JP6922286B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出装置、残留振動検出方法および制御プログラム - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出装置、残留振動検出方法および制御プログラム Download PDF

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本発明は、液体吐出ヘッド、液体吐出装置、残留振動検出方法および制御プログラムに関する。
液体インクを記録媒体に向けて吐出することで、当該記録媒体に文字や画像を形成する画像形成装置の一種としてインクジェットプリンタが知られている。インクジェットプリンタは、液体インクをインク滴として吐出する機能を有する液体吐出ヘッドを備える。液体吐出ヘッドは、液体インクをインクタンクからノズルに供給するインク流路に、所定の圧力を加えることでインク滴を吐出する構成を備える。液体吐出ヘッドにおいて、インク滴を吐出する構成には、電圧を印加すると伸縮する圧電素子が用いられる。圧電素子における伸縮の方向は印加電圧に基づく。この圧電素子に所定の駆動波形に基づく駆動電圧を印加することで液体吐出ヘッドにおけるインク滴の吐出量およびタイミングを制御することができる。
一つの液体吐出ヘッドにはインクの吐出口としての「ノズル」が複数個備えられている。この複数のノズルにおけるインク滴を適正に制御するには、各ノズルの吐出特性に合わせて駆動電圧の印加を制御すればよい。また、ノズルの吐出特性の精度を維持することで、インク滴の吐出精度を維持することができる。しかし、液体吐出ヘッドにおける吐出特性は、周囲の温度や湿度の影響を受けて変動する。すなわち、ノズル部分において外気に触れたインクは部分的に乾燥して粘度が高くなる。粘度が変化したインクに対して、適正な駆動波形に基づく駆動電圧を印加した吐出動作を行っても、インク滴が適正に吐出されない状態になる。また、インク流路を構成する圧力室の内部に気泡が混入しても、同様に、インク滴が適正に吐出されない状態になる。以上のとおり、液体吐出ヘッドにおける吐出特性は、周囲の温湿度に影響を受けて好ましく無い状態になることがあり、このような状態を「目詰まり状態」と称する。
液体吐出ヘッドが目詰まり状態になると、適正な量のインク滴が吐出されず、インク滴によって形成される画像にドット抜けが生じるなど画質の低下の要因となる。特に、駆動電圧を連続して記録ヘッドに印加して、高速で画像を形成する大型の連帳インクジェットプリンタでは、ノズルが目詰まり状態になると、画像形成の生産性を大きく低下させることになる。
液体吐出ヘッドのノズルの目詰まり状態を検知する技術として、圧電素子に駆動電圧を印加してインク滴を吐出した後に圧電素子から検出可能な残留振動をインクの消費量を増やすことなく実施する技術が開示されている(例えば、特許文献1を参照)。
特許文献1に開示されている技術のように、ノズルの状態の識別に残留振動を利用するには、これを精度良く検知する必要がある。ところが、残留振動が非常に微小なものであることから、それに基づいて検知される信号も微小な信号になり、当該信号の検知は誤検知されるおそれがある。このような誤検知を回避するには、残留振動に基づく微小信号を複数回検知すればよい。また、記録媒体にインクを吐出して画像を形成する処理を実行している途中において、残留振動を検知するために、残留振動を大きく発生させるための駆動で何つを圧電素子に印加すればよい。このようなノズル状態を検知するための処理を行うと、残留振動の検知に時間を要する。即ち、ノズル状態の検知処理の時間が長くなり、画像形成に係る処理効率が低下する要因になる。
本発明は上記の課題に鑑みたものであって、残留振動波形に基づく液体吐出ヘッドのノズル状態の検知時間が短くても高い検知精度を得られる液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、駆動波形に応じて液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、前記駆動波形を駆動波形データから生成する駆動波形生成部と、前記駆動波形生成部に前記駆動波形データを送信する制御部と、前記駆動波形データと、前記駆動波形データに関連付けられている駆動元データと、を記憶する記憶部と、前記駆動波形に応じて液体の吐出動作を実行するノズル部と、前記ノズル部において前記吐出動作の後に発生する残留振動を検知する残留振動検出部と、を有し、前記制御部は、前記駆動元データに基づいて特定される駆動波形データの羅列のパターンを取得し、当該駆動波形データを特定駆動波形データに変換する対象範囲を決定する変換対象範囲決定部と、前記対象範囲に含まれる駆動波形データにおける変換処理の候補である変換候補を特定する変換候補特定部と、前記変換候補に対する変換処理の実行タイミングを制御する変換タイミング制御部と、前記実行タイミングに相当する前記変換候補に係る前記駆動波形データを特定駆動波形データに変換して前記駆動波形生成部に送信する波形データ変換部と、を含み、前記変換対象範囲決定部は、前記駆動波形データに基づく前記駆動波形により生ずる残留振動の存続時間と、前記駆動波形データに基づく駆動周期との対比により、対象範囲を決定する、ことを特徴とする。
本発明によれば、残留振動波形に基づく液体吐出ヘッドのノズル状態の検知時間が短くても高い検知精度を得られる。
本発明に係る液体吐出装置の一実施形態の構成を示す概略図である。 本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態の構成を示す概略図である。 上記液体吐出ヘッドが備える記録ヘッドの構成を説明する概略図である。 本実施形態に係る記録ヘッドが備えるノズルの配置構成を示す図である。 本実施形態に係る記録ヘッドの詳細な構成を示す斜視図である。 上記記録ヘッドが備える圧電素子に印加される駆動信号の波形を示す図である。 上記記録ヘッドの動作と残留振動の発生の様子を示す図であって、(a)インク吐出時、(b)インク吐出後に個別圧力発生室内に生ずる圧力変化、を示す概略図である。 上記記録ヘッドに印加される駆動波形と、当該記録ヘッドにおいて生ずる残留振動波形の概略を示す図である。 上記記録ヘッドにおいて生ずる残留振動波形の種類を例示する図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドの機能構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係る液体吐出ヘッドが備えるピエゾ電圧検出部の詳細な機能構成を示す機能ブロック図である。 本実施形態に係るピエゾ電圧検出部に入力される残留振動波形と変換された波形を示す図である。 本実施形態に係る駆動波形生成部のハードウェア構成を示す図である。 本実施形態に係る残留振動検出用波形の例を示す図である。 本発明に係る残留振動検出方法の実施形態に係る駆動波形変換範囲の決定方法について説明する図であって、(a)はヘッド部における駆動周期、(b)はヘッド部位に対する吐出動作のトリガ、(c)は変換前の波形データ、(d)は変換後の波形データを例示する図である。 本実施形態に係る駆動波形の変換パターンを説明する図である。 本実施形態に係る駆動波形の変換処理の例を示す図である。 本発明に係る残留振動検出方法の別の実施形態に係る駆動波形変換範囲の決定方法について説明する図であって、(a)はヘッド部における駆動周期、(b)はヘッド部位に対する吐出動作のトリガ、(c)は変換前の波形データ、(d)は変換後の波形データを例示する図である。 本発明に係る残留振動検出方法において駆動波形の変換範囲と残留振動の時間との関係を説明する図である。 本発明に係る液体吐出装置における印刷処理の流れを説明するフローチャートである。 本発明に係る液体吐出処理における変換処理の流れを説明するフローチャートである。
[本発明の概要]
本発明は、印加された駆動波形に従って複数のノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドに関するものであって、特に、駆動波形を連続して印加して、高速で画像形成を実行する装置に適用できる液体吐出ヘッドに関するものである。
当該液体吐出ヘッドにおける画像形成の効率や、画質の良し悪しはインク液の吐出状態により影響を受ける。液体吐出ヘッドにおけるインク液の吐出状態は、当該液体吐出ヘッドが備える複数のノズルのそれぞれのノズル状態によって影響を受ける。即ち、当該液体吐出ヘッドにおける画像形成の効率や、画質の良し悪しはノズル状態により影響を受ける。ノズル状態は、液体吐出ヘッドの動作環境や経年変化や、製造時に生ずる公差を含む製造上のバラツキ等により影響を受ける。ノズル状態が悪化した際に正常な状態に戻すための回復動作は定期に実行されるが、回復動作に時間を要すると画像形成の効率が低下する。そこで、ノズル状態の回復動作は短時間であっても効果的に実行されることが望ましい。そのためには、個々のノズルにおけるそれぞれのノズル状態の検知に要する時間を短縮化させることが望ましい。本発明は、液体吐出ヘッドのノズル状態の検知に要する時間によって画像形成プロセスの効率を低下させることなく、ノズル状態検知の精度を高めることを要旨の一つとする。
[液体吐出装置の実施形態]
まず、本発明に係る液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る液体吐出装置の一種であるオンデマンド方式のライン走査型インクジェット記録装置(以下、「インクジェット記録装置1」とする。)の全体構成を示す概略図である。図1において、インクジェット記録装置1は、インクジェット記録装置本体11と、記録媒体供給部12と、記録媒体回収部13により構成される。
インクジェット記録装置本体11は、記録媒体111の幅方向の位置決めを行う規制ガイド112と、記録媒体111の張力を一定に保つ駆動ローラと従動ローラのインフィード部113と、を備える。なお、記録媒体111の幅方向とは、記録媒体111の搬送方向に直交する方向であって、後述するインクジェット記録ヘッド117において画像が形成される面を構成する方向をいう。
また、インクジェット記録装置本体11は、記録媒体111の張力に応じて上下し位置信号を出力するダンサローラ114と、EPC(Edze Position Contorol)115と、を備える。また、インクジェット記録装置本体11は、蛇行量検出器116と、インクジェット記録ヘッド117と、を備える。
また、インクジェット記録装置本体11は、インクジェット記録ヘッド117と対向して設けられたプラテン118と、インクジェット記録ヘッド117の維持・回復モジュール119と、記録媒体111を乾燥させる乾燥モジュール120と、を備える。また、インクジェット記録装置本体11は、記録媒体111を設定された速度で駆動させる駆動ローラと従動ローラのアウトフィード部121と、記録媒体111を装置外に排紙する駆動ローラと従動ローラからなるプラー122と、を備える。
インクジェット記録ヘッド117は、後述するノズル30を印刷幅全域に配置したラインヘッドを有する。インクジェット記録ヘッド117は、カラー印刷に対応し、ブラック、シアン、マゼンダ、イエローの各ラインヘッドを備えている。各ラインヘッドのノズル面29は、プラテン118上に所定の隙間を保って支持されている。インクジェット記録ヘッド117と記録媒体111の搬送速度に応じてインク吐出を行うことで、記録媒体111にカラー画像が形成される。尚、ライン走査型を用いることで高速な画像形成が可能となる。
なお、本実施形態に係る記録媒体111には、一般的には紙であるが、それ以外のコート紙、ラベル紙等の他、オーバヘッドプロジェクタシート、フィルム、可撓性を持つ薄板等も含まれるものとする。記録媒体111に用いることができる素材は、インクジェット記録ヘッド117から吐出されたインク滴が付着可能なものや、一時的に付着可能なもの、付着して固着するもの、および付着して浸透するものなども含まれる。例えば、用紙、記録紙、記録用紙、フィルム、布などの被記録媒体、電子基板、圧電素子(圧電部材)などの電子部品、粉体層(粉末層)、臓器モデル、検査用セルなどである。特に限定しない限り、液体が付着する全てのものが含まれるので、記録媒体111の材質は液体が付着可能なものであって、紙、糸、繊維、布帛、皮革、金属、プラスチック、ガラス、木材、セラミックスなどでもよい。
[液体吐出ヘッドの実施形態]
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの実施形態に係るインクジェット記録ヘッド117の実施形態について説明する。図2は、インクジェット記録ヘッド117の側面図である。図2に示すように、インクジェット記録ヘッド117は、ヘッド駆動制御回路17と、ヘッド部15と、ケーブル部16と、を備える。
ヘッド駆動制御回路17は、駆動制御基板に、駆動制御IC26と、駆動波形生成IC27と、記憶メモリ18、が搭載されて構成されている。ケーブル部16は、駆動制御基板コネクタ19と、ヘッド側コネクタ20が、それぞれの端部に取り付けられている。ケーブル部16は、ヘッド駆動制御回路17とヘッド部15に搭載されているヘッド基板22との間におけるアナログ信号およびデジタル信号の通信を担う。
ヘッド部15は、残留振動検出モジュール21と、ヘッド基板22と、ヘッド駆動IC基板24と、液体のインクが貯蔵されるインクタンク23と、剛性プレート25を主な構成要素とする。尚、ライン走査型のインクジェット記録装置1においてヘッド部15は、所定の方向に直線状に配列されている。ここで所定の方向とは、記録媒体111の搬送方向Pに対して直交する方向である。このように配列されているヘッド部15は、記録媒体111と一定の距離を隔てた位置に配置されている。したがって、本実施形態に係るインクジェット記録装置1が備えるヘッド部15の構成は、複数のヘッド部15を並べて構成するラインヘッド構成である。
なお、本発明に係る液体吐出装置が備える液体吐出ヘッドの構成は、上記のようなラインヘッド構成に限定されるものではない。例えば、インクジェット記録ヘッド117を一つだけ備えて、記録媒体111の搬送方向の垂直方向にインクジェット記録ヘッド117を移動させながら、さらに媒体を搬送方向に搬送して、画像を形成するシリアル走査型プリンタにも適用できる。
[ヘッド部15の構成]
次に、インクジェット記録ヘッド117が備えるヘッド部15の詳細な構成について説明する。まず、図3は、ヘッド部15をラインヘッド構成で配置した例を示す概略図である。すでに説明したとおり、ヘッド部15を備える本実施形態においてインクジェット記録ヘッド117は、ブラック用ヘッドアレイ28Kと、シアン用ヘッドアレイ28Cと、マゼンダ用ヘッドアレイ28Mと、イエロー用ヘッドアレイ28Yの集合体により構成されている。ブラック用ヘッドアレイ28Kはブラックのインク滴を吐出し、シアン用ヘッドアレイ28Cはシアンのインク滴を吐出する。また、マゼンダ用ヘッドアレイ28Mは、マゼンダのインク滴を吐出し、イエロー用ヘッドアレイ28Yは、イエローのインク滴を吐出する。
各ヘッドアレイ28K、28C、28M、28Yは、記録媒体111の搬送方向Pに直交する方向に配置されている。このようにインクジェット記録ヘッド117をアレイ化することにより広域な印刷領域を確保することができる。
図4は、ヘッド部15が備えるインク滴の吐出口を拡大した図である。図4に示すようにヘッド部15におけるインク滴の吐出口を構成するノズル30の開口は、ヘッド部15の底面であるノズル面29において千鳥状に配列されている。このように多数のノズル30を千鳥状に配列することで、画像形成の解像度を高めることができる。
ヘッド部15の構成について、さらに詳細に説明する。図5は、ヘッド部15の構成を示す分解斜視図である。図5に示すように、ヘッド部15は、ノズルプレート31、圧力室プレート33、リストリクタプレート35、ダイアフラムプレート38、剛性プレート25ならびに圧電素子群であるピエゾ素子群46を主に有している。
ノズルプレート31と、圧力室プレート33と、リストリクタプレート35と、ダイアフラムプレート38と、を順次重ねて位置決めして接合することにより、流路板が構成される。
ノズルプレート31には、多数のノズル30が形成されている。多数のノズル30が、ノズルプレート31において、千鳥状に配列されている。圧力室プレート33には、ノズル30に対応して液室である個別圧力発生室32が形成されている。リストリクタプレート35には、共通インク流路39と個別圧力発生室32を連通して個別圧力発生室32へのインク流量を制御するリストリクタ34が形成されている。ダイアフラムプレート38には、振動板36とフィルタ37が設けられている。
以上の構成を備える流路板を剛性プレート25に接合して、フィルタ37を共通インク流路39の開口部と対向させる。インク導入パイプ41の上側開口端は、剛性プレート25の共通インク流路39に接続され、インク導入パイプ41の下側開口端は、インクを充填したインクタンク23(図2参照)に接続される。
ピエゾ素子支持基板43には、ピエゾ素子駆動IC44が搭載されている。ピエゾ素子駆動IC44には、圧電パッドである電極パッド45が接続されている。ピエゾ素子駆動IC44において発生した駆動電圧が、電極パッド45を介してピエゾ素子42へと印加される(図7(a)参照)。なお、ピエゾ素子42はピエゾ素子支持基板43において支持されている。
ピエゾ素子駆動IC44は、ヘッド部15に接続する外部の構成であるヘッド駆動制御回路17から供給される駆動信号に応じた駆動電圧を生成し、この駆動電圧をピエゾ素子42に印加する。ピエゾ素子駆動IC44が生成する駆動電圧は、駆動信号に基づいて変化するものである。したがって、駆動電圧の電位は駆動信号に基づいて変化する。この変化する駆動電圧は駆動信号となってピエゾ素子42に印加される。ピエゾ素子42は、駆動波形に従って変形する。ピエゾ素子42の変形によってインク流路に圧力が加えられる。この圧力は、個別圧力発生室32に伝わる。加圧された個別圧力発生室32からは、ノズル30を介してインクが液滴として吐出される。即ち、インク滴の吐出は、駆動信号に応じて実行される。
ここで、ピエゾ素子駆動IC44からピエゾ素子42に印加される駆動電圧の波形について、図6の例を用いて説明する。図6に示すように駆動電圧は、ピエゾ素子42を通常の伸張状態で保持する基準電位601と、ピエゾ素子42を収縮状態にして保持するHOLD電位602の間で変動する駆動波形600のようになる。駆動波形600は、ピエゾ素子42を伸張状態で保持する第一基準電位保持波形611および第二基準電位保持波形621と、ピエゾ素子42を収縮方向に変化させるPULL波形612と、ピエゾ素子42を収縮した状態で保持するHOLD波形631と、ピエゾ素子42を伸長する方向に変化させるPUSH波形622と、インク吐出動作後の液室からの不要なインク吐出(メニスカスの揺れ)を抑えるための残留振動制振用波形641と、を含む。
図6に示すように、駆動波形600がPULL波形612とPUSH波形622によってピエゾ素子42が収縮して伸張することで個別圧力発生室32に圧力が加わる。すでに説明したとおり、ピエゾ素子42による圧力が液室である個別圧力発生室32に加わることで、ノズル30からインク滴が吐出される。インク滴の吐出の勢いによって、吐出後のノズル30の周囲のインクには振動が残留する。この残留振動によってメニスカスが揺れて不要なインクの吐出が生じ無いように、液室の圧力を低下させる必要がある。そこで、PUSH波形622の後において、第二基準電位保持波形621に戻る前に、基準電位601よりも高い電位に変位する残留振動制振用波形641を介在させる。この残留振動制振用波形641によって、ピエゾ素子42は通常状態よりも伸張するので、このようなピエゾ素子42の変位により、吐出動作後において液室内に発生している残留振動を抑える方向に液室を変化させることができる。なお、PULL波形612、HOLD波形631、PUSH波形622は、吐出動作を行うための波形である。PULL波形612とHOLD波形631とPUSH波形622からなる駆動波形と残留振動制振用波形641との間に第3の基準電位保持波形を介在させてもよい。また、各基準電位は同電位でもよい。
[液体吐出動作の説明]
次に、インクジェット記録ヘッド117が備えるノズル30からインク滴を吐出する動作(吐出動作)について、図7を用いて詳細に説明する。図7(a)は、ノズル30からインク滴が吐出されたときの様子を例示している。図7(b)は、ノズル30からインク滴が吐出された後の残留振動が生じた場合に、この残留振動が個別圧力発生室32の内部を伝搬する様子を例示している。なお、ピエゾ素子42に印加される駆動波形と残留振動の波形である残留振動波形の例を図8に示し、残留振動とヘッド部15のノズル状態との関係の例を図9に示す。
図8に示す駆動波形印加期間803は、図6において示す駆動波形がピエゾ素子42に印加される期間をいう。駆動波形印加期間803では、駆動電圧が基準電位601からHOLD電位602に降下し、HOLD波形631に相当する期間を経て基準電位601へと戻るように変動をする。即ち、駆動電圧が第一基準電位保持波形611からPULL波形612を経てHOLD波形631に変位してピエゾ素子42が収縮すると、振動板36が押し上げられる方向に変化する。これによって、個別圧力発生室32が膨張する。
個別圧力発生室32が膨張すると、個別圧力発生室32内部の圧力が低下するので、メニスカスが引き込まれるとともに、インクタンク23からインク導入パイプ41(図3参照)を介して個別圧力発生室32にインクが取り込まれる。その後、図7(a)に示すように、駆動波形600がPUSH波形622に至るとピエゾ素子42が伸長し、振動板36が押し下げられる。これによって、個別圧力発生室32が収縮する。この収縮によって、図7(b)に示すように、個別圧力発生室32からインクが吐出される。
インクが吐出された後、メニスカスにおける残留振動が生じる。この残留振動波形発生期間804を短くするために残留振動制振用波形641がピエゾ素子42に印加される。なお、残留振動は、図7(b)において一点鎖線で囲った領域301あたりの状態によって異なる伝搬をする。この残留振動は振動板36にも伝搬し、振動板36を振動させる。振動板36が振動すると、ピエゾ素子42が変位する。即ち、残留振動に基づいてピエゾ素子42が変位するので、残留振動電圧が電極パッド45に誘起される。この残留振動電圧を検知することで、個別圧力発生室32の内部を伝搬する残留振動の状態を検知することができる。残留振動の具合は、領域301あたりを含むノズル部の状態により異なるものになる。そこで、残留振動を検出して解析すればノズル30の所定の領域301を含むノズル部のノズル状態を識別することができる。
図8に示す残留振動波形発生期間804では、電極パッド45において残留振動波形に基づく残留振動電圧が検知される。図8における駆動波形印加期間803は、図7(a)に示した動作に対応し、残留振動波形発生期間804は図7(b)に示した動作に対応する。
本実施形態に係るヘッド部15は、上記において説明した残留振動検出機能を備えている。これによって、電極パッド45とピエゾ素子支持基板43を介して、残留振動検出モジュール21の回路から構成されるピエゾ電圧検出部210(図10参照)において残留振動波形を検知する。
図9に示すように、ピエゾ素子42を変位させる残留振動波形の波形パターンは、複数パターンが想定される。たとえば、インク滴を正常に吐出できるノズル状態であれば、残留振動波形は正常吐出状態波形W1のようになる。ノズル30近傍のインクが乾燥して粘度高くなったノズル状態であれば、残留振動波形は乾燥状態波形W2のようになる。また、個別圧力発生室32に気泡が混入したノズル状態であれば、残留振動波形は気泡混入状態波形W3のようになる。
図9において、正常吐出状態波形W1は、基準電位よりも高い電位を含む波形である。一方、乾燥状態波形W2や気泡混入状態波形W3の場合は、基準電位とほぼ同等か基準電位よりも低い電位である。また、乾燥状態波形W2と気泡混入状態波形W3の周波数を正常吐出状態波形W1と比較すると、乾燥状態波形W2の周波数は低く、気泡混入状態波形W3の周波数は同じ位の周波数である。
以上のように残留振動の振幅と残留振動の周波数との変化の度合いを検知することで、ヘッド部15におけるノズル状態を識別することができる。残留振動の振幅と周波数の変化の度合いによって、残留振動の減衰の度合いは変化する。したがって、残留振動の減衰比に着目することで、ヘッド部15におけるノズル状態を判別できる情報を得ることができる。
[液体吐出ヘッドの機能構成]
次に、本実施形態に係るインクジェット記録ヘッド117の機能構成について説明する。図10に示すように、インクジェット記録ヘッド117は、ヘッド制御部200と、ヘッド駆動部170と、ピエゾ素子部420と、を含む。
ヘッド制御部200は、インクジェット記録装置1が記録媒体111に画像を形成する動作を行う時、印字データ格納部231に格納された印字データに基づいて参照された駆動波形データをヘッド駆動部170の駆動波形生成部171に送信する機能を備える。駆動波形生成部171は、駆動波形に従ってピエゾ素子部420を構成するピエゾ素子42に印加する機能を備える。この駆動波形に従って、ノズル30から所定のタイミングでインク滴が吐出される。
ヘッド制御部200は、ピエゾ電圧検出部210と、制御部220と、記憶部230と、を含む。ヘッド駆動部170は、駆動波形生成部171を含む。ピエゾ素子部420は、複数のピエゾ素子42を含む。ピエゾ電圧検出部210は、残留振動検出部であって、複数のピエゾ素子42により構成されるピエゾ素子部420に誘起する残留振動を検出し、デジタル信号に変換して制御部220に入力する機能を備える。
制御部220は、ヘッド駆動部170の動作を制御して、ピエゾ素子部420が有する各ピエゾ素子42を動作させて、ヘッド部15(図2参照)におけるインク吐出動作を制御する機能を備える。また、制御部220は、ピエゾ電圧検出部210から入力される残留振動データを用いてノズル状態を識別する処理を実行する機能を備える。なお、制御部220は、識別したノズル状態を上位基板であるヘッド駆動制御回路17に搭載されている駆動制御IC26に送信する機能も備える。
制御部220は、ヘッド部15の動作を制御する制御プログラムを実行する。この制御プログラムによって、制御部220は、ノズル回復判定部、ノズル状態回復判定部、ノズル状態識別部、の各機能を有する機能ブロックとなる。また、制御部220は、当該制御プログラムの実行により実現される変換対象範囲決定部221と、変換候補特定部222と、変換タイミング制御部223と、波形データ変換部224と、を有する機能ブロックである。
[記憶部230の説明]
記憶部230は、印字データ格納部231と、駆動波形データ格納部232と、残留振動検出用波形データ格納部233と、を含む。印字データ格納部231は、インクジェット記録装置1において画像形成プロセスが実行されて所定の印刷用データが入力されたとき、当該印刷用データに基づく印字データを順次格納する。したがって、印字データとは、画像形成プロセスにおける結果物(印刷物)を得るために、駆動波形データを特定するための駆動元データに相当する。
駆動波形データ格納部232は、印字データ格納部231に格納される可能性がある各印字データに対応する駆動波形データを、各印字データに関連付けて格納する。すなわち、駆動波形データ格納部232は、印刷用データに対応した画像形成プロセスを実行するためにヘッド部15において所定のインク吐出動作を実行させる駆動波形を生成するためのデータを格納している。
残留振動検出用波形データ格納部233は、印字データ格納部231に格納されている印字データに基づいて参照される駆動波形データの代わりに残留振動を検知するための駆動波形の生成に用いる残留振動検出用波形データを格納する。残留振動検出用波形データは、後述する残留振動検出用波形を生成するためのデータであって、ヘッド部15において残留振動を抑制せずに吐出動作を行うための駆動信号の元になる駆動データの一種である特定駆動波形データである。
なお、記憶部230にはピエゾ電圧検出部210における検知結果であって、残留振動によって各ピエゾ素子42に誘起されたピエゾ電圧から変換されえ得られる残留振動データを格納する残留振動データ格納部も含まれる。この残留振動データは制御部220において解析されて、各ピエゾ素子42に対応するヘッド部15のノズル状態が識別される。
[制御部220の詳細説明]
制御部220は、印字データ格納部231に格納されている印字データに基づいて駆動波形データ格納部232に格納されている駆動波形データを参照する。参照した駆動波形データに係るインク吐出動作のタイミングごとに複数の駆動波形データを並べた場合の波形パターンに基づいて、変換対象として判断する波形パターンの範囲を決定する。決定した波形パターンが、残留振動を発生させない駆動波形のままとするか、残留振動が発生する駆動波形とするかを判断する。この判断において、「残留振動が発生する駆動波形とする」場合には、特定の駆動波形データを残留振動検出用波形データ158へ変換し、駆動波形生成部171に送信する。「残留振動が発生しない駆動波形とする」場合には、参照した駆動波形データを駆動波形生成部171に送る。
変換対象範囲決定部221は、印字データ格納部231に格納されている印字データに基づいて参照された駆動波形データに基づく残留振動の存続時間と、当該駆動波形データに係る駆動波形が印加される駆動周期との対比により変換対象範囲を決定する。ここで、残留振動の存続時間とは、印字データに基づいて参照された駆動波形データに基づく駆動波形が印加された時から、当該駆動波形により生ずる残留振動が収束するまでの時間に相当する。また、駆動周期とは、印字データに基づいて参照される駆動波形データを駆動波形生成部171に送る周期をいう。即ち、駆動周期に応じてヘッド部15はインクの吐出動作を行う。
残留振動の存在時間は、駆動波形が印加されることにより液室に加わる圧力の強さによって異なる。したがって、残留駆動の存在時間は、駆動波形データが異なれば、異なる時間になる。そこで、事前に駆動波形データごとの残留振動存在時間を計測しておき、そのデータを記憶部230に記憶しておく。変換対象範囲決定部221は、印字データに基づいて駆動波形データを取得し、この取得された駆動波形データに基づいて残留駆動波形存在時間を決定することで、変換対象範囲を決定する。
言い換えると、ピエゾ素子42に印加される駆動波形による電圧が高い場合は、変換対象範囲が時間的に長くなり、複数の駆動周期に跨がった変換を行う必要が生ずる。また、基準電位に戻った時点における、ノズル30の表面部分におけるメニスカスの振幅が大きければ、変換対象範囲が時間的に長くなる。一方、ピエゾ素子42に印加される駆動波形による電圧が低ければ、変換対象範囲が時間的に短くなるので、1駆動周期分の駆動波形データの変換でよくなる。また、基準電位に戻った時点における、ノズル30の表面部分におけるメニスカスの振幅が小さければ変換対象範囲は時間的に短くなる。
変換候補特定部222は、変換対象範囲決定部221において決定された変換の対象範囲に相当する駆動周期分の印字データに係る駆動波形データを参照し、駆動周期n、駆動周期n+1、駆動周期n+2、・・・のように並べた波形データの羅列のパターン(波形パターン)に基づいて、変換処理の実行態様の候補とする駆動波形データを特定する。
変換候補特定部222における変換候補特定は、以下のように行われる。まず、変換対象範囲が「駆動周期n」と、「駆動周期n+1」の場合について説明する。この場合、駆動周期nの駆動波形データに吐出動作を行う駆動波形データが含まれていて、駆動周期n+1の駆動波形データ(即ち、次の周期の駆動波形データ)には当該駆動波形データが含まれていない場合、駆動周期nの駆動波形データを変換候補として特定する。
別の場合について説明する。駆動周期nの駆動波形データに吐出動作を行う駆動波形データが含まれていて、駆動周期n+1の駆動波形データには「微駆動波形」のみが含まれている場合も、駆動周期nの駆動波形データを変換候補として特定する。なお、「微駆動波形」とは、ノズル状態を維持するためにメニスカスを微かに揺らす程度の微小な駆動は系をピエゾ素子42に印加するための波形である。微駆動波形は、制御部220における任意のタイミングによって印加される。
変換タイミング制御部223は、変換候補として特定された駆動波形データを残留振動検出用波形データに変換する実行タイミングであるか否かを判定する。例えば、微駆動波形が印加されてから所定の時間が経過していなければ、ノズル状態を整えるための処理をするための残留振動の検知を行う必要性が低い。また、残留振動検出用波形データに変換してから所定の経過時間に係る閾値以上に相当する駆動周期が過ぎていない場合にも、あらためて残留振動を検知する必要性が低い。これらのような場合には、駆動波形データにおいて変換候補となるものであっても、変換処理は実行せず、その他の場合にのみ変換処理を実行するように波形データ変換部224の動作を制御する。
波形データ変換部224は、変換タイミング制御部223の制御に応じて、駆動周期nの駆動波形データを残留振動検出用波形データに変換して、駆動波形生成部171に送信する。ここで、残留振動検出用波形データとは、駆動波形データにおいて、吐出動作に用いられる部分の波形データのみからなる波形データをいう。
次に、ピエゾ電圧検出部210の機能構成について図11を用いて説明する。図11に示すように、ピエゾ電圧検出部210は、切り替え部211と、フィルタ・増幅部212と、ピークホールド・リセット部213と、AD変換部214と、基準波形生成部215と、備える。切り替え部211は、ピエゾ素子部420を構成する各ピエゾ素子42を選択して、それぞれの残留振動を検知できる状態を切り替える。フィルタ・増幅部212は、検出波形から所望の周波数成分を抽出し増幅させるフィルタ部と増幅部から構成される。ピークホールド・リセット部213は、増幅した波形のピーク値をホールドするピークホールド部と、ホールドしたピーク値をリセットするリセット部と、を含む。AD変換部214は、検出した波形をアナログデジタル変換する。基準波形生成部215は、自己診断用波形を生成する。
ピークホールド・リセット部213のリセット部には、コンパレータがあり、その出力を制御部220に入力することで、検出波形の周波数を認識することができる。ここでは、ピエゾ電圧検出部210において残留振動を検知するピエゾ素子42を切り替える切り替え部211を持つ構成を示している。
この構成によれば、残留振動を検出するための回路数を削減できる。なお、ピエゾ素子42に対し、1対1に対応するピエゾ電圧検出部210を配置してもよい。その場合は、各ピエゾ素子42の残留振動は、同時に検出できるようになる。
図12は、ピエゾ電圧検出部210の動作を説明する図である。図12(a)に示すような残留振動波形が生ずると、この残留振動波形がピエゾ電圧検出部210に入力される。入力された残留振動波形は、フィルタ・増幅部212を通じて図12(b)のように変換される。その後、ピークホールド・リセット部213を通じて図12(c)のよう変換され、ピーク値の保持と放電が繰り返される波形になる。
[駆動波形生成部171の機能構成]
駆動波形生成部171の機能ブロックについて図13を用いて説明する。駆動波形生成部171は、制御部220からの駆動波形データをデジタル−アナログ変換するDA変換器59と、ピエゾ素子42を駆動するためのピエゾ素子駆動部60から構成される。図13は、ピエゾ素子42に対し、1対1対応の駆動波形生成部171を持たせる構成を例示している。この場合、各ピエゾ素子42に異なる駆動波形データに係る駆動電圧を印加できる。なお、1つの駆動波形生成部171に、複数のピエゾ素子42を接続し、スイッチを用いて信号を送り分ける構成でもよい。その場合、ピエゾ素子42を駆動するための回路を削減できる。
ピエゾ素子駆動部60は、電圧増幅部61と電流増幅部62とを含む。図13において、電圧増幅部61の構成は一例であり、複数段の増幅回路が接続された構成でもよい。また、電流増幅部62の構成も一例であり、インバーテッド回路で構成してもよい。
一般的に駆動波形は図6に示したように残留振動制振用波形641を用いて、吐出後のインク揺れを抑えている。しかし、残留振動を検知する場合は吐出後のインクの揺れを抑えないほうが、当該残留振動の検知精度を向上させることができる。そこで、吐出駆動波形データ155の後に、残留振動を抑制するような制振波形データ156があるときは、これを取り除き、図14のように残留振動検出用波形を積極的に発生させるような駆動波形に変換すればよい。
[駆動波形の変換対象範囲の決定方法]
図15は、本発明に係る残留振動検出方法に用いられる駆動波形変換範囲の決定方法について説明する図である。図15(a)は、ヘッド部15において吐出動作を行うためのタイミングを時系列的に示している。図15(a)における駆動タイミング151における「駆動周期:n」とは、ヘッド部15に駆動波形が印加される現時点のタイミングを示している。また、「駆動周期:n−1」とは、ヘッド部15に駆動電圧が印加される現時点の一つ前のタイミングを示し、「駆動周期:n+1」は、ヘッド部15に駆動電圧が印加される現時点の次のタイミングを示している。
図15(b)は、ピエゾ素子42に対して駆動波形を印加するトリガとなる印加タイミング152を示している。ヘッド部15は、印加タイミング152において駆動波形が印加されることで、図15(a)に示した「駆動周期:n」における動作を実行する。この印加タイミング152が発生する周期がピエゾ素子42への駆動信号が印加されるうる周期である「駆動周期」となる。
図15(c)は、各駆動タイミング151において、印字データ格納部231に格納されている印字データに基づいて参照された駆動波形データの例を示している。この例では、「駆動周期:n」の駆動波形データは、吐出駆動波形データ155と制振波形データ156から構成されている。また、「駆動周期:n+1」の駆動波形データは、微駆動用波形データ157のみからなる。
図15(c)に示した駆動波形データの羅列のパターンであれば、「駆動周期:n+1」の駆動タイミング151において残留振動が存在しても、吐出動作が行われるタイミングではないから画像形成プロセスに影響を与えない。このようなパターンの場合には、「駆動周期:n」の駆動タイミング151に係る駆動波形データを残留振動検出用波形データ158に変換してもよい。この場合、破線の矩形で示した時間を変換対象範囲159をとし、図15(d)に示すように、「駆動周期:n」の駆動タイミング151に係る駆動波形データから制振波形データ156を取り除いた残留振動検出用波形データ158に変換する。また、「駆動周期:n+1」の駆動タイミング151に係る駆動波形データは微駆動用波形データ157を取り除いた波形データに変換する。
即ち、図15(c)に示すような駆動波形データの羅列のパターンであるときは、「駆動周期:n+1」の駆動波形データを参照して吐出駆動波形データ155が存在しないならば、「駆動周期:n」の駆動波形データを残留振動検出用波形データ158に変換する。当該変換処理は波形データ変換部224において実行され、変換後の波形データは駆動波形生成部171に送られる。
なお、残留振動検出用波形データ158に変換するときは、インクの吐出量や滴速度が変換前の吐出駆動波形データ155と同一になるように変換する。これによって、画像に悪影響を及ぼすことなく変換することができる。また、一度変換を行ってから任意の時間は変換を行わないように制御することもできる。即ち、微駆動用波形データ157の印加から所定時間を経過していないとき、変換処理を実行してから所定の時間が経過していないとき、これらを変換タイミング制御部223が波形データ変換部224に変換動作を指示しない。この場合、波形データ変換部224は、「駆動周期:n」の駆動タイミング151において変換処理を実行せず、変換前の駆動波形データ(吐出駆動波形データ155と制振波形データ156)を駆動波形生成部171に送る。
なお、当該変換処理は、インクジェット記録ヘッド117が備える複数のピエゾ素子42のそれぞれに対する駆動波形において行われる。したがって、変換タイミング制御部223において個々の変換処理の諾否を制御することで、各ピエゾ素子42において残留振動を検知させるか否かのタイミングを制御することができる。これによって、各ピエゾ素子42に対応するノズル30のノズル状態を個々において識別することができる。
図16は、駆動波形データの羅列のパターンごとに変換可能なものを例示している。図16に示すように、「駆動周期:n」に吐出駆動波形データ155があり、かつ「駆動周期:n+1」には吐出駆動波形データ155が無い場合に場合、「駆動周期:n」の駆動波形データを残留振動検出用波形データ158に変換し、それ以外では変換しないようにする。
吐出駆動波形データ155および制振波形データ156から残留振動検出用波形データ158への変換について説明する。駆動波形データの一部を選択し、ピエゾ素子42に印加できるヘッド部15であれば、ヘッド駆動部170において通常の駆動波形データの一部をマスクしてピエゾ素子42に印加すれば、残留振動検出用波形データ158に係る駆動波形を印加するに等しい。例えば、図17に示すような駆動波形があった場合、通常は符号171と符号172の両方の部分の駆動波形をピエゾ素子42に印加する。符号172のような制振波形を取り除いても問題がない場合に限り、符号171のみに係る駆動波形をピエゾ素子42に印加する。この場合、符号171の駆動波形が印加されることにより残留振動が大きく発生し、ピエゾ電圧検出部210における検知精度を向上させることができる。
次に、図16に示した駆動波形データの羅列のパターンと同じであっても、駆動周期によって変換対象範囲が異なる例について説明する。図18(a)から(d)の各図には、図15(a)から(d)の各図と同様の符号を用いている。
図18に示した駆動波形データのパターンは、図15に示した場合よりも印加タイミング152の時間間隔が短い。即ち、駆動周期が短い(駆動周波数が高い)。この場合、残留振動が生じたときの影響が複数の駆動タイミング151に及ぶ可能性がある。図18(d)に示すように、「駆動周期:n」の駆動波形を残留振動検出用波形データ158に変換すると、これによって生ずる残留波形は「駆動周期:n+1」の駆動タイミング151を超えて「駆動周期:n+2」の駆動タイミング151にまで及んでいる。このように影響の範囲が及ぶと考えられる駆動タイミング151を含むように変換対象範囲159を決定する。
図18(c)に示すように、変換対象範囲159を「駆動周期:n」から「駆動周期:n+2」まで拡大すると、当該範囲に該当する駆動波形データは、「駆動周期:n」が吐出駆動波形データ155と制振波形データ156からなり、「駆動周期:n+1」と「駆動周期:n+2」は微駆動用波形データ157からなる。この場合、「駆動周期:n」の制振波形データ156を印加せず、「駆動周期:n+2」の駆動タイミング151にまで残留振動が影響をしても、印刷品質への悪影響は生じない。
なお、変換対象範囲159を「駆動周期:n+2」までとして駆動波形を変換して印加し、残留振動の検知が「駆動周期:n+1」のタイミングにおいてすでに完了する場合は、検知完了後に制振波形データ156のみをピエゾ素子42に印加すればよい。この場合、変換対象範囲159が「駆動周期:n+2」までとして決定されていても、「駆動周期:n+2」の駆動タイミング151からは、変換せずに印字データに基づく駆動波形からなる駆動電圧を印加すればよい。
[駆動波形変換範囲の決定条件]
以上説明したとおり、本実施形態に係るインクジェット記録ヘッド117は、駆動タイミング151において隣接する駆動波形データの羅列のパターンと、駆動タイミング151の周期(駆動周期)との関係性によって、駆動波形データの変換範囲を決定することができる。そのため、各駆動波形データのパターンにおいてどの程度の残留振動が存続するのか、駆動波形データのパターンごとに残留振動の存続時間を計測する計測処理を制御部220において予め実行し、その計測データを記憶部230に記憶しておく。
図19に示すように、ある駆動波形データに係る駆動波形をピエゾ素子42に印加したときに、ピエゾ電圧検出部210において検出された残留振動の存続時間が「T」であったとする。このときの吐出駆動波形データ155に係る駆動波形の印加時間が「Tv」であるとすると、残留振動の存続時間は「Tv+T」となる。
図19(a)に示すように、印加タイミング152の周期が「X」であって、変換対象範囲とすべき波形の数(駆動タイミング151の範囲)をWNとした場合、以下の式1に示す条件が成立する。
(式1)
(N−1)・X<Tv+T<N・Xのとき、W=N(Nは自然数)
上記の式1に当てはめると、図15を用いて説明した場合のNは2であり、図18を用いて説明した場合のNは3である。したがって、WNが2のときは、「駆動周期:n」と「駆動周期:n+1」の駆動波形データの組み合わせによって変換対象とするか否かを判断すればよく、WNが3のときは、「駆動周期:n」、「駆動周期:n+1」、「駆動周期:n+2」の駆動波形データを変換対象とすればよい。この判断処理は、変換対象範囲決定部221において実行される。
[残留振動検出方法の実施形態]
次に、本発明に係る残留振動検出方法の実施形態について説明する。図20は、インクジェット記録装置1において実行される印刷処理の流れを示すフローチャートである。本発明に係る残留振動検出方法は、通常の印刷処理の中で実行されるものである。図20に示すように、印刷処理が開始されると、まず変換判断処理が実行される(S2001)。S2001の詳細については後述する。
次に、吐出処理が実行される(S2002)。S2002は、S2001において変換された残留振動検出用波形データ158か、吐出駆動波形データ155と制振波形データ156および微駆動用波形データ157に基づくものである。
次に、残留振動検出処理を実行するか否かの判定処理が実行される(S2003)。S2002における吐出動作が、残留振動検出用波形データ158に係るものであれば(S2003/Yes)、残留振動を検知してノズル状態を識別する処理が実行される(S2004)。S2002における吐出動作が、残留振動検出用波形データ158に係るものでなければ(S2003/No)、ノズル状態識別処理は実行されない。
その後、印字処理が終了したか否かの判定処理が実行され(S2005)、印字処理が終了していなければ(S2005/No)、処理を変換処理(S2001)に戻して印刷処理の続きを実行する。印字処理が終了していれば(S2005/Yes)、印刷処理を終了する。
[変換処理の詳細]
S2002における変換処理の詳細について、図21のフローチャートを用いて説明する。まず、印刷処理に係る印字データが印字データ格納部231に格納されるので、その印字データに基づいて駆動波形データ格納部232に格納されている駆動波形データを参照する(S2101)。駆動波形データの参照は、複数の駆動周期分について、一度に実行する。
次に、S2101において参照された複数の駆動波形データに基づいて、変換対象範囲決定部221における変換対象範囲決定処理が実行される(S2102)。S2102において、駆動波形データに対する変換処理の駆動タイミング151(図15参照)の数が決定する。
次に、決定した変換対象範囲における駆動波形データの羅列のパターンに基づいて変換候補であるか否かの判定処理が変換候補特定部222において実行される(S2103)。
判定対象となった駆動波形データのパターンが変換候補であれば(S2103/Yes)、次に、当該変換候補は変換タイミングであるか否かを判定する判定処理が変換タイミング制御部223において実行される(S2104)。
ここで変換タイミングであれば(S2104/YES)、波形データ変換部224において波形変換処理が実行される(S2105)。その後、変換処理は終了し、後段の吐出処理(S2002)において、変換された残留振動検出用波形データ158が駆動波形生成部171に送られて吐出動作が実行される。
S2103において、判定対象となった駆動波形データのパターンが変換候補でなければ(S2103/No)、変換処理は終了する。また、S2104において変換タイミングでなければ(S2104/No)、変換処理は終了する。この場合、後段の吐出処理(S2002)において、吐出駆動波形データ155および制振波形データ156または微駆動用波形データ157が駆動波形生成部171に送られて、これらによる吐出動作が実行される。
以上説明した本実施形態によれば、印字中にけるノズル状態の識別処理を駆動波形の印加パターンに基づいて適切なタイミングにおいて実行することができる。また、駆動波形の印加パターンに基づいて適切な駆動周期の範囲において残留振動を検知してノズル状態の識別処理を実行することができる。これによって、印字中にノズル状態の識別処理を実行する時間を設けることなく、かつ、インクの消費量を増大させることなく、高精度の残留振動検出を行うことができる。
1 インクジェット記録装置
11 インクジェット記録装置本体
12 記録媒体供給部
13 記録媒体回収部
15 ヘッド部
16 ケーブル部
17 ヘッド駆動制御回路
18 記憶メモリ
19 駆動制御基板コネクタ
20 ヘッド側コネクタ
21 残留振動検出モジュール
22 ヘッド基板
23 インクタンク
24 ヘッド駆動IC基板
25 剛性プレート
26 駆動制御IC
27 駆動波形生成IC
29 ノズル面
30 ノズル
31 ノズルプレート
32 個別圧力発生室
33 圧力室プレート
34 リストリクタ
35 リストリクタプレート
36 振動板
37 フィルタ
38 ダイアフラムプレート
39 共通インク流路
41 インク導入パイプ
42 ピエゾ素子
43 ピエゾ素子支持基板
45 電極パッド
46 ピエゾ素子群
44 ピエゾ素子駆動IC
59 DA変換器
60 ピエゾ素子駆動部
61 電圧増幅部
62 電流増幅部
111 記録媒体
112 規制ガイド
113 インフィード部
114 ダンサローラ
116 蛇行量検出器
117 インクジェット記録ヘッド
118 プラテン
119 回復モジュール
120 乾燥モジュール
121 アウトフィード部
122 プラー
151 駆動タイミング
152 印加タイミング
155 吐出駆動波形データ
156 制振波形データ
157 微駆動用波形データ
158 残留振動検出用波形データ
159 変換対象範囲
170 ヘッド駆動部
171 駆動波形生成部
200 ヘッド制御部
210 ピエゾ電圧検出部
211 切り替え部
212 増幅部
213 リセット部
214 AD変換部
215 基準波形生成部
220 制御部
221 変換対象範囲決定部
222 変換候補特定部
223 変換タイミング制御部
224 波形データ変換部
230 記憶部
231 印字データ格納部
232 駆動波形データ格納部
233 残留振動検出用波形データ格納部
301 領域
420 ピエゾ素子部
特開2016−160354号公報

Claims (14)

  1. 駆動波形に応じて液体を吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記駆動波形を駆動波形データから生成する駆動波形生成部と、
    前記駆動波形生成部に前記駆動波形データを送信する制御部と、
    前記駆動波形データと、前記駆動波形データに関連付けられている駆動元データと、を記憶する記憶部と、
    前記駆動波形に応じて液体の吐出動作を実行するノズル部と、
    前記ノズル部において前記吐出動作の後に発生する残留振動を検知する残留振動検出部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記駆動元データに基づいて特定される駆動波形データの羅列のパターンを取得し、当該駆動波形データを特定駆動波形データに変換する対象範囲を決定する変換対象範囲決定部と、
    前記対象範囲に含まれる駆動波形データにおける変換処理の候補である変換候補を特定する変換候補特定部と、
    前記変換候補に対する変換処理の実行タイミングを制御する変換タイミング制御部と、
    前記実行タイミングに相当する前記変換候補に係る前記駆動波形データを特定駆動波形データに変換して前記駆動波形生成部に送信する波形データ変換部と、を含み、
    前記変換対象範囲決定部は、
    前記駆動波形データに基づく前記駆動波形により生ずる残留振動の存続時間と、前記駆動波形データに基づく駆動周期との対比により、対象範囲を決定する、
    ことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記変換候補特定部は、
    前記対象範囲に相当する前記駆動周期に対応する前記駆動波形データと参照し、当該駆動波形データを複数の前記駆動周期において並べた波形パターンに基づいて前記変換候補を特定する、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記変換候補特定部は、
    前記波形パターンにおいて、前記液体を吐出する駆動波形データに続く次の駆動周期に係る駆動波形データが前記液体の吐出を伴わない駆動波形データであるとき、当該駆動波形データを前記変換候補として特定する、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記変換タイミング制御部は、
    前記変換処理が実行された後の経過時間に応じて、前記変換候補に係る前記駆動波形データの変換を実行するように前記波形データ変換部の動作を制御する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記制御部は、前記特定駆動波形データに基づいて発生する前記残留振動の検知が終了した後に、前記残留振動を抑える波形データを前記駆動波形生成部に送信する、請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記駆動波形データは、吐出駆動波形データと制振波形データの組み合わせ又は微駆動用波形データから構成される波形データであり、
    前記特定駆動波形データは、吐出駆動波形データのみから構成される波形データである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記駆動波形データと前記特定駆動波形データにより生成される駆動電圧は、それぞれを用いて実行される吐出動作において液体の吐出量及び滴速度は同じである、請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記記憶部は、前記残留振動検出部における前記ノズル部のそれぞれにおけるノズル状態の検知結果を記憶する残留振動データ格納部を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記残留振動検出部は、前記残留振動を検出する前記ノズル部を選択する切り替え部を含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記残留振動検出部は、前記残留振動を検出する前記ノズル部のそれぞれに対応するように設けられている、請求項1乃至のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記液体の吐出動作は、前記駆動波形に応じて動作する圧電素子による、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の液体吐出ヘッド。
  12. 駆動波形に応じて液体を吐出する液体吐出ヘッドを備える液体吐出装置であって、
    前記駆動波形を駆動波形データから生成する駆動波形生成部と、
    前記駆動波形生成部に前記駆動波形データを送信する制御部と、
    前記駆動波形データと、前記駆動波形データに関連付けられている駆動元データと、を記憶する記憶部と、
    前記駆動波形に応じて液体の吐出動作を実行するノズル部と、
    前記ノズル部において前記吐出動作の後に発生する残留振動を検知する残留振動検出部と、を有し、
    前記制御部は、
    前記駆動元データに基づいて特定される駆動波形データの羅列のパターンを取得し、当該駆動波形データを特定駆動波形データに変換する対象範囲を決定する変換対象範囲決定部と、
    前記対象範囲に含まれる駆動波形データに対する変換処理の候補である変換候補を特定する変換候補特定部と、
    前記変換候補に対する変換処理の実行タイミングを制御する変換タイミング制御部と、
    前記実行タイミングに相当する前記変換候補に係る前記駆動波形データを特定駆動波形データに変換して前記駆動波形生成部に送信する波形データ変換部と、を含み、
    前記変換対象範囲決定部は、
    前記駆動波形データに基づく前記駆動波形により生ずる残留振動の存続時間と、前記駆動波形データに基づく駆動周期との対比により、対象範囲を決定する、
    ことを特徴とする液体吐出装置。
  13. 駆動元データに基づいて、当該駆動元データに関連付けられている駆動波形データを参照し、当該駆動波形データから駆動波形を生成し、前記駆動波形を液体吐出ヘッドに印加することで、液体を当該駆動波形に応じて吐出する液体吐出ヘッドにおける残留振動検出方法であって、
    前記駆動元データに基づいて特定される駆動波形データの羅列のパターンを取得し、
    当該駆動波形データを特定駆動波形データに変換する対象範囲を、当該駆動波形データに基づく前記駆動波形により生ずる残留振動の存続時間と当該駆動波形データに基づく駆動周期との対比により決定し、
    前記対象範囲に含まれる駆動波形データに対する変換処理の候補である変換候補を特定し、
    前記変換候補に対する変換処理の実行タイミングを制御し、
    前記実行タイミングに相当する前記変換候補に係る前記駆動波形データを特定駆動波形データに変換する、ことを特徴とする液体吐出ヘッドの残留振動検出方法。
  14. 駆動波形に応じて液体を吐出するノズル部と、前記駆動波形を駆動波形データから生成する駆動波形生成部と、前記駆動波形生成部に前記駆動波形データを送信する制御部と、前記駆動波形データと、前記駆動波形データに関連付けられている駆動元データと、を記憶する記憶部と、前記駆動波形に応じて液体の吐出動作を実行するノズル部と、前記ノズル部において前記吐出動作の後に発生する残留振動を検知する残留振動検出部と、を有する液体吐出ヘッドの制御プログラムであって、
    前記制御部において、
    前記駆動元データに基づいて特定される駆動波形データの羅列のパターンを取得し、当該駆動波形データを特定駆動波形データに変換する対象範囲を、当該駆動波形データに基づく前記駆動波形により生ずる残留振動の存続時間と当該駆動波形データに基づく駆動周期との対比により決定する変換対象範囲決定手段と、
    前記対象範囲に含まれる駆動波形データに対する変換処理の候補である変換候補を特定する変換候補特定手段と、
    前記変換候補に対する変換処理の実行タイミングを制御する変換タイミング制御手段と、
    前記実行タイミングに相当する前記変換候補に係る前記駆動波形データを特定駆動波形データに変換して前記駆動波形生成部に送信する波形データ変換手段と、を実行させることを特徴とする制御プログラム。
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