JP6931916B2 - 誘導加熱溶着装置 - Google Patents

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Description

本発明は、表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材を覆っているシートを表側から加熱することで、前記シートのうち、前記熱溶着層と重ねられている特定部分を前記熱溶着層に溶着する誘導加熱溶着装置に関する。
特許文献1には、導電性基体と熱可塑性樹脂層とからなる固定部材にシートを溶着するための装置が開示されている。この装置は、シートを介して導電性基体を電磁誘導により加熱する加熱手段と、シートの温度を測定する温度測定手段と、シートの温度に応じて前記加熱手段による加熱時間を設定する加熱時間設定手段と、を備えている。そして、加熱時間設定手段によって設定された加熱時間だけ導電性基体を誘導加熱することにより、熱可塑性樹脂層が熱溶解し、屋上床面の所定位置に設置された固定部材にシートが溶着される。
具体的には、加熱手段である加熱コイルが固定部材の導電性基体上に正確に位置決めされると非接触型温度計がシートの表面温度を測定し、その温度を装置のコンピュータに伝達する。コンピュータのメモリには、事前の実験によって、加熱前のシート温度値と当該シート温度値における最適な加熱時間との複数の組合せがデータベースとして記録されている。コンピュータは、このように予め関連づけられて記録されている複数の温度値と加熱時間との組合せから、測定されたシートの温度に対応する加熱時間を選択し、加熱コイルによる加熱時間を自動的に設定する。加熱時間が設定されると、設定された加熱時間の間、加熱コイルに電流が供給され導電性基体の誘導加熱がおこなわれる。これにより、固定部材の熱可塑性樹脂層が溶融して固定部材がシートに溶着される。設定された加熱時間が経過すると、加熱コイルへの電流供給が停止され、誘導加熱は終了し、熱可塑性樹脂層は固化して固定部材にシートが固定される。
国際公開WO2013/108820号公報
特許文献1による誘導加熱溶着装置では、溶着作業前(加熱前)に測定されたシート表面の温度値を入力値として加熱時間が導出される。しかしながら、加熱時間だけに頼る誘導加熱制御では、作業状況によって、加熱不足や過剰加熱が生じ易い。適正な溶着品質を得るためには、熱可塑性樹脂層が適正温度に上昇することが重要である。熱可塑性樹脂層の温度上昇は、加熱前のシートの温度と加熱時間だけで決まるわけではなく、押付圧やシート仕様、加熱コイルと固定部材との間隔、周囲温度にも影響される。しかしながら、そのような影響因子の全てを入力値として加熱時間を導出することが、装置構成や制御回路が複雑となり、コスト負担が大きい。また、特許文献1に記載の装置では、シート表面のうちの固定部材の周囲に位置する部分の温度を計測するように見受けられるが、このような構成であると、その計測部分の温度上昇が、実際に温められる固定部材の温度上昇に追従していない可能性が高く、加熱不足や過剰加熱の虞がある。
このような実情から、加熱前のシートの温度から加熱時間を導出するような技術に代えて、装置構成を複雑化せずに、より適正な溶着品質が得られる誘導加熱溶着装置が要望されている。
本発明による誘導加熱溶着装置は、表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材を覆っているシートを表側から加熱することで、前記シートのうち、前記熱溶着層と重ねられている特定部分を前記熱溶着層に溶着する誘導加熱溶着装置であり、前記特定部分越しに前記固定部材を誘導加熱する電磁加熱ユニットと、前記特定部分の温度を検出する温度センサと、前記特定部分と前記熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に対する前記特定部分の温度値の到達度合によって、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する加熱制御部と、前記温度センサから継時的に取得される温度値と加熱開始からの時間との組み合わせに基づいて今回の誘導加熱での前記特定部分の温度上昇傾向を推定する上昇温度傾向算出部と、が備えられ、前記加熱制御部は、前記上昇温度傾向算出部によって推定された温度上昇傾向及び現時点の温度値に基づいて、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する
この構成によれば、電磁加熱ユニットによる加熱の開始後に、溶着対象部分であるシートの特定部分の温度値を取得し、当該温度値が、特定部分と熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に対応するものであると判定されると、つまり、特定部分の温度値が特定部分と熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に到達しているか、あるいはその後に到達すると見なされる程度の温度値であると判定されると、誘導加熱が停止される。ここでの、特定温度値に対応する温度値とは、その温度値が生じた時点で、誘導加熱が停止されても、特定部分の温度が実質的に特定温度値となって、適正な固定部材とシートとの溶着が実現する温度値である。これにより、前もって設定された一定加熱時間による加熱制御ではなく、誘導加熱が開始された後に、特定部分で実際に生じている温度上昇に基づいた加熱制御が実現する。
さらに、電磁加熱ユニットによる加熱の開始後も、特定部分の温度値を継時的に取得し、当該温度値に基づいて、特定部分の温度上昇傾向が推定される。温度上昇傾向が推定されると、この温度上昇傾向を用いることで、現時点の温度値から、以後の温度値を予測することができる。つまり、電磁加熱ユニットによる加熱の停止後に、特定部分の温度値が特定温度値になると推定された時点で、電磁加熱ユニットによる加熱を停止させることができる。これにより、固定部材とシートと溶着が適正なものとなる信頼性が向上する。
また、このような装置は、導電性を有する固定部材を温めることで熱溶着層を溶かす構成であるため、本来は、固定部材の温度を計測するのが妥当であるが、装置と固定部材の間にシートが介在しているため、現実的にはシート温度を計測することになっている。本発明であれば、こういった実情において、固定部材(熱溶着層)の直上に位置する特定部分の温度を計測するため、つまり、固定部材の温度上昇にしっかりと追従したシート表面の温度を計測するため、過剰加熱や加熱不足といった不具合が生じる可能性を低くすることができる。
誘導加熱を停止させるトリガーとなる温度値は、特定温度値であってもよいが、誘導加熱の停止後も余熱により、比較的大きな温度上昇が生じ、特定部分の表面品質が劣化する可能性がある。したがって、このような場合には、特定部分の温度値が特定温度値に達する前に誘導加熱を停止させた方が、固定部材とシートとの溶着が適正なものとなる。このため、本発明の好適な実施形態の1つでは、前記加熱制御部は、前記特定部分の温度値が前記特定温度値に達する前に、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する。
本発明による誘導加熱溶着装置は、表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材を覆っているシートを表側から加熱することで、前記シートのうち、前記熱溶着層と重ねられている特定部分を前記熱溶着層に溶着する誘導加熱溶着装置であり、前記特定部分越しに前記固定部材を誘導加熱する電磁加熱ユニットと、前記特定部分の温度を検出する温度センサと、前記特定部分と前記熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に対する前記特定部分の温度値の到達度合によって、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する加熱制御部と、前記温度センサから継時的に取得される温度値に基づいて、前記特定部分の温度上昇傾向を推定する上昇温度傾向算出部と、が備えられ、前記電磁加熱ユニットの加熱停止後における前記特定部分の温度下降傾向が前もって算出され、前記加熱制御部は、前記上昇温度傾向算出部によって推定された温度上昇傾向及び現時点の温度値及び前記温度下降傾向に基づいて、前記電磁加熱ユニットの加熱停止を決定する。
この構成では、算出されている温度上昇傾向及び温度下降傾向に基づいて、どのような温度値が検出された時に加熱を停止すると、その後、特定部分の温度が特定温度値に達し、その後、加熱過剰を生じずに温度が低下していくかを推定することができる。
そして、そのような停止タイミングで誘導加熱を停止する制御を行うことにより、加熱不足や加熱過剰が極力回避される誘導加熱制御が実現する。
本発明による誘導加熱溶着装置は、加熱時間による加熱制御ではなく、誘導加熱後の温度上昇に基づいた加熱制御を採用している。しかしながら、信号トラブルや外乱などによって、誘導加熱開始から短時間で誘導加熱の停止指令が出ると、溶着不良が生じてしまう。この問題を避けるため、本発明による誘導加熱溶着装置は、表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材を覆っているシートを表側から加熱することで、前記シートのうち、前記熱溶着層と重ねられている特定部分を前記熱溶着層に溶着する誘導加熱溶着装置であり、前記特定部分越しに前記固定部材を誘導加熱する電磁加熱ユニットと、前記特定部分の温度を検出する温度センサと、前記特定部分と前記熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に対する前記特定部分の温度値の到達度合によって、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する加熱制御部と、最低加熱時間を設定可能な時間設定部と、が備えられ、前記最低加熱時間内での、前記加熱制御部による前記電磁加熱ユニットの加熱停止は無効化される。この構成では、開始された誘導加熱は、時間設定部で設定された最低加熱時間が経過するまで自動停止しない。これにより、最低加熱時間が保証され、信号トラブルや外乱などによる溶着不良の発生が抑制される。
誘導加熱溶着装置を示す斜視図である。 電磁加熱ユニット及びシートと固定部材との溶着領域を模式的に示す断面図である。 誘導加熱溶着装置の制御機能部を示す機能ブロック図である。 誘導加熱時における制御機能部間のデータの流れを示す機能ブロック図である。 特定温度傾向に基づく加熱停止タイミングの算定を説明する説明図である。 特定温度傾向に基づく加熱停止タイミングの算定を説明する説明図である。 特定温度傾向に基づく加熱停止タイミングの算定を説明する説明図である。 加熱停止温度判定部の内部構成の一例を示す機能ブロック図である。
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1に、電磁加熱ユニット1と装置本体10とからなる誘導加熱溶着装置が示されている。装置本体10と電磁加熱ユニット1とは、動力線と制御線とを含む接続ケーブル3によって接続されている。装置本体10は、直方体状のケーシング40を有する給電制御装置4である。給電制御装置4には、異なるタイプの電磁加熱ユニット1が接続可能である。
この実施形態では、図2で示すように、シートは、建物の屋上スラブを覆うように敷設される防水シート8である。防水シート8を導電性の固定部材80に溶着する作業状態における、電磁加熱ユニット1と防水シート8と固定部材80とが、図2に断面で示されている。この実施形態では、固定部材80は、例えば、円形状の鋼板からなり、屋上スラブにアンカー等によって固定されている。固定部材80の上面には、防水シート8に対する熱溶着層としてポリエステル樹脂等の熱可塑性合成樹脂からなる面状のホットメルト接着層が形成されている。固定部材80は、スラブ本体上に、縦横に所定の間隔を開けた多数の固定箇所に配置されている。
給電制御装置4のケーシング40の表面には、各種操作ボタンやセグメントLEDを含む操作表示デバイス群41が配置されている。操作表示デバイス群41には、防水シート8の厚さを設定するシート厚設定ダイアル41a、最低加熱時間を設定する時間設定ダイアル41bなどが含まれている。
電磁加熱ユニット1は、円形断面を有する筒体の上端を天板12で閉鎖させたハウジング11を備えている。底面はパッド13によって形成されている。パッド13はクッション性を有する材料で構成されており、誘導加熱後の防水シート8の加圧を効果的に行う機能を有する。パッド13の上面に加熱コイル20が配置されている。加熱コイル20は、固定部材80を誘導加熱し、固定部材80のホットメルト接着層を溶融させるために、固定部材80の円形の上面形状に対応させるため、外形が円形となるように巻かれたコイルである。天板12には、アーチ状のグリップ14が設けられている。グリップ14の上面に、加熱コイル20による誘導加熱の開始指令を与える加熱SW16が設けられている。
さらに、電磁加熱ユニット1には、温度センサ15と位置検出センサ17とが設けられている。温度センサ15は、図2に示されているように、加熱コイル20の隙間を通過し、さらにパッド13に設けられた貫通孔を通って、パッド13の底面から外部に臨んでいる温度検出子を有する。防水シート8を挟んで固定部材80の真上に位置する防水シート8の部分(以後、特定部分と称する)に電磁加熱ユニット1を載置した際に、温度センサ15の温度検出子が特定部分に接するか、または、対向するので、防水シート8の特定部分の温度を適切に検出することができる。
複数の、好ましくは4つの位置検出センサ17が、検出面を下方に向けて、ハウジング11の側壁下端に取り付けられている。この位置検出センサ17は、固定部材80の外周縁を検出するできるものであり、好ましくは、磁界センサが適している。複数の位置検出センサ17からの検出信号に基づいて、電磁加熱ユニット1が固定部材80の真上に載置されているかどうかの判定が可能となる。
図3は、電磁加熱ユニット1と給電制御装置4とにおける制御機能を示す機能ブロックを示している。図4は、誘導加熱時における、制御機能部間のデータの流れを示している。電磁加熱ユニット1から給電制御装置4へは、加熱コイル20への給電の開始を指示する加熱SW16による加熱SW信号、温度センサ15による特定部分の温度値、位置検出センサ17による位置検出信号が、制御線を通って送られる。給電制御装置4から電磁加熱ユニット1の加熱コイル20へのコイル励起用の電力は動力線を通って送られる。
給電制御装置4には、電源部43と、給電部44と、制御ユニット5とが内装されている。電源部43には、商用電源または自家発電からの交流電力を送ってくる電力ケーブルが接続されている。給電部44は、インバータユニットを備えており、電源部43からの電力を用いて電磁加熱ユニット1のための誘導加熱電流を生成し、加熱コイル20に供給する。給電部44における電力制御は、制御ユニット5からの制御信号に基づいて行われる。
制御ユニット5は、実質的にはコンピュータシステムによって構成されており、その機能は、ハードウエア及びプログラムによって実現される。制御ユニット5は、外部との間での信号交換を行う入出力処理部50を備えている。電磁加熱ユニット1の制御線は、ユニット接続部30を介して入出力処理部50に接続されている。入出力処理部50には、GPSで構成される衛星測位モジュール45が接続されている。また、シート厚設定ダイアル41a及び時間設定ダイアル41bからの信号も、入出力処理部50を介して、制御ユニット5に送られる。
制御ユニット5における、主にプログラムによってその機能が実現する機能部として、位置判定部51、時間設定部52、加熱制御部54、給電制御部55、作業記録部56が備えられている。
位置判定部51は、位置検出センサ17からの位置信号に基づいて、固定部材80に対する電磁加熱ユニット1のずれを算出し、そのずれを設定されている基準範囲と比較し、基準範囲から外れている場合は、加熱コイル20への給電を禁止するとともに、ブザーやランプを駆動して、位置ずれの報知を行う。時間設定部52は、時間設定ダイアル41bによって入力された最低加熱時間を設定する。最低加熱時間を設定は、時間設定ダイアル41bによる設定ではなく、制御ユニット5の内部処理によって設定する構成を採用してもよい。時間設定部52はタイマ機能も有し、加熱SW信号の加熱開始指令の入力をトリガーとして計時を開始する。設定されている最低加熱時間を経過すると、タイムアップを出力する。加熱SW信号の加熱開始指令によって開始された誘導加熱は、時間設定部52からタイムアップが出力されるまでは、自動停止しない。つまり、タイムアップが出力されるまでは、加熱制御部54による電磁加熱ユニット1の加熱停止が無効化される。これにより、最低加熱時間が保証され、溶着不良個所の発生が抑制される。
加熱制御部54は、電磁加熱ユニット1による誘導加熱のタイミングを制御する。加熱制御部54は、誘導加熱の開始を指令する加熱開始制御部541と、誘導加熱の停止を指令する加熱停止制御部542とを備えている。さらに、加熱制御部54は、温度センサ15から継時的に取得される温度値が加熱コイル20による誘導加熱を停止させる加熱停止温度に達した時に、温度達成フラグを出力する加熱停止温度判定部53を備えている。
加熱開始制御部541は、位置判定部51から位置判定結果を受け取り、加熱SW16から加熱SW16のON操作(加熱指令)による加熱SW信号を受け取る。加熱開始制御部541は、位置判定部51から、電磁加熱ユニット1が固定部材80の上方に正しく載置されていることを示す判定結果を受け取っているとともに、加熱SW16がON操作されたことを示す加熱SW信号を受け取ると、加熱開始指令を給電制御部55に出力する。加熱停止制御部542は、時間設定部52がタイアップを出力している状態で、加熱停止温度判定部53から出力された温度達成フラグを受け取ると、加熱停止指令を給電制御部55に出力する。
給電制御部55は、給電部44に与える制御信号を調整することで、加熱コイル20に供給する電力を制御する。給電制御部55は、作業対象となるシート厚さなどの防水シート8の仕様や固定部材80の仕様などによって、給電仕様を変更することができる。
作業記録部56には、衛星測位モジュール45から測位データが入力され、給電制御部55から給電データ(電力値や給電時間)が入力される。作業記録部56は、加熱開始を示す加熱SW信号を受けて、給電データ、測位データ、シート厚さなどを含む加熱作業ログを生成して、メモリに記録する。なお、衛星測位モジュール45のアンテナを電磁加熱ユニット1に設けると、各加熱溶着ポイントの位置が正確な誘導加熱情報を記録することができる。
本発明による誘導加熱溶着装置は、複数の加熱停止制御モードで加熱停止を行うことができる。複数の加熱停止制御モードが選択可能なように構成してもよい。もちろん、特定の1つの制御モードだけが実行可能なように構成してもよい。
最も簡単な加熱停止制御モードでは、防水シート8の材質やシート厚さなどのシート仕様、固定部材80に形成されたホットメルト接着層の仕様などに基づいて、前もって加熱停止温度が設定される。温度センサ15から送られてくる温度値が加熱停止温度に達すると、加熱停止温度判定部53が温度達成フラグを加熱停止制御部542に与える。これにより、加熱停止制御部542から加熱停止指令が給電制御部55に出力され、誘導加熱が停止する。つまり、加熱停止温度判定部53は、特定部分の温度値の到達度合によって、誘導加熱を停止させるように機能する。
より複雑な制御となる別の加熱停止制御モードでは、防水シート8の特定部分の温度上昇傾向が推定され、この温度上昇傾向に基づいて誘導加熱の停止が行われる。この加熱停止制御モードは推定加熱停止モードと呼ばれ、加熱停止温度判定部53は、温度センサ15から継時的に取得される温度値に基づいて、特定部分の温度上昇傾向及び温度下降傾向を推定する。加熱停止制御部542は、加熱停止温度判定部53によって推定された温度上昇傾向及び現時点の温度値に基づいて、誘導加熱を停止すべきタイミングを判定する。
この誘導加熱停止タイミングの判定のため、防水シート8の特定部分と固定部材80との溶着に要求される特定部分の特定温度値が前もって設定されている。そして、加熱停止温度判定部53は、加熱コイル20による加熱が停止された後に、余熱だけで特定部分の温度値が特定温度値になる、加熱停止時温度値を、実験結果や統計演算結果に基づいて作成されたルールから推定することができる。この加熱停止時温度値が生じたときが、誘導加熱停止タイミングとなり、加熱停止温度判定部53が温度達成フラグを加熱停止制御部542に与える。これにより、加熱停止制御部542から加熱停止指令が給電制御部55に出力され、誘導加熱が停止する。
次に、図5、図6、図7のグラフを用いて、上述した特定部分の温度上昇傾向及び誘導加熱停止タイミングを説明する。図5、図6、図7のようなグラフは、防水シート8を固定部材80に誘導加熱溶着する誘導加熱実験を多数回行い、この実験で得られた実験値群を統計的に処理することによって得られるグラフのごく一部である。その横軸は加熱開始からの時間、縦軸は温度センサ15による特定部分の温度値である。特定温度値はTzで示されている。なお、図5、図6、図7で例示されたグラフ(特定部分の温度上昇傾向及び温度下降傾向)は、非常に簡略化されている。
図5で示されたグラフは、ここではa曲線と名付けておく。a曲線は、実験結果としての多数の温度上昇傾向からクラス分けされた1つの温度上昇傾向を示す。a曲線では、t1時に温度値がTa1となり、t2時に温度値がTa2となり、t3時に温度値がTa3となり、t4時に温度値がTa4となり、さらに、t4時に誘導加熱が停止され、t6時に特定温度値に達して、それ以降では温度値は低下している。このa曲線から、t1時で温度値がTa1となり、t2時に温度値がTa2となり、t3時に温度値がTa3となり、t4時に温度値がTa4となった場合、その時点で、誘導加熱を停止すれば、t6時に特定温度値になることが推定できる。したがって、加熱停止温度判定部53は、継時的に取得されてくる温度値群から、現在行われている誘導加熱の温度上昇曲線がa曲線となると判定される確率がほかの曲線より十分に大きくなれば、今回の誘導加熱がa曲線に準ずるものみなし、かつt4時に取得した温度値がTa4にほぼ等しければ、この時点が誘導加熱停止タイミングと判定する。そして、加熱停止温度判定部53は、温度達成フラグを加熱停止制御部542に与え、誘導加熱の停止を要求する。
同様に、図6で示されている、b曲線と名付けられているグラフでは、t1時で温度値がTb1となり、t2時に温度値がTb2となり、t3時に温度値がTb3となった場合、その時点で、誘導加熱を停止すれば、t5時に特定温度値になることが推定できる。したがって、加熱停止温度判定部53は、継時的に取得されてくる温度値群から、現在行われている誘導加熱の温度上昇曲線がb曲線となると判定される確率がほかの曲線より十分に大きくなれば、今回の誘導加熱がb曲線に準ずるものみなし、かつt3時に取得した温度値がTb3にほぼ等しければ、この時点が誘導加熱停止タイミングと判定する。そして、加熱停止温度判定部53は、温度達成フラグを加熱停止制御部542に与え、誘導加熱の停止を要求する。
図7で示されている、c曲線と名付けられているグラフでは、t1時で温度値がTc1となり、t2時に温度値がTc2となった場合、その時点で、誘導加熱を停止すれば、t4時に特定温度値になることが推定できる。したがって、加熱停止温度判定部53は、継時的に取得されてくる温度値群から、現在行われている誘導加熱の温度上昇曲線がc曲線となると判定される確率がほかの曲線より十分に大きくなれば、今回の誘導加熱がc曲線に準ずるものみなし、かつt2時に取得した温度値がTa2にほぼ等しければ、この時点が誘導加熱停止タイミングと判定する。そして、加熱停止温度判定部53は、温度達成フラグを加熱停止制御部542に与え、誘導加熱の停止を要求する。
上述した機能を有する加熱停止温度判定部53の構成例が、図8に示されている。この加熱停止温度判定部53は、上昇温度傾向算出部531と加熱停止タイミング決定部532を備えている。上昇温度傾向算出部531は、種々の温度上昇傾向及び温度下降傾向を示す多数の曲線をテーブルまたはデータベースの形態で格納している。所定間隔で、継時的に取得される温度値と加熱からの時間との組み合わせ群から、今回の誘導加熱での温度上昇傾向に類似する温度上昇傾向を示す曲線が、条件確率手法やパターン認識手法などを用いて導出される。加熱停止タイミング決定部532は、上昇温度傾向算出部531によって導出された温度上昇傾向を示す曲線を参照し、その時点で取得した温度値と取得時間との組み合わせが、当該曲線における誘導加熱停止タイミングを表す座標値とみなされた場合に、温度達成フラグを出力する。
〔別実施の形態〕
(1)上述した実施形態では、固定部材80に溶着されるシートは防水シート8であったが、その他のシートであってもよい。
(2)上述した実施形態では、温度センサ15は、加熱コイル20の内側に位置していたが、加熱コイル20の外周より少し外側に位置してもよい。つまり、シートの特定部分は、接当する加熱コイル20の外周より少し外側の領域、さらには加熱コイル20の外周より少し内側の領域も含まれることになる。
(3)
上述した実施形態では、誘導加熱の開始は、作業者による加熱SW16の操作によって行われ、誘導加熱の停止は自動的に行われている。しかしながら、作業者の判断で、早い時点での誘導加熱の停止、誘導加熱の延長、誘導加熱強度の増加などが要望されることがある。この要望を満たすための、オプショナルな誘導加熱停止のための操作デバイスが設けられてもよい。
(4)
図3及び図4で示された制御ユニット5の各機能部は、説明目的で便宜上区分けされたものであり、任意の複数の機能部を統合してもよいし、各機能部をさらに分割してもよい。
なお、上記実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
本発明は、誘導加熱を利用して、固定部材にシートを溶着させる誘導加熱溶着装置に適用可能である。
1 :電磁加熱ユニット
16 :加熱SW
15 :温度センサ
3 :接続ケーブル
4 :給電制御装置
5 :制御ユニット
52 :時間設定部
53 :加熱停止温度判定部
531 :上昇温度傾向算出部
532 :加熱停止タイミング決定部
54 :加熱制御部
541 :加熱開始制御部
542 :加熱停止制御部
55 :給電制御部
80 :固定部材
8 :防水シート
20 :加熱コイル
41a :シート厚設定ダイアル
41b :時間設定ダイアル
44 :給電部

Claims (4)

  1. 表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材を覆っているシートを表側から加熱することで、前記シートのうち、前記熱溶着層と重ねられている特定部分を前記熱溶着層に溶着する誘導加熱溶着装置であって、
    前記特定部分越しに前記固定部材を誘導加熱する電磁加熱ユニットと、
    前記特定部分の温度を検出する温度センサと、
    前記特定部分と前記熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に対する前記特定部分の温度値の到達度合によって、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する加熱制御部と、
    前記温度センサから継時的に取得される温度値と加熱開始からの時間との組み合わせに基づいて今回の誘導加熱での前記特定部分の温度上昇傾向を推定する上昇温度傾向算出部と、が備えられ、
    前記加熱制御部は、前記上昇温度傾向算出部によって推定された温度上昇傾向及び現時点の温度値に基づいて、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する誘導加熱溶着装置。
  2. 表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材を覆っているシートを表側から加熱することで、前記シートのうち、前記熱溶着層と重ねられている特定部分を前記熱溶着層に溶着する誘導加熱溶着装置であって、
    前記特定部分越しに前記固定部材を誘導加熱する電磁加熱ユニットと、
    前記特定部分の温度を検出する温度センサと、
    前記特定部分と前記熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に対する前記特定部分の温度値の到達度合によって、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する加熱制御部と、
    前記温度センサから継時的に取得される温度値に基づいて、前記特定部分の温度上昇傾向を推定する上昇温度傾向算出部と、
    が備えられ、
    前記電磁加熱ユニットの加熱停止後における前記特定部分の温度下降傾向が前もって算出され、
    前記加熱制御部は、前記上昇温度傾向算出部によって推定された温度上昇傾向及び現時点の温度値及び前記温度下降傾向に基づいて、前記電磁加熱ユニットの加熱停止を決定する誘導加熱溶着装置。
  3. 表面に熱溶着層を有する導電性の固定部材を覆っているシートを表側から加熱することで、前記シートのうち、前記熱溶着層と重ねられている特定部分を前記熱溶着層に溶着する誘導加熱溶着装置であって、
    前記特定部分越しに前記固定部材を誘導加熱する電磁加熱ユニットと、
    前記特定部分の温度を検出する温度センサと、
    前記特定部分と前記熱溶着層との溶着に必要な特定温度値に対する前記特定部分の温度値の到達度合によって、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する加熱制御部と、
    最低加熱時間を設定可能な時間設定部と、
    が備えられ、
    前記最低加熱時間内での、前記加熱制御部による前記電磁加熱ユニットの加熱停止は無効化される誘導加熱溶着装置。
  4. 前記加熱制御部は、前記特定部分の温度値が前記特定温度値に達する前に、前記電磁加熱ユニットの加熱を停止する請求項1から3のいずれか一項に記載の誘導加熱溶着装置。
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