JP6519383B2 - 電極シートの製造方法および製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属箔の上に活物質を含む活物質層が形成された電極シートの製造方法に関する。例えば電極シートは、リチウムイオン電池等の正極シートまたは負極シートであって、正極シートと負極シートが交互に重ねられてケースに挿入される。
リチウムイオン電池などの二次電池あるいはキャパシタは、充電可能であるために広く利用される。例えば二次電池は、交互に重ねられる正極シートと負極シートを有し、正極シートと負極シートの間にはこれらが接触することを避けるためのシート状のセパレータが介装される。正極シートおよび負極シートの製造方法は、例えば特許文献1に開示されている。該文献によると、帯状の金属箔を順次送り出し、金属箔の上にペースト状の活物質合剤を塗工する。活物質合剤を乾燥させて金属箔上に活物質層を形成して帯状の母シートを得て、母シートをローラに巻き取る。次の工程では、母シートをローラから繰り出しつつ母シートにレーザ光を照射し、母シートから負極シートまたは正極シートを切離す。
母シートは、金属箔上に活物質層が形成された塗工領域と、活物質層を有さずに金属箔が露出された露出領域とを有する。露出領域は、活物質層を有していないため、露出領域を切断するために必要なレーザ光のエネルギ強度は、塗工領域を切断するために必要なエネルギ強度よりも低い。そのため仮に露出領域と塗工領域をどちらも切断できる程度にレーザ光のエネルギ強度を高くすると、露出領域では金属箔が必要以上に溶融し、溶融した金属が塊になって残る場合がある。これを避けるために特許文献1では、レーザ光のエネルギ強度を領域毎に制御している。すなわち露出領域を切断する際にレーザ光のエネルギ強度を低くして金属の塊が残ることを避ける。そして塗工領域を切断する際には、塗工領域を切断できる程度にレーザ光のエネルギ強度を高くする。
特開2012−221912号公報
したがって従来の製造方法は、帯状の母シートから電極シートを分割する工程が煩雑になっていた。そのため帯状の母シートから電極シートを容易にレーザ光を利用して分割できる電極シートの製造方法が従来必要とされている。
本発明の1つの形態は、金属箔の少なくとも一領域上に活物質を含む活物質層が形成された電極シートの製造方法である。該方法では、帯状の金属箔に活物質層が形成された塗工領域と金属箔が露出された露出領域とを有する帯状の母シートを準備する。母シートに電極シートの形状に沿ってレーザ光を照射する。レーザ光によって露出領域を切断し、かつレーザ光によって塗工領域に厚み方向に貫通しない切込みを形成する。母シートに機械的に力を加えて切込みが形成された部分において母シートを破断して母シートから電極シートを分割する。
上述するように塗工領域は、金属箔上に活物質層を有するため、露出領域よりも熱容量が大きい。そのため塗工領域を切断するために必要なレーザ光のエネルギ強度は、露出領域を切断するために必要なレーザ光のエネルギ強度よりも高い。これに対して本方法では、塗工領域を切断せずに塗工領域に切込みを形成する。したがって塗工領域に照射するレーザ光のエネルギ強度を、塗工領域を切断するために必要なエネルギ強度よりも低くできる。例えば、露出領域を切断する程度にエネルギ強度を低くしたレーザ光を塗工領域に照射して塗工領域に切込みを形成する。
その結果、露出領域と塗工領域においてレーザ光のエネルギ強度を大きく変更する必要が無くなり、例えば同じにすることができる。したがってレーザ光のエネルギ強度の調整が容易または不要になる。あるいはエネルギ強度の異なるレーザ光を発信する各レーザ発振機を準備する必要が無くなり、例えば1台のレーザ発振機にて上記製造方法を成し得る。一方、塗工領域は、切込みを有する部分が他の領域よりも小さい機械的な力で破断され得る。そのため切込みを利用して比較的小さな力で塗工領域を破断できる。かくして母シートから電極シートを容易に分割し得る。
本発明の他の形態にかかる電極シート用製造装置は、搬送装置とレーザ加工機と分割装置を有する。搬送装置は、帯状の金属箔に活物質層が形成された塗工領域と金属箔が露出された露出領域とを有する帯状の母シートを搬送する。レーザ加工機は、搬送装置上の母シートに電極シートの形状に沿ってレーザ光を照射し、レーザ光によって露出領域を切断し、かつレーザ光によって塗工領域に厚み方向に貫通しない切込みを形成する。分割装置は、母シートに機械的に力を加えて切込みが形成された部分において母シートを破断して母シートから電極シートを分割する。
したがって塗工領域に照射するレーザ光のエネルギ強度を、塗工領域を切断するために必要なエネルギ強度よりも低くできる。例えば、露出領域を切断する程度にエネルギ強度を低くしたレーザ光を塗工領域に照射して塗工領域に切込みを形成する。その結果、露出領域と塗工領域においてレーザ光のエネルギ強度を大きく変更する必要が無くなり、例えば同じにすることができる。そして塗工領域は、切込みを利用して比較的小さな力で破断される。かくして母シートから電極シートを容易に分割し得る。
リチウムイオン電池の分解斜視図である。 リチウムイオン電池の製造方法のフローチャートである。 塗工乾燥装置の概略側面図である。 母シートから対用シートを分割する分割装置の概略側面図である。 レーザ加工機を通過する母シートとレーザ加工機の斜視図である。 レーザ加工の前後を示す母シートの平面図である。 図6のVII―VII線断面矢視図である。 図7に対応する他の形態における母シートの断面図である。 図7に対応する他の形態における母シートの断面図である。 母シートから対用シートを分割する分割装置の概略斜視図である。 対用シートを第1と2の電極シートに分割する第2分割装置と、積層した電極シートを収容するストッカの概略平面図である。 対用シートを第1と2の電極シートに分割する第2分割装置の側面図である。 対用シートを第1と2の電極シートに分割する第2分割装置の側面図である。 対用シートを第1と2の電極シートに分割する第2分割装置の側面図である。 電極シートを積層する様子を示すための側面図である。 他の形態における分割装置の概略側面図である。 対用シートを第1と2の電極シートに分割する他の形態における第2分割装置の平面図である。 対用シートを第1と2の電極シートに分割する他の形態における第2分割装置の平面図である。 他の形態におけるレーザ加工機と該レーザ加工機を通過する母シートの斜視図である。 他の形態における母シートの一部平面図である。 他の形態における母シートの一部平面図である。 他の形態における母シートの一部平面図である。
本発明の1つの実施形態を図にしたがって説明する。図1に示す蓄電装置は、例えばリチウムイオン電池10であって、自動車,コンピュータ,携帯型電子機器等のバッテリーとして利用される。リチウムイオン電池10は、ケース15に収容される電極組立体11と電解質(電解液)を含む。
図1に示すようにケース15は、有底の直方体状のケース本体16と、ケース本体16の開口部を塞ぐ平板状の蓋17を有する。ケース本体16と蓋17は、何れも金属製、例えばステンレスやアルミニウム製である。ケース15に収容された電極組立体11から電力を取り出すために、蓋17を貫通する正極端子19と負極端子18が蓋17に取付けられる。
図1に示すように電極組立体11は、交互に積層された正極シート(電極シート)13と負極シート(電極シート)12を有する。正極シート13と負極シート12の間には、正極シート13と負極シート12が接することを防止するシート状のセパレータ14が設けられる。負極シート12は、金属箔と金属箔の両面に形成された活物質層を有する。金属箔は、例えば銅箔であって、矩形状の本体部12aと、本体部12aの端縁から延出したタブ12bを含む形状を有する。本体部12aの金属箔の両面略全域に負極用の活物質層が設けられる。タブ12bは、活物質層が設けられておらず、金属箔が露出している。図1に示すように負極シート12のタブ12bは、相互に重ねられて溶接等によって相互に接続される。タブ12bは、ケース15内に位置する負極端子18の一端部に接続される。
正極シート13も、金属箔と金属箔の両面に形成された活物質層を有する。金属箔は、例えばアルミニウム箔であって、矩形状の本体部13aと、本体部13aの端縁から延出したタブ13bを含む形状を有する。本体部13aの金属箔の両面略全域に正極用の活物質層が設けられる。タブ13bは、活物質層が設けられておらず、金属箔が露出している。図1に示すように正極シート13のタブ13bは、重ねられて溶接等によって接続される。タブ13bは、ケース15内に位置する正極端子19の一端部に接続される。
セパレータ14は、図1に示すように正極シート13の本体部13aと負極シート12の本体部12aの間に位置し、これにより正極シート13と負極シート12が接触することを防止する。セパレータ14は、高分子膜、例えばポリオレフィン系の微多孔質高分子膜等である。したがってセパレータ14は、空孔内に電解質を保持し、リチウムイオンが正極シート13と負極シート12の間で移動することを許容する。
次に、負極シート(電極シート)12の製造方法を説明する。負極シート12の製造方法は、図2に示すように混練工程S1を有する。混練工程S1では、活物質層を形成するための活物質、バインダ、溶媒を混ぜて活物質合剤を作成する。必要に応じて活物質合剤に導電助剤、増粘剤を混ぜても良い。活物質は、例えばコークス等の炭素材料である。バインダは、例えばフッ素系樹脂などの樹脂材料及びゴム系エマルジョンである。溶媒は、水、有機溶媒等である。活物質合剤は、混練機によって所定の回転速度で所定時間混ぜられて、スラリーあるいはペースト状になる。
次に、図3に示す塗工乾燥装置20を用いて図2に示す塗工工程S2、乾燥工程S3、プレス工程S4を行う。塗工乾燥装置20は、ローラ21aを具備する供給機21を有する。供給機21は、ローラ21aが回転することで、ローラ21aに巻かれていた帯状の金属箔2を供給する。塗工乾燥装置20は、活物質合剤を金属箔2に塗工する塗工機22と、活物質合剤を乾燥する乾燥機23と、活物質層を加圧するプレス機24を有する。
図3に示す塗工機22は、金属箔2に対して厚み方向の両側に第1と第2スリットダイ22a,22bを有する。換言すると、第1と第2スリットダイ22a,22bの間を金属箔2が通る。第1と第2スリットダイ22a,22bは、活物質合剤を吐出すための吐出口を備え、吐出口から活物質合剤を金属箔2上に連続的に塗布する(塗工工程S2)。
例えば図5,図6に示すように金属箔2の各面に2列の活物質層3を形成する。各列の活物質層3は、金属箔2上において長手方向の略全長において延出し、全長において略同じ幅を有する。この場合の塗工機22は、横方向に並んだ2つの第1スリットダイ22aと、横方向に並んだ2つの第2スリットダイ22bを含む。これにより金属箔2には、活物質層3,4が形成された2列の塗工領域1d,1eと、活物質層3,4を有さずに金属箔2が露出された3列の露出領域1a,1b,1cが形成される。
図3に示すように乾燥機23は、金属箔2が貫通する通路と、所定温度の風を発生する温風機を有する。温風機は、金属箔2の厚み方向の両側に設けられて、金属箔2の両面に塗工された活物質合剤から溶媒を蒸発させる(乾燥工程S3)。これにより金属箔2の表面に活物質合剤から形成された活物質層3,4が形成される。
図3に示すようにプレス機24は、金属箔2の厚み方向の両側に設けられたプレスローラ24aを備える。2つのプレスローラ24aの間を金属箔2が通過して、活物質層3,4がプレスローラ24aに挟まれて加圧される(プレス工程S4)。これにより活物質層3,4が所定の厚みになるように圧縮され、活物質層3,4の密度が上げる。これにより母シート1が形成される。
その後、母シート1は、図3に示すようにテンション付与機25からテンションを受けつつ巻取り機26に巻き取られる。テンション付与機25は、金属箔2の長手方向に分散して配置された複数のローラ25a〜25dを有し、ローラ25a〜25dは、金属箔2の厚み方向にも分散される。したがって母シート1は、懸架されたローラ25a,25dを通過することでローラ25a,25dからテンションを受ける。これにより母シート1にしわを生じることが防止される。巻取り機26は、母シート1を巻取るローラ26aを有し、ローラ26aが母シート1を巻くことで、供給機21から金属箔2が排出される。
上述するように図3に示す塗工乾燥装置20を利用することで帯状の母シート1が形成される。母シート1は、図5,図6に示すように帯状の金属箔2と、金属箔2の両面に形成された活物質層3,4を有する。そして母シート1は、活物質層3,4を有する塗工領域1d,1eと、塗工領域1d,1eを有さずに金属箔2が露出される露出領域1a,1b,1cを有する。塗工領域1d,1eでは、金属箔2の両面に活物質層3,4が形成される。塗工領域1d,1eと露出領域1a,1b,1cは、金属箔2の全長に渡って長手方向に連続して形成される。
母シート1は、図5,図6に示すように例えば2列の塗工領域1d,1eと、3列の露出領域1a,1b,1cを有する。塗工領域1d,1eの幅は、2つの電極シート8,9(例えば負極シート12)の本体部8a,9aを含む大きさに相当する。露出領域1aと露出領域1cは、母シート1の幅方向の端縁に沿って延出し、タブ8b,9bの長さに対応する幅を有する。塗工領域1d,1eの間に位置する露出領域1bもタブ8b,9bの長さに対応する幅を有し、後述するようにタブ8bとタブ9bの両方が長手方向に所定間隔で並べられる。
図3の巻取り機26に巻取られた母シート1は、図示省略の減圧室に投入される。減圧室では大気圧よりも低い圧力で、かつ大気温度よりも高い温度の環境が形成される。そのため減圧室において塗工領域1d,1eに残存する溶剤が揮発し、バインダが硬化する(減圧乾燥工程S5)。
その後、図4に示すようにローラ31aに巻いた母シート1をレーザ加工機35にセットする。レーザ加工機35は、図5に示すように母シート1を搬送する第1搬送装置32と、母シート1に向けてレーザ光を照射するスキャナ37を有する。第1搬送装置32は、一対のローラ32aと、ローラ32aに張設されたベルト32bを有する。ベルト32bの上に母シート1が設置され、母シート1を搬送することで、母シート1がローラ31aから所定のテンションを受けながら引き出される。
スキャナ37は、図5に示すように基台36に装着されて第1搬送装置32の上方に位置する。基台36は、第1搬送装置32の左右両側に起立する支柱36aと、支柱36aの上部を跨ぐ梁36bを有する。梁36bに2つのスキャナ37が取付けられ、各スキャナ37が各塗工領域1d,1eの上方に位置する。スキャナ37のそれぞれにレーザ光を発振するレーザ発振機38が接続される。スキャナ37とレーザ発振機38は、それぞれこれらを制御するコントローラ39に接続される。
レーザ発振機38は、例えばパルス波のレーザ光を発振する。パルス波の波長は例えば1000〜1100nm、周波数は200kHz、出力は25Wであって、所定の範囲で変更可能である。レーザ発振機38は、コントローラ39からの指令信号に基づいて所定の周波数、所定の出力のレーザ光を所定時間発振する。
スキャナ37は、レーザ光の照射方向を制御することで、母シート1の所定の位置にレーザ光を照射する。例えばスキャナ37は、2枚のミラーと、各ミラーの角度を3次元的に変化させる2個の駆動装置と、集光レンズを有する。各駆動装置によって各ミラーの角度を変え、2枚のミラーによってパルス波レーザ光を反射し、集光レンズによってレーザ光を集光する。コントローラ39あるいはスキャナ37には、予め駆動装置によるミラーの角度の変化パターンと速度が搬送速度毎に記憶されている。そのためスキャナ37は、コントローラ39からの指令信号に基づいてレーザ光を照射し、レーザ光が電極シート8,9の外周形状に対応するように母シート1に照射される。
コントローラ39は、例えばCPU[Central Processing Unit]、ROM[Read Only Memory]及びRAM[Random Access Memory]等のメモリ、入出力回路等を有する。コントローラ39は、電極の製造ラインの制御装置の一機能として組み込まれても良いし、あるいはレーザ加工機35専用の制御装置であっても良い。コントローラ39には、第1搬送装置32が母シート1を搬送する速度情報が入力される。例えば供給機31のローラ31aにロータリエンコーダが設けられ、ロータリエンコーダからの検出信号に基づいて搬送速度が算出されて、その速度情報がコントローラ39に入力される。母シート1の搬送が開始されると、コントローラ39からの信号に基づいてレーザ発振機38がレーザ光を発振する。搬送速度に応じてスキャナ37がレーザ光の照射方向を調整する。
レーザ光は、図7に示すように露出領域1aにおいて金属箔2を溶融して露出領域1aを切断する。塗工領域1dでは、図7に示すようにレーザ光によって切込み6が形成される。例えばレーザ光のエネルギ強度は、金属箔2と金属箔2の一側面に形成された活物質層3を溶融する強さを有するものの、他側面に形成された活物質層4を溶融しない程度に調整される。したがって金属箔2の他側面に形成された活物質層4は、レーザ光によって溶融されず、活物質層4の厚み方向の少なくとも1部が残存する。したがって塗工領域1dには、レーザ光によって厚み方向に切断されない切込み(溝)6が形成される。
切込み6は、図7に示す深さを有していても良いし、図8,図9に示す深さを有していても良い。図8に示す切込み6cは、金属箔2の一側面に形成された活物質層3を貫通し、金属箔2の少なくとも一部を溶融する。一方、金属箔2の他側面に形成された活物質層4は、レーザ光によって溶融されない。図9に示す切込み6dは、金属箔2の一側面に形成された活物質層3の少なくとも一部を溶融する。一方、金属箔2と金属箔2の他側面に形成された活物質層4は、レーザ光によって溶融されない。図7,図8,図9に示すいずれの切込み6も塗工領域1dを厚み方向には貫通しない。
レーザ光のエネルギ強度は、露出領域1aに照射される場合と塗工領域1dに照射される場合とで異なるように制御されても良いし、略同じになるように制御されても良い。レーザ光のエネルギ強度を領域に関わらずに略同じにした場合は、レーザ発振機38を簡易に制御できる。例えば露出領域1aと塗工領域1dにおいてレーザ発振機38の周波数を変更する必要が無くなる。あるいは露出領域1aと塗工領域1dにおいてスキャナ37によるレーザ光の走査速度を略同じにすることができる。これによりスキャナ37によるレーザ光の走査速度を変更する必要がなくなる。
母シート1をレーザ加工する場合は、図5に示すようにコントローラ39からの命令信号に基づいて搬送装置32によって母シート1を所定量移動させて停止させる。次に、図5に示すコントローラ39からの命令信号に基づいてレーザ発振機38からレーザを発信し、スキャナ37によるレーザ光の照射方向を制御する。これによりレーザ光が電極シート8,9の形状に沿って母シート1上に照射される。
図6に示すように露出領域1a,1b,1cに照射されたレーザ光は、露出領域1a,1b,1cを切断する。一方、塗工領域1d,1eに照射されたレーザ光は、塗工領域1d,1eに切込み6を形成する。露出領域1a,1b,1cでは、レーザ光がタブ8b,9bの形状に沿う第1切断線5a,5cと、本体部8a,9aの端縁に沿う第2切断線5b,5dに沿って照射される。第2切断線5bは、詳しくはタブ8b,9bが設けられる本体部8a,9aの端縁に沿って延出、あるいは露出領域1a,1b,1cと塗工領域1d,1eの境界線に沿って延出する。
図5,図6に示すように塗工領域1d,1eには、レーザ光によって第1切込み(第1切込み線)6aと第2切込み(第2切込み線)6bが形成される。第1切込み6aは、母シート1の幅方向の略中央において長手方向に延出する。これにより第1切込み6aは、幅方向に隣接する電極シート8,9の本体部8a,9aの境界線に沿って延出する。第2切込み6bは、母シート1を幅方向に横断する。これにより第2切込み6bは、長手方向に隣接する電極シート8,9の本体部8a,9aの境界線に沿って延出する。
図6に示すように母シート1には、幅方向に4つの電極シート8,9が並んで形成されるようにレーザ光が照射される。塗工領域1d,1eには、幅方向に2つの電極シート8,9が隣接するようにかつ長手方向に複数の電極シート8,9が隣接するようにレーザ光が照射される。これにより第1切込み6aは、塗工領域1d,1eの幅方向中心において長手方向に延出する。第2切込み6bは、塗工領域1d,1eを幅方向に横切る。複数の第2切込み6bは、長手方向に所定間隔を有して形成される。
図5,図6に示すように露出領域1a,1b,1cには、タブ8b,9bが長手方向に所定間隔で並ぶようにレーザ光が照射される。塗工領域1d,1eの間に位置する露出領域1bには、タブ8b,9bが長手方向に交互に並ぶようにレーザ光が照射される。したがって露出領域1bの幅は、タブ8b,9bの1つに対応する長さを有し、2つのタブ8b,9bを合わせた長さよりも狭い。これにより母シート1から電極シート8,9を分割した後に破棄する部分の面積を小さくすることができる。露出領域1bにおいてタブ8b,9bが重ならないようにするため、塗工領域1dに形成される電極シート8,9と、塗工領域1e形成される電極シート8,9は、長手方向に位置がずれている。例えば位置のずれは、タブ8b,9bの幅よりも広い長さを有する。
レーザ加工された母シート1は、図4,図10に示すように搬送装置32から第2搬送装置33へ搬送される。搬送装置32と第2搬送装置33の間には、母シート1から対用シート7を分割するための分割装置34が形成される。第2搬送装置33は、ベルトコンベアであって、ローラ33aの間に張設されたベルト33bを有する。第2搬送装置33のベルト33bは、搬送装置32のベルト32bよりも低い位置に設定される。そのためベルト32bからベルト33bに母シート1が移動する際、ベルト32bを越えた母シート1の先端は、自重によって下方に引っ張られる。そのため母シート1に機械的な力が加わり、他の領域よりも破断しやすい第2切込み6bに力が集中し、母シート1が第2切込み6bにおいて分断される。かくして母シート1から対用シート7が分割または割断される。
また図4,図10に示すように第2搬送装置33は、搬送装置32に比べて搬送速度が速い。したがって母シート1の先端が第2搬送装置33に接すると、母シート1の先端が第2搬送装置33のベルト33bによって引っ張られる。そのため母シート1に機械的な力が加わり、母シート1が第2切込み6bにおいて分断さて、母シート1から対用シート7が分割される。第2搬送装置33は、搬送装置32よりも搬送速度が速いため、母シート1から分割された対用シート7は、隙間を有してベルト33b上に並べられる。
図10に示すように母シート1から対用シート7を分割すると、露出領域1a,1b,1cのタブ8b,9b以外の部分が残る。図4に示すように残った部分は、搬送装置32,33の間を通って、搬送装置32,33の下方に設置された回収箱28等に回収される。
図10に示すように母シート1から対用シート7が連続して分割される。上述するように対用シート7の両側縁は、露出領域1a,1b,1cに位置し、両側縁がレーザ加工機35によって切断される。対用シート7間の境界は、塗工領域1d,1eに位置し、境界にはレーザ加工機35によって切込み(溝)6が形成される。切込み6を有する部分は、分割装置34によって母シート1に力が加えられることで破断される。これにより母シート1から対用シート7が分割される。対用シート7は、2つの電極シート8,9を含んでおり、2つの電極シート8,9は、第2切込み6bを介して連結されている。
図10に示すように母シート1から対用シート7が分割され、対用シート7が第2搬送装置33に2列に整列される。対用シート7は、第2搬送装置33によって搬送され、例えば1列の対用シート7が図11に示す第3搬送装置30に移ってさらに搬送される。したがって対用シート7、すなわち電極シート8,9が連結された状態として搬送される。そのため電極シート8,9を分割して個々に搬送する場合に比べて、電極シート8,9を簡便に搬送できる。
図11に示すように対用シート7は、第3搬送装置30から第2分割装置40に移動する。第2分割装置40は、テーブル41と、テーブル41に設置される2本のバー42を有する。対用シート7は、第3搬送装置30からテーブル41へ移動することで、2本のバー42の上に位置する。2本のバー42は、第2切込み6bと略平行で、1つのバー42が1つの電極シート8の下に位置し、他のバー42が他の電極シート9の下に位置する。
図12に示すように第1切込み6aの上方に中間板43が設置される。中間板43は、例えばロボット等によって運ばれて、第1切込み6aに沿って起立される。図13,図14に示すようにロボット等によってバー42を上方に移動させる。これにより電極シート8,9が第1切込み6aを下にして起き上がる。電極シート8,9が起き上がることで他の部分よりも破断しやすい第1切込み6aに機械的な応力が集中し、対用シート7が第1切込み6aにおいて破断される。
図12〜14に示すように電極シート8,9を起立させる際、中間板43が第2切込み6bに当たり、中間板43を利用して第1切込み6aに機械的な力が加わる。あるいは電極シート8,9を起立させる際、自重のみによって対用シート7が第1切込み6aにおいて分割される。電極シート8,9を起立させた後に、バー42を電極シート8,9よりも上方に移動させてバー42を電極シート8,9から退避させる。起立した電極シート8,9の間には中間板43が位置する。
図11に示すように対用シート7は、第1切込み6aを中心に対称の形状を有する。対用シート7は、第1切込み6aを中心に対称の位置にタブ8b,9bを有する。したがって対用シート7は、電極シート8,9が対向するように折り曲げられることで第1切込み6aにおいて破断してタブ8b,9bが対向する。そのためタブ8b,9bが厚み方向に重ねられる。
図15に示すように起立させた電極シート8,9の外面に例えば短軸ロボットを利用して他の中間板43を準備する。他の中間板43は、起立した状態で電極シート9に対面し、短軸ロボット等によって電極シート8,9をストッパ44に向けて押す。これにより電極シート8,9が第1位置から第2位置へ移動し、第2位置にてストッパ44に立掛けられる。続いて図11に示すように他の対用シート7を第1位置へ移動させ、対用シート7から電極シート8,9を分割し起立させる。そして起立した電極シート8,9を先に第2位置へ移動させた電極シート8,9に重なるように第2位置へ向けて移動させる。これにより電極シート8,9が厚み方向に重ねられ、かつ電極シート8,9間に中間板43が位置する。
図11に示すように重ねられた電極シート8,9の枚数が所定枚数に到達すると、移動装置53によって電極シート8,9と中間板43をストッカ50に移動させる。例えば図示省略のコントローラによって上記短軸ロボットと移動装置53を制御することで所定枚数の電極シート8,9をストッカ50に移動させる。ストッカ50は、仕切り51と仕切り51の間の収容部52を有し、収容部52に電極シート8,9が収容され、仕切り51とともに電極シート8,9が搬送される。仕切り51の代わりに、電極シート8,9を受け入れる箱等を利用しても良い。
上述するように母シート1から分割される電極シート8,9は、例えばいずれも負極シート12である。複数の負極シート12は、重ねられてストッカ50に収容される。負極シート12と同様の方法で正極シート13も正極用の母シート1から形成される。
すなわち混練工程S1では、正極の電極材料を混練機によって混ぜる。電極材料は、少なくとも活物質、バインダ、溶媒を含み、必要に応じて導電助剤、増粘剤を含む。活物質は、例えばコバルト酸リチウム、マンガン酸リチウム、ニッケル酸リチウム、チタン酸リチウムなどの金属リチウムである。バインダ、溶剤、導電助剤、増粘剤は、上述した負極と同様の材料等を利用できる。
次に、図3に示す塗工乾燥装置20を用いて塗工工程S2、乾燥工程S3、プレス工程S4を行う。塗工工程S2では、正極用の金属箔2をローラ21aから供給する。正極の金属箔2は、例えばアルミニウム箔等である。乾燥工程S3では、乾燥機23を用いて金属箔2に塗工された活物質合剤から溶媒を蒸発させる。これにより金属箔2の両面に活物質合剤から形成された活物質層3,4が形成される。プレス工程S4では、図3に示すプレス機24を用いて活物質層3,4を加圧する。これにより正極用の母シート1が形成される。母シート1は、その後、テンション付与機25によってテンションが付与されつつ巻取り機26に巻取られる。
正極用の母シート1も減圧乾燥工程S5で減圧室に投入される。減圧室では圧力を大気圧よりも低くしかつ大気温度よりも温度を上げる。これにより塗工領域1d,1eの溶剤が揮発するとともにバインダが硬化する。正極用の母シート1も図5に示すレーザ加工機35を用いて負極用の母シート1と同様にレーザ加工がなされる(レーザ加工工程S6)。
露出領域1a,1b,1cは、第1切断線5a,5cと第2切断線5b,5dにおいて厚み方向に切断される。第1切断線5a,5cは、電極シート8,9のタブ8b,9bの外周に沿って延出する。第2切断線5b,5dは、タブ8b,9bを有する本体部8a,9aの端縁に沿って延出する。塗工領域1d,1eには、第1切込み6aと第2切込み6bが形成される。第1切込み6aは、母シート1の幅方向に隣接する電極シート8,9の間を延出するように長手方向に延出する。第2切込み6bは、長手方向に隣接する電極シート8,9の間を延出するように幅方向に延出する。
次に、図10に示すように分割装置34を用いて正極用の母シート1から対用シート7を形成する。分割装置34は、母シート1の自重を利用して第2切込み6bに機械的な力を付与する。これにより母シート1が第2切込み6bで切断され、母シート1から対用シート7が分割される(分割工程S7)。次に対用シート7を第2搬送装置33と第3搬送装置30を利用して搬送する(搬送工程S8)。そのため電極シート8,9は、対用シート7として第2切込み6bによって連結された状態で一体となって搬送される。
次に、図11に示すように第2分割装置40によって正極用の対用シート7に機械的力を付与して、対用シート7を第1切込み6aにおいて切断する。これによって対用シート7から電極シート8,9を分割する(分割工程S9)。次に図15に示すように起立させた正極用の電極シート8,9を中間板43とともにストッパ44に向けて移動させる。同様に他の対用シート7から電極シート8,9を分割して、先にストッパ44に立掛けられた電極シート8,9に他の対用シート7からの電極シート8,9を重ねる。重ねられた電極シート8,9の枚数が所定量になった際、電極シート8,9をストッカ50へ移動させる(積層工程S10)。
上述するように複数の負極シート12(電極シート8,9)は、中間板43を間に有して重ねられる。そして複数の正極シート13(電極シート8,9)も、中間板43を間に有して重ねられる。中間板43によって形成された隙間を利用して、負極シート12間に正極シート13の端縁を挿入する。同様に、負極シート12と正極シート13の間にセパレータ14の端縁を挿入する。そして中間板43を抜きつつ、負極シート12の間に、2枚のセパレータ14と、2枚のセパレータの間に位置する正極シート13を挿入する。
図1に示すように負極シート12のタブ12bと正極シート13のタブ13bは、いずれも図1の一端縁(上縁)に位置する。そして負極のタブ12bは、幅方向一領域(例えば図1の左領域)に位置し、正極のタブ13bは、幅方向他領域(例えば図1の右領域)に位置する。負極のタブ12b同士を接続し、正極のタブ13b同士を接続する。これにより図1に示す電極組立体11が形成される。タブ12bを負極端子18の一端に接続し、タブ13bを正極端子19の一端に接続し、電極組立体11をケース15に挿入する。そしてケース15内に電極組立体11と電解質を封入する(ケース封入工程S11)。これにより蓄電装置の1つであるリチウムイオン電池10が形成される。
上述するように本形態は、図5,図7に示すように金属箔2の少なくとも一領域上に活物質を含む活物質層3が形成された電極シート8,9の製造方法に関する。該方法では、帯状の金属箔2に活物質層3,4が形成された塗工領域1d,1eと金属箔2が露出された露出領域1a,1b,1cとを有する帯状の母シート1を準備する。母シート1に電極シート8,9の形状に沿ってレーザ光を照射する。レーザ光によって露出領域1a,1b,1cを切断し、かつレーザ光によって塗工領域1d,1eに厚み方向に貫通しない切込み6を形成する。母シート1に機械的に力を加えて切込み6が形成された部分において母シート1を破断して母シート1から電極シート8,9を分割する。
上述するように塗工領域1d,1eは、金属箔2上に活物質層3,4を有するため、露出領域1a,1b,1cよりも熱容量が大きい。そのため塗工領域1d,1eを切断するために必要なレーザ光のエネルギ強度は、露出領域1a,1b,1cを切断するために必要なレーザ光のエネルギ強度よりも高い。これに対して本方法では、塗工領域1d,1eを切断せずに塗工領域1d,1eに切込み6を形成する。したがって塗工領域1d,1eに照射するレーザ光のエネルギ強度を、塗工領域1d,1eを切断するために必要なエネルギ強度よりも低くできる。例えば、露出領域1a,1b,1cを切断する程度にエネルギ強度を低くしたレーザ光を塗工領域1d,1eに照射して塗工領域1d,1eに切込み6を形成する。
その結果、露出領域1a,1b,1cと塗工領域1d,1eにおいてレーザ光のエネルギ強度を大きく変更する必要が無くなり、例えば同じにすることができる。したがってレーザ光のエネルギ強度の調整が容易または不要になる。あるいはエネルギ強度の異なるレーザ光を発信する各レーザ発振機38を準備する必要が無くなり、例えば1台のレーザ発振機38にて上記製造方法を成し得る。一方、塗工領域1d,1eは、切込み6を有する部分が他の領域よりも小さい機械的な力で破断され得る。そのため切込み6を利用して比較的小さな力で塗工領域1d,1eを破断できる。これにより母シート1から電極シート8,9を容易に分割し得る。
図5に示すように母シート1は、塗工領域1dの第1端1gに隣接する第1露出領域1aと、第1端1gの反対側の塗工領域1dの第2端1hに隣接する第2露出領域1bを有する。第1露出領域1aから形成される第1タブ8bを含む第1電極シート8と、第2露出領域1bから形成される第2タブ9bを含む第2電極シート9が隣接するように第1電極シート8と第2電極シート9の形状に沿って母シート1にレーザ光を照射する。第1電極シート8と第2電極シート9が塗工領域1dにおいてそれぞれ本体部8a,9aを有する。第1電極シート8と第2電極シート9の本体部8a,9aの境界に沿う第1切込み6aと、塗工領域1dで第1切込み6aと異なる場所にて第1電極シート8と第2電極シート9の本体部8a,9aの形状に沿う第2切込み6bとを形成する。母シート1に機械的に力を加えて第2切込み6bにおいて母シート1を破断して、第1切込み6aで連結する第1電極シート8と第2電極シート9を含む対用シート7を母シート1から分割する。対用シート7を搬送する。対用シート7に機械的に力を加えて第1切込み6aにおいて対用シート7を破断して対用シート7を第1電極シート8と第2電極シート9に分割する。
したがって上述の製造方法では、対用シート7が母シート1から分割され、対用シート7として第1電極シート8と第2電極シート9が一体に搬送される。そのため第1電極シート8と第2電極シート9を別個に搬送する場合よりも簡易に第1電極シート8と第2電極シート9を次の工程へ搬送できる。あるいは第1電極シート8と第2電極シート9を対用シート7として搬送した後に分割するために、第1電極シート8と第2電極シート9の相対位置が分割時に正確にあるいは容易に決定され得る。
図11に示すように前記製造方法では、第1切込み6aに対して対称となるように第1タブ8bと第2タブ8bを形成する。第1タブ8bと第2タブ8bが対面するように対用シート7を第1切込み6aにおいて折り曲げる。そして対用シートを第1切込み6aにおいて破断して対用シート7を第1電極シート8と第2電極シート9に分割し、かつ第1タブ8bと第2タブ9bが対面して第1電極シート8と第2電極シート9が対面する。
したがって第1電極シート8と第2電極シート9は、対用シート7から形成されるために同一の極性、例えばいずれも正極または負極の極性を有する。図1に示すように同一の極性の電極シート8,9は、タブ8b,9bが重なるよう重ねられ、ケース15の蓋17を貫通する電極端子、例えば正極端子19、負極端子18の一端に接続される。従来、同一極性の電極シート8,9は、タブ8b,9bが重なるように向きを揃えつつ重ねる工程を有する。本方法では、対用シート7を折り曲げる1つの工程によって、第1電極シート8と第2電極シート9を分割し、第1タブ8bと第2タブ9bを重ねる。したがって1つの工程で対用シート7を分割し、かつタブ8b,9bを重ねることができる。
図12,図14に示すように前記製造方法では、第1切込み6aに対して対称となる対用シート7の両側を持上げる。これにより対用シート7を第1切込み6aを有する部分において破断して対用シート7を第1電極シート8と第2電極シート9に分割する。そして第1切込み6aに対応する端縁を下側として第1電極シート8と第2電極シート9を起立させる。したがって電極シート8,9は、起立しているために、倒れた状態で厚み方向に重ねる場合に比べて容易に移動され得る。例えば正極シート13と負極シート12を容易にあるいは短時間に交互に重ねることができる。
図12〜15に示すように前記製造方法では、起立した第1電極シート8と第2電極シート9を厚み方向に押して第1位置から第2位置へ移動させてストッパ44に立掛ける。同様に第2対用シート7を第1位置に移動させて第2対用シート7の両側を持上げる。これにより第2対用シート7を第1切込み6aにおいて破断して2つの電極シート8,9に分割しかつ起立させて第2位置へ移動させ、先に第2位置へ移動した電極シート8,9に第2対用シート7の電極シート8,9を重ねる。
したがって電極シート8,9は、起立した状態で移動されて厚み方向に重ねられる。そのため従来必要な工程、例えば、倒れた状態の電極シート8,9を持上げて他の電極シート8,9の上に設置するなど、高さを変える工程が不要になる。これに対して本方法では、電極シート8,9の高さを変更することなく、電極シート8,9を厚み方向に重ねることができる。すなわち電極シート8,9を持上げること等することなく、起立した状態で厚み方向に電極シート8,9を重ねることができる。
図12に示すように本方法では、第1切込み6aに対応する位置に中間板43をセットする。対用シート7を第1切込み6aにおいて折り曲げることで、第1電極シート8と第2電極シート9の間に中間板43を位置させる。第1電極シート8と第2電極シート9の間から中間板43を抜きつつ第1電極シート8と第2電極シート9の間に第3の電極シートを挿入する。例えば負極シート12の間に正極シート13を挿入、あるいは正極シート13の間に負極シート12を挿入する。
したがって第1電極シート8と第2電極シート9は、同じ対用シート7から形成されるために同一の極性、例えばいずれも正極または負極の極性を有する。そして中間板43は、第1電極シート8と第2電極シート9の間に位置して第3の電極シートを挿入するためのスペースを形成する。そのため中間板43を利用することで、例えば負極シート12の間に正極シート13を挿入することができる。
図6に示すように露出領域1bは、2列の塗工領域1d,1eの間に位置する。露出領域1bには、タブ9bとタブ8bが交互に長手方向に並ぶ。タブ9bは、塗工領域1dから形成される電極シート9のタブであり、タブ8bは、他の塗工領域1eから形成される電極シート8のタブである。したがってタブ8b,9bが幅方向に並ぶように露出領域1bの幅を広くした場合に比べ、破棄される面積が小さくなる。かくして材料費を安価にできる。
図5に示すようにレーザ加工によって母シート1に第1切込み6aと第2切込み6bが形成される。母シート1の第2切込み6bを有する部分は、図10に示す分割装置34において力を受けることで、他の部分よりも大きな力を受けることで破断される。母シート1(対用シート7)の第1切込み6aを有する部分は、図12に示す第2分割装置40において力を受けて他の部分よりも大きな力を受けることで破断される。すなわち母シート1は、3段階で電極シート8,9に分割される。
図5を参照するようにレーザ加工機35は、露出領域1a,1b,1cと塗工領域1d,1eに略同じエネルギ強度のレーザ光を照射する。この時、レーザ光のエネルギ強度は、塗工領域1d,1eを切断しない程度、すなわち塗工領域1d,1eに切込みを形成する程度の大きさに設定される。したがって塗工領域1d,1eが切断される程度にエネルギ強度を高く設定したレーザ光を露出領域1a,1b,1cに照射することで生じる問題を避けることができる。すなわち露出領域1a,1b,1cがレーザ光で溶融する金属箔2の量が多くなって、溶融した金属箔が固まりになって残るという問題を少なくできる。
図5を参照するようにレーザ加工機35は、露出領域1a,1b,1cと塗工領域1d,1eに略同じエネルギ強度のレーザ光を照射する。したがって露出領域1a,1b,1cと塗工領域1d,1eにおいてレーザ光のエネルギ強度を変更するという煩雑な制御が不要になる。あるいはエネルギ強度の異なるレーザ光を発信するために各エネルギ強度を発信するレーザ発振機38を複数用意する必要が無くなる。これによりレーザ加工機35を安価にできる。
図5,図10に示すように電極シート8,9の製造装置は、搬送装置32とレーザ加工機35と分割装置34を有する。搬送装置32は、帯状の金属箔2に活物質層3が形成された塗工領域1d,1eと金属箔2が露出された露出領域1a,1b,1cとを有する帯状の母シート1を搬送する。レーザ加工機35は、搬送装置32上の母シート1に電極シート8,9の形状に沿ってレーザ光を照射し、レーザ光によって露出領域1a,1b,1cを切断し、かつレーザ光によって塗工領域1d,1eに厚み方向に貫通しない切込み6を形成する。分割装置34は、母シート1に機械的に力を加えて切込みが形成された部分において母シート1を破断して母シート1から電極シート8,9を分割する。
図4,図10に示すように分割装置34は、搬送装置32の下流に位置しかつ搬送装置32より下方に位置する第2搬送装置33を有する。母シート1の先端が搬送装置32から第2搬送装置33に落下する際に受ける重力を利用して母シート1に機械的に力を加える。したがって分割装置34は、高さの異なる搬送装置32と第2搬送装置33によって重力を利用する構成である。そのため分割装置34は、比較的簡易に構成され得る。
図4,図10に示すように分割装置34は、搬送装置32の下流に位置しかつ搬送装置32より搬送速度の速い第2搬送装置33を有する。母シート1の先端が搬送装置32から第2搬送装置33に到達した際に第2搬送装置33が母シート1の先端を引っ張ることで母シート1に機械的に力を加える。したがって分割装置34は、搬送速度の異なる搬送装置32と第2搬送装置33を利用する。したがって分割装置34を比較的小さな構成、例えば上下方向に小さな構成にすることも可能である。
本発明の形態を上記構造を参照して説明したが、本発明の目的を逸脱せずに多くの交代、改良、変更が可能であることは当業者であれば明らかである。したがって本発明の形態は、添付された請求項の精神と目的を逸脱しない全ての交代、改良、変更を含み得る。例えば本発明の形態は、前記特別な構造に限定されず、下記のように変更が可能である。
上記方法では、図4,図10に示す分割装置34を利用して第2切込み6bにおいて母シート1を破断し、母シート1から対用シート7を分割する。これに代えて図16に示す分割装置60を利用して第2切込み6bにおいて母シート1を破断しても良い。図16に示す分割装置60は、搬送装置32と連続して配される搬送装置を有する。該搬送装置は、例えばローラ60aとローラ60a間に張設されるベルト60bを有する。分割装置60のベルト60bは、搬送装置32のベルト32bと略同じ高さに設置される。分割装置60は、搬送装置32よりも速い速度で搬送可能で、例えばベルト60bの速度がベルト32bよりも速い。したがって母シート1の先端が搬送装置32から分割装置60に移動すると、母シート1の先端が他の部分に対して引っ張られる。これにより母シート1は、機械的な力を受けて第2切込み6bにおいて破断し、母シート1から対用シート7が分割される。
上記方法では、図12,図13に示す第2分割装置40を利用して第1切込み6aにおいて対用シート7を破断する。これに代えて図17に示す分割装置61または図18に示す分割装置70を利用して第1切込み6aにおいて対用シート7を破断して、対用シート7から電極シート8,9を分割しても良い。図17に示す分割装置61は、対用シート7を搬送するための幅を有する第1ベルト61aと、第1ベルト61aの下流端から分岐する2つの第2ベルト61b,61cを有する。第2ベルト61b,61cは、相互に水平方向に離間しつつ第1ベルト61aから延出する。
図17に示すように対用シート7は、第1ベルト61aから第2ベルト61b,61cに搬送される。対用シート7は、第2ベルト61b,61cに到達すると、第1電極シート8が第2ベルト61bに引っ張られ、第2電極シート9が第2ベルト61cに引っ張られる。これにより対用シート7は、電極シート8,9が水平方向に離間するように引っ張られる。かくして対用シート7は、機械的な力を受けて第1切込み6aにおいて破断し、対用シート7が電極シート8,9に分割される。
図17に示す分割装置61のベルト61aは、長手方向に延出する複数の紐を有し、複数の紐が幅方向に並べられる。ベルト61aの一端側に位置する紐の束は、ベルト61aからベルト61bに沿って延出するように並べられる。ベルト61aの他端側に位置する紐の束は、ベルト61aから他のベルト61cに沿って延出するように並べられる。かくして2つ紐の束は、前半において1つにまとまっており、後半において相互に離間する。
図17に示す分割装置61は、ベルト61a,61b,61cに代えて複数のローラを有していても良い。ローラは、回転軸がベルト61a,61b,61cの幅方向に延出するように配向され、ベルト61a,61b,61cの長手方向に沿って並べられる。すなわちベルト61aの長手方向と同方向に並設された複数の第1ローラによって対用シート7が搬送される。ベルト61bの長手方向と同方向に並設された複数の第2ローラと、ベルト61cの長手方向と同方向に並設された複数の第3ローラは、相互に離れる。そのため対用シート7は、第2ローラと第3ローラによって電極シート8,9が離間するように引っ張られる。かくして対用シート7が電極シート8,9に分割される。
図18に示す分割装置70は、対用シート7を搬送するための幅を有する第1ベルト70aと、第1ベルト70aの下流端から分岐する2つの第2ベルト70b,70cと、第2ベルト70b,70cが合流する下流部に位置する第3ベルト70dを有する。第2ベルト70b,70cは、上下方向に相互に離間しつつ第1ベルト70aから延出し、その後、上下方向に近接しつつ第3ベルト70dに向けて延出する。
上側の第2ベルト70bは、第1ベルト70aの幅方向の一端から斜め上方に延出する傾斜ベルト70eと、傾斜ベルト70eの先端から水平方向に延出する水平ベルト70fと、水平ベルト70fの先端から下方に延出する傾斜ベルト70gを有する。傾斜ベルト70gの先端は、第3ベルト70dの幅方向の一端に隣接する。下側の第2ベルト70cは、第1ベルト70aの幅方向の他端から斜め下方に延出する傾斜ベルト70hと、傾斜ベルト70hの先端から水平方向に延出する水平ベルト70iと、水平ベルト70iの先端から上方に延出する傾斜ベルト70jを有する。傾斜ベルト70jの先端は、第3ベルト70dの幅方向の他端に隣接する。
図18に示すように対用シート7は、第1ベルト70aから第2ベルト70b,70cに搬送される。対用シート7は、第2ベルト70b,70cに到達すると、第1電極シート8が第2ベルト70bに引っ張られ、第2電極シート9が第2ベルト70cに引っ張られる。これにより対用シート7は、電極シート8,9が上下方向に離間するように引っ張られる。かくして対用シート7は、機械的な力を受けて第1切込み6aにおいて破断し、対用シート7が電極シート8,9に分割される。
図18に示す分割装置70は、ベルト70a,70b,70c,70dに代えて複数のローラを有していても良い。ローラは、回転軸がベルト70a,70b,70c,70dの幅方向に延出するように配向され、ベルト70a,70b,70c,70dの長手方向に沿って並べられる。
電極シートの製造装置は、図5に示すレーザ加工機35に代えて図19に示すレーザ加工機71を有していても良い。図19に示すレーザ加工機71は、第1搬送装置32と、母シート1に向けてレーザ光を照射するレーザヘッド73を有する。レーザヘッド73は、X−Y軸ロボット72に取付けられてX−Y軸方向に移動する。例えばX−Y軸ロボット72は、レーザヘッド73を母シート1の幅方向であるX方向に移動可能に支持するX軸部材72aと、母シート1の長手方向であるY方向にX軸部材72aを移動可能に支持するY軸部材72bを有する。
図19に示すようにレーザヘッド73には、アシストガスを供給するアシストガス供給装置76が接続される。さらにレーザヘッド73には、ファイバケーブルによってレーザビームを供給するレーザ発振機74が接続される。レーザ発振機74は、コントローラ75に接続され、コントローラ75のファンクションジェネレータによってレーザビームの発振状態が制御される。レーザ発振機74が供給するレーザ光は、例えばYAGレーザ光、CO2レーザ光である。コントローラ75は、X−Y軸ロボット72にも接続され、記憶するプログラムにしたがってレーザヘッド73を移動させる。
図19に示すようにレーザヘッド73は、レーザ発振機74から供給されたレーザ光を集めて照射するとともにアシストガスを放出する。レーザ光は、露出領域1aにおいて金属箔2を溶融して、溶融した金属箔2をビームと同軸に噴射されたアシストガスによって吹飛ばす。これにより露出領域1aは、レーザ光によって切断される。塗工領域1dでは、レーザ光によって切込み6が形成される。例えばレーザ光は、金属箔2と金属箔2の一側面に形成された活物質層3を溶融し、アシストガスで吹飛ばす。一方、金属箔2の他側面に形成された活物質層4は、レーザ光によって溶融されず、厚み方向の少なくとも1部が残存する。したがって塗工領域1dには、レーザ光によって厚み方向に切断されない切込み(溝)6が形成される。
図5に示すレーザ発振機38は、パルス波のレーザ光を発振する。これに代えてあるいは加えてレーザ発振機38は、連続波のレーザ光を発振しても良い。連続波レーザ光の波長は、例えば、1000〜1100nmであり、出力は500Wである。
上記母シート1は、図6に示すように2列の塗工領域1d,1eと、3列の露出領域1a,1b,1cを有する。そして各列の塗工領域1d,1eから幅方向に並ぶ2つの電極シート8,9が形成される。図6に示す母シート1に代えて図20に示す母シート62、図21に示す母シート63、図22に示す母シート64から電極シート8,9を分割しても良い。
図20に示すように母シート62は、長手方向に延出する1列の塗工領域62bと、長手方向に延出する1列の露出領域62aを有する。母シート62から形成される電極シート65は、塗工領域62bから形成される矩形状の本体部65aと、本体部65aの端縁から突出したタブ65bを有する。母シート62を図5に示すレーザ加工機35等によってレーザ加工する際、露出領域62aと塗工領域62bの両方にレーザ光を照射する。
図20に示すように露出領域62aでは、タブ65bの外周に沿う第1切断線62cと、タブ65bを有する本体部65aの端縁に沿う第2切断線62dに沿ってレーザ光が照射される。レーザ光によって露出領域62aは、第1切断線62cと第2切断線62dにおいて切断される。塗工領域62bでは、電極シート65の本体部65aの側縁に沿ってレーザ光が照射され、切込み62eが形成される。そして図10の分割装置34等を利用して、母シート62に力を加えることで母シート62が切込み62eにおいて破断する。これにより母シート62から電極シート65を分割できる。
図21に示すように母シート63は、長手方向に延出する2列の塗工領域63b,63dと、長手方向に延出する2列の露出領域63a,63cを交互に有する。母シート63から2列の電極シート66,67が分割される。電極シート66は、塗工領域63bから形成される矩形状の本体部66aと、本体部66aの端縁から突出して露出領域63aから形成されるタブ66bを有する。電極シート67は、塗工領域63dから形成される矩形状の本体部67aと、本体部67aの端縁から突出して露出領域63cから形成されるタブ67bを有する。母シート63を図5に示すレーザ加工機35等によってレーザ加工する際、露出領域63a,63cと塗工領域63b,63dの両方にレーザ光を照射する。
図21に示すように露出領域63a,63cでは、タブ66b,67bの外周に沿う第1切断線63e,63hと、タブ66b,67bを有する本体部66a,67aの端縁に沿う第2切断線63f,63iと、第2切断線63fに対して反対側の本体部66aの端縁に沿う第3切断線63kに沿ってレーザ光が照射される。これにより露出領域63a,63cは、第1切断線63e,63hと第2切断線63f,63iにおいて切断される。塗工領域63b,63dでは、電極シート66,67の本体部66a,67aの側縁に沿ってレーザ光が照射されて、切込み63g,63jが形成される。そして図10の分割装置34等を利用して母シート63に力を加えて母シート63を切込み63g,63jにおいて破断する。これにより母シート63から電極シート66,67を分割できる。
図22に示すように母シート64は、長手方向に延出する1列の塗工領域64bと、塗工領域64bの幅方向の両側に位置する露出領域64a,64cを有する。塗工領域64bの幅は、幅方向に2つの電極シート68,69が形成される程度に広い。電極シート68は、塗工領域64bから形成される矩形状の本体部68aと、本体部68aの端縁から突出して露出領域64aから形成されるタブ68bを有する。電極シート69は、塗工領域64bから形成される矩形状の本体部69aと、本体部69aの端縁から突出して露出領域64cから形成されるタブ69bを有する。母シート64を図5に示すレーザ加工機35等によってレーザ加工する際、露出領域64a,64cと塗工領域64bの両方にレーザ光を照射する。
図22に示すように露出領域64a,64cでは、タブ68b,69bの外周に沿う第1切断線64d、64fと、タブ68b,69bを有する本体部68a,69aの端縁に沿う第2切断線64e,64gに沿ってレーザ光が照射される。これにより露出領域64a,64cは、第1切断線64d、64fと第2切断線64e,64gにおいて切断される。塗工領域64bでは、電極シート68,69の本体部68a,69a間を延出するようにレーザ光が照射され、長手方向に延出する第1切込み64iが形成される。さらに塗工領域64bでは、長手方向に並ぶ電極シート68の本体部68a間および長手方向に並ぶ電極シート69の本体部69a間に沿うようにレーザ光が照射され、幅方向に延出する第2切込み64hが形成される。
母シート64は、図10の分割装置34等を利用して力を受け、第2切込み64hにおいて破断する。これにより連結された電極シート68,69を含む対用シートが母シート64から分割される。そして対用シートは、図12等に示す第2分割装置40等を利用して力を受け、対用シートを第1切込み64iにおいて破断する。これにより対用シートから電極シート68,69を分割する。
図1に示すセパレータ14は、負極シート12の本体部12aまたは正極シート13の本体部13aと略同じ矩形状である。これに代えてセパレータは、正極シート13を包む袋状であっても良い。あるいはセパレータは、帯状であって、長手方向に所定間隔でジグザグ状に折畳まれる。そして折畳まれることで形成された複数のセパレータの層の間に負極シート12と正極シート13が交互に挿入されても良い。
図11,図15に示すように負極シート(電極シート8,9)は、中間板43を間にして重ねられる。中間板43によって形成された電極シート8,9の隙間に正極シート(電極シート8,9)とセパレータが別々に挿入される。これに代えて正極シートが予め袋状のセパレータに挿入され、正極シートとセパレータが一体として負極シートの間に挿入されても良い。
図5を参照するようにレーザ光は、電極シート8,9の全周に沿うように母シート1に照射される。これに代えて、レーザ光は、電極シート8,9の外周の少なくとも一部、例えば所定間隔に照射されても良い。この場合、電極シート8,9の外周において未照射部が形成される。未照射部の両側には、切断線あるいは切込みが位置する。したがって母シート1が力を受けると未照射部は、他の部分に比べて比較的大きな力を受け得る。したがって未照射部は、切込み6を分割するために加えられた機械的力によって破断され得る。その結果、母シート1から対用シート7、あるいは対用シート7から電極シート8,9が分離され得る。
図12に示すように中間板43を切込み6aの対応する領域に押し当てて中間板43を利用して対用シート7を第1切込み6aで破断しても良い。これに代えて中間板43を切込み6aの対応する領域に押し当てることなく、すなわち中間板43を利用すること無く対用シート7を第1切込み6aで破断しても良い。
図12,図13に示すように対用シート7の両端をバー42で持上げて、対用シート7を電極シート8,9に分割し、電極シート8,9を起立させる。すなわち電極シート8,9をそれぞれ略90度回転させている。これに代えて対用シート7の一端をバー42で持上げて、対用シート7を電極シート8,9に分割し、電極シート8の上に電極シート9を重ねても良い。すなわち電極シート8,9の一方を他方に対して180度回転させ、電極シート8,9を倒れた状態で厚み方向に重ねても良い。この場合は、電極シート8,9を別々に、あるいは一体として持上げて他の電極シート8,9の上へ移動して、倒れた電極シート8,9を厚み方向に重ねても良い。
母シート1は、図7に示すように金属箔2の両面に活物質層3,4を有する。これに代えて、母シート1は、金属箔2の片面のみに活物質層3,4を有していても良い。
上述する電極シート8,9は、蓄電装置の1つであるリチウムイオン電池の部品として利用される。これに代えて電極シート8,9は、他の蓄電装置、例えば他の二次電池、一次電池、コンデンサーとして利用されても良い。
1,62,63 ,64 母シート
1a,1b,1c,62a,63a,63c,64a,64c 露出領域
1d,1e,62b,63b,63d,64b 塗工領域
2 金属箔
3,4 活物質層
5,65,66,67 電極シート
5a,5b,5c,5d,62c,62d,63e,63f,63h,63i,64d,64e,64g 切断線
6,6a,6b,6c,6d,62e,63g,63j,64h,64i 切込み
7 対用シート
8,9,68,69 電極シート
8b,9b,12b,13b,65b,66b,67b,68b,69b タブ
8a,9a,12a,13a,65a,66a,67a,68a,69a 本体部
10 リチウムイオン電池
11 電極組立体
12 負極シート
13 正極シート
14 セパレータ
15 ケース
16 ケース本体
17 蓋
18 負極端子
19 正極端子
20 塗工乾燥装置
21 供給機
22 塗工機
22a,22b スリットダイ
23 乾燥機
24 プレス機
25 テンション付与機
26 巻取り機
28 回収箱
29 アシストガス供給装置
30,32,33 搬送装置
34,40,60,61,70 分割装置
35,71 レーザ加工機
37 スキャナ
38,74 レーザ発振機
39,75 コントローラ
41 テーブル
42 バー
43 中間板
44 ストッパ
50 ストッカ
52 収容部
53 移動装置
76 アシストガス供給装置

Claims (9)

  1. 金属箔の少なくとも一領域上に活物質を含む活物質層が形成された電極シートの製造方法であって、
    帯状の金属箔に前記活物質層が形成された塗工領域と前記金属箔が露出された露出領域とを有する帯状の母シートを準備し、
    前記母シートに前記電極シートの形状に沿ってレーザ光を照射し、前記レーザ光によって前記露出領域を切断し、かつ前記レーザ光によって前記塗工領域に厚み方向に貫通しない切込みを形成し、
    前記母シートに機械的に力を加えて前記切込みが形成された部分において前記母シートを破断して前記母シートから前記電極シートを分割する電極シートの製造方法。
  2. 請求項1に記載の電極シートの製造方法であって、
    前記母シートは、前記塗工領域の第1端に隣接する第1露出領域と、前記第1端の反対側の前記塗工領域の第2端に隣接する第2露出領域を有し、
    前記第1露出領域から形成される第1タブを含む第1電極シートと、前記第2露出領域から形成される第2タブを含む第2電極シートが隣接するように前記第1電極シートと前記第2電極シートの形状に沿って前記母シートにレーザ光を照射し、前記第1電極シートと前記第2電極シートが前記塗工領域においてそれぞれ本体部を有し前記第1電極シートと前記第2電極シートの前記本体部の境界に沿う第1切込みと、前記塗工領域で前記第1切込みと異なる場所にて前記第1電極シートと前記第2電極シートの前記本体部の形状に沿う第2切込みとを形成し、
    前記母シートに機械的に力を加えて前記第2切込みにおいて前記母シートを破断して、前記第1切込みで連結する前記第1電極シートと前記第2電極シートを含む対用シートを前記母シートから分割し、
    前記対用シートを搬送し、
    前記対用シートに機械的に力を加えて前記第1切込みにおいて前記対用シートを破断して前記対用シートを前記第1電極シートと前記第2電極シートに分割する電極シートの製造方法。
  3. 請求項2に記載の電極シートの製造方法であって、
    前記第1切込みに対して対称となるように前記第1タブと前記第2タブを形成し、
    前記第1タブと前記第2タブが対面するように前記対用シートを前記第1切込みにおいて折り曲げて前記対用シートを前記第1切込みにおいて破断して前記対用シートを前記第1電極シートと前記第2電極シートに分割し、かつ前記第1タブと前記第2タブが対面して前記第1電極シートと前記第2電極シートが対面する電極シートの製造方法。
  4. 請求項3に記載の電極シートの製造方法であって、
    前記第1切込みに対して対称となる前記対用シートの両側を持上げて前記対用シートを前記第1切込みにおいて破断して前記対用シートを前記第1電極シートと前記第2電極シートに分割しつつ、前記第1切込みに対応する端縁を下側として前記第1電極シートと前記第2電極シートを起立させる電極シートの製造方法。
  5. 請求項4に記載の電極シートの製造方法であって、
    起立した前記第1電極シートと前記第2電極シートを厚み方向に押して第1位置から第2位置へ移動させてストッパに立掛け、
    同様に第2対用シートを前記第1位置に移動させて前記第2対用シートの両側を持上げ、前記第2対用シートを第1切込みにおいて破断して2つの電極シートに分割しかつ起立させて前記第2位置へ移動させ、先に前記第2位置へ移動した前記電極シートに前記第2対用シートの前記電極シートを重ねる電極シートの製造方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか1つに記載の電極シートの製造方法であって、
    前記第1切込みに対応する位置に中間板をセットし、
    前記対用シートを前記第1切込みにおいて折り曲げることで、前記第1電極シートと前記第2電極シートの間に前記中間板を位置させて、
    前記第1電極シートと前記第2電極シートの間から前記中間板を抜きつつ前記第1電極シートと前記第2電極シートの間に第3の電極シートを挿入する電極シートの製造方法。
  7. 金属箔の少なくとも一領域上に活物質を含む活物質層が形成された電極シートを製造するための電極シート用製造装置であって、
    帯状の金属箔に前記活物質層が形成された塗工領域と前記金属箔が露出された露出領域とを有する帯状の母シートを搬送する搬送装置と、
    前記搬送装置上の前記母シートに前記電極シートの形状に沿ってレーザ光を照射し、前記レーザ光によって前記露出領域を切断し、かつ前記レーザ光によって前記塗工領域に厚み方向に貫通しない切込みを形成するレーザ加工機と、
    前記母シートに機械的に力を加えて前記切込みが形成された部分において前記母シートを破断して前記母シートから前記電極シートを分割する分割装置を有する電極シート用製造装置。
  8. 請求項7に記載の電極シート用製造装置であって、
    前記分割装置は、前記搬送装置の下流に位置しかつ前記搬送装置より下方に位置する第2搬送装置を有し、前記母シートの先端が前記搬送装置から前記第2搬送装置に落下する際に受ける重力を利用して前記母シートに機械的に力を加える電極シート用製造装置。
  9. 請求項7または8に記載の電極シート用製造装置であって、
    前記分割装置は、前記搬送装置の下流に位置しかつ前記搬送装置より搬送速度の速い第2搬送装置を有し、前記母シートの先端が前記搬送装置から前記第2搬送装置に到達した際に前記第2搬送装置が前記母シートの先端を引っ張ることで前記母シートに機械的に力を加える電極シート用製造装置。
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