JP6932604B2 - 端子 - Google Patents
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Description
(1)他方の端子の平面状表面をもつ接触部と接触する凸曲面状表面をもつ接点部を有し、該接点部は、前記凸曲面状表面に微小凹部を設け、前記凸曲面状表面は、球状または長球状の表面であり、かつ前記端子の延在方向および幅方向のうちの少なくとも一方向に沿って測定したときの曲率半径が0.2〜5mmの範囲であることを特徴とする端子。
(2)該微小凹部の少なくとも一部分は、前記接触部との前記凸曲面状表面の接触領域内に位置する、上記(1)に記載の端子。
(3)該微小凹部は、前記接触部との正規接触状態における前記凸曲面状表面の接触中心位置から、前記凸曲面状表面に沿って測定した距離にして20μmを超えた位置に存在する、上記(2)に記載の端子。
(4)前記接触領域は、平面上に垂直投影したときの投影面積から換算した円相当直径が40〜400μmの範囲である、上記(2)または(3)に記載の端子。
(5)前記微小凹部は、最大深さが5〜50μmの範囲である、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載の端子。
(6)前記微小凹部は、その開口端位置に引いた接線に対する内壁の角度が20〜70°の範囲である、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載の端子。
(7)前記微小凹部は、穴または溝である、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の端子。
(8)前記端子は、銅または銅合金からなる基材と、該基材の表面を被覆するように配設され、Sn、Cu、Ag、Au、PdおよびNiの群から選択される1種以上からなる少なくとも1層の表面被覆層とを備える、上記(1)〜(7)のいずれか1つに記載の端子。
(9)前記端子は、前記基材と前記表面被覆層との間に、Ni、PdおよびCuの群から選択される1種以上からなる少なくとも1層の中間層をさらに備える、上記(8)に記載の端子。
(10)前記端子は、前記接点部を有する雌端子であり、前記他方の端子は、前記接触部を有する雄端子である、上記(1)〜(9)のいずれか1つに記載の端子。
図1は、本発明に従う第1の実施形態の端子を構成する接点部の拡大断面図であって、接点部が、他方の端子を構成する接触部に正規接触位置で接触している状態で示したものであり、図2は、図1の接点部の凸曲面状表面における接触中心と微小凹部(溝)との配置関係を説明するための拡大図であり、そして、図3は、図1に示す端子を構成する接点部を、平面上に垂直投影したときの図であって、他方の端子の接触部との接触領域(斜線で示す領域)の一例を示したものである。
図示の端子1は、他方の端子11の平面状表面12をもつ接触部13と接触する凸曲面状表面2をもつ接点部3を有している。
接点部3は、凸曲面状表面2に微小凹部5を設けたものである。これは、例えば自動車用のワイヤーハーネスなどの終端部は、通常、雌端子で構成するのが一般的であって、特許文献1の端子のように、補器類等の雄端子を構成する接触部の平面状表面には、溝や凹部等などの加工を施すことは現実的ではなく、ワイヤーハーネス側の雌端子を構成する接点部の曲面状表面に加工等を施すこと、具体的には微小凹部を設けることによって、低摩擦化を達成することが望ましいと考えられるからである。
微小凹部5は、嵌合接続および切り離しの際の端子1、11間の挿抜力の低減を図るため、端子1を構成する接点部3の凸曲面状表面2に形成される。微小凹部5としては、端子1を構成する接点部3の摩擦係数を小さくして端子間の挿抜力の低減が図れるような形状であればよく、例えば穴(図5)または溝(図3および図4)であることが好ましい。なお、ここでいう「微小凹部」とは、幅Wが10μm〜500μm程度、最大深さdmaxが1μm〜50μm程度の凹みを意味する。
次に、端子の製造方法の一例を以下で説明する。
まず、銅または銅合金からなる基材に、カソード電解脱脂と酸洗を順次施す前処理工程を行い、その後、基材上に、電気めっきにより、ニッケル層(中間層)、銅層、錫層を順に形成する。カソード電解脱脂条件および酸洗条件を、それぞれ表1および表2に、また、ニッケル層、銅層、錫層を形成するめっき条件を、それぞれ表3〜表5に一例として示す。
実施例では、端子のうち、特に雌端子の接点部の性能を評価するため、張出し加工模擬接点を作製し、評価を行なったので以下で説明する。
まず、厚さ0.25mm、幅40mm以上、長さ100mm以上の銅合金条(古河電気工業株式会社製、商品名:FAS−680)の両端部を5mm以上切断して除去し、幅30mm、長さ50mmの基材を作製した。次に、基材に、表1に示すカソード電解脱脂および表2に示す酸洗を順次施す前処理工程を行い、その後、基材上に、表3〜表5に示す電気めっき条件で、それぞれニッケル層(中間層)、銅層、錫層を順に形成し、その後、表6に示す条件でリフロー処理することで、銅層中の銅と錫層中の錫とを相互に熱拡散させることによって、錫含有層を構成する銅−錫合金部の元となる銅−錫合金層を形成させた。その後、銅合金にめっきを施した条材に対し溝付け加工または穴形成加工を施すことにより、微小凹部を形成する。微小凹部の形成は、最大深さdmax(μm)、幅W(μm)、内壁角度θ(°)の溝または穴となるように加工(コイニング加工)を施す。具体的には、高さDμm、幅Wμm、C面角度θ°となるような凸状部を有する金型を用いることで形成する。次いで、溝または穴の位置が、頂点位置(接触中心位置C)から距離Xμm離れた位置となるように位置を調整し、曲率半径がRmmの半球となるようにディンプル加工を施す。具体的には曲率半径がRmmの半球凸部を有するオス金型と、直径2R+2T(例えば板厚T:0.25mm)の穴のあいたメス金型を用い、オス金型の凸部とメス金型の穴が合うようにプレスすることにより、微小凹部を形成した接点部を有する端子を製造することができる。以上の手順によって、雌端子の接点部を模擬した張出し加工模擬接点部を形成した供試材を作製した。表7に、各供試材の作製条件を示す。
比較例1は、端子の接点部に微小凹部を形成しないこと以外は実施例1と同じ製造条件で作製した。
特許文献1を参考にして、平坦な面に摺動の長手方向に互いに離間した幅100μm、深さ50μm、間隔100μmの複数の凹部を形成した。表面のめっき、基材は実施例1と同じとしたが、特許文献1は、平坦側に溝がある構成であるため、溝付け加工までとし、ディンプル加工による曲面の形成はしなかった。
キーエンス社製のレーザー顕微鏡(型番VK−8500)により、端子の接点部(ディンプル)の頂点(最も高い箇所で、正規接触状態で接触中心位置Cと一致)を概ね視野の中心にあわせ、視野が200μmから1000μmとなるよう観察し、2D高さマッピングをとる。
微小凹部(溝)の、最大深さdmax、幅Wおよび内壁角度θ、ならびに凸曲面状表面の接触中心位置Cから凸曲面状表面に沿って測定した距離Xは、以下の方法により測定した。
図7(b)〜(d)ならびに図8(b)および(d)に破線で示す方向で、かつ接触中心位置C点からの距離が100μm以内となる断面プロファイルを3つの測定ライン上でとる。各断面プロファイルは2μm以上離れていることとする。得られた断面プロファイル(例えば図2に示す断面プロファイル)に示されるW、dmaxおよびXを、それぞれ微小凹部の幅、最大深さ、および接点中心−溝間距離と定義し、角度θを内壁角度と定義し、各断面プロファイルについてW、dmax、Xおよびθを測定する。そして、3つの測定結果の平均値をその試験片の値とした。
動摩擦係数は、図6に示すような試験装置20を用いて評価した。
オス試験片21には、雄端子として通常使用されているものを用い、基材は実施例と同じFAS680であり、基材の表面を被覆する表面被覆層としては、CuSn合金めっき層(厚さ:0.5μm)の下層と、Snめっき層(厚さ:0.8μm)の上層との2層で構成した。オス試験片21を水平な台22に固定し、上述した基材、中間層コイニング加工およびディンプル加工を施して形成したメス試験片23を、オス試験片21に接触させた。続いて、メス試験片23に、錘24を介して3Nの荷重をかけてメス試験片23を押し付け、横型荷重測定器25を用いて、オス試験片21を水平方向Hに片道1回だけ引っ張り、引っ張っている最中の横方向荷重(摩擦力)を横型荷重測定器25で測定した。このとき、摺動速度は100mm/min、摺動距離は5mm、0.1秒毎に横方向加重(摩擦力)を取得した(サンプリングレートは1秒間に10回とした)。ただし、比較例2については、特許文献1に記載した端子と同様な構成とするため、オス試験片21に溝付け加工を施したものを使用し、メス試験片23には、めっき、基材、曲率半径Rが実施例と同一とし、微小凹部(溝)の形成がないものを使用した。
動摩擦係数は、横型荷重測定器25で得られた値のうち、摺動距離が0.5mmから4.5mmの間の平均値を摩擦力Fm(N)とし、荷重3Nで除した値(Fm÷3)を動摩擦係数μkとした。測定は10回行い、試行回数10回の平均値を、動摩擦係数と定義した。動摩擦係数は、0.25以下である場合を「低挿入性に優れる」として「○」、0.25超え0.30以下である場合を「低挿入性が良好である」として「△」、そして、0.30超えである場合を「低挿入性に劣る」として「×」と表記して評価した。表7にその評価結果を示す。
実際の自動車への搭載時を考え、端子の挿入後に熱が長時間(連続的または断続的に)かかったことを想定し、摺動させた後の試験片に対して高温放置試験を実施し、その後、接触抵抗を測定した。具体的には、上述した摩擦係数試験を実施後のメス試験片23に高温放置試験(150℃の大気中で100時間保持)を実施し、接触抵抗を4端子法により評価した。接触荷重は3N、通電電流10mA、開放電圧は10mVとした。4端子法のプローブは高温放置試験を実施したメス試験片23とし、相手側の板材は、めっきと基材が摩擦係数測定のオス試験片21と同一(雄端子として通常使用されているものを用い、基材は実施例と同じFAS680であり、基材の表面を被覆する表面被覆層としては、CuSn合金めっき層(厚さ:0.5μm)の下層と、Snめっき層(厚さ:0.8μm)の上層との2層で構成したもの。)とした。
接触抵抗Rc(Ω)は電圧降下をVc(V)、電流値I(=0.010A)としたときRc=Vc÷Iにより計算した。試行回数Nは10回とし、10回の平均値を、接触抵抗とした。接触抵抗は、20mΩ未満である場合を「耐熱性に優れる」として「○」、20mΩ以上50mΩ未満である場合を「耐熱性が良好である」として「△」、そして、50mΩ以上である場合を「耐熱性に劣る」として「×」と表記して評価した。表7にその評価結果を示す。
2 凸曲面状表面
3 接点部
4 基材
5 微小凹部
11 他方の端子
12 平面状表面
13 接触部
20 試験装置
21 オス試験片
22 台
23 メス試験片
24 錘
25 横型荷重測定器
Claims (7)
- 他方の端子の平面状表面をもつ接触部と接触する凸曲面状表面をもつ接点部を有し、該接点部は、前記凸曲面状表面に微小凹部を設け、前記凸曲面状表面は、球状または長球状の表面であり、前記端子の延在方向および幅方向のうちの少なくとも一方向に沿って測定したときの曲率半径が0.2〜5mmの範囲であり、
前記微小凹部の少なくとも一部分は、前記接触部との前記凸曲面状表面の接触領域内に位置し、
前記微小凹部は、前記接触部との正規接触状態における前記凸曲面状表面の接触中心位置から、前記凸曲面状表面に沿って測定した距離にして20μmを超えた位置に存在し、かつ
前記微小凹部は、その開口端位置に引いた接線に対する内壁の角度が20〜70°の範囲であることを特徴とする端子。 - 前記接触領域は、平面上に垂直投影したときの投影面積から換算した円相当直径が40〜400μmの範囲である、請求項1に記載の端子。
- 前記微小凹部は、最大深さが5〜50μmの範囲である、請求項1または2に記載の端子。
- 前記微小凹部は、穴または溝である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の端子。
- 前記端子は、銅または銅合金からなる基材と、該基材の表面を被覆するように配設され、Sn、Cu、Ag、Au、PdおよびNiの群から選択される1種以上からなる少なくとも1層の表面被覆層とを備える、請求項1〜4のいずれか1項に記載の端子。
- 前記端子は、前記基材と前記表面被覆層との間に、Ni、PdおよびCuの群から選択される1種以上からなる少なくとも1層の中間層をさらに備える、請求項5に記載の端子。
- 前記端子は、前記接点部を有する雌端子であり、前記他方の端子は、前記接触部を有する雄端子である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の端子。
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