以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
まず、図1〜図10を参照して、本実施形態による段ボール用受注管理システム1の構成について説明を行う。段ボール用受注管理システム1は、FAX2で受信した紙媒体の注文書11を電子ファイル化(データ化)して管理するように構成されている。具体的には、段ボール用受注管理システム1は、注文書11の内容を登録する複数の受注登録用装置3と、複数の受注登録用装置3の各々により登録された受注登録データ41aを管理する受注登録管理サーバ4とを備えている。ここで、注文書11には、図2に示すように、顧客からのケース状またはシート状の段ボール(商品)の注文に関する注文情報Rおよび顧客を特定するための注文者情報R1(たとえば、会社名、個人名)が記載されている。注文情報Rとは、注文する段ボールの商品を特定するための商品情報Ra(たとえば、商品名、商品番号など)、注文する段ボールの納入先を特定するための納入先情報Rb(たとえば、納入場所)、注文する段ボールの数量を特定するための数量情報Rc、注文する段ボールの納期を特定するための納期情報Rd、および、注文する段ボールに関しての備考を示した備考情報Reといった項目を含んでいる。
(受注登録管理サーバ)
受注登録管理サーバ4は、図1に示すように、受注登録用装置3において処理されたデータを管理するように構成されている。具体的には、受注登録管理サーバ4は、受注登録用装置3において登録された受注登録データ41aを記憶する登録用データベース41と、受注登録用装置3において作成された注文請書画像P3を記憶する画像用データベース42とを含んでいる。ここで、受注登録データ41aとは、図4に示すように、注文書11に記載された注文情報Rに基づいて登録される段ボールの受注に必要な情報である。具体的には、受注登録データ41aは、商品名Raに対応する商品番号Ra1、納入先情報Rb、注文者情報R1に対応するお客様番号R11、数量情報Rc、納期情報Rd、および、備考情報Reなどを含む情報である。商品番号Ra1、納入先情報Rb、お客様番号R11、数量情報Rc、納期情報Rd、および、備考情報Reは、注文書11に記載された内容である。また、受注登録データ41aは、登録を担当した担当者情報Aaおよび注文情報Rごとに割り振られる受注番号Abなどを含む情報である。また、注文請書画像P3とは、注文書11の画像に基づいて、受注登録用装置3において作成される注文請書の画像である。なお、受注登録データ41aは、特許請求の範囲の「受注登録情報」の一例である。
受注登録管理サーバ4には、図1に示すように、ネットワークを介して複数の受注登録用装置3が接続されている。受注登録管理サーバ4は、複数の受注登録用装置3の各々から送信される受注登録データ41aおよび注文請書画像P3を受信するように構成されている。受注登録管理サーバ4は、受信した受注登録データ41aおよび注文請書画像P3を、それぞれ、登録用データベース41および画像用データベース42に記憶させるように構成されている。そして、受注登録管理サーバ4は、受注登録データ41aに対して受信した順に受注番号Abを割り振り、割り振られた受注番号Abに対応する受注登録データ41aを送信した受注登録用装置3に受注番号Abを送信するように構成されている。
(受注登録用装置)
以下に、複数の受注登録用装置3に関する説明を行うが、複数の受注登録用装置3の構成は、各々同じであるので、複数の受注登録用装置3のうちの1つを例に挙げて説明を行う。なお、複数の受注登録用装置3は、それぞれ、複数の登録担当者によって使用される。
受注登録用装置3は、注文書11に記載された注文情報Rに基づく受注の登録に必要な受注登録データ41aのデータ化と、注文書11のデータ化とを行うように構成されている。具体的には、図1に示すように、受注登録用装置3は、撮像装置31と、情報処理端末32とを含んでいる。なお、撮像装置31は、特許請求の範囲の「画像取得部」の一例である。
撮像装置31は、机上の検出範囲D内の所定位置に置かれた注文書11を撮像することにより、注文書11をデータ化するWEBカメラである。撮像装置31は、注文書11を撮像することにより、注文情報Rが記載された注文書11の原本画像である第1注文書画像P1を取得するように構成されている。そして、撮像装置31は、情報処理端末32と通信可能に接続されており、撮像した注文書11の画像である第1注文書画像P1を情報処理端末32に送信するように構成されている。また、撮像装置31は、カメラスタンドなどに取り付けられることにより、机の上面よりも上方に配置されている。撮像装置31は、机上に配置された注文書11に対して、上方から撮像することが可能である。
情報処理端末32は、登録担当者の入力操作により受注登録データ41aが登録されることによって、注文書11に記載された注文情報Rに基づく受注に必要な情報がデータ化されるように構成されている。具体的には、情報処理端末32は、制御部32aと、操作部32bと、画像用モニタ32cと、登録用モニタ32dとを有している。
制御部32aは、PC(Personal Computer)などの処理端末から構成され、CPU(Central Processing Unit)、HDD(Hard Disc Drive)およびメモリなどを含んでいる。制御部32aは、メモリに格納された制御プログラムを実行することによって、情報処理端末32の各部を制御する。操作部32bは、登録担当者の操作入力を受け付けるキーボードおよびマウスなどからなる。画像用モニタ32cおよび登録用モニタ32dは、それぞれ、たとえば液晶モニタなどの画像表示装置からなり、制御部32aの画像出力に基づき画面表示を行う。
ここで、画像用モニタ32cには、たとえば、図2に示すように、撮像装置31から送信された第1注文書画像P1が表示される。なお、第1注文書画像P1上において、「ケース注文書」などの表題が記載される側を紙面上方とし、その反対側を紙面下方とする。第1注文書画像P1上において、紙面上下方向に直交する方向の一方向を紙面右方とし、他方向を紙面左方とする。
第1注文書画像P1には、紙面上方かつ紙面左右方向の中央に「ケース注文書」という記載が配置されている。第1注文書画像P1には、紙面上方かつ紙面右方に日付情報R3として「○○月○○日」という注文の日付が配置されている。第1注文書画像P1には、紙面上方かつ紙面左方に受注先情報R2として「○○○株式会社」という注文先の宛先(会社名)が配置されている。第1注文書画像P1には、「○○月○○日」という項目の紙面下方に注文者情報R1として「××××段ボール株式会社」という注文主の名称(会社名)が配置されている。第1注文書画像P1には、「××××段ボール株式会社」という項目の紙面下側には、枠線により区切られた注文情報Rの「表」が配置されている。
第1注文書画像P1上の「表」の1行目には、列に記載する項目が記載されており、紙面左方から順に「商品名」、「納入場所」、「数量」、「納期」および「備考」である。「商品名」、「納入場所」、「数量」、「納期」および「備考」には、それぞれ、商品情報Ra、納入先情報Rb、数量情報Rc、納期情報Rd、および、備考情報Reが書き込まれている。具体的には、第1注文書画像P1上の「表」の2行目の注文情報Rには、紙面左方から順に、商品情報Raとして「○○○○」、納入先情報Rbとして「○○工場」、数量情報Rcとして「100」、納期情報Rdとして「○○月×○日」および備考情報Reとして「時間厳守」と記載されている。なお、「表」の3行目〜5行目は、それぞれ、2行目の注文情報Rと同様に注文情報Rである。そして、「表」の3行目〜5行目の注文情報Rにも同様に、それぞれ、紙面左方から順に、商品情報Ra、納入先情報Rb、数量情報Rc、納期情報Rdおよび備考情報Reが記載されている。
登録用モニタ32dには、図3に示すように、注文書11に記載された注文情報Rを登録するためのケース受注内容登録画面M1が表示される。
情報処理端末32は、FAX2で受信した紙媒体の注文書11に基づいて、ケース受注内容登録画面M1の項目に対応する事項に対して、登録担当者による入力操作を受け付けるように構成されている。ケース受注内容登録画面M1には、受注登録データ41aを作成するために、担当者情報Aaを登録する「登録担当者名」、納入先情報Rbを登録する「納入先」、商品番号Ra1を登録する「商品番号」、お客様番号R11を登録する「お客様番号」、数量情報Rcを登録する「受注数」、受注番号Abを登録する「受注番号」、および、備考情報Reを登録する「受注時の注意事項」の項目が配置されている。
「登録担当者名」には、登録担当者の情報が入力される。「納入先」には、注文書11の「納入場所」という項目に記載されている内容が記載される。「商品番号」には、注文書11の「商品名」という項目に記載されている内容に対応する番号が記載される。「お客様番号」には、注文書11の「××××段ボール株式会社」という項目に記載されている内容に対応する番号が記載される。「受注数」には、注文書11の「数量」という項目に記載されている内容が記載される。「受注番号」には、受注登録管理サーバ4から割り振られた番号が記載される。「受注時の注意事項」には、注文書11の「備考」という項目に記載されている内容が記載される。
ここで、注文書11の「表」の2行目に記載されている内容を例として、ケース受注内容登録画面M1についてさらに説明を行う。
図3に示すように、「登録担当者名」、「納入先」、「商品番号」、「お客様番号」、「受注数」、および、「受注時の注意事項」の項目には、それぞれ、「担当1」、「○○工場」、「12−987654」、「CUS12345」、「100」、「□△/○○/×○」および「時間厳守」と登録担当者が入力する。「受注番号」の項目には、登録担当者が登録のボタンを選択することにより、図4に示すように、受注登録管理サーバ4から割り振られた「A1−3456」が自動的に入力される。このとき、情報処理端末32は、「登録時のエラー内容」として、たとえば、商品番号に該当する商品がないといったエラーが発生した場合には、ケース受注内容登録画面M1には表示しないがエラーを記憶しておく。
そして、情報処理端末32は、「登録時のエラー内容」が関連付けられた受注登録データ41aを、受注登録管理サーバ4の登録用データベース41に送信して、登録用データベース41に記憶させる。このようにして、段ボール用受注管理システム1において、注文書11に記載された注文情報Rが受注登録データ41aとして登録用データベース41に記憶される。図2のように注文情報Rが複数ある場合には、上記した一連の作業を、「表」の3〜5行目に関しても、この順に行うことにより、順に「受注番号」が割り振られた受注登録データ41aが登録用データベース41に記憶される。
ここで、情報処理端末32では、撮像装置31から送信された第1注文書画像P1に対して所定の処理を行うことにより、画像データベースに記憶される注文請書画像P3(後に詳細に説明する)が作成されている。所定の処理とは、撮像装置31により撮像された第1注文書画像P1を調整する画像調整処理と、第1注文書画像P1から注文請書画像P3を作成する注文請書画像作成処理とを含む処理である。
(画像調整処理)
情報処理端末32は、図2に示すように、歪みが抑制され、かつ、設定したサイズに調整された第1注文書画像P1を表示するように構成されている。すなわち、情報処理端末32は、第1注文書画像P1のサイズを設定した設定枠Fに対して、撮像装置31から送信された第1注文書画像P1を合致させるように構成されている。
具体的には、情報処理端末32は、設定枠Fと第1注文書画像P1との差が閾値以下になるように、第1注文書画像P1を拡大・縮小してサイズを調整するように構成されている。すなわち、情報処理端末32は、自動で、設定枠Fよりも小さい第1注文書画像P1の場合には画像を拡大し、設定枠Fよりも大きい第1注文書画像P1の場合には画像を縮小するように構成されている。また、情報処理端末32では、設定枠Fよりも大きい第1注文書画像P1を縮小した場合において、登録担当者の操作(第1注文書画像P1の拡大したい部分をクリックする)により、第1注文書画像P1の一部が拡大される。これにより、登録担当者により第1注文書画像P1の文字を視認性の向上させることが可能である。情報処理端末32は、第1注文書画像P1内の枠、文字および数字などが明確に表示されるように、サイズの調整を行った第1注文書画像P1の明度および焦点を調整するように構成されている。情報処理端末32は、明度および焦点を調整した第1注文書画像P1の歪みを調整するように構成されている。
(注文請書画像作成処理)
ここで、段ボール製造業においても、EDI(Electronic Data Interchange)化およびIT(Information Technology)化が進められている。しかし、段ボール製造業において、大手企業から零細企業までのうち多く存在している零細企業では、EDI化およびIT化のメリットが小さいため、EDI化およびIT化が進んでいない。これにより、段ボール業界では、FAXで送られた手書きの注文書11(図2参照)およびExcel(登録商標)により作成した表での注文形態が現在でも圧倒的に多い。
手書きの注文書11から受注登録データ41aを作成するためには、注文書11を画像データ化し、OCR(Optical Character Recognition)により文字認識をさせてデータベースを構築するという方法が考えられる。しかし、OCRでは非定型の手書きの注文書の文字を確実に認識することができず、一定割合での誤読取が避けられない。このため、登録担当者が、注文書11から注文情報Rを読み取り、データ入力を行った後、別のチェック担当者が、情報処理端末32により、後述するチェック作業を行うという方法を行うようにしている。
そこで、本実施形態の情報処理端末32は、調整された第1注文書画像P1に、登録用データベース41に記憶された受注登録データ41aと関連付けて、少なくとも受注番号Abが書き込まれた第2注文書画像P2を作成して、画像用データベース42に記憶させるように構成されている。
具体的には、図5に示すように、第1注文書画像P1を含む第1画像レイヤー51、および、受注登録データ41aを含む第2画像レイヤー52を重ねることにより、第1注文書画像P1に受注番号Abなどの受注登録データ41aが書き込まれた第2注文書画像P2を作成するように構成されている。ここで、第1注文書画像P1として、ケース状の段ボールが注文された場合を例に挙げて説明する。
情報処理端末32は、図2に示すように、画像調整処理による調整が完了した第1注文書画像P1における「表」の枠線を認識することにより、「表」の1〜7行と「表」の1〜7行の画像上でのそれぞれの位置座標とを取得するように構成されている。情報処理端末32は、画像調整処理による調整が完了した第1注文書画像P1における文字を認識することにより、画像上での文字の位置座標を取得するように構成されている。ここで、情報処理端末32では、第1注文書画像P1上の任意の位置座標が原点とされ、枠線の位置座標および文字の位置座標は、原点に対する相対的な位置座標となっている。また、情報処理端末32は、第1注文書画像P1上の「表」および文字を認識したことにより、第1注文書画像P1上の空白部も認識するように構成されている。このように、第1画像レイヤー51は、画像上での「表」の行数および位置座標と、画像上での文字の位置座標と、空白部の位置座標とが認識された第1注文書画像P1を含んでいる。
情報処理端末32は、図6に示すように、受注登録データ41aを第1注文書画像P1にテキストデータとして書き込むように構成されている。具体的には、情報処理端末32は、受注登録データ41aのうちの、担当者情報Aaとしての登録担当者名52a、注文者情報R1としてのお客様番号52bおよび受注番号Abとしての受注番号52cを第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。情報処理端末32は、登録担当者名52aを第1注文書画像P1の紙面右上方向の空白部分にテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。情報処理端末32は、お客様番号52bを第1注文書画像P1の紙面左上方向の空白部分にテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。これにより、情報処理端末32は、登録担当者名52a、お客様番号52bを指定して検索することによって、第1注文書画像P1を取得することができる。このようにして、情報処理端末32は、第1注文書画像P1に書き込まれた登録担当者名52aおよびお客様番号52bのそれぞれを、受注登録データ41aの担当者情報Aaおよび注文者情報R1に関連付ける。
情報処理端末32は、「表」の2〜5行のそれぞれに記載された段ボール(商品)の受注に関係する複数の注文情報Rと、複数の注文情報Rのそれぞれに割り当てられた複数の受注番号Abとが対応するように、第2注文書画像P2において、複数の注文情報Rのそれぞれと複数の受注番号Abとが隣り合う位置に配置するように構成されている。
具体的には、情報処理端末32は、受注登録管理サーバ4に最初に登録した受注登録データ41aに登録されている受注番号Abである「A11234」を取得するように構成されている。情報処理端末32は、情報処理端末32は、「表」の中における2行目の注文情報Rと隣り合う位置に受注番号Abとしての受注番号52cである「A11234」をテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。すなわち、情報処理端末32は、「表」の枠線のうち2行目を示す枠線の紙面右端の枠を認識した上で、紙面右端の枠の紙面右方に受注番号52cである「A11234」をテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。これにより、情報処理端末32は、受注番号Abを指定して検索することによって、第1注文書画像P1を取得することができる。このようにして、情報処理端末32は、第1注文書画像に書き込まれた受注番号52cを、受注登録データ41aの受注番号Abに関連付けをしている。
2行目の商品情報以外の3〜5行目の注文情報Rに関しても同様の処理が行われ、紙面上方から順に受注番号52cである「A11245」、「A22345」および「A22456」が、テキストデータとして紙面右端の枠の紙面右方に書き込まれる。なお、情報処理端末32は、注文情報R中に空白の行があったとしても、文字が記入されている行と空白の行を認識可能に構成されている。その場合には、情報処理端末32は、空白の行を飛ばして受注番号52cを書き込む、または、第1注文書画像P1の紙面上下方向の長さに対して略均等に受注番号52cを書き込むように構成されている。
情報処理端末32は、図6に示すように、受注番号52cを書き込んだ第1注文書画像P1に、さらに、注文を受領した旨を示す受領情報52dをテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。具体的には、情報処理端末32は、「ご注文いただき誠にありがとうございました。」という文言をテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。すなわち、情報処理端末32は、「ご注文いただき誠にありがとうございました。」という文言を第1注文書画像P1の「表」の紙面下方向の空白部分に配置されるように、テキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。また、情報処理端末32は、「○○○株式会社」というイメージデータとしての社印を第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。すなわち、情報処理端末32は、「○○○株式会社」という社印のイメージデータを第1注文書画像P1の紙面右下の空白部分に配置されるように、第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。
このように、情報処理端末32は、図7に示すように、受注番号52cと、受領情報52dとを、第1注文書画像P1にテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込んだ第2注文書画像P2を作成するように構成されている。そして、情報処理端末32は、第2注文書画像P2を注文請書画像P3として、受注登録管理サーバ4の画像用データベース42に記憶させるように構成されている。
また、情報処理端末32では、登録担当者名52a、お客様番号52bおよび受注番号52cは、第2画像レイヤー52に書き込まれている。これにより、登録担当者が、第2注文書画像P2を見た際に、注文書11の文字に登録担当者名52a、お客様番号52bおよび受注番号52cが重なっていたとしても、第2画像レイヤー52を一時的に消すことにより、注文書11の文字を見ることが可能である。
情報処理端末32は、図8に示すように、第1画像レイヤー51、第2画像レイヤー52、および、受注番号52cが書き込まれた第2注文書画像P2に対するチェックが行われたことを示すチェックマーク61を含む第3画像レイヤー53を重ねるように構成されている。具体的には、情報処理端末32は、登録担当者とは別のチェック担当者の入力受付により、受注登録管理サーバ4の画像用データベース42から第2注文書画像P2を情報処理端末32に送信させ、画像用モニタ32cに第2注文書画像P2を表示させるように構成されている。また、情報処理端末32は、チェック担当者の入力受付により、受注登録管理サーバ4の登録用データベース41から第2注文書画像P2に対応する受注登録データ41aを情報処理端末32に送信させ、登録用モニタ32dに受注登録データ41aを表示させるように構成されている。なお、チェックマーク61は、特許請求の範囲の「チェックが行われたことを示す情報」の一例である。
そして、チェック担当者が、受注登録データ41aと、第2注文書画像P2における受注登録データ41aに対応する項目とを比較することにより、受注登録データ41aのチェックを行う。情報処理端末32は、図9に示すように、チェック担当者の第3画像レイヤー53への入力受付により、チェックに問題が無かった項目に対してチェックマーク61を第3画像レイヤー53に書き込むように構成されている。情報処理端末32は、第2注文書画像P2における受注登録データ41aに対応する項目の上にチェックマーク61を第3画像レイヤー53に書き込むように構成されている。また、情報処理端末32は、チェック担当者の第3画像レイヤー53への入力受付により、チェック担当者の担当者情報53a(たとえば、名前)を第3画像レイヤー53に書き込むように構成されている。なお、受注登録データ41aにも、チェックを完了したことを書き込むためのチェックボックスが設けられてもよい。この場合、チェック担当者は、チェックに問題が無かった項目に対してチェックボックスにチェックを入力する。
これにより、情報処理端末32は、図10に示すように、第2注文書画像P2にチェックマーク61が書き込まれたチェック表示画像P4を作成するように構成されている。なお、情報処理端末32は、第3画像レイヤー53(図8参照)に書き込まれたチェックマーク61および担当者の名前の表示・非表示を切り替えることができるように構成されている。情報処理端末32は、第3画像レイヤー53を非表示にすることにより、チェック担当者によるチェックが終わった後でも、注文請書画像P3を取得することが可能である。
(業務の流れ)
次に、図1〜図11を参照して、段ボール用受注管理システム1での業務の流れについて説明する。
業務W1において、登録担当者は、FAX2が受信した注文書11を回収する。業務W2において、登録担当者は、自身の受注登録用装置3において登録を行う。すなわち、登録担当者は、注文書11に記載されている注文情報Rに基づいて登録に必要な項目をケース受注内容登録画面M1に登録し、受注登録管理サーバ4の登録用データベース41に受注登録データ41aとして記憶させる。すなわち、登録担当者は、注文書11に複数行に分けて商品ごとに記載された注文情報Rを、各々の行ごとにケース受注内容登録画面M1を起動させて登録する。業務W3において、登録担当者は、全行の登録が完了すると撮像装置31の下に注文書11をセットする。このとき、情報処理端末32では、撮像装置31における検出範囲D(図1参照)に注文書11を検出したことに基づいて、ケース受注内容登録画面M1による全ての受注登録データ41aの作成が終了したことが認識される。
業務W4において、情報処理端末32では、検出範囲D(図1参照)において注文書11が静止したことに基づいて、撮像装置31により注文書11が撮像される。業務W5において、情報処理端末32では、第1注文書画像P1が作成される。この場合、情報処理端末32では、第1注文書画像P1に対して、設定枠F(図2参照)に合わせる処理(拡大・縮小処理、歪み調整処理など)、明度および焦点の調整処理が行われる。業務W4およびW5の処理については、後に詳細に説明する。
業務W6において、情報処理端末32では、第1注文書画像P1への諸データの書き込みが行われる。すなわち、情報処理端末32では、業務W2およびW3の作業において作成した受注登録データ41aに基づいて必要な項目を読み出し、第1注文書画像P1が含まれた第1画像レイヤー51の上層の第2画像レイヤー52に読み出した項目がテキストデータとして書き込まれる。また、情報処理端末32では、第2画像レイヤー52に受領情報52dがテキストデータとして書き込まれる。これらにより、情報処理端末32では、注文請書画像P3としての第2注文書画像P2が作成される。業務W6については、後に詳細に説明する。
業務W7において、登録担当者とは別のチェック担当者が、第2注文書画像P2のチェックを行う。すなわち、チェック担当者は、情報処理端末32により、登録用モニタ32dに受注登録データ41aを読み出させるとともに、画像用モニタ32cに第2注文書画像P2を読み出させる。そして、チェック担当者は、受注登録データ41aと第2注文書画像P2とを比較し、書き込まれた内容の整合を確認する。チェック担当者は、受注登録データ41aの内容と第2注文書画像P2の内容とが整合している項目に関しては、第3画像レイヤー53にチェックマーク61を書き込み、整合していない項目に関しては、受注登録データ41aの内容を修正する。
業務W8において、情報処理端末32では、チェック後の注文請書画像P3が注文請書として顧客に自動送信される。すなわち、情報処理端末32は、受注登録データ41aのお客様番号に関連付けられた顧客のFAX番号を読み出し、第3画像レイヤー53を非表示にした第2注文書画像P2を注文請書として送信するように構成されている。
(画像調整処理フローのフローチャート)
次に、図12を参照して、本実施形態の受注登録用装置3の情報処理端末32による画像調整処理について説明する。画像調整処理フローは、上記した作業の流れの説明における業務W4およびW5の処理に関する処理フローである。
ステップS1において、情報処理端末32では、注文書11の検出が行われる。ステップS2において、情報処理端末32では、注文書11を検出範囲D(図1参照)内で検出したか否かが判断される。情報処理端末32では、注文書11が検出された場合には、ステップS3に進み、注文書11が検出されていない場合には、ステップS1に戻る。ステップS3において、情報処理端末32では、注文書11が検出範囲D内において静止したか否かを判断する。すなわち、情報処理端末32では、検出範囲D内において検出された注文書11の位置が一定時間以上変化してないか否かが判断される。情報処理端末32では、注文書11が静止した場合には、ステップS4に進み、注文書11が静止していない場合にはステップS1に戻る。
ステップS4において、情報処理端末32では、静止状態の注文書11の画像と設定枠F(図2参照)との間の余白が測定される。すなわち、情報処理端末32では、静止状態と注文書11の画像と設定枠F(図2参照)との間隔が認識される。ステップS5において、情報処理端末32では、余白が所定範囲内か否かが判断される。情報処理端末32では、余白が所定範囲内である場合には、ステップS6に進み、余白が所定範囲を超えている場合には、ステップS11に進む。情報処理端末32では、ステップS11において、登録担当者に注文書11の再度のセットが警告された上で、ステップS1に戻る。
ステップS6において、情報処理端末32では、設定枠Fに合わせて、静止状態の注文書11の画像が拡大・縮小される。ステップS7において、情報処理端末32では、静止状態の注文書11の画像の明度および焦点が調整される。ステップS8において、情報処理端末32では、注文書11の画像の歪みが調整される。ステップS9において、情報処理端末32では、調整後の注文書11の画像が撮像されて記憶される。すなわち、情報処理端末32では、第1注文書画像P1が取得される。ステップS10において、情報処理端末32では、第1注文書画像P1の取得を完了したことが、登録担当者に報知される。
(注文請書画像作成処理フローのフローチャート)
次に、図13を参照して、本実施形態の受注登録用装置3の情報処理端末32による注文請書画像作成処理について説明する。注文請書画像作成処理フローは、上記した作業の流れの説明における業務W6に関する処理フローである。以下の処理は、登録担当者が、情報処理端末32を操作することにより行われる。
ステップS21において、情報処理端末32では、第1注文書画像P1が第1画像レイヤー51に挿入される(書き込まれる)。ステップS22において、情報処理端末32では、第1画像レイヤー51の上層に第2画像レイヤー52が作成される。ステップS23において、情報処理端末32では、受注登録データ41aに基づいて、お客様番号R11および担当者情報A1が第2画像レイヤー52に挿入される(書き込まれる)。ステップS24において、情報処理端末32では、第1注文書画像P1の表の行が認識される。ステップS25において、情報処理端末32では、第1注文書画像P1の表の行の順番に対応する受注登録データ41aの受注番号Abおよび登録エラーE(図4参照)が第2画像レイヤー52に挿入される(書き込まれる)。ステップS26において、登録担当者は、情報処理端末32により、「ご注文いただき誠にありがとうございました。」という文言および印鑑データが第2画像レイヤー52に挿入させる(書き込ませる)。このような処理により、情報処理端末32では、注文請書画像P3としての第2注文書画像P2が作成される。
上記した説明では、ケース注文書を例にした。以下に、図14〜図18を参照して、シート注文書を例にした注文請書の作成に関する処理を説明する。なお、ケース注文書の場合と同じ構成および処理に関しては、説明を簡略化または省略する。
図14に示すように、画像用モニタ32cには、たとえば、撮像装置31から送信された第1注文書画像P1が表示される。なお、第1注文書画像P1上において、「シート注文書」などの表題が記載される側を紙面上方とし、その反対側を紙面下方とする。第1注文書画像P1上において、紙面上下方向に直交する方向の一方向を紙面右方とし、他方向を紙面左方とする。
第1注文書画像P1には、紙面上方かつ紙面左右方向の中央に「シート注文書」という記載が配置されている。第1注文書画像P1には、紙面上方かつ紙面右方に日付情報R3として「○○月○○日」という注文の日付が配置されている。第1注文書画像P1には、紙面上方かつ紙面左方に受注先情報R2として「○○○株式会社」という注文書の宛先(会社名)が配置されている。第1注文書画像P1には、「○○月○○日」という項目の紙面下方に注文者情報R1として「××○○段ボール株式会社」という注文主の名称(会社名)が配置されている。第1注文書画像P1には、「××○○段ボール株式会社」という項目の紙面下側には、枠線により区切られた注文情報Rの「表」が配置されている。
第1注文書画像P1上の「表」の1行目には、列に記載する項目が記載されており、紙面左方から順に「納入場所」、「納期」、「フルート」、「紙質(ライナー)」および「紙質(中芯)」である。「納入場所」および「納期」には、それぞれ、納入先情報Rbおよび納期情報Rdが書き込まれている。「フルート」、「紙質(ライナー)」および「紙質(中芯)」には、各々、商品情報Raが書き込まれている。第1注文書画像P1上の「表」の2行目には、紙面左方から順に、納入先情報Rbとして「×○工場」、納期情報Rdとして「○○月×○日」、商品情報Raとして「A段」、商品情報Raとして「K5」および商品情報Raとして「S16」と記載されている。
第1注文書画像P1上の「表」の3行目には、紙面左方から順に、「シート寸法」、「シート枚数」および「罫線(幅)」と記載されている。「シート寸法」、「シート枚数」および「罫線(幅)」には、それぞれ、商品情報Ra、数量情報Rc、商品情報Raが書き込まれている。第1注文書画像P1上の「表」の4行目には、紙面左方から順に、「1200×1000」、「100」および「220−270−220」と記載されている。
ここで、「フルート」、「紙質(ライナー)」、「紙質(中芯)」、「シート寸法」および「罫線(幅)」は、ケース注文書の「商品名」に相当する。すなわち、ケース注文書の「商品名」の商品情報Raは、「フルート」、「紙質(ライナー)」、「紙質(中芯)」、「シート寸法」および「罫線(幅)」の情報を含んでいる。
登録用モニタ32dには、図15に示すように、注文書11に記載された注文情報Rを登録するためのシート受注内容登録画面M2が表示される。
情報処理端末32は、FAX2で受信した紙媒体の注文書11に基づいて、受注内容登録画面の項目に対応する事項に対して、登録担当者による入力操作を受け付けるように構成されている。シート受注内容登録画面M2には、受注登録データ41aを作成するために、担当者情報Aaを登録する「登録担当者名」、納入先情報Rbを登録する「納入先」、お客様番号R11を登録する「お客様番号」、商品情報Raを登録する「フルート」、「紙質(ライナー_中芯)」、「シート寸法」、「罫線」、受注番号Abを登録する「受注番号」、数量情報Rcを登録する「受注数」、および、納期情報Rdを登録する「納期」の項目が配置されている。
「登録担当者名」には、登録担当者の情報が入力される。「納入先」には、注文書11の「納入場所」という項目に記載されている内容が記載される。「フルート」には、注文書11の「フルート」という項目に記載されている内容が記載される。「紙質(ライナー_中芯)」には、注文書11の「紙質(ライナー)」および「紙質(中芯)」という項目に記載されている内容が記載される。「シート寸法」には、注文書11の「シート寸法」という項目に記載されている内容が記載される。「罫線」には、注文書11の「罫線」という項目に記載されている内容が記載される。「受注番号」には、受注登録管理サーバ4から割り振られた番号が記載される。「受注数」には、注文書11の「シート枚数」という項目に記載されている内容が記載される。「納期」には、注文書11の「納期」という項目に記載されている内容が記載される。
ここで、シート注文書の「表」に記載されている内容を例として、シート受注内容登録画面M2についてさらに説明を行う。
図15に示すように、登録担当者が、「登録担当者名」、「納入先」、「お客様番号」、「受注数」、および、「納期」の項目には、それぞれ、担当者情報Aa、納入先情報Rb、数量情報Rc、お客様番号R11、数量情報Rcおよび納期情報Rdを入力する。また、登録担当者が、「フルート」、「紙質(ライナー_中芯)」、「シート寸法」および「罫線」の項目には、それぞれ、商品情報Raを入力する。たとえば、登録担当者が、「登録担当者名」、「納入先」、「お客様番号」、「フルート」、「紙質(ライナー_中芯)」、「シート寸法」、「罫線」、「受注数」、および、「納期」に、それぞれ、「担当10」、「×○工場」、「CUS21345」、「A」、「K5×K5_S16」、「1200×1000」、「220−270−220」、「100」および「□△/○○/×○」と入力する。「受注番号」の項目には、登録担当者が登録のボタンを選択することにより、図16に示すように、受注登録管理サーバ4から割り振られた受注番号Abとして「B1−1234」と自動的に入力される。このとき、情報処理端末32は、「登録時のエラー内容」として、たとえば、商品番号に該当する商品がないといったエラーが発生した場合には、ケース受注内容登録画面M1には表示しないがエラーを記憶しておく。
そして、情報処理端末32は、「登録時のエラー内容」が関連付けられた受注登録データ41aを、受注登録管理サーバ4の登録用データベース41に送信して、登録用データベース41に記憶させる。このようにして、段ボール用受注管理システム1において、注文書11に記載された注文情報Rが受注登録データ41aとして登録用データベース41に記憶される。
(画像調整処理)
情報処理端末32は、ケース注文書の場合と同様に、画像用モニタ32cに対して歪みが抑制され、かつ、設定したサイズに調整された第1注文書画像P1を表示するように構成されている。なお、ケース注文書の例と同じ処理を行うため説明を省略する。
(注文請書画像作成処理)
本実施形態の情報処理端末32は、調整された第1注文書画像P1に、登録用データベース41に記憶された受注登録データ41aと関連付けて、受注番号Abが書き込まれた第2注文書画像P2を作成して、画像用データベース42に記憶させるように構成されている。ここで、情報処理端末32は、図14に示すように、第1注文書画像P1における、画像上での「表」の行数および位置と、画像上での文字の位置と、空白とを認識するように構成されている。なお、情報処理端末32において、シート注文書に基づく注文請書画像作成処理とケース注文書に基づく注文請書画像作成処理とは、同様の処理である。
情報処理端末32は、図17に示すように、受注登録データ41aを第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。情報処理端末32は、受注登録データ41aのうちの、担当者情報Aaとしての登録担当者名52aを第1注文書画像P1の紙面右上方向の空白部分にテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。情報処理端末32は、注文者情報R1としてのお客様番号52bを第1注文書画像P1の紙面左上方向の空白部分にテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。これにより、情報処理端末32により「登録担当者名」または「お客様番号」を指定して検索することによって、第1注文書画像P1を取得することができる。このようにして、第1注文書画像に書き込まれた「登録担当者名」および「お客様番号」は、それぞれ、受注登録データ41aの「登録担当者名」および「お客様番号」に関連付けられる。
情報処理端末32は、「表」の枠線と隣り合う位置に受注番号Abである「B11234」をテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。すなわち、情報処理端末32は、「表」の枠線の紙面右端の枠を認識した上で、紙面右端の枠の紙面右方に受注番号Abとしての受注番号52cである「B11234」をテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。情報処理端末32は、受注番号Abを書き込んだ第2画像レイヤー52に第1注文書画像P1に、受領情報52dとして「ご注文いただき誠にありがとうございました。」という文言と、「○○○株式会社」という社印のデータとを第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている。これにより、情報処理端末32により「受注番号」を指定して検索することによって、第1注文書画像P1を取得することができる。このようにして、第1注文書画像に書き込まれた受注番号52cは、受注登録データ41aの受注番号Abに関連付けられる。
なお、上記したシート注文書では、1つの注文情報Rが記載されていたが、複数の注文情報Rがシート注文書に記載されていてもよい。この場合、上記した複数の注文情報Rが記載されたケース注文書に対する処理と同様の処理がシート注文書に対して行われる。
このように、情報処理端末32は、図18に示すように、受注番号52cと、受領情報52dとを、第2画像レイヤー52にテキストデータとして書き込んだ第2注文書画像P2を作成するように構成されている。そして、情報処理端末32は、第2注文書画像P2を注文請書画像P3として、受注登録管理サーバ4の画像用データベース42に記憶させるように構成されている。
[本実施形態の効果]
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
本実施形態では、上記のように、情報処理端末32は、第1注文書画像P1に、受注登録管理サーバ4に記憶された受注登録データ41aと関連付けるとともに、注文情報Rに対応するように受注登録データ41aが書き込まれた第2注文書画像P2を作成して、受注登録管理サーバ4に記憶させるように構成されている。これにより、情報処理端末32により作成された第2注文書画像P2には、注文書11に記載された注文情報Rだけでなく、注文情報Rと受注登録データ41aとが対応するように書き込まれているので、第2注文書画像P2を確認するだけで、注文情報Rと注文情報Rに対応する受注登録データ41aとを容易に取得することができる。この結果、注文書11に基づいて作成される画像である第2注文書画像P2から、ユーザーが必要とする情報を容易に得ることができる。
また、本実施形態では、上記のように、情報処理端末32は、受注登録データ41aと、注文を受領した旨を示す受領情報52dとを、第1注文書画像P1にテキストデータとして書き込んだ第2注文書画像P2を作成して、注文請書画像P3として受注登録管理サーバ4に記憶させるように構成されている。これにより、ユーザーが受注登録データ41aに関連付けられた注文請書画像P3を受注登録管理サーバ4により管理することができるので、注文請書画像P3を探す時間を短縮することができるとともに、注文請書画像P3の管理スペースを削減することができる。
また、本実施形態では、上記のように、複数の受注登録用装置3が、各々、受注登録管理サーバ4に接続されている。これにより、受注登録管理サーバ4により、複数の受注登録用装置3において作成された受注登録データ41aおよび第2注文書画像P2を一括して管理することが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、情報処理端末32は、入力操作を受け付ける操作部32bを含んでいる。情報処理端末32は、操作部32bによる入力操作を受け付けることにより、受注登録データ41aを第1注文書画像P1にテキストデータとして書き込むように構成されている。これにより、登録担当者が操作部32bを操作することにより受注登録データ41aが入力されるので、第1注文書画像P1内の文字を認識精度がそれほど高くない光学式文字読取装置(OCR)を用いて認識させて、第1注文書画像P1内の内容に対応する受注登録データ41aを第1注文書画像P1に自動で書き込む場合よりも、第1注文書画像P1に受注登録データ41aを確実に書き込ませることが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、情報処理端末32は、第1注文書画像P1を含む第1画像レイヤー51、および、受注登録データ41aを含む第2画像レイヤー52を重ねることにより、第1注文書画像P1に受注登録データ41aが書き込まれた第2注文書画像P2を作成するように構成されている。これにより、第1注文書画像P1に上書きすることなく、第1注文書画像P1上に受注登録データ41aを書き込んで第2注文書画像P2を作成することができるので、第1注文書画像P1のデータ(注文書11の原本のデータ)の欠落を抑制することができる。
また、本実施形態では、上記のように、情報処理端末32は、注文書11に記載された注文情報Rと注文情報Rに割り当てられた受注登録データ41aとしての受注番号Abとが対応するように、第2注文書画像P2において、第1画像レイヤー51における注文情報Rと第2画像レイヤー52における受注番号Abとを隣り合う位置に配置するように構成されている。これにより、ユーザーが、第2注文書画像P2を見た際に、注文書11に記載された注文情報Rと注文情報Rに対応する受注番号Abとを視覚的に容易に認識することができる。特に、注文書11に複数の注文情報Rが発注されている場合には、注文書11に記載された複数の注文情報Rと複数の注文情報Rのそれぞれに対応する複数の受注番号Abとが隣り合う位置に配置されていると、注文情報Rと受注番号Abとの対応を視覚的により容易に認識することができる。
また、本実施形態では、上記のように、情報処理端末32は、第1画像レイヤー51、第2画像レイヤー52、および、受注登録データ41aが書き込まれた第2注文書画像P2に対するチェックが行われたことを示す情報を含む第3画像レイヤー53を重ねることにより、第2注文書画像P2にチェックが行われたことを示すチェックマーク61が書き込まれたチェック表示画像P4を作成するように構成されている。これにより、第2注文書画像P2のうち、顧客の注文書11に記載された注文情報Rと第2注文書画像P2に書き込まれた受注登録データ41aとが整合しているか否かのチェックが行われた第2注文書画像P2を容易に取得することができる。
また、本実施形態では、上記のように、受注登録用装置3は、注文書11を撮像する撮像装置31を含む。これにより、OCRまたはドキュメントスキャナを用いる場合よりも迅速に、第1注文書画像P1を取得することが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、段ボール用受注管理システム1は、受注登録管理サーバ4に、受注登録データ41aおよび注文請書画像P3を保存するので、注文書11を紙媒体で保存するよりも保管スペースを小さくすることが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、情報処理端末32は、受注登録データ41aと注文請書画像P3とを注文情報Rにより関連付けているので、受注登録データ41aおよび注文請書画像P3の両方を一度に検索することが可能である。この結果、受注登録データ41aおよび注文請書画像P3の検索時間を短縮することが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、受注登録管理サーバ4により割り振られる受注番号Abを、紙媒体の注文書11に転記する必要が無いので、業務を効率化することが可能である。
また、本実施形態では、上記のように、注文請書画像P3を自動的にFAX送信するので、業務の効率化および異なる顧客に注文請書画像P3を送信するというトラブルを抑制することができる。
なお、段ボール用受注管理システム1は、顧客からの注文を電話で受けた場合にも適用することが可能である。すなわち、電話応対者が、顧客からの電話を受けながら、ケース受注内容登録画面M1またはシート受注内容登録画面M2に、商品情報Raなどの情報を入力し、受注登録データ41aを作成する。そして、情報処理端末32が、図19に示す所定の様式の注文請書画像P3に受注登録データ41aを書き込むように構成されている。これにより、電話内容をデータ化して受注登録管理サーバ4に記憶させることが可能であるとともに、電話応対者がメモを取る必要をなくすことが可能である。また、情報処理端末32は、所定の様式の注文請書画像P3を顧客宛に自動でFAXするように構成されている。この際に、顧客の要望により、FAXではなく自動でメールにより、所定の様式の注文請書画像P3を送信することも可能である。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、情報処理端末32は、第1注文書画像P1の「表」の枠線を認識した上で、商品情報と受注番号Abとが隣り合うように配置する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、情報処理端末は、第1注文書画像を拡大または縮小することにより、第2画像レイヤーに書き込まれる受注登録情報としての受注番号と第1画像レイヤーにおける注文情報との位置関係を調整することによって、第2注文書画像において、第1画像レイヤーにおける注文情報と第2画像レイヤーにおける受注番号とを隣り合う位置に配置するように構成されていてもよい。これにより、注文書11のフォーマット(大きさ)が複数ある場合にも、第1注文書画像のサイズを調整しながら商品情報と受注番号とを隣り合わせることが可能である。
また、上記実施形態では、情報処理端末32は、情報処理端末32は、「表」の中における各行の注文情報Rと隣り合う位置に受注番号Abをテキストデータとして第2画像レイヤー52に書き込むように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、情報処理端末は、「表」の行数に合った番号と「表」の行数に対応する受注番号とを並べて第2画像レイヤーの適切な箇所に書き込むように構成されてもよい。
また、上記実施形態では、撮像装置31は、WEBカメラである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、撮像装置は他のカメラであってもよい。
また、上記実施形態では、ケース注文書は、注文情報Rとして、「商品名」、「納入場所」、「数量」、「納期」および「備考」が記載されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ケース注文書の注文情報は、上記した項目以外の項目があってもよい。
また、上記実施形態では、シート注文書は、注文情報Rとして、「納入場所」、「納期」、「フルート」、「紙質(ライナー)」、「紙質(中芯)」、「シート寸法」、「シート枚数」および「罫線(幅)」が記載されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、シート注文書の注文情報は、上記した項目以外の項目があってもよい。
また、上記実施形態では、情報処理端末32は、注文請書画像P3をFAX2で自動的に顧客に送信する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、情報処理端末は、注文請書画像を電子メールで自動的に顧客に送信してもよい。
また、上記実施形態では、情報処理端末32は、第1画像レイヤー51、第2画像レイヤー52および第3画像レイヤー53を重ねることにより注文請書画像P3を作成するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1注文書画像に受注登録データ、受領情報を直接書き込んでもよい。
また、上記実施形態では、情報処理端末32は、注文情報Rと受注番号Abとの対応が明確になるように、注文情報Rと受注番号Abとを隣り合うように配置するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、注文情報は、注文情報と受注番号との対応が明確になるように、注文情報から受注番号へと延びる矢印を作成するように構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、チェック担当者が、受注登録データ41aと、第2注文書画像P2における受注登録データ41aに対応する項目とを比較することにより、第2注文書画像P2のチェックが行われている例を示した、本発明はこれに限られない。本発明では、チェック担当者が、受注登録データを再度入力し、登録担当者により入力された受注登録データとの整合が取れているか否かのチェックが行われてもよい。この場合には、チェック担当者は、再度の入力によるチェックを行った受注登録データに、チェック完了を示す情報を入力しておくことにより、再度の入力によるチェックを行う必要がある受注登録データを検索する手間を軽減することが可能である。また、一度登録した受注登録データをチェックする方法を記載したが、全くチェックを行わず段ボール用受注管理システムを運用することも可能である。
また、上記実施形態では、説明の便宜上、情報処理端末32の処理をフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、情報処理端末の処理動作を、イベントごとに処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。