定部20は、重ね印刷を実行したときに、一度目の画像形成の終了後、ステージ400を副走査方向に移動させながら、濃度センサ115を動作させて、布地に形成された画像の濃度を判定する処理を実行する。
図6は、環境整備処理部19のさらに詳細な構成を例示する制御ブロック図である。図6に示すように、環境整備処理部19は、プラテン位置調整部190と、インク補充部194と、ヘッド清掃部195と、を有する。また、プラテン位置調整部190は、さらに布地検知部191、距離判定部192、プラテンレベル変更部193から構成される。
インク補充部194は、重ね印刷を実行したときの一度目の画像形成処理が終了した段階で、二度目の画像形成処理において消費される液体インクの量が、インクタンクにある残量以上であるとき、インク補充処理を実行する。インク補充処理は、キャリッジ102をホームポジションに移動させて、補充タンクに保持されている液体インクを液体吐出ヘッド103が備えるインクタンクへ補充する処理である。インク補充部194における処理によって、インクタンクからインクカートリッジに液体インクを送り出すポンプなどの液体配送機構が動作をする。このような液体配送機構とともにインク補充部194は液体補充部を構成する。
ヘッド清掃部195は、重ね印刷を実行したときの一度目の画像形成処理が終了した段階で、二度目の画像形成処理を開始する前に、キャリッジ102を維持回復機構104の位置に移動させて、ノズル口をウエスなどにより払拭する処理を実行する。また、ヘッド清掃部195は、キャリッジ102を空吐出受け105の位置に移動させて、液体吐出ヘッド103に空打ちをさせる。これによって、ノズル口に付着しているホコリなどを除去する処理を実行する。
プラテン位置調整部190が備える布地検知部191は、発光素子107と受光素子8を動作させて、プラテン部材300に保持されている布地を検知する処理を実行する。距離判定部192は、布地検知部191の検知結果に基づいて、ギャップ(Δh)を算出し、所定の閾値を超えているか否かを判定し、ギャップ(Δh)が閾値距離よりも小さければ、あらたなギャップ(Δh)を設定する。プラテンレベル変更部193は、プラテン部材300と布地とのギャップ(Δh)の設定に基づいて、ステージ400を昇降させて、最適なギャップ(Δh)となるように制御する処理を実行する。
[制御方法の第一例]
次に、本実施形態に係る印刷装置1における制御方法の例について、フローチャートを用いて説明する。なお、以下において説明する処理は、重ね印刷処理である。図7に示すように、重ね印刷処理が開始されると、まず、初期処理が実行される(S701)。S701は例えば、キャリッジ102をホームポジションに移動させて、ステージ400を副走査方向に移動し、ギャップ(Δh)が所定の値以内である事を確認する処理である。
初期処理(S701)が終了後、一度目の画像形成処理(印刷処理)が実行される(S702)。一度目の画像形成処理が終了後、時間計測部15が時間の計測を開始する(S703)。本実施形態では、経過時間を「T」とする。
続いて、画像濃度が所望するものであるか否かを判定する(S704)。S704の処理は、濃度判定部20が濃度センサ駆動部132を駆動して、濃度センサ115が検知した布地表面の画像の状態から、画像濃度を算出する。そして、算出された画像濃度と閾値濃度と比較することで、重ね印刷の二度目の画像形成処理が必要であるか否かを判定する。なお、S704を濃度センサ115の検知によらず、ユーザが画像を視認して行ってもよい。この場合、画像形成(S702)が終了し、ステージ400に載せられて排出されてきた布地に形成された画像をユーザが見て、濃度が十分であると感じれば、操作パネル101を介して「重ね印刷終了」を指示する操作を行えばよい。
ここで、画像濃度について説明する。図13に、重ね印刷における二度目の画像形成処理を実行するまでの待ち時間と、表面(インクが吐出される側)と裏面の画像濃度の関係について、実験した結果を例示する。図13に示すように、表面画像濃度は、二度目の画像形成までの時間(待ち時間)が長くなるにつれて増加する。すなわち、画像が濃く、鮮明になる。また裏面画像濃度は、二度目の画像形成までの時間(待ち時間)が長くなるにつれて減少する。すなわち、画像の裏抜けが少なくなる。図13に例示したグラフは、薄手の布地の例として、いわゆる「ライトウェイトTシャツ」をプラテン部材300に保持させて画像形成処理を実行したものである。「ライトウェイトTシャツ」は薄手の生地の例として用いただけであるから、これ以外の布地であってもよく、本実施形態に適用可能な布地を限定するものではない。
図13のグラフに元になるデータを表1に示す。表1に示す様に、再印刷、すなわち重ね印刷における一度目の画像形成処理が終了してから二度目の画像形成処理が開始されるまでの「待ち時間」が40秒程度までだと、裏抜けが生じしている。表面画像濃度が1.3以上であれば、画像は鮮明になっていると判定できるとすると、待ち時間を「40秒以上」にすることで、裏抜けのしやすい薄手の布地(ライトウェイトTシャツ)であっても、重ね印刷を行ってもよいことになる。待ち時間の好適な例について、表1を用いて説明する。
Figure 0006950610
「裏抜け」とは、布帛の裏に液体インクが滲み出す現象である。裏抜けが生ずると、例えば、Tシャツの裏面であれば素肌に直接触れるので、素肌に液体インクが接触する状態になる。このような状態になると見た目が悪いだけでなく、液体インクが乾ききらないうちに当該Tシャツを身につけると、肌を汚すなどの不具合の原因になる。また、表面画像濃度の好適な値の閾値として採用できる「1.3」を表1に当てはめてみると、二度目の画像形成処理を実行しなかった場合(待ち時間が「−」の場合)の表面画像濃度は「1.27」である。一方、二度目の画像形成処理を実行した場合(待ち時間が設定されている場合)の表面画像濃度は「1.3」以上になっている。したがって、ライトウェイトTシャツのような薄手の布帛を用いる場合には、「重ね印刷」が有効であることがわかる。
一方、裏抜けの有無を裏面画像濃度によって確認すると、裏抜けが生じている場合の裏面画像濃度の閾値として採用できる「0.4」を表1に当てはめると、待ち時間を40秒とする場合までは、裏抜けが生じていることになる。以上に基づいて、重ね印刷を実行するときに、二度目の画像形成処理を開始するまでの経過時間としての最短時間は40秒である。したがって、この「40秒」を閾値時間の初期値とする。なお、閾値時間は、布地の種類や特性を示す「布地情報」に基づいて一意に決定されるものである。布地情報は、複数の布地を区別するための情報であって、当該布地情報が示す布地と、それに適する閾値時間とを関連付けた構造からなるデータ群である「閾値情報」に含まれる。なお、閾値情報は、ユーザが操作パネル101を操作して任意の値に変更してもよいし、ユーザが所望する布地に合わせて適宜変更してもよい。
図7に戻る。S704を濃度センサ115の検知結果に基づいて行うならば、画像濃度が所望する値、すなわち、表面画像濃度「1.3」以上であれば(S704/YES)、二度目の画像形成処理は不要であるから、処理を終了する。表面画像濃度が1.3未満であれば(S704/NO)、重ね印刷を実行するための待ち時間が経過したか否かの判定処理が実行される(S705)。なお、S704の処理をユーザの視覚に基づいて実行してもよい。その場合は、画像形成処理(S702)が実行された後の一定時間内に、ユーザが画像を視認して、濃度が十分であるとするならば操作パネル101に対する所定の操作を行うようにする(S704/YES)。ユーザによる操作パネル101の操作が行われなければ濃度判定はNGであるとする(S704/NG)。
S705において、経過時間であるTが、閾値時間であるTh(例:40秒)以上であるか否かを判定する。経過時間が閾値時間を超えていれば(S705/YES)、再画像形成処理を実行する(S706)。経過時間が閾値時間を超えていなければ(S705/NO)、環境整備処理を実行する(S707)。環境整備処理の詳細については、後述する。なお、後述するように環境整備処理は、所定の条件下においては特段の処理を行わずに終了する。したがって、環境整備を行うと時間を要する場合や、環境整備をしなくても再画像形成処理における問題が生じない場合などは、そのまま閾値時間を超えるまで待った上で再画像形成を実行させてもよい。
[制御方法の第二例]
次に、本実施形態に係る印刷装置1における制御方法の別の例について、図8のフローチャートを用いて説明する。なお、以下において説明する処理の流れは、図7のフローチャートを用いて説明した処理の流れと共通する部分がある。以下、同じ処理についての説明は省略する。
まず、初期化処理(S801)が実行され、その後、画像形成処理が実行される(S802)。続いて、経過時間を計測するためのタイマーがスタートする(S803)。続いて、濃度判定処理を実行し、表面画像濃度が閾値濃度を超えていれば(S804/YES)、処理は終了し、表面画像濃度が閾値濃度を超えていなければ(S804/NO)、時間判定処理が実行される(S805)。
経過時間である「T」が、閾値時間である「Th」以上になっていれば(S805/YES)、再画像形成処理を実行し(S806)、処理は終了する。
経過時間が閾値時間を未満のとき(T<Th)は(S805/NO)、操作パネル101をユーザが操作する強制重ね印刷操作が実行されたか否かの判定をする(S807)。強制重ね印刷操作が行われなければ、待ち時間の経過を待つ(S807/NO)。
画像形成処理(S802)が終了した段階で、ユーザが表面の画像を視認した結果、再画像形成処理の実行を即断する場合は、ユーザが操作パネル101を操作することで(S807/Y)、経過時間に至る前に再画像形成処理を実行できるようにする。この場合、操作パネル101を操作して強制的に再画像形成処理の実行指示を与えたときは、その指示が生じた時点の経過時間を用いて、閾値時間を更新する(S808/YES)。これによって、当該ユーザが、次に重ね印刷を実行するときの待ち時間を、ユーザの好みに合わせて短縮することができる。
[制御方法の第三例]
次に、本実施形態に係る印刷装置1における制御方法の別の例について、図9のフローチャートを用いて説明する。なお、以下において説明する処理の流れは、図7および図8のフローチャートを用いて説明した処理の流れと共通する部分がある。以下、同じ処理についての説明は省略する。
まず、初期化処理(S901)が実行され、その後、画像形成処理が実行される(S902)。続いて、経過時間を計測するためのタイマーがスタートする(S903)。続いて、濃度判定処理を実行し、表面画像濃度が閾値濃度を超えていれば(S904/YES)、処理は終了し、表面画像濃度が閾値濃度を超えていなければ(S904/NO)、時間判定処理が実行される(S805)。
経過時間である「T」が、閾値時間である「Th」以上になっていれば(S905/YES)、再画像形成処理を実行し(S906)、処理は終了する。
経過時間が閾値時間を未満のとき(T<Th)は(S905/NO)、操作パネル101をユーザが操作する強制重ね印刷操作が実行されたか否かの判定をする(S907)。強制重ね印刷操作が行われなければ、待ち時間の経過を待つ間に(S907/NO)、環境整備処理を実行する(s909)。
画像形成処理(S902)が終了した段階で、ユーザが表面の画像を視認した結果、再画像形成処理の実行を即断する場合は、ユーザが操作パネル101を操作することで(S907/Y)、経過時間に至る前に再画像形成処理を実行できるようにする。この場合、操作パネル101を操作して強制的に再画像形成処理の実行指示を与えたときは、その指示が生じた時点の経過時間を用いて、閾値時間を更新する(S908/YES)。
以上のように、待ち時間が設けられるときは、再画像形成処理を実行する前に環境整備処理を実行し(S909)、より質のよい重ね印刷を実行できるようにする。また、ユーザが、次に重ね印刷を実行するときの待ち時間を、ユーザの好みに合わせて短縮することもできる。
[制御方法の第四例]
次に、環境整備処理の例について、フローチャートを用いて説明する。図10の例は、環境整備処理として、布地とノズル口のギャップ(Δh)を調整するレベル調整処理の流れを示すフローチャートである。
まず、レベル検知処理が実行される(S1001)。S1001においては、プラテン移動制御部14がステージ400を副走査方向に移動させながら、布地検知部191が発光素子107と受光素子8の動作を制御して、布地の上下方向の位置を検知する。続いて、布地検知部191における検知結果に基づいてギャップ(Δh)を算出する。
次に、算出されたギャップ(Δh)が所定の閾値距離を超えているか否かを判定する(S1002)。閾値距離を超えていなければ(S1002/NO)、レベル調整は不要なので環境整備処理は終了する。閾値距離を超えていれば(S1002/YES)、ギャップ(Δh)がプラテンレベル変更部193の処理によって調整可能な範囲であるか否かを判定する(S1003)。調整不能であれば(S1003/NO)、印刷処理を終了する(S1005)。
レベル調整可能な範囲であれば(S1003/YES)、プラテンレベル変更部193によって、ステージ400の上下方向の位置を調整し、プラテン部材300のレベルを調整する処理が実行される(S1004)。S1004のレベル調整処理が終了すれば、環境整備処理は終了である。
以上のように、複数回の画像形成処理を実行する重ね印刷において、先の画像形成処理によって、布地の表面に毛羽立ちやシワが生じていて、ノズル口と布地との好適なギャップ(Δh)よりも近づいているとしても、後の画像形成処理との間でこれを検知する。この検知を行う環境整備処理によって、すでに画像が形成された布地に対する、次の画像形成の環境の一つとなるノズル口と布地とのギャップ(Δh)を適切な値に調整することができる。これによって、重ね印刷の画質を向上させることもできる。
[制御方法の第五例]
次に、環境整備処理の別の例について、フローチャートを用いて説明する。図11の例は、環境整備処理として、再画像形成処理を実行する前に、インク残量をチェックして、必要なインク液を補充する処理の流れを示すフローチャートである。
まず、液体吐出ヘッド103が備えるインクカートリッジに残っているインク残量を検知する。インク残量の検知は、インクカートリッジが備えるセンサにより行う(S1101)。
インク残量が再画像形成処理によって消費されるインク量よりも多ければ、インク残量は不足していないので(S1102/NO)、インクの補充動作は不要である。この場合、環境整備処理は終了する。
インク残量が再画像形成処理によって消費されるインク量よりの少なければ(S1102/YES)、補充用のインクタンクからのインク補充動作を実行する必要がある。この場合、インクタンクに補充に必要なインク量が残っているか否かを判定する(S1103)。インク補充可能範囲を超えていれば(S1103/NO)、再画像形成処理は実行できないので、処理を中止する(S1105)。
インク補充可能範囲内であれば(S1103/YES)、インクタンクからの補充処理を実行し(S1104)、環境整備処理は終了する。これによって、再画像形成処理の途中でインク切れになることを防止できる。
[制御方法の第六例]
次に、環境整備処理のさらに別の例について、フローチャートを用いて説明する。図12の例は、環境整備処理として、再画像形成処理を実行する前に、ヘッド清掃処理を実行する流れを示すフローチャートである。
まず、ヘッド清掃部195が、前回のヘッド清掃の時期を参照して、このタイミングヘッド清掃動作を実行すべきか否かを判定する(S1201)。なお、前回のヘッド清掃時期は、NVRAM124などの不揮発性の記憶媒体に記憶されているものとする。
ヘッド清掃時期は、ある程度の時間が経過しているときに実行するので、前回のヘッド清掃時期からの経過が短ければ(S1201/NO)、環境整備処理を終了する。
前回のヘッド清掃動作からの経過が閾値以上であれば(S1201/YES)、ヘッド清掃部195が主走査モータ駆動部128を介して主走査モータ112を動作させて、キャリッジ102を維持回復機構104の位置に移動させる。維持回復機構104にキャリッジ102が移動すると、キャリッジ102に保持されている液体吐出ヘッド103のノズル口が清掃される(S1202)。
ヘッド清掃処理が終了したら、ヘッド清掃時期を更新する(S1203)。以上のように、待ち時間が経過するまでに、ヘッド清掃処理を実行することで、再画像形成処理における画像形成の質を向上させることができる。
第四例から第六例として説明した環境整備処理は、全てを並列かつ同時に実行してもよいし、適宜選択的に実行されてもよい。
以上説明した印刷装置1および印刷装置1における制御方法によれば、特に薄手の布地に対する画像形成処理において、画像を鮮明にさせるための「重ね印刷」を実行するときに、裏写りを効果的に防ぎかつ、効率的に画像形成処理を実行できる。
また、重ね印刷の途中に設けられる待ち時間において、液体吐出ヘッド103の状態を回復させる処理や、布地のシワなどによる画像形成環境の乱れを整備する処理を適宜実行することができる。これによって、画質のよい画像形成処理を実行することができる。
なお、プラテン部材300にセットした布地(布帛)の厚みを印刷装置1が自動で認識できるようにしてもよい。この場合、プラテン部材300の表面に設定した基準面と、布地をセットした時の上面の差を、センサの検知結果から算出すればよい。あるいは、セットした布地の上面の位置(高さ)を例えばレーザ変位計などで計測しながら一定にするようにし、プラテン部材300の表面の沈み込んだ量を検知すればよい。
また、プラテン部材300にセットした布地の厚みを自動的に識別する方式として、例えば、複数のポジションセンサーを用いてもよい。この場合、プラテン部材300を上下に移動させながら、ポジションセンサーが検知した布地の位置から厚みを算出することができる。
1 :印刷装置
8 :受光素子
10 :制御ブロック
11 :画像形成処理部
12 :液体吐出制御部
13 :ヘッド移動制御部
14 :プラテン移動制御部
15 :時間計測部
16 :経過時間判定部
17 :再画像形成指示受付部
18 :閾値時間記憶部
19 :環境整備処理部
20 :濃度判定部
100 :装置本体
101 :操作パネル
102 :キャリッジ
103 :液体吐出ヘッド
104 :維持回復機構
105 :空吐出受け
106L :移動ガイド部材
106R :移動ガイド部材
107 :発光素子
109 :キャリッジガイド部材
111 :ヘッドドライバ
112 :主走査モータ
113 :プラテン昇降モータ
114 :副走査モータ
115 :濃度センサ
120 :制御部
121 :CPU
122 :ROM
123 :RAM
124 :NVRAM
125 :ASIC
126 :I/O部
127 :印刷制御部
128 :主走査モータ駆動部
129 :ギャップ調整部
130 :副走査モータ駆動部
131 :位置検知センサ駆動部
132 :濃度センサ駆動部
190 :プラテン位置調整部
191 :布地検知部
192 :距離判定部
193 :プラテンレベル変更部
194 :インク補充部
195 :ヘッド清掃部
200 :カセット
300 :プラテン部材
400 :ステージ
500 :外部装置
501 :プリンタドライバ
特開平8−039793号公報

Claims (10)

  1. 布地に液体を吐出することで当該布地に画像を形成する液体吐出装置であって、
    外部装置からの画像形成指示に基づいて前記布地に対し前記画像を形成する画像形成処理を実行する画像形成処理部と、
    前記画像形成処理部の指示に基づく画像形成処理の終了後からの経過時間を計測する時間計測部と、
    前記経過時間が所定の閾値時間を超えているか否かを判定する経過時間判定部と、
    前記画像形成指示に基づく画像形成処理が行われた布地に対する再度の画像形成指示である再画像形成指示を受け付ける再画像形成指示受付部と、
    を備え、
    前記再画像形成指示受付部は、前記経過時間が前記閾値時間を超える前に前記再画像形成指示を受け付けたときには、当該経過時間が当該閾値時間を超えるまで待ってから前記画像形成処理部に対して再画像形成処理の指示をする、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記経過時間が前記閾値時間を超えるまでの待ち時間において、再画像形成の実行環境を整える環境整備処理を実行する環境整備処理部を備える、
    請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記環境整備処理部は、前記布地と、当該布地に対して前記液体を吐出するノズル口との距離を検知し、当該距離が所定の閾値距離よりも長くなるように前記布地が固定されているプラテンの位置を調整するプラテン位置調整部を備え、
    前記環境整備処理は、前記プラテンの位置の調整処理である、
    請求項2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記環境整備処理部は、前記液体を補充する液体補充部を備え、
    前記環境整備処理は、前記液体の補充処理である、
    請求項2に記載の液体吐出装置。
  5. 前記環境整備処理部は、前記布地に対して液体を吐出するノズル口を清掃するヘッド清掃部を備え、
    前記環境整備処理は、ヘッド清掃部における前記ノズル口の清掃処理である、
    請求項2に記載の液体吐出装置。
  6. 前記画像形成処理により前記布地に形成された画像の濃度が所定の閾値濃度以上であるか否かを判定する濃度判定部を備え、
    前記濃度判定部は、当該濃度が前記閾値濃度未満のときに前記再画像形成指示の要求を前記再画像形成指示受付部に通知する、
    請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  7. 前記閾値時間を記憶し、前記再画像形成指示を受け付けたときの前記経過時間が前記閾値時間を超える前であるとき、当該再画像形成指示を受け付けた時に相当する前記経過時間を前記閾値時間として記憶する閾値時間記憶部を備える、
    請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記布地の厚さに応じた異なる布地情報を設定する操作部を備え、
    前記閾値時間は、前記操作部を介して設定された前記布地情報に基づいて決定される、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体吐出装置。
  9. 複数の前記閾値時間のうち、最短時間に相当する閾値時間の初期値は40秒である、
    請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 布地に液体を吐出することで当該布地に画像を形成する液体吐出装置の制御方法であって、
    外部装置からの画像形成指示に基づいて前記布地に対し画像を形成する画像形成処理を実行し、
    前記画像形成処理の指示に基づく処理の終了後からの経過時間を計測し、
    前記経過時間が所定の閾値時間を超えているか否かを判定し、
    前記画像形成指示に基づく処理が行われた布地に対する再度の画像形成指示である再画像形成指示を受け付け、
    前記経過時間が前記閾値時間を超える前に前記再画像形成指示を受け付けたとき、当該経過時間が当該閾値時間を超えるまで待ってから再度の画像形成処理の指示をする、
    ことを特徴とする液体吐出装置の制御方法。
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