[第1実施例]
図1はこの発明の情報処理システム10の構成の一例を示す図である。
図1を参照して、この発明の第1実施例である情報処理システム10は、画像形成装置12および電話機14を含む。画像形成装置12は、電話回線16を介して電話機14に接続される。また、画像形成装置12は、電話回線16および回線交換機18を介して、PSTN(Public Switched Telephone Networks;公衆交換電話網)20などの公衆通信回線に接続される。つまり、電話機14は、画像形成装置12および回線交換機18を介して、公衆交換電話網20に接続される。また、回線交換機18は、電話回線16に所定の電圧(たとえば50V)を印加する。なお、図示は省略するが、公衆交換電話網20には、他の電話機および他のファクシミリ装置などの他の端末が接続される。
電話機14は、電話機本体およびハンドセットを含む。電話機本体は、操作部、フックスイッチおよび制御回路などを含む。操作部は、発呼時に操作するダイヤルボタンなどを含む。フックスイッチは、電話機本体におけるハンドセットが載置される載置部に設けられる。このフックスイッチは、ハンドセットの状態、すなわちオンフック状態(ハンドセットが置かれた状態)であるか、オフフック状態(ハンドセットが持上げられた状態)であるかを検出するためのスイッチである。制御回路は、スピーチ回路、DTMFジェネレータおよびリンガー回路などを含む。スピーチ回路は、フックスイッチを介して電話回線16に接続される。このスピーチ回路は、電話回線16から受信した信号および電話回線16に送出する信号を切り換える。DTMFジェネレータは、発呼時に電話回線16に送出するDTMF信号を発生して出力する。リンガー回路は、電話機本体を鳴動させてベル音を出力させるためのリンガー信号を生成する。ハンドセットは、受話器(スピーカ)および送話器(マイクロフォン)を備え、通話に用いられる。
電話機14の機能を簡単に説明する。電話をかけるとき(発信時)には、ユーザはハンドセットを持ち上げてオフフック状態とし、相手の電話番号を操作部のダイヤルボタンを用いて入力する。DTMFジェネレータは、入力された電話番号に対応するDTMF信号を発生する。このDTMF信号は、スピーチ回路およびフックスイッチを介して電話回路に送出される。
電話がかかってきたとき(着信時)には、回線交換機18からの呼出信号を受信し、リンガー回路を駆動して呼出しベル音を出力する。この呼出しベル音を聞いたユーザがハンドセットを取上げることによって着信し、相手の電話機との回線が接続され、通話を行うことができる。
画像形成装置12は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを備えるMFP(Multifunction Peripheral)である。ただし、画像形成装置12は、MFPに限定されない。画像形成装置12は、少なくともファクシミリ機能を備えれば良く、ファクシミリ装置であっても良い。
図2は図1に示す画像形成装置12の電気的な構成を示すブロック図である。図3は情報処理システム10の電気的な構成を示すブロック図である。図2を参照して、画像形成装置12はCPU122を含む。CPU122には、バス120を介して、RAM124、記憶部126、画像読取部128、画像処理部130、画像形成部132、表示装置134、操作部136、符号化復号部138、通信部140、時計部142および電圧検出部144が接続される。
CPU122は、画像形成装置12の全体的な制御を司る。RAM124は、CPU122のワーク領域およびバッファ領域として用いられる。
記憶部126は、たとえばDRAM(Dynamic Random Access Memory)などのデータを書き換え可能な揮発性のメモリである。この記憶部126は、画像読取部128が読み取った読取画像データまたはファクシミリ通信により受信した受信画像データ等のデータを一時的に記憶する。また、記憶部126は、揮発性のメモリに代えて、または揮発性のメモリとともに、マスクROM、HDD、EEPROMまたはフラッシュメモリのような他の不揮発性のメモリを用いても良い。この場合、不揮発性のメモリには、CPU122が画像形成装置12の各部位の動作を制御するための制御プログラムおよびデータ等が適宜記憶される。
画像読取部128は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。この画像読取部128は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく読取画像データが生成される。
画像処理部130は、画像読取部128で読み取った読取画像データからファクシミリ用の送信画像データ304c(図5参照)を生成する。また、画像処理部130は、ファクシミリ通信により受信し、符号化復号部138で復号された受信画像データ304b(図5参照)から画像形成部132で印刷するための印刷データを生成する。
画像形成部132は、汎用のレーザプリンタであり、感光体、帯電器、露光装置、現像装置、転写装置、定着装置などを備え、画像処理部130で処理された印刷データに対応する画像を記録紙(用紙)などに印刷する。たとえば、上記の印刷データは、ファクシミリ通信により受信した受信画像データに応じた印刷データである。ただし、画像形成部132(印刷装置)は、レーザプリンタに代えて、インクジェットプリンタで構成されてもよい。
表示装置134は、液晶ディスプレイなどの汎用のモニタである。表示装置134としては、たとえばLCDやEL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどを用いることができる。表示装置134は、CPU122の指示の下、図示しない表示制御回路によって制御され、文字及び画像等を表示する。表示装置134には、たとえば画像形成装置12を操作するための操作画面、画像形成装置12のステータス(動作状態)および各種のメッセージなどが表示される。
操作部136は、ハードウェアキーおよびタッチパネルなどを含む。ハードウェアキーには、スタートキー、テンキーおよび各種のファンクションキーなどが含まれる。タッチパネルは、表示装置134上に設けられたり、表示装置134と一体的に設けられたりする。また、タッチパネルは、静電容量方式、電磁誘導方式、抵抗膜方式、赤外線方式など、任意の方式のものを用いることができる。タッチパネルが設けられる場合には、表示装置134には、画像形成装置12を操作するためのソフトウェアキーが表示される。ただし、タッチパネルは設けられなくてもよい。
なお、ソフトウェアキーとは、たとえばタッチパネル付きのディスプレイの表示面上にソフトウェア的に再現されたキーのことを言う。これに対して、ハードウェアキーとは、物理的な装置として設けられたキー(ボタン)のことを言う。
図示は省略するが、操作部136は、I/Fを介してCPU122に接続される。I/Fは、操作部136に含まれる各種の操作ボタンの操作入力に応じた操作データをCPU122に出力する。図示は省略するが、タッチパネルが設けられる場合には、I/Fは、タッチパネル制御回路を含む。タッチパネル制御回路は、そのタッチパネルに必要な電圧などを付与するとともに、タッチパネルのタッチ有効範囲内でのタッチ操作(タッチ入力)を検出して、そのタッチ入力の位置を示すタッチ座標データをCPU122に出力する。
ユーザは、操作部136の各種キーを操作することによって、送信先の入力、原稿の読み取り時の解像度の設定および通信結果の確認等の種々の操作を行うことができる。
符号化復号部138は、画像処理部130で生成されたファクシミリ用の送信画像データ304cに対して予め定められた形式の符号化を行う。符号化された送信用の画像データは、記憶部126に一時的に記憶され、CPU122の指示の下、ファクシミリ通信により他の端末に送信される。また、符号化復号部138は、ファクシミリ通信により他の端末から符号化された画像データが受信された場合、その符号化された画像データを復号して元の形式に戻す処理を行う。復号された画像データ(受信画像データ304b)は、画像処理部130によって処理される。
通信部140は、ファクシミリモデム140aおよび網制御部(NCU)140bを含む。ファクシミリモデム140aは、ファクシミリ通信の規格に基づいて、符号化された送信画像データを公衆交換電話網20での伝達に適した形式のアナログ信号に変調すると共に、他のファクシミリ装置からのアナログ信号を復調して受信画像データを取得する。網制御部140bは、公衆交換電話網20の閉結及び開放の回線制御を行うものであり、ファクシミリモデム140aを公衆交換電話網20に接続する。また網制御部140bは、予め定められたファクシミリ通信のプロトコルに従って、画像データ及び制御信号等の送受信を行うと共に、ファクシミリ通信の自動発呼処理及び自動着呼処理を行う。
時計部142は、内蔵電池により動作するクロックジェネレータ等を備えたリアルタイムクロック(RTC)である。RTCは、時間(西暦、月日および時刻(時分秒)を含む)をカウントする時計回路である。時計部142は、CPU122の指示の下、カウントした時間(現在時刻)のデータをCPU122に出力する。また、時計部142は、CPU122の指示に応じて、現在時刻のデータとは別に、計時した時間(経過時間)のデータをCPU122に出力する。CPU122は、時計部142における計時の開始および停止、並びに計時した時間のリセット等を制御する。
電圧検出部144は、図3に示すように、画像形成装置12に内蔵される。この電圧検出部144は、電話回線16のライン間に設けられる。また、電圧検出部144は、CPU122の指示の下、所定の周期で電話回線16のライン間の電圧値を検出し、検出した電圧値のデータを時系列に従って出力する。ただし、電圧検出部144は、網制御部140bに内蔵されていても良い。
なお、図2に示す画像形成装置12の電気的な構成は単なる一例であり、これに限定される必要はない。
このような構成の情報処理システム10では、画像形成装置12と回線交換機18(公衆交換電話網20)との間の電話回線16としては、たとえばモジュラケーブルが用いられる。モジュラケーブルの一方の端部は、回線交換機18に接続され、回線交換機18を介して、公衆交換電話網20に接続される。モジュラケーブルの他方の端部には、モジュラコネクタが設けられる。モジュラケーブルのモジュラコネクタが、画像形成装置12に設けられたモジュラジャック(挿し込み口)に挿し込まれることによって、モジュラケーブルと画像形成装置12とが接続される。
しかしながら、モジュラコネクタがモジュラジャックに適切に挿し込まれていない場合および衝撃などによってモジュラコネクタがモジュラジャックから外れる場合がある。この場合、画像形成装置12は、公衆交換電話網20に接続されない状態(非接続状態)となってしまうので、公衆交換電話網20を利用したファクシミリ通信が実行できなくなる。
このように画像形成装置12と公衆交換電話網20とが接続されない場合には、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態である旨をユーザに報知する必要がある。このためには、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを検出する必要がある。
たとえば、画像形成装置12内の電話回線16のライン間の電圧値に応じて、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを検出することができる。画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になると、画像形成装置12内の電話回線16に回線交換機18から電圧が印加されない状態になるので、画像形成装置12内の電話回線16のライン間の電圧値が低下する。これを利用して、画像形成装置12内の電話回線16のライン間の電圧値が所定の閾値を下回った場合に、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを検出することができる。
しかしながら、画像形成装置12内の電話回線16に電話機14が接続される構成では、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合に、電話機14が有する容量成分によって、画像形成装置12内の電話回線16のライン間の電圧値が緩やかに低下する。ここで、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが適切に接続された状態で、電話機14がオフフック状態となったときにも、画像形成装置12内の電話回線16のライン間の電圧値が低下する。
このため、画像形成装置12内の電話回線16のライン間の電圧値が所定の閾値を下回っただけでは、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることと、電話機14がオフフック状態であることとを判別することができない。
そこで、この第1実施例の画像形成装置12では、電話回線16のライン間の電圧値の時間変化に基づいて、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態かどうかを判断するようにした。つまり、電話回線16のライン間の電圧値の時間変化に基づいて、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることと、電話機14がオフフック状態であることとを判別するようにした。
図4は電話回線16における電圧値の時間変化を示すグラフである。図4に示すように、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが適切に接続された状態で、かつ電話機14がオンフック状態(通常状態)であれば、電話回線16にはほとんど電流が流れない。このため、通常状態における電話回線16のライン間の電圧値は、回線交換機18から印加される電圧値とほぼ同じ50V程度(たとえば49V)である。
画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合には、電話回線16のライン間の電圧値は、緩やかに低下し、所定の時間が経過すると、0Vとなる。画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合に電話回線16のライン間の電圧値が0Vになるまでの時間は、電話機14が有する容量成分の大きさによって変化するが、たとえば30秒〜60秒程度である。
一方、電話機14がオフフック状態になった場合、電話回線16には20mA〜120mA程度の電流が流れる。この場合、回線交換機18の内部抵抗および電話回線16(モジュラケーブル)のインピーダンスなどによって、電話回線16のライン間の電圧値が所定の電圧値まで速やかに低下する。たとえば、電話回線16のライン間の電圧値は、電話機14がオフフック状態になったときから1秒以内に、6〜7V程度まで低下する。ただし、電話回線16のライン間の電圧値は、6〜7V程度まで低下した後、電話機14のオフフック状態が継続される間、6〜7V程度で維持される。
第1実施例の画像形成装置12では、所定の周期で電話回線16のライン間の電圧値が検出される。たとえば、1秒毎に電話回線16のライン間の電圧値が検出される。電話回線16のライン間の電圧値が49V程度であれば、通常状態であると判断される。
電話回線16のライン間の電圧値が通常状態の電圧値よりも低下した場合、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、電話回線16のライン間の電圧値が複数回連続して前回値を下回るかどうかに応じて画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であるか、電話機14がオフフック状態であるかが判断される。
最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、電話回線16のライン間の電圧値が複数回連続して前回値を下回る場合には、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。一方、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、電話回線16のライン間の電圧値が複数回連続して前回値を下回らない場合には、電話機14がオフフック状態であると判断される。
たとえば、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、電話回線16のライン間の電圧値が3回連続して前回値を下回る場合に、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。具体的には、電話回線16のライン間の電圧値が最初に低下したとき(図4に示す0秒の時点)の電話回線16のライン間の電圧値を1回目の電圧値とし、1回目の電圧値を検出したときから1秒後の電話回線16のライン間の電圧値を2回目の電圧値とし、1回目の電圧値を検出したときから2秒後の電話回線16のライン間の電圧値を3回目の電圧値とする。そして、1回目の電圧値よりも、2回目の電圧値が低下しており、かつ、2回目の電圧値よりも、3回目の電圧値が低下している場合に、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。
上述したように、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合には、電話回線16のライン間の電圧値は、30秒〜60秒程度の時間をかけて緩やかに低下する。たとえば、図4に示す例では、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合には、1回目の電圧値が35V程度、2回目の電圧値が30V程度、3回目の電圧値が26V程度である。このように、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合には、電話回線16のライン間の電圧値が3回連続して前回値を下回る。
一方、電話機14がオフフック状態になった場合、電話回線16のライン間の電圧値は、電話機14がオフフック状態になったときから1秒以内に、6〜7V程度まで低下した後、その電圧値が維持される。したがって、電話機14がオフフック状態になった場合には、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、電話回線16のライン間の電圧値が複数回連続して前回値を下回ることがない。
また、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断された場合には、ユーザにその旨が報知される。たとえば、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを示すメッセージなどが表示装置134に表示される。ただし、画像形成装置12がスピーカを備える場合には、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを示す警告音(メロディー音)またはそのことを示すメッセージの合成音声をスピーカから出力するようにしてもよい。また、画像形成装置12がエラー発生時に点灯または点滅する警告ランプを備える場合には、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断された場合に、警告ランプを点灯または点滅させても良い。さらに、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを示すメッセージを画像形成部132で用紙に印刷しても良い。なお、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを示すことに加えて、モジュラケーブルの接続状態の確認を促すようにしても良い。
画像形成装置12の上記のような動作は、CPU122がRAM124に記憶された制御プログラムを実行することによって実現される。具体的な処理については、後でフロー図を用いて説明する。
図5は図2に示したRAM124のメモリマップ300の一例を示す図解図である。図5に示すように、RAM124は、プログラム記憶領域302およびデータ記憶領域304を含む。RAM124のプログラム記憶領域302には、上述したように、画像形成装置12の制御プログラムが記憶される。制御プログラムは、通信プログラム302a、操作検出プログラム302b、電圧検出プログラム302c、判定プログラム302d、報知プログラム302e、画像読取プログラム302f、画像形成プログラム302gおよび送受信プログラム302hを含む。
通信プログラム302aは、電話回線16および公衆交換電話網20を介して、ファクシミリ装置等の他の端末と通信するためのプログラムである。
操作検出プログラム302bは、操作部136に含まれる操作ボタンおよびタッチパネルによるユーザの操作入力を検出するためのプログラムである。CPU122は、操作検出プログラム302bに従って、ユーザが操作ボタンを操作したことによる操作データないし操作信号を検出したり、タッチパネルを操作したことにより入力されるタッチ座標データを検出したりする。
電圧検出プログラム302cは、電圧検出部144を制御して、電話回線16のライン間の電圧値を検出するためのプログラムである。ただし、電話回線16のライン間の電圧値は、所定の周期(たとえば1秒)で検出される。電話回線16のライン間の電圧値を検出するタイミングは、時計部142から出力される現在時刻のデータに応じて制御される。
判定プログラム302dは、電圧検出プログラム302cに従って検出された電話回線16のライン間の電圧値の時間変化に応じて、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であるか、電話機14がオフフック状態であるかを判定するためのプログラムである。
報知プログラム302eは、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断された場合に、ユーザにその旨を報知するためのプログラムである。
画像読取プログラム302fは、画像読取部128を制御して、原稿の画像を読み取り、読み取った画像に対応する画像信号(送信画像)を出力するためのプログラムである。
画像形成プログラム302gは、画像形成部132を制御して、受信画像データ304bに応じて多色または単色の印刷画像を用紙に印刷するためのプログラムである。
送受信プログラム302hは、他の端末に送信画像データ304cを送信したり、他の端末から送信された受信画像データ304bを受信したりするためのプログラムである。ただし、データを送受信する場合には、通信プログラム302aに従って通信処理が実行される。また、送受信プログラム302hは、符号化復号部138を制御して、送信画像データ304cを符号化したり、符号化された画像データを復号したりするためのプログラムでもある。
なお、図示は省略するが、プログラム記憶領域302には、画像形成装置12の各種の機能を選択および実行するためのプログラムなども記憶される。
RAM124のデータ記憶領域304には、操作検出データ304a、受信画像データ304b、送信画像データ304cおよび電圧値データ304dなどが記憶される。
操作検出データ304aは、操作検出プログラム302bに従って検出された操作データまたは/およびタッチ座標データを含む操作入力データである。
受信画像データ304bは、ファクシミリ通信により受信し、符号化復号部138で復号された画像データである。
送信画像データ304cは、画像処理部130で生成された送信用の画像データである。
電圧値データ304dは、電圧検出プログラム302cに従って取得された電圧値を示すデータである。また、電圧値データ304dは、時系列に従って記憶される。
なお、図示は省略するが、データ記憶領域304には、その他の制御プログラムの実行に必要なレジスタが設けられたり、制御プログラムの実行に必要な他のデータが記憶されたりする。
図6は画像形成装置12の検出処理の一例を示すフロー図である。この検出処理は、画像形成装置12の主電源がオンされたり、画像形成装置12がスタンバイ状態(省電力モード)から復帰されたりしたときに開始される。図6に示すように、CPU122は、検出処理を開始すると、ステップS1で、電話回線16のライン間の電圧値(1回目の電圧値)を検出し、ステップS3で、電話回線16のライン間の電圧値が低下したかどうかを判断する。ここでは、1回目の電圧値が、通常状態の電圧値を下回るかどうかを判断する。ステップS3で“NO”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が低下していない場合は、ステップS5で、所定時間待機して、ステップS1に戻る。ただし、所定時間とは、電話回線16のライン間の電圧値が検出される周期に応じた時間であり、第1実施例では1秒である。以下、所定時間待機する場合は同様である。
一方、ステップS3で“YES”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が低下した場合は、ステップS7で、所定時間待機して、ステップS9で、電話回線16のライン間の電圧値(2回目の電圧値)を検出する。続いて、ステップS11で、電話回線16のライン間の電圧値が低下したかどうかを判断する。ここでは、2回目の電圧値が、1回目の電圧値を下回るかどうかを判断する。ステップS11で“NO”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が低下していない場合は、ステップS13に進む。
一方、ステップS11で“YES”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が低下した場合は、ステップS15で、所定時間待機して、ステップS17で、電話回線16のライン間の電圧値(3回目の電圧値)を検出する。続いて、ステップS19で、電話回線16のライン間の電圧値が低下したかどうかを判断する。ここでは、3回目の電圧値が、2回目の電圧値を下回るかどうかを判断する。ステップS19で“NO”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が低下していない場合は、ステップS9に進む。ステップS13では、オフフックを検出して、ステップS25に進む。
一方、ステップS19で“YES”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が低下した場合は、ステップS21で、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを検出して、ステップS23で、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態である旨をユーザに報知して、ステップS25に進む。
ステップS25では、検出処理を終了するかどうかを判断する。検出処理は、画像形成装置12の主電源がオフされたり、画像形成装置12が省電力モードに遷移されたりした場合に終了する。ステップS25で“NO”であれば、つまり、検出処理を終了しない場合は、ステップS1に戻る。一方、ステップS25で“YES”であれば、検出処理を終了する。
この第1実施例によれば、電話回線16のライン間の電圧値の時間変化に応じて、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることと、電話機14がオフフック状態であることとを判別するので、簡単な構成で、通信回線が非接続状態であることを検出することができる。
また、第1実施例によれば、電話回線16のライン間の電圧値が複数回連続して前回値を下回る場合に、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを検出するので、電話機14がオフフック状態であることと、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることとを適切に判別することができる。
なお、第1実施例では、1秒毎に電話回線16のライン間の電圧値が検出されるようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、0.5秒〜5秒毎に電話回線16のライン間の電圧値が検出されるようにしても良い。ただし、電話回線16のライン間の電圧値を検出する周期を1秒よりも短くする場合には、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であるかどうかを判断するにあたって、電話機14がオフフック状態になったときに電圧値が所定の電圧値まで低下するのにかかる時間(たとえば1秒)よりも、長い時間に亘って電圧値が低下したかどうかを検出する必要がある。このため、電話回線16のライン間の電圧値を検出する周期を0.5秒とする場合には、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、電話回線16のライン間の電圧値が4回以上連続して前回値を下回る場合に、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断されるようにすれば良い。
[第2実施例]
第2実施例の画像形成装置12は、閾値を使用して、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断するようにした以外は、第1実施例の画像形成装置12と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
図7は第2実施例の電話回線16における電圧値の時間変化を示すグラフである。
図7に示すように、第2実施例では、第1閾値が使用される。第1閾値は、電話機14がオフフック状態になった場合よりも緩やかに低下し、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合よりも速やかに低下する仮想的な電圧値に対応する。この第1閾値は、予め実験等によって経験的に設定される。たとえば、市販の電話機のうち、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合に最も速やかに電圧値が低下する電話機における、電圧値の時間変化に応じて設定される。ただし、第1閾値は、電圧値を検出する際の誤差などを考慮して、最も速やかに電圧値が低下する電話機の実際の電圧値よりも低く設定される。
また、第1閾値は、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときを基準に設定される。そして、第2実施例では、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、所定時間(たとえば2秒)経過後の電話回線16のライン間の電圧値(判定用の電圧値)が第1閾値以上である場合には、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。一方、2回目の電圧値が第1閾値未満である場合には、電話機14がオフフック状態であると判断される。
図7に示す例では、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、所定時間経過後の電話回線16のライン間の電圧値は、26V程度である。このとき、第1閾値は、16V程度である。したがって、所定時間経過後の電話回線16のライン間の電圧値は、第1閾値以上であるので、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。
以下、フロー図を用いて、第2実施例における画像形成装置12の検出処理について説明するが、第1実施例で説明した検出処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
図8は第2実施例における検出処理の一例を示すフロー図である。図8に示すように、CPU122は、検出処理を開始すると、ステップS3で“YES”であれば、ステップS31で、所定時間待機して、ステップS33に進む。ステップS31では、たとえば2秒間待機する。ただし、待機するとは、上述した電話回線16のライン間の電圧値が検出される周期を変更するわけでは無く、待機中に検出された電話回線16のライン間の電圧値を参照(使用)しないことを意味する。
続いて、ステップS33では、判定用の電圧値を検出する。続いて、ステップS35で、判定用の電圧値が第1閾値以上かどうかを判断する。ステップS35で“YES”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が第1閾値以上であれば、ステップS21に進み、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを検出する。一方、ステップS35で“NO”であれば、つまり、電話回線16のライン間の電圧値が第1閾値未満であれば、ステップS13で、オフフックを検出する。
なお、ステップS5までの処理およびステップS21以降の処理の内容については、第1実施例と同じであるので説明を省略する。
この第2実施例によれば、電話機14がオフフック状態になった場合よりも緩やかに低下し、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合よりも速やかに低下する仮想的な電圧値である第1閾値を使用するので、電話機14がオフフック状態であることと、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることとを適切に判別することができる。
なお、第2実施例では、判定用の電圧値として、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから2秒後の電圧値を用いるようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、判定用の電圧値として、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから1.5秒後〜5秒後の電圧値を用いることができる。ただし、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから判定用の電圧値を検出するまでの時間は、少なくとも、電話機14がオフフック状態になった場合に電圧値が所定の電圧値まで低下するのにかかる時間よりも長く設定する必要がある。
[第3実施例]
第3実施例の画像形成装置12は、2つの閾値を使用して、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断するようにした以外は、第2実施例の画像形成装置12と同じであるため、第2実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
図9は第3実施例の電話回線16における電圧値の時間変化を示すグラフである。
図9に示すように、第3実施例では、第1閾値および第2閾値が使用される。なお、第1閾値は、第2実施例と同じであるので説明を省略する。
第2閾値は、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合よりも電圧値が緩やかに低下する場合を示す仮想的な曲線である。この第2閾値は、予め実験等によって経験的に設定される。たとえば、市販の電話機のうち、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合に最も緩やかに電圧値が低下する電話機における、電圧値の時間変化に応じて設定される。ただし、第2閾値は、電圧値を検出する際の誤差を考慮して、最も緩やかに電圧値が低下する電話機の実際の電圧値よりも高く設定される。
また、第2閾値は、第1閾値と同様に、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときを基準に設定される。そして、第3実施例では、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、所定時間(たとえば2秒)経過後の電話回線16のライン間の電圧値(判定用の電圧値)が第1閾値以上であって、第2閾値以下である場合には、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。つまり、判定用の電圧値が、第1閾値および第2閾値の間である場合に、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。一方、2回目の電圧値が第1閾値よりも低い場合には、電話機14がオフフック状態であると判断される。また、2回目の電圧値が第2閾値よりも高い場合には、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したことが、電圧値の検出誤差またはノイズなどによるものであると判断する。
図9に示す例では、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合、最初に電話回線16のライン間の電圧値が低下したときから、所定時間経過後の電話回線16のライン間の電圧値は、26V程度である。このとき、第1閾値は16V程度であり、第2閾値は35V程度である。したがって、所定時間経過後の電話回線16のライン間の電圧値は、第1閾値および第2閾値の間であるので、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であると判断される。
以下、フロー図を用いて、第3実施例における画像形成装置12の検出処理について説明するが、第2実施例で説明した検出処理と同じ処理については同じ参照符号を付し、重複した内容については、説明を省略するまたは簡単に説明することにする。
図10は第3実施例における検出処理の一例を示すフロー図である。図10に示すように、CPU122は、検出処理を開始すると、ステップS35で“YES”であれば、ステップS51で、ステップS33で検出した判定用の電圧値が第2閾値以下かどうかを判断する。ステップS51で“YES”であれば、つまり、ステップS33で検出した判定用の電圧値が第2閾値以下の場合は、ステップS21に進み、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを検出する。一方、ステップS33で検出した判定用の電圧値が第2閾値よりも高い場合には、ステップS21およびS23を経ずにステップS25に進む。
なお、ステップS33までの処理およびステップS21以降の処理の内容については、第2実施例と同じであるので説明を省略する。
この第3実施例によれば、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態になった場合よりも電圧値が緩やかに低下する場合を示す仮想的な曲線である第2閾値を使用するので、電圧値の検出誤差またはノイズなどと、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることを適切に判別することができる。
なお、上述の実施例で挙げた具体的な数値、構成等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
また、上述の実施例では、CPU122が、電話回線16のライン間の電圧値の時間変化に基づいて、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることと、電話機14がオフフック状態であることとを判別するようにしたが、これに限定される必要は無い。CPU122に代わって、網制御部140bが、電話回線16のライン間の電圧値の時間変化に基づいて、画像形成装置12と公衆交換電話網20とが非接続状態であることと、電話機14がオフフック状態であることとを判別するようにしても良い。