以下に添付図面を参照して、情報処理装置、画像形成システム、制御方法、及びプログラムの実施形態を詳細に説明する。以下の実施形態によって本発明が限定されるものではなく、以下の実施形態における構成要素には当業者が容易に想到できるもの、実質的に同一のもの、及びいわゆる均等の範囲のものが含まれる。以下の実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換、変更、及び組み合わせを行うことができる。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る画像形成システム1の全体構成例を示す図である。画像形成システム1は、DFE(Digital Front End)11(情報処理装置)、画像形成装置12、印刷物測定装置13、及び排紙装置14を含む。
DFE11は、プリントサーバであり、画像形成装置12、印刷物測定装置13、及び排紙装置14を制御するための各種処理を行う。DFE11は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、インターフェース等を含むコンピュータであり、記憶装置に記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。DFE11は、適宜なコンピュータネットワークを介して画像形成装置12と接続しており、印刷データ、設定情報等を画像形成装置12に送信する。
画像形成装置12は、DFE11から受信した印刷データ、設定情報等に基づいて、印刷用紙上に画像を形成する。画像形成装置12の具体的形態は特に限定されるものではないが、例えば複写機、プリンタ、複合機等であり得る。本実施形態に係る画像形成装置12は、電子写真プロセスを利用してカラー印刷が可能なものであり、給紙部21、画像形成部22、一次転写部23、二次転写部24、及び定着部25を含む。
給紙部21は、印刷用紙20を二次転写部24へ送り出す機構である。給紙部21は、複数の印刷用紙20を収納する給紙トレイ27、給紙トレイ27内の印刷用紙20を順次二次転写部24へ送り出す給紙ローラ26等を含む。
画像形成部22は、電子写真プロセスによりC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のトナーを用いてトナー像を形成する機構である。画像形成部22は、適宜な動力を受けて回転する筒状の感光体31、感光体31の表面を一様に帯電させる帯電装置32、帯電された感光体31の表面にレーザ光を照射して静電潜像を形成する光書込み装置33、及び感光体31の表面に形成された静電潜像にCMYK各色のトナーを付着させる現像装置34C,34M,34Y,34Kを含む。各現像装置34C,34M,34Y,34Kは、各色のトナーが収納されたカートリッジ、各カートリッジ内のトナーを静電潜像に付着させるローラ等を含む。
一次転写部23は、各感光体31に形成されたトナー像を一次転写ベルト41に転写させる機構である。一次転写ベルト41は、無端状のベルト部材であり、駆動ローラ42、従動ローラ43、一次転写ローラ44、及び二次転写バックアップローラ45に巻回され、駆動ローラ42の駆動力により回転される。一次転写ローラ44が一次転写ベルト41を感光体31に接触させることにより、感光体31の表面に形成されたトナー像が一次転写ベルト41に転写される。
二次転写部24は、一次転写ベルト41上のトナー像を印刷用紙20に転写させる機構である。二次転写部24は、給紙部21から送られてきた印刷用紙20を定着装置25側に搬送する二次転写ベルト51を含む。二次転写ベルト51は、駆動ローラ52と従動ローラ53とに巻回された無端状のベルト部材であり、駆動ローラ52及び二次転写バックアップローラ45により、一次転写ベルト41に圧接しながら回転する。印刷用紙20が二次転写ベルト51と一次転写ベルト41との間を通過する際に、一次転写ベルト41上のトナー像が印刷用紙20に転写される。
定着部25は、トナー像が転写された印刷用紙20を加熱及び加圧することにより、印刷用紙20上にトナー像を定着させる機構である。定着部25は、二次転写部24から搬送されてきた印刷用紙20を加熱しながら加圧する複数のローラ等を含む。
印刷物測定装置13は、画像形成装置12から送られてきた印刷用紙20(印刷物)上の画像を読み取り、画像の濃度を示す濃度情報を取得する読取部61を含む。読取部61の具体的な構成は特に限定されるべきものではなく、公知又は新規なイメージ読取方法が利用され得る。濃度情報の取得方法は特に限定されるべきものではないが、本実施形態に係る読取部61は、印刷用紙20上の画像のRGB濃度値を測定する。
排紙装置14は、濃度の測定が完了した印刷用紙20を排紙トレイ65に排出する。印刷用紙20の排出方法は特に限定されるべきものではないが、例えば、複数の印刷用紙20を印刷ジョブ毎に分けて排出してもよい。
図2は、第1の実施形態に係る画像形成システム1の機能構成例を示すブロック図である。図2に示すブロック図には、各機能ブロック間におけるデータの移行を示すデータ線、制御信号の移行を示す制御線、及び印刷用紙20の搬送経路を示す搬送路線が記載されている。
DFE11は、印刷を実行するために必要な各種処理を行う制御部101を含む。制御部101は、印刷データの生成、印刷スケジュールの設定(調整)等に関する処理を行う。
画像形成装置12は、プリンタエンジン121、プリンタコントローラ122、補正部123、及び印刷画像処理部124を含む。
プリンタエンジン121は、印刷用紙20上に画像を形成する部分であり、画像形成部22、一次転写部23、二次転写部24、定着部25、及びプロセス制御部135を含む。プロセス制御部135は、画像形成部22、一次転写部23、二次転写部24、定着部25、給紙部21等の各動作を制御するための処理を行い、CPU、当該CPUを制御するプログラムを格納したメモリ等を利用して構成される。本実施形態に係るプロセス制御部135は、濃度補正を実現又は補助するために、画像形成部22、一次転写部23、二次転写部24、定着部25、及び給紙部21のうちの少なくとも1つの動作を調整する。
プリンタコントローラ122は、画像形成装置12全体を制御するための処理を行う電子制御ユニットであり、印刷制御部131を含む。印刷制御部131は、印刷に関する各種処理を行い、CPU、当該CPUを制御するプログラムを格納したメモリ等を利用して構成される。
補正部123は、DFE11から印刷データを取得し、取得した印刷データに対して必要に応じて濃度補正処理を行う。補正部123は、CPU、当該CPUを制御するプログラムを格納したメモリ等を利用して構成される。
印刷画像処理部124は、補正部123から取得した補正後の印刷データ(補正が行われなかった場合には元の印刷データ)に対してディザ処理を行い、プリンタエンジン121が画像を形成する際に利用する印刷イメージデータを生成する。印刷画像処理部124は、CPU、当該CPUを制御するプログラムを格納したメモリ等を利用して構成される。
印刷物測定装置13は、読取部61、測定装置制御部141、及び画像比較処理部142を含む。測定装置制御部141は、印刷物測定装置13全体を制御するための各種処理を行い、CPU、当該CPUを制御するプログラムを格納したメモリ等を利用して構成される。
画像比較処理部142は、DFE11から送信された印刷データ(補正されていない印刷データ)が示す理想的な濃度値と、読取部61により読み取られた実際の濃度値とを比較し、濃度の差分値を算出する。画像比較処理部142は、CPU、当該CPUを制御するプログラムを格納したメモリ等を利用して構成される。
排紙装置14は、読取部61により濃度値を読み取られた後の印刷用紙20を排紙トレイ65に排出する。
なお、本実施形態においては、印刷物測定装置13が画像形成装置12とは別体に設けられているが、画像形成装置12が印刷物測定装置13の各機能を備えてもよい。
図3は、第1の実施形態に係るDFE11、画像形成装置12、及び印刷物測定装置13の具体的な機能構成例を示すブロック図である。
DFE11の制御部101は、印刷データ処理部201(生成部)、特定部202、及びスケジュール設定部203(設定部)を含む。
印刷データ処理部201は、PC(Personal Computer)等から入力されるDTP(Desktop Publishing)データ等に対して所定の処理を施し、画像形成装置12が印刷処理を実行できる形式の印刷データ(例えばラスタデータ、ベクタデータ等)を生成する。印刷データは、各印刷用紙20の画像毎(ページ毎)に生成される。印刷データは、各ページの画像において、CMYK各色の理想的な濃度値を示すCMYKデータを含んでいる。
特定部202は、各印刷データ(各ページ)の画像に使用される使用色及び使用されない非使用色を特定し、印刷データ毎に非使用色に関する色情報を生成する。
スケジュール設定部203は、色情報に基づいて複数の印刷データの印刷スケジュールを設定する。
図4は、第1の実施形態に係る印刷データ処理部201、特定部202、及びスケジュール設定部203の具体的な機能構成例を示すブロック図である。印刷データ処理部201は、RIP(Raster Image Processor)部221、記憶部222、及び送信部223を含む。
RIP部221は、DTPデータ等に対してRIP処理を施し、ラスタデータである印刷データ220を生成する。
図5は、第1の実施形態に係る印刷データ220のデータ構造例を示す図である。本実施形態に係る印刷データ220は、ページ(1〜N)毎に生成されている。各印刷データ220は、CMYKデータ及びページ情報を含む。CMYKデータは、各ページの画像におけるCMYK各色についての描画情報(描画位置、濃度等)を示す。ページ情報は、初期ページID、実行ページID、実行フラグ、初期ジョブID、及び実行ジョブIDを含む。
初期ページIDは、ページを特定する識別子であり、印刷データの生成時に昇順に付与される。
実行ページIDは、印刷が実行されること(送信部223により送信されること)が確定した印刷データ(ページ)を特定する識別子である。実行ページIDは、スケジュール設定部203により印刷スケジュールが調整された場合には初期ページIDと異なるものとなるが、印刷スケジュールが調整されなかった場合には初期ページIDと一致する。
実行フラグは、印刷の実行が確定しているページ又は印刷済みのページを示すフラグである。印刷の実行が確定したページの印刷データは、送信部223から画像形成装置12の補正部123及び印刷物測定装置13の画像比較処理部142に送信される。
初期ジョブIDは、対象となるページが属するジョブを特定する識別子であり、印刷データの生成時に昇順に付与される。
実行ジョブIDは、送信部223により送信される印刷データ(ページ)が属するジョブを特定する識別子である。実行ジョブIDは、スケジュール設定部203により印刷スケジュールがジョブ単位で調整された場合には初期ジョブIDと異なるものとなるが、印刷スケジュールが調整されなかった場合には初期ジョブIDと一致する。
記憶部222は、RIP部221により生成された印刷データ220を記憶する。記憶部220は、画像形成装置12及び印刷物測定装置13に送信される印刷データ220を待機させるための記憶領域である送信準備メモリ225を有する。
送信部223は、スケジュール設定部203により設定された印刷スケジュール(実行ページID)に基づいて、送信準備メモリ225に記憶されている印刷データ220と当該印刷データ220に対応する実行ページIDとを、順次画像形成装置12の補正部123及び印刷物測定装置13の画像比較処理部142に送信する。
特定部202は、測定領域判定部231、記憶部232、及び非使用色特定部233を含む。
測定領域判定部231は、各印刷データ220について、濃度測定の対象となる色(画像に使用される使用色)を示す測定領域を判定し、測定領域を示す測定領域情報230を生成する。
図6は、第1の実施形態に係る測定領域情報230のデータ構造例を示す図である。本実施形態に係る測定領域情報230は、色の種類(C版テーブル、M版テーブル、Y版テーブル、及びK版テーブル)と、各色を使用色とする印刷データ220を特定する初期ページIDとが対応付けられた情報である。このような測定領域情報230を参照することにより、各色がどのページで使用され、どのページで使用されないかを特定すること、換言すれば、複数の印刷データ220のそれぞれについて使用色及び非使用色を特定することができる。
上記のような測定領域情報230は、記憶部232に記憶され、RIP部221により新たな印刷データ220が生成される度に更新される。
非使用色特定部233は、記憶部232に記憶された測定領域情報230に基づいて各印刷データ220についての非使用色を特定し、各印刷データ220と非使用色との関係を含む色情報を生成する。
スケジュール設定部203は、特定部202から送信される色情報に基づいて印刷スケジュールを設定する。本実施形態に係るスケジュール設定部203は、複数の画像(ページ)を印刷する際に、非使用色が同一である複数の画像が連続して印刷される回数を示す非使用色連続数が所定値以下となるように、印刷スケジュールを調整する。すなわち、スケジュール設定部203は、初期ページIDの順番に従って印刷を行うと非使用色連続数が所定値より大きくなる場合には、非使用色連続数が所定値以下となるように各ページの印刷順(各印刷データ220の送信順)を調整する。スケジュール設定部203は、このように設定又は調整された印刷スケジュールに従って、送信すべき印刷データを示す実行ページIDを印刷データ処理部201(送信部223)に送信する。
また、スケジュール設定部203は、非使用色連続数が所定値より大きくなる場合であって、非使用色連続数が所定以下となるように印刷スケジュールを調整することができない場合(調整不可時)には、予測補正通知と実行ページIDとを組み合わせた情報を画像形成装置12の補正部123に送信する。調整不可時は、様々な状況で生じ得るものであるが、例えば、ジョブ内に含まれる多数の印刷データの全てがK色のみを使用色とする場合等に生ずる。このような調整不可時には、画像形成装置12において濃度差分値に基づく差分値濃度補正処理を適切に行うことができないため、本実施形態に係るスケジュール設定部203は、補正部123に後述する予測濃度補正処理を実行させるための予測補正通知を送信する。
図3に戻り、画像形成装置12の機能構成例について説明する。画像形成装置12の補正部123は、濃度補正処理部241、予測補正判定部242、及び予測データ記憶部243を含む。
濃度補正処理部241は、DFE11の印刷データ処理部201(送信部223)から送信された印刷データ220に対して濃度補正処理を施し、濃度補正された印刷データを生成する。本実施形態に係る濃度補正処理部241は、印刷物測定装置13から送信された濃度差分値に基づく差分濃度補正処理と、予測データに基づく予測濃度補正処理とを実行する。差分濃度補正処理及び予測濃度補正処理については後述する。
予測補正判定部242は、予測濃度補正処理を実行するか否かを判定する。予測補正判定部242は、印刷データ処理部201から印刷データ220と共に送信された実行ページID(第1の実行ページID)と、スケジュール設定部203から予測補正通知と共に送信された実行ページID(第2の実行ページID)とが一致する場合に、予測濃度補正処理を実行すると判定する。上述したように、予測補正通知は、非使用色連続数が所定値より大きいにもかかわらずスケジュール調整を行うことができない調整不可時に発行されるものである。従って、第1の実行ページIDと第2の実行ページIDとが一致する場合には、予測濃度補正処理を実行するとの判定結果がなされる。予測補正判定部242は、予測濃度補正を実行すると判定された場合には、予測データ送信要求を予測データ記憶部243に出力する。
予測データ記憶部243は、予測濃度補正処理を実行する際に使用される予測データを記憶する。予測データは、適切な濃度差分値を取得することができない場合であっても印刷データ220の濃度補正を可能にするためのデータである。予測データのデータ構造は特に限定されるべきものではないが、例えば、印刷ページ数と各色の濃度補正値の修正量とを対応付けたデータ等であり得る。
図7は、第1の実施形態に係る濃度補正処理部241の具体的な機能構成例を示すブロック図である。濃度補正処理部241は、記憶部251、補正演算部252、及び補正値更新部253を含む。
記憶部251は、印刷データ220に濃度補正を施す際に使用される補正値を記憶し、本実施形態においては、C色を補正するためのC色補正値255、M色を補正するためのM色補正値256、Y色を補正するためのY色補正値257、及びK色を補正するためのK色補正値258を記憶している。C色補正値255、M色補正値256、Y色補正値257、及びK色補正値258の具体的なデータ構造は特に限定されるものではないが、例えば、各色の目標濃度値に加減算される値等であり得る。
補正演算部252は、C色補正値255、M色補正値256、Y色補正値257、及びK色補正値258を用いて印刷データ220の目標濃度値を補正し、補正後の目標濃度値を含む補正印刷データを生成する。
補正値更新部253は、印刷物測定装置13から送信される濃度差分値又は予測データ記憶部243に記憶されている予測データに基づいて、記憶部251に記憶されているC色補正値255、M色補正値256、Y色補正値257、及びK色補正値258を更新する。補正値更新部253は、濃度差分値に基づいて、濃度差分値が小さくなるように各補正値255〜258を更新する。補正値更新部253は、予測データ記憶部243から予測データを受信した場合、すなわち予測濃度補正処理を実行すると判定された場合に、予測データを用いて各補正値255〜258を更新する。
画像形成装置12の印刷画像処理部124(図3参照)は、濃度補正処理部241(補正演算部252)から出力された補正印刷データ又は補正されていない印刷データを受信し、ディザ処理を施すことにより、プリンタエンジン121に印刷処理を実行させるための印刷イメージデータを生成する。
印刷物測定装置13の画像比較処理部142は、読取データ取得部261、読取データ記憶部262、データ変換部263、元データ記憶部264、及び比較部265を含む。
読取データ取得部261は、スキャナ機構等を利用した読取部61により読み取られた印刷用紙20上の画像データを取得する。本実施形態に係る読取画像取得部261は、当該画像データをRGBデータ(読取RGBデータ)として取得する。
読取データ記憶部262は、読取データ取得部261により取得された読取RGBデータを記憶する。
データ変換部263は、DFE11の印刷データ処理部201(送信部223)から送信された印刷データ220(CMYKデータ)をRGBデータに変換する。データ変換部263により変換されたRGBデータ(元RGBデータ)は、元の印刷データ220が示す理想的な濃度情報となる。
元データ記憶部264は、データ変換部263により生成された元RGBデータを記憶する。
比較部265は、読取データ記憶部262に記憶された読取RGBデータと、元データ記憶部264に記憶された元RGBデータとを比較し、濃度差分値を算出する。濃度差分値は、元の印刷データ220(補正されていない印刷データ220)が示す理想的な濃度値と、印刷用紙20上に印刷された画像の実際の濃度との差分(誤差)を示す。
比較部265により算出された濃度差分値は、濃度補正処理部241及びプリンタエンジン121に出力され、濃度補正処理部241による差分濃度補正処理に利用されると共に、プリンタエンジン121によるプロセス補正に利用される。
図8は、第1の実施形態に係る画像形成システム1における処理例を示すフローチャートである。DFE11の印刷データ処理部201(RIP部221)が印刷データ220を生成すると(S101)、スケジュール設定部203は、ページ毎の印刷スケジュールを設定し(S102)、特定部202はページ毎に使用色及び非使用色を特定する(S103)。
その後、スケジュール設定部203は、現在の印刷スケジュール内に非使用色連続数が所定値より大きくなる部分があるか否かを判定する(S104)。非使用色連続数が所定値より大きくなる部分がある場合(S104:Yes)、スケジュール設定部203は、非使用色連続数が所定値以下となるように印刷スケジュールを調整可能か否かを判定する(S105)。印刷スケジュールを調整可能である場合(S105:Yes)、スケジュール設定部203は、非使用色連続数が所定値以下となるように(非使用色連続数が所定値より大きい部分が存在しなくなるように)印刷スケジュールを調整する(S106)。その後、補正値更新部253は、印刷物測定装置13から送信される濃度差分値に基づいて各色の補正値255〜258を更新し(S107)、印刷データ処理部201(送信部223)は、調整後の印刷スケジュールに従って印刷データ220をページ毎に画像形成装置12の濃度補正処理部241に送信する(S109)。
現在の印刷スケジュール内に非使用色連続数が所定値より大きくなる部分がない場合(S104:No)、補正値更新部253は、印刷物測定装置13から送信される濃度差分値に基づいて各色の補正値255〜258を更新し(S107)、印刷データ処理部201(送信部223)は、現在の印刷スケジュールに従って印刷データ220をページ毎に画像形成装置12の濃度補正処理部241に送信する(S109)。
非使用色連続数が所定値より大きくなる部分があり、印刷スケジュールを不調整可能である場合(S105:No)、補正値更新部253は、予測データに基づいて各色の補正値255〜258を更新し(S108)、印刷データ処理部201(送信部223)は、現在の印刷スケジュールに従って印刷データ220をページ毎に画像形成装置12の濃度補正処理部241に送信する(S109)。
その後、濃度補正処理部241は、各色の補正値255〜258に基づいて印刷データ220を補正し(S110)、印刷画像処理部124は、補正後の印刷データ220(補正されなかった場合には元の印刷データ220)に基づいてプリンタエンジン121に印刷を実行させる(S111)。印刷画像処理部124は、全ページを印刷したか否かを判定し(S112)、全ページを印刷していない場合(S112:No)には、ステップS104に戻り、全ページを印刷した場合(S112:Yes)には、本フローを終了する。
図9は、第1の実施形態に係る画像形成システム1における処理例を示すシーケンス図である。DFE11(測定領域判定部231)は、ユーザにより入力されたジョブに含まれる1つ以上の印刷データ220に対して測定領域判定を行い(S1001)、測定領域情報230を生成する。測定領域情報230は、画像比較処理部142に送信され、画像比較処理に利用される。
DFE11(特定部202)は、判定領域情報230に基づいて各ページ(各印刷データ220)の非使用色を特定する。DFE11(スケジュール設定部203)は、当該特定結果に基づいて印刷スケジュールを設定し、非使用色連続数が所定値以下となるように印刷スケジュールを調整する(S1002)。
DFE11(送信部223)は、印刷スケジュールに従って印刷データ220を画像形成装置12の補正部123と印刷物測定装置13の画像比較処理部142とに送信する。また、DFE11(スケジュール設定部203)は、印刷スケジュールを調整できない調整不可時においては、予測補正通知を補正部123に送信する。
補正部123は、受信した印刷データ220に対して濃度補正処理(差分値濃度補正処理又は予測濃度補正処理)を行い(S1003)、補正後の印刷データ220(濃度補正処理が行われなかった場合には元の印刷データ220)を印刷画像処理部124に送信する。また、補正部123の予測補正判定部242は、予測濃度補正処理を実行するか否かを判定する予測補正判定を行う(S1004)。予測濃度補正処理を実行する場合には、補正部123の予測補正判定部242は、予測データ送信要求を予測データ記憶部243に送信し、予測データ記憶部243から予測データを読み出し、予測データに基づいて各色の補正値255〜258を更新する(S1005)。
画像形成装置12の印刷画像処理部124は、補正部123から受信した印刷データ220(補正後の印刷データ220又は元の印刷データ220)に基づいて印刷イメージデータを生成する印刷画像処理を行い(S1006)、印刷イメージデータをプリンタエンジン121に送信する。プリンタエンジン121は、受信した印刷イメージデータに基づいて印刷処理を実行し(S1007)、印刷物(画像が印刷された印刷用紙20)を印刷物測定装置13の読取部61に搬送する。
読取部61は、画像形成装置12のプリンタエンジン121から搬送されてきた印刷物の画像の濃度を読み取る濃度読取処理を行い(S1008)、印刷物の画像の濃度をRGB値で示した読取RGBデータを取得し、読取RGBデータを画像比較処理部142に送信する。濃度読取処理後の印刷物は、ジョブ毎(初期ジョブID毎)に排紙トレイ65に排出される。
画像比較処理部142は、ステップS1002においてDFE11から送信された元の印刷データ220の画像の濃度をRGB値で示した元RGBデータを生成するデータ変換処理を行い(S1009)、読取RGBデータと元RGBデータとを比較して濃度差分値を算出する差分値算出処理を行う(S1010)。このとき、ステップS1001においてDFE11から送信された測定領域情報230が差分値算出処理に利用されてもよい。算出された濃度差分値は、プリンタエンジン121及び補正部123に送信される。プリンタエンジン121は、受信した濃度差分値に基づいて、両RGBデータの差分が小さくなるようにプロセス補正を行う(S1011)。補正部123は、受信した濃度差分値に基づいて、両RGBデータの差分が小さくなるように各色の補正値255〜258を更新する(S1005)。
図10は、第1の実施形態に係る測定領域判定処理の処理例を示すフローチャートである。本フローは、ジョブが投入されたときに起動する。測定領域判定部231は、投入されたジョブ内の各ページ(各印刷データ220)について、濃度測定の対象となる色(画像に使用される使用色)を示す測定領域を判定し(S201)、判定結果に基づいて測定領域情報230を生成又は更新する(S202)。
その後、測定領域判定部231は、ジョブ内の全ページについて判定が終了したか否かを判定し(S203)、判定が終了していない場合(S203:No)には、ステップS201に戻り、判定が終了した場合(S203:Yes)には、測定領域判定処理が行われていない他のジョブが存在するか否かを判定する(S204)。他のジョブが存在する場合(S204:Yes)、ステップS201に戻り、他のジョブが存在しない場合(S204:No)、本フローを終了する。
図11は、第1の実施形態に係る印刷スケジュール調整処理の処理例を示すフローチャートである。本実施形態に係る印刷スケジュール調整処理は、複数のページを印刷する過程において、非使用色連続数が所定値以下となるように、印刷を実行するページを順次確定(実行ページIDを設定)していくものである。
先ず、スケジュール設定部203は、スケジュール調整フラグがセットされているか否かを判定する(S301)。スケジュール調整フラグは、印刷スケジュールをページ単位で調整することが確定したときに設定されるフラグである。スケジュール調整フラグがセットされていない場合(S301:No)、スケジュール設定部203は、複数の印刷データ220の中から初期ページIDの昇順に、実行フラグが設定されていない印刷データ220を検索し、検索された印刷データ220の実行ページIDにページカウンタ値Nを設定し、実行フラグを設定し(S302)、送信準備メモリ225に当該印刷データ220を記憶させる(S303)。ページカウンタ値は、印刷枚数を昇順にカウントする値である。
スケジュール調整フラグがセットされている場合(S301:Yes)、送信準備メモリ225には既に印刷データ220が記憶されているため、スケジュール調整フラグのリセットのみを行い(S304)、下記処理に進む。
スケジュール設定部203は、送信準備メモリ225に記憶された印刷データ220において、測定領域がない色版、すなわち非使用色が存在するか否かを判定する(S305)。測定領域がない色版がある場合(S305:Yes)、当該色版(非使用色)の色版カウンタ値に1を加算し(S306)、設定領域がある色版(使用色)の色版カウンタ値を0に設定する(S307)。色版カウンタ値は、色版毎(本実施形態においてはCMYK各色)に割り当てられ、非使用色に該当する度にインクリメントされる値である。測定領域がない色版(非使用色)が存在しない場合(S305:No)、いずれの色版カウンタ値にも1を加算せず、ステップS307を実行する。
その後、スケジュール設定部203は、いずれかの色版カウンタ値が所定値より大きいか否かを判定する(S308)。いずれかの色版カウンタ値が所定値より大きい場合(S308:Yes)、特定部202は、測定領域情報230に色版カウンタ値が所定値より大きい色版が存在するか否かを判定する(S309)。測定領域情報230に色版カウンタ値が所定値より大きい色版が存在する場合(S309:Yes)、スケジュール設定部203は、実行ページIDのページカウンタ値Nに1を加算し、色版カウンタ値が所定値より大きい印刷データ220に実行フラグを設定し、スケジュール調整フラグを設定し(S310)、当該印刷データ220を送信準備メモリ225に記憶させる(S311)。その後、印刷データ処理部201の送信部223は、送信準備メモリ225内の印刷データ220を補正部123及び画像処理比較部142に送信する(S314)。いずれの色版カウンタ値も所定値より大きくない場合(S308:No)、ステップS309〜S311を実行せずにステップS314を実行する。
測定領域情報230に色版カウンタ値が所定値より大きい色版が存在しない場合(S309:No)、すなわち調整不可時において、スケジュール設定部203は、予測補正通知及び実行ページIDを補正部123の予測補正判定部242に送信し(S312)、予測濃度補正処理により補正される色版の色版カウンタ値を0に設定する(S313)。その後、ステップS314が実行される。
その後、印刷スケジュール設定部203は、ページカウンタ値に1を加算する(S315)。その後、印刷スケジュール設定部203は、全てのジョブの全ての印刷データ220を送信したか否かを判定する(S316)。全てのジョブの全ての印刷データ220を送信していない場合(S316:No)、ステップS301に戻り、全てのジョブの全ての印刷データ220を送信した場合(S316:Yes)、本フローを終了する。
図12は、第1の実施形態に係る予測補正判定処理の処理例を示すフローチャートである。予測補正判定部242は、印刷データ処理部201の送信部223から送信された印刷データ220の実行ページID(第1の実行ページID)と、スケジュール設定部203から予測補正通知と共に送信された実行ページID(第2の実行ページID)とが一致するか否かを判定する(S401)。第1の実行ページIDと第2の実行ページIDとが一致する場合(S401:Yes)、予測補正判定部242は、予測データ送信要求を予測データ記憶部243に送信する(S402)。予測データ記憶部243は、予測データ送信要求を受信すると、予測データを濃度補正処理部241に送信する(S403)。濃度補正処理部241の補正値更新部253は、受信した予測データに基づいて、記憶部251内の各色の補正値255〜258を更新する(S404)。
上記画像形成システム1の機能を実現するプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、メモリカード、CD−R及びDVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータ・プログラム・プロダクトとして提供される。
また、プログラムをインターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成してもよい。また、プログラムをダウンロードさせずにインターネット等のネットワーク経由で提供するように構成してもよい。また、プログラムをROM等の適宜な記憶装置に予め組み込んで提供するように構成してもよい。また、プログラムは上記複数の機能のうちプログラムにより実現可能な機能を含むモジュール構成となっていてもよい。プログラムにより実現される機能は、記憶媒体からプログラムを読み出して実行することによりRAM等の主記憶装置にロードされる。すなわち、プログラムにより実現される機能は主記憶装置上に生成される。
本実施形態に係る画像形成システム1によれば、カラー印刷により複数の印刷物を生成する際に、同一の非使用色が連続しないように印刷スケジュールがページ単位で調整される。これにより、濃度差分値に基づく補正処理(差分値濃度補正処理)を適切に実施することが可能となる。また、印刷スケジュールの調整が不可能な場合には、予測データに基づく補正処理(予測濃度補正処理)を実施することが可能となる。これにより、カラー印刷における濃度補正の精度を向上させることが可能となる。
以下に、他の実施形態について図面を参照して説明するが、第1の実施形態と同一又は同様の作用効果を奏する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
本実施形態は、ジョブ単位で印刷スケジュールを調整する点で第1の実施形態と相違する。
図13は、第2の実施形態に係る印刷データ処理部301、特定部302、及びスケジュール設定部303の具体的な機能構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る特定部302は、ジョブ色版情報生成部333を含む。ジョブ色版情報生成部333は、ジョブ毎にCMYK各色の使用状態を示すジョブ色版情報335を生成する。
図14は、第2の実施形態に係るジョブ色版情報335のデータ構造例を示す図である。ジョブ色版情報335は、初期ジョブID、ジョブ実行フラグ、C版カウンタ、M版カウンタ、Y版カウンタ、及びK版カウンタを含む。
初期ジョブIDは、ジョブを特定する識別子であり、ジョブの受信時に昇順に付与される。
ジョブ実行フラグは、印刷の実行が確定しているジョブ又は印刷済みのジョブを示すフラグである。印刷の実行が確定したジョブに含まれる印刷データは、送信部323から画像形成装置12の補正部123及び印刷物測定装置13の画像比較処理部142に送信される。
C版カウンタ値は、C色を非使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。M版カウンタ値は、M色を非使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。Y版カウンタ値は、Y色を非使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。K版カウンタ値は、K色を非使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。
C版測定領域数は、C色を使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。M版測定領域数は、M色を使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。Y版測定領域数は、Y色を使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。K版測定領域数は、K色を使用色とする印刷データ220の数を示す情報である。
本実施形態に係る非使用色特定部343は、ジョブ色版情報335に基づいてジョブ毎の非使用色を特定し、特定部302は、ジョブ毎に非使用色に関する色情報を生成する。なお、非使用色特定部343は、第1の実施形態に係る非使用色特定部243と同様に測定領域情報230に基づいて印刷データ220毎(ページ毎)に非使用色を特定し、色情報には印刷データ220毎に非使用色に関する情報が含まれてもよい。
本実施形態に係るスケジュール設定部303は、非使用色特定部343から送信された色情報に基づいて印刷スケジュールを設定する。スケジュール設定部303は、非使用色連続数が所定値以下となるようにジョブ単位で印刷スケジュールを調整する。また、スケジュール設定部303は、ジョブ毎に差分値濃度補正処理を適切に実行できるか否かを判定する。例えば、C版カウンタ値が所定値以下であり、且つC版測定領域数が0より大きい場合には、差分値濃度補正処理を適切に実行できると判定する。スケジュール設定部303は、このように差分値濃度補正処理を適切に実行できるジョブにジョブ実行フラグを設定し、当該ジョブの初期ジョブIDを実行ジョブIDとして印刷データ処理部301に送信する。
また、スケジュール設定部303は、非使用色連続数が所定値以下となるように印刷スケジュールを調整できない場合、差分値濃度補正処理を適切に実行できないと判定されたジョブ(例えば、CMYKのいずれかのカウンタ値が所定値より大きいか、測定領域数が0であるジョブ)の印刷時に、予測補正通知と実行ジョブID(当該ジョブの初期ジョブID)とを補正部124の予測補正判定部242に送信する。予測補正判定部242が予測補正通知を受信すると、予測補正通知と共に送信された実行ジョブIDが示すジョブの実行時に、上述した予測濃度補正処理を実行するための処理(予測データ送信要求の出力、予測データに基づく各色の補正値255〜258の更新等)が行われる。
図15は、第2の実施形態に係る画像形成システム1における処理例を示すシーケンス図である。図9に示す第1の実施形態に係るシーケンス図とは、印刷スケジュールをジョブ単位で調整する点で相違する。
DFE11(測定領域判定部231)は、ユーザにより入力されたジョブに含まれる1つ以上の印刷データ220に対して測定領域判定を行い(S2001)、測定領域情報230を生成する。測定領域情報230は、画像比較処理部142に送信され、画像比較処理に利用される。更に、本実施形態に係るDFE11(ジョブ色版情報生成部333)は、測定領域情報230及び投入されたジョブに関する情報(ジョブに含まれる印刷データ220を特定する情報等)に基づいてジョブ色版情報335を生成する(S2002)。
DFE11(特定部302)は、ジョブ色版情報335に基づいて各ジョブの非使用色に関する情報を含む色情報を生成する。DFE11(スケジュール設定部303)は、色情報に基づいて印刷スケジュールを設定し、画像形成装置12の補正部123が差分値濃度補正を適切に実行できるように印刷スケジュールをジョブ単位で調整する(S2003)。
DFE11(送信部323)は、印刷スケジュールに従って印刷データ220を画像形成装置12の補正部123と印刷物測定装置13の画像比較処理部142とに送信する。また、DFE11(スケジュール設定部303)は、印刷スケジュールを調整できない調整不可時においては、予測補正通知を補正部123に送信する。
補正部123は、受信した印刷データ220に対して濃度補正処理(差分値濃度補正処理又は予測濃度補正処理)を行い(S2004)、補正後の印刷データ220(濃度補正処理が行われなかった場合には元の印刷データ220)を印刷画像処理部124に送信する。また、補正部123(予測補正判定部242)は、予測濃度補正処理を実行するか否かを判定する予測補正判定を行う(S2005)。予測濃度補正処理を実行する場合には、補正部123(予測補正判定部242)は、予測データ送信要求を予測データ記憶部243に送信し、予測データ記憶部243から予測データを読み出し、予測データに基づいて各色の補正値255〜258を更新する(S2006)。
画像形成装置12の印刷画像処理部124は、補正部123から受信した印刷データ220(補正後の印刷データ220又は元の印刷データ220)に基づいて印刷イメージデータを生成する印刷画像処理を行い(S2007)、印刷イメージデータをプリンタエンジン121に送信する。プリンタエンジン121は、受信した印刷イメージデータに基づいて印刷処理を実行し(S2008)、印刷物(画像が印刷された印刷用紙20)を印刷物測定装置13の読取部61に搬送する。
読取部61は、プリンタエンジン121から搬送されてきた印刷物の画像の濃度を読み取る濃度読取処理を行い(S2009)、印刷物の画像の濃度をRGB値で示した読取RGBデータを取得し、読取RGBデータを画像比較処理部142に送信する。濃度読取処理後の印刷物は、ジョブ毎(初期ジョブID毎)に排紙トレイ65に排出される。
画像比較処理部142は、ステップS2003においてDFE11から送信された元の印刷データ220の画像の濃度をRGB値で示した元RGBデータを生成するデータ変換処理を行い(S2010)、読取RGBデータと元RGBデータとを比較して濃度差分値を算出する差分値算出処理を行う(S2011)。このとき、ステップS2001においてDFE11から送信された測定領域情報230が差分値算出処理に利用されてもよい。算出された濃度差分値は、プリンタエンジン121及び補正部123に送信される。プリンタエンジン121は、受信した濃度差分値に基づいて、両RGBデータの差分が小さくなるようにプロセス補正を行う(S2012)。補正部123は、受信した濃度差分値に基づいて、両RGBデータの差分が小さくなるように各色の補正値255〜258を更新する(S2006)。
図16は、第2の実施形態に係るジョブ色版情報生成処理の処理例を示すフローチャートである。ジョブ色版情報生成部333は、RIP部221により生成された1つ以上の印刷データ220の中から同一の初期ジョブID:Nを有する1つ以上の印刷データ220を抽出し、抽出された各印刷データ220の測定領域(使用色)を順次(初期ページIDの昇順に)判定する(S601)。
その後、ジョブ色版情報生成部333は、判定対象の印刷データ220に測定領域がない色版、すなわち非使用色があるか否かを判定する(S602)。測定領域がない色版がある(非使用色が存在する)場合(S602:Yes)、ジョブ色版情報生成部333は、当該非使用色に該当する色版の色版カウンタ値に1を加算し(S603)、他の色版(使用色)の色版カウンタ値を0に設定する(S604)。測定領域がない色版がない(非使用色が存在しない)場合(S602:No)、ジョブ色版情報生成部333は、全ての色版カウンタ値を0に設定する(S604)。
その後、ジョブ色版情報生成部333は、ジョブ内の全ページ(同一の初期ジョブIDを有する全ての印刷データ220)について測定領域の判定が終了したか否かを判定する(S605)。全ページについて測定領域の判定が終了していない場合(S605:No)、ステップS601に戻り、全ページについて測定領域の判定が終了した場合(S605:Yes)、ジョブ色版情報生成部333は、判定結果に基づいてジョブ色版情報335を生成又は更新する(S606)。
その後、ジョブ色版情報生成部333は、全ジョブについて測定領域の判定が終了したか否かを判定する(S606)。全ジョブについて測定領域の判定が終了していない場合(S607:No)、ステップS601に戻り、全ジョブについて測定領域の判定が終了した場合(S607:Yes)、本フローを終了する。
図17は、第2の実施形態に係る印刷スケジュール調整処理の処理例を示すフローチャートである。本実施形態に係る印刷スケジュール調整処理は、複数のジョブ毎に複数のページを印刷する過程において、非使用色連続数が所定値以下となるように、印刷を実行するジョブを順次確定(実行ジョブIDを設定)していくものである。
先ず、スケジュール設定部303は、ジョブスケジュール調整フラグがセットされているか否かを判定する(S701)。ジョブスケジュール調整フラグは、印刷スケジュールをジョブ単位で調整することが確定したときに設定されるフラグである。ジョブスケジュール調整フラグがセットされていない場合(S701:No)、スケジュール設定部303は、ジョブ実行フラグが設定されていないジョブを初期ジョブIDの昇順に検索し、実行ジョブIDをNに設定し、ジョブ実行フラグを設定し(S702)、送信準備メモリ225に当該ジョブに対応する印刷データ220を記憶させる(S703)。
ジョブスケジュール調整フラグがセットされている場合(S701:Yes)、送信準備メモリ225には既にジョブに対応する印刷データ220が記憶されているため、ジョブスケジュール調整フラグのリセットのみを行い(S704)、下記処理に進む。
スケジュール設定部303は、ジョブ色版情報335に基づいて、初期ジョブIDがNのいずれかの色版カウンタ値が所定値より大きいか否かを判定する(S705)。いずれかの色版カウンタ値が所定値より大きい場合(S705:Yes)、スケジュール設定部303は、当該所定値より大きい色版カウンタ値に対応する色を差分値濃度補正処理により補正できるジョブが存在するか否かを判定する(S706)。補正できるジョブが存在する場合(S706:Yes)、スケジュール設定部303は、補正できるジョブに対応する印刷データの実行ジョブIDをN+1に設定し、ジョブ実行フラグを設定し、ジョブスケジュール調整フラグを設定する(S707)。その後、印刷データ処理部301の送信部323は、送信準備メモリ225内の実行ジョブID:Nの印刷データ220を補正部123及び画像処理比較部142に送信する(S709)。
いずれの色版カウンタ値も所定値より大きくない場合(S705:No)、ステップS709を実行する。いずれかの色版カウンタ値が所定値より大きく、補正できるジョブが存在しない場合(S706:No)、スケジュール設定部303は、予測補正通知及び実行ジョブID:Nを補正部123の予測補正判定部242に送信し(S708)、ステップ709を実行する。
図18は、第2の実施形態に係る予測補正判定処理の処理例を示すフローチャートである。本実施形態に係る予測補正判定部242は、実行ジョブIDが切り替わったか否かを判定し(S801)、切り替わっていない場合(S801:No)、本フローを終了する。実行ジョブIDが切り替わった場合(S801:Yes)、予測補正判定部242は、印刷データ処理部301の送信部323から送信された印刷データ220の実行ページID(第3の実行ページID)と、スケジュール設定部303から予測補正通知と共に送信された実行ページID(第4の実行ページID)とが一致するか否かを判定する(S802)。
第3の実行ページIDと第4の実行ページIDとが一致しない場合(S802:No)、本フローを終了する。第3の実行ページIDと第4の実行ページIDとが一致する場合(S802:Yes)、予測補正判定部242は、予測データ送信要求を予測データ記憶部243に送信する(S803)。予測データ記憶部243は、予測データ送信要求を受信すると、予測データを濃度補正処理部241に送信する(S804)。濃度補正処理部241の補正値更新部253は、受信した予測データに基づいて、記憶部251内の各色の補正値255〜258を更新する(S805)。
本実施形態に係る画像形成システム1によれば、カラー印刷により複数の印刷物を生成する際に、同一の非使用色が連続しないように印刷スケジュールがジョブ単位で調整される。これにより、第1の実施形態と同様に、濃度差分値に基づく補正処理(差分値濃度補正処理)を適切に実施することが可能となる。また、印刷スケジュールの調整が不可能な場合には、予測データに基づく補正処理(予測濃度補正処理)を実施することが可能となる。これにより、カラー印刷における濃度補正の精度を向上させることが可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図するものではない。この新規な実施形態はその他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更、及び組み合わせを行うことができる。この実施形態及びその変形は発明の範囲及び要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。