JP6938939B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、メンテナンス方法および制御プログラム - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置、メンテナンス方法および制御プログラム Download PDF

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本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、メンテナンス方法および制御プログラムに関する。
液体インクを記録媒体に向けて吐出することで、当該記録媒体に文字や画像を形成する画像形成装置の一種としてインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、液体インクをインク滴としてノズル吐出する機能を有する液体吐出ヘッドを備える。液体吐出ヘッドは、液体インクをインクタンクからノズルに供給するインク流路において、所定の加圧を行うことで所定のインク滴を吐出する。液体吐出ヘッドにおける加圧機構には、電圧を印加することで大きさを変化させる圧電素子が用いられる。圧電素子における変化は印加される駆動電圧の変位に従うので、駆動電圧の波形を適宜制御することにより、液体吐出ヘッドからのインクの吐出を制御することができる。なお、インク滴の吐出先となる記録媒体には、紙やOHPなどのシート状のものが用いられる。
一つの液体吐出ヘッドにはインクの吐出口としての「ノズル」が複数個備えられている。液体吐出ヘッドにおいて複数のノズルのそれぞれから適正なインク滴を吐出させるには、各ノズルにおける吐出特性を精度よく維持し、この特性に合わせた駆動電圧を印加すればよい。しかしながら、液体吐出ヘッドにおける吐出特性は、周囲の温度や湿度の影響を受ける。すなわち、ノズル部分において外気に触れているインクが乾燥すると、インクの粘度が高くなるので、適正な駆動信号が印加されたとしてもインク滴が適正に吐出されない状態になる。また、インク流路を構成する圧力室の内部に気泡が混入すると、インク滴が適正に吐出されない状態になる。液体吐出ヘッドにおける吐出特性は、これら温度や湿度による液体インクの状態変化の影響を受ける。以上のとおり、液体吐出ヘッドにおける吐出特性は、周囲の温湿度に影響を受けて好ましく無い状態になることがあり、このような状態を、「目詰まり状態」と称する。
液体吐出ヘッドが目詰まり状態になると、適正な量のインク滴が吐出されず、インク滴によって形成される画像にドット抜けが生じるなど画質の低下の要因となる。特に、駆動電圧を連続して記録ヘッドに印加して、高速で画像を形成する大型の連帳インクジェットプリンタでは、ノズルが目詰まり状態になると、画像形成の生産性を大きく低下させることになる。
なお、液体吐出ヘッドのノズルの目詰まり状態を検知する技術として、圧電素子に駆動信号を印加してインク滴を吐出した後に圧電素子から検出可能な残留振動の周波数の値によってノズルの異常状態を検知する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に開示されている技術のように、ノズルの状態を識別に残留振動を利用する場合、検知した残留振動が適正な状態を示すものであるか否かを判定するための閾値を設ける必要がある。この場合、複数のノズルの個別の状態を判定しなければ、画像の形成に係る質や効率を向上させることはできない。すでに説明したとおり、液体吐出ヘッドのノズルの状態は、周囲の温度や湿度の影響を受ける。また、公差等によるノズル径や液室の大きさはバラツキがあるので、各ノズルにおけるインク面の揺れ(メニスカスの固有周期)は異なり、これらバラツキによっても吐出特性に差異が生ずる。即ち、複数のノズルの個々の状態を精度よく識別するには、各ノズルに適した閾値を設定する必要がある。
各ノズルの吐出特性を精度良く把握して、適正な閾値を設定するには、各ノズルの特性を精度良く計測する必要がある。このような計測工程は、液体吐出ヘッドの製造工程において実行可能である。しかし、液体吐出ヘッドを生産する工程において、ノズルごとの特性を計測する工程を設けると、液体吐出ヘッドの生産効率が低下する。また、液体吐出ヘッドの特性は、経年変化するものである。したがって、製造時において適正な閾値を設定したとしても、運用をするうちに当該閾値を用いた判定の結果は、ノズルの吐出特性を精度良く識別できるものではなくなる可能性がある。これに対処するには、ノズルごとの閾値を再度設定すればよいが、運用中の液体吐出ヘッドが備えるノズルの一つ一つにおいて再度、製造時に行ったような計測を行うことは困難である。
本発明は上記の課題に鑑みたものであって、液体吐出ヘッドのノズル状態の識別の精度を容易に向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、外部から供給される駆動信号に応じて加圧される液室から液体を吐出するノズル部を複数備える液体吐出ヘッドであって、前記液室から前記液体が吐出した後に当該液室に生ずる残留振動を検出する残留振動検出部と、前記ノズル部のそれぞれに係るノズル状態を回復させるメンテナンス動作を実行する前記駆動信号の波形データを記憶する記憶部と、前記記憶部から前記波形データを読み出し、当該波形データに基づく前記駆動信号を出力し、前記メンテナンス動作の実行を制御する制御部と、を備え、制御部は、前記ノズル部のそれぞれに対応する前記残留振動検出部において検出された前記残留振動の減衰比を、前記ノズル部ごとに算出する残留振動減衰比算出部と、前記メンテナンス動作を開始するときに算出した第一減衰比と当該メンテナンス動作を終了するとき検出した第二減衰比に基づいて前記ノズル状態の回復有無を判定するノズル状態回復判定部と、前記ノズル部ごとの前記第二減衰比が飽和する飽和点を元にして各ノズル部が前記液体を吐出可能なノズル状態になる減衰比である回復点の値よりも低い値であって、前記飽和点に係る減衰比値に対して任意の係数を乗じた値としての回復判定点を、各ノズル状態を識別するための減衰比閾値として算出する減衰比閾値算出部と、前記減衰比閾値に基づいて前記ノズル部ごとの各ノズル状態を識別するノズル状態識別部と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、液体吐出ヘッドのノズル状態の識別の精度を容易に向上させることができる。
本発明に係る液体吐出装置の一実施形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態の構成を示す概略図である。 上記液体吐出ヘッドが備える記録ヘッドの構成を説明する概略図である。 本実施形態に係る記録ヘッドが備えるノズルの配置構成を示す図である。 本実施形態に係る記録ヘッドの詳細な構成を示す斜視図である。 上記記録ヘッドが備える圧電素子に印加される駆動信号の波形を示す図である。 上記記録ヘッドの動作と残留振動の発生の様子を示す図であって、(a)インク吐出時、(b)インク吐出後に個別圧力発生室内に生ずる圧力変化、を示す概略図である。 上記記録ヘッドに印加される駆動波形と、当該記録ヘッドにおいて生ずる残留振動波形の概略を示す図である。 上記記録ヘッドにおいて生ずる残留振動波形の種類を例示する図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドにおいて生ずる残留振動波形の減衰について説明する図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの機能構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドが備える残留振動検知部の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドにおける減衰比の傾向を説明する図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドのノズル状態の回復の有無を判定する方法を説明する図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドが備える各ノズルの状態を識別する方法を説明する図である。 本発明の第一実施形態に係るメンテナンス動作の例を示すイメージ図である。 本発明に係る液体吐出装置の動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第一実施形態に係るメンテナンス動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第二実施形態に係るメンテナンス動作の例を示すイメージ図である。 本発明の第二実施形態に係るメンテナンス動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第三実施形態に係るメンテナンス動作の例を示すイメージ図である。 本発明の第三実施形態に係るメンテナンス動作の流れを示すフローチャートである。 本発明の第四実施形態に係るメンテナンス動作の例を示すイメージ図である。 本発明の第四実施形態に係るメンテナンス動作の別の例を示すイメージ図である。 本発明に係るメンテナンス動作において算出される減衰比閾値の記憶構成を示すテーブル構成図である。
[本発明の概要]
本発明は、印加された駆動波形に従って複数のノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドに関するものであって、特に、駆動波形を連続して印加して、高速で画像形成する装置に適用できる液体吐出ヘッドに関するものである。当該液体吐出ヘッドにおける画像形成の効率や、画質の良し悪しはインク液を吐出するノズルにおける吐出状態により左右される。液体吐出ヘッドからのインク液の吐出状態は、液体吐出ヘッドが備える複数のノズルのそれぞれにおけるノズル状態によって影響を受ける。ここで、ノズル状態とは、液体吐出ヘッドの動作環境や経年変化や、製造時に生ずる公差を含む製造上のバラツキ等により、影響を受けるものである。このノズル状態を回復させるメンテナンス動作を実行するときに、個々のノズルにおけるノズル状態を精度良く識別できなければ、メンテナンス動作による回復状態を正確に判定することはできない。そこで、本発明は、液体吐出ヘッドに対するメンテナンス動作の実行時において、メンテナンス動作の結果を用いて、ノズルごとの状態を識別するための閾値を精度良く設定する、ことを要旨の一つとする。
[液体吐出装置の実施形態]
まず、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る液体吐出装置の一種であるオンデマンド方式のライン走査型インクジェット記録装置(以下、「インクジェット記録装置1」とする。)の全体構成を示す概略図である。図1において、インクジェット記録装置1は、インクジェット記録装置本体11と、記録媒体供給部12と、記録媒体回収部13により構成される。
インクジェット記録装置本体11は、記録媒体111の幅方向の位置決めを行う規制ガイド112と、記録媒体111の張力を一定に保つ駆動ローラと従動ローラのインフィード部113と、を備える。なお、記録媒体111の幅方向とは、記録媒体111の搬送方向に直交する方向であって、後述するインクジェット記録モジュール117において画像が形成される面を構成する方向をいう。
また、インクジェット記録装置本体11は、記録媒体111の張力に応じて上下し位置信号を出力するダンサローラ114と、EPC(Edze Position Contorol)115と、を備える。また、インクジェット記録装置本体11は、蛇行量検出器116と、インクジェット記録モジュール117と、を備える。
また、インクジェット記録装置本体11は、インクジェット記録モジュール117と対向して設けられたプラテン118と、インクジェット記録モジュール117の維持・回復モジュール119と、記録媒体111を乾燥させる乾燥モジュール120と、を備える。また、インクジェット記録装置本体11は、記録媒体111を設定された速度で駆動させる駆動ローラと従動ローラのアウトフィード部121と、記録媒体111を装置外に排紙する駆動ローラと従動ローラからなるプラー122と、を備える。
インクジェット記録モジュール117は、後述するノズル30を印刷幅全域に配置したラインヘッドを有する。インクジェット記録モジュール117は、カラー印刷に対応し、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの各ラインヘッドを備えている。各ラインヘッドのノズル面29は、プラテン118上に所定の隙間を保って支持されている。インクジェット記録モジュール117と記録媒体111の搬送速度に応じてインク吐出を行うことで、記録媒体111上にカラー画像が形成される。尚、ライン走査型を用いることで高速な画像形成が可能となる。
なお、本実施形態に係る記録媒体111には、一般的には紙であるが、それ以外のコート紙、ラベル紙等の他、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、可撓性を持つ薄板等も含まれるものとする。記録媒体111に用いることができる素材は、インクジェット記録モジュール117から吐出されたインク滴が付着可能なものや、一時的に付着可能なもの、付着して固着するもの、および付着して浸透するものなども含まれる。例えば、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子(圧電部材)などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどである。特に限定しない限り、記録媒体111に用いることができる素材に液体が付着する全てのものを含む。したがって、記録媒体111の材質は、液体が付着可能な素材である紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材およびセラミックスなどであればよい。
[液体吐出ヘッドの実施形態]
次に、本実施形態に係るインクジェット記録モジュール117の実施形態の一例を図2において示す。図2は、インクジェット記録モジュール117の側面図である。図2に示すように、インクジェット記録モジュール117は、ヘッド駆動制御回路17と、記録ヘッド15と、ケーブル部16と、を備える。
ヘッド駆動制御回路17は、駆動制御基板上に、駆動制御IC26と、駆動波形生成IC27と、記憶メモリ18を搭載して構成される。ケーブル部16は、駆動制御基板コネクタ19と、ヘッド側コネクタ20が、それぞれの端部に取り付けられている。ケーブル部16は、ヘッド駆動制御回路17と記録ヘッド15に搭載されているヘッド基板22との間におけるアナログ信号およびデジタル信号の通信を担う。
記録ヘッド15は、残留振動検知モジュール21と、ヘッド基板22と、ヘッド駆動IC基板24と、液体のインクが貯蔵されるインクタンク23と、剛性プレート25を主な構成要素とする。尚、ライン走査型のインクジェット記録装置1において記録ヘッド15は、記録媒体111の搬送方向Pに対して直交する方向であって、記録媒体111と一定の距離を隔てた位置において、複数個がライン上に配列される。したがって、本実施形態に係るインクジェット記録装置1が備える記録ヘッド15の構成は、複数の記録ヘッド15を並べて構成するラインヘッド構成である。
なお、本発明に係る液体吐出装置が備える液体吐出ヘッドの構成は、上記のようなラインヘッド構成に限定されるものではない。本発明に係る液体吐出装置は、記録ヘッドを一つ備え、記録媒体111の搬送方向の垂直方向に記録ヘッドを移動させながら、さらに媒体を搬送方向に搬送して、画像を形成するシリアル走査型プリンタなどにも適用可能である。
[液体吐出ヘッドの詳細]
次に、インクジェット記録モジュール117が備える記録ヘッド15の詳細な構成について説明する。まず、図3は、記録ヘッド15をラインヘッド構成で配置した例を示す概略図である。すでに説明したとおり、記録ヘッド15を備える本実施形態においてインクジェット記録モジュール117は、ブラック用ヘッドアレイ28Kと、シアン用ヘッドアレイ28Cと、マゼンダ用ヘッドアレイ28Mと、イエロー用ヘッドアレイ28Yの集合体により構成されている。ブラック用ヘッドアレイ28Kはブラックのインク滴を吐出し、シアン用ヘッドアレイ28Cはシアンのインク滴を吐出する。また、マゼンダ用ヘッドアレイ28Mは、マゼンダのインク滴を吐出し、イエロー用ヘッドアレイ28Yは、イエローのインク滴を吐出する。
各ヘッドアレイ28K、28C、28M、28Yは、記録媒体111の搬送方向Pに直交する方向に配置されている。このようにインクジェット記録モジュール117をアレイ化することにより広域な印刷領域を確保している。
図4は、記録ヘッド15が備えるインク滴の吐出口を拡大した図である。図4に示すように記録ヘッド15におけるインク滴の吐出口を構成するノズル30の開口は、記録ヘッド15の底面であるノズル面29において千鳥状に配列されている。このように多数のノズル30を千鳥状に配列することで、画像形成の解像度を高めることができる。
記録ヘッド15の構成について、さらに詳細に説明する。図5は、記録ヘッド15の構成の例を示す分解斜視図である。図5に示すように、記録ヘッド15は、ノズルプレート31、圧力室プレート33、リストリクタプレート35、ダイアフラムプレート38、剛性プレート25ならびに圧電素子群であるピエゾ素子群46を主に有している。
ノズルプレート31と、圧力室プレート33と、リストリクタプレート35と、ダイアフラムプレート38とを順次重ねて位置決めして接合することにより、流路板が構成される。
ノズルプレート31には多数個のノズル30が形成され、これらが千鳥状に配列されている。圧力室プレート33には、ノズル30に対応して液室である個別圧力発生室32が形成されている。リストリクタプレート35には、共通インク流路39と個別圧力発生室32を連通して個別圧力発生室32へのインク流量を制御するリストリクタ34が形成されている。ダイアフラムプレート38には、振動板36とフィルタ37が設けられている。
この流路板を剛性プレート25に接合して、フィルタ37を共通インク流路39の開口部と対向させる。インク導入パイプ41の上側開口端は、剛性プレート25の共通インク流路39に接続され、インク導入パイプ41の下側開口端は、インクを充填したインクタンク23(図2参照)に接続される。
ピエゾ素子支持基板43は、ピエゾ素子駆動IC44が搭載され、ピエゾ素子42を支持している。ピエゾ素子駆動IC44には圧電パッドである電極パッド45が接続され、ピエゾ素子駆動IC44が発生した駆動電圧が、電極パッド45を介してピエゾ素子42へと印加される(図7(a)参照)。
ピエゾ素子42に対し、記録ヘッド15に接続する外部の構成であるヘッド駆動制御回路17から供給される駆動信号に応じてピエゾ素子駆動IC44が駆動電圧を印加する。ピエゾ素子駆動IC44が発生させる駆動電圧は駆動信号に応じた駆動波形によるものである。この駆動波形に従ってピエゾ素子42は変形する。ピエゾ素子42が変形するとインク流路において圧力を加え、この圧力が個別圧力発生室32に伝わる。この圧力が加圧された個別圧力発生室32からノズル30を介してインクが液滴として吐出される。即ち、記録ヘッド15は液室である個別圧力発生室32に対する加圧に従ってインク滴を吐出する。
ここで、ピエゾ素子駆動IC44からピエゾ素子42に印加される駆動電圧の波形について、図6の例を用いて説明する。図6に示すように駆動波形600は、所定の基準電位601を保持する基準電位第一保持波形611および基準電位第二保持波形621と、ピエゾ素子42を収縮させるPULL波形612、ピエゾ素子42の収縮状態を保持するHOLD電位602を保持するHOLD波形631と、ピエゾ素子42を伸長させるPUSH波形622と、を含む。
図6に示すように、ピエゾ素子42に印加される駆動波形は、基準電位601とピエゾ素子42の収縮状態を保持するHOLD電位602の間を所定の周期で変位するようになっている。基準電位601からHOLD電位602への変位によってピエゾ素子42は収縮し、HOLD電位602から基準電位601への変位によってピエゾ素子42は伸張する。この収縮と伸張による力によって個別圧力発生室32が加圧される。
次に、ピエゾ素子42に対する駆動電圧の印加と個別圧力発生室32への加圧の関係について、図7を用いて説明する。図7(a)は、ノズル30からインク滴が吐出された時の様子を例示している。図7(b)は、ノズル口からインク滴が吐出された後に個別圧力発生室32の内部を伝搬する残留振動の様子を例示している。なお、ピエゾ素子42に印加される駆動電圧の波形である駆動波形と残留振動の波形である残留振動波形の例を図8に示し、残留振動と記録ヘッド15のノズル状態との関係の例を図9に示す。
図8に示す駆動波形印加期間は、図6において示した駆動波形がピエゾ素子42に印加される期間をいう。駆動波形印加期間では、駆動電圧が基準電位601からHOLD電位602に降下し、HOLD波形631に相当する期間を経て基準電位601へと戻る、という変動をする。即ち、駆動電圧が基準電位第一保持波形611からPULL波形612を経てHOLD波形631に変位することでピエゾ素子42が収縮する。ピエゾ素子42が収縮すると振動板36は押し上げられて個別圧力発生室32を膨張させる。
個別圧力発生室32が膨張すると、メニスカスが引き込まれるともに、個別圧力発生室32の圧力が下がる。これによって、インクタンク23からインク導入パイプ41(図参照)を介して個別圧力発生室32にインクが取り込まれる。その後、図7(a)に示すように、PUSH波形622によりピエゾ素子42が伸長すると、振動板36が押し下げられて、個別圧力発生室32を収縮させる。この収縮に伴って個別圧力発生室32からインクが吐出される。
その後、図7(b)に示すように。インクが吐出されて、メニスカスにおける残留振動が生じる。この残留振動は、図7(b)において一点鎖線で囲った領域301あたりの状態によって異なる伝搬をすることになる。ノズル30の近傍にあって、残留信号の特性に影響するメニスカスの状態を含む領域301の状態を「ノズル状態」とする。ノズル30と領域301とを含む部分を「ノズル部」とする。ノズル30におけるメニスカスの残留振動が領域301の状態に影響を受けて個別圧力発生室32の内部を伝搬し、振動板36を振動させる。したがって、ノズル状態とは、メニスカスを含むインクの状態を意味する。このノズル状態の影響をうけて伝搬する残留振動による振動板36の振動が、ピエゾ素子42に伝わることで、ピエゾ素子42が変位する。このピエゾ素子42の変位によって電極パッド45に残留振動電夏が誘起される。このように、残留振動に応じた残留振動電圧が電極パッド45に誘起される。
以上説明したように、ノズル30からインクが吐出された後のノズル30におけるメニスカスの振動に応じてピエゾ素子42に逆起電圧が生ずる。この逆起電圧を残留振動電圧として検知し、この残留振動電圧の減衰傾向を解析することで、当該ノズル30のノズル状態を識別することができる。
図8に示す残留振動波形発生期間では、電極パッド45において残留振動電圧が検知される。図8における駆動波形印加期間は、図7(a)に示した動作に対応し、残留振動波形発生期間は図7(b)に示した動作に対応する。
本実施形態に係る記録ヘッド15は、上記において説明した残留振動検知機能を備えている。これによって、電極パッド45とピエゾ素子支持基板43を介して、残留振動検知モジュール21上の回路から構成される残留振動検出部210(図12参照)において残留振動波形を検知する。
上記のような残留振動波形を検知すれば、記録ヘッド15のノズル状態を識別することができる。図9に示すように、ピエゾ素子42への駆動波形の印加がOFFになった後に生ずる残留振動波形の波形パターンは、ノズル状態によって異なる。たとえば、インク滴を正常に吐出できるノズル状態であれば、残留振動波形は波形W1のようになる。ノズル30近傍のインクが乾燥して粘度高くなったノズル状態であれば、残留振動波形は波形W2のようになる。また、個別圧力発生室32に気泡が混入したノズル状態であれば、残留振動波形は波形W3のようになる。
図9において、波形W1は、基準電位よりも高い電位を含む波形である。一方、波形W2や波形W3の場合は、基準電位とほぼ同等か基準電位よりも低い電位である。また、波形W2と波形W3の周波数を波形W1と比較すると、波形W2の周波数は低く、波形W3の周波数は同じ位の周波数である。以上のように残留振動の電圧振幅と振動周波数の変化を検知することで、記録ヘッド15におけるノズル状態を判別することができる。そこで、本実施形態に係る記録ヘッド15では、残留振動の減衰に着目し、残留振動波形の振幅の減衰の度合いによってノズル状態を判別する。
[残留振動の減衰比]
次に、残留振動波形の減衰比を算出する方法について図10を用いて説明する。図8および図9を用いて説明したとおり、残留振動によってピエゾ素子42に誘起する残留振動波形は、時間とともに減衰する減衰波形である。この減衰波形の減衰度合いはノズル状態によって異なる傾向を示す。
ここでは、図9に示した減衰振動波形から減衰比ζを算出する過程について図10のグラフを参照しながら説明する。減衰振動に係る理論式を式1に示す。
Figure 0006938939
式1において、「x」は時刻tに対する減衰振動変位である。また、「x0」は初期変位、「ζ」は減衰比、「ω0」は固有振動周波数、「ωd」は減衰系の固有振動周波数、「v0」は初期変化量、をそれぞれ表す。ここで、減衰系の固有振動周波数である「ωd」は、式2で表される。
Figure 0006938939
また、減衰比ζを算出する為に必要なパラメータとして、対数減衰率δがある。対数減衰率δは式3により表される。
Figure 0006938939
式3に含まれる「an」は、図10に示すようにn番目の振幅値を表す。また「an+m」は、n+m番目の振幅値を表す。図10において、「T」は1周期を表す。式3における対数減衰率δは、振幅変化の割合を対数化してmで除することで、1周期分あたりで平均化した値を示している。なお、nおよびmは自然数である。
減衰比ζは、式4に示すように、対数減衰率δを2πで除した値として算出される。
Figure 0006938939
以上説明したとおり、残留振動の減衰比ζは、複数周期分の振幅値の減衰率を1周期分で平均化した情報をもつ。したがって、減衰比ζを算出するには、対数減衰率δを算出すればよく、その為には、残留振動波形の振幅値のみを検出できればよい。
[液体吐出ヘッドの機能構成]
次に、本実施形態に係るインクジェット記録モジュール117の機能構成について説明する。図11に示すように、インクジェット記録モジュール117は、ヘッド制御部200と、ヘッド駆動制御部170と、複数の加圧部420と、を含む。
ヘッド制御部200は、残留振動検出部210と、制御部220と、記憶部230と、を含む。残留振動検出部210は、ピエゾ素子42により構成される複数の加圧部420に誘起する残留振動に係る電圧を検出し、デジタル信号に変換して制御部220に入力する機能を備える。
制御部220は、ヘッド駆動制御部170の動作を制御して、ノズル30のノズル状態を維持するためメンテナンス動作の実行を制御する機能を備える。また、制御部220は、残留振動検出部210から入力される残留振動データを用いてノズル状態を識別する処理を実行する機能を備える。なお、制御部220は、識別したノズル状態を上位基板であるヘッド駆動制御回路17に搭載されている駆動制御IC26に通知する機能も備える。
制御部220は、記録ヘッドの動作を制御する制御プログラムを実行する。制御部220は、当該制御プログラムを実行することで、残留振動減衰比算出部221、ノズル状態回復判定部222、減衰比閾値算出部223,ノズル状態識別部224、からなる各機能を有する機能ブロックとなる。
残留振動減衰比算出部221は、残留振動検出部210から入力される残留振動データに基づいて、各ノズル部における残留振動の発生状況を反映する減衰比を算出する処理を実行する。
ノズル状態回復判定部222は、残留振動減衰比算出部221において算出された各ノズル部における残留振動の減衰比に対し、減衰比記憶部234に記憶される減衰比に基づいて、ノズル状態の回復の有無をノズル部ごとに判定する処理を実行する。
減衰比閾値算出部223は、減衰比記憶部234に記憶される減衰比の一部に基づいて、ノズル状態を識別するための減衰比閾値を算出し、ノズル状態識別用閾値記憶部232に記憶する処理を実行する。
ノズル状態識別部
224は、ノズル状態識別用閾値記憶部232に記憶されている減衰比閾値に基づいて、各ノズル部のノズル状態を識別する処理を実行する。ノズル状態識別部224は、識別した各ノズル部のノズル状態を上位基板であるヘッド駆動制御回路17に搭載されている駆動制御IC26に通知する処理も実行する。
記憶部230は、駆動波形データ記憶部231と、ノズル状態識別用閾値記憶部232と、閾値設定用データ記憶部233と、減衰比記憶部234と、を含み、記憶メモリ18に所定のデータを記憶する機能を備える。駆動波形データ記憶部231は、インクジェット記録ヘッドモジュールに印加する駆動電圧を規定する波形データを記憶する。駆動波形データ記憶部231に記憶されている駆動波形データを用いてメンテナンス動作も実行される。ノズル状態識別用閾値記憶部232は、インクジェット記録ヘッドモジュールが備える複数のノズル30のそれぞれにおけるノズル状態を識別するための閾値を、各ノズル30に関連付けて記憶する。記憶部230は、ノズル状態識別結果記憶部を構成する。
閾値設定用データ記憶部233は、各ノズル30のノズル状態が回復したことを判定するために用いる減衰比閾値Zを算出するときに用いる所定の係数を記憶メモリ18に記憶する記憶処理を実行する。この減衰比閾値Zは、各記録ヘッド15における吐出動作により生ずる残留振動波形の減衰比が飽和したときの減衰比閾値Zと、所定の係数に基づいて算出される。減衰比閾値Zの算出の詳細については、後述する。閾値設定用データ記憶部233に記憶される係数は、事前のインク評価の際に、各ノズル30における飽和点aの値と各ノズル30のノズル状態が回復していることを示す減衰比の回復点c(図15において説明)との関係から事前に算出しておけばよい。
減衰比記憶部234は、メンテナンス動作において算出された減衰比をノズル30のそれぞれに関連付けて記憶する。
ヘッド制御部200は、インクジェット記録ヘッドモジュールを備える画像形成装置が記録媒体111に画像を形成する動作を行う時、駆動波形データ記憶部231から取得した駆動波形をヘッド駆動制御部170の駆動波形生成部171に入力する機能を備える。駆動波形生成部171は、駆動波形に従って加圧部420を構成するピエゾ素子42に印加する機能を備える。この駆動波形に従って、ノズル30から所定のタイミングでインク滴が吐出される。
次に、残留振動検出部210の機能構成について図12を用いて説明する。図12に示すように、残留振動検出部210は、切り替え部211と、フィルタ部212と、増幅部213と、ピークホールド部214と、リセット部215と、AD変換部216と、を含む。
切り替え部211は、加圧部420を選択して、それぞれに対応するピエゾ素子42における検知を切り替えるスイッチ機能を提供する。フィルタ部212は、加圧部420が検知した残留振動波形から所望の周波数成分を周出する。増幅部213は、フィルタ部212において抽出された信号を増幅する。ピークホールド部214は、増幅した波形のピーク値をホールドするピークホールド回路によって成される。リセット部215は、ピークホールド部214においてホールドされたピーク値をリセットするリセット回路によって構成される。AD変換部216は、検出した波形をアナログデジタル変換する。
ここでは、残留振動検出部210に、残留振動を検知するピエゾ素子42により構成される加圧部420を切り替える切り替え部211を持つ構成を示している。このような構成によれば、残留振動を検出するための回路数を削減できる。なお、ピエゾ素子42に対し、1対1の対応ともって残留振動検出部210を配置してもよい。その場合は、各ピエゾ素子42の残留振動を同時に検出できる。
[メンテナンス動作における減衰比推移]
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドのメンテナンス方法の実施形態について説明する。記録ヘッド15に係るメンテナンス方法は、所定のメンテナンス動作により実行される。ここで、「メンテナンス動作」とは、記録ヘッド15において所定回数の吐出動作を実行させることをいう。なお、所定回数は、例えば一万回であるが、この回数に限るものではない。
図13は、記録ヘッド15に対してメンテナンス動作を実行したとき生ずる残留振動の減衰比の推移の例を示すグラフである。すでに説明したとおり、記録ヘッド15は、複数のノズル30を備えていて、各ノズル30は、個別の吐出動作が実行される。ここでは、説明の便宜のため、三つのノズル30における減衰比の推移を例示している。なお、以下の説明において、記録ヘッド15が備えるノズル30のそれぞれのノズル状態は、インクが乾燥した状態にある場合を例にする。
図13に示すように、ノズルAは、メンテナンス動作を開始してから時刻T2に至ると、減衰比が減衰比閾値Zを下回る。ここでは、減衰比が減衰比閾値Zを下回ったときにメンテナンス動作によってノズル状態が回復したと識別されるものとする。ノズルAの減衰比は、回復状態になる時間T2を過ぎたのちは飽和して、より長くメンテナンス動作を行ってもノズル状態が回復することはない。即ち、ノズルAのノズル状態を回復するには、時刻T2に至る量の吐出動作を実行すればよく、これよりも長くメンテナンス動作を実行してもノズル状態がより回復するものではない。
これに対し、ノズルBの減衰比は、飽和する前の時刻T1において減衰比閾値Zを下回っている。この場合、ノズルBは十分なメンテナンス動作が実行される前に、ノズル状態が回復したと識別されることになる。したがって、ノズルBは回復していない状態を誤認識される。このように、ノズル状態が回復しないまま運用に入ると、ノズルBからは適切なインク滴が吐出されず、画像形成処理を行ったときの画質に悪影響を与えることになる。
また、ノズルCは、減衰比が減衰比閾値Zよりも下回ることがない。ノズルCは、減衰比閾値Zを用いてノズル状態の回復を識別する場合、所定回数の吐出動作を実行しても、回復状態に至ったと識別されることがない。即ち、ノズルCにおいては、減衰比閾値Zを用いたメンテナンス動作では、回復状態に至ったと識別されることがない。したがって、ノズルCのような場合は、減衰比閾値Zを用いてノズル状態を識別しても、正しい識別ができず、インクを無駄に消費することになる。
以上のとおり、記録ヘッド15に対するメンテナンス動作において、各ノズル30のノズル状態を正しく識別するには、各ノズル30に合った減衰比閾値Zを設定する必要がある。ノズル毎の減衰比閾値Zを設定するために、まず、メンテナンス動作によってノズル状態が回復できるか否かを判定する必要がある。
メンテナンス動作によるノズル状態が回復するか否かを判定する方法について図14を用いて説明する。図14は、メンテナンス動作の実行前の減衰比から、メンテナンス動作を実行したときの時間経過とともに推移する減衰比を取得した場合をグラフ化したものである。例えば、あるノズル30の減衰比が線分1401にようであるとき、すなわち、メンテナンス動作を実行しても減衰比が変化しないとき、もしくは変化が微小であって所定の閾値以下にならないときを想定する。この場合、当該ノズル30はメンテナンス動作では回復しないものと判定できる。
一方、あるノズル30の減衰比が線分1402のようであるとき、すなわち、メンテナンス動作を実行した結果、減衰比が所定の閾値よりも下回り、かつ、飽和する場合、当該ノズル30はメンテナンス動作により回復するものと判定できる。
そこで、本実施形態に係る記録ヘッド15のメンテナンス方法では、メンテナンス動作を開始するときに減衰比を取得しておき、これを第一減衰比として記憶しておく。続いて、メンテナンス動作の終了後の減衰比を取得して、これを第二減衰比とする。第一減衰比と第二減衰比の差分を算出して、その絶対値が第一減衰比から所定の閾値までの差よりも大きければ、メンテナンス動作による当該ノズル30のノズル状態は回復状態に至ると判定する。一方、第一減衰比と第二減衰比の差分の絶対値が第一減衰比と所定の閾値の差よりも小さい場合は、当該ノズル30のノズル状態がメンテナンス動作によっては回復しないと判定する。
なお、飽和した第二減衰比が第一減衰比の所定の割合の値よりも低い場合に、メンテナンス動作によりノズル状態が回復すると判定してもよい。この場合、例えば、第二減衰比が第一減衰比の0.8倍を下回れば、メンテナンス動作によるノズル状態の回復は有効であると判定すればよい。
図14に例示した線分1401のようにメンテナンス動作の前後において減衰比がほとんど変化しない場合は、ノズル30が完全に詰まっている状態である。この場合、当該ノズル30を吸引して詰まっているインクを吸い出すなど、別の処置が必要である。
次に、ノズル30の個別のノズル状態の識別に用いる閾値の設定方法について説明する。図14を用いて説明したとおり、メンテナンス動作によってノズル状態が回復するときは、減衰比がメンテナンス動作の開始前よりも一定の値以下に低下して飽和する傾向がある。これは、メンテナンス動作を実行することで個別圧力発生室32の内部に保持されているインク液が循環し、インク粘度が低下することで減衰比が低下し、その後、インク粘度は所定の値で飽和して一定の値に留まるからである。したがって、メンテナンス動作を実行してノズル状態が回復するのであれば、当該ノズル30に係る減衰比は、メンテナンス動作によって低下して飽和する。
そこで、図15に示すように、各ノズル30の減衰比が飽和する飽和点aの値を取得すれば、これを元にして当該ノズル30におけるインク吐出可能なノズル状態になる減衰比を示す回復点cの値を算出することができる。なお、より精度よく回復状態を識別するために、回復点cを減衰比の閾値として用いるのではなく、回復点cの値よりも低い値である回復判定点bの値を、ノズル状態が回復していると識別可能な減衰比の閾値となる減衰比閾値Zとして算出する。この場合、ノズル状態が回復したことを識別する判定点となる回復判定点bの値は、以下の式1により算出される。なお、式5における閾値係数Xは、任意の正の値である。
(式5)
回復判定点bの値=飽和点aの値(減衰比)×(1+閾値係数X/2)
飽和点aの定め方の一例として、考えられるノズル異常を十分に解消できるだけのメンテナンス動作を実行した後の減衰比を、そのまま飽和点aと見なすやり方でもよい。また、減衰比の変化率を観測しておき、その変化率がある一定以下になったときの減衰比を飽和点aと見なすやり方でもよい。
また、回復点cと飽和点aの関係を示す閾値係数Xは、事前のインク評価の際に調べておき、閾値設定用データ記憶部233に記憶しておけばよい。
以上のように、記録ヘッド15に対するメンテナンス動作を実行し、各ノズル30のノズル状態が回復状態に至ったと考えられるタイミングに係る各減衰比を用いて、各ノズル30の飽和点aを取得する。これによって、各ノズル30のノズル状態を個別に識別するための減衰比閾値Zを算出することができる。この場合、全てのノズル30に係る特性を事前に計測する必要はなく、また、運用後において、所定に時期にメンテナンス動作を実行することで、ノズル30のそれぞれに係る減衰比閾値Zを容易かつ適切に設定することができる。
なお、減衰比閾値Zは、メンテナンス動作において飽和点aに至るまでのインク滴の吐出回数に基づいて算出してもよい。この場合、減衰比閾値Zの値は、以下の式6により算出される。なお、式6における閾値係数Yは、任意の正の値である。
(式6)
減衰比閾値Z=飽和点aに至った吐出回数×(1−閾値係数Y)
回復点cと飽和点aの関係を示す閾値係数Yは、事前のインク評価の際に調べておき、閾値設定用データ記憶部233に予め記憶しておけばよい。
[メンテンナンス方法の第一実施形態]
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドのメンテナンス方法の第一実施形態について説明する。本実施形態は、記録ヘッド15のノズル状態を識別するための閾値をノズル30のそれぞれにおいて算出する方法である。記録ヘッド15におけるノズル状態が回復するためにメンテナンス動作を実行すると、各ノズル30におけるインクの吐出動作を実行する。当該吐出動作に係るインクを記録媒体111に着弾させたときのイメージを図16に示す。
図16において、符号STはメンテナンス動作の開始時、符号EDはメンテナンス動作の終了時、を例示している。図16に示すように、符号STから符号EDに至るまで記録ヘッド15はインクの吐出動作を実行する。なお、吐出動作は、例えば一万回とする。
なお、メンテナンス動作を実行するときに吐出されるインク滴は、記録媒体111に着弾させる必要はなく、維持・回復モジュール119が備えるヘッドキャップを記録ヘッド15にかぶせた状態でインク滴を吐出させてもよい。したがって、記録媒体111に実際にインクを吐出しなくても減衰比を算出することはできる。
まず、本実施形態に係るメンテナンス方法は、記録ヘッド15を備えるインクジェット記録装置1における印刷処理を開始する前に実行されるものである。本実施形態に係るメンテナンス動作は、符号STのタイミングにおいて、インク滴の吐出動作を実行したときの残留振動を検知し、その減衰比を取得する。次に、符号EDのタイミングにおいて、インク滴の吐出動作を実行したときの残留振動を検知し、その減衰比を取得する。取得された減衰比から図13に示した残留振動減衰比特性を取得し、この残留振動減衰比特性において飽和点aに係る減衰比を特定する。飽和点aを特定できれば、減衰比閾値Zを算出することができる。
なお、本実施形態に係るメンテナンス方法において、符号STに係る減衰比と符号EDに係る減衰比を比較すれば、メンテナンス動作によってノズル状態が回復するか否かを判定できる。具体的には、符号STと符号EDの双方の減衰比に差がなければ、ノズル状態はメンテナンス動作によって変化していないので、このままメンテナンス動作を実行してもノズル状態の回復は見込めない。この場合、再度、メンテナンス動作を実行すればよい。
次に、本実施形態に係るメンテナンス方法の処理の流れについて、フローチャートを用いて説明する。図17は、インクジェット記録装置1において記録媒体111に画像形成処理を実行するときの全体的な処理の流れを示すフローチャートである。まず、画像形成処理を実行する前の事前メンテナンス処理が実行される(S1701)。S1701は、例えば、一日一回行ってもよいし、画像形成処理を始める度に行ってもよい。
S1701によってノズル状態が正常状態に回復した後において、印字処理が実行される(S1702)。
また、S1702の終了時や、業務終了時に事後メンテナンス処理が実行される(S1703)。
次に、本実施形態に係るメンテナンス方法の処理フローについて、図18を用いて説明する。まず、記録ヘッド15において、制御部220がヘッド駆動制御部170の動作を制御し、駆動波形生成部171から加圧部420を構成するピエゾ素子42に駆動信号を印加する。駆動信号に従って各ノズル30からはインク滴が吐出される。この吐出動作の後において、各ノズル30には残留振動が発生する。この残留振動を残留振動検出部210が検出し、制御部220が有する残留振動減衰比算出部221に入力する。残留振動減衰比算出部221は、入力された残留振動に係るデータに基づいて各ノズル部における残留振動の減衰比を算出して取得するメンテナンス前減衰比取得処理を実行する(S1801)。
続いて、S1801において取得された減衰比を残留振動減衰比算出部221が減衰比記憶部234に記憶する減衰比記憶処理を実行する(S1802)。S1802における処理は、記録ヘッド15が備える複数のノズル30のそれぞれに係る減衰比を、当該ノズル30を識別可能な情報(例えば、ノズル番号)と関連付ける形式にしたものを減衰比記憶部234に記憶する処理である。
続いて、制御部220がメンテナンス動作を実行する(S1803)。S1803において、制御部220がヘッド駆動制御部170を制御し駆動波形生成部171からピエゾ素子42に対して、例えば一万回の吐出動作を実行するように駆動信号を印加する。続いて、S1803ではS1801における処置同様に各ノズル30における残留振動の減衰比を取得する。その後、S1802における処理と同様に、減衰比記憶部234に減衰比を記憶する飽和減衰比記憶処理を実行する(S1804)。S1804において減衰比記憶部234に記憶される減衰比は、S1802においてすでに記憶されている減衰比とは区別される飽和減衰比(各ノズル30に係る飽和点aの減衰比)である。
次に、ノズル状態回復判定部222がメンテンナンス効果判定処理を実行する(S1805)。S1805は、S1802において記憶された減衰比と、S1804において記憶された減衰比との差分の絶対値が所定の値よりも大きいか否かを判定する。差分が小さい場合(S1805/NO)、即ち、図14において例示したように、メンテナンス動作を実行した後の減衰比がメンテナンス動作の実行前の減衰比の0.8倍以下になっていない場合、処理をS1803に戻し、再度、メンテナンス動作を実行する。
差分が所定の値よりも大きい場合(S1805/YES)、メンテナンス動作によってノズル30のノズル状態は回復していることになる。そこで、減衰比閾値算出部223が閾値設定用データ記憶部233に記憶されている閾値と、S1806において取得された飽和減衰比と、を用いて減衰比閾値Zをノズル部ごとに算出する減衰比閾値算出処理を実行する(S1806)。
続いて、減衰比閾値算出部223がS1806において算出された減衰比閾値Zを、各ノズル30の識別子と関連付けてノズル状態識別用閾値記憶部232に記憶する減衰比閾値Z記憶処理を実行する(S1807)。S1807においてノズル状態識別用閾値記憶部232に記憶される減衰比閾値Zの例を図25に示す。本実施形態では、記録ヘッド15が200個のノズル30を備える場合を例示している。図25に示すように、ノズル状態識別用閾値記憶部232は、記録ヘッド15のノズル30のそれぞれに対して、個別の減衰比閾値Zが関連付けられて構成される減衰比閾値テーブル2501が記憶される。この減衰比閾値テーブル2501は、次回のメンテナンス動作において、ノズル状態識別部224における処理に用いられる。即ち、ノズル状態識別部224が、減衰比閾値テーブル2501を参照し、各ノズル部に関連付けられている減衰比閾値Zを読み出すことで、それぞれのノズル状態を識別する。このような処理によって、複数のノズル部におけるそれぞれの特性に適したノズル状態の識別処理を実行することができる。
以上、本実施形態に係るインクジェット記録ヘッドモジュールによれば、メンテナンス動作を開始する前の残留振動の減衰比と、メンテナンス動作を実行した後の残留振動の減衰比と、を比較することで、メンテナンス動作による回復の見込みを判定する。その後、メンテナンス動作において取得された減衰比の飽和値に基づいて、ノズル部ごとのノズル状態の識別に用いることができる減衰比閾値Zを算出する。これによって、インクジェット記録装置1の運用を開始した後においても、記録ヘッド15のメンテナンスを精度よく行い、各ノズルのノズル状態を精度良く識別できる状態を容易に整えることができる。
[メンテナンス方法の第二実施形態]
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドのメンテナンス方法の第二実施形態について説明する。本実施形態は、すでに減衰比閾値Zが記憶された状態において、メンテナンス動作を効率的に実行する方法に関するものである。本実施形態において、記録ヘッド15においてインクの吐出動作を実行し、当該吐出動作に係るインクを記録媒体111に着弾させたときのイメージを図19に示す。
図19に示すように、本実施形態では、メンテナンス動作を開始し(符号ST)、その後、メンテナンス動作を終了する(符号ED)までの所定のタイミングを示す符号MDにおいて、各ノズル30の残留振動の減衰比を取得する。符号MDのタイミングにおいて、予め設定されている減衰比閾値Zを用いてメンテナンス状態の識別を実行する。
本実施形態に係るメンテナンス方法は、記録ヘッドを備えるインクジェット記録装置1における印刷処理の開始前にメンテナンス動作を実行して減衰比閾を算出した後において、印刷処理の途中でメンテナンス動作を実行する場合の方法である。
本実施形態によれば、メンテナンス動作に係る吐出動作を全て実行する前にノズル30のそれぞれのノズル状態が回復していれば、メンテナンス動作を途中で終了することができる。これによって、メンテナンス動作において消費されるインク量を削減することができる。
次に、本実施形態に係るメンテナンス方法の処理フローについて、図20のフローチャートを用いて説明する。まず、記録ヘッド15において、制御部220がヘッド駆動制御部170の動作を制御し、駆動波形生成部171から加圧部420を構成するピエゾ素子42に駆動信号を印加し、メンテナンス動作を開始する(S2001)。
続いて、メンテナンス動作に係る吐出動作の回数が、所定の回数を経過したか否かについて判定する処理を実行する(S2002)。ここで、「所定の回数」とは、メンテナンス動作における吐出動作が一万回であれば、その半分の五千回である。メンテナンス動作における吐出動作が所定の回数を経過するまで処理をループする(S2002/NO)。
続いて、吐出動作が所定の回数を経過したとき(S2002/YES)、残留振動減衰比算出部221が残留振動検出部210から入力に基づいて、各ノズル部に係る残留振動の減衰比を算出し、減衰比記憶部234に記憶する減衰比記憶処理を実行する(S2003)。続いて、ノズル状態回復判定部222がS2003において取得された減衰比と、既に記憶されている減衰比閾値Zとを比較して、ノズル状態が回復しているか否かを判定するノズル状態判定処理を実行する(S2004)。S2004において、S2003で取得された減衰比が減衰比閾値Zよりも小さいときは(S2004/YES)、ノズル状態が回復した判定して処理を終了する。
S2004において、S2003で取得された減衰比が減衰比閾値Zよりも大きいとき(S2004/NO)、ノズル状態は回復していないと判定する。その後、メンテナンス動作に係る吐出動作が全数終了しているか否かを判定し(S2005)、メンテナンス動作に係る吐出動作の全数が終了していなければ(S2005/NO)、処理をS2001に戻す。S2005において、メンテナンス動作に係る吐出動作の全数が終了していれば(S2005/YES)、処理を終了する。
以上、本実施形態に係るメンテナンス方法は、記録ヘッド15においてメンテナンス動作を実行したときの途中において、減衰比閾値Zを用いたノズル状態の識別を実行する。これによって、メンテナンス動作に係る吐出動作の全数が終了していなくても、ノズル状態の回復を識別した段階でメンテナンス動作を終了する。即ち、メンテナンス動作において消費されるインクの量を削減しても、ノズル30のノズル状態を回復させることができる。また、次回にメンテナンス動作を実行するときには、ノズル状態識別部224が、各ノズル部に関連付けられている減衰比閾値Zを用いて、それぞれのノズル状態を識別すれば、複数のノズル部におけるそれぞれの特性に適したノズル状態の識別処理を実行することができる。
[メンテナンス方法の第三実施形態]
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドのメンテナンス方法の第三実施形態について説明する。本実施形態は、記録ヘッド15を備えるインクジェット記録装置1における印刷処理を開始する前に実行され、かつ、メンテナンス動作を効率的に実行する方法である。図21において本実施形態のイメージを説明する。本実施形態では、メンテナンス動作を開始し(符号ST)、その後、メンテナンス動作を終了する(符号ED)までの間において、所定のタイミングを示す符号MDn(n=1〜5)において、各ノズル30の残留振動の減衰比を取得する。符号MDnで取得した減衰比と、符号MDn−1(n≠1)で取得した減衰比の差分を算出し、この差分を判定することにより、各ノズル30のノズル状態が回復しているか否かを判定する。
次に、本実施形態に係るメンテナンス方法の処理フローについて、図22を用いて説明する。すでに説明した第一実施形態と同様に、まず、記録ヘッド15において、制御部220がヘッド駆動制御部170の動作を制御し、駆動波形生成部171から加圧部420を構成するピエゾ素子42に駆動信号を印加する。駆動信号に従って各ノズル30からはインク滴が吐出さる。この吐出動作の後、各ノズル30に残留振動が発生する。この残留振動を残留振動検出部210が検出して有する残留振動減衰比算出部221に入力する。残留振動減衰比算出部221は、入力された残留振動に係るデータに基づいて各ノズル部における残留振動の減衰比を算出して取得するメンテナンス前減衰比取得処理を実行する(S2201)。
続いて、S2201において取得された減衰比を、残留振動減衰比算出部221が減衰比記憶部234に記憶するメンテナンス前減衰比記憶処理を実行する(S2202)。
続いて、制御部220がヘッド駆動制御部170の動作を制御して、駆動波形生成部171から加圧部420を構成するピエゾ素子42に駆動信号を印加して残留振動を取得して減衰比を取得するメンテナンス動作を開始する(S2203)。S2203において、制御部220がヘッド駆動制御部170を制御し駆動波形生成部171からピエゾ素子42に対して、駆動信号を印加する。続く処理において、メンテナンス動作に係る吐出動作の回数が、所定の回数を経過したか否かについて判定する処理を実行する(S2204)。ここで、「所定の回数」とは、メンテナンス動作における吐出動作が一万回で有れば、その1/3に相当する三千回である。メンテナンス動作における吐出動作が所定の回数を経過するまで処理をループする(S2204/NO)。
S2204において、吐出動作の回数が所定の回数を経過したとき(S2204/YES)、残留振動減衰比算出部221は、残留振動検出部210から入力された残留振動に係るデータに基づいて各ノズル部における残留振動の減衰比を算出して取得するメンテナンス中減衰比取得処理を実行する(S2205)。続いて、S2205において取得された減衰比を、残留振動減衰比算出部221がメンテナンス中減衰比として、メンテナンス前減衰比として区別できる状態で減衰比記憶部234に記憶するメンテナンス中減衰比記憶処理を実行する(S2206)。S2206における処理も、記録ヘッド15が備える複数のノズル30のそれぞれの減衰比を、各ノズル30を識別する識別子に関連付けて行われる。
次に、ノズル状態回復判定部222がメンテンナンス効果判定処理を実行する(S2207)。S2207において、メンテナンス前減衰比とメンテナンス中減衰比とを比較して、減衰比に変化していない場合(S2207/NO)、ノズル状態は回復していないと判定する。より詳しくは、図14において例示したように、メンテナンス動作を実行した後の減衰比がメンテナンス動作の実行前の減衰比の0.8倍以下になるような変化がない場合、ノズル状態は回復していないと判定する。この場合、メンテナンス動作に係る吐出動作が全数終了しているか否かを判定し(S2009)、メンテナンス動作に係る吐出動作の全数が終了していなければ(S2009/NO)、処理をS2203に戻す。
S2207において、ノズル状態回復判定部222がメンテナンス前減衰比とメンテナンス中減衰比とを比較した結果、減衰比が変化している場合(S2207/YES)、ノズル状態は回復している可能性がある。そこで、ノズル状態回復判定部222が続く処理において、減衰比が飽和している否かを判定する(S2208)。S2208の処理は、最新のタイミングで取得された減衰比と、その直前のタイミングで取得された減衰比を比較し、これらが変化しているか否かによって減衰比の飽和を判定する減衰比飽和判定処理である(S2208)。
S2208において、直前の減衰比との差がなければ(S2208/NO)、減衰比は飽和して飽和点aに至っていると判定できる。そこで、閾値設定用データ記憶部233に記憶されている閾値と、S2207おいて取得された飽和減衰比を用いて減衰比閾値Zをノズル部ごとに算出する減衰比閾値算出処理を実行する(S2210)。続いて、S2210において算出された減衰比閾値Zを、各ノズル30の識別子と関連付けてノズル状態識別用閾値記憶部232に記憶する減衰比閾値記憶処理を実行する(S2211)。
S2208において、直前の減衰比との差があれば(S2208/YES)、減衰比は飽和していないと想定できる。そこで、処理をS2209に移行し、メンテナンス動作が終了していなければ、処理をS2203に戻す(S2209/NO)。メンテナンス動作が終了するタイミングであれば、処理を終了する(S2209/YES)。
以上、本実施形態に係るメンテナンス方法によれば、メンテナンス動作によってノズル状態が回復する見込みを判定した後に、回復見込みがある場合には、メンテナンス動作の途中のタイミングで順次、減衰比を取得してノズル状態を識別できるようにする。即ち、取得した減衰比に基づいて各ノズル部の特性を反映させた減衰比閾値Zを用いて、ノズル状態識別部224が、各ノズル部それぞれのノズル状態を識別すれば、メンテナンス動作の途中であっても、順次、各ノズル部に適したノズル状態の識別処理を実行できる。これによって、残留振動検知の閾値設定精度を向上させ、さらに不必要なインク吐出を抑えることができる。
[メンテナンス方法の第四実施形態]
次に、本実施形態に係る液体吐出ヘッドのメンテナンス方法の第四実施形態について説明する。これまで説明した実施形態では、ノズル30に対してメンテナンス動作を実行し、インク滴の吐出動作を実行することで減衰比が飽和する値を算出した。ノズル30の状態によっては、メンテナンス動作によって減衰比は低下するが飽和点aに至らない場合も想定される。
例えば、図23に例示するような減衰比傾向を示すノズル30がある場合、減衰比の傾向が線分2301で示すように、メンテナンス動作による効果を示さない場合は、再度、メンテナンス動作を実行しても、ノズル状態が回復する見込みはない。この場合、例えば記録ヘッド15のノズル面29にキャップを行って、インクを吸引することでノズル状態を回復できると考えられる。
一方、線分2302で示すように、メンテナンス動作による効果をある程度示す場合は、再度、メンテナンス動作を実行すれば、ノズル状態が回復する可能性がある。したがって、インクの吸引ではなく、メンテナンス動作の再実行をする方がインクの無駄な消費の量が少なくなる。そこで、線分2302のような回復傾向を示すノズル30に対しては、再度、メンテナンス動作を実行すればよい。
本実施形態に係るメンテナンス方法によれば、減衰比の推移によってノズル状態の回復方法を切り分けることができる。この場合、より詳細に切り分けるならば、線分2301のような推移を示す場合、ノズル30への駆動電圧を強くして減衰比が減少するか否かを識別し、駆動減圧を強くても減少しない場合にキャップを用いた吸引に切り替えればよい。
また、線分2302のような推移を示す場合、メンテナンス動作を実行している途中で減衰比の変化率を監視し、所定の値以上の変化率が見込めない場合はキャップを用いることにし、変化率が大きければメンテナンス動作を継続するようにしてもよい。
本実施形態に係るメンテナンス方法において、減衰比の減少傾向の監視や変化率の監視は、制御部220において実行される制御プログラムの処理によって実現すればよい。
また、図24に示すように、飽和点aに基づく減衰比閾値Zを算出した後に、減衰比閾値Zに基づく別の閾値Dを設定してもよい。ノズル30には、インクの吐出量不足や、不吐出以外にも吐出曲り等が生ずることがある。ノズル30において吐出曲りが生じると、インクの吐出はされるがノズル状態が完全に回復しているわけではない。この状態では、インクが本来の着弾位置に着弾しない状態になる。そこで、飽和点aと減衰比閾値Zとの間に別の閾値dを設定する。これによって、ノズル状態をより詳細に識別し、ノズル30における不吐出・ノズル抜け以外のノズル異常も切り替えることができ。即ち、閾値dを設定することで、ノズル状態を回復させるメンテナンス動作の実行も、より適切なタイミングで実行できる。
なお、以上説明した各実施形態において、メンテナンス動作の開始のトリガーは、インクジェット記録装置1の操業を開始するタイミングや、操業を終了するタイミング、一定の操業期間が経過したときなど、定期的に実行されればよい。
1 インクジェット記録装置
11 インクジェット記録装置本体
12 記録媒体供給部
13 記録媒体回収部
15 記録ヘッド
16 ケーブル部
17 ヘッド駆動制御回路
18 記憶メモリ
19 駆動制御基板コネクタ
20 ヘッド側コネクタ
21 残留振動検知モジュール
22 ヘッド基板
23 インクタンク
24 ヘッド駆動IC基板
25 剛性プレート
29 ノズル面
30 ノズル
31 ノズルプレート
32 個別圧力発生室
33 圧力室プレート
34 リストリクタ
35 リストリクタプレート
36 振動板
37 フィルタ
38 ダイアフラムプレート
39 共通インク流路
41 インク導入パイプ
42 ピエゾ素子
43 ピエゾ素子支持基板
45 電極パッド
46 ピエゾ素子群
111 記録媒体
112 規制ガイド
113 インフィード部
114 ダンサローラ
116 蛇行量検出器
117 インクジェット記録モジュール
118 プラテン
119 回復モジュール
120 乾燥モジュール
121 アウトフィード部
122 プラー
170 ヘッド駆動制御部
171 駆動波形生成部
200 ヘッド制御部
210 残留振動検出部
211 切り替え部
212 フィルタ部
213 増幅部
214 ピークホールド部
215 リセット部
216 AD変換部
220 制御部
221 残留振動減衰比算出部
222 ノズル状態回復判定部
223 減衰比閾値算出部
224 ノズル状態識別部
230 記憶部
231 駆動波形データ記憶部
232 ノズル状態識別用閾値記憶部
233 閾値設定用データ記憶部
234 減衰比記憶部
420 加圧部
600 駆動波形
特開2004−276366号公報

Claims (16)

  1. 外部から供給される駆動信号に応じて加圧される液室から液体を吐出するノズル部を複数備える液体吐出ヘッドであって、
    前記液室から前記液体が吐出した後に当該液室に生ずる残留振動を検出する残留振動検出部と、
    前記ノズル部のそれぞれに係るノズル状態を回復させるメンテナンス動作を実行する前記駆動信号の波形データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部から前記波形データを読み出し、当該波形データに基づく前記駆動信号を出力し、前記メンテナンス動作の実行を制御する制御部と、を備え、
    制御部は、
    前記ノズル部のそれぞれに対応する前記残留振動検出部において検出された前記残留振動の減衰比を、前記ノズル部ごとに算出する残留振動減衰比算出部と、
    前記メンテナンス動作を開始するときに算出した第一減衰比と当該メンテナンス動作を終了するとき検出した第二減衰比に基づいて前記ノズル状態の回復有無を判定するノズル状態回復判定部と、
    前記ノズル部ごとの前記第二減衰比が飽和する飽和点を元にして各ノズル部が前記液体を吐出可能なノズル状態になる減衰比である回復点の値よりも低い値であって、前記飽和点に係る減衰比値に対して任意の係数を乗じた値としての回復判定点を、各ノズル状態を識別するための減衰比閾値として算出する減衰比閾値算出部と、
    前記減衰比閾値に基づいて前記ノズル部ごとの各ノズル状態を識別するノズル状態識別部と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記記憶部は、前記ノズル部のそれぞれに関連付けた前記減衰比閾値を記憶する、ことを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記ノズル状態回復判定部は、前記第二減衰比と前記第一減衰比の差分の絶対値が所定の値よりも大きいとき、前記ノズル状態が回復していると判定する、ことを特徴とする請求項1または2記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記減衰比閾値は、前記第二減衰比に対し所定の係数を乗じた値である、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記制御部は、
    前記ノズル状態回復判定部において前記ノズル状態が回復していると判定されたときに、前記減衰比閾値算出部による前記減衰比閾値を算出する、ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記制御部は、前記メンテナンス動作を実行した後に、前記ノズル状態回復判定部において前記ノズル状態が回復していないと判定されたとき、再度、前記メンテナンス動作を実行するように制御する、ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記制御部は、前記メンテナンス動作の開始から終了の間の任意のタイミングにおいて、前記残留振動の減衰比を算出させ、当該残留振動の減衰比と前記減衰比閾値に基づいて前記各ノズル部の前記ノズル状態を識別させ、
    前記ノズル状態が回復状態を示すときは当該メンテナンス動作を終了する、ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記制御部は、前記メンテナンス動作の開始から終了の間の任意のタイミングにおいて、前記残留振動の減衰比を算出させ、当該残留振動の減衰比と前記減衰比閾値に基づいて前記各ノズル部の前記ノズル状態を識別させ、
    前記ノズル状態が回復状態を示す前記ノズル部における当該メンテナンス動作は終了する、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記制御部は、定期的に前記ノズル状態識別部における前記各ノズル部のノズル状態を識別し、
    異常と判定されたノズル部があるときに前記メンテナンス動作を実行する、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記記憶部は、前記ノズル状態識別部における当該ノズル部のそれぞれにおける前記ノズル状態の識別結果を記憶するノズル状態識別結果記憶部を含む、ことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記残留振動検出部は、前記残留振動を検出する前記ノズル部を選択する切り替え部を含む、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 前記残留振動検出部は、前記ノズル部のそれぞれに対応するように設けられている、ことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  13. 前記液室への加圧は前記駆動信号に応じて動作する圧電素子である、ことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  14. 駆動波形を生成する駆動波形生成部と、
    前記駆動波形生成部から供給される駆動信号に従って動作する圧電素子により加圧されて液体を吐出するノズル部を複数備える液体吐出ヘッドと、
    前記圧電素子の動作により生じる残留振動を検出する残留振動検出部と、
    前記液体吐出ヘッドのノズル状態を回復させるメンテナンス動作を実行する為の前記駆動信号の波形データを記憶する記憶部と、
    前記記憶部から前記波形データを読み出して、当該波形データに基づく前記駆動信号を前記駆動波形生成部から前記液体吐出ヘッドに供給させる制御部と、を有し、
    制御部は、
    前記ノズル部のそれぞれに対応する前記残留振動検出部において検出された前記残留振動の減衰比を、前記ノズル部ごとに算出する残留振動減衰比算出部と、
    前記メンテナンス動作を開始するときに算出した第一減衰比と当該メンテナンス動作を終了するとき検出した第二減衰比に基づいて前記ノズル状態の回復有無を判定するノズル状態回復判定部と、
    前記ノズル部ごとの前記第二減衰比が飽和する飽和点を元にして各ノズル部が前記液体を吐出可能なノズル状態になる減衰比である回復点の値よりも低い値であって、前記飽和点に係る減衰比値に対して任意の係数を乗じた値としての回復判定点を、各ノズル状態を識別するための減衰比閾値として算出する減衰比閾値算出部と、
    前記減衰比閾値に基づいて前記ノズル部ごとの各ノズル状態を識別するノズル状態識別部と、を含むことを特徴とする液体吐出装置。
  15. 駆動波形を生成し、
    前記駆動波形に係る駆動信号に従って動作する圧電素子により加圧されて複数のノズル部から液体を吐出し、
    前記圧電素子の動作により生じる残留振動を検出し、
    液体吐出ヘッドのノズル状態を回復させるメンテナンス動作を実行する為の前記駆動信号の波形データを記憶し、
    前記波形データに基づく前記駆動信号を前記液体吐出ヘッドに供給させる液体吐出ヘッドのメンテナンス方法であって、
    前記ノズル部のそれぞれにおいて検出された前記残留振動の減衰比を、前記ノズル部ごとに算出し、
    前記メンテナンス動作を開始するときに算出した第一減衰比と当該メンテナンス動作を終了するとき検出した第二減衰比に基づいて前記ノズル状態の回復有無を判定し、
    前記ノズル部ごとの前記第二減衰比が飽和する飽和点を元にして各ノズル部が前記液体を吐出可能なノズル状態になる減衰比である回復点の値よりも低い値であって、前記飽和点に係る減衰比値に対して任意の係数を乗じた値としての回復判定点を、各ノズル状態を識別するための減衰比閾値として算出し、
    前記減衰比閾値に基づいて前記ノズル部ごとの各ノズル状態を識別する、ことを特徴とする液体吐出ヘッドのメンテナンス方法。
  16. 駆動波形を生成する駆動波形生成部と、前記駆動波形生成部から供給される駆動信号に従って動作する圧電素子により加圧されて液体を吐出するノズル部を複数備える液体吐出ヘッドと、前記圧電素子の動作により生じる残留振動を検出する残留振動検出部と、前記液体吐出ヘッドのノズル状態を回復させるメンテナンス動作を実行する為の前記駆動信号の波形データを記憶する記憶部と、前記記憶部から前記波形データを読み出して、当該波形データに基づく前記駆動信号を前記駆動波形生成部から前記液体吐出ヘッドに供給させる制御部と、を有する液体吐出ヘッドの制御プログラムであって、
    前記制御部において、
    前記ノズル部のそれぞれに対応する前記残留振動検出部において検出された前記残留振動の減衰比を、前記ノズル部ごとに算出する残留振動減衰比算出手段と、
    前記メンテナンス動作を開始するときに算出した第一減衰比と当該メンテナンス動作を終了するとき検出した第二減衰比に基づいて前記ノズル状態の回復有無を判定するノズル状態回復判定手段と、
    前記ノズル部ごとの前記第二減衰比が飽和する飽和点を元にして各ノズル部が前記液体を吐出可能なノズル状態になる減衰比である回復点の値よりも低い値であって、前記飽和点に係る減衰比値に対して任意の係数を乗じた値としての回復判定点を、各ノズル状態を識別するための減衰比閾値として算出する減衰比閾値算出手段と、
    前記減衰比閾値に基づいて前記ノズル部ごとの各ノズル状態を識別するノズル状態識別手段と、を実行させることを特徴とする制御プログラム。
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