JP5415707B2 - コネクタ用金属材料およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コネクタ用金属材料およびその製造方法に関し、詳しくは、低挿入力性と接続信頼性を両立したコネクタ用金属材料およびその製造方法に関する。
銅(Cu)、銅合金などの導電体の母材(以下、適宜、母材と記す。)上にスズ(Sn)、スズ合金などのめっき層を設けためっき材料は、母材の優れた導電性と強度、およびめっき層の優れた電気接続性と耐食性とはんだ付け性を備えた高性能導体材料として知られており、各種の端子やコネクタなどに広く用いられている。
ところで近年、電子制御化が進む中で嵌合型コネクタが多極化したため、オス端子群とメス端子群を挿抜する際に多大な力が必要になり、特に、自動車のエンジンルーム内などの狭い空間では挿抜作業が困難なため前記挿抜力の低減が強く求められている。
前記挿抜力を低減する方法として、コネクタ端子表面のSnめっき層を薄くして端子間の接触圧力を弱める方法があるが、この方法はSnめっき層が軟質のため端子の接触面間にフレッティング現象が起きて端子間に導通不良が起きることがある。
前記フレッティング現象とは、振動や温度変化などが原因で端子の接触面間に起きる微摺動により、端子表面の軟質のSnめっき層が摩耗し酸化して、比抵抗の大きい摩耗粉になる現象で、この現象が端子間に発生すると接続不良が起きる。そして、この現象は端子間の接触圧力が低いほど起き易い。
特許文献1には、銅または銅合金の母材に下地銅めっき層を形成し、さらにその表面にスズめっき層を形成し、その後、端子の嵌合部分における摺動面とは反対側の面にレーザ照射を行うことにより、摺動面におけるレーザのビームスポットに対応する部分が伝熱により加熱され、スズめっき層と下地銅めっき層との界面に銅スズ合金層が形成される嵌合型接続端子の製造方法が記載されている。
薄くスズめっき層を残存させるレーザ照射条件であれば、安定した接触抵抗を維持したまま端子の低挿入力化が可能で、かつ直接レーザ照射を行わないので、スズめっき層が溶融変化を起こさず、接触抵抗が悪化しないとされている。
特許文献2には嵌合型オス端子の平板形状のタブ部表面に、嵌合型メス端子の嵌合部ないにタブ部を挟み込むように設けられた凸部が弾性接触することによりタブ部表面に挿抜痕が形成される嵌合型オス端子のタブ部表面に施されるスズめっき層おいて、挿抜痕終端の接続痕近傍におけるめっき厚がすくなくとも挿抜痕が形成される部分よりも厚く表面処理された嵌合型オス端子が記載されている。
この嵌合型オス端子は、接続痕が形成されることになる接点部には接続信頼性を確保できるめっき層があり、その前部分の挿抜痕が形成される部分のめっき層は薄いため、挿入力低減効果と接続信頼性を両立することができるとされている。
しかしながら、上記の嵌合型接続端子でははんだ付けに使用する裏面から加熱することによりはんだ濡れ性が低下することや、挿入時に摺動が起こる部分の摩擦係数が高いことなどの点で、まだ低挿入力性と接続信頼性を十分に両立できるものではなかった。
特開平11−233228号公報 特開2005−353352号公報
本発明は、低挿入力性と接続信頼性を両立したコネクタ用金属材料およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段により達成される。すなわち、本発明は、
(1)銅または銅合金により形成された角線材を母材とし、この母材の表面に最表層としてスズ層またはスズ合金層が形成されているコネクタ用金属材料であって
前記母材上に、ニッケル層またはニッケル合金層が形成され、前記スズ層またはスズ合金層の下層に、銅層または銅合金層が形成されており、
前記スズ層またはスズ合金層の層厚が前記金属材料の幅方向にストライプ状に変化しており、少なくとも前記スズ層またはスズ合金層の層厚が薄い領域の下層に銅スズ合金層が形成されていることを特徴とするコネクタ用金属材料、
)銅または銅合金の角線材を母材とし、この母材上に近い側から、ニッケルめっき層またはニッケル合金めっき層、銅めっき層、スズめっき層またはスズ合金めっき層を形成して中間材料を得たのち、前記中間材料の長手方向に沿ってリフロー処理を行い、これにより銅スズ合金層を前記中間材料の幅方向にストライプ状に形成することで、前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の層厚を前記中間材料の幅方向にストライプ状に薄くして得られる(1)項に記載のコネクタ用金属材料であって、
前記リフロー処理前において、前記銅めっき層の層厚(Cu厚)に対する前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の層厚(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2.0〜3.0であることを特徴とするコネクタ用金属材料
(3)前記リフロー処理前において、前記Sn厚が0.8〜1.2μmである、(2)項に記載のコネクタ用金属材料
(4)リフロー処理された面を摺動面とする、(2)項または(3)項に記載のコネクタ用金属材料、および
)リフロー処理がレーザ照射によることを特徴とする、()〜()のいずれか1項に記載のコネクタ用金属材
を提供するものである。
本発明のコネクタ用金属材料は、条材(板材を含む)または角線材(角棒材を含む)の幅方向に、スズまたはスズ合金めっきの厚い層と薄い層が現れ、厚い層のみの場合と比べ摩擦係数を低減することができる。また、このスズめっきの薄い層の部分を接点に使用すると、低摩擦係数で且つ耐フレッティングに優れており、それ以外の部分はハンダ付け性や耐環境性に優れており、低挿入力と接続信頼性を両立したコネクタを形成することができる。また、本発明のコネクタ用金属材料の製造方法は、母材にめっきを施した中間材料を得て、その長手方向にストライプ状のリフロー処理を行い銅スズ合金層を形成してスズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さを薄くすることから、きわめて生産性よく低挿入力と接続信頼性を両立したコネクタ用金属材料を得ることができる。
本発明のコネクタ用金属材料は、銅または銅合金により形成された条材または角線材を母材とし、この母材の表面にスズ層またはスズ合金層が形成されているコネクタ用金属材料の長手方向にストライプ状のリフロー処理を行い、前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の厚さをリフロー処理前に比べ厚さが薄い箇所を設けたものである。
本発明のコネクタ用金属材料の母材としては、銅または銅合金が用いられ、コネクタに要求される導電性、機械的強度および耐熱性を有する銅、リン青銅、黄銅、洋白、ベリリウム銅、コルソン合金などの銅合金が好ましい。
母材の形状としては、条材(板材を含む)または角線材(角棒材を含む)が好ましく、角線材であることがより好ましい。角線材では、その断面形状は、正方形、長方形、正六角形のいずれでも良く、異形線であっても良い。断面形状が略正方形の角線材は、本発明に好ましく用いることができる。
本発明では、角線材料上にCu下地めっきを行い、Cuめっき層を設けることが好ましいが、後述するリフローによって銅スズ合金が形成できるような構成であれば下地なしでもよい。Cuめっき層を設けることにより、Cu濃度を減少させたCu−Sn合金層の形成を容易にすることができる。Cuめっき層の厚みは0.01〜3.0μmが好ましい。さらには0.05〜1.0μmが好ましい。
また、耐熱性を向上させるために、下層からの金属拡散を防止するバリア性を持つニッケル(Ni)下地めっきを母材と銅下地の間に施し、ニッケルめっき層を設けてもよい。ニッケル下地めっきは、Ni−P系、Ni−Sn系、Co−P系、Ni−Co系、Ni−Co−P系、Ni−Cu系、Ni−Cr系、Ni−Zn系、Ni−Fe系などのNi合金めっきでもよい。NiおよびNi合金はバリア機能が高温環境下にあっても衰えない。
ニッケルめっき層の厚みは、0.02μm未満ではそのバリア機能が十分に発揮されなくなり、3.0μmを超えるとめっき歪みが大きくなって母材から剥離し易くなる。従って0.02〜3.0μmが好ましい。ニッケルめっき層の厚みの上限は端子加工性を考慮すると1.5μm、さらには1.0μmが好ましい
本発明においては、材料の表層はスズめっき、またはスズ合金めっきが施されるが、該スズめっきまたはスズ合金めっきは、光沢より無光沢のものが、レーザの吸収率を上げるので好ましい。
また、スズめっきまたはスズ合金めっき厚が薄すぎるとスズの耐熱性、耐環境性が発現しにくいため、厚さは0.3μm以上が好ましく、0.8〜1.2μmがさらに好ましく、0.8〜1.0μmがより好ましい。
本発明において、Snめっきは、無電解めっきで行って形成しても良いが、電気めっきで形成するのが望ましい。また、Sn合金めっきとしては、Sn−Cu、Sn−Bi、Sn−Ag、Sn−Zn、Sn−In、Sn−Pb、Sn−Ag−CuなどのSn主体の合金のめっきを好ましく用いることができる。
表層の電気Snめっきは、例えば硫酸スズ浴を用い、めっき温度30℃以下、電流密度5A/dmで行えばよい。ただし、条件はこの限りではなく適宜設定可能である。
下地銅めっきを施した場合、下地銅めっき層の厚さ(Cu厚)に対する表層スズめっきまたはスズ合金めっき層の厚さ(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2以上であることが好ましく、2.0〜3.0であることがさらに好ましい。
本発明のコネクタ用金属材料は、上記のめっきで最外層にスズめっきまたはスズ合金めっき層が形成された条材または角線材の長手方向にストライプ状にリフロー処理を行う。なお、本発明において、ストライプ状とは、条材または角線材の一つの面において、その面の幅より細い連続した領域を対象とするものをいう。リフロー処理は、前記条材または角線材の一つの面の幅より細く限定的にリフローできる方法であれば、限定されるものでないが、例えば、レーザ照射による処理を好適に用いることができる。レーザ照射による処理を施すと、レーザ照射された箇所が限定的にリフローされる点で好ましい。この処理は、例えば、材料加工で使用されるYAGレーザ照射装置または半導体レーザ照射装置を用いて、ストライプ状に加熱することによって行うことができる。この処理により、リフローストライプが形成される。
本発明において、例えば、角線の場合、上記のリフロー処理は少なくとも一つの面でも良いが、コネクタの形状に加工された際には、当該リフロー処理された面を摺動面(接続対象のコネクタとの接触面)とすることが好ましい。
リフローストライプ本数は1本以上であり、4〜8本が好ましい。また、用いられる条材および角線材の1面当たりのリフローストライプ本数は1〜2本が好ましい。ただし、角材料の端面には、通常、リフローストライプは設けない。
以下、レーザ照射を用いたリフロー処理について説明する。
レーザの照射条件は、表面に薄くSnめっきまたはSn合金めっき層が残存するようなレーザ照射条件で行われる。レーザ出力は1W〜60Wが好ましい。表面のSnめっきまたはSn合金めっき層の最も薄い箇所の厚さは0.1〜0.3μmであることが好ましい。
レーザのビーム径(スポット径)は、用いられる条材または線材の径(辺)より小さく、条材または線材の径の1/5より大きいことが好ましい。レーザのビーム径は、条材または線材の径に対して合計で1/5〜4/5であることがさらに好ましい。
上記のレーザ照射によってリフローされる深さは、材料に施した全めっき厚よりも浅くスズめっき厚よりも深いように調整する。
また、リフローが過剰になることを防ぐため、レーザを照射する側と反対側から材料を冷却しながらレーザ照射してもよい。
レーザ処理は大気中で行ってもよいが、還元雰囲気下で行ってもよい。
本発明のコネクタ材料は常法により、例えば自動車用の嵌合型コネクタ、接触子をはじめ、各種電気電子用コネクタに加工することができる。そして、表面に露出した銅スズ合金層の部分を嵌合状態での接点位置に使用すると、低摩擦係数で且つ耐フレッティングに優れており、それ以外の部分はハンダ付け性や耐環境性に優れており、低挿入力と接続信頼性を両立したコネクタを形成することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、銅めっきは硫酸浴、ニッケルめっきはスルファミン酸浴、スズめっきは硫酸浴を用いて行った。
また、レーザ照射によりリフロー処理された部位のサイズはレーザのビーム径とほぼ同じであった。
参考例1
幅0.64mmの7/3黄銅角線に銅の下地めっきを0.3μm施した後、0.8μmのスズめっきを行った。その後、当該材料の各面幅方向中央部に、ビーム径0.2mmのYAGレーザ(出力30W、波長1064nm)を照射してリフローし、図1の拡大概略断面図に示す角線材を得た。図1中、1は母材(黄銅角線)および銅めっき層、2はスズめっき層、3は銅スズ合金層を示す。レーザ照射された部分のスズめっき層2が、他の箇所と比べ厚さが薄くなった状態で表面に残存し、その下方に銅スズ合金層3が形成された。
図2は、図1に示す角線材の銅スズ合金層を含む表面部分をさらに拡大して模式的に示す拡大概略断面図である。図中1aは母材、1bは銅めっき層、2はスズめっき層、3は銅スズ合金層を示す。
参考例2
幅0.64mmのコルソン合金(古河電気工業(株)製、EFTEC−97:以下同様)の角線に銅の下地めっきを0.5μm施した後、1.2μmのスズめっきを行った。その後、当該材料の各面幅方向中央部に、ビーム径0.2mmのYAGレーザ(出力30W、波長1064nm)を照射してリフローし、角線材を得た。レーザ照射された部分の表面にはスズめっき層が薄く残存したものとなった。
実施例
幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっきを0.5μm、銅の下地めっきを0.3μm施した後、0.8μmのスズめっきを行った。その後、当該材料の各面幅方向中央部に、ビーム径0.2mmのYAGレーザ(出力30W、波長1064nm)を照射してリフローし、図3の拡大概略断面図に示す角線材を得た。図3中、1は母材(黄銅角線)および銅めっき層、2はスズめっき層、3は銅スズ合金層を示す。レーザ照射された部分のスズめっき層2が、他の箇所と比べ厚さが薄くなった状態で表面に残存し、その下方に銅スズ合金層3が形成された。
図4は、図3に示す角線材の銅スズ合金層を含む表面部分をさらに拡大して模式的に示す拡大概略断面図である。図3では記載を省略したが、図4に示されるように母材1aと銅めっき層1bとの間にニッケルめっき層4が存在する。
実施例
幅0.64mmのコルソン合金角線にニッケルの下地めっきを0.5μm、銅の下地めっきを0.5μm施した後、1.2μmのスズめっきを行った。その後、当該材料の各面幅方向中央部に、ビーム径0.2mmのYAGレーザ(出力30W、波長1064nm)を照射してリフローし、角線材を得た。レーザ照射された部分の表面にはスズめっき層が薄く残存したものとなった。
実施例
幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっきを0.3μm、銅の下地めっきを0.3μm施した後、0.8μmのスズめっきを行った。その後、当該材料の各面幅方向中央部に、ビーム径が線径の1/3となるように調整した半導体レーザ(出力5W、波長915nm)を照射して角線材を得た。レーザ照射された部分の表面にはスズめっき層が薄く残存したものとなった。
実施例
幅0.64mmのコルソン合金角線にニッケルの下地めっきを0.3μm、銅の下地めっきを0.5μm施した後、1.2μmのスズめっきを行った。その後、当該材料の各面幅方向中央部に、ビーム径が線径の1/3となるように調整した半導体レーザ(出力5W、波長915nm)を照射して角線材を得た。レーザ照射された部分の表面にはスズめっき層が薄く残存したものとなった。
実施例
幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっきを0.5μm、銅の下地めっきを0.3μm施した後、0.8μmのスズめっきを行った。その後、当該材料の各面幅方向中央部に、ビーム径0.10mmの半導体レーザ(出力5W、波長915nm)を照射してリフローして、角線材を得た。レーザ照射された部分の表面にはスズめっき層が薄く残存したものとなった。
比較例1
幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっきを0.5μm、銅の下地めっきを0.3μm施した後、0.8μmのスズめっきを行った。図5の拡大概略断面図に示す角線材を得た。図5中、11は母材(黄銅角線)および下地めっき層、12はスズめっき層である。
図6は、図5に示す角線材の表面部分をさらに拡大して模式的に示す拡大概略断面図である。図中11aは母材、11bは銅めっき層、11cはニッケルめっき層、1はスズめっき層を示す。
比較例2
幅0.64mmの7/3黄銅角線にニッケルの下地めっきを0.5μm、銅の下地めっきを0.3μm施した後、0.8μmのスズめっきを行った。その後、その後、バーナーによってSnの融点以上に加熱してリフローして、図7の拡大概略断面図に示す角線材を得た。図7中、11は母材(黄銅角線)および下地めっき層、12はスズめっき層、13は銅スズ合金層である。薄いスズめっき層2が表面全体を被っている。
図8は、図7に示す角線材の表面部分をさらに拡大して模式的に示す拡大概略断面図である。図中11aは母材、11cはニッケルめっき層、12はスズめっき層、13は銅スズ合金層を示す。
試験例
上記実施例1〜7、比較例1〜2の角線材の接触抵抗、はんだ濡れ性、動摩擦係数について、評価試験を行った。
(接触抵抗)
接触抵抗は、4端子法によって測定し、接触子にはAgプローブを用い1Nの荷重をかけて測定した。
2mΩ以内を良好◎、5mΩ以内が合格○、それ以上を不合格×とした。
(はんだ濡れ性)
はんだ濡れ性は、メニスコグラフ法によって測定を行った。
装置はレスカ(株)製ソルダーチェッカーSAT−5100を用いた。
はんだはSn−3.0Ag−0.5Cuの鉛フリーはんだを用いて、25%ロジンフラックスを使用した。
判定基準は、浸漬面積の95%以上が濡れている場合に良好◎、浸漬面積の90%以上濡れている場合に合格○、それ以下を不合格×とした。
(動摩擦係数)
動摩擦係数の測定には、バウデン試験器を用いた。
摺動子にはメス端子を模擬したディンプルを取り付けて測定した。
判定基準は、μk<0.25を良好◎、μk<0.3を合格○とし、それ以上を不合格×とした。
Figure 0005415707
表1に示されるように、比較例1〜2では接触抵抗、はんだ濡れ性、動摩擦係数の少なくとも1つが不合格であったのに対し、実施例1〜では、いずれも接触抵抗、はんだ濡れ性、動摩擦係数の全てで合格基準を満たし、コネクタ用材料として好適なものであった。
実施例1のコネクタ用金属材料(角線材)の拡大概略断面図である。 図1に示すコネクタ用金属材料(角線材)の表面部分をさらに拡大した拡大概略断面図である。 実施例3のコネクタ用金属材料(角線材)の拡大概略断面図である。 図3に示すコネクタ用金属材料(角線材)の表面部分をさらに拡大した拡大概略断面図である。 比較例1の角線材の拡大概略断面図である。 図5に示す角線材の表面部分をさらに拡大した拡大概略断面図である。 比較例2の角線材の拡大概略断面図である。 図6に示す角線材の表面部分をさらに拡大した拡大概略断面図である。
符号の説明
1 母材(黄銅角線)および銅めっき層
1a 母材
1b 銅めっき層
2 スズめっき層
3 銅スズ合金層
4 ニッケルめっき層
11 母材及び下地めっき層
11a 母材
11b 銅めっき層
11c ニッケルめっき層
12 スズめっき層
13 銅スズ合金層

Claims (5)

  1. 銅または銅合金により形成された角線材を母材とし、この母材の表面に最表層としてスズ層またはスズ合金層が形成されているコネクタ用金属材料であって
    前記母材上に、ニッケル層またはニッケル合金層が形成され、前記スズ層またはスズ合金層の下層に、銅層または銅合金層が形成されており、
    前記スズ層またはスズ合金層の層厚が前記金属材料の幅方向にストライプ状に変化しており、少なくとも前記スズ層またはスズ合金層の層厚が薄い領域の下層に銅スズ合金層が形成されていることを特徴とするコネクタ用金属材料。
  2. 銅または銅合金の角線材を母材とし、この母材上に近い側から、ニッケルめっき層またはニッケル合金めっき層、銅めっき層、スズめっき層またはスズ合金めっき層を形成して中間材料を得たのち、前記中間材料の長手方向に沿ってリフロー処理を行い、これにより銅スズ合金層を前記中間材料の幅方向にストライプ状に形成することで、前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の層厚を前記中間材料の幅方向にストライプ状に薄くして得られる請求項1に記載のコネクタ用金属材料であって、
    前記リフロー処理前において、前記銅めっき層の層厚(Cu厚)に対する前記スズめっき層またはスズ合金めっき層の層厚(Sn厚)の比(Sn厚/Cu厚)が2.0〜3.0であることを特徴とするコネクタ用金属材料
  3. 前記リフロー処理前において、前記Sn厚が0.8〜1.2μmである、請求項2に記載のコネクタ用金属材料。
  4. リフロー処理された面を摺動面とする、請求項2または3に記載のコネクタ用金属材料。
  5. リフロー処理がレーザ照射によることを特徴とする、請求項のいずれか1項に記載のコネクタ用金属材料。
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