JP6944303B2 - 取出し口付き紙箱 - Google Patents
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Description
外取出し口11を前面1Fに有すると共に上部孔12を天面1Tに有した外箱1と、
外箱1内に上下へスライド移動可能に収容される箱体からなり、内取出し口21を前面2Fに有した内箱2と、
外箱1内であって内箱2の下部に収容されて上下方向へ弾性圧縮変形するバネ材3と、を具備し、
外箱1の内部にバネ材3と内箱2を収容して、内箱と外箱が内外に近接した二重箱を構成してなり、
内箱2を外箱1の上部孔から押し下げて内箱2をスライド移動させることで、外箱の外取出し口と内箱の内取出し口とが外箱1の前面下端で重なった取出し状態となり、
内箱2内に収容された粒状菓子が前記取出し状態の外取出し口から排出される取出し口付き紙箱であって、
前記バネ材3は、内箱2の底面2Bに接触する押上げ板31と、押上げ板31の前部及び後部から、それぞれ伸長して接地した前脚部32及び後ろ脚部33と、を有してなり、
内箱2が押し下げられて押上げ板31が圧縮付勢されたとき、押上げ板31の前部31Fよりも後部31Kのほうに大きな弾性反力を生じさせて、内取出し孔が斜め下前方を向くように内箱を傾かせる構成とされていることを特徴とする。
すなわち、前記バネ材3は、内箱2の底面2Bに接触する押上げ板31と、押上げ板31の前部及び後部から、それぞれ斜め後方及び斜め前方に伸長した前脚部32及び後ろ脚部33と、前脚部32及び後ろ脚部33を亘って繋ぎ連結された弾性線材34とからなり、前記前脚部32、後ろ脚部33、ないし弾性線材34が、側面視にて前後に非対称な形状で組み構成されることで、バネ材3が圧縮変形したときの弾性線材34の弾性力に基づき、前脚部32よりも大きな弾性反力が後ろ脚部33に伝達されることが好ましい。
なお、「前後に非対称な形状」とは、前後方向の中央位置を基準線としたとき、非圧縮かつ解放状態のバネ材3がこの基準線を境として前後に非対称に配置された側面視板形状からなることをいう。例えば、押上げ板31が水平ではなく前後に傾いた形状であること、或いは前脚部32と後ろ脚部33が異なる長さで接地していること、或いは前脚部32と後ろ脚部33が異なる側面視角度で伸長し又は接地していることをいう。
すなわち、前記バネ材3は、内箱2の底面2Bに接触する押上げ板31と、押上げ板31の前端及び後端から、それぞれ斜め後方及び斜め前方に交差して伸長した前脚部32及び後ろ脚部33と、前脚部32及び後ろ脚部33を亘って繋ぎ連結された弾性線材34とからなり、
このうち前脚部32と後ろ脚部33は、押上げ板31の前後方向中央寄りの交差部3Cで交差して、それぞれ、押上げ板31を支える上半部321,331と、外箱1の底面に接地する下半部322,332とに分割されてなり、
前脚部32の上半部321と後ろ脚部33の上半部331、或いは、
前脚部32の下半部322と後ろ脚部33の下半部332、の少なくともいずれかの組において、
各組内の前脚部32と後ろ脚部33とが、取出し状態において異なるたわみ量でたわみ変形することで、交差部3C周りに異なるモーメントを生じることが好ましい。
すなわち、前記上部孔12が、外箱1の天面1Tの中心(天面1Tの図心)に形成された指孔からなり、上部孔12の形成位置の前後範囲内に前記交差部3Cが配置される、梱包箱が平面視にて複数の隅部を有する平面視多角形の収容空間を具備し、前記複数の縦板(4)がそれぞれ前記隅部のいずれかに向かって延出した縦片からなることが好ましい。
前記外箱1の天面1Tは、外箱1の前面1Fの上端に固定されて後方が開く後方開き板で構成されると共に、その後方先端に、内箱2の上下スライド量よりも長い蓋フラップ1TFが延設されることが好ましい。
ここで、内箱2の上下スライド量とは、内箱2の外箱1内の上下の隙間量から、バネ材3の圧縮変形量を差し引いた、内箱2の実際の上下移動可能な量を言う。
前記外取出し口11は、孔の下縁中央が外箱の前面下端近傍に位置すると共に、その両側部に部分壁11Wが孔内へせり出して形成されることが好ましい。
そして、本発明の取出し口付き紙箱は、外取出し口11を前面1Fに有すると共に上部孔12を天面1Tに有した外箱1と、
外箱1内に上下へスライド移動可能に収容される箱体からなり、内取出し口21を前面2Fに有した内箱2と、
外箱1内であって内箱2の下部に収容されて上下方向へ弾性圧縮変形するバネ材3と、を具備して構成される(図1)。
また好ましくはさらに、誘導材4を具備して構成される(図1〜3、図7〜8)。
内箱2を外箱1の上部孔から押し下げる押し下げ操作によって内箱2をスライド移動させることで、外箱の外取出し口と内箱の内取出し口とが外箱1の前面下端で重なった取出し状態(第二状態)となり、内箱2内に収容された粒状菓子が前記取出し状態の外取出し口11から自動排出される(図3)。
外箱1は、外取出し口11を前面1Fに有すると共に上部孔12を天面1Tに有する。開口上部には、蓋フラップ1TF,サイドフラップ1SF,蓋フラップ1TFの基部のカット部に差し込まれる後ろ差し込み片1BFを有する。サイドフラップ1SFの片先中央には、上部孔12の形成位置に対応して上部半孔12Sが形成される。左右のサイドフラップ1SFの上部半孔12Sが両側方向から対称に合わさって、上部孔12よりも一回り大きい二重孔を形成する。
上部孔12は、外箱1の天面1Tの図心を含む範囲に形成された指孔からなる。上部孔12の形成位置は、側面視において上部孔12の前後範囲内に、バネ材3の交差部3Cが配置されるように設定される(図2)。これにより、上部孔12、すなわち加力点の前後方向ほぼ下方に交差部3Cが位置することとなり、押し下げの外力を確実にバネ材3の交差部3Cへ伝えることができる。
前記外箱1の天面1Tは、外箱1の前面1Fの上端に固定されて後方が開く後方開き板で構成されると共に、その後方先端に、内箱2の上下スライド量よりも長い蓋フラップ1TFが延設される。
外取出し口11は、孔の下縁中央が外箱の前面下端近傍に位置すると共に、その両側部に部分壁11Wが孔内へせり出して形成される(図11)。この部分壁11Wは好ましくは、左右両側部それぞれにおいて、両端の水平辺及びそれよりも中央寄りの傾斜辺ないし湾曲辺が連なって、両側部で略凹状の縦型の堰をなす。実施例では斜め辺を有した半台形(上辺よりも下辺の長い等脚台形を左右に半分にした形状)の部分壁11Wが、外取出し口11の下部両側部から幅方向中央方向へせり出して形成される。これにより、外取出し口11の孔の下縁は中央がU字又はV字形状をなす。
内箱2は、外箱1内に上下へスライド移動可能に収容される箱体からなり、内部に内容物の収容空間21Sを有すると共に、内取出し口21を前面2Fに有する。取出し前の収容状態が図2に示す第一状態である。この第一状態では、外箱1の内部にバネ材3と共に収容されて、天面2Tが外箱の天面1Tに近接した二重箱を構成する。外箱1の後部上方にスライド量以上の高さをもって収容された蓋フラップ1TF、及び、天面1Tと蓋フラップ1TFとの境界辺の切込みに収容されたバックフラップ1BFが外箱1の天面1T,背面1Kとの間に介在することによって、内箱は水平を保ったまま、上部後方が外箱1内でわずかに下方及び前方へ押し出され、内箱2と外箱1間の隙間によるガタツキを抑えた状態となっている(図2)。
内箱2は、天面2Tの中央(図心又はその周囲近傍)で押し下げの外力を受けることで外箱1内を下方にスライド移動し、内容物を自動排出する第二状態(取出し状態)となる(図3)。第一状態から第二状態へ移行する際、内箱2は、蓋フラップ1TFよりも短い所定の上下スライド量だけ下方へスライド移動することで、外箱の外取出し口と内箱の内取出し口とが外箱1の前面下端で重なった第二状態(取出し状態)となる。第二状態(取出し状態)では、押上げ板31から前後に偏った弾性反力を受けて、内箱2の底面2Bの後部が上方へ押し上げられるようにたわみ変形すると共に、前面2F、及び背面2Kの下部が後方へたわみ変形する(図3、図4)。また押上げ板31からの前後に偏った弾性反力を受けて、内取出し口21下部が僅かに斜め下前方を向くように内箱2が前下方へ僅かに傾き、内箱2が前下方(図3の左回り方向)へ僅かに回転した状態となる。
なお、内箱2の上下スライド量とは、内箱2の外箱1内の上下の隙間量から、バネ材3の圧縮変形量を差し引いた、内箱2の実際の上下移動可能な量を言う。
バネ材3は、内箱2の底面2Bに面接触する押上げ板31と、押上げ板31の前部及び後部から、それぞれ伸長して接地した前脚部32及び後ろ脚部33とを有してなる(図2、図4)。内箱2が押し下げられて押上げ板31が圧縮付勢されたとき、押上げ板31の前部31Fよりも後部31Kのほうが大きな弾性反力を生じて、内箱2の底面2B又は前面2Fをたわみ変形させる(図3、図4)。
前記バネ材3は、内箱2の底面2Bにその上面の好ましくは全面で接触する押上げ板31と、押上げ板31の前端及び後端から、それぞれ斜め後方及び斜め前方に交差して伸長した前脚部32及び後ろ脚部33と、前脚部32及び後ろ脚部33を亘って繋ぎ連結された弾性線材34とからなる。このうち前脚部32と後ろ脚部33は、押上げ板31の前後方向中央寄りの交差部3Cで交差して、それぞれ、押上げ板31を支える上半部321,331と、外箱1の底面に接地する下半部322,332とに分割される。
前記バネ材3は、前脚部32、後ろ脚部33、ないし弾性線材34が、側面視にて前後に非対称な力学関係で弾性付勢された状態に組み構成されることで、
バネ材3が圧縮変形したときの弾性線材34の弾性力に基づき、後ろ脚部33よりも大きな弾性反力が前脚部32に伝達される。「前後に非対称な形状」で組み構成されたバネ材3が弾性復帰によって前後に非対称に変形することで、前後位置で異なる弾性反力を確実に生じさせるものとなる。
図5(a)、図6(a)に示すように、実施例1のバネ材3において、前脚部32及び後ろ脚部33はそれぞれ異なる剛性材とされ、たわみ変形時に異なる剛性反力を生じるものとしてもよい。すなわち、前脚部32の上半部321と後ろ脚部33の上半部331、或いは、
前脚部32の下半部322と後ろ脚部33の下半部332、の少なくともいずれかの組において、
各組内の前脚部32と後ろ脚部33とが異なる剛性を有してなり、取出し状態において異なるたわみ量でたわみ変形することで、交差部3C周りに異なるモーメントを生じる。
バネ材3は、交差部3Cから斜め前後方向上方へ、前上半部321と後ろ上半部331がそれぞれ所定の長さで伸長し、交差部3Cから斜め前後方向下方へ、前下半部332と後ろ下半部322がそれぞれ所定の長さで伸長する(図4、図6)。また、交差部3Cから後ろ下半部322と前下半部332に沿って所定の固定距離(後ろ固定距離34K,前固定距離34F)だけ離れた位置には、前後の固定位置342,343同士を亘って、輪状の弾性線材34である輪ゴムが係止固定される(図4、図5、図6)。
〔実施例1〕
図1は実施例1の構成を示す分解斜視図を、図2は実施例1の第一状態(解放状態)の中央端面図を、図3は実施例1の第二状態(取出し状態)の中央端面図を、そして図4は実施例1におけるバネ材3の各状態(第一状態(a)、第二状態(b))の側面組み状態図を、それぞれ示す。そして図5(a)には、実施例1のバネ材3の展開図を、図6(b)には、実施例1のバネ材3の側面組み状態図を、それぞれ示す。
図1〜図3には、実施例1の取出し口付き紙箱のうち、誘導材4の斜視図及び中央端面図を示す。誘導材4は中央上片41と側上片42と側部立片43と後部立片44とから構成される。前方下端が短い略等脚台形の中央上片41と、その左右傾斜辺に隣接した側上片42とが谷折り辺で接することで、内取出し口21に向かって下方傾斜した3面の傾斜面を形成する。前方を除く左右辺及び後部辺に側部立片43と後部立片44とが山折り辺境界で斜めに立設することで、誘導材4が、内箱2の下部である程度の弾性をもって安定収容される。
図5には、実施例1及び他の実施例2〜4におけるバネ材3の展開図を、図6には、実施例1及び他の実施例2〜4におけるバネ材3の側面組み状態図を、それぞれ示す。図5(b)(c)(d)、図6(b)(c)(d)に示す実施例2〜4の各バネ材3のように、バネ材3の前脚部32及び後ろ脚部33はそれぞれ異なる長さ設定がされることで、前後に非対称な形状をなすものとしてもよい。
図7には、実施例5の取出し口付き紙箱のうち、誘導材4の展開図(a)、組み立て途中の状態図(b)、及び組み立て後の状態図(c)を示す。図8は、本発明の実施例5の取出し口付き紙箱の中央側断面図である。
実施例5の誘導材4は中央上片41と側上片42と側部立片43と折り返し上片45と折り返し側片46とから構成される。略等脚台形の中央上片41の後部辺には折り返し上片45が延設され、その左右側辺に片傾斜台形状の折り返し側片46が折り曲げ辺を介して接する。折り返し上片45を中央上片41に対して折り返した状態で、左右の折り返し側片46をそれぞれ同一方向へ略直角に折ることで、折り返し上片45が折り返し側片46の片傾斜台形の片傾斜角度で傾斜したうえ折り返し傾斜台を上部形成する(図7bの上部、図7cの上部)。折り返し側片46の下端の差し込みフラップ46Fを、側部立片43の上端に形成したカット部43Cに差し込むことで、折り返し傾斜台が、中央上片41を含む傾斜面の上部に固定される(図7c)。
1B 底面
1BF バックフラップ
1F 前面
1K 背面
1T 天面
1TF,2TF 蓋フラップ
1TS,2TS 横フラップ
11 外取出し口
11W 部分壁
12 上部孔
12S 上部半孔
2 内箱
2B 底面
2F 前面
2K 背面
2T 天面
3 バネ材
31 押上げ板
31F 前部
31K 後部
34 弾性線材
3C 交差部
32 前脚部
321 前上半部
322 前下半部
33 後ろ脚部
331 後ろ上半部
332 後ろ下半部
34F 前固定距離
34K 後ろ固定距離
342,343 固定位置
4 誘導材
40 誘導孔
41 中央上片
42 側上片
43 側部立片
44 後部立片
45 折り返し上片
46 折り返し側片
M1 M2 モーメント
Claims (6)
- 外取出し口を前面に有すると共に上部孔を天面に有した外箱と、
外箱内に上下へスライド移動可能に収容される箱体からなり、内取出し口を前面に有した内箱と、
外箱内であって内箱の下部に収容されて上下方向へ弾性圧縮変形するバネ材と、を具備し、
内箱を外箱の上部孔から押し下げて内箱をスライド移動させることで、外箱の外取出し口と内箱の内取出し口とが外箱の前面下端で重なった取出し状態となる取出し口付き紙箱であって、
前記バネ材は、内箱の底面に接触する押上げ板と、押上げ板の前部及び後部から、それぞれ伸長して接地した前脚部及び後ろ脚部と、を有してなり、
内箱が押し下げられて押上げ板が圧縮付勢されたとき、押上げ板の前部よりも後部のほうに大きな弾性反力を生じさせて、内取出し孔が斜め下前方を向くように内箱を傾かせる構成とされていることを特徴とする、取出し口付き紙箱。 - 前記バネ材は、内箱の底面に接触する押上げ板と、押上げ板の前部及び後部から、それぞれ斜め後方及び斜め前方に伸長した前脚部及び後ろ脚部と、前脚部及び後ろ脚部を亘って繋ぎ連結された弾性線材とからなり、
前記前脚部、後ろ脚部、ないし弾性線材が、側面視にて前後に非対称な形状で組み構成されることで、
バネ材が圧縮変形したときの弾性線材の弾性力に基づき、前脚部よりも大きな弾性反力を後ろ脚部に伝達させる構成とされている、請求項1に記載の取出し口付き紙箱。 - 前記バネ材は、内箱の底面に接触する押上げ板と、押上げ板の前端及び後端から、それぞれ斜め後方及び斜め前方に交差して伸長した前脚部及び後ろ脚部と、前脚部及び後ろ脚部を亘って繋ぎ連結された弾性線材とからなり、
このうち前脚部と後ろ脚部は、押上げ板の前後方向中央寄りの交差部で交差して、それぞれ、押上げ板を支える上半部と、外箱の底面に接地する下半部とに分割されてなり、
前脚部の上半部と後ろ脚部の上半部、或いは、前脚部の下半部と後ろ脚部の下半部、の少なくともいずれかの組において、
各組内の前脚部と後ろ脚部とが、取出し状態において異なるたわみ量でたわみ変形することで、交差部周りに異なるモーメントを生じる、請求項1又は2に記載の取出し口付き紙箱。 - 前記上部孔が、外箱の天面の図心に形成された指孔からなり、上部孔の形成位置の前後範囲内に前記交差部が配置される、請求項3に記載の取出し口付き紙箱。
- 前記外箱の天面は、外箱の前面の上端に固定されて後方が開く後方開き板で構成されると共に、その後方先端に、内箱の上下スライド量よりも長い蓋フラップが延設される、請求項1、2、3、4のいずれかに記載の取出し口付き紙箱。
- 前記外取出し口は、孔の下縁中央が外箱の前面下端近傍に位置すると共に、その両側部に部分壁が孔内へせり出して形成される、請求項1、2、3、4、5のいずれかに記載の取出し口付き紙箱。
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