以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、図面において、同一または同等の要素には同じ符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る電極製造装置を適用して製造される電極を用いた蓄電装置の内部を示す断面図である。図2は、図1のII−II線に沿った断面図である。図1及び図2において、蓄電装置1は、積層型の電極組立体を有するリチウムイオン二次電池である。
蓄電装置1は、例えば略直方体形状のケース2と、このケース2内に収容された電極組立体3とを備えている。ケース2は、例えばアルミニウム等の金属により形成されている。ケース2の内部には、図示はしないが、例えば非水系(有機溶媒系)の電解液が注液されている。ケース2上には、正極端子4及び負極端子5が互いに離間して配置されている。正極端子4は、絶縁リング6を介してケース2に固定され、負極端子5は、絶縁リング7を介してケース2に固定されている。また、電極組立体3とケース2の内側の側面及び底面との間には絶縁フィルムが配置されており、絶縁フィルムによってケース2と電極組立体3との間が絶縁されている。図1では便宜上、電極組立体3の下端とケース2の底面との間には僅かな隙間が設けられているが、実際には電極組立体3の下端が絶縁フィルムを介してケース2の内側の底面に接触している。また、電極組立体3の積層方向において、電極組立体3のガタツキを低減するために、電極組立体3とケース2との間の隙間に、数枚のスペーサが配置されている。スペーサの枚数は、電極組立体3の厚みに応じて適宜調整される。
電極組立体3は、複数の正極8と複数の負極9とが袋状のセパレータ10を介して交互に積層された構造を有している。正極8は、袋状のセパレータ10に包まれている。袋状のセパレータ10に包まれた状態の正極8は、セパレータ付き正極11として構成されている。従って、電極組立体3は、複数のセパレータ付き正極11と複数の負極9とが交互に積層された構造を有している。なお、電極組立体3の両端に位置する電極は、負極9である。
正極8は、例えばアルミニウム箔からなる正極集電体である金属箔14と、この金属箔14の両面に形成された正極活物質層15とを有している。金属箔14は、平面視矩形状の箔本体部14aと、この箔本体部14aと一体化されたタブ14bとを有している。タブ14bは、箔本体部14aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。そして、タブ14bは、セパレータ10を突き抜けている。複数の正極8より延びる複数のタブ14bは、集箔された状態で導電部材12に接続(溶接)され、導電部材12を介して正極端子4に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ14bを省略している。
正極活物質層15は、箔本体部14aの表裏両面に形成されている。正極活物質層15は、正極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。正極活物質としては、例えば複合酸化物、金属リチウムまたは硫黄等が挙げられる。複合酸化物には、例えばマンガン、ニッケル、コバルト及びアルミニウムの少なくとも1つとリチウムとが含まれる。
負極9は、例えば銅箔からなる負極集電体である金属箔16と、この金属箔16の両面に形成された負極活物質層17とを有している。金属箔16は、平面視矩形状の箔本体部16aと、この箔本体部16aと一体化されたタブ16bとを有している。タブ16bは、箔本体部16aの長手方向の一端部近傍の縁から突出している。タブ16bは、導電部材13を介して負極端子5に接続されている。なお、図2では、便宜上タブ16bを省略している。
負極活物質層17は、箔本体部16aの表裏両面に形成されている。負極活物質層17は、負極活物質とバインダとを含んで形成された多孔質の層である。負極活物質としては、例えば黒鉛、高配向性グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ、ハードカーボン、ソフトカーボン等のカーボン、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属、金属化合物、SiOx(0.5≦x≦1.5)等の金属酸化物またはホウ素添加炭素等が挙げられる。
セパレータ10は、平面視矩形状を呈している。セパレータ10の形成材料としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系樹脂からなる多孔質フィルム、或いはポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、メチルセルロース等からなる織布または不織布等が例示される。
以上のように構成された蓄電装置1を製造する場合は、まずセパレータ付き正極11及び負極9を製作した後、セパレータ付き正極11と負極9とを交互に積層し、積層体を形成する。この積層体を加圧することでセパレータ付き正極11及び負極9を密着させた後、セパレータ付き正極11及び負極9をテープ等で固定することで電極組立体3を得る。そして、セパレータ付き正極11のタブ14bを導電部材12を介して正極端子4に接続すると共に、負極9のタブ16bを導電部材13を介して負極端子5に接続した後、電極組立体3をケース2内に収容する。本実施形態は、この工程前半の正極8又は負極9の製作に関わる。まず、帯状の金属箔に活物質合剤を塗工後乾燥させ、帯状の金属箔の両面に活物質層前駆体を備えたシート部材30を製作する。このシート部材30の切断後、各々をプレスすることで、正極8又は負極9を製作する。
次に、図3を参照して、本発明の実施形態に係る電極製造装置100について説明する。図3は、電極製造装置100の構成を示す平面図である。電極製造装置100は、金属箔の両面に活物質層を有する電極20を製造する装置である。電極製造装置100は、電極20の材料となる部材を搬送方向へ搬送しながら、電極20を製造する。なお、電極製造装置100が製造する電極20は正極8及び負極9のいずれであってもよい。また、電極20は、後述のプレス部でプレスされることによって完成するものである。ただし、ここでは説明を容易とするために、プレスされる前の部材であっても、切断部で電極20の形状に形成されたものは「電極20」と称するものとする。
図3に示すように、電極製造装置100は、搬送方向における上流側から順に、切断部21と、分岐部22と、を備える。また、電極製造装置100は、分岐部22から分岐した一方のラインにおいて、搬送方向における上流側から順に、搬送経路23Aと、プレス部24Aと、搬送経路26Aと、を備える。電極製造装置100は、分岐部22から分岐した他方のラインにおいて、搬送方向における上流側から順に、搬送経路23Bと、プレス部24Bと、搬送経路26Bと、を備える。また、電極製造装置100は、搬送経路26Aと搬送経路26Bとを合流させる合流部27を備える。
切断部21は、例えば、一対のローラを備えたロータリーダイカット方式の切断装置として構成されている。帯状のシート部材30は、当該シート部材30の長手方向に、切断部21の一対のローラ間を通過するように搬送される。一対のローラにはシート部材30を所望の形状に切断する刃部が形成されている。従って、一対のローラは、その刃部でシート部材30を挟み込んで、当該シート部材30を切断する。切断部21は、帯状のシート部材30を切断することで、電極20を形成する。切断部21は、シート部材30を切断し、当該シート部材30の長手方向、すなわちローラの回転軸が延びる方向と直交する送出方向へ送出することで、電極20を形成する。ただし、切断部21は電極20を形成できる限り、ロータリーダイカット方式以外の構造を有していてもよい。
切断部21は、送出方向と直交する方向に配列された電極20A及び電極20Bを形成する。すなわち、切断部21は、帯状のシート部材30から、短手方向に二枚分の電極20を切り出す、いわゆる「二条取り」の切断を行う。切断部21は、帯状のシート部材30を短手方向において電極20の二枚分の大きさ及び形状に切断する。また、切断部21は、帯状のシート部材30を長手方向において電極20の一枚分のピッチ毎に切断する。
なお、水平方向における一の方向に対して「X軸」を設定し、水平方向においてX軸と直交する方向に対して「Y軸」を設定する。シート部材30が送られる方向がX軸方向に対応し、シート部材30の送り方向における上流側がX軸方向の正側に対応する。X軸方向と直交する方向がY軸方向に対応し、当該Y軸方向の一方がY軸方向の正側に対応する。以降の説明においては、「X軸」、「Y軸」を用いて説明を行う場合がある。
ここで、図4を参照して、電極20について説明する。図4に示すように、電極20は、短手方向に互いに対向する縁部20a,20bと、長手方向に対向する縁部20c,20dと、を備える矩形状の形状を有する。縁部20a,20bと縁部20c,20dとは互いに直交する。電極20の縁部20a側には金属箔が露出する活物質層20gの未塗工部20eが形成される。未塗工部20eは、縁部20aから突出するタブ20fを有する。なお、電極20の形状については、短手方向と長手方向が逆であってもよい。また、未塗工部20eはタブ20fのみよりなり、縁部20a側の他の箇所は、正極活物質層15又は負極活物質層17が設けられていてもよい。
図3に戻り、切断部21から送出された直後の状態では、電極20Bは、タブ20fがY軸方向の正側へ突出する姿勢である。また、電極20Aは、電極20BのY軸方向の負側に配置されており、且つ、タブ20fがY軸方向の負側へ突出する姿勢である。
分岐部22は、切断部21から送出された電極20A及び電極20Bを搬送経路23A及び搬送経路23Bへ分岐させる。分岐部22は、下面で電極20A,20Bを吸着した状態で搬送する吸着コンベア31によって構成される。吸着コンベア31は、電極20A,20Bを二列に配列されたままの状態でX軸方向へ搬送するように、X軸方向へ延びる。
吸着コンベア31は、搬送方向における一部において、搬送経路23Aと重なっている。すなわち、吸着コンベア31の下方に搬送経路23Aの一部が配置される。搬送経路23Aは、吸着コンベア31の幅方向(Y軸方向)の縁部のうち、電極20Aが配置される側のY軸方向の負側の縁部31bまで延びている。吸着コンベア31は、切断部21から搬送した電極20Aを搬送経路23Aの位置で落下させることで、当該搬送経路23Aに電極20Aを移し替える。吸着コンベア31は、搬送方向における一部であって、搬送経路23Aと搬送方向において異なる位置において、搬送経路23Bと重なっている。すなわち、吸着コンベア31の下方に搬送経路23Bの一部が配置される。搬送経路23Bは、吸着コンベア31の幅方向(Y軸方向)の縁部のうち、電極20Bが配置される側のY軸方向の正側の縁部31aまで延びている。吸着コンベア31は、切断部21から搬送した電極20Bを搬送経路23Bの位置で落下させることで、当該搬送経路23Bに電極20Bを移し替える。
搬送経路23Aは、分岐部22からプレス部24Aへ電極20Aを搬送する経路である。搬送経路23Aは、搬送部32Aと、搬送部36Aと、方向転換部39Aと、を備える。搬送部32Aは、分岐部22からY軸方向の正側へ向かって延びる。搬送部36Aは、搬送部32Aの下流側の端部からプレス部24Aへ向かってX軸方向の負側へ向かって延びる。方向転換部39Aは、搬送部32Aと搬送部36Aとの間で電極20Aの方向転換を行う。
搬送部32Aは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部33Aと、コンベア34Aと、を備える。分岐部22から電極20Aを受け取る部分には、位置決め部33Aが設けられている。なお、搬送部32Aでは、電極20Aは、Y軸方向の負側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
位置決め部33Aは、搬送方向と直交する方向に対する電極20Aの位置決めを行う。位置決め部33Aは、X軸方向の電極20Aの位置決めを行った後、Y軸方向の正側へ電極20Aを搬送し、位置決め部33Aは、Y軸方向の正側へ電極20Aを搬送し、コンベア34Aへ送る。本実施形態では、位置決め部33Aは、複数の搬送ローラ33aと、規制部33bと、を備える。
複数の搬送ローラ33aは、電極20Aを搬送方向へ搬送するものであり、搬送方向へ並べられている。搬送ローラ33aは、当該搬送ローラ33aを回転させるための駆動部(不図示)に接続されている。複数の搬送ローラ33aの一部は、X軸方向における正側の端部が、搬送方向における上流側へ位置するように、X軸方向に対して傾斜する。上流側に配置された搬送ローラ33aの傾斜が大きく、下流側に配置される搬送ローラ33aほど傾斜が小さくなっている。このような構成により、搬送ローラ33a上の電極20Aは、搬送方向に搬送されながら、X軸方向の正側へ寄せられる。
規制部33bは、搬送ローラ33aに対して、X軸方向における正側に配置され、電極20AのX軸方向における正側への移動を規制する。これにより、搬送ローラ33aによってX軸方向の正側へ寄せられた電極20Aは、規制部33bによってX軸方向への移動を規制される。規制部33bは、搬送ローラ33aから上方へ立ち上がるように設けられる。これにより、電極20Aの縁部が規制部33bに当接し、当該縁部がY軸方向に平行に位置決めされる。なお、規制部33bは、少なくとも搬送ローラ33aがX軸方向に対して傾斜している領域に設けられていればよい。
搬送部36Aは、搬送方向の上流側から順に、コンベア37Aと、位置決め部38Aと、を備える。位置決め部38Aは、X軸方向の負側へ電極20Aを搬送し、Y軸方向の正側で電極20Aを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部36Aでは、電極20Aは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
方向転換部39Aは、搬送方向の方向転換を行うことで、プレス部24Aに対する電極20Aの向きを変更する。方向転換部39Aは、Y軸方向に搬送される電極20Aの搬送方向を、X軸方向へ転換する。方向転換部39Aは、90°の円弧を描くように湾曲する搬送経路を形成する。方向転換部39Aは、湾曲する搬送経路に対する電極20Aの角度を略一定に保ちながら、電極20Aを搬送する。従って、電極20Aのプレス部24Aの回転軸方向に対する角度は、方向転換部39Aに搬送されるに従って徐々に変化し、方向転換部39Aの前後で約90°変化する。これにより、方向転換部39Aは、当該方向転換部39Aの通過前後において、プレス部24Aに対する電極20Aの向きを変更することができる。方向転換部39Aの構成は特に限定されない。例えば、方向転換部39Aは、90°の円弧を描く軌道を有するカーブコンベアによって構成されてよい。
方向転換部39Aは、コンベア34AによりY軸方向の正側へ搬送される電極20Aの搬送方向を、X軸方向の負側へ転換し、コンベア37Aへ受け渡す。電極20Aは、方向転換部39Aの上流側では、タブ20fがY軸方向の負側へ突出する姿勢である。電極20Aは、方向転換部39Aの下流側では、タブ20fがX軸方向の正側へ突出する姿勢である。
プレス部24Aは、電極20Aをプレスする。プレス部24Aは、一対のプレスローラを備える。プレス部24Aは、電極20Aを一対のプレスローラでプレスする。一対のプレスローラは、互いに平行な状態で上下方向に配置されている。また、一対のプレスローラの回転軸は、Y軸方向に平行に延びている。電極20Aは、一対のプレスローラ間を通過することにより、プレスされる。
搬送経路26Aは、プレス部24Aから合流部27へ電極20Aを搬送する経路である。搬送経路26Aは、搬送部41Aと、搬送部42Aと、方向転換部43Aと、を備える。搬送部41Aは、プレス部24AからX軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部41Aは、コンベア47Aによって構成される。搬送部42Aは、搬送部41Aの下流側の端部から合流部27へ向かってY軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部42Aは、コンベア48Aによって構成される。方向転換部43Aは、搬送部41Aと搬送部42Aとの間で電極20Aの方向転換を行う。方向転換部43Aは、搬送方向以外は、前述の方向転換部39Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部41Aでは、電極20Aは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。搬送部42Aでは、電極20Aは、Y軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
搬送経路23Bは、分岐部22からプレス部24Bへ電極20Bを搬送する経路である。搬送経路23Bは、搬送部32Bと、搬送部36Bと、方向転換部39Bと、を備える。搬送部32Bは、分岐部22からY軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部36Bは、搬送部32Bの下流側の端部からプレス部24Bへ向かってX軸方向の負側へ向かって延びる。方向転換部39Bは、搬送部32Bと搬送部36Bとの間で電極20Bの方向転換を行う。
搬送部32Bは、搬送方向の上流側から順に、位置決め部33Bと、コンベア34Bと、を備える。分岐部22から電極20Bを受け取る部分には、位置決め部33Bが設けられている。位置決め部33Bは、Y軸方向の負側へ電極20Bを搬送し、X軸方向の正側で電極20Bを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部32Bでは、電極20Bは、Y軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
搬送部36Bは、搬送方向の上流側から順に、コンベア37Bと、位置決め部38Bと、を備える。位置決め部38Bは、X軸方向の負側へ電極20Bを搬送し、Y軸方向の負側で電極20Bを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部36Bでは、電極20Bは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
プレス部24Bは、電極20Bをプレスする。プレス部24Bは、一対のプレスローラを備える。プレス部24Bは、プレス部24Aと同趣旨の構成を有する。
搬送経路26Bは、プレス部24Bから合流部27へ電極20Bを搬送する経路である。搬送経路26Bは、搬送部41Bと、搬送部42Bと、方向転換部43Bと、を備える。搬送部41Bは、プレス部24BからX軸方向の負側へ向かって延びる。搬送部41Bは、コンベア47Bによって構成される。搬送部42Bは、搬送部41Bの下流側の端部から合流部27へ向かってY軸方向の正側へ向かって延びる。搬送部42Bは、コンベア48Bによって構成される。方向転換部43Bは、搬送部41Bと搬送部42Bとの間で電極20Bの方向転換を行う。方向転換部43Bは、搬送方向以外は、前述の方向転換部39Aと同趣旨の構成を有する。なお、搬送部41Bでは、電極20Bは、X軸方向の正側へタブ20fが突出した状態で搬送される。搬送部42Bでは、電極20Bは、Y軸方向の負側へタブ20fが突出した状態で搬送される。
合流部27は、搬送経路26Aと搬送経路26Bとが合流する部分である。合流部27は、搬送経路26Aで搬送された電極20A及び搬送経路26Bで搬送された電極20Bを合流させる。合流部27は、下面で電極20A,20Bを吸着した状態で搬送する吸着コンベア46によって構成される。吸着コンベア46は、電極20A,20Bを二列に配列した状態でX軸方向の負側へ搬送するように、X軸方向へ延びる。
吸着コンベア46は、X軸方向の正側の端部付近であって、Y軸方向の正側の縁部46aにおいて、搬送経路26Aと重なっている。すなわち、吸着コンベア46の下方に搬送経路26Aの一部が配置される。吸着コンベア46は、搬送経路26A上の電極20Aを下面で吸着することで、吸着コンベア46へ電極20Aを移し替える。吸着コンベア46は、X軸方向の正側の端部付近であって、Y軸方向の負側の縁部46bにおいて、搬送経路26Bと重なっている。すなわち、吸着コンベア46の下方に搬送経路26Bの一部が配置される。吸着コンベア46は、搬送経路26B上の電極20Bを下面で吸着することで、吸着コンベア46へ電極20Bを移し替える。
吸着コンベア46は、吸着した電極20A,20BをX軸方向の負側へ搬送する。電極20Aは、吸着コンベア46のY軸方向の正側の領域にて搬送される。このとき、電極20Aは、タブ20fがY軸方向の正側へ突出する姿勢である。電極20Bは、吸着コンベア46のY軸方向の負側の領域にて搬送される。このとき、電極20Bは、タブ20fがY軸方向の負側へ突出する姿勢である。吸着コンベア46に搬送された電極20A,20Bは、吸着コンベア46の下流側に配置された位置決め部49A,49Bに移し替えられる。位置決め部49Aは、X軸方向の負側へ電極20Aを搬送し、Y軸方向の負側で電極20Aを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。位置決め部49Bは、X軸方向の負側へ電極20Bを搬送し、Y軸方向の正側で電極20Bを規制する点を除き、位置決め部33Aと同趣旨の構成を有する。
次に、本実施形態に係る電極製造装置100について更に詳細に説明する。電極製造装置100は、分岐部22から分岐すると共に、合流部27で合流する搬送経路70A及び搬送経路70Bを備える。これによって、電極製造装置100は、全体として環状のレイアウトを有している。従って、電極製造装置100の中央付近の領域には、搬送経路70A及び搬送経路70Bによって囲まれるスペースSPが形成される。
搬送経路70Aは電極20Aを搬送する経路である。搬送経路70Aは、上述の搬送経路23A、プレス部24A、及び搬送経路26Aによって構成される。搬送経路70Bは電極20Bを搬送する経路である。搬送経路70Bは、上述の搬送経路23B、プレス部24B、及び搬送経路26Bによって構成される。
前述のように、搬送経路70Aには、プレス部24Aが設けられる。搬送経路70Aでは、電極20Aが一枚ずつ順次プレス部24Aに供給される。従って、プレス部24Aは、一枚分の電極20Aをプレスする。前述のように、搬送経路70Bには、プレス部24Bが設けられる。搬送経路70Bでは、電極20Bが一枚ずつ順次プレス部24Bに供給される。従って、プレス部24Bは、一枚分の電極20Bをプレスする。
プレス部24A及びプレス部24Bは、搬送経路70A及び搬送経路70Bのうち、互いに対向して延びる箇所に設けられる。具体的には、搬送経路70Aの搬送部36A,41Aで構成される箇所は、X軸方向に平行に延びる。搬送経路70Bの搬送部36B,41Bで構成される箇所は、X軸方向に平行に延びる。従って、搬送部36A,41Aと搬送部36B,41Bは、Y軸方向に互いに対向しており、X軸方向に平行をなすように延びる。プレス部24Aは、搬送部36Aと搬送部41Aとの間に設けられている。プレス部24Bは、搬送部36Bと搬送部41Bとの間に設けられている。
また、搬送経路70Aには、プレス部24Aの上流側に隣り合う位置に、位置決め部38Aが設けられる。搬送経路70Bには、プレス部24Bの上流側に隣り合う位置に、位置決め部38Bが設けられる。
プレス部24Aは、搬送方向においてプレス部24Bに対してずれた位置に配置されている。本実施形態では、プレス部24Aは、プレス部24Bよりも搬送方向における上流側にずれた位置に配置されている。すなわち、プレス部24Aは、プレス部24BのX軸方向の正側に配置されている。
ここで、プレス部24Aは、電極20Aを挟み込んでプレスするための一対のローラ61が配置されたローラ配置区画62Aと、ローラ61を駆動させるためのモータなどの駆動機構が配置された駆動機構配置区画63Aと、を備える。プレス部24Bは、電極20Bを挟み込んでプレスするための一対のローラ61が配置されたローラ配置区画62Bと、ローラ61を駆動させるためのモータなどの駆動機構が配置された駆動機構配置区画63Bと、を備える。このうち、駆動機構配置区画63A,63Bはローラ配置区画62A,62Bに比して大きな容積を占める箇所である。駆動機構配置区画63A,63Bは、搬送経路70A,70Bに取り囲まれるスペースSPの内側に配置される。プレス部24Aが搬送方向においてプレス部24Bに対してずれた位置に配置されているため、プレス部24Aの駆動機構配置区画63Aは、プレス部24Bの駆動機構配置区画63Bと干渉することなく配置される。プレス部24Aの駆動機構配置区画63Aとプレス部24Bの駆動機構配置区画63Bとは、X軸方向において互いに重なり合う。
また、分岐部22は、電極20A及び電極20Bを送出方向と直交する方向に配列された状態で、吸着コンベア31にて送出方向(X軸方向)へ搬送する。また、分岐部22は、送出方向における何れかの位置から搬送経路70A及び搬送経路70Bを分岐させている。プレス部24Aはプレス部24Bに対して搬送方向における上流側にずれている。従って、搬送経路70Aは、搬送経路70Bよりも送出方向における上流側にずれた位置にて分岐部22から分岐する。すなわち、搬送経路70Aは、搬送経路70BよりもX軸方向の正側の位置にて、分岐部22から分岐する。
ここで、図4及び図5を参照して、分岐部22による分岐構造について詳細に説明する。図4は、電極製造装置100の一部を示す概略平面図である。図5は、電極製造装置100を示す概略側面図である。図5は、図4に示すV−V線断面図である。なお、理解を容易とするため、図4では、吸着コンベア31の一部を仮想線で示している。図5では、位置決め部33A,33Bの搬送ローラ33a及びその支持構造は、断面図とせずに当該搬送ローラ33aがX軸に対して傾斜していないと仮定した場合の構成を示す概略側面図としている。
図5に示すように、吸着コンベア31は、搬送方向(X軸方向)における両端側に配置される少なくとも一対のローラ51と、当該ローラ51に架け渡される無端のベルト52と、を備えている。ベルト52は、一対のローラ51の上端部側に架け渡される部分52aと、一対のローラ51の下端部側に架け渡される部分52bと、を有する。吸着コンベア31は、ベルト52の下端側の部分52bの下面31dに、電極20A,20Bを吸着させる。ベルト52は、ローラ51の回転駆動に伴って循環する。ローラ51は、ベルト52の下端側の部分52bが搬送方向へ移動するように駆動する。これにより、ベルト52の下面31dに吸着された電極20A,20Bは、ベルト52の下端側の部分52bの移動に伴って、搬送方向へ搬送される。また、吸着コンベア31は、幅方向において、電極20Aが配置される側(Y軸方向の負側)に縁部31aを有し、電極20Bが配置される側(Y軸方向の正側)に縁部31bを有する(図4参照)。
ここで、吸着コンベア31は、ベルト52の上端側の部分52aと下端側の部分52bとの間に、吸引ボックス53を備える。吸引ボックス53は、下面側に開口53aを備える。吸引ボックス53は、別途外部に配置された真空ポンプ又はブロワと管路で接続されることで、開口よりエアを吸引する。一方、ベルト52には、略全面にわたって複数の貫通孔が形成されている。従って、吸着コンベア31の下面31dは、吸引ボックス53によるエアの吸引により、複数の貫通孔を介して吸着力を発生する。吸着コンベア31は、少なくとも電極20A,20Bが通過し得る箇所に対して設けられる。
図4及び図5に示すように、分岐部22は、電極20Aを搬送する搬送部60A、及び電極20Bを搬送する搬送部60Bを有する。搬送部60Aは、電極20Aを下面側で吸着して搬送する吸着コンベア31の一部によって構成される。搬送部60Bは、電極20Bを下面側で吸着して搬送する吸着コンベア31の一部によって構成される。具体的には、搬送部60Aは、吸着コンベア31において、幅方向の中心位置よりも縁部31a側(Y軸方向の負側)の領域によって構成される。搬送部60Bは、吸着コンベア31において、幅方向の中心位置よりも縁部31b側(Y軸方向の正側)の領域によって構成される。なお、搬送部60A,60Bは、一つの吸着コンベア31の一部の領域によって構成されているが、互いに独立した二つの吸着コンベアによって構成されていてよい。
位置決め部33Aは、上面側に電極20Aを配置させて搬送する。位置決め部33Aは、吸着コンベア31よりも下側に配置されている。位置決め部33Aは、吸着コンベア31の縁部31bから、当該吸着コンベア31の下面側に潜り込んでいる。位置決め部33Aの搬送方向の上流側(Y軸方向の負側)の端部33Aaは、当該吸着コンベア31の縁部31a付近に配置されている。位置決め部33Aは、吸着コンベア31の縁部31bよりもY軸方向の正側へ向かって延びている。位置決め部33Aは、吸着コンベア31の搬送方向における中途位置に配置されている。具体的には、位置決め部33Aは、吸着コンベア31の搬送方向における下流側の端部31cから、搬送方向の上流側に離間した位置に配置される。
このような構成により、搬送経路23Aの位置決め部33Aは、搬送部60Bと上下方向において異なる位置に配置される。また、位置決め部33Aは、上下方向から見て、搬送部60Bと交差する。位置決め部33Aは、搬送部60Bと直交するように交差する。本実施形態では、搬送経路23Aは、搬送部60Aの下方に配置され、且つ、搬送部60Aと上下方向に重なる部分を有する。ここでは、位置決め部33Aの搬送方向における上流側の端部33Aa付近の部分が、搬送部60Aと重なる。また、搬送経路23Aが搬送部60Bの下方を通過することで、上下方向から見て、当該搬送部60Bと交差する。搬送経路23Aの位置決め部33Aは、搬送部60Bと直交する。なお、位置決め部33Aの高さは、当該位置決め部33Aの上面で搬送されている電極20Aが、搬送部60Bで搬送されている電極20Bと干渉しない高さに設定されている。
位置決め部33Bは、上面側に電極20Bを配置させて搬送する。位置決め部33Bは、吸着コンベア31の縁部31aから、当該吸着コンベア31の下面側に潜り込んでいる。位置決め部33Bの搬送方向の上流側(Y軸方向の正側)の端部33Baは、当該吸着コンベア31の縁部31b付近に配置されている。位置決め部33Bは、吸着コンベア31の縁部31aよりもY軸方向の負側へ向かって延びている。位置決め部33Bは、吸着コンベア31の搬送方向における下流側の端部31c付近に配置されている。位置決め部33Bは、位置決め部33Aよりも、吸着コンベア31の搬送方向における下流側(X軸方向の負側)へずれた位置に配置される。
このような構成により、搬送経路23Bの位置決め部33Bは、搬送部60Aと上下方向において異なる位置に配置される。また、位置決め部33Bは、上下方向から見て、搬送部60Aと交差しない。位置決め部33Bは、上下方向から見て、搬送部60Aの下流側に設けられた非吸着部56(詳細は後述)と交差する。本実施形態では、搬送経路23Bは、搬送部60Bの下方に配置され、且つ、搬送部60Bと上下方向に重なる部分を有する。ここでは、位置決め部33Bの搬送方向における上流側の端部33Ba付近の部分が、搬送部60Bと重なる。また、搬送経路23Bが非吸着部56の下方を通過することで、上下方向から見て、当該非吸着部56と交差する。搬送経路23Bの位置決め部33Bは、非吸着部56と直交する。
上述のように構成されることで、搬送部60Aで搬送された電極20Aは、位置決め部33Aのうち搬送部60Aと重なる部分に落下する。それにより、電極20Aは搬送部60Aから位置決め部33Aに移し替えられ、当該位置決め部33Aによって搬送される。搬送部60Aでは、電極20Aは、タブ20fがY軸方向の負側へ突出した姿勢にて、X軸方向の負側へ搬送される。そして、位置決め部33Aでは、電極20Aは、タブ20fがY軸方向の負側へ突出した姿勢にて、Y軸方向の正側へ搬送される。
また、搬送部60Bで搬送された電極20Bは、位置決め部33Bのうち搬送部60Bと重なる部分に落下する。それにより、電極20Bは搬送部60Bから位置決め部33Bに移し替えられ、当該位置決め部33Bによって搬送される。搬送部60Bでは、電極20Bは、タブ20fがY軸方向の正側へ突出した姿勢にて、X軸方向の負側へ搬送される。そして、位置決め部33Bでは、電極20Bは、タブ20fがY軸方向の正側へ突出した姿勢にて、Y軸方向の負側へ搬送される。
ここで、吸着コンベア31は、搬送部60Aで搬送される電極20Aを、位置決め部33Aにて落下させるための機構、及び搬送部60Bで搬送される電極20Aを、位置決め部33Bにて落下させるための機構を有する。当該機構は、どのような構成が採用されてもよいが、非吸着部56の構造が採用されてよい。吸着コンベア31は、上下方向から見て位置決め部33Aと重なる部分の一部、及び位置決め部33Bと重なる部分の一部に、電極20A,20Bの吸着が抑制又は停止された非吸着部56を有する。非吸着部56は、吸着面である下面31dの吸着力が他の部分に比して低い、又は吸着力が発生していない領域である。非吸着部56は、例えば、当該非吸着部56に対応する位置において、吸引ボックス53の開口53aを遮断部材57で塞ぐ事によって構成されてよい。吸引ボックス53の開口53aが遮断部材57で塞がれることで、当該塞がれた部分では、吸引ボックス53によるエアの吸引が行われない。従って、当該部分における下面31dでは、吸引ボックス53の吸引に伴う吸着力が発生しない。
なお、非吸着部56を構成するための方法は特に限定されない。例えば、吸着コンベア31に対して複数個に分割された吸引ボックス53が設けられている場合、対応部分における吸引ボックス53を省略することによって、非吸着部56を構成してもよい。これにより、非吸着部56では、吸引ボックス53による吸引が行われないため、下面31dでの吸着力が発生しない。なお、遮断部材57に貫通孔が形成されることで、非吸着部56での吸引ボックス53の吸引力を低減してもよい。この場合、非吸着部56の下面31dでの吸着力が、遮断部材57が設けられていない箇所での吸着力に比して低い。なお、非吸着部56の吸着が抑制された状態とは、位置決め部33A上の電極20Aの全面積に対して非吸着部56の下面が発生する吸引力を作用させたとしても、電極20Aが非吸着部の下面に吸着されない程度に吸着力が抑制された状態である。
以上のように構成された電極製造装置100の電極20Aと電極20Bの経路長について、図3を参照して説明する。本実施形態では、切断部21から合流部27へ至るまでの電極20Aの経路長と、電極20Bの経路長は、略等しくなるように設定されている。なお、経路長とは、電極20A,20Bが搬送によって移動する経路の長さである。
前述のように、搬送経路70Aは、搬送経路70Bよりも搬送方向における上流側にずれた位置にて分岐部22から分岐する。従って、切断部21から吸着コンベア31に吸着された状態で搬送される経路長は、電極20Aの方が電極20Bよりも短い。搬送経路70Aのうち、位置決め部33Aの下流側の端部から方向転換部39Aへ至るY軸方向に延びる部分の経路長と、搬送経路70Bのうち、位置決め部33Bの下流側の端部から方向転換部39Bへ至るY軸方向に延びる部分の経路長は、略等しい。なお、方向転換部39A,39Bの経路長は略等しい。
搬送経路70Aのうち、方向転換部39Aから方向転換部43Aへ至るX軸方向に延びる部分の経路長は、搬送経路70Bのうち、方向転換部39Bから方向転換部43Bへ至るX軸方向に延びる部分の経路長よりも長い。ただし、当該経路長の差は、電極20A,20Bが吸着コンベア31に搬送される経路長の差(電極20Bの方が長い)と略等しい。方向転換部43A,43Bの経路長は略等しい。搬送経路70Aのうち、方向転換部43Aから合流部27へ至るY軸方向に延びる部分の経路長と、搬送経路70Bのうち、方向転換部43Bから合流部27へ至るY軸方向に延びる部分の経路長は、略等しい。
このように、本実施形態では、切断部21から合流部27へ至るまでの電極20Aの経路長と、電極20Bの経路長は、略等しくなるように設定されている。これにより、切断部21において切断された時に対となっていた電極20Aと電極20Bは、合流部27での合流時においても再び対をなすことができる。また、切断部21で対となっていた電極20Aと電極20Bが完全に合流部27で対とならなくとも、切断部21で切断されたタイミングの近い電極20Aと電極20Bが合流部27で対となることができる。切断部21で切断されたタイミングが近ければ、シート部材30での活物質層の厚みのばらつき条件などが近い電極20A,20B同士を対にすることができる。以上のように切断時に対となっていた電極20A,20B、または切断時のタイミングが近い電極20A,20Bを合流時に対とすることで、電極20A,20Bの管理が容易となる。
次に、本実施形態に係る電極製造装置100の作用・効果について説明する。
電極製造装置100は、送出方向と直交する方向に配列された少なくとも電極(第1の電極)20A及び電極(第2の電極)20Bを形成する切断部21を備える。このように、二列に配列された状態で形成された電極20A及び電極20Bは、分岐部22によって搬送経路(第1の搬送経路)70A及び搬送経路(第2の搬送経路)70Bへ分岐される。そして、搬送経路70Aには、電極20Aをプレスするプレス部(第1のプレス部)24Aが設けられ、搬送経路70Bには、電極20Bをプレスするプレス部(第2のプレス部)24Bが設けられる。従って、プレス部に対しては、電極20A及び電極20Bが二列で同時に搬送されるのではなく、電極20Aがプレス部24Aに対して一枚ずつ搬送され、電極20Bがプレス部24Bに対して一枚ずつ搬送される。これにより、各プレス部24A,24Bにおいて電極20A,20Bを一枚ずつプレスすることができるため、電極20A,20Bの厚みの均一性を向上することができる。以上により、複数列に配列される電極20に好適な電極製造装置100を提供できる。
電極製造装置100において、プレス部24Aよりも下流側の搬送経路70Aと、プレス部24Bよりも下流側の搬送経路70Bとを合流させる合流部27を更に備え、プレス部24A及びプレス部24Bは、搬送経路70A及び搬送経路70Bのうち、互いにY軸方向に対向してX軸方向に延びる箇所に設けられ、プレス部24Aは、搬送方向においてプレス部24Bに対してずれた位置に配置されていてよい。この場合、搬送経路70A及び搬送経路70Bは、分岐部22にて分岐し、合流部27にて合流する。従って、搬送経路70A及び搬送経路70Bは、全体として環状をなしている。また、プレス部24A及びプレス部24Bは、搬送経路70A及び搬送経路70Bのうち、互いに対向して延びる箇所に設けられている。従って、プレス部24A,24Bのうち、駆動機構などの大きな構造物を搬送経路70A及び搬送経路70Bの内側に配置することができる。このとき、プレス部24Aは、搬送方向においてプレス部24Bに対してずれた位置に配置されている。従って、搬送経路70A及び搬送経路70Bの内側にて、プレス部24Aとプレス部24Bとが干渉することを回避することができる。従って、電極製造装置100のレイアウトをコンパクトにすることができる。なお、駆動機構配置区画63A,63Bがローラ配置区画62A,62Bよりも内側に設けられる場合、電極製造装置100の外側からローラ配置区画62A,62Bへアクセスし易くなる。これにより、電極製造装置100のメンテナンス性が向上する。
電極製造装置100において、分岐部22は、電極20A及び電極20Bを送出方向と直交する方向に配列された状態で、送出方向へ搬送し、送出方向における何れかの位置から搬送経路70A及び搬送経路70Bを分岐させており、プレス部24Aがプレス部24Bに対して搬送方向における上流側にずれている場合、搬送経路70Aは、搬送経路70Bよりも送出方向における上流側にずれた位置にて分岐部22から分岐し、プレス部24Aがプレス部24Bに対して搬送方向における下流側にずれている場合、搬送経路70Aは、搬送経路70Bよりも送出方向における下流側にずれた位置にて分岐部22から分岐してよい。この場合、プレス部24Aがプレス部24Bに対してずれる方向と、搬送経路70Aの分岐位置が搬送経路70Bの分岐位置に対してずれる方向とが、一致している。この場合、搬送方向の上流側へずれるプレス部24Aと分岐部22との間の搬送経路(搬送部36A)の経路長さが短くなることを抑制できる。この場合、プレス部24Aの上流側で電極20Aの姿勢調整を行う場合に、姿勢調整のための十分な経路長を確保することができる。
電極製造装置100において、搬送経路70Aには、プレス部24Aの上流側に隣り合う位置に、搬送方向と直交する方向における電極20Aの位置決めを行う位置決め部(第1の位置決め部)38Aが設けられ、搬送経路70Bには、プレス部24Bの上流側に隣り合う位置に、搬送方向と直交する方向における電極20Bの位置決めを行う位置決め部(第2の位置決め部)38Bが設けられる。このように、位置決め部38Aがプレス部24Aの上流側に隣り合う位置に設けられる場合、位置決め部38Aを設けるためのスペースがプレス部24Aの上流側に必要となる。従って、前述のようなプレス部24Aのずれの方向と分岐位置のずれの方向を一致させることによる効果がより顕著となる。例えば、搬送経路70Aの分岐部22からの分岐位置と搬送経路70Bの分岐部22からの分岐位置が逆であった場合、搬送部36Aの経路長が非常に短くなる。この場合、搬送部36Aに位置決め部38Aを配置することが困難になる場合がある。それに対し、本実施形態では、搬送部36Aの経路長が十分に確保されている。従って、位置決め部38Aを配置するためのスペースが、搬送部36Aに確保される。
以上、本発明の実施形態及びその変形例について説明したが、本発明は上記実施形態又は上記変形例に限定されない。
例えば、上述の実施形態では、プレス部24Aがプレス部24Bよりも搬送方向の上流側にずれており、搬送経路70Aの分岐位置が搬送経路70Bの分岐位置よりも送出方向の上流側にずれていた。これに代えて、プレス部24Aがプレス部24Bよりも搬送方向の下流側にずれてもよい。また、これに対応して、搬送経路70Aの分岐位置が搬送経路70Bの分岐位置よりも送出方向の下流側にずれてもよい。なお、プレス部24,24Bが互いにずれていなくともよく、分岐位置が互いにずれていなくともよい。
電極製造装置の各構成要素のレイアウトは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更してもよい。
例えば、図6に示す電極製造装置200を採用してもよい。電極製造装置200は、切断部201と、分岐部202とを備える。また、電極製造装置200は、電極20Aを搬送する搬送経路220Aと、電極20Bを搬送する搬送経路220Bと、を備える。搬送経路220Aは、カーブコンベア203Aと、位置決め部204Aと、コンベア206Aと、プレス部207Aと、コンベア208Aと、カーブコンベア209Aと、位置決め部201Aと、を備える。搬送経路220Bは、カーブコンベア203Bと、位置決め部204Bと、コンベア206Bと、プレス部207Bと、コンベア208Bと、カーブコンベア209Bと、位置決め部201Bと、を備える。
分岐部202は、後段側のカーブコンベア203A,203Bへ電極20A,20Bを受け渡すため、電極20A,20B同士の間の隙間が大きくなるように、X軸方向の正側へ電極20A,20Bを搬送する。具体的には、図7に示すように、分岐部202は、搬送方向へ循環移動する支持部202aと、電極20Aを載置させる載置部材202bと、電極20Bを載置させる載置部材202cと、を備える。載置部材202b,202cは、支持部202aにスライド可能に取り付けられている。また、載置部材202b,202cの下側には図示されないガイド部材が設けられており、当該ガイド部材は、支持部202aが搬送方向へ移動するに従って、互いの隙間が広がるように載置部材202b,202cをスライドさせる。図6に示すように、カーブコンベア203A,203Bは、分岐部202から電極20A,20Bを受け取り、それぞれY軸方向において分岐部202から遠ざかるように、円弧状に90°旋回させる。これにより、電極20Aのタブ20fは、分岐部202上ではY軸方向の正側を向き、カーブコンベア203Aで搬送された後は、X軸方向の負側、すなわち搬送方向における上流側を向く。電極20Bのタブ20fは、分岐部202上ではY軸方向の負側を向き、カーブコンベア203Bで搬送された後は、X軸方向の負側、すなわち搬送方向における上流側を向く。
上述のように、タブ20fが搬送方向の上流側に向く姿勢となった電極20A,20Bは、位置決め部204A,204B及びコンベア206A,206BでX軸方向の正側へ搬送されて、プレス部207A,207Bでプレスされる。その後、電極20A,20Bは、コンベア208A,208BでX軸方向の正側へ搬送されて、カーブコンベア209A,209Bへ受け渡される。カーブコンベア209Aは、電極20AをY軸方向の負側へ向かって円弧状に90°旋回させることで、タブ20fをY軸方向の正側へ向ける。その後、電極20Aは、タブ20fの反対側の縁部の位置決めがなされる状態で、位置決め部210AでX軸方向の正側へ搬送される。カーブコンベア209Bは、電極20BをY軸方向の正側へ向かって円弧状に90°旋回させることで、タブ20fをY軸方向の負側へ向ける。その後、電極20Bは、タブ20fの反対側の縁部の位置決めがなされる状態で、位置決め部210BでX軸方向の正側へ搬送される。なお、位置決め部210A,210Bは、合流部230としても機能する。
このような図6に示すような電極製造装置200によれば、カーブコンベア203A,203Bを用いることで、落下や衝突を伴うことなく電極20A,20Bの分岐を行うため、電極20A,20Bの活物質の粉落ちなどを抑制できる。また、電極製造装置200は、カーブコンベア以外の部分ではX軸方向に真っ直ぐに搬送経路が延びているため、レイアウトをコンパクトにすることができる。
また、図8に示す電極製造装置300を採用してもよい。電極製造装置300は、切断部301と、分岐部302とを備える。また、電極製造装置300は、電極20Aを搬送する搬送経路320Aと、電極20Bを搬送する搬送経路320Bと、を備える。搬送経路320Aは、コンベア303Aと、位置決め部304Aと、プレス部306Aと、コンベア307Aと、位置決め部310Aと、を備える。搬送経路320Bは、カーブコンベア303Bと、位置決め部304Bと、プレス部306Bと、コンベア307Bと、カーブコンベア308Bと、コンベア309Bと、位置決め部310Bと、を備える。
分岐部302は、後段側のコンベア303Aへ電極20Aを受け渡し、後段側のカーブコンベア303Bへ電極20Bを受け渡すように、X軸方向の正側へ電極20A,20Bを搬送する。コンベア303Aは、電極20Aを位置決め部304Aへ受け渡すように、X軸方向の正側へ電極20Aを搬送する。位置決め部304Aは、Y軸方向の負側へ電極20Aを搬送する。電極20Aは、分岐部303から位置決め部304Aへ至るまで、タブ20fがY軸方向の正側を向く姿勢で搬送される。カーブコンベア303Bは、分岐部302から電極20Bを受け取り、電極20Bを円弧状に180°旋回させる。これにより、電極20Bのタブ20fは、分岐部302上ではY軸方向の負側を向き、カーブコンベア303Bで搬送された後は、Y軸方向の正側を向く。
タブ20fが搬送方向の上流側に向く姿勢となった電極20A,20Bは、位置決め部304A,304Bでプレス部306A,306Bに搬送される。その後、電極20Aは、コンベア307AでY軸方向の負側へ搬送されて、タブ20fの反対側の縁部の位置決めがなされる状態で、位置決め部310AでX軸方向の正側へ搬送される。電極20Bは、コンベア307BでY軸方向の負側へ搬送されて、カーブコンベア308Bへ受け渡される。カーブコンベア308Bは、電極20Bを円弧状に180°旋回させることで、タブ20fをY軸方向の負側へ向ける。その後、電極20Bは、タブ20fの反対側の縁部の位置決めがなされる状態で、コンベア309Bを介して、位置決め部310BでX軸方向の正側へ搬送される。なお、位置決め部310A,310Bは、合流部330としても機能する。
このような図8に示すような電極製造装置300によれば、切断部301の送出方向と直交する方向に電極20A,20Bを搬送し、プレス部306B,306Aでプレスしている。この場合、電極製造装置300のX軸方向の大きさがコンパクトになる。従って、設置場所のX軸方向のスペースが小さく、Y軸方向のスペースが確保し易い場合に、スムーズに電極製造装置300を設置することができる。
なお、上述の実施形態及び変形例では、シート部材から短手方向に二枚分の電極を形成する「二条取り」の装置を例示した。これに代えて、電極製造装置が、シート部材から短手方向に三枚以上の電極を形成する構成であってもよい。この場合、各電極に対応する搬送経路及びプレス部を設けてよい。