JP6947267B1 - 電子部品・部材の洗浄水供給装置及び電子部品・部材の洗浄水の供給方法 - Google Patents
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Abstract
Description
以下、本発明の電子部品・部材の洗浄水供給装置の第一の実施形態について添付図面を参照にして詳細に説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態による電子部品・部材の洗浄水供給装置を示しており、図1において電子部品・部材の洗浄水供給装置1は、補給水配管2から超純水Wを導入してガス溶解膜などにより水素を添加することで洗浄水としての水素含有水を製造する補給水製造部3と、製造した水素含有水(洗浄水)W1を貯留する貯留槽4とを有する。貯留槽4には、該貯留槽4を出発して還流する循環式の洗浄水供給管5が設けられている。この洗浄水供給管5は、ユースポイント(UP)としての複数(本実施形態においては4台)の枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dにそれぞれ送給配管61A,61B,61C,61Dを経由して洗浄水W1を給液可能となっているとともに、これら各枚葉式洗浄機の稼働状況に応じ未使用の洗浄水W1を返送配管62A,62B,62C,62Dから洗浄水供給管5に返送可能となっている。そして、洗浄水供給管5の返送配管62A,62B,62C,62Dよりも下流側で貯留槽4の直前には、白金族金属触媒処理装置(PC)7が設けられている。また、本実施形態においては、洗浄水供給管5の出口側と入口側には、洗浄水W1の性状を確認するために溶存酸素計8A,8Bがそれぞれ設けられている。なお、9は補給水配管2から分岐したドレン水(DW)の排出管であり、洗浄水W1が所定の水質となるまで貯留槽4に貯留することなく排出可能となっている。
(白金族金属)
本実施形態において、白金族金属触媒処理装置7には、白金族金属を担持樹脂に担持させたものを用いる。この担持樹脂に担持される白金族金属としては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金を挙げることができる。こられの白金族金属は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることもでき、2種以上の合金として用いることもでき、あるいは、天然に産出される混合物の精製品を単体に分離することなく用いることもできる。これらの中で白金もしくは金属パラジウムもしくはロジウムの単独又はこれらの2種以上の混合物は、触媒活性が強いので好適に用いることができる。また、これらの平均粒子径1〜50nmである白金族金属のナノコロイド粒子も特に好適に用いることができる。
白金族金属触媒処理装置7において、白金族金属を担持させる担体樹脂としては、イオン交換樹脂を用いることができる。これらの中で、アニオン交換樹脂を特に好適に用いることができる。白金系金属は、負に帯電しているので、アニオン交換樹脂に安定に担持されて剥離しにくいものとなる。アニオン交換樹脂の交換基は、OH形であることが好ましい。OH形アニオン交換樹脂は、樹脂表面がアルカリ性となり、過酸化水素の分解を促進する。
本実施形態において、原水となる超純水Wとは、例えば、抵抗率:18.1MΩ・cm以上、微粒子:粒径50nm以上で1000個/L以下、生菌:1個/L以下、TOC(Total Organic Carbon):1μg/L以下、全シリコン:0.1μg/L以下、金属類:1ng/L以下、イオン類:10ng/L以下、過酸化水素;30μg/L以下、水温:25±2℃のものが好適である。
次に前述したような構成を有する本実施形態の電子部品・部材の洗浄水供給装置を用いた電子部品・部材の洗浄水の供給方法について説明する。
次に本発明の電子部品・部材の洗浄水供給装置の第二の実施形態について添付図面を参照にして詳細に説明する。
図2は、本発明の第二の実施形態による電子部品・部材の洗浄水供給装置を示している。本実施形態の電子部品・部材の洗浄水供給装置は、前述した第一の実施形態において、貯留槽4を有せず、補給水としての洗浄水W1を洗浄水供給管5に図示しないライン注入装置もしくはバッファー管で混合して循環する構造を有する以外、同じ構成を有する。
上述したような構成を有する本実施形態の電子部品・部材の洗浄水供給装置を用いた電子部品・部材の洗浄水の供給方法は、基本的には前述した第一の実施形態と同じである。ただし、本実施形態においては、補給水製造部3で製造した水素含有水(洗浄水)W1を微量ずつ連続的もしくは断続的に洗浄水供給管5に補充することが好ましい。
図3に示すように図1に示す装置1において、白金族金属触媒処理装置7を有しない電子部品・部材の洗浄水供給装置1を用意した。この電子部品・部材の洗浄水供給装置1を用いて、150L/分で超純水W(温度27℃、以下同じ)を補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を1.4ppmとなるよう超純水Wに添加して水素含有水(洗浄水)W1を製造して貯留槽4に送水した。この水素含有水(洗浄水)W1の初期溶存酸素濃度は、1ppb未満であった(以下、同じ)。続いて、貯留槽4から循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を返送配管62A,62B,62C,62Dから洗浄水供給管5に合流させ、貯留槽4に戻して、これを繰り返すことで循環させた。
比較例1において、図3に示す装置として、送給管61A,61B,61C,61Dと返送配管62A,62B,62C,62Dの配管の長さを比較例1の1/2の長さとしたものを用いた以外は同様にして、貯留槽4から循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、貯留槽4に戻して、これを繰り返すことで循環させた。
比較例1において、150L/分で超純水Wを補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を0.2ppmとなるよう超純水Wに添加した以外は同様にして水素含有水(洗浄水)W1を製造して貯留槽4に送水した。貯留槽4から循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、貯留槽4に戻して、これを繰り返すことで循環させた。
図4に示すように図2に示す装置1において、白金族金属触媒処理装置7を有しない電子部品・部材の洗浄水供給装置1を用意した。この電子部品・部材の洗浄水供給装置1を用いて、150L/分で超純水Wを補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を1.4ppmとなるよう超純水Wに添加して水素含有水(洗浄水)W1を製造し、循環式の洗浄水供給管5にライン注入で供給した。続いて、洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、これを繰り返すことで循環させた。
比較例4において、150L/分で超純水Wを補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を0.2ppmとなるよう超純水Wに添加した以外は同様にして水素含有水(洗浄水)W1を製造し、循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、これを繰り返すことで循環させた。
図1に示す装置1において、超純水Wを補給水製造部3に供給し、水素を添加することなく、そのまま貯留槽4に送水した。続いて、貯留槽4から循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、貯留槽4に戻して、これを繰り返すことで循環させた。
図1に示す装置を用いて、150L/分で超純水Wを補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を1.4ppmとなるよう超純水Wに添加して水素含有水(洗浄水)W1を製造して貯留槽4に送水した。続いて、貯留槽4から循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、白金族金属触媒処理装置7で処理した後、貯留槽4に戻して、これを繰り返すことで循環させた。
実施例1において、図1に示す装置として送給管61A,61B,61C,61Dと返送配管62A,62B,62C,62Dの配管の長さを比較例1の1/2の長さとしたものを用いた以外同様にして、貯留槽4から循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、白金族金属触媒処理装置7で処理した後、貯留槽4に戻して、これを繰り返すことで循環させた。
実施例1において、150L/分で超純水Wを補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を0.2ppmとなるよう超純水Wに添加した以外は同様にして水素含有水(洗浄水)W1を製造し、貯留槽4に送水した。貯留槽4から循環式の洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、白金族金属触媒処理装置7で処理した後、貯留槽4に戻して、これを繰り返すことで循環させた。
図2に示す装置1において、150L/分で超純水Wを補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を1.4ppmとなるよう超純水Wに添加して水素含有水(洗浄水)W1を製造し、循環式の洗浄水供給管5にライン注入で供給した。続いて、洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、これを繰り返すことで循環させた。
実施例4において、150L/分で超純水Wを補給水配管2から補給水製造部3に供給し、水素を0.2ppmとなるよう超純水Wに添加した以外は同様にして水素含有水(洗浄水)W1を製造し、循環式の洗浄水供給管5にライン注入で供給した。続いて、洗浄水供給管5を経由して枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dに洗浄水W1を供給した。この際、各枚葉式洗浄機6A,6B,6C,6Dで使用しなかった洗浄水W1を洗浄水供給管5に返送し、これを繰り返すことで循環させた。
2 補給水配管
3 補給水製造部
4 貯留槽
5 循環式の洗浄水供給管
6A,6B,6C,6D 枚葉式洗浄機
61A,61B,61C,61D 送給配管
62A,62B,62C,62D 返送配管
7 白金族金属触媒処理装置
8A,8B 溶存酸素計
9 ドレン排出管
W 超純水
W1 水素含有水(洗浄水)
Claims (7)
- 超純水に対して水素を添加した水素含有水を洗浄水として複数台の洗浄機に供給する電子部品・部材の洗浄水供給装置であって、
前記洗浄水を製造する補給水製造部と、
前記補給水製造部で製造された前記洗浄水を貯留する貯留槽と、
前記貯留槽を循環するように設けられ、前記補給水製造部で製造された前記洗浄水を洗浄機に供給する循環式の洗浄水供給管と、
前記洗浄機で未使用の前記洗浄水を前記循環式の洗浄水供給管に返送する返送配管と、
前記返送配管の下流側に設けられ、前記洗浄水中の溶存酸素を除去する白金族金属触媒処理装置と
を備える、電子部品・部材の洗浄水供給装置。 - 前記白金族金属触媒処理装置の白金族金属が、白金もしくは金属パラジウムもしくはロジウムである、請求項1に記載の電子部品・部材の洗浄水供給装置。
- 前記白金族金属触媒が、平均粒子径1〜50nmである白金族金属のナノコロイド粒子を担体に担持させたものである、請求項1又は2に記載の電子部品・部材の洗浄水供給装置。
- 超純水に対して水素を添加した水素含有水を製造し、この水素含有水を洗浄水として複数台の洗浄機に供給して電子部品・部材の洗浄を行う電子部品・部材の洗浄水の供給方法であって、
前記洗浄水を貯留槽に一旦貯留し、この貯留槽を循環するように設けた循環式の洗浄水供給管から前記洗浄機に前記洗浄水を供給するとともに、未使用の前記洗浄水を該洗浄水供給管に返送し、
前記洗浄水供給管に返送した未使用の前記洗浄水を含む洗浄水を白金族金属触媒処理装置で処理して前記洗浄水中の溶存酸素を除去した後、貯留槽に返送して循環利用する、電子部品・部材の洗浄水の供給方法。 - 前記水素含有水の水素濃度が0.2ppm以上となるように該水素含有水を製造する、請求項4に記載の電子部品・部材の洗浄水の供給方法。
- 前記白金族金属触媒処理装置の白金族金属触媒の白金族金属が、白金もしくは金属パラジウムもしくはロジウムである、請求項4又は5に記載の電子部品・部材の洗浄水の供給方法。
- 前記白金族金属触媒が、平均粒子径1〜50nmである白金族金属のナノコロイド粒子を担体に担持させたものである、請求項4〜6のいずれか1項に記載の電子部品・部材の洗浄水の供給方法。
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