(実施形態1)
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1A、図1Bは、実施形態1に係るエレベータシステムを模式的に示した図である。実施形態1に係るエレベータシステムは、少なくとも1台のエレベータ2を有する。
実施形態1のエレベータ2は、扉4と、かご5(図1B)と、操作盤6と、表示装置7とを備える。図1Aは、扉4が閉じた状態を示し、図1Bは、扉4が開いた状態を示す。
操作盤6は、複数の呼出しボタン6A、6Bを有する。操作盤6は、呼出しボタン6A、6Bの押下を検出し、当該検出に応じて、後述する制御部10へ検出信号を送信する。
表示装置7は、エレベータ2のかご5に関する情報を表示する装置である。表示装置7は後述するように、かご5内の混雑度を表す「乗車率」のレベルを段階的に表示する。図1A、図1Bに示す例では、表示装置7は操作盤6に隣接して設けているが、このような場合に限らず、エレベータ2の乗り場における任意の位置に設けてもよい。
図2は、実施形態1のエレベータシステムの電気的構成を示したブロック図である。図2に示すように、エレベータシステムは、表示装置7を構成する要素として、表示部8と、制御部10とを備える。エレベータシステムはさらに、光電センサ12と、重量センサ14と、警報装置16とを備える。
表示部8は、エレベータ2のかご5に関する情報を表示する表示画面を有する部材である。表示部8に表示される表示画面は制御部10によって制御される。
制御部10は、表示部8の表示画面を含むエレベータ2の各種運転を制御する部材である。制御部10は例えば、マイクロコンピュータを含んで構成される。制御部10には、前述した操作盤6および表示部8に加えて、光電センサ12、重量センサ14および警報装置16が電気的に接続されている。
光電センサ12は、かご5内の積載物に関する「占有面積率」を算出するためのセンサである。光電センサ12は、かご5の出入口又はその近傍に設けられ、光を媒体として、かご5を出入りする積載物(人や荷物など)を検出する。光電センサ12は、積載物の検出に応じて、制御部10へ検出信号を送信する。
重量センサ14は、かご5内の積載物に関する「積載率」を算出するためのセンサである。重量センサ14は、かご5内の積載物の重量を検出するものであればよく、例えばロードセルである。重量センサ14は、かご5内の積載物の重量の検出に応じて、制御部10へ検出信号を送信する。
警報装置16は、かご5の周辺で警報を鳴らすための装置である。警報装置16は、かご5内の積載率が所定閾値を超過したときに動作され、かご5へ乗車できない状況であることを報知するブザーである。このような警報装置16をエレベータ2に設置することは、「建築基準法施行令第129条の10第3項第四号イ」で義務付けられている。
上記構成において、制御部10は、光電センサ12からの検出信号に基づいて、かご5内の積載物に関する「占有面積率」を算出する。具体的には、制御部10は、光電センサ12の検出信号が示すかご5内の各積載物の種類に基づいて、予め規定される各積載物の種類と占有面積との関係から各積載物の占有面積を算出する。制御部10は、算出した各積載物の占有面積を合算して全積載物の総占有面積を算出し、算出した総占有面積をかご5の床の総面積で除することにより「占有面積率」を算出する(単位:%)。占有面積率は、かご5内の混雑度に関連する指標であって、前述した「乗車率」のレベルを規定する値として用いられる。
制御部10は、算出した占有面積率に基づいて「乗車率」のレベルを複数段階(例えば5段階)に分類し、分類した乗車率のレベルに応じて、特定の表示パターンの表示を命じる信号を表示部8に送信する。
実施形態1では、乗車率のレベルを第1レベル〜第5レベルの5段階に分類する。例えば、占有面積率が0%以上20%未満のときに乗車率を最小レベルの第1レベルに分類し、占有面積率が20%以上40%未満のときに乗車率を第2レベルに分類し、占有面積率が40%以上60%未満のときに乗車率を第3レベルに分類し、占有面積率が60%以上80%未満のときに乗車率を第4レベルに分類し、占有面積率が80%以上のときに最大レベルの乗車率を第5レベルに分類する。
制御部10は、重量センサ14からの検出信号に基づいて、かご5内の積載物に関する「積載率」を算出する。具体的には、制御部10は、重量センサ14の検出信号が示すかご5内の積載物の総重量をかご5の定格積載量で除することにより「積載率」を算出する(単位:%)。
制御部10は、算出した積載率を予め記憶している所定の閾値と比較する。所定閾値は、前述した建築基準法施行令に基づく数値として110%として定められる。算出した積載率が所定閾値を超過する場合、制御部10は警報装置16を動作させるとともに、かご5内の扉4の閉鎖を自動的に制止するように制御する。
実施形態1の制御部10はさらに、警報装置16の動作と扉4の閉鎖制止に加えて、積載率が所定閾値を超過しない場合の表示画面とは異なる表示画面を表示部8に表示させる。具体的な表示内容については後述する。
次に、表示部8の構成について、図3を用いて説明する。図3に示すように、表示部8は、エレベータ2のかご5に関する情報を表示する表示画面を前面に有し、実施形態1では液晶表示部が用いられる。
表示部8の表示画面には、複数の表示エリアとして、昇降方向表示エリア20と、階数表示エリア22と、乗車率表示エリア24とが含まれる。
昇降方向表示エリア20は、かご5が昇降する方向を表示する領域である。図3に示す例では、かご5が上方へ移動している状態が表示される。かご5が停止している場合、昇降方向表示エリア20での表示は行われない。
階数表示エリア22は、かご5が近接又は停止している階数を表示する領域である。図3に示す例では、かご5が5階に近接している状態が表示される。
乗車率表示エリア24は、前述した占有面積率に基づく乗車率のレベルを表示する領域である。図3に示す例では、かご5内の乗車率のレベルが最大レベルである状態が表示される。
次に、乗車率表示エリア24の具体的構成について、図4を用いて説明する。図4は、乗車率表示エリア24の正面図である。
図4に示すように、乗車率表示エリア24は、複数のレベル表示エリアとして、5つのレベル表示エリア26、28、30、32、34を含む。紙面左から右に向かって、第1レベル表示エリア26と、第2レベル表示エリア28と、第3レベル表示エリア30と、第4レベル表示エリア32と、第5レベル表示エリア34とが設けられる。
第1レベル表示エリア26は、占有面積率に基づく乗車率のレベルが第1レベル(最小レベル)に分類されたときにレベル表示を行うエリアである。第2レベル表示エリア28は、乗車率のレベルが第2レベルに分類されたときにレベル表示を行うエリアである。第3レベル表示エリア30は、乗車率のレベルが第3レベルに分類されたときにレベル表示を行うエリアである。第4レベル表示エリア32は、乗車率のレベルが第4レベルに分類されたときにレベル表示を行うエリアである。第5レベル表示エリア34は、乗車率のレベルが第5レベル(最大レベル)に分類されたときにレベル表示を行うエリアである。
第1レベル表示エリア26は「最小レベル表示エリア」に相当し、第5レベル表示エリア34は「最大レベル表示エリア」に相当する。図4に示す例では、第5レベル表示エリア34がレベル表示を行うことで、かご5内の乗車率が最大レベルであることが表示される。
図4に示すように、第1レベル表示エリア26および第5レベル表示エリア34が表示する表示形状は、箱型の角丸四角形状である。第2レベル表示エリア28、第3レベル表示エリア30および第4レベル表示エリア32が表示する表示形状は、上下に細長い長穴形状であり、紙面左から右に向かって上下方向の長さが漸増する。
レベル表示エリア26、28、30、32、34はそれぞれ、レベル表示領域26A、28A、30A、32A、34Aと、枠表示領域26B、28B、30B、32B、34Bとを含む。
レベル表示領域26A、28A、30A、32A、34Aは、乗車率のレベルに応じて表示状態が制御される部分である。実施形態1のレベル表示領域26A、28A、30A、32A、34Aは、レベル表示を行わない場合はグレー表示され、レベル表示を行う場合は、所定の点灯色でカラー表示される。カラー表示の点灯色は例えば、レベル表示領域26Aが水色、レベル表示領域28Aが緑色、レベル表示領域30Aが黄色、レベル表示領域32Aがオレンジ色、レベル表示領域34Aが赤色である。
枠表示領域26B、28B、30B、32B、34Bは、レベル表示領域26A、28A、30A、32A、34Aの内側又は外側を枠状に囲む部分である。実施形態1では、枠表示領域26Bはレベル表示領域26Aの内枠を構成し、枠表示領域28B、30B、32B、34Bはレベル表示領域28A、30A、32A、34Aの外枠をそれぞれ構成する。実施形態1の枠表示領域26B、28B、30B、32B、34Bは、乗車率のレベルに関わらずいずれも白色表示される。
第5レベル表示エリア34はさらに、人型表示領域34Cを含む。人型表示領域34Cは、複数の人が前後方向に重なって複数列を成している状態を表す部分である。実施形態1の人型表示領域34Cは枠表示領域34Bと同様に、乗車率のレベルに関わらず白色表示される。このような人型表示領域34Cを設けることで、第5レベル表示エリア34が乗車率の最大レベルを表すエリアであることが分かりやすくなる。
上述したエレベータ2の動作の一例について、図2および図5A〜図5Eを用いて説明する。図5A〜図5Eはそれぞれ、レベル表示エリア26、28、30、32、34のそれぞれがレベル表示を行っている状態を表す正面図である。
まず、図2に示した光電センサ12が、かご5内を出入りする積載物を検出し、当該検出に応じて制御部10へ検出信号を送信する。制御部10は、光電センサ12からの検出信号に基づいて、かご5内の積載物に関する占有面積率(かご5内の積載物の総占有面積/かご5の床面積)を算出し、算出した占有面積率に基づいてかご5内の乗車率のレベルを5段階に分類する。制御部10は、分類した乗車率のレベルに対応する表示パターンの表示を命じる信号を表示部8に送信する。
制御部10は例えば、前述した占有面積率が0%以上20%未満と算出されるとき、乗車率のレベルを第1レベルに分類し、第1レベルに対応する表示パターンの表示を命じる信号を表示部8に送信する。同様に、占有面積率が20%以上40%未満のとき、乗車率を第2レベルに分類し、第2レベルに対応する表示パターンの表示を命じる信号を送信する。同様に、占有面積率が40%以上60%未満のとき、乗車率を第3レベルに分類し、第3レベルに対応する表示パターンの表示を命じる信号を送信する。同様に、占有面積率が60%以上80%未満のとき、乗車率を第4レベルに分類し、第4レベルに対応する表示パターンの表示を命じる信号を送信する。同様に、占有面積率が80%以上のとき、乗車率を第5レベルに分類し、第5レベルに対応する表示パターンの表示を命じる信号を送信する。
表示部8は、制御部10からの信号に基づいて乗車率のレベルに応じた表示パターンを表示する。
図5Aでは、第1レベル(最小レベル)の乗車率に対応する表示パターンが表示されている。図5Aに示す表示部8は、第1レベル表示エリア26のレベル表示領域26Aを所定の点灯色(例えば水色)でカラー表示し、他のレベル表示エリア28、30、32、34のレベル表示領域をいずれもグレー表示している。これにより、かご5内の乗車率のレベルが最小レベルの第1レベルであることを表示している。
図5Bでは、第2レベルの乗車率に対応する表示パターンが表示されている。図5Bに示す表示部8は、第2レベル表示エリア28のレベル表示領域28Aを所定の点灯色(例えば緑色)で表示し、他のレベル表示エリア26、30、32、34のレベル表示領域をいずれもグレー表示している。これにより、かご5内の乗車率のレベルが第1レベルの次に高い第2レベルであることを表示している。
図5Cでは、第3レベルの乗車率に対応する表示パターンが表示されている。図5Cに示す表示部8は、第3レベル表示エリア30のレベル表示領域30Aを所定の点灯色(例えば黄色)で表示し、他のレベル表示エリア26、28、32、34のレベル表示領域をいずれもグレー表示されている。これにより、かご5内の乗車率のレベルが第2レベルの次に高い第3レベルであることを表示している。
図5Dでは、第4レベルの乗車率に対応する表示パターンが表示されている。図5Dに示す表示部8は、第4レベル表示エリア32のレベル表示領域32Aを所定の点灯色(例えばオレンジ色)で表示し、他のレベル表示エリア26、28、30、34のレベル表示領域をいずれもグレー表示している。これにより、かご5内の乗車率のレベルが第3レベルの次に高い第4レベルであることを表示している。
図5Eでは、第5レベル(最大レベル)の乗車率に対応する表示パターンが表示されている。図5Eに示す表示部8は、第5レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aを所定の点灯色(例えば赤色)で表示し、他のレベル表示エリア26、28、30、32のレベル表示領域をいずれもグレー表示している。これにより、かご5内の乗車率のレベルが最大レベルの第5レベルであることを表示している。
図5A〜図5Eに示した表示方法によれば、かご5内の積載物に関する「占有面積率」で規定される「乗車率」のレベルに応じて5つのレベル表示エリア26、28、30、32、34のいずれかのレベル表示領域をカラー表示して、乗車率のレベルを表すことができる。
占有面積率に基づく乗車率のレベル分類に並行して、図2に示した重量センサ14が、かご5内の積載物の総重量を検出し、制御部10へ検出信号を送信する。制御部10は、重量センサ14からの検出信号に基づいてかご5内の積載率(かご5内の積載物の総重量/かご5の定格積載量)を算出し、算出した積載率を所定閾値(例えば110%)と比較する。
制御部10は、積載率が所定閾値を超過しない場合、図5A〜図5Eに示した占有面積率に基づく乗車率のレベルを表示する表示画面を表示する一方で、積載率が所定閾値を超過する場合には、図5A〜図5Eとは異なる表示画面を表示部8に表示させる。
図6は、実施形態1における表示部8が表示する第1表示画面と第2表示画面を並べて示す図である。図6における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図である。第1表示画面Aは、図5Eに示す表示画面と同じである。図6における(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
第1表示画面Aと第2表示画面Bを比較すると、最大レベル表示エリアである第5レベル表示エリア34の表示状態が異なっている。具体的には、第5レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色が異なっている。実施形態1では、第5レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色を、第1表示画面Aでは赤色とし、第2表示画面Bでは紫色としている。
このように、第1表示画面Aと第2表示画面Bで第5レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色を異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いを容易に認識することができる。仮に第1表示画面Aと第2表示画面Bが同じ場合には、第1表示画面Aを表示したときに、安全上は乗車可能であるにもかかわらず乗車できないと誤認させるおそれがある。これに対して、実施形態1の表示方法によれば、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることでその違いを認識することができ、第1表示画面Aの場合は乗車可能であるが、第2表示画面Bの場合はかご5に乗車できないことを経験的に知ることができる。これにより、第1表示画面Aによってかご5への乗車を促し、第2表示画面Bによってかご5への乗車を促さないようにすることができ、乗車可否の誤認を抑制することができる。このようにして、安全性を担保しながら、輸送性能を向上させる表示を行うことができる。
実施形態1では特に、第2表示画面Bにおける第5レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色を紫色として、積載率が所定閾値を超過しない場合にレベル表示を行うレベル表示エリア26、28、30、32、34のいずれの点灯色(水色、緑色、黄色、オレンジ色、赤色)とも異なる色にしている。これにより、積載率が所定閾値を超過しない場合の点灯色との混同を防止することができ、第2表示画面Bが表示される場合にかご5に乗車できない状態であることがより分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態1のまとめ)
実施形態1のエレベータ2の表示装置7は、
エレベータ2のかご5に関する情報を表示する表示部8と、
かご5内の積載物が占有する占有面積率によって規定される乗車率のレベルを表示するように表示部8を制御する制御部10と、を備え、
制御部10は、
占有面積率が乗車率の最大レベルに対応する範囲にあり、且つかご5内の積載物の重量に基づく積載率が所定閾値を超過しない場合、表示部8に、乗車率のレベルが最大レベルであることを表す第1表示画面Aを表示させ、
積載率が所定閾値を超過する場合、占有面積率にかかわらず、第1表示画面Aとは異なる第2表示画面Bを表示部8に表示させる。
この表示装置7によれば、かご5内の積載物の占有面積率に基づいて乗車率のレベルを表示する表示部8において、乗車率のレベルが最大レベルの場合であっても積載率が所定閾値を超過しない場合は、安全上の観点では乗車可能である。一方で、積載率が所定閾値を超過する場合は占有面積率にかかわらず、ブザー等の報知を伴って乗車不可とする必要がある。いずれの場合であるかに応じて表示部8の表示画面を異ならせることで、乗車可能/乗車不可のいずれであるかをユーザに間接的に知らせることができ、乗車可否の誤認を抑制することができる。
また、実施形態1のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
表示部8における乗車率のレベルを表す乗車率表示エリア24の表示状態を異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、ユーザが着目する部分の表示状態を異ならせることで、乗車可能/乗車不可のいずれの状況であるかが分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
また、実施形態1のエレベータ2の表示装置7では、
乗車率表示エリア24は、乗車率の最大レベルに対応する最大レベル表示エリア34を含み、
制御部10は、
最大レベル表示エリア34の表示状態を異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、ユーザが着目する部分の表示状態を異ならせることで、乗車可能/乗車不可のいずれの状況であるかが分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
また、実施形態1のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
最大レベル表示エリア34の表示色を異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いが分かりやすくなり、乗車可能/乗車不可のいずれの状況であるかが分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態1の変形例)
実施形態1では、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色を第1表示画面Aで赤色、第2表示画面Bで紫色とする場合について説明したが、このような場合に限らず、その他の点灯色を用いてもよい。
実施形態1の変形例における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図7に示す。図7における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
図7に示す例では、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色を、第1表示画面Aで黄色、第2表示画面Bで赤色としている。黄色は、第4レベル表示エリア32のレベル表示領域32Aがレベル表示を行うときの点灯色と同じである。
このような表示方法であっても、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態1と同様の効果を奏することができる。当変形例では特に、第1表示画面Aにおける最大表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色を、他のレベルの点灯色と同じ色にすることで、第1表示画面Aを表示した場合にかご5へまだ乗車可能であることを間接的に知らせることができ、かご5への乗車を促すことができる。
(実施形態2)
本発明に係る実施形態2のエレベータの表示装置について説明する。なお、実施形態2では、主に実施形態1と異なる点について説明し、実施形態1と重複する記載は省略する。
実施形態2では、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの点灯色ではなく、点灯パターンを異ならせている点が、実施形態1と異なる。
実施形態2における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図8に示す。図8における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
第1表示画面Aでは、実施形態1と同様に、制御部10は表示部8に、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aを赤色で常時点灯させる。
第2表示画面Bでは、実施形態1と異なり、制御部10は表示部8に、レベル表示領域34Aの表示状態が異なる第2表示画面B1と第2表示画面B2を交互に表示することで、レベル表示領域34Aを点滅させる。第2表示画面B1、B2の点滅周期は任意の間隔に設定してもよい。
図8に示す例では、第2表示画面B1、B2のうち、第2表示画面B1ではレベル表示領域34Aをグレー表示し、第2表示画面B2ではレベル表示領域34Aを赤色でカラー表示する。
このように、レベル表示領域34Aの点灯パターンを第1表示画面Aと第2表示画面Bで異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態1と同様の効果を奏することができる。実施形態2では特に、レベル表示領域34Aの点灯パターンを第1表示画面Aでは常時点灯とし、第2表示画面Bでは点滅としている。これにより、第1表示画面Aが通常の状態であり、第2表示画面Bが特殊な状態であることを表すことができる。このため、第1表示画面Aの場合はかご5に乗車可能であり、第2表示画面Bの場合はかご5に乗車可能でないことを間接的に知らせることができ、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態2のまとめ)
実施形態2のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
第1表示画面Aでは、最大レベル表示エリア34の表示パターンを常時点灯とし、第2表示画面Bでは点滅とすることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、最大レベル表示エリア34の表示パターンを異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いが分かりやすくなる。また、第1表示画面Aが表示されるときはかご5に乗車可能であり、第2表示画面Bが表示されるときはかご5に乗車できないことを間接的に知らせることができ、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態3)
本発明に係る実施形態3のエレベータの表示装置について説明する。なお、実施形態3では、主に実施形態1、2と異なる点について説明し、実施形態1、2と重複する記載は省略する。
実施形態2では、乗車率表示エリア24のうち最大レベル表示エリア34のみの点灯パターンを点滅としたが、実施形態3では、最大レベル表示エリア34を含む乗車率表示エリア24の点灯パターンを点滅とする。
実施形態3における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図9に示す。図9における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
第1表示画面Aでは、実施形態2と同様に、制御部10は表示部8に、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aを赤色で常時点灯させる。
第2表示画面Bでは、実施形態2とは異なり、制御部10は表示部8に、乗車率表示エリア24全体の表示状態が異なる第2表示画面B1と第2表示画面B2を交互に表示することで、乗車率表示エリア24を点滅させる。
図9に示す例では、第2表示画面B1、B2のうち、第2表示画面B1では乗車率表示エリア24の全体を黒色で表示し、第2表示画面B2では第1表示画面Aと同じ表示状態に制御される。すなわち、第2表示画面B1の乗車率表示エリア24では何も表示しておらず、第2表示画面B2の乗車率表示エリア24では乗車率が最大レベルであることを表示する。
このような表示方法であっても第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態1、2と同様の効果を奏することができる。実施形態2と同様に、積載率が超過する場合の第2表示画面Bの点灯パターンを点滅とすることで、第2表示画面Bの表示状態が特殊な状態であることを表すことができ、かご5に乗車可能でない状況であることを間接的に知らせることができる。一方で、実施形態2と異なり、最大レベル表示エリア34を含む乗車率表示エリア24の全体の点灯パターンを異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いがより分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態3のまとめ)
実施形態3のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
第2表示画面Bでは、最大レベル表示エリア34を含む乗車率表示エリア24の点灯パターンを点滅とすることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、第2表示画面Bにおける乗車率表示エリア24の点灯パターンを点滅とすることで、かご5に乗車可能でない状況であることを間接的に知らせることができるとともに、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いがより分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態4)
本発明に係る実施形態4のエレベータの表示装置について説明する。なお、実施形態4では、主に実施形態1〜3と異なる点について説明し、実施形態1〜3と重複する記載は省略する。
実施形態1〜3では、最大レベル表示エリア34の表示状態あるいはそれを含む乗車率表示エリア24の表示状態を異ならせていたが、実施形態4では、最大レベル表示エリア34の表示状態を変化させず、最大レベル表示エリア34を除くその他の表示エリアの表示状態を異ならせる。
実施形態4における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図10に示す。図10における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
第1表示画面Aでは、実施形態1〜3と同様に、制御部10は表示部8に、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aを赤色で常時点灯させる。
第2表示画面Bでは、実施形態1〜3と異なり、最大レベル表示エリア34の表示状態は第1表示画面Aと同じであるが、最大レベル表示エリア34を除くその他レベル表示エリア40の表示状態が第1表示画面Aと異なる。
具体的には、第2表示画面Bでは、制御部10は表示部8に、その他レベル表示エリア40におけるレベル表示領域26A、28A、30A、32Aを所定の点灯色でカラー表示する。実施形態4におけるレベル表示領域26A、28A、30A、32Aの点灯色はいずれも赤色である。最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aも赤色で表示しているため、乗車率表示エリア24の全体において赤色でカラー表示される。
このような表示方法であっても第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態1〜3と同様の効果を奏することができる。一方で、実施形態1〜3と異なり、第1表示画面Aと第2表示画面Bでは最大レベル表示エリア34の表示状態を変更せずにその他レベル表示エリア40の表示状態を異ならせている。言い換えれば、第1表示画面Aではその他レベル表示エリア40でレベル表示を行わず、第2表示画面Bではその他レベル表示エリア40でレベル表示を行っている。これにより、第1表示画面Aの表示状態が通常の状態であり、第2表示画面Bの表示状態が特殊な状態であることを間接的に表すことができ、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態4のまとめ)
実施形態4のエレベータ2の表示装置7では、
乗車率表示エリア24は、乗車率の最大レベルとは異なるレベルを表示するその他レベル表示エリア40をさらに含み、
制御部10は、
第1表示画面Aでは、その他レベル表示エリア40でレベル表示を行わず最大レベル表示エリア34でレベル表示を行い、第2表示画面Bでは、最大レベル表示エリア34とその他レベル表示エリア40の両方でレベル表示を行うことで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、第1表示画面Aと第2表示画面Bでその他レベル表示エリア40のレベル表示を切り替えることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いが分かりやすくなり、ユーザがその違いに気付きやすくなる。また、第1表示画面Aではその他レベル表示エリア40のレベル表示を行わず、第2表示画面Bではその他レベル表示エリア40のレベル表示を行うことで、第1表示画面Aでは乗車可能であって第2表示画面Bでは乗車不可であることが分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態4の変形例)
実施形態4では、その他レベル表示エリア40におけるレベル表示領域26A、28A、30A、32Aを所定の点灯色で表示したが、このような場合に限らず、枠表示領域26B、28B、30B、32Bを所定の点灯色で表示させてもよい。
実施形態4の変形例における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図11に示す。図11における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
第1表示画面Aでは、実施形態4と同様に、制御部10は表示部8に、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aを赤色で常時点灯させる。
第2表示画面Bでは、実施形態4と異なり、制御部10は表示部8に、乗車率表示エリア24の枠表示領域26B、28B、30B、32B、34Bをいずれも所定の点灯色でカラー表示する。当変形例における枠表示領域26B、28B、30B、32B、34Bの点灯色は例えばいずれも赤色である。一方で、レベル表示領域26A、28A、30A、32A、34Aは、4つのレベル表示領域26A、28A、30A、32Aをグレー表示し、1つのレベル表示領域34Aを赤色でカラー表示する。
このような場合であっても、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態1〜4と同様の効果を奏することができる。実施形態4と同様に、その他レベル表示エリア40の表示状態を異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いがより分かりやすくなる。また、第1表示画面Aではその他レベル表示エリア40のカラー表示(レベル表示)を行わず、第2表示画面Bではその他レベル表示エリア40のカラー表示(レベル表示)を行うことで、第1表示画面Aでは乗車可能であって第2表示画面Bでは乗車不可であることを間接的に表すことができる。これにより、乗車可否の誤認を抑制することができる。
(実施形態5)
本発明に係る実施形態5のエレベータの表示装置について説明する。なお、実施形態5では、主に実施形態1〜4と異なる点について説明し、実施形態1〜4と重複する記載は省略する。
実施形態1〜4では、第1表示画面Aに対して第2表示画面Bの表示状態を変更していたが、実施形態5では、第2表示画面Bに対して第1表示画面Aの表示状態を変更することで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
実施形態5における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図12に示す。図12における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
第2表示画面Bでは、実施形態1〜4の第1表示画面Aと同様に、制御部10は表示部8に、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aを赤色で常時点灯させる。
第1表示画面Aでは、実施形態1〜4の第1表示画面Aとは異なり、制御部10は表示部8に、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aの表示状態が異なる第1表示画面A1と第1表示画面A2を交互に表示することで、レベル表示領域34Aを点滅させる。
図12に示す例では、第1表示画面A1、A2のうち、第1表示画面A1ではレベル表示領域34Aをグレー表示し、第1表示画面A2ではレベル表示領域34Aを所定の点灯色(例えば赤色)でカラー表示する。
このように、レベル表示領域34Aの点灯パターンを第1表示画面Aでは点滅とし、第2表示画面Bでは常時点灯とすることで、実施形態1〜4と同様に第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態1〜4と同様の効果を奏することができる。
実施形態5ではさらに、制御部10は、第1表示画面Aにおけるレベル表示領域34Aの点滅周期を、前述した重量センサ14の検出結果に基づく「積載率」に応じて変化させる。より具体的には、制御部10は、重量センサ14の検出結果に基づく積載率が低いほど点滅周期が長く、積載率が高いほど点滅周期が短くなるようにレベル表示領域34Aの表示状態を制御する。このような表示方法によれば、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせるだけでなく、第1表示画面Aを表示したときに、かご5へまだ乗車可能な状態であるが、どの程度積載物が増加すれば乗車可能でなくなるかを間接的に示すことができ、かご5の混雑状況をより精度良く知らせることができる。これにより、かご5への適切な乗車を促すことができる。
(実施形態5のまとめ)
実施形態5のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
第1表示画面Aでは、最大レベル表示エリア34の表示パターンを点滅とし、第2表示画面Bでは常時点灯とし、第1表示画面Aでは、最大表示エリア34の点滅周期をかご5内の積載量に応じて変化させることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、第1表示画面Aを表示する際にかご5内の積載量に応じて最大表示エリア34の点滅周期を変化させることで、第1表示画面Aを表示する際のかご5内の混雑状況をより精度良くユーザに知らせることができ、かご5への適切な乗車を促すができる。
(実施形態5の変形例)
実施形態5では、第1表示画面Aにおいて最大レベル表示エリア34の「点滅周期」をかご5内の積載量に応じて変化させたが、このような場合に限らない。例えば、最大レベル表示エリア34の「表示面積」をかご5内の積載量に応じて変化させてもよい。
実施形態5の変形例における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図13に示す。図13における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
第2表示画面Bでは、実施形態5と同様に、制御部10は表示部8に、最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aを赤色で常時点灯させる。
第1表示画面Aでは、実施形態5と異なり、制御部10は表示部8に、レベル表示領域34Aの表示面積をそれぞれ変化させた第1表示画面A1、A2、A3のいずれかを表示させる。第1表示画面A1は、かご5内の積載量が低い場合に表示される画面であり、第1表示画面A3は、かご5内の積載量が高い場合に表示される画面であり、第1表示画面A2は、かご5内の積載量がその間の範囲にある場合に表示される画面である。第1表示画面A1、A2、A3のいずれを表示させるかについて、積載量の閾値は任意の値に設定してもよい。
第1表示画面A1、A2、A3における最大レベル表示エリア34のレベル表示領域34Aには、第1表示領域36と第2表示領域38とが含まれる。第1表示領域36は、第2表示領域38に対して相対的に濃い点灯色(例えば赤色)でカラー表示される部分であり、第2表示領域38は、第1表示領域36に対して相対的に薄い点灯色(例えば朱色)でカラー表示される部分である。
第1表示画面A1では、レベル表示領域34Aの全体が第2表示領域38である。第1表示画面A2、A3では、レベル表示領域34Aの下側の領域が第1表示領域36であり、上側の領域が第2表示領域38である。
相対的に濃い点灯色でカラー表示される第1表示領域36は、最大レベル表示エリア34の「表示領域」に相当する。
図13に示すように、第1表示画面A1、A2、A3において、レベル表示領域34Aの表示領域に相当する第1表示領域36の面積は漸増している。具体的には、第1表示画面A1における第1表示領域36の面積が最も小さく(面積が0)、第1表示画面A3における第1表示領域36の面積が最も大きい。
このように、レベル表示領域34Aの表示領域に相当する第1表示領域36の面積をかご5の積載率に応じて変化させることで、実施形態5と同様に第1表示画面Aを表示したときに、かご5へまだ乗車可能な状態であるがどの程度積載率が増加すれば乗車可能でなくなるかを間接的に示すことができ、かご5への適切な乗車を促すことができる。
(実施形態5の変形例のまとめ)
実施形態5のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
第1表示画面Aでは、最大表示エリア34の表示領域を、かご5内の積載量に応じて変化させる。
この表示装置7によれば、実施形態5と同様の効果を奏することができる。
(実施形態6)
本発明に係る実施形態6のエレベータの表示装置について説明する。なお、実施形態6では、主に実施形態1〜5と異なる点について説明し、実施形態1〜5と重複する記載は省略する。
実施形態1〜5では、乗車率表示エリア24の表示状態を変更したが、実施形態6では、乗車率表示エリア24とは異なるエリアである「メッセージ表示エリア」の表示状態を変更することで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
実施形態6における表示装置7の表示部100を図14に示す。図14に示すように、表示部100には、昇降方向表示エリア20、階数表示エリア22および乗車率表示エリア24に加えて、メッセージ表示エリア102がさらに設けられている。
メッセージ表示エリア102は、エレベータ2のかご5に関するメッセージを表示する領域である。図14に示す例では、かご5が点検中であることを示すメッセージ104が表示されている(「点検中」、「Under Inspection」の文字)。このような種類のメッセージに限らず、メッセージ表示エリア102には任意の種類のメッセージを表示可能である。
実施形態6の表示部100に表示する第1表示画面Aと第2表示画面Bを図15に示す。図15における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
図15に示すように、第1表示画面Aと第2表示画面Bでは、昇降方向表示エリア20、階数表示エリア22および乗車率表示エリア24の表示状態は同じである。
第1表示画面Aと第2表示画面Bでは、メッセージ表示エリア102の表示状態が異なっている。具体的には、制御部10は表示部100に、第1表示画面Aのメッセージ表示エリア102において、かご5に乗車可能であることを示唆する第1メッセージ104Aを表示する(「まだ乗れます」、「You can still get on」の文字)。一方で、制御部10は表示部100に、第2表示画面Bのメッセージ表示エリア102において、かご5に乗車可能でないことを示唆する第2メッセージ104Bを表示する(「満員」、「Overloaded」の文字)。
このような表示方法であっても、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態1〜5と同様の効果を奏することができる。特に、実施形態6では、乗車率表示エリア24ではなくメッセージ表示エリア102の表示状態を変更して、第1表示画面Aおよび第2表示画面Bのメッセージ表示エリア102にそれぞれメッセージ104A、104Bを表示する。これにより、かご5に乗車可能/不可であるかをより直接的に知らせることができ、第1表示画面Aの場合は乗車可能であり、第2表示画面Bの場合は乗車可能でないことがより分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態6のまとめ)
実施形態6のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
表示部100においてメッセージ104を表示するメッセージ表示エリア102の表示状態を異ならせることで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、かご5に乗車可能/不可であるかをより直接的に知らせることができ、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
また、実施形態6のエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
第1表示画面Aでは、かご5へ乗車可能であることを示唆する第1メッセージ104Aをメッセージ表示エリア102に表示し、第2表示画面Bでは、かご5へ乗車可能でないことを示唆する第2メッセージ104Bをメッセージ表示エリア102に表示することで、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせる。
この表示装置7によれば、かご5に乗車可能/不可であるかをより直接的に知らせることができ、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態6の変形例)
実施形態6では、メッセージ表示エリア102の表示状態を変更する一方で、乗車率表示エリア24の表示状態は変更しなかったが、このような場合に限らず、メッセージ表示エリア102と乗車率表示エリア24の両方の表示状態も変更してもよい。
実施形態6の変形例における第1表示画面Aと第2表示画面Bを図16に示す。図16における(a)は、積載率が所定閾値を超過せず、占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aを示す図であり、(b)は、積載率が所定閾値を超過する場合に占有面積率の値とは無関係に表示される第2表示画面Bを示す図である。
図16に示すように、制御部10は表示部100に、第1表示画面Aの乗車率表示エリア24において最大レベルであることを表す表示を行っているが、第2表示画面Bの乗車率表示エリア24には何も表示していない。すなわち、第2表示画面Bにおける乗車率表示エリア24のレベル表示を省略している。
さらに、制御部10は表示部100に、第2表示画面Bのメッセージ表示エリア102に第2メッセージ104Bを表示しているが、第1表示画面Aのメッセージ表示エリア102には何も表示していない。すなわち、第1表示画面Aにおけるメッセージ表示エリア102のメッセージ表示を省略している。
このような場合であっても、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、実施形態6と同様の効果を奏することができる。特に、当変形例では、第1表示画面Aでは乗車率のレベル表示を行い、第2表示画面Bでは乗車率のレベル表示を省略することで、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いが分かりやすくなるとともに、第2表示画面Bの表示が特別な状態を表すこと、すなわち、乗車可能でない状態であることが分かりやすくなる。これにより、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
また、第2表示画面Bではメッセージ表示エリア102において第2メッセージ104Bの表示を行い、第1表示画面Aではメッセージ表示を省略することで、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いが分かりやすくなるとともに、第2表示画面Bの表示が特別な状態を表すこと、すなわち、乗車可能でない状態であることが分かりやすくなる。このようにして、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態6の変形例のまとめ)
実施形態6の変形例に係るエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
第1表示画面Aでは、乗車率のレベルを表す乗車率表示エリア24に乗車率のレベルが最大レベルであることを表示し、第2表示画面Bでは、乗車率表示エリア24における乗車率のレベル表示を省略する。
この表示装置7によれば、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いが分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
また、実施形態6の変形例に係るエレベータ2の表示装置7では、
制御部10は、
第2表示画面Bでは、かご5へ乗車可能でないことを示唆するメッセージ104Bをメッセージ表示エリア102に表示し、第1表示画面Aでは、メッセージ表示エリア102におけるメッセージ表示を省略することで、前記第1表示画面と前記第2表示画面を異ならせる。
この表示装置7によれば、第1表示画面Aと第2表示画面Bの違いが分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
(実施形態7)
本発明に係る実施形態7のエレベータの表示装置について説明する。なお、実施形態7では、主に実施形態1〜6と異なる点について説明し、実施形態1〜6と重複する記載は省略する。
実施形態1〜6では、積載率が所定閾値を超過せずに占有面積率に基づく乗車率のレベルが最大レベルに分類される場合の第1表示画面Aにおいて、乗車率エリア24の最大レベル表示エリア34を用いて最大レベルを表示する場合について説明したが、このような場合に限らない。最大レベル表示エリア34ではなく、その他レベル表示エリア40のいずれかのエリア(例えば第4レベル表示エリア32)を用いて乗車率が最大レベルであることを第1表示画面Aで表示してもよい。この場合、積載量のレベルを5段階ではなく4段階以下に分類するようにしてもよい。一方で、積載率が所定閾値を超過した場合の第2表示画面Bでは、実施形態1〜6と同様に最大レベル表示エリア34をカラー表示する。また、これと同時に警報装置16から警報音を出力する。
このように、第1表示画面Aでは最大レベル表示エリア34でカラー表示(レベル表示)を行わず、積載率が所定閾値を超過した場合の第2表示画面Bでのみ、最大レベル表示エリア34をカラー表示する。このような場合であっても、第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができ、乗車可否の誤認を抑制することができる。また、最大レベル表示エリア34のカラー表示と警報音の出力が同時に行われることで、かご5に乗車できない状況であることが分かりやすくなり、乗車可否の誤認をさらに抑制することができる。
以上、上述の実施形態1〜7を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態1〜7に限定されない。
(変形例について)
(i)実施形態1〜7およびその変形例では、積載量のレベルを5段階に分類する場合について説明したが、このような場合に限らない。5段階に限らず、2段階以上の任意のレベルに分類してもよい。
(ii)実施形態1〜7およびその変形例では、乗車率のレベルに応じてレベル表示エリア26、28、30、32、34のうちの1つのエリアのみでレベル表示を行う場合について説明したが、このような場合に限らない。乗車率のレベルに応じて、レベル表示エリア26、28、30、32、34のうちの1つ又は複数のエリアでレベル表示を行ってもよい。
(iii)実施形態1〜7およびその変形例では、乗車率表示エリア24のレベル表示エリア26、28、30、32、34が図4に示すような形状を表示する場合について説明したが、このような場合に限らない。乗車率のレベルを段階的に表示できるものであれば、任意の形状を表示してもよい。
(iv)実施形態1〜7およびその変形例では、表示部8、100が液晶表示部である場合について説明したが、このような場合に限らない。第1表示画面Aと第2表示画面Bを異ならせることができるものであれば、有機ELなど、任意の形式の表示部を用いてもよい。
(v)実施形態1〜7およびその変形例では、かご5内の積載物に関する占有面積率を算出するために、光電センサ12を用いる場合について説明したが、このような場合に限らない。例えば、光電センサ12に代えて、かご5内の画像情報を取得する画像センサを用いて、画像センサが取得した画像情報に基づいてかご5内の積載物の占有面積率を算出する等、その他の形式のセンサを用いてもよい。また、光電センサ12と重量センサ14の両方の検出結果を組み合わせて占有面積率を算出してもよい。この場合、乗客の乗降者に伴う重量センサ14の値の変化を占有面積に換算してもよく、当該換算において、光電センサ12によって各乗客の種別を判定し、判定した種別に応じて異なる換算式を用いて換算するようにしてもよい。
(vi)実施形態6では、図15に示す第1表示画面Aのメッセージ表示エリア102に、「まだ乗れます」、「You can still get on」の文字による第1メッセージ104Aを表示し、第2表示画面Bのメッセージ表示エリア102に、「満員」、「Overloaded」の文字による第2メッセージ104Bを表示する場合について説明したが、このような場合に限らない。第1表示画面Aに表示する第1メッセージ104Aは、かご5に乗車可能であることを示唆するメッセージであれば、任意の文字や記号であってもよく、第2表示画面Bに表示する第2メッセージ104Bは、かご5に乗車可能でないことを示唆するメッセージであれば、任意の文字や記号であってもよい。
(vii)実施形態6の変形例では、第1表示画面Aのメッセージ表示エリア102におけるメッセージの表示を省略し、且つ第2表示画面Bの乗車率表示エリア24におけるレベルの表示を省略したが、このような場合に限らず、いずれか一方のみを省略する場合であってもよい。
本開示は、添付図面を参照しながら好ましい実施形態に関連して充分に記載されているが、この技術の熟練した人々にとっては種々の変形や修正は明白である。そのような変形や修正は、添付した特許請求の範囲による本開示の範囲から外れない限りにおいて、その中に含まれると理解されるべきである。また、各実施形態における要素の組合せや順序の変化は、本開示の範囲及び思想を逸脱することなく実現し得るものである。
なお、上記様々な実施形態および変形例のうちの任意の実施形態および変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。