JP6941271B2 - 積層造形用粉末材料、積層造形装置、積層造形用セット及び積層造形方法 - Google Patents

積層造形用粉末材料、積層造形装置、積層造形用セット及び積層造形方法 Download PDF

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Description

本発明は、積層造形用粉末材料、積層造形装置、積層造形用セット及び積層造形方法に関する。
3次元造形方式の一つとして、層状に敷き詰めた粉体に、レーザーや電子ビームを照射させて粉体層を固化させるか、もしくは、印刷機等に用いられるインクジェットのヘッドを用いて、粉体層に結合剤を吐出して粉体層を結合剤によって固化させることで、断面層を形成し、それを積層することによって3次元形状を造形する技術がある。特に、その造形物密度を向上させるため、粉体表面にナノ粒子を付着させて、スペーサー効果を発揮させることにより、流動性を向上させて、固化前の粉体層の積層密度を向上させる技術が既に知られている。
例えば、特許文献1では、レーザー焼結法による3次元造形用の技術において、円形度が0.7以上の、平均粒子径1乃至100μmの粉末に、平均粒子径が1μm以下であるシリカ、アルミナ、チタニア、酸化亜鉛、及びヒドロキシアパタイトのいずれかを0.1質量%以上、5質量%以下添加することで、流動性を向上させ、造形強度を向上させている。
しかし、今までの積層造形用粉末材料の流動性向上技術は、添加する粒子サイズ、添加量と、その結果である、流動性改善効果のみで、処理条件を決めていた。そのため、この技術をインクジェットのヘッドを用いて、結合剤を吐出して固化させる所謂バインダージェット方式の3次元造形技術に適用すると、造形物内部に、添加剤が不純物として混じり、造形物の品質を低下させる、という課題があった。
本発明は、流動性に優れ、造形物の品質を低下させない積層造形用粉末材料を提供することを目的とする。
本発明の積層造形用粉末材料は、以下のとおりである。
積層造形用粉末材料であって、
無機粒子からなる基材粒子と、
前記基材粒子表面に付着している、粒径が前記基材粒子の1/8未満である粒子からなる微粒子と、
を含み、
前記基材粒子の融点をTm[℃]とし、前記微粒子の熱分解開始温度をTd[℃]としたとき、
Td<0.8×Tm
である積層造形用粉末材料。
本発明の積層造形用粉末材料は、流動性に優れ、造形物の品質を低下させることなく高密度(高強度)の造形を実現できる。
図1は、本発明の三次元造形装置の一例の概略平面図である。 図2は、本発明の三次元造形装置の一例の概略側面図である。 図3は、本発明の三次元造形装置の一例の造形部の断面図である。 図4は、本発明の三次元造形装置の一例の主要部斜視図である。 図5は、同装置の制御部のブロック図である。 図6は、造形の流れにおける模式的断面図であり、図6A〜図6Eは造形のための各工程を示す。 図7は、基材粒子を覆う結合樹脂表面に微粒子が付着している積層造形用粉末材料の構成図である。 図8は、図7に示す積層造形用粉末材料の、焼結による微粒子の変化を表した図である。図8Aは焼結前の状態を示し、図8BはTd>0.8×Tmの場合の焼結後の状態を示し、図8CはTd<0.8×Tmの場合の焼結後の状態を示す。 図9は、基材粒子表面と結合樹脂粒子表面に微粒子が付着している積層造形用粉末材料の構成図である。 図10は、基材粒子表面に微粒子が付着している粒子と、結合樹脂粒子とを含む積層造形用粉末材料の構成図である。 図11は、基材粒子と、微粒子が付着している結合樹脂粒子とを含む積層造形用粉末材料の構成図である。 図12は、示差熱熱重量同時測定装置TG/DTAで得られる熱重量測定(TG曲線)で規定される熱分解温度を説明した図である。 図13は、基材粒子表面に微粒子が付着している層造形用粉末材料の構成図である。 図14は微粒子の添加量とかさ密度及びタップ密度との関係を示す図である。 図15は微粒子の添加量と焼結体中の空隙個数との関係を示す図である。
本発明の実施の形態を説明する。本発明の積層造形用粉末材料は、以下の3つの態様を有する。
(第1の態様)
積層造形用粉末材料であって、
無機粒子からなる基材粒子と、
前記基材粒子表面に付着している、粒径が前記基材粒子の1/8未満である粒子からなる微粒子と、
を含み、
前記基材粒子の融点をTm[℃]とし、前記微粒子の熱分解開始温度をTd[℃]としたとき、
Td<0.8×Tm
である積層造形用粉末材料。
(第2の態様)
積層造形用粉末材料であって、
無機粒子からなる基材粒子と、
前記基材粒子を覆う結合樹脂と、
前記結合樹脂表面に付着している、粒径が基材粒子の1/8未満の粒子からなる微粒子と、
を含み、
前記基材粒子の融点をTm[℃]とし、前記微粒子の熱分解開始温度をTd[℃]としたとき、
Td<0.8×Tm
である積層造形用粉末材料。
(第3の態様)
積層造形用粉末材料であって、
無機粒子からなる基材粒子と、
結合樹脂粒子と、
前記基材粒子および/または結合樹脂粒子表面に付着している、粒径が基材粒子の1/8未満の粒子からなる微粒子と、
を含み、
前記基材粒子の融点をTm[℃]とし、前記微粒子の熱分解開始温度をTd[℃]としたとき、
Td<0.8×Tm
である積層造形用粉末材料。
いずれの態様においても、基材粒子の融点をTm[℃]としたとき、熱分解温度Td[℃]が0.8×Tm[℃]より低い材料を微粒子に用いることで、焼結工程中に、微粒子が熱分解して造形物内部から消失する。
要するに、粉体層形成時では、微粒子付与の流動性向上効果が発揮されて、焼結時に微粒子が消失し、微粒子使用の副作用である造形物の純度低下を解決することができる。純度低下を防止する観点では微粒子が樹脂等の有機微粒子であることが好ましい。
上記記載の本発明の特徴について、以下で図面を用いて詳細に解説する。
本発明の造形用粉末材料は、基材粒子と、粒径が基材粒子の1/8未満の粒子からなる微粒子とを含有する。前記微粒子を添加することで、粉末材料の流動性を向上させる。具体的な作用としては、図7に示したものは基材粒子を結合樹脂で覆った例を示すが、図7に示すように結合樹脂に付着した微粒子が、スペーサーとなり、基材粒子間の接触面積を低減し、流動性を向上させる。更に、本発明において重要な点は、微粒子の熱分解温度Td[℃]が、基材粒子の融点をTm[℃]としたとき熱分解温度Td[℃]が0.8×Tm[℃]よりも低い材料を用いることであり、これによって、微粒子が造形物内部に不純物として残存することを避けられるという効果がある(図8)。
図8Aは焼結前の状態を示し、図8BはTd>0.8×Tmの場合の焼結後の状態示し、 図8CはTd<0.8×Tmの場合の焼結後の状態を示す。
前記微粒子は、図13に示すように基材粒子表面に付着していてもよく(第1の態様)、図7に示すように、基材粒子が結合樹脂に覆われ、該結合樹脂表面に付着していても良い(第2の態様)。また、図9、図10、図11に示すように、造形用粉末材料が、更に結合樹脂粒子を含み、微粒子が、基材粒子および/または結合樹脂粒子表面に付着していてもよい(第3の態様)。
前記第1〜3の態様は、造形液をインクジェット方式で作製する場合に適している。また第3の態様は、基材粒子と結合樹脂粒子の混合粉末に、微粒子を用いることで、低製造コストで、かつ、高造形密度、かつ、不純物のない造形が可能になる。
−基材粒子−
本発明に用いられる前記基材粒子としては、粒子の形態を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
材料は大きく分けると無機材料と有機材料に分けることができ、積層造形用の粉末用材料としては例えば、金属(合金を含む)、セラミックス、ガラス、カーボン、ポリマー、木材、生体親和材料、砂、磁性材料などが挙げられる。
本発明においては、前記基材粒子としては、無機材料からなる粒子(無機粒子)を用いる。無機粒子の材料としては、極めて高強度の立体焼結物が得られる観点から、最終的に焼結処理が可能な金属、セラミックスなどがより好ましい。
前記金属としては、材質として金属を含むものであれば特に限定されるものではなく、例えば、Mg、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Pd、Ag、In、Sn、Ta、W、Ndさらにこれらの合金が挙げられる。これらの中でも、ステンレス(SUS)鋼、鉄、銅、銀、チタン、アルミニウム、あるいはこれらの合金などが好適に用いられる。ステンレス(SUS)鋼としては、例えば、SUS304、SUS316、SUS317、SUS329、SUS410、SUS430、SUS440、SUS630などが挙げられる。
一方、前記セラミックスとしては、例えば、酸化物、炭化物、窒化物、水酸化物、複合酸化物、酸窒化物、炭窒化物などが挙げられる。酸化物としては、例えばシリカ(SiO2)、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)、チタニア(TiO2)などが挙げられる。但し、これらは一例であって、これらに限定されるものではない。
これらの材料は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの基材としては、市販されているものを使用することができる。市販品の一例としては、ステンレス鋼は山陽特殊鋼製のPSS316L、シリカはトクヤマ製のエクセリカSE−15、アルミナは大明化学工業製のタイミクロンTM−5D、ジルコニアは東ソー製のTZ−B53などを例示することができる。
前記基材粒子には、表面処理を施すことも可能であり、樹脂との接着性の向上やコーティング性の向上に有効な場合がある。表面処理剤は、従来公知のものを使用することが可能である。
前記基材粒子の平均粒子径としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。例えば、5〜100μmのものが好ましく、8〜50μmがより好ましい。前記平均粒子径がこれよりも小さいと、凝集の影響が増加し、基材粒子への樹脂コーティングが困難になったり、歩留りの低下や立体造形物の製造効率の低下、基材の取扱性やハンドリング性の低下を招いたりすることがある。一方、前記平均粒子径がこれよりも大きいと、粒子同士の接点の減少や空隙の増加により、立体造形物、さらには立体焼結物の強度が低下する場合がある。前記基材の粒度分布としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、粒度分布はよりシャープである方が好ましい。前記基材の平均粒子径は、公知の粒径測定装置を用いて測定することが可能であり、一例としては粒子径分布測定装置マイクロトラックMT3000IIシリーズ(マイクロトラックベル製)などが挙げられる。
前記基材粒子は、従来公知の方法を用いて製造することができる。粒子状の基材を製造する方法としては、例えば固体に圧縮、衝撃、摩擦等を加えて細分化する粉砕法、溶湯を噴霧させて急冷粉体を得るアトマイズ法、液体に溶解した成分を沈殿させる析出法、気化させて晶出させる気相反応法等が挙げられる。本発明に用いられる基材粒子の製造方法は特に制限されないが、より好ましい方法としては球状の形状が得られ、粒径のバラツキが少ないアトマイズ法が挙げられる。アトマイズ法としては、水アトマイズ法、ガスアトマイズ法、遠心アトマイズ法、プラズマアトマイズ法などが挙げられるが、いずれも好適に用いられる。
−結合樹脂−
前記基材粒子を覆う結合樹脂としては、造形液に溶解し、該造形液に含まれる架橋剤の作用により架橋可能な性質を有するものが好ましい。
本発明において、前記樹脂の溶解性は、例えば、30℃の造形液を構成する溶媒100gに前記樹脂を1g混合して撹拌したとき、その90質量%以上が溶解するものを意味する。
また、前記樹脂としては、造形液の溶媒に溶かした場合、その4質量%(w/w%)溶液の20℃における粘度が、40mPa・s以下が好ましく、1mPa・s以上35mPa・s以下がより好ましく、5mPa・s以上30mPa・s以下が特に好ましい。
前記粘度が、40mPa・s以下であると、前記積層造形用粉末材料(以下、立体造形用粉末材料ともいう)に前記造形液を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の強度が向上し、その後の焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生じ難くなる。また、前記立体造形用粉末材料に前記造形液を付与して形成した立体造形用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の寸法精度が向上する傾向にある。
前記粘度は、例えば、JIS K7117に準拠して測定することができる。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、取扱い性や環境負荷等の観点から、水溶性であることが好ましく、例えば、水溶性樹脂、水溶性プレポリマー、などが挙げられる。このような水溶性樹脂を採用した立体造形用粉末材料に対しては、造形液の媒体としても水性媒体を用いることができ、また、前記粉末材料を廃棄、リサイクルする際には、水処理により樹脂と基材とを分離することも容易である。前記水溶性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、セルロース樹脂、デンプン、ゼラチン、ビニル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレングリコール、などが挙げられる。これらは、前記水溶性を示す限りにおいて、ホモポリマー(単独重合体)であってもよいし、ヘテロポリマー(共重合体)であってもよく、また、変性されていてもよいし、公知の官能基が導入されていてもよく、また塩の形態であってもよい。
よって、例えば、前記ポリビニルアルコール樹脂であれば、ポリビニルアルコールであってもよいし、アセトアセチル基、アセチル基、シリコーン等による変性ポリビニルアルコール(アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール、アセチル基変性ポリビニルアルコール、シリコーン変性ポリビニルアルコールなど)であってもよく、また、ブタンジオールビニルアルコール共重合体等であってもよい。また、前記ポリアクリル酸樹脂であれば、ポリアクリル酸であってもよいし、ポリアクリル酸ナトリウム等の塩であってもよい。前記セルロース樹脂であれば、例えば、セルロースであってもよいし、カルボキシメチルセルロース(CMC) 等であってもよい。また、前記アクリル樹脂であれば、例えば、ポリアクリル酸、アクリル酸・無水マレイン酸共重合体などであってもよい。
前記水溶性プレポリマーとしては、例えば、止水剤等に含まれる接着性の水溶性イソシアネートプレポリマー、などが挙げられる。
水溶性以外の樹脂、樹脂としては、例えば、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂、スチレン/ブタジエンゴム、ポリビニルブチラール、ニトリルゴム、アクリルゴム、エチレン/プロピレンゴム等の合成ゴム、ニトロセルロースなどが挙げられる。
本発明においては、前記樹脂の中でも、架橋性官能基を有するものが好ましい。前記架橋性官能基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミド基、リン酸基、チオール基、アセトアセチル基、エーテル結合、などが挙げられる。前記樹脂が該架橋性官能基を有すると、該樹脂が容易に架橋し硬化物(立体造形物)を形成し得る点で好ましい。これらの中でも、平均重合度が400以上1,100以下のポリビニルアルコール樹脂が好ましい。
前記樹脂としては、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよく、また、適宜合成したものを用いてもよいし、市販品であってもよい。前記市販品としては、例えば、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−205C、PVA−220C)、ポリアクリル酸(東亞合成株式会社製、ジュリマーAC−10)、ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製、ジュリマーAC−103P)、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−300、ゴーセネックスZ−100、ゴーセネックスZ−200、ゴーセネックスZ−205、ゴーセネックスZ−210、ゴーセネックスZ−220)、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスT−330、ゴーセネックスT−350、ゴーセネックスT−330T)、ブタンジオールビニルアルコールコポリマー(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8041)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬株式会社製、セロゲン5A、セロゲン6A)、デンプン(三和澱粉工業株式会社製、ハイスタードPSS−5)、ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、ビーマトリックスゼラチン)などが挙げられる。
−結合樹脂粒子−
本発明における結合樹脂粒子とは基材粒子間を結合させる機能を有する樹脂をいう。
前記結合樹脂粒子の樹脂としては、前記結合樹脂と同じものを用いることができる。
結合樹脂粒子の平均粒径は、1〜100μmが好ましく、1〜20μmがより好ましい。
平均粒子径が1μmよりも小さいと、凝集の影響が増加し、基材粒子間に均一に混合できない。一方、平均粒子径100μmを超えると、基材粒子に対する結合樹脂粒子の個数比(結合樹脂数/基材粒子数)が小さくなり、仮に均一に混合できたとしても、空間的な粗密が発生する。いずれの状況においても、立体造形物、さらには立体焼結物の強度が低下する場合がある。
樹脂の微粒子化の方法としては、例えば、以下に示す方法を挙げることができ、これらの方法から適宜選択することができるが、以下に示す方法以外の方法を用いても良い。
樹脂の微粒子化の方法:高圧エアを用いた衝突式解砕法(ジェットミル、カウンタージェットミル)、セラミックビーズを用いたビーズ解砕、高速回転する羽根やピンを用いた解砕、或いはスプレードライにより造粒する方法
結合樹脂粒子の積層造形用粉末材料中の配合割合は0.1質量%〜3.0質量%が好ましく、0.5質量%〜1.5質量%%がより好ましい。
結合樹脂粒子に用いられる樹脂の市販品としては、例えば、ポリビニルアルコール(日本合成化学工業製、ニチゴーGポリマーOKS−1028、重合度600、ケン化度98〜99モル%)が使用可能であるが、その他、ポリビニルアルコール(株式会社クラレ製、PVA−205C、PVA−220C)、ポリアクリル酸(東亞合成株式会社製、ジュリマーAC−10)、ポリアクリル酸ナトリウム(東亞合成株式会社製、ジュリマーAC−103P)、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスZ−300、ゴーセネックスZ−100、ゴーセネックスZ−200、ゴーセネックスZ−205、ゴーセネックスZ−210、ゴーセネックスZ−220)、カルボキシ基変性ポリビニルアルコール(日本合成化学工業株式会社製、ゴーセネックスT−330、ゴーセネックスT−350、ゴーセネックスT−330T)、ブタンジオールビニルアルコールコポリマー(日本合成化学工業株式会社製、ニチゴーG−ポリマーOKS−8041)、カルボキシメチルセルロースナトリウム(第一工業製薬株式会社製、セロゲン5A、セロゲン6A)、デンプン(三和澱粉工業株式会社製、ハイスタードPSS−5)、ゼラチン(新田ゼラチン株式会社製、ビーマトリックスゼラチン)なども用いることができる。
−微粒子−
微粒子としては、有機物が好ましく、例えば、アクリル(ポリメチルメタクリレート)、メタクリル酸メチル・スチレン、メラミン・ホルムアルデヒド縮合物、ポリテトラフルオロエチレン、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアセタール、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、セルロース樹脂、デンプン、ゼラチン、ビニル樹脂、アミド樹脂、イミド樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレングリコール、アクリル、マレイン酸、シリコーン、ブチラール、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアセタール、エチレン/酢酸ビニル共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体、α−オレフィン/無水マレイン酸系共重合体のエステル化物、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、α−オレフィン/無水マレイン酸/ビニル基含有モノマー共重合体、スチレン/無水マレイン酸共重合体、スチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリアミド、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ケトン樹脂、石油樹脂、ロジン又はその誘導体、クマロンインデン樹脂、テルペン樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。
微粒子が有機物であることにより、加熱(焼結)工程で残存すること無く、確実に熱分解できる。
本発明においては、焼結が進行する温度よりも低温度領域での、微粒子の熱分解が進行することが重要である。すなわち、基材粒子の材料種に応じて、微粒子の材料種を選択する必要がある。例えば、基材粒子にSUS316Lを用いた場合、その融点は約1400℃である。焼結は、粉末材料の融点以下の温度で加熱した場合に、粉末粒子の相互の接触面が接着し、加熱時間の増加とともに圧粉体が収縮・緻密化する現象であり、その焼結温度は一般に融点をTm[℃]としたとき、およそ0.8×Tm〜0.9×Tm[℃]の温度に設定する為、焼結はおよそ1100〜1300℃で実施する。例えば、熱分解開始温度が約300℃であるアクリル樹脂を用いれば、上記の作用は実現できる。なお、熱分解開始温度は示差熱熱重量同時測定装置TG/DTAで得られる熱重量測定(TG曲線)で評価でき、例えば、TG測定で10%重量減少したときの温度(図12)とすることで、本発明を具現化する材料種を選択できる。
基材粒子の粒子径は、5〜100μm、微粒子の粒子径は10〜1000nm、その混入比率は基材粒子に対して、0.05〜3質量%である場合に、粉末材料の流動性を向上させられるが、特に、以下に留意して粉末材料を作製すると、その効果をより大きく出来る。
本発明において、粒子径の異なる複数の微粒子を用いることも効果的である。
具体的には、小粒径の微粒子の粒子径を10〜100nmとし、大粒径の微粒子の粒子径を100〜500nmとすることができる。粒子径の小さい微粒子を用いた方が、流動性向上の効果は大きいが、基材との接触面積が小さいため、剥がれ易く、粉末リサイクル時に流動性が変化し易い。一方で、粒子径の大きな微粒子では、流動性向上の効果は小さいが、基材との接触面積が大きいため、リサイクル時の流動性安定性を向上させられる。これらの粒子径の異なる微粒子を組み合わせることで、流動性とリサイクル時の安定性を両立する粉末を実現できる。
微粒子の基材粒子への添加において、重要な管理項目として、基材粒子表面の被覆率がある。粉末の流動性を向上させるためには、微粒子がスペーサーとして機能する程度の量を、基材粒子表面に付着させる必要がある。例えば、基材粒子の表面全面を微粒子で覆った状態、すなわち、被覆率100%の状態では、微粒子は粉末間のスペーサーとして機能せず、流動性を改善させない。微粒子の基材粒子、もしくは、基材粒子表面の結合樹脂膜に対する被覆率は5〜90%であることが望ましく、10〜50%であることがより望ましい。前記被覆率が5〜90%であると、少数の微粒子を介して、基材粒子同士が接触する為、粒子間の接触面積が低い状態を実現できる。そのため、流動性を確実に向上できる。
微粒子の被覆率は、電子顕微鏡による観察等で確認できる。例えば、キーエンス社製リアルサーフェスビュー顕微鏡VE−7800にて、無作為に粉末を10個ほど撮像して、画像処理ソフトimageJで2値化処理や実験者がマニュアルで領域指定することで、基材粒子、もしくは、基材粒子を覆う結合樹脂に対する微粒子の被覆面積を計測する。基材粒子、もしくは、基材粒子を覆う結合樹脂の面積と、微粒子の総面積の比率を算出することで、被覆率を求めることができる。
もしくは、基材粒子の平均粒子径に対して、微粒子の平均粒子径と添加量が分かれば、以下の式においても、被覆率を求められる。
被覆率:(T/1-T)×(R/r)3×(ρc/ρt)×((3(1/2))/2π)×(r/R+r)2×100
ただし、
R:基材粒子平均半径[μm]
r:微粒子平均半径[μm]
ρc:基材粒子真比重[g/cm3
ρt:微粒子真比重[g/cm3
T:基材粒子に対する微粒子の混入質量比率
加えて、微粒子は、分散した状態で、付着していることが望ましい。微粒子が分散した状態であると、少数の微粒子を介して、基材粒子同士が接触する為、粒子間の接触面積が低い状態を実現できる。そのため、流動性を確実に向上できる。微粒子が凝集して、微粒子の粒子径の数十〜数百倍程度の大きさのアイランド状構造を形成すると、スペーサーとして機能しなくなる。例えば、粒子径10nmの微粒子を基材粒子表面に付着させたとしても、これらが凝集し、1μm以上のアイランド状の膜を形成して、基材粒子表面に付着していると、基材粒子間の接触は、平坦なアイランド同士の接触となりえる。このような状態では、粒子間の接触面積が基材粒子自体の状態とほぼ同様となり、流動性は改善しにくい。微粒子の付着状態も、電子顕微鏡の観察によって確認できる。
微粒子の付着状態は、例えば、日本電子社製 電界放出形走査電子顕微鏡JSM−7400Fやキーエンス社製リアルサーフェスビュー顕微鏡VE−7800によって判断することができる。微粒子の表面にカーボン蒸着または金蒸着等のコーティング処理をおこなったうえで、観察倍率10,000〜30,000倍にて、微粒子が、例えば10粒子以上凝集した粒子構造または島状構造を形成しているかいないかで判断することができる。
分散剤の分散状体の評価の詳細は次の通りである。実施例においてもこの評価方法を用いた。
[1]200mlの軟膏瓶に、イオン交換水を100ml、界面活性剤を含有した33%ドライウエル水溶液(商品名ドライウエル、富士写真フイルム株式会社製)を4.4ml添加し、その混合液に造形用粉末材料5gを加えて手振り30回でよく混ぜ、1時間以上静置する。
[2]手振り20回で攪拌後、超音波ホモジナイザー(商品名homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS有限会社製)を用いて、出力30%にダイヤルを設定し、1分間超音波エネルギーを付与する。
超音波条件
振動時間:60秒連続
振幅:20W(30%)
振動開始温度:23±1.5℃
[3]分散液をろ紙(商品名 定性ろ紙(No.2、110mm)、アドバンテック東洋株式会社製)で吸引ろ過し、外添剤分離ろ液を作成した。当該分離ろ液を粒度分布測定装置(日機装製、商品名:マイクロトラック3300EXII)により測定することにより、造形用粉末材料表面上の外添剤の個数平均粒子径を測定し、1μm以上のアイランド状の膜を形成していないことを分散して付着している状態とした。
微粒子等の添加剤を分散して付着させる方法について以下述べる。
添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。又、はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー、などが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去することで得られる。
また、微粒子の粒子径aと、基材粒子の粒子径Aは、一義的に決まるものではないが、その比率a/Aは1/8より低いことが必要である。仮に、a/A=1/8となると、混入比率によっては、基材粒子間の隙間に微粒子が入り込むような配置を取り、空間率が減少する。すなわち、スペーサー効果が発揮されず、本発明の狙いとは逆に流動性が悪化する。
微粒子の基材粒子への添加は、特定の方法に限られるものではなく、例えば、流動混合機(スーパーミキサー(株式会社カワタ))、ハイブリダイゼーションシステム(奈良機械製作所)、ターブラ・シェーカーミキサー(株式会社シンマルエンタープライゼス)等に、基材粒子または結合樹脂で覆われた基材粒子と、微粒子とを所定量投入し、混合攪拌することで、基材粒子表面または結合樹脂表面へ微粒子を付着させることが可能である。
−その他の成分−
本発明の前記立体造形用粉末材料は、その他如何なる成分を加えることも可能であり、有効な場合がある。その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、レベリング剤、焼結助剤などが挙げられる。前記レベリング剤は、主に立体造形用粉末材料の表面の濡れ性を制御するのに有効な材料である。効果としては、例えば、立体造形用粉末材料層への立体造形用液体材料の浸透性が高まり、立体造形物の強度アップやその速度を高めることができ、形状を安定に維持させる上で有効な場合がある。前記焼結助剤は、得られた立体造形物を焼結させる際、焼結効率を高める上で有効な材料である。効果としては、例えば、立体造形物の強度向上、焼結温度の低温化、焼結時間短縮を実現できる。
−造形液−
前記造形液は、溶媒を含有し、さらに架橋剤を含有することが好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。以下では、造形液として架橋剤を含有する水(以下、「架橋剤含有水」という)について説明する。
−架橋剤含有水−
架橋剤含有水としては、水性媒体中に架橋剤を含有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、該架橋剤含有水は、前記水性媒体、前記架橋剤のほか、必要に応じて適宜選択したその他の成分を含有していてもよい。該その他の成分としては、該架橋剤含有水を付与する手段の種類、使用頻度や量などの諸条件を考慮して適宜選択することができ、例えば、インクジェット法によって該架橋剤含有水を付与する場合には、インクジェットプリンター等におけるノズルヘッドへの目詰り等の影響を考慮して選択することができる。前記その他の成分としては、例えば、保存剤、防腐剤、安定化剤、pH調整剤、などが挙げられる。
前記水性媒体としては、例えば、水、エタノール等のアルコール、エーテル、ケトン、などが挙げられるが、水が好ましい。なお、前記水性媒体は、前記水が前記アルコール等の水以外の成分を若干量含有するものであってもよい。
前記架橋剤としては、前記水溶性有機材料を架橋可能な性質を有するものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金属錯体、ジルコニア系架橋剤、チタン系化合物、水溶性有機架橋剤、キレート剤、などが挙げられる。前記ジルコニア系架橋剤としては、例えば、酸塩化ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウムなどが挙げられる。前記チタン系架橋剤としては、例えば、チタンアシレート、チタンアルコキシドなどが挙げられる。前記水溶性有機架橋剤としては、例えば、カルボジイミド基含有化合物、ビスビニルスルホン酸化合物などが挙げられる。前記キレート剤としては、例えば、有機チタンキレート、有機ジルコニアキレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。本発明においては、これらの中でも、金属塩がより好適に挙げられる。
前記金属塩としては、例えば、2価以上の陽イオン金属を水中で電離するものなどが好適に挙げられ、その具体例としては、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(4価)、水酸化アルミニウム(3価)、水酸化マグネシウム(2価)、チタンラクテートアンモニウム塩(4価)、塩基性酢酸アルミニウム(3価)、炭酸酸化ジルコニウムアンモニウム塩(4価)、チタントリエタノールアミネート(4価)、などが好適に挙げられる。また、これらは市販品を使用することができ、該市販品としては、例えば、オキシ塩化ジルコニウム八水和物(第一稀元素化学工業製、酸塩化ジルコニウム)、水酸化アルミニウム(和光純薬工業製)、水酸化マグネシウム(和光純薬工業製)、チタンラクテートアンモニウム塩(マツモトファインケミカル、オルガチックスTC−300)、塩基性酢酸アルミニウム(和光純薬工業製)、ビスビニルスルホン化合物(富士ファインケミカル製、VS−B(K−FJC))、炭酸酸化ジルコニウムアンモニウム塩(第一稀元素化学工業製、ジルコゾールAC−20)、チタントリエタノールアミネート(マツモトファインケミカル製、オルガチックスTC−400)、などが挙げられる。該金属塩における金属の価数が2以上であると、架橋強度を向上させることができ、得られる前記立体造形物(焼結用硬化物)が良好な強度を有する点で好ましい。
前記架橋剤含有水の調製方法としては、特に制限はないが、例えば、前記水性媒体中に前記架橋剤、必要に応じて前記その他の成分を添加し混合して溶解させる方法などが挙げられる。
前記架橋剤含有水における前記架橋剤の含有量(濃度)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水溶性有機材料100質量部に対し、該架橋剤量が、0.1〜50質量部(質量%)となる濃度が好ましく、0.5〜40質量部(質量%)となる濃度がより好ましく、1〜35質量部(質量%)となる濃度が特に好ましい。前記濃度が、0.1質量%未満であると、前記立体造形用粉末材料に前記架橋剤含有水を付与して形成した立体造形物用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の強度が充分でないことがあり、その後の焼結等の処理乃至取扱い時に型崩れ等の問題が生ずることがあり、50質量%を超えると、前記立体造形用粉末材料に前記架橋剤含有水を付与して形成した立体造形物用粉末材料(層)による硬化物(立体造形物)の寸法精度が充分でないことがある。
−積層造形用粉末材料−
積層造形用粉末材料の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
例えば、前記水溶性有機材料を前記基材上に公知の被覆方法に従って被覆する方法などが好適に挙げられる。前記水溶性樹脂の前記基材の表面への前記被覆方法としては、特に制限はなく、公知の被覆方法を適宜採用することができ、かかる被覆方法としては、例えば、転動流動コーティング法、スプレードライ法、撹拌混合添加法、ディッピング法、ニーダーコート法、などが好適に挙げられる。また、これらの被覆方法は、公知の市販の各種コーティング装置、造粒装置などを用いて実施することができる。
上記のようにして得られた前記立体造形用粉末材料の平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましい。前記平均粒子径が5μm以上であると、リコート時に粒子の制御がしやすくなり、リコーターへの付着、舞上りなどがなくリコート層の平滑性が得られる。また前記平均粒子径が100μm以下であると、立体造形物の焼結が進みやすいため、焼結体の密度が高くなり、強度不足となることがなく好ましい。前記立体造形用粉末材料の粒度分布としては、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、粒度分布はよりシャープである方が好ましい。粒径分布のシャープ度については、体積平均粒径において累積値の10%値と90%値の比で確認できる。
粒径分布がシャープな分布をしているものは、(Dv:体積平均粒径の90%値:10%値)がより1に近くなる。それに対し比の数値が大きくなると、シャープからブロード分布にずれていることが確認できる。粒径分布がブロードになると、リコートする際、大粒径側粒子と小粒径側粒子の分離が起きたり、粒子径差によりリコート層表面の滑らかさが損なわれ、吐出されるインクが均一に浸み込まなくなる為、粒子間及び層間強度にばらつきが発生しることがあるので、ブロード粒径は好ましくない。前記立体造形用粉末材料の平均粒子径は、公知の粒径測定装置を用いて測定することが可能であり、例えば、前述の粒子径分布測定装置マイクロトラックMT3000IIシリーズ(マイクロトラックベル製)などを用いて測定することができる。
前記立体造形用粉末材料の形状や円形度については、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができるが、形状は球体で、円形度が高い(1.0に近い)方がより好ましい。これにより、立体造形用粉末材料が最密充填され、得られる立体造形物並びに立体焼結物の空隙を低減することができ、強度アップに有効な場合がある。円形度の測定は、公知の円形度測定装置を用いて測定することが可能であり、一例としてはフロー式粒子像分析装置FPIA−3000(マルバーンインストゥルメンツ製)などが挙げられる。
また、前記立体造形用粉末材料の流動性については、特に制限されるものではなく、目的に応じて適宜選択することができる。立体造形用粉末材料の流動性は、従来公知の方法を用いて測定することが可能であり、例えば、安息角、圧縮度、流出速度、せん断セル試験といった方法が挙げられる。安息角は、一定の高さから粉体を落下させ、自発的に崩れることなく安定を保つ時の粉体の山の斜面と水平面との角度で表され、一般的に広く用いられている。一例としては、粉体特性測定装置(パウダテスタPT−N型、ホソカワミクロン製)などを用いて測定することができる。本発明の立体造形用粉末材料の安息角としては、55°以下が好ましく、40°以下がより好ましく、35°以下が特に好ましい。前記安息角が、これを超えると前記立体造形用粉末材料の層を形成する際、層の表面の凹凸が大きくなったり、緩凝集体を形成しやすくなったりし、得られる立体造形物の寸法精度が低下する場合がある。前記安息角は、主に粒子径、粒子の形状、含水量、湿度などが影響することが知られている。本発明の前記立体造形用粉末材料は、粒子径や形状以外に、基材粒子を覆う結合樹脂の変性度にも影響される。例えば、結合樹脂としてポリビニルアルコールを用いる場合、1,2−グリコール結合の変性度が低い方が、立体造形用粉末材料の流動性が高くなる場合があり、有効である。
本発明の立体造形用粉末材料は、流動性改善の為の微粒子を含んでいるが、層状に敷き詰めた粉体層に、印刷機等に用いられるインクジェットのヘッドを用いて、造形液を吐出して固化させ、断面層を形成し、それを積層することによって3次元形状を造る造形方式において、微粒子残留による、造形物品質低下を発生させない。
−積層造形用セット−
本発明の積層造形用セットは、本発明の前記積層造形用粉末材料と、造形液とを有する。
本発明の積層造形用セットは、各種の成形物、構造物の製造に好適に用いることができ、後述する本発明の積層造形方法、本発明の積層造形装置に特に好適に用いることができる。
−積層造形方法−
本発明の積層造形方法は、積層造形用粉末材料を積層して造形液を塗布する工程を繰り返すことで積層造形物を造形する粉末積層造形方法であって、前記積層造形用粉末材料および前記造形液として、本発明の積層造形用セットを用いる。
本発明の積層造形装置は、本発明の積層造形用粉末材料を用いて、粉体層を形成する手段と、前記粉体層に、造形液を吐出する手段と、加熱手段とを有する。
以下、本発明の積層造形装置である三次元像形成装置の一例について図面を参照して説明する。
図1は、三次元造形装置の一例の概略平面図、図2は概略側面図、図3は造形部の断面図、図4は主要部斜視図、図5は制御部のブロック図である。
図1〜4に基づいて積層造形装置を説明する。
この積層造形装置は、粉体(粉末)が結合された層状造形物である造形層30が形成される造形部1と、造形部1の層状に敷き詰められた粉体層31に造形液10を吐出して立体造形物を造形する造形ユニット5とを備えている。
造形部1は、粉体槽11と、平坦化手段(リコータ)である回転体としての平坦化ローラ12、粉体除去板13などを備えている。なお、平坦化手段は、回転体に代えて、例えば板状部材(ブレード、バー)とすることもできる。振動ブレードのアクチュエータとしては、エアバイブレータや偏心モータ、積層ピエゾなどが使用できる。
供給ステージ23は、例えば図4に示すように、モータ27によって矢印Z方向(高さ方向)に昇降され、造形ステージ24は、同じく、モータ28によって矢印Z方向に昇降される。
平坦化ローラ12は、供給槽21の供給ステージ23上に供給された粉体20を造形槽22に供給し、平坦化部材である平坦化ローラ12によって均して平坦化して、粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形ステージ24のステージ面(粉体20が積載される面)に沿って矢印Y方向に、ステージ面に対して相対的に往復移動可能に配置され、往復移動機構29によって移動される。また、平坦化ローラ12は、モータ26によって回転駆動される。
一方、造形ユニット5は、造形ステージ24上の粉体層31に造形液10を吐出する液体吐出ユニット50を備えている。
液体吐出ユニット50は、キャリッジ51と、キャリッジ51に搭載された2つ(1又は3つ以上でもよい。)の液体吐出ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)52a、52bを備えている。
キャリッジ51は、ガイド部材54及び55に移動可能に保持されている。ガイド部材54及び55は、両側の側板70、70に昇降可能に保持されている。
このキャリッジ51は、後述するX方向走査モータ駆動部510によってプーリ及びベルトから構成される主走査移動機構を介して主走査方向である矢印X方向(以下、単に「X方向」という。他のY、Zについても同様とする。)に往復移動される。
2つのヘッド52a、52b(以下、区別しないときは「ヘッド52」という。)は、液体を吐出する複数のノズルを配列したノズル列がそれぞれ2列配置されている。一方のヘッド52aの2つのノズル列は、シアン造形液及びマゼンタ造形液を吐出する。他方のヘッド52bの2つのノズル列は、イエロー造形液及びブラック造形液をそれぞれ吐出する。なお、ヘッド構成はこれに限るものではない。
これらのシアン造形液、マゼンタ造形液、イエロー造形液、ブラック造形液の各々を収容した複数のタンク60がタンク装着部56に装着され、供給チューブなどを介してヘッド52a、52bに供給される。
また、X方向の一方側には、液体吐出ユニット50のヘッド52の維持回復を行うメンテナンス機構61が配置されている。
メンテナンス機構61は、主にキャップ62とワイパ63で構成される。キャップ62をヘッド52のノズル面(ノズルが形成された面)に密着させ、ノズルから造形液を吸引する。ノズルに詰まった粉体の排出や高粘度化した造形液を排出するためである。その後、ノズルのメニスカス形成(ノズル内は負圧状態である)のため、ノズル面をワイパ63でワイピング(払拭)する。また、メンテナンス機構61は、造形液の吐出が行われない場合に、ヘッドのノズル面をキャップ62で覆い、粉体20がノズルに混入することや造形液10が乾燥することを防止する。
造形ユニット5は、ベース部材7上に配置されたガイド部材71に移動可能に保持されたスライダ部72を有し、造形ユニット5全体がX方向と直交するY方向(副走査方向)に往復移動可能である。この造形ユニット5は、後述するモータ駆動部512を含むY方向走査機構552によって全体がY方向に往復移動される。
液体吐出ユニット50は、ガイド部材54、55とともに矢印Z方向に昇降可能に配置され、後述するモータを含むZ方向昇降機構551によってZ方向に昇降される。
ここで、造形部1の詳細について説明する。
粉体槽11は、箱型形状をなし、供給槽21と造形槽22と、余剰粉体受け槽25の3つの上面が開放された槽とを備えている。供給槽21内部には供給ステージ23が、造形槽22内部には造形ステージ24がそれぞれ昇降可能に配置される。
供給ステージ23の側面は供給槽21の内側面に接するように配置されている。造形ステージ24の側面は造形槽22の内側面に接するように配置されている。これらの供給ステージ23及び造形ステージ24の上面は水平に保たれている。
造形槽22の隣には余剰粉体受け槽25が設けられている。
余剰粉体受け槽25には、粉体層31を形成するときに平坦化ローラ12によって供給される粉体20のうちの余剰の粉体20が落下する。余剰粉体受け槽25に落下した余剰の粉体20は供給槽21に粉体を供給する粉体供給装置に戻される。
供給槽21上には粉体が供給される。造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した場合に、手動、もしくは、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などを用いて、粉体が供給される。
造形の初期動作時や供給槽21の粉体量が減少した場合に、粉体供給装置554を構成するタンク内の粉体を供給槽21に供給する。粉体供給のための粉体搬送方法としては、スクリューを利用したスクリューコンベア方式や、エアーを利用した空気輸送方式などが挙げられる。
平坦化ローラ12は、供給槽21から粉体20を造形槽22へと移送供給して、表面を均すことで平坦化して所定の厚みの層状の粉体である粉体層31を形成する。
この平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の内寸(即ち、粉体が供される部分又は仕込まれている部分の幅)よりも長い棒状部材であり、往復移動機構29によってステージ面に沿ってY方向(副走査方向)に往復移動される。
この平坦化ローラ12は、モータ26によって回転されながら、供給槽21の外側から供給槽21及び造形槽22の上方を通過するようにして水平移動する。これにより、粉体20が造形槽22上へと移送供給され、平坦化ローラ12が造形槽22上を通過しながら粉体20を平坦化することで粉体層31が形成される。
また、図2にも示すように、平坦化ローラ12の周面に接触して、平坦化ローラ12に付着した粉体20を除去するための粉体除去部材である粉体除去板13が配置されている。
粉体除去板13は、平坦化ローラ12の周面に接触した状態で、平坦化ローラ12とともに移動する。また、粉体除去板13は、平坦化ローラ12が平坦化を行うときの回転方向に回転するときにカウンタ方向でも、順方向での配置可能である。
本実施形態では、造形部1の粉体槽11が供給槽21と造形槽22の二つの槽を有する構成としているが、造形槽22のみとして、造形槽22に粉体供給装置から粉体を供給して、平坦化手段で平坦化する構成とすることもできる。
次に、上記立体造形装置の制御部の概要について図5を参照して説明する。図5は同制御部のブロック図である。
制御部500は、この立体造形装置全体の制御を司るCPU501と、CPU501に本発明に係わる制御を含む立体造形動作の制御を実行させるためのプログラムを含むプログラム、その他の固定データを格納するROM502と、造形データ等を一時格納するRAM503とを含む主制御部500Aを備えている。
制御部500は、装置の電源が遮断されている間もデータを保持するための不揮発性メモリ(NVRAM)504を備えている。また、制御部500は、画像データに対する各種信号処理等を行う画像処理やその他装置全体を制御するための入出力信号を処理するASIC505を備えている。
制御部500は、外部の造形データ作成装置600から造形データを受信するときに使用するデータ及び信号の送受を行うためのI/F506を備えている。なお、造形データ作成装置600は、最終形態の造形物を各造形層にスライスした造形データを作成する装置であり、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置で構成されている。
制御部500は、各種センサの検知信号を取り込むためのI/O507を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50の各ヘッド52を駆動制御するヘッド駆動制御部508を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をX方向(主走査方向)に移動させるX方向走査機構550を構成するモータを駆動するモータ駆動部510と、造形ユニット5をY方向(副走査方向)に移動させるY方向走査機構552を構成するモータを駆動するモータ駆動部512を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のキャリッジ51をZ方向に移動(昇降)させるZ方向昇降機構551を構成するモータを駆動するモータ駆動部511を備えている。なお、矢印Z方向への昇降は造形ユニット5全体を昇降させる構成とすることもできる。
制御部500は、造形ステージ24を昇降させるモータ28を駆動するモータ駆動部514を備えている。
制御部500は、平坦化ローラ12を移動させる往復移動機構29のモータ553を駆動するモータ駆動部515と、平坦化ローラ12を回転駆動するモータ26を駆動する516を備えている。
制御部500は、液体吐出ユニット50のメンテナンス機構61を駆動するメンテナンス駆動部518を備えている。
制御部500は、粉体後供給部80から粉体20の供給を行わせる後供給駆動部519を備えている。
制御部500は、振動ブレード14を振動させるためのアクチュエータ15のアクチュエータ駆動部520を備えている。
制御部500のI/O507には、装置の環境条件としての温度及び湿度を検出する温湿度センサ560などの検知信号やその他のセンサ類の検知信号が入力される。
制御部500には、この装置に必要な情報の入力及び表示を行うための操作パネル522が接続されている。
なお、造形データ作成装置600と立体造形装置(粉体積層造形装置)601によって造形装置が構成される。
次に、造形の流れについて図6も参照して説明する。図6は造形の流れの説明に供する模式的説明図である。
造形槽22の造形ステージ24上に、1層目の造形層30が形成されている状態から説明する。
この造形層30上に次の造形層30を形成するときには、図6Aに示すように、供給槽21の供給ステージ23をZ1方向に上昇させ、造形槽22の造形ステージ24をZ2方向に下降させる。
このとき、造形槽22の上面(粉体層表面)と平坦化ローラ12の下部(下方接線部)との間隔がΔtとなるように造形ステージ24の下降距離を設定する。この間隔Δtが次に形成する粉体層31の厚さに相当する。間隔Δtは、数十〜100μm程度であることが好ましい。
次いで、図6Bに示すように、供給槽21の上面レベルよりも上方に位置する粉体20を、平坦化ローラ12を順方向(矢印方向)に回転しながらY2方向(造形槽22側)に移動することで、粉体20を造形槽22へと移送供給する(粉体供給)。ここで振動ブレード14を振動させる。
さらに、図6Cに示すように、平坦化ローラ12を造形槽22の造形ステージ24のステージ面と平行に移動させる。平坦化ローラを造形槽の造形ステージのステージ面と平行に移動させる際も振動ブレードを振動させた状態で実施する。平坦化ローラが造形槽上を移動し切ったところで、振動ブレード14の振動を停止する。ここで、平坦化ローラ12は、造形槽22及び供給槽21の上面レベルとの距離を一定に保って移動できるようになっている。一定に保って移動できることで、平坦化ローラ12で粉体20を造形槽22の上へと搬送させつつ、図6Dに示すように、造形槽22上又は既に形成された造形層30の上に均一厚さΔtの粉体層31を形成できる。振動ブレード14を振動させていることにより、粉体20はタッピングされ、高密度な状態にされた後に平坦化ローラ12により余剰な粉体20が削り取られるので、高密度且つ平坦な粉体層31を形成できる。粉体層31を形成後、平坦化ローラ12は、図6(d)に示すように、Y1方向に移動されて初期位置に戻される。
その後、図6Eに示すように、液体吐出ユニット50のヘッド52から造形液10の液滴を吐出して、次の粉体層31に造形層30を積層形成する(造形)。
なお、造形層30は、例えば、ヘッド52から吐出された造形液10が粉体20と混合されることで、粉体20に含まれる接着剤が溶解し、溶解した接着剤同士が結合して粉体20が結合されることで形成される。
次いで、上述した粉体供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程を繰り返して新たな造形層30を形成する。このとき、新たな造形層30とその下層の造形層30とは一体化して三次元形状造形物の一部を構成する。
以後、粉体の供給・平坦化よる粉体層31を形成する工程、ヘッド52による造形液吐出工程を必要な回数繰り返すことによって、三次元形状造形物(立体造形物)を完成させる。
上記のように、積層造形装置にて、三次元形状造形物を作製した後、加熱手段により脱脂・焼結を施すことで、強度確保と、結合樹脂や造形液の脱炭を実施する。脱脂・焼結工程は、特に、本積層造形装置に特有の方法である必要はなく、金属粉末から成形体を製造する方法と同様でよい。例えば、金属粉末とバインダとを混合し、この混合物を成形型のキャビティ内に充填するとともに、混合物を加圧して、成形体を作製する圧粉成形(圧縮成形)法や、金属粉末とバインダとを混合、混練し、この混練物を用いて射出成形する金属粉末射出成形(MIM:Metal Injection Molding)法と同様の脱脂・焼結工程でよい。
特許4702308号に、ステンレス鋼を主材料とした金属粉末について、脱脂・焼結工程の一例が開示されている。具体的には、室温から15時間半をかけて1150℃まで昇温するような条件で脱脂・焼結処理を施すことで、成形体を得られることが開示されている(特許4702308号 図3)。本発明の積層造形装置で得られる、三次元形状造形物についても、上記の焼結条件にて、十分な強度を確保できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
以下の基材粒子及び結合樹脂を用いて基材粒子表面が結合樹脂で覆われた(厚み100nm)粉末を得た。
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂 ポリビニルアルコール樹脂
基材粒子を結合樹脂で覆う方法は以下の通りとした。
−コート液の調製−−
結合樹脂材料としてポリビニルアルコール(クラレ製、PVA −205C、平均分子量;22000)6質量部に、水114質量部を混合し、ウォーターバス中で80℃に加熱しながら、スリーワンモーター(ヘイドン製、BL600)を用いて1時間攪拌し、前記ポリビニルアルコールを前記水に溶解させ、5質量%のポリビニルアルコール水溶液120質量部を調製した。こうして得られた調製液をコート液とした。なお、前記ポリビニルアルコールの4質量%(w/w%)水溶液の20℃における粘度を粘度計(ブルックフィールド社製回転粘度計、D∨−E VISCOMETER HADVE115型)を用いて測定したところ、5.0〜6.0mPa・sであった。
−−コート液の基材表面へのコーティング−−
次に、市販のコーティング装置(パウレック製、MP−01)を用いて、基材としてステンレス鋼(SUS316L)粉(山陽特殊製鋼製、PSS316L、平均粒径10μm)100質量部に対し、所定の膜厚になるように、前記コート液をコーティングした。以上により、コート粉末を得た。なお、以下に、前記コーティングの条件を示した。
<コーティング条件>
・スプレー設定
ノズル型式 970
ノズル口径 1.2mm
コート液吐出圧力 4.7Pa・s
コート液吐出速度 3g/min
アトマイズ空気量 50Nl/min
・ローター設定
ローター型式 M−1
回転速度 60rpm
回転数 400%
・気流設定
給気温度 80℃
給気風量 0.8m/min
バグフィルター払落し圧 0.2MPa
バグフィルター払落し時間 0.3秒
バグフィルターインターバル 5秒
次に、以下に示す有機微粒子を添加し、積層造形用粉末材料を得た。
・有機微粒子:非架橋アクリル樹脂A(熱分解開始温度 約300℃、綜研化学社 非架橋アクリル粒子 MPシリーズ MP−1451)、粒子径150nm、添加量0.25質量%
得られた粉末材料について、電子顕微鏡観察を行ったところ、図7に示すような、結合樹脂で覆われた基材粒子に有機微粒子が付着していた。基材粒子を覆う結合樹脂表面に対する有機微粒子の被覆率は24%であった。
[実施例2]
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂粒子 ポリビニルアルコール樹脂 粒子径8μm、混合量 基材粒子に対して0.7質量%
・有機微粒子
非架橋アクリル樹脂A 粒子径150nm、添加量 基材粒子に対して0.1質量%
非架橋アクリル樹脂A 粒子径10nm、添加量 基材粒子に対して0.2質量%
基材粒子を覆う結合樹脂表面に対する有機微粒子の被覆率は39%であった。
有機微粒子は分散して付着していた。
[実施例3]
以下の基材粒子及び結合樹脂を用いて基材粒子表面が結合樹脂で覆われた(厚み100nm)粉末を得た。
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂 ポリビニルアルコール樹脂
次に、以下に示す有機微粒子を添加し、積層造形用粉末材料を得た。
・有機微粒子 非架橋アクリル樹脂A 粒子径150nm、添加量 基材に対して0.25質量%
得られた粉末材料について、電子顕微鏡観察を行ったところ、図9に示すように、基材粒子と結合樹脂粒子に有機微粒子が付着していた。
基材粒子表面に対する有機微粒子の被覆率は24%であった。
有機微粒子は分散して付着していた。
[実施例4]
以下に示す材料を用い、予め、基材粒子に有機微粒子を付与した粉末を作製し、その後、結合樹脂粒子を混合して粉末材料を得た
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂粒子 ポリビニルアルコール樹脂 粒子径8μm、混合量 基材粒子に対して0.7質量%
・有機微粒子 非架橋アクリル樹脂A 粒子径 150nm、添加量 基材粒子に対して0.25質量%(基材粉末のみに添加)
得られた粉末材料について、電子顕微鏡観察を行ったところ、図10に示すように、基材粒子に有機微粒子が付着していた。
基材粒子表面に対する有機微粒子の被覆率は24%であった。
有機微粒子は分散して付着していた。
[実施例5]
以下に示す材料を用い、予め、結合樹脂粒子に外添剤を付与した粉末を作製し、その後、基材粒子を混合して、粉末材料を得た。
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂粒子 ポリビニルアルコール樹脂 粒子径8μm、混合量 基材粒子に対して0.7質量%
・外添剤 非架橋アクリル樹脂A 粒子径 150nm、添加量 結合樹脂粒子に対して0.01質量%(結合樹脂粒子のみに添加)
得られた粉末材料について、電子顕微鏡観察を行ったところ、図11に示すように、結合樹脂粒子に外添剤が付着していた。
結合樹脂粒子表面に対する外添剤の被覆率は20%であった。
有機微粒子は分散して付着していた。
[実施例6]
以下の、基材粒子および有機微粒子を混合・攪拌し粉末材料を得た。
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・有機微粒子 非架橋アクリル樹脂A 粒子径 150nm、添加量 基材粒子に対して0.25質量%
得られた粉末材料について、電子顕微鏡観察を行ったところ、図9に示すように、基材粒子と結合樹脂粒子に有機微粒子が付着していた。
基材粒子表面に対する有機微粒子の被覆率は24%であった。
有機微粒子は分散して付着していた。
[実施例7]
以下の原料を用い、有機微粒子の配合割合を変化させて粉末材料を作製した。
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂 ポリビニルアルコール樹脂
・外添剤 非架橋アクリル樹脂A 粒子径150nm
<粉末材料の流動性(かさ密度、タップ密度)の評価>
上記で得た粉末材料を用いて、嵩密度及びタップ密度を評価することにより粉末材料の流動性を評価した。
評価結果を図14に示す。
図14に示されるように、外添剤の添加量を多くするに伴って、流動性が向上して、かさ密度及びタップ密度が増加することを確認できた。
<粉末材料の焼結性の評価>
粉末材料の焼結性を焼結体の密度を以下の方法で評価することによって評価した。
外添剤量0.1質量%、0.25質量%、0.625質量%と変化させた粉末材料を1350℃で焼結し、粉末材料の焼結体を断面出しして、観察倍率10倍にて、光学顕微鏡で10箇所観察し、画像処理ソフトImageJでの画像処理にて空隙個数をカウントした(微小な密度差を評価する為に、上記のように空隙量で評価した。)
評価結果を図15に示す。
図15に示されるように、かさ密度、タップ密度が最大化される外添剤量0.25質量%にて、空隙が最も少なく、高密度化された焼結体が得られていることがわかる。
<化学成分評価>
焼結体の純度を評価するため、以下の方法で、アクリル樹脂の主成分である炭素量が焼結体にどれぐらい含まれるかを赤外吸収法により評価した。
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂 ポリビニルアルコール樹脂
・外添剤 非架橋アクリル樹脂A 粒子径150nm、添加量 0.25質量%
・評価装置:(株)堀場製作所 炭素・硫黄分析装置 EMIA-720型)
(評価結果)
焼結体の炭素量は0.02質量%となり、焼結時に、十分に消失していることを確認できた。
[比較例1]
以下の原料を用いて、結合樹脂により被覆された粉末材料を得た。
・基材粒子 SUS316L 粒子径10μm
・結合樹脂 ポリビニルアルコール樹脂
この粉末材料を用いて、造形を試みたところ、粉末積層時に粉面に大きなムラ、凹凸が発生して、造形できなかった。具体的には、リコーターが粉面を引きずるような現象が発生して造形できなかった。
1 造形部
5 造形ユニット
7 ベース部材
10 造形液
11 粉体槽
12 平坦化ローラ(平坦化手段、回転体)
13 粉体除去板
20 粉体
21 供給槽
22 造形槽
23 供給ステージ
24 造形ステージ
25 余剰粉体受け槽
26、27、28 モータ
29 往復移動機構
30 造形層(層状造形物)
31 粉体層(層状の粉体)
50 液体吐出ユニット
51 キャリッジ
52 液体吐出ヘッド
54、55 ガイド部材
56 タンク装着部
60 タンク
61 メンテナンス機構
62 キャップ
63 ワイパ
70 側板
71 ガイド部材
72 スライダ部
80 粉体後供給部
500 制御部
500A 主要部
502 ROM
503 RAM
504 不揮発性メモリ(NVRAM)
505 ASIC
506 I/F
507 I/O
508 ヘッド駆動制御部
510、511、512、513、514、515、516 モータ駆動部
518 メンテナンス駆動部
519 後供給駆動部
520 アクチュエータ駆動部
522 操作パネル
550 X方向走査機構
551 Z方向昇降機構
552 Y方向走査機構
553 モータ
560 温度センサ
600 造形データ作成装置
601 立体造形装置
特許第4846425号公報

Claims (6)

  1. 粉末材料を積層造形して得た粉末造形物を焼結して立体焼結物を得るための積層造形用粉末材料であって、
    無機粒子からなる基材粒子と、
    前記基材粒子を覆う結合樹脂と、
    前記結合樹脂表面に分散した状態で付着している、粒径が前記基材粒子の1/8未満である熱分解性の有機物粒子からなる微粒子と、
    を含み、
    前記基材粒子の粒径は5〜100μmであり、
    前記微粒子の粒径は10〜1000nmであり、
    前記基材粒子を覆う前記結合樹脂表面に対する、前記微粒子の被覆率が5〜90%であり、
    前記基材粒子の融点をTm[℃]とし、前記微粒子の熱分解開始温度をTd[℃]としたとき、
    Td<0.8×Tm
    である積層造形用粉末材料。
  2. 粉末材料を積層造形して得た粉末造形物を焼結して立体焼結物を得るための積層造形用粉末材料であって、
    無機粒子からなる基材粒子と、
    結合樹脂粒子と、
    前記基材粒子表面、または、前記基材粒子表面および前記結合樹脂粒子表面に分散した状態で付着している、粒径が前記基材粒子の1/8未満の熱分解性の有機物粒子からなる微粒子と、
    を含み、
    前記基材粒子の粒径は5〜100μmであり、
    前記微粒子の粒径は10〜1000nmであり、
    前記基材粒子表面に対する、前記微粒子の被覆率が5〜90%であり、
    前記基材粒子の融点をTm[℃]とし、前記微粒子の熱分解開始温度をTd[℃]としたとき、
    Td<0.8×Tm
    である積層造形用粉末材料。
  3. 請求項1または2に記載の積層造形用粉末材料を用いて粉体層を形成する手段と、前記粉体層に、造形液を吐出する手段と、加熱手段とを有する積層造形装置。
  4. 請求項1に記載の積層造形用粉末材料を用いて粉体層を形成する手段と、前記粉体層に、造形液を吐出する手段と、加熱手段とを有し、前記結合樹脂が架橋剤含有水の作用により溶解し架橋可能な水溶性有機材料からなる結合樹脂であり、前記造形液が前記架橋剤含有水である積層造形装置。
  5. 請求項1または2に記載の積層造形用粉末材料と造形液とを有する積層造形用セット。
  6. 粉末材料を積層して造形液を塗布する工程を繰り返すことで積層造形物を造形する粉末積層造形方法であって、前記粉末材料および造形液として、請求項に記載の積層造形用セットを用いる積層造形方法。
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