以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電極製造装置を適用して製造される電極を用いた蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムを介してケース2の内側の底面に接触している。また、電極組立体3の積層方向において、電極組立体3のガタツキを低減するために、電極組立体3とケース2との間の隙間に、数枚のスペーサが配置されている。スペーサの枚数は、電極組立体3の厚みに応じて適宜調整される。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まず、帯状の金属箔に活物質層の前駆体が形成されたシート部材を製作する。次に、シート部材を所定の形状に切断し、セパレータ付き正極11及び負極9を製作する。セパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、積層体を形成する。この積層体を加圧することでセパレータ付き正極11及び負極9を密着させた後、セパレータ付き正極11及び負極9をテープ等で固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係る電極製造装置100について説明する。図3は、電極製造装置100の構成を示す平面図である。電極製造装置100は、金属箔の両面に活物質層を有する電極20を製造する装置である。電極製造装置100は、電極20の材料となる部材を搬送方向へ搬送しながら、電極20を製造する。なお、電極製造装置100が製造する電極20は正極8及び負極9のいずれであってもよい。また、電極20は、後述のプレス部でプレスされることによって完成するものである。ただし、ここでは説明を容易とするために、プレスされる前の部材であっても、切断部で電極20の形状に形成されたものは「電極20」と称するものとする。
図3に示すように、電極製造装置100は、搬送方向における上流側から順に、切断部21と、分岐部22と、を備える。また、電極製造装置100は、分岐部22から分岐する搬送経路23Aと、搬送経路23Aに設けられるプレス部24Aと、分岐部22から分岐する搬送経路23Bと、搬送経路23Bに設けられるプレス部24Bとを備える。また、電極製造装置100は、搬送経路23Aと搬送経路23Bとを合流させる合流部26を備える。
切断部21は、例えば、一対のローラ21a,21bを備えたロータリーダイカット方式の切断装置として構成されている。帯状のシート部材30は、当該シート部材30の長手方向に、切断部21の一対のローラ21a,21b間を通過するように搬送される。一対のローラ21a,21bにはシート部材30を所望の形状に切断する刃部が形成されている。従って、一対のローラ21a,21bは、その刃部でシート部材30を挟み込んで、当該シート部材30を切断する。切断部21は、帯状のシート部材30を切断することで、電極20を形成する。切断部21は、シート部材30を切断し、当該シート部材30の長手方向、すなわちローラ21a,21bの回転軸が延びる方向と直交する送出方向D1へ送出することで、電極20を形成する。ただし、切断部21は電極20を形成できる限り、ロータリーダイカット方式以外の構造を有していてもよい。
切断部21は、送出方向D1と直交する方向に配列された電極20A及び電極20Bを形成する。すなわち、切断部21は、帯状のシート部材30から、短手方向に二枚分の電極20を切り出す、いわゆる「二条取り」の切断を行う。切断部21は、帯状のシート部材30を短手方向において電極20の二枚分の大きさ及び形状に切断する。また、切断部21は、帯状のシート部材30を長手方向において電極20の一枚分のピッチ毎に切断する。電極20は、短手方向に互いに対向する一対の縁部と、長手方向に対向する一対の縁部と、を備える矩形状の形状を有する。電極20の短手方向に対向する縁部の一方側には金属箔が露出する活物質層20gの未塗工部20eが形成される。未塗工部20eは、縁部から突出するタブ20fを有する。
なお、水平方向における一の方向に対して「X軸」を設定し、水平方向においてX軸と直交する方向に対して「Y軸」を設定する。シート部材30が送られる方向がX軸方向に対応し、シート部材30の送り方向における上流側がX軸方向の正側に対応する。X軸方向と直交する方向がY軸方向に対応し、当該Y軸方向の一方がY軸方向の正側に対応する。以降の説明においては、「X軸」、「Y軸」を用いて説明を行う場合がある。なお、切断部21による電極20の送出方向D1は、X軸方向における正側から負側へ向かう方向に該当する。送出方向D1と直交する方向は、Y軸方向に該当する。
図3に戻り、切断部21から送出された直後の状態では、電極20Aは、タブ20fがY軸方向の正側へ突出する姿勢である。また、電極20Bは、電極20AのY軸方向の負側に配置されており、且つ、タブ20fがY軸方向の負側へ突出する姿勢である。すなわち、電極20Aの未塗工部(未塗工部20e及びタブ20f)が、Y軸方向の正側に配置され、電極20Bの未塗工部(未塗工部20e及びタブ20f)が、Y軸方向の負側に配置される。なお、以降の説明においては、電極20の未塗工部をタブ20fと称して説明する場合がある。なお、電極20の形状については、短手方向と長手方向が逆であってもよい。また、未塗工部20eはタブ20fのみよりなり、縁部の他の箇所は、正極活物質層15又は負極活物質層17が設けられていてもよい。
分岐部22は、切断部21から送出された電極20A及び電極20Bを搬送経路23A及び搬送経路23Bへ分岐させる。分岐部22は、下面で電極20A,20Bを吸着した状態で搬送する吸着コンベア31によって構成される。吸着コンベア31は、電極20A,20Bを二列に配列されたままの状態でX軸方向へ搬送するように、X軸方向へ延びる。
吸着コンベア31は、搬送方向における一部において、搬送経路23Aと重なっている。すなわち、吸着コンベア31の下方に搬送経路23Aの一部が配置される。搬送経路23Aは、吸着コンベア31の幅方向(Y軸方向)の縁部のうち、電極20Aが配置される側のY軸方向の正側の部分まで延びている。吸着コンベア31は、切断部21から搬送した電極20Aを搬送経路23Aの位置で落下させることで、当該搬送経路23Aに電極20Aを移し替える。吸着コンベア31は、搬送方向における一部であって、搬送経路23Aと搬送方向における同位置において、搬送経路23Bと重なっている。すなわち、吸着コンベア31の下方に搬送経路23Bの一部が配置される。搬送経路23Bは、吸着コンベア31の負側の部分まで延びている。吸着コンベア31は、切断部21から搬送した電極20Bを搬送経路23Bの位置で落下させることで、当該搬送経路23Bに電極20Bを移し替える。なお、吸着コンベア31は、当該吸着コンベア31のうち、搬送経路23A,23Bと重なる部分の一部に非吸着部56(図3においてグレースケールが付された領域)を設けることで、電極20A,20Bを落下させてよい。非吸着部56は、後述の非吸着部66と同趣旨の構成を有する。
分岐部22は、送出方向D1と直交する方向の一方側、すなわちY軸方向の正側において、送出方向D1へ電極20Aを搬送する分岐搬送部60Aと、送出方向D1と直交する方向の他方側、すなわちY軸方向の負側において、送出方向D1へ電極20Bを搬送する分岐搬送部60Bと、を備える。分岐搬送部60Aは、吸着コンベア31のうち、Y軸方向の正側の領域に形成され、分岐搬送部60Bは、吸着コンベア31のうち、Y軸方向の負側の領域に形成される。
搬送経路23Aは、分岐部22から合流部26へ電極20Aを搬送する経路である。搬送経路23Aは、搬送部50Aと、吸着搬送部51Aと、を備える。搬送部50Aは、送出方向D1に直交する方向へ延び、電極20Aを当該方向へ搬送する。吸着搬送部51Aは、電極20Aを下面側で吸着して搬送部50Aと交差する方向(ここでは送出方向D1)へ搬送し、搬送部50Aから電極20を受け取り、又は搬送部50Aへ電極20Aを受け渡す。
搬送経路23Aの搬送部50Aは、上流側搬送部52Aと、下流側搬送部53Aと、を備える。上流側搬送部52Aは、分岐搬送部60AからY軸方向の正側へ向かって電極20Aを搬送する。下流側搬送部53Aは、上流側搬送部52Aよりも下流側において、Y軸方向の負側へ向かって電極20Aを搬送する。下流側搬送部53Aは、上流側搬送部52Aから送出方向D1へ離間した位置に配置されている。搬送経路23Aの吸着搬送部51Aは、上流側吸着コンベア36Aと、下流側吸着コンベア41Aと、を備える。上流側吸着コンベア36Aは、上流側搬送部52Aの下流側の端部52Aaと、下流側搬送部53Aの上流側の端部53Aaとを接続する。下流側吸着コンベア41Aは、下流側搬送部53Aの下流側の端部53Abから送出方向D1へ延びて、合流部26に接続される。
上流側搬送部52Aは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部33Aと、コンベア34Aと、を備える。分岐部22から電極20Aを受け取る部分には、位置決め部33Aが設けられている。なお、上流側搬送部52Aでは、電極20Aは、Y軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
位置決め部33Aは、搬送方向と直交する方向に対する電極20Aの位置決めを行う。位置決め部33Aは、X軸方向の電極20Aの位置決めを行った後、Y軸方向の正側へ電極20Aを搬送し、コンベア34Aへ送る。本実施形態では、位置決め部33Aは、複数の搬送ローラ33aと、規制部33bと、を備える。
複数の搬送ローラ33aは、電極20Aを搬送方向へ搬送するものであり、搬送方向へ並べられている。搬送ローラ33aは、当該搬送ローラ33aを回転させるための駆動部(不図示)に接続されている。複数の搬送ローラ33aの一部は、X軸方向における正側の端部が、搬送方向における上流側へ位置するように、X軸方向に対して傾斜する。上流側に配置された搬送ローラ33aの傾斜が大きく、下流側に配置される搬送ローラ33aほど傾斜が小さくなっている。このような構成により、搬送ローラ33a上の電極20Aは、搬送方向に搬送されながら、X軸方向の正側へ寄せられる。
規制部33bは、搬送ローラ33aに対して、X軸方向における正側に配置され、電極20AのX軸方向における正側への移動を規制する。これにより、搬送ローラ33aによってX軸方向の正側へ寄せられた電極20Aは、規制部33bによってX軸方向への移動を規制される。規制部33bは、搬送ローラ33aから上方へ立ち上がるように設けられる。これにより、電極20Aの縁部が規制部33bに当接し、当該縁部がY軸方向に平行に位置決めされる。なお、規制部33bは、少なくとも搬送ローラ33aがX軸方向に対して傾斜している領域に設けられていればよい。
下流側搬送部53Aは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部37Aと、コンベア38Aと、を備える。位置決め部37Aは、Y軸方向の負側へ電極20Aを搬送し、X軸方向の正側で電極20Aを規制するものであり、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、下流側搬送部53Aでは、電極20Aは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
上流側吸着コンベア36Aは、送出方向D1と平行に延びている。上流側吸着コンベア36Aの上流側の端部付近の領域は、上流側搬送部52Aのコンベア34Aの下流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。上流側吸着コンベア36Aの下流側の端部付近の領域は、下流側搬送部53Aの位置決め部37Aの上流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。下流側吸着コンベア41Aは、送出方向D1と平行に延びている。下流側吸着コンベア41Aの上流側の端部付近の領域は、下流側搬送部53Aのコンベア38Aの下流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。下流側吸着コンベア41Aの下流側の端部付近の領域は、合流部26の上流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。
図4を参照して、吸着搬送部51Aの上流側吸着コンベア36Aの構成について詳細に説明する。上流側吸着コンベア36Aは、搬送方向(X軸方向)における両端側に配置される少なくとも一対のローラ61と、当該ローラ61に架け渡される無端のベルト62と、を備えている。ベルト62は、一対のローラ61の上端部側に架け渡される部分62aと、一対のローラ61の下端部側に架け渡される部分62bと、を有する。上流側吸着コンベア36Aは、ベルト62の下端側の部分62bの下面36Aaに、電極20Aを吸着させる。ベルト62は、ローラ61の回転駆動に伴って循環する。ローラ61は、ベルト62の下端側の部分62bが搬送方向へ移動するように駆動する。これにより、ベルト62の下面36Aaに吸着された電極20Aは、ベルト62の下端側の部分62bの移動に伴って、搬送方向へ搬送される。
ここで、上流側吸着コンベア36Aは、ベルト62の上端側の部分62aと下端側の部分62bとの間に、吸引ボックス63を備える。吸引ボックス63は、下面側に開口63aを備える。吸引ボックス63は、別途外部に配置された真空ポンプ又はブロワと管路で接続されることで、開口よりエアを吸引する。一方、ベルト62には、略全面にわたって複数の貫通孔が形成されている。従って、上流側吸着コンベア36Aの下面36Aaは、吸引ボックス63によるエアの吸引により、複数の貫通孔を介して吸着力を発生する。上流側吸着コンベア36Aは、少なくとも電極20Aが通過し得る箇所に対して設けられる。
なお、上流側吸着コンベア36Aは、電極20Aを位置決め部37Aにて落下させるための機構を有する。当該機構は、どのような構成が採用されてもよいが、非吸着部66(図3においてグレースケールが付された領域)の構造が採用されてよい。上流側吸着コンベア36Aは、上下方向から見て位置決め部37Aと重なる部分の一部に、電極20Aの吸着が抑制又は停止された非吸着部66を有する。非吸着部66は、吸着面である下面36Aaの吸着力が他の部分に比して低い、又は吸着力が発生していない領域である。非吸着部66は、例えば、当該非吸着部66に対応する位置において、吸引ボックス63の開口63aを遮断部材67で塞ぐ事によって構成されてよい。吸引ボックス63の開口63aが遮断部材67で塞がれることで、当該塞がれた部分では、吸引ボックス63によるエアの吸引が行われない。従って、当該部分における下面36Aaでは、吸引ボックス63の吸引に伴う吸着力が発生しない。
なお、非吸着部66を構成するための方法は特に限定されない。例えば、上流側吸着コンベア36Aに対して複数個に分割された吸引ボックス63が設けられている場合、対応部分における吸引ボックス63を省略することによって、非吸着部66を構成してもよい。これにより、非吸着部66では、吸引ボックス63による吸引が行われないため、下面36Aaでの吸着力が発生しない。なお、遮断部材67に貫通孔が形成されることで、非吸着部66での吸引ボックス63の吸引力を低減してもよい。この場合、非吸着部66の下面36Aaでの吸着力が、遮断部材67が設けられていない箇所での吸着力に比して低い。なお、非吸着部66の吸着が抑制された状態とは、位置決め部37A上の電極20Aの全面積に対して非吸着部66の下面が発生する吸引力を作用させたとしても、電極20Aが非吸着部の下面に吸着されない程度に吸着力が抑制された状態である。
なお、上流側吸着コンベア36B、下流側吸着コンベア41A,41B、分岐部22の吸着コンベア31は、いずれも上流側吸着コンベア36Aと同趣旨の構成を有している。
プレス部24Aは、下流側搬送部53Aに設けられる。プレス部24Aは、位置決め部37Aとコンベア38Aとの間に設けられている。なお、プレス部24Aと位置決め部37Aとの間、及びプレス部24Aとコンベア38Aとの間には、電極20Aを受け渡す受け渡し部が設けられている。プレス部24Aは、電極20Aをプレスする。プレス部24Aは、一対のプレスローラを備える。プレス部24Aは、電極20Aを一対のプレスローラでプレスする。一対のプレスローラは、互いに平行な状態で上下方向に配置されている。また、一対のプレスローラの回転軸は、X軸方向に平行に延びている。電極20Aは、一対のプレスローラ間を通過することにより、プレスされる。
搬送経路23Bの搬送部50Bは、上流側搬送部52Bと、下流側搬送部53Bと、を備える。上流側搬送部52Bは、分岐搬送部60BからY軸方向の負側へ向かって電極20Bを搬送する。下流側搬送部53Bは、上流側搬送部52Bよりも下流側において、Y軸方向の正側へ向かって電極20Bを搬送する。下流側搬送部53Bは、上流側搬送部52Bから送出方向D1へ離間した位置に配置されている。搬送経路23Bの吸着搬送部51Bは、上流側吸着コンベア36Bと、下流側吸着コンベア41Bと、を備える。上流側吸着コンベア36Bは、上流側搬送部52Bの下流側の端部52Baと、下流側搬送部53Bの上流側の端部53Baとを接続する。下流側吸着コンベア41Bは、下流側搬送部53Bの下流側の端部53Bbから送出方向D1へ延びて、合流部26に接続される。
上流側搬送部52Bは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部33Bと、コンベア34Bと、を備える。分岐部22から電極20Bを受け取る部分には、位置決め部33Bが設けられている。なお、上流側搬送部52Bでは、電極20Bは、Y軸方向の負側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
位置決め部33Bは、搬送方向と直交する方向に対する電極20Bの位置決めを行う。位置決め部33Bは、X軸方向の電極20Bの位置決めを行った後、Y軸方向の負側へ電極20Bを搬送し、コンベア34Bへ送る。位置決め部33Bは、Y軸方向の負側へ電極20Aを搬送し、X軸方向の正側で電極20Bを規制するものであり、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。
下流側搬送部53Bは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部37Bと、コンベア38Bと、を備える。位置決め部37Bは、Y軸方向の正側へ電極20Bを搬送し、X軸方向の正側で電極20Bを規制するものであり、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、下流側搬送部53Bでは、電極20Bは、X軸方向の負側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
上流側吸着コンベア36Bは、送出方向D1と平行に延びている。上流側吸着コンベア36Bの上流側の端部付近の領域は、上流側搬送部52Bのコンベア34Bの下流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。上流側吸着コンベア36Bの下流側の端部付近の領域は、下流側搬送部53Bの位置決め部37Bの上流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。下流側吸着コンベア41Bは、送出方向D1と平行に延びている。下流側吸着コンベア41Bの上流側の端部付近の領域は、下流側搬送部53Bのコンベア38Bの下流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。下流側吸着コンベア41Bの下流側の端部付近の領域は、合流部26の上流側の端部付近の領域に対して、上方から重なるように配置される。
プレス部24Bは、下流側搬送部53Bに設けられる。プレス部24Bは、位置決め部37Bとコンベア38Bとの間に設けられている。なお、プレス部24Bと位置決め部37Bとの間、及びプレス部24Bとコンベア38Bとの間には、電極20Bを受け渡す受け渡し部が設けられている。プレス部24Bは、電極20Bをプレスする。プレス部24Bは、一対のプレスローラを備える。プレス部24Bは、電極20Bを一対のプレスローラでプレスする。一対のプレスローラは、互いに平行な状態で上下方向に配置されている。また、一対のプレスローラの回転軸は、X軸方向に平行に延びている。電極20Bは、一対のプレスローラ間を通過することにより、プレスされる。
合流部26は、搬送経路23Aと搬送経路23Bとを合流させる部分である。合流部26は、下流側吸着コンベア41Aから搬送された電極20Aと、下流側吸着コンベア41Aから搬送された電極20Bと、を受け取る。ここで、下流側吸着コンベア41Aと下流側吸着コンベア41Bとは、送出方向と直交する方向に配列され、下流側吸着コンベア41AがY軸方向の正側に配置され、下流側吸着コンベア41BがY軸方向の負側に配置される。合流部26は、下流側吸着コンベア41Aから電極20Aを受け取る位置決め部42Aと、下流側吸着コンベア41Bから電極20Bを受け取る位置決め部42Bと、を備える。位置決め部42Aは、X軸方向の負側へ電極20Aを搬送し、Y軸方向の負側で電極20Aを規制するものであり、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。位置決め部42Bは、X軸方向の負側へ電極20Bを搬送し、Y軸方向の正側で電極20Bを規制するものであり、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。
次に、本実施形態に係る電極製造装置100の作用・効果について説明する。
電極製造装置100では、搬送経路(第1の搬送経路)23Aは、送出方向D1に直交する方向へ延びる搬送部(第1の搬送部)50Aと、電極(第1の電極)20Aを下面側で吸着して搬送部50Aと交差する方向へ搬送し、搬送部50Aから電極20Aを受け取り、又は搬送部50Aへ電極20Aを受け渡す吸着搬送部(第1の吸着搬送部)51Aと、を備える。また、搬送経路(第2の搬送経路)23Bは、送出方向D1に直交する方向へ延びる搬送部(第2の搬送部)50Bと、電極(第2の電極)20Bを下面側で吸着して搬送部50Bと交差する方向へ搬送し、搬送部50Bから電極20Bを受け取り、又は搬送部50Bへ電極20Bを受け渡す吸着搬送部(第2の吸着搬送部)51Bと、を備える。送出方向D1と直交する方向に配列された少なくとも電極20A及び電極20Bにおいて、活物質層の未塗工部であるタブ20fは、送出方向D1と直交する方向の縁部に形成される。上述のような搬送部50A,50Bと吸着搬送部51A,51Bとを組み合わせることにより、電極20A,20Bは、タブ20fが送出方向D1と直交する方向の縁部に配置された状態を維持しながら、搬送経路23A,23Bを移動することができる。このように搬送部50A,50Bと吸着搬送部51A,51Bの組み合わせに係る構造は、互いに交差する搬送部間をカーブコンベアで接続する構造よりも、少ないスペースで設置することが可能となる。また、プレス部(第1のプレス部)24Aは、搬送部50Aに設けられ、プレス部(第2のプレス部)24Bは、搬送部50Bに設けられる。この構造によれば、電極20A,20Bは、タブ20fが送出方向D1と直交する方向の縁部に配置された状態で、当該送出方向D1と直交する方向に搬送されながらプレス部24A,24Bにてプレスされる。従って、搬送部50A,50B、吸着搬送部51A,51B、及びプレス部24A,24Bの位置関係を調整することで、タブ20fを搬送方向における上流側に配置した状態で、電極20A,20Bをプレスすることが可能となる。また、プレス部24A,24Bが送出方向D1と直交する方向へプレスする場合、装置の送出方向D1への大きさをコンパクトにすることができる。よって、装置を設置する施設内に送出方向D1のスペースが不十分である場合にも電極製造装置100を配置することができる。以上により、電極製造装置100のレイアウトをコンパクトにすると共に、適切な向きで電極20A,20Bをプレスすることができる。
電極製造装置100において、分岐部22は、送出方向D1と直交する方向の一方側(Y軸方向の正側)において、送出方向D1へ電極20Aを搬送する分岐搬送部(第1の分岐搬送部)60Aと、送出方向D1と直交する方向の他方側(Y軸方向の負側)において、送出方向D1へ電極20Bを搬送する分岐搬送部(第2の分岐搬送部)60Bと、を備える。搬送経路23Aの搬送部50Aは、分岐搬送部60Aから一方側へ向かって電極20Aを搬送する上流側搬送部(第1の上流側搬送部)52Aと、上流側搬送部52Aよりも下流側において、他方側へ向かって電極20Aを搬送する下流側搬送部(第1の下流側搬送部)53Aと、を備える。搬送経路23Aの吸着搬送部51Aは、上流側搬送部52Aの下流側の端部と、下流側搬送部53Aの上流側の端部とを接続する上流側吸着コンベア(第1の上流側吸着コンベア)36Aと、下流側搬送部53Aの下流側の端部から送出方向D1へ延びる下流側吸着コンベア(第1の下流側吸着コンベア)41Aと、を備える。搬送経路23Bの搬送部50Bは、分岐搬送部60Bから他方側へ向かって電極20Bを搬送する上流側搬送部(第2の上流側搬送部)52Bと、上流側搬送部52Bよりも下流側において、一方側へ向かって電極20Bを搬送する下流側搬送部(第2の下流側搬送部)53Bと、を備える。搬送経路23Bの吸着搬送部51Bは、上流側搬送部52Bの下流側の端部と、下流側搬送部53Bの上流側の端部とを接続する上流側吸着コンベア(第2の上流側吸着コンベア)36Bと、下流側搬送部53Bの下流側の端部から送出方向D1へ延びる下流側吸着コンベア(第2の下流側吸着コンベア)41Bと、を備える。下流側吸着コンベア41Aと下流側吸着コンベア41Bとは、送出方向と直交する方向に配列され、下流側吸着コンベア41Aが一方側に配置され、下流側吸着コンベア41Bが他方側に配置される。プレス部24Aは、下流側搬送部53Aに設けられ、プレス部24Bは、下流側搬送部53Bに設けられる。
分岐搬送部60Aは、送出方向D1と直交する方向の一方側において、当該一方側にタブ20fが配置された状態にて、電極20Aを搬送することができる。分岐搬送部60Bは、送出方向D1と直交する方向の他方側において、当該他方側にタブ20fが配置された状態にて、電極20Bを搬送することができる。また、電極20Aは、当該姿勢を維持した状態にて、上流側搬送部52Aによって送出方向D1と直交する方向の一方側に搬送され、上流側吸着コンベア36Aによって搬送部50Aと交差する方向へ搬送され、下流側搬送部53Aによって送出方向D1と直交する方向の他方側に搬送され、下流側吸着コンベア41Aによって送出方向D1へ搬送される。プレス部24Aが、下流側搬送部53Aに設けられているため、電極20Aは、タブ20fが搬送方向における上流側に配置された状態で、プレス部24Aにプレスされる。電極20Bは、上述の姿勢を維持した状態にて、上流側搬送部52Bによって送出方向D1と直交する方向の他方側に搬送され、上流側吸着コンベア36Bによって搬送部50Bと交差する方向へ搬送され、下流側搬送部53Bによって送出方向D1と直交する方向の一方側に搬送され、下流側吸着コンベア41Bによって送出方向D1へ搬送される。プレス部24Bが、下流側搬送部53Bに設けられているため、電極20Bは、タブ20fが搬送方向における上流側に配置された状態で、プレス部24Bにプレスされる。また、下流側吸着コンベア41Aが一方側に配置され、下流側吸着コンベア41Bが他方側に配置された状態で、下流側吸着コンベア41Aと下流側吸着コンベア41Bとは、送出方向D1と直交する方向に配列されている。従って、電極20A,20Bがプレスされた後は、切断直後の状態と同じく、下流側吸着コンベア41Aが、送出方向D1と直交する方向の一方側において、当該一方側にタブ20fが配置された状態にて電極20Aを搬送し、下流側吸着コンベア41Bが、送出方向D1と直交する方向の他方側において、当該他方側にタブ20dが配置された状態にて電極20Bを搬送することができる。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態又は上記変形例に限定されない。
電極製造装置の各構成要素のレイアウトは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
例えば、図5に示す電極製造装置200を採用してもよい。電極製造装置200において、分岐部222は、送出方向D1と直交する方向の一方側(Y軸方向の正側)において、送出方向D1へ電極20Aを搬送する分岐搬送部260Aと、送出方向D1と直交する方向の他方側(Y軸方向の負側)において、送出方向D1へ電極20Bを搬送する分岐搬送部260Bと、を備える。
搬送経路(第1の搬送経路)223Aの搬送部(第1の搬送部)250Aは、分岐搬送部260Aから他方側へ向かって電極20Aを搬送する上流側搬送部(第3の上流側搬送部)252Aと、上流側搬送部252Aよりも下流側において、一方側へ向かって電極20Aを搬送する下流側搬送部(第3の下流側搬送部)253Aと、を備える。搬送経路223Aの吸着搬送部(第1の吸着搬送部)251Aは、上流側搬送部252Aの下流側の端部と、下流側搬送部253Aの上流側の端部とを接続する上流側吸着コンベア(第3の上流側吸着コンベア)226Aと、下流側搬送部253Aの下流側の端部から送出方向D1へ延びる下流側吸着コンベア(第3の下流側吸着コンベア)229Aと、を備える。搬送経路(第2の搬送経路)223Bの搬送部(第2の搬送部)250Bは、分岐搬送部260Bから一方側へ向かって電極20Bを搬送する上流側搬送部(第4の上流側搬送部)252Bと、上流側搬送部252Bよりも下流側において、他方側へ向かって電極20Bを搬送する下流側搬送部(第4の下流側搬送部)253Bと、を備える。搬送経路223Bの吸着搬送部(第2の吸着搬送部)251Bは、上流側搬送部252Bの下流側の端部と、下流側搬送部253Bの上流側の端部とを接続する上流側吸着コンベア(第4の上流側吸着コンベア)226Bと、下流側搬送部253Bの下流側の端部から送出方向D1へ延びる下流側吸着コンベア(第4の下流側吸着コンベア)229Bと、を備える。
上流側搬送部252Bが分岐搬送部260Aの下方を通過することで当該分岐搬送部260Aと交差する。本実施形態では、上流側搬送部252Aの位置決め部233Aが、分岐部222の下方にて、分岐搬送部260Aと重なる位置まで延びている。これにより、位置決め部233Aは、分岐搬送部260Aから電極20Aを受け取り、Y軸方向の負側へ搬送する。上流側搬送部252Bの位置決め部233Bは、位置決め部233AよりもX軸方向の正側にずれた位置に配置されている。位置決め部233Aは、分岐部222の下方にて、分岐搬送部260Bと重なる位置まで延びている。これにより、位置決め部233Bは、分岐搬送部260Bから電極20Bを受け取り、Y軸方向の正側へ搬送する。分岐搬送部260A,260Bのうち、X軸方向の負側の位置には、吸着コンベアの吸着力を抑制する、または吸着力を停止する非吸着部225が設けられている。非吸着部225は、位置決め部233A,233Bに対応する位置まで延びている。これにより、分岐搬送部260A,260Bに搬送されて位置決め部233A,233Bまで到達した電極20A, 20Bは、非吸着部225の位置にて落下する。非吸着部225は、吸着コンベアの吸引ボックスの開口部を塞ぐことによって、あるいは、吸引ボックスを部分的に省略することによって構成される(図4に示す構成と同趣旨である)。なお、上流側搬送部252Aが分岐搬送部260Bの下方を通過することで当該分岐搬送部260Bと交差してもよい。
下流側吸着コンベア229Aと下流側吸着コンベア229Bとは、送出方向D1と直交する方向に配列され、下流側吸着コンベア229Aが一方側に配置され、下流側吸着コンベア229Bが他方側に配置される。下流側搬送部253Aが下流側吸着コンベア229Bの下方を通過することで当該下流側吸着コンベア229Bと交差する。下流側搬送部253Aの位置決め部227A及びコンベア228Aは、下流側搬送部253Aの位置決め部227B及びコンベア228Bよりも、X軸方向の負側に配置されている。コンベア228Aは、下流側吸着コンベア229BよりもY軸方向の正側に配置された下流側吸着コンベア229Aまで延びている。従って、コンベア228Aは、下流側吸着コンベア229Bと直交するように、当該下流側吸着コンベア229Bの下方を通過する。
図6(a)に示すように、下流側搬送部253Aのコンベア228Aが下流側吸着コンベア229Bの下方を通過することで当該下流側吸着コンベア229Bと交差する場合、当該交差位置において、コンベア228Aは、コンベア228Bよりも、下流側吸着コンベア229Bから十分に下方へ離間する。これにより、コンベア228B上の電極20Bは下流側吸着コンベア229Bに吸着される一方、コンベア228A上の電極20Aが誤って下流側吸着コンベア229Bに吸着されることが防止される。または、図6(b)に示すように、下流側搬送部253Aのコンベア228Aが下流側吸着コンベア229Bの下方を通過することで当該下流側吸着コンベア229Bと交差する場合、当該交差位置において、コンベア228Aの上面側にカバー240が設けられてよい。これにより、コンベア228A上の電極20Aが、下流側吸着コンベア229Bに吸着されることを防止できる。また、コンベア228Aを過度に下流側吸着コンベア229Bから離間させなくともよい。なお、カバー240とコンベア228Aの上面との間には、電極20Aが通過可能な隙間を設ける。また、下流側搬送部253Bのコンベア228Bが下流側吸着コンベア229Aの下方を通過することで当該下流側吸着コンベア229Aと交差してもよい。この場合、交差位置において、コンベア228Bの上面側にカバー240が設けられてよい。なお、当該カバー240は、分岐部222と位置決め部233A,233Bとの間の交差部分に対しても、適用されてよい。
プレス部224Aは、上流側搬送部252に設けられ、プレス部224Bは、上流側搬送部252Bに設けられる。プレス部224Aは、位置決め部233Aと上流側吸着コンベア226Aとの間に設けられる。プレス部224Bは、位置決め部233Bと上流側吸着コンベア226Bとの間に設けられる。
図5に示す構成によれば、分岐搬送部260Aは、送出方向D1と直交する方向の一方側において、当該一方側にタブ20fが配置された状態にて、電極20Aを搬送することができる。分岐搬送部260Bは、送出方向D1と直交する方向の他方側において、当該他方側にタブ20fが配置された状態にて、電極20Bを搬送することができる。また、電極20Aは、当該姿勢を維持した状態にて、上流側搬送部252Bによって送出方向D1と直交する方向の他方側に搬送され、上流側吸着コンベア226Aによって搬送部250Aと交差する方向へ搬送され、下流側搬送部253Aによって送出方向D1と直交する方向の一方側に搬送され、下流側吸着コンベア229Aによって送出方向D1へ搬送される。プレス部224Aが、上流側搬送部252Aに設けられているため、電極20Aは、タブ20fが搬送方向における上流側に配置された状態で、プレス部224Aにプレスされる。電極20Bは、上述の姿勢を維持した状態にて、上流側搬送部252Bによって送出方向D1と直交する方向の一方側に搬送され、上流側吸着コンベア226Bによって搬送部250Bと交差する方向へ搬送され、下流側搬送部253Bによって送出方向D1と直交する方向の他方側に搬送され、下流側吸着コンベア229Bによって送出方向D1へ搬送される。プレス部224Bが、上流側搬送部252Bに設けられているため、電極20Bは、タブ20fが搬送方向における上流側に配置された状態で、プレス部224Bにプレスされる。また、下流側吸着コンベア229Aが一方側に配置され、下流側吸着コンベア229Bが他方側に配置された状態で、下流側吸着コンベア229Aと下流側吸着コンベア229Bとは、送出方向D1と直交する方向に配列されている。従って、電極20A,20Bがプレスされた後は、切断直後の状態と同じく、下流側吸着コンベア229Aが、送出方向D1と直交する方向の一方側において、当該一方側にタブ20fが配置された状態にて電極20Aを搬送し、下流側吸着コンベア229Bが、送出方向D1と直交する方向の他方側において、当該他方側にタブ20fが配置された状態にて電極20Bを搬送することができる。更に、上流側搬送部252Bが分岐搬送部260Aの下方を通過することで当該分岐搬送部260Aと交差する。これにより、分岐搬送部260A,260Bから、電極20A,20Bを各上流側搬送部252A,252Bへ受け渡すことができる。また、下流側搬送部253Aが下流側吸着コンベア229Bの下方を通過することで当該下流側吸着コンベア229Bと交差。これにより、下流側搬送部253A,253Bから、電極20A,20Bを下流側吸着コンベア229A,229Bへ受け渡すことができる。
図7に示す電極製造装置300を採用してもよい。図7に示す電極製造装置300では、分岐部322に対して、位置決め部33A及び位置決め部33BがX軸方向に異なる位置に配置されている。ここでは、位置決め部33Aが位置決め部33BよりもX軸方向の正側に配置されている。また、分岐部322には、電極20A,20Bを落下させる位置に非吸着部323が設けられている。他の構成については、図3に示す電極製造装置100と同趣旨の構成を有する。例えば電極製造装置100のように、分岐部22に対して位置決め部33A,33BがX軸方向の同位置に設けられている場合に、電極20A,20Bを分割し難くなる可能性がある。この場合、図7に示すような電極製造装置300を採用してよい。なお、位置決め部37A及びコンベア38Aが、位置決め部37B及びコンベア38BからX軸方向にずれた位置に配置されているが、同位置に配置されてもよい。
図8に示す電極製造装置400を採用してもよい。電極製造装置400の切断部421は、シート部材430から送出方向D1と直交する方向へ配列される4枚の電極20を形成する。Y軸方向の正側から負側へ向かって、電極20A,20B,20A,20Bが形成される。分岐部422は、各電極に対応する分岐搬送部460A,460B,460C,460Dを有している。位置決め部433Aは、分岐部422の下方において、分岐搬送部460A,460Cに対応する位置まで延びており、分岐搬送部460A,460Cから電極20Aを受け取る。なお、分岐搬送部460A,460B,460C,460Dには、電極20A,20B,20C,20Dを落下させる位置に非吸着部423が設けられてよい。位置決め部433Bは、分岐部422の下方において、分岐搬送部460B,460Dに対応する位置まで延びており、分岐搬送部460B,460Dから電極20Bを受け取る。位置決め部433Bは、位置決め部433AよりもX軸方向の負側に配置されている。位置決め部433Aよりも下流側の搬送経路23Aの構成、及び位置決め部433Bよりも下流側の搬送経路23Bの構成は、図3の電極製造装置100と同趣旨の構成である。
図9に示す電極製造装置500を採用してもよい。電極製造装置500の切断部521は、シート部材530から送出方向D1と直交する方向へ配列される4枚の電極20を形成する。Y軸方向の正側から負側へ向かって、電極20A,20B,20A,20Bが形成される。分岐部522は、各電極に対応する分岐搬送部560A,560B,560C,560Dを有している。なお、分岐搬送部460A,460B,460C,460Dには、電極20A,20B,20C,20Dを落下させる位置に非吸着部が設けられてよい。
分岐搬送部560Aの電極20Aは、図3の電極製造装置100の搬送経路23Aと同趣旨の搬送経路523Aによって搬送される。当該電極20Aは、合流部526の位置決め部537Aに回収される。分岐搬送部560Dの電極20Bは、図3の電極製造装置100の搬送経路23Bと同趣旨の搬送経路523Dによって搬送される。当該電極20Bは、合流部527の位置決め部537Dに回収される。
分岐搬送部560Bの電極20Bは、搬送経路523Bによって搬送される。搬送経路523Bは、搬送部550Bと、吸着搬送部536Bと、を備える。電極20Bは、搬送部550Bの位置決め部533Bによって、Y軸方向の正側へ搬送される。搬送部550Bには、位置決め部533Bとコンベア534Bとの間にプレス部524Bが設けられる。搬送部550Bの下流側の端部と、合流部526の位置決め部537Bとの間には、吸着搬送部536Bが設けられる。分岐搬送部560Cの電極20Aは、搬送経路523Cによって搬送される。搬送経路523Cは、搬送部550Cと、吸着搬送部536Cと、を備える。電極20Aは、搬送部550Cの位置決め部533Cによって、Y軸方向の負側へ搬送される。搬送部550Cには、位置決め部533Cとコンベア534Cとの間にプレス部524Cが設けられる。搬送部550Cの下流側の端部と、合流部527の位置決め部537Cとの間には、吸着搬送部536Cが設けられる。なお、位置決め部533Bと位置決め部553Cとは、X軸方向において互いに異なる位置に配置される。
なお、上述の実施形態及び変形例では、シート部材から短手方向に二枚分の電極を形成する「二条取り」の装置、及び四枚分の電極を形成する「四条取り」の装置を例示した。これに代えて、電極製造装置が、シート部材から短手方向に三枚、又は五枚以上の電極を形成する構成であってもよい。この場合も、図8及び図9と同趣旨の構成を採用してよい。